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土地の査定方法は主に2種類!査定額に影響するポイントは?

土地 査定方法

土地を売る際の査定方法には「机上査定」と「訪問査定」の2種類がありますが、手間のかからない机上査定を受けてから、あらためて訪問査定を受ける方法がおすすめです。

一括査定を利用すれば、一度に複数の不動産会社へ机上査定を申し込めるので、条件のよい不動産会社を探してから、訪問査定でより正確な価格を算出してもらいましょう。

国が定めた公的評価額から土地の価格を自分で調べる方法もありますが、面倒な上に査定精度が低いので、不動産会社の査定を受けるほうが簡単かつ正確な価格がわかります。

この記事では、土地の売却価格を調べたい人に向けて、査定方法をわかりやすく解説します。

「どのような点が土地の査定額に影響するのか?」もわかるので、これから土地売却を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

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土地の査定方法は「業者がやる」「自分でやる」の2パターン

土地-査定方法

土地の売却価格を調べる査定方法は、不動産会社に調べてもらう方法・自分で調べる方法の大きく分けて2パターンがあります。

実施者 査定方法
不動産会社 机上査定
訪問査定
自分 アプリ・AI査定
土地の公的評価額を調べる
周辺物件の実勢価格を調べる

厳密にいうと、国家資格をもつ不動産鑑定士に有料で査定してもらう方法もありますが、土地売却時に価格を調べたい場合、無料でおこなえる不動産会社の査定で十分です。

不動産会社は売主の土地を売却して得られる仲介手数料で利益をあげているため、自社に売却を依頼してもらうための営業目的で土地の無料査定を実施しています。

「不動産を鑑定して報酬を得る仕事は国家資格をもつ不動産鑑定士の独占業務である」と法律で定められているので、不動産会社の査定で費用を請求される心配はありません。

自分で土地の価格を調べるのは面倒・困難ですが、専門家に依頼すれば簡単に土地の価値がわかるので、基本的には不動産会社の無料査定を受けることをおすすめします。

不動産業者がおこなう査定

不動産査定-種類

不動産業者がおこなう査定には、机上査定・訪問査定の2種類があります。

種類 解説
机上査定 物件情報だけで売却価格を予測する
訪問査定 現地調査をおこない売却価格を予測する

わかりやすくいうと、机上査定は時間や手間がかからない代わりに査定精度が低い方法で、訪問査定は査定精度が高い代わりに時間や手間がかかる方法になります。

種類 机上査定 訪問査定
メリット 手間がかからない 正確な査定額がわかる
査定額がすぐわかる
デメリット 査定の根拠や精度が曖昧 現地調査の立会いが必要
査定に時間がかかる
かかる時間 最短30分程度 1週間程度

机上査定の後で訪問査定を依頼することも可能なので、複数の不動産会社で机上査定を受けた後、査定額の高い不動産会社にあらためて訪問査定を申し込む方法がおすすめです。

机上査定(簡易査定)

机上査定とは
机上査定とは?
文字どおり机の上でおこなわれる査定方法で、売却したい不動産の物件情報だけで売却価格を予測します。

机上査定は申込者が申告した物件情報で土地の売却価格を予測する方法で、住所・面積といった物件情報と類似物件の取引相場や市場動向などを参考に査定額を算出します。

机上査定で土地の査定額を調べる流れは、以下のとおりです。

  1. 土地の物件情報を入力する
  2. 不動産会社に査定を依頼する
  3. 不動産会社から査定結果が届く

机上査定で土地の査定額を調べるメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
手間がかからない 査定の精度や根拠が曖昧
査定額がすぐわかる

なるべく多くの不動産会社で机上査定を受けるほど相場を掴めますが、1社ずつ査定を申し込むと時間・手間がかかるので、不動産一括査定サイトの利用をおすすめします。

不動産一括査定は複数社の机上査定
一括査定サイトの仕組み
不動産一括査定サイトとは?
不動産査定を一度に複数の不動産会社に依頼できるサービスで、簡単な物件情報を入力するだけで複数の不動産会社から見積もり結果が届きます。

一括査定サイトを利用すると、1分程度で済む簡単な物件情報をスマホやPCから入力・送信するだけで、平均6社以上の査定結果が最短30分程度であなたの元に届きます。

一括査定サイトを利用するメリットは、一度に複数の不動産会社の査定額を比較することで、査定額の高い不動産会社や価格相場が簡単にわかることです。

また、訳あり物件の専門業者や地域密着型の不動産会社など、不動産会社には得意分野がありますが、一括査定なら幅広いタイプの不動産会社の査定結果を一気に確認できます。

以下のリンクから、売りたい土地の所在地・面積などを入力するだけで、最大6社の不動産会社に一括査定を申し込めるので、気軽に利用してみるとよいでしょう。

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訪問査定

訪問査定とは
訪問査定とは?
不動産会社の担当者が現地調査をおこなう査定方法で、物件の状態・隣地との境界などを確認した上で売却価格を予測します。

訪問査定は不動産会社の担当者が土地を訪れるので、実際に現地調査をおこなわないと確認できない情報が価格に反映されるため、机上査定よりも正確な価格がわかります。

訪問査定で土地の査定額を調べる流れは、以下のとおりです。

  1. 不動産会社に訪問査定を申込む
  2. 不動産会社の担当者が現地調査をおこなう
  3. 不動産会社から査定結果が届く

訪問査定で土地の査定額を調べるメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
正確な査定額がわかる 現地調査の立会いが必要
査定に時間がかかる

訪問査定は机上査定よりも時間・手間がかかるので、手間のかからない机上査定で条件のよい不動産会社を探してから、精度の高い訪問査定を申し込むとよいでしょう。

自分でできる査定

土地の価格を自分で査定する場合、以下3種類の方法があります。

自分でできる査定方法

  • アプリ・AI査定
  • 土地の公的評価額を調べる
  • 周辺物件の実勢価格を調べる

手間なく査定額を知りたい人には、物件情報を入力すると30秒程度で土地の査定額がわかるアプリ・AI査定がおすすめですが、査定精度が低いので大体の価格しかわかりません。

土地の公的評価額・周辺物件の実勢価格を調べれば、土地の大まかな売却価格を確認できますが、自分で検索・計算をおこなう必要があるため手間がかかります。

そのため、土地の売却価格を調べる際は必ず不動産会社の査定も受けた上で、自分で調べた査定額はあくまで目安程度の認識に留めておくようにしましょう。

アプリ・AI査定

アプリ・AI査定を利用すれば、スマホ上で土地の査定額を調べられます。

AI査定とは?
人工知能を使って不動産の価格を査定するシステムで、過去の取引事例を学習データとして不動産の価格を瞬時に算出します。

不動産会社の机上査定を利用する場合でも、人間が査定をおこなうので査定結果が届くまでに最短30分程度はかかりますが、AI査定はその場ですぐに査定結果がわかります。

アプリ・AI査定で土地の査定額を調べるメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
計算が必要ない 査定精度が低い
スマホ上で調べられる

アプリ・AI査定の場合、マンションは似たタイプのマンションの過去事例があるので査定精度が高いですが、土地は取引事例の条件が大幅に異なるので査定精度が低いです。

加えて、アプリ・AI査定はサービスによって元となる教師データや計算方法が違うため、利用するサービスによって査定額が異なる点に注意しましょう。

代表的なアプリ・AI査定

土地査定シミュレーションというのもある

アプリ・AI査定の中には、土地に特化した「土地査定シミュレーション」もあります。

土地査定シミュレーションとは?
匿名で土地の売却価格をシミュレーションできるサービスで、スマホやパソコンから誰でも簡単に土地の価格をすぐ確認できます。

土地査定シミュレーションでは、過去の取引実績を学習データにしたAIが価格を算出するので、売りたい土地の概算価格が数十秒でわかります。

さらに、土地査定シミュレーションはスマホ・パソコンから24時間いつでも申し込めるので、通勤時間や寝る前のすきま時間でも気軽に土地の査定額をチェックできます。

物件情報の入力〜シミュレーション結果の表示まで30秒程度で済むので、いますぐ土地の概算価格を知りたい人は土地査定シミュレーションを利用してみるとよいでしょう。

土地の公的評価額を調べて私的に査定する

国が定めた土地の公的評価額を用いて、土地の査定額を算出することも可能です。

土地の査定額の算出に利用できる公的評価額は、以下の3種類です。

種類 価格目安
公示地価 実勢価格の90%程度
相続税評価額 実勢価格の70%程度
固定資産税評価額 実勢価格の60%程度

ただし、上記の公的評価額は国や自治体が土地の価格を評価した金額に過ぎないので、実際に土地を売る場合の売却価格とは異なる点に注意しましょう。

例えば、公示地価・路線価はあなたの土地の評価額ではなく、近隣にある土地の価格を評価した金額なので、実際の売却価格とかけ離れてしまうケースも少なくありません。


固定資産税評価額はあなたの土地の地価を評価した金額ですが、不動産売買ではなく固定資産税を算出する目的で定めた金額なので、実際の売却価格より安くなります。
公示地価を調べる

周辺地域の「公示地価」を調べることで、土地売却時の価格の参考にできます。

公示地価とは?
全国で選定された標準地について、不動産鑑定士などが土地の評価をおこない、国土交通省が毎年3月下旬に公示している価格です。

公示地価を用いて土地の査定額を算出する方法は、以下のとおりです。

  1. 国土交通省の「土地総合情報システム」にアクセス
  2. 「地価公示 都道府県地価調査」をクリック
  3. 調べたい都道府県・市区町村をクリック
  4. ​​調査年・用途区分などを指定して検索

公示地価を用いて土地の査定額を算出するメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
計算が必要ない 標準地から離れている場合は参考にならない
ネット上で調べられる
路線価を調べる

路線価から「相続税評価額」を算出することで、土地の査定額を算出できます。

路線価とは?
土地の相続税評価額を算出するため、道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額を定めた金額で、国税庁ウェブサイトの路線価図で確認できます。

路線価を用いて土地の査定額を算出する方法は、以下のとおりです。

  1. 国税庁の「路線価図・評価倍率表」にアクセス
  2. 路線価図で路線価を確認
  3. ​​路線価から相続税評価額を算出
    路線価×土地面積=相続税評価額

路線価を用いて土地の査定額を算出するメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
ネット上で調べられる 路線価のない土地は対応不可
借地・底地でも対応可能 計算が複雑かつ面倒
固定資産税評価額を調べる

土地の「固定資産税評価額」を調べることで、土地売却時の価格の参考にできます。

固定資産税評価額とは?
固定資産税を算出する際に用いる土地の評価額で、各自治体の固定資産評価員や不動産鑑定士が3年に1度のペースで決めています。

固定資産税評価額から土地の査定額を算出する方法は、以下のとおりです。

  1. 自治体から送付される固定資産税の課税明細書を確認
  2. 市区町村役場で固定資産課税台帳を閲覧
    ※課税明細書が見つからない場合のみ

固定資産税評価額から土地の査定額を算出するメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
公示地価・路線価のない土地でも対応可能 市区町村役場に出向く必要がある
(課税明細書を紛失した場合)
計算が必要ない

土地周辺物件の取引から実勢価格を調べる

周辺物件の取引から「実勢価格」を調べることで、土地の査定額の参考にできます。

実勢価格とは?
売主と買主の間で需要と供給が釣り合う不動産の時価で、類似物件の取引事例や公的なデータから推定します。

類似物件の実勢価格を調べる方法は、以下のとおりです。

  1. 国土交通省の「土地総合情報システム」にアクセス
  2. 「不動産取引価格情報検索」をクリック
  3. 調べたい都道府県をクリック
  4. ​​調べたい土地を地図上でクリック

実勢価格から土地の査定額を算出するメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリット デメリット
実際にあった取引の価格を確認できる 周辺地域の実勢価格があるとは限らない
計算が必要ない

土地の査定を依頼する不動産会社の選び方

仲介業者-買取業者-選び方

土地の査定を依頼する場合、目的に応じて不動産会社を選ぶとよいでしょう。

重視する点 おすすめの不動産会社
価格重視 一括査定で不動産会社を探す
スピード重視 不動産買取業者に依頼する

土地を売却する場合、依頼する不動産会社は仲介業者・買取業者の2種類があります。

仲介業者は価格が高くなりやすいですが売却に時間がかかりやすく、買取業者は売却に時間がかからない代わりに価格が安くなりやすいです。

そのため、高く土地を売りたい人は一括査定で査定額の高い不動産会社に仲介を依頼する方法、早く土地を売りたい人には買取業者に買取してもらう方法がおすすめです。

一括査定で比較後に一番希望価格に近い会社を選ぶ

査定額の高い不動産会社

土地を高く売りたい場合、一括査定で査定額の高い不動産会社に売却を依頼しましょう。

  1. 一括査定サイトで査定額を確認する
  2. 査定額の1番高い不動産会社に売却を依頼する

一括査定サイトを利用すれば、スマホやPCから簡単な物件情報を入力・送信するだけで、平均6社以上の査定結果が届くので査定額の高い不動産会社が簡単にわかります。

例えば、査定額が4,000万円のA社・3,500万円のB社・2,500万円のC社がある場合、一括査定サイトを利用すれば、A社の査定額が1番高いことが1回の申込みでわかります。

一括査定サイトで複数の不動産会社で査定額を確認して、1番査定額の高い不動産会社に売却を依頼すれば、あなたの土地を高く売却できる可能性が高いです。

ただし、一括査定サイトにも種類があり、提携している不動産会社数・対応エリアなどが異なるため、利用する一括査定サイトによって査定額が変動する点に注意しましょう。

例えば、東京都・埼玉県・千葉県・ 神奈川県にある首都圏エリアの物件しか対応しておらず、地方や郊外にある物件は査定できない一括査定サイトもあります。

なるべく多くの査定結果を確認するほど、査定額の高い不動産会社が見つかる可能性も高いので、提携している不動産会社の多い一括査定サイトがおすすめです。

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早く売却したいなら不動産買取業者も検討

不動産買取業者

土地を早く売りたい場合、不動産買取業者に土地を買取してもらいましょう。

買取業者とは?
土地を自社で直接買取している不動産会社で、買主を探す必要がないので仲介よりも素早く土地を売却できます。

買取業者に土地を売却する場合、無料査定で提示された条件を確認した後、不動産会社と売買契約を締結して、物件を引き渡す代わりに金銭を受け取るだけです。

買取業者を利用する最大のメリットは売却スピードが早い点で、仲介のように買主を探す必要がないので、売却活動をおこなわずに最短数日で物件を現金化できます。

一方、買取業者は売主から買取した土地を自社で再販売するので、再販売にかかる経費などが差し引かれてしまい、仲介よりも売却価格が安くなりやすいデメリットもあります。

土地を査定に出す前に準備すること

土地を査定に出す前には、以下の準備をしておきましょう。

土地を査定に出す前に準備すること

  • 土地の名義を確認
  • 土地の物件概要を把握しておく
  • 土地の価格相場を調べておく
  • 境界確定や越境問題の解消
  • 必要書類の準備

そもそも、土地が自分名義でなかったり隣地との境界トラブルを抱えている状態だと、土地を売却できないので、土地の名義・境界を確認しておく必要があります。

加えて、土地に関する情報がないと不動産会社も査定額を算出できないので、土地の情報がわかる必要書類を集めて、物件概要を把握しておく必要もあります。

土地を査定に出す前に準備するべき点を1つずつ解説します。

土地の名義を確認

そもそも土地所有者でないと土地売却はおこなえないので、不動産会社に査定を申し込む前に土地の名義を確認しておきましょう。

特に相続した土地の場合は注意が必要で、名義変更をおこなっていないと前の所有者名義のままだったり、兄弟などの共有名義の土地になっているケースも珍しくありません。

例えば「親から自分が相続した」と誤解していた土地が兄弟の共有名義だった場合、あなた1人の判断では土地を売却できず、共有者全員の同意が必要になります。

土地の名義を確認するには、法務局にて登記簿謄本を取得する必要があるので、必要であれば所有権移転登記をおこない、土地の名義を自分に移しておきましょう。

土地の物件概要を把握しておく

机上査定を受ける場合、土地の物件情報を自分で入力・送信しなければならないため、登記簿謄本や公図などを確認して、土地の物件情報を把握しておきましょう。

例えば「土地面積が100㎡」という情報だけで査定をおこなう場合、不動産会社は形状の整った土地を想定して査定をおこなうので、査定額は高くなりやすいです。


しかし、土地が形状の悪い三角地だった場合、実際に土地を売りに出すと不動産会社が提示した査定額より売却価格は安くなるため、査定精度が下がってしまいます。

土地の査定では、土地の面積・形状・用途地域・駅からの距離といった点を基準に評価をおこなうため、土地の物件概要がわかる書類を確認しておくことをおすすめします。

土地の価格相場を調べておく

「不動産会社の提示した査定額が高いのか?安いのか?」を判断するためにも、査定前に土地の価格相場を調べておくとよいでしょう。

土地の価格相場を自分で調べるには、公的評価額・類似物件の実勢価格などを自分で確認する方法がありますが、手間がかかる上に査定精度が低い点は否めません。

そのため、複数の不動産会社に査定を申し込んで、複数社の査定額を比較して平均を割り出すことで土地の価格相場を把握する方法がおすすめです。

一括査定を利用すれば、物件情報を1回入力するだけで平均6社程度の査定額が届くので、一括査定を受けて土地の価格相場を把握しておくことをおすすめします。

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境界確定や越境問題の解消

隣地との境界が曖昧な土地は売れにくく、売却後にトラブルが発生する恐れもあるので、査定前に土地の境界確定や越境問題の解消を実施しておきましょう。

具体的には、国家資格をもつ土地家屋調査士の立合いのもと、隣地所有者と一緒に境界の位置を確認して、お互いに合意したことを証明する「境界確定図」を作成します。

境界確定図とは?
隣地所有者の許諾を得た上で境界を決めた測量図で、土地家屋調査士が作成します。

すでに土地が隣地に越境していたり、隣地が自分の土地に越境している場合、越境している部分の土地を隣地所有者に売却もしくは買取してもらいましょう。

隣地所有者との和解が難しい場合、裁判所に境界確定訴訟を提起できますが、判決が出るまでは約2年かかるので、訳あり物件を取り扱う不動産会社に相談するとよいでしょう。

必要書類の準備

土地の査定を受ける場合、以下の書類を準備しておくとよいでしょう。

種類 入手場所
登記済権利証 売主保管
登記識別情報
登記簿謄本
(登記事項証明書)
所在地管轄の法務局
公図 所在地管轄の法務局
地積測量図
建物の図面
固定資産税納税通知書 市区町村役場の担当課
印鑑証明書
(3ヶ月以内の発行のもの)
市区町村役場の窓口
本人確認書類 売主保管
境界確認書
(一戸建て・土地の場合)
売主保管

上記の書類を一切用意しなくても土地の査定自体は受けられますが、結局は売却する際に必要になる上、土地の情報がわかる書類を用意したほうが査定精度が上がります。

少なくとも、登記簿謄本と公図と身分証明書・印鑑証明書・住民票は最低限用意した上で、不動産会社に査定を申し込むことをおすすめします。

必要書類の大半は売主側で保管している場合が多いですが、足りない書類がある場合は不動産の所在地を管轄する法務局・市区町村役場の窓口で取得しましょう。

土地査定から売却までの流れ

土地の査定〜売却までの流れは、以下8ステップです。

  1. 机上査定(簡易査定)をしてもらう
  2. 不動産会社に訪問査定を依頼する
  3. 不動産会社から査定結果をもらう
  4. 価格に納得すれば媒介契約を締結
  5. 売却活動を開始
  6. 購入希望者と売買契約を締結
  7. 決済・引き渡し
  8. 確定申告

土地を売却する場合、不動産会社に仲介を依頼する方法・不動産会社に買取を依頼する方法の2種類がありますが、買取の場合は売却活動が必要ないので早く売却できます。

東日本不動産流通機構の調査によれば、仲介における売却活動の開始〜売買契約の締結までにかかる日数は、首都圏にある土地の場合は95.9日というデータがあります。

一方、不動産会社に買取を依頼する場合は最短48時間で土地を現金化できるので、売却を急いでいる人は買取業者を利用するとよいでしょう。

参照:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」

机上査定(簡易査定)をしてもらう

まずは不動産会社の公式サイトや一括査定サイトから、机上査定を申込みましょう。

不動産会社の公式サイトや一括査定サイトには、以下のような物件情報を入力するフォームが用意されているので、査定してほしい土地の情報を入力します。

机上査定の入力項目

  • 不動産の種類
  • 不動産の住所
  • 不動産の面積など

不動産会社の公式サイトや一括査定サイトの多くは、入力フォームの下に申込みボタンや送信ボタンがあるので、ボタンを押すことで物件情報を送信します。

机上査定を申し込むと、最短30分程度〜遅くても翌日には土地の査定結果が届くので、査定結果を確認して、訪問査定を依頼する不動産会社を選ぶとよいでしょう。

一括査定であなたの物件を高く売ってくれる不動産会社が見つかります!POINT01 日本全国どこでも対応。POINT02 提携不動産会社1600社以上。POINT03 安心の相見積もり。あなたの不動産はいくら?最大6社からお見積り高価格で仲介・売却してくれる不動産会社に出会えます。無料査定はこちら

不動産会社に訪問査定を依頼する

机上査定で条件のよい不動産会社を見つけたら、訪問査定を依頼しましょう。

訪問査定を申し込むと、スケジュール調整した日に不動産会社の担当者が土地を訪問して1~2時間程度の現地作業をおこない、土地の状態・周辺環境などを調査します。

その場で査定結果が伝えられる訳ではなく、不動産会社の担当者が現地調査の結果を加味して土地の査定額を算出するため、現地調査から1週間程度で査定結果が届きます。

訪問査定は不動産会社の担当者が現地調査をおこなう都合上、不動産会社と売主の予定があわないとスケジュールが組みにくいため、予定日より早めに申し込むとよいでしょう。

不動産会社から査定結果をもらう

訪問査定の現地調査を実施した後、1週間程度で不動産会社から査定結果が届きます。

不動産会社から査定結果が届いたら、査定額を算出した根拠を確認しましょう。

媒介契約を獲得する目的で極端に高い査定額を提示する不動産会社もいるため、査定額の根拠を説明できる不動産会社でないと、結果的に売却価格が安くなる恐れがあります。

加えて、不動産知識のない素人にもわかりやすく査定額の根拠を説明してくれる担当者であれば、その後の土地売却に関しても親身になって協力してくれる可能性が高いです。

査定結果に納得できない場合、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要はないので、あらためて別の不動産会社に机上査定・訪問査定を申し込むとよいでしょう。

価格に納得すれば媒介契約を締結

不動産売却時の媒介契約
媒介契約とは?
不動産売却時に買主を探してもらうために売主が不動産会社と結ぶ契約で、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があります

土地売却における媒介契約は3種類あり、それぞれ契約内容が異なるため注意が必要です。

3種類の媒介契約の比較表

種類 解説
一般媒介契約 複数の不動産会社に依頼できる
専任媒介契約 不動産会社1社だけに依頼する
自分で探した買主にも売却可能
専属専任媒介契約 不動産会社1社だけに依頼する
不動産会社の見つけた買主にしか売却できない

立地のよい土地であれば一般媒介契約でも買主が見つかりますが、田舎などの売れにくい土地の場合は売却活動に注力してもらえる専任媒介契約がおすすめです。

なぜなら、専任媒介契約では全国の不動産会社が加盟している「レインズ」というネットワークへの登録が義務化されており、より多くの人に物件情報を届けられるからです。

加えて、不動産会社には売却活動の進捗を2週間に1回以上のペースで報告する義務があり、売主側が価格変更などの判断をしやすい点もメリットです。

ただし、専任媒介契約の契約期間は最長3ヶ月で、基本的に契約期間内は他の不動産会社と媒介契約を結べないので、契約する不動産会社は慎重に選びましょう。

【買取の場合】不動産会社と売買契約を締結

買取業者に土地を売る場合、売却活動をおこない買主を探す必要がなく、土地を売却する売買契約を不動産会社と締結します。

具体的には、不動産会社が用意した売買契約書の内容や契約約款を読み上げた上で最終確認をおこない、契約書にサインと押印をして契約締結という形になります。

買取業者の場合、土地売却にかかる期間は仲介に比べると短いですが、さまざまな手続きが必要になるので、基本的には1ヶ月程度かかると考えておきましょう。

なるべく早く土地を買取してほしい人は、話がまとまり次第すぐに土地を現金化してくれる「即時買取」に対応している不動産会社に依頼するとよいでしょう。

売却活動を開始

不動産会社と媒介契約を結ぶと、土地の買主を探すためにチラシやインターネットに広告を出したり、購入希望者との価格交渉といった売却活動をおこないます。

土地売却を不動産会社に依頼すると、土地を購入してくれる買主を探す目的で、以下のような広告作成・内覧対応といった販売活動を不動産会社が実施してくれます。

不動産会社がおこなう基本的な売却活動

  • 指定流通機構への登録
  • 宣伝・広告作成
  • 広告活動
  • 内覧準備・実施

基本的には、チラシ作成やインターネットへの広告出稿などは不動産会社がおこなってくれるので、売主は購入希望者との価格交渉をおこなうだけで問題ありません。

土地売却に要する期間は平均3ヶ月程度といわれているので、売却活動を3ヶ月実施しても買主が見つからない場合は別の不動産会社に相談するようにしましょう。

購入希望者と売買契約を締結

売却活動で買主を見つけたら、売主・買主間で売買契約書を作成して、土地を売却する売買契約を締結します。

具体的には、不動産会社が売買契約書を準備するので、売買契約の内容や契約約款を読み上げた上で最終確認をおこない、契約書にサインと押印をして売買契約を締結します。

売買契約締結後に契約を解除することも可能ですが、その場合は手付金を支払う必要があるため、不備がないように契約内容を入念に確認する必要があります。

土地の売買契約締結時は、以下の内容をチェックしておきましょう。

売買契約でチェックするべき点

項目 解説
契約全体 自分の希望条件は記載されているか?
自分にとって無理のある条件はないか?
不明確な条件はないか?
消費者に不利な契約でないか?
売買物件の表示 売却物件の表示に誤りはないか?
買取価格・支払日 買取価格・手付金などの金額に誤りはないか?
不動産会社からの支払日はいつか?
どのような性質の手付金か?
土地の実測・土地代金の精算 土地の実測はおこなうのか?
面積の増減に応じて買取価格の精算をおこなうのか?
所有権の移転と引き渡し 所有権の移転を確実におこなえるスケジュールか?
負担の消除 売却物件を完全な所有権で引き渡せるか?
賃借権など引き継ぐ場合はその内容が明確か?
危険負担 引き渡し前に物件が天災等により滅失・毀損した場合の取り扱いは明確か?
手付解除 いつまで手付解除が可能か?
手付金の金額は妥当か?
契約違反による解除 違約金や損害賠償の予定額は適当か?
契約不適合責任 契約不適合責任の期間は適切か?
付帯設備などの引き継ぎ 引き継ぐべき付帯設備などは明確か?
公租公課等の精算 精算方法と金額を把握したか?
ローン特約 買主が無理なく住宅ローンを返済できるか?
(買主に住宅ローンの利用予定がある場合)
その他 その他に定めておく事項はないか?

参照:公益財団法人不動産流通推進センター「売買契約のチェックポイント」

決済・引き渡し

土地の売買契約締結後、売主・買主間で作成した売買契約書の内容に従って、買主から代金を受け取る代わりに土地を引き渡しましょう。

引き渡しでは、売主・買主・不動産会社の担当者・司法書士などが集まり、代金や仲介手数料の支払い・所有権移転登記といった手続きを1日でおこないます。

土地を買主に引き渡す流れは以下のとおりです。

  1. 買主から残代金を受け取る
  2. 所有権移転登記や抵当権の抹消・設定の手続きをする
  3. 不動産会社に仲介手数料を支払う
  4. 買主から固定資産税などの清算金を受け取る

売買契約を締結したタイミングで土地の所有権が自動的に売主から買主に移る訳ではなく、法務局で所有権移転登記をおこなう必要があります。

とはいえ、基本的には司法書士が所有権移転登記をおこなうので、売主は登記費用と司法書士報酬を支払うだけで問題ありません。

確定申告

不動産売却-確定申告

不動産売却が黒字の場合は納税義務がある上、赤字の場合も特例を用いて節税できるので、土地を売却した翌年は必ず税務署への確定申告をおこないましょう。

具体的には、土地を売却した翌年の2月16日〜3月15日までの間に確定申告をおこなう必要があり、売主自身が手続きする方法・税理士に依頼する方法の2種類があります。

土地売却が黒字の場合のみ、売却で得た利益に対して「譲渡所得税」が課税されます。

譲渡所得税とは?
不動産売却で得た利益である譲渡所得に課税される、所得税・住民税をまとめた総称です。

土地売却が赤字の場合は確定申告をおこなう義務はないですが、一定条件を満たせば税金を控除できる特例が利用できるので、確定申告をしたほうがよいです。

土地の査定における注意点

土地の査定を受ける場合、以下の点に注意しましょう。

土地の査定における注意点

  • 査定額は売却価格ではない
  • 不動産会社によって査定額が異なる
  • 土地の査定を受ける前に建物を安易に取り壊さない

あくまで査定額は不動産会社が土地の売却価格を予測した金額に過ぎないので、不動産会社によって査定額は変わりますし、その金額どおりに売却できるとは限りません。

「更地にすると土地の価格が上がる」と考えている人も多いですが、解体費用がかかる・固定資産税が上がるというデメリットもあるため、独断でおこなうべきではないです。

土地の査定における注意点を1つずつ解説します。

査定価格は売却価格ではない

査定額と売却価格

不動産会社が提示した土地の査定額は物件情報から予測した金額でしかなく、実際に土地を売りに出した際の売却価格とは異なる点に注意しましょう。

例えば、不動産会社が提示した査定額が3,000万円の土地でも、実際に売りに出すと3,500万円で高く売れるケースもあれば、2,500万円で安く売れるケースもあります。

不動産会社は売主の土地を売却して仲介手数料を得ることで利益をあげているため、媒介契約を結んでもらう目的で、実際の価格より高い査定額を提示するケースが多いです。

最終的な土地の売却価格は売主・買主間の交渉で決まるので、不動産会社が提示した査定額は「このくらいの値段で売れるかもしれない」程度の認識に留めておきましょう。

不動産会社によって査定額が異なる

不動産査定に関して法律上のルールは定められておらず、それぞれの不動産会社は独自基準で査定をおこなうため、査定を受ける不動産会社によって査定額は異なります。

例えば、1社目の不動産会社で3,000万円と査定された土地でも、別の不動産会社では3,500万円と査定額が上がる場合もあれば、2,500万円と査定額が下がることもあります。

不動産会社によって得意分野があるため、査定に出す土地のタイプと不動産会社が主に取扱う土地のタイプが一致していない場合、査定額が安くなってしまう傾向にあります。

例えば、地方にある田舎の土地は首都圏メインの不動産会社だと安く査定されやすいですが、地域密着型の不動産会社なら査定額が上がる可能性が高いです。

「提示された査定額が妥当か?」を判断するためにも、1つの不動産会社の査定額を鵜呑みにせず、一括査定を利用して複数の不動産会社の査定額を比較するようにしましょう。

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土地の査定を受ける前に建物を安易に取り壊さない

「土地を更地にすると査定額が高くなる」と考える人も多いですが、土地の査定を受ける前に建物を解体すると、解体費用や税金で損をする恐れがあるため注意しましょう。

土地を更地にするデメリットとして、建物の解体に100万円以上もの解体費用がかかる点、土地を更地にすると固定資産税が最大6倍も高くなる点が挙げられます。

例えば、2,000万円で売れる古家付きの土地があり、100万円の解体費用を費やして更地として売却する場合、売却価格が2,050万円だと解体費用で50万円損をしてしまいます。


加えて、更地は古家付き土地に比べて毎年の固定資産税が高いので、建物を解体したのに買主が見つからない場合は、維持費が増えるだけで損失が増えるばかりです。

土地の査定を受ける場合、建物を解体せずに現状のまま申込み、査定結果を確認してから不動産会社のアドバイスを受けた上で更地にするか判断するようにしましょう。

訳あり物件の専門買取業者であれば、更地にしなくても現状のまま買取してもらえるので、建物を解体する前に必ず査定額を確認しておくとよいでしょう。

土地の査定額に影響する評価ポイント

土地の査定額を決める際、以下のポイントが価格に影響します。

土地の査定額に影響する評価ポイント

  • 土地の面積
  • 土地の形状
  • 土地の間口と奥行き
  • 隣接道路の幅員
  • 接する道路の数(接道面数)
  • 道路との高低差
  • 土壌汚染や埋没文化財の有無
  • 近隣の険悪施設の有無
  • 公法上の規制の有無
  • エリアの人気や利便性

土地の査定額は上記の評価ポイントから総合的に判断されますが、使い道が幅広い土地は査定額が高く、使い道が限定される土地は査定額が安くなります。

例えば、面積が広く・形状が整っている土地であれば、一戸建てだけでなくマンション・アパートを建築できるなど、幅広い使い道があるので査定額が高くなりやすいです。

一方、道路に一切接していない土地は安全上の観点から建築基準法で建物の建築が禁止されている「再建築不可物件」と呼ばれるため、査定額が大幅に安くなります。

土地の査定額に影響する評価ポイントを1つずつみていきましょう。

土地の面積

面積の広い土地ほど、査定額が高くなる傾向にあります。

なぜなら、土地の広さは使い勝手に関わる重要な要素であり、面積の広い物件は購入後の使い道が幅広く、さまざまな用途に活用できる可能性があるからです。

例えば、面積の狭い土地では一戸建てしか建築できませんが、面積の広い土地であればアパート・マンションを建築したり、一戸建てを複数建てることもできます。

単純に考えて、坪単価が同じく10万円だとして50坪と100坪の土地がある場合、土地の総額は50坪で500万円・100坪で1,000万円なので面積が広いほうが高くなります。

具体的には、面積が50㎡未満の土地は査定額が安くなりやすいですが、逆に広すぎる土地は査定額が高くなり過ぎて一般の買主が購入しづらいので売れにくいです。

土地の形状

形状の整った土地ほど、査定額が高くなりやすいです。

具体的には、長方形や正方形の整形地は形状が整っており、建物の配置やレイアウトがしやすいなど、利便性が高く建築計画が立てやすいため不動産査定で高く評価されます。

反対に、三角地・台形地・旗竿地・細長い土地・凹凸のある傾斜地といった不整形地は、建築できる建物の間取りが制限されてしまうため、査定額が下がりやすいです。

土地の形状については、四角形で縦横比が均等な整形地ほど査定額が高く、歪な形状や縦横比が極端に偏っている不整形地は査定額が安いと覚えておきましょう。

土地の間口と奥行き

間口・奥行きが広い土地ほど、査定額が高くなる傾向にあります。

なぜなら、道路からの間口・奥行きが広い土地であれば駐車場なども設置しやすくなるので、間口・奥行きが狭い土地に比べて幅広い用途に土地を利用できるからです。

極端な話、同じ600㎡の土地でも縦100m×横6mの細長い土地より、縦30m×横20mの間口・奥行きが広い土地のほうが使い勝手がよいので査定額が高いです。

間口の狭い旗竿地は奥行きこそありますが、間口が狭いせいで玄関位置が限られるなど、建築できる建物の間取りに制約を受けるため、査定額が安くなります。

隣接道路の幅員

隣接道路の幅員が広い土地ほど、査定額が高くなりやすいです。

なぜなら、接する道路の幅が狭い土地は利用できる面積は実際の面積よりも狭くなり、前面道路が4m未満の場合は、道路の中心から2m後退する必要があるからです。

これは、救急車両のような大型車両の通行や火災時の延焼を食い止める目的で、道路は横幅4m以上を確保しなければならないと建築基準法で定められていることが理由です。

隣接道路の幅員が狭い土地は大型車両が通れないなど単純に不便な上、建築基準法の法規制を受ける可能性も高いため、査定額が低くなる傾向にあります。

接する道路の数(接道面数)

接する道路の数が多い土地ほど、査定額が高くなる傾向にあります。

なぜなら、道路に接している面は車の出入りができる上、一般的な住宅は道路に接している面を玄関にするので、建築できる間取りの自由度が高くなるからです。

具体的には、交差点やT字路の角に位置する角地は、2方向の道路に接しているので利便性が高く、接する道路の数が1方向の土地よりも査定額が高くなります。

反対に、周囲を他人の土地に囲まれていて道路に接していない土地は、建築基準法の接道義務を満たしておらず建物の建築が認められていないため、査定額が安いです。

道路との高低差

道路との高低差が少ない土地ほど、査定額が高くなりやすいです。

なぜなら、地形の起伏が少ない土地は整地をせずに利用できる上、建物の建設費用が抑えられる・庭の整備が容易といったメリットがあるからです。

加えて、道路との高低差がある土地はガス・水道を引く際のコストが大きく、低い土地は排水をポンプアップするコスト・高い土地は階段を設けるコストが必要になります。

単純に接する道路と高低差があるのは危険ですし、ガス・水道を引く費用・階段を設ける費用が差し引かれるため、道路との高低差が大きい土地は査定額が安くなります。

土壌汚染や埋没文化財の有無

土壌汚染や埋没文化財がない土地ほど、査定額が高くなる傾向にあります。

なぜなら、土壌汚染がある土地は汚染物質の除去・埋没文化財のある土地は発掘調査が必要になるなど、通常の土地とは異なり面倒な手続きを踏まないと利用できないからです。

土壌汚染のある土地を活用する場合、土壌汚染対策法に基づいた除染工事をおこなう必要があるため、売主側で有害物質を除去しておかないと査定額が安くなります。

土地が埋蔵文化財包蔵地の場合、土木工事などで発掘をする際は60日以上前に届け出をおこない、場合によっては発掘調査を指示されます。

土壌汚染や埋没文化財がある土地は、除染工事・発掘調査にかかる費用が差し引かれるため、通常の土地に比べて売却価格が5%〜30%程度安くなる点に注意しましょう。

近隣の険悪施設の有無

近隣に険悪施設のない土地ほど、査定額が高くなりやすいです。

嫌悪施設の例

  • 振動や騒音を発生させる線路や高速道路
  • 異臭を放つ飲食店やゴミ処理場
  • 日当たりや眺望が悪い高層マンションやビル
  • 心理的嫌悪感を抱く暴力団事務所や墓場

例えば、治安が良く犯罪率の低い地域は安心して住めるので、周辺環境が安全な土地は査定額にプラスの影響を与えることがあります。

ほかにも、街並みが整備されていたり公園・川・海・湖などが近くにあるなど、景色の美しい土地も居住環境の質が高いと判断されて査定で評価されやすいです。

反対に、騒音のうるさい高速道路や暴力団事務所などの嫌悪施設が近くにある土地は、一般的な不動産価格から20%~50%ほど査定額が安くなるケースも存在します。

公法上の規制の有無

公法上の規制のない土地ほど、査定額が高くなる傾向にあります。

例えば「幅4m以上の道路に間口が2m以上接していないと、土地に建物を建てられない」と建築基準法で定められており、これを満たさない土地を再建築不可物件と呼びます。

接道義務を満たしていない再建築不可物件は、建物の新築・建て替えに制限を受けるため、通常の物件よりも使い道が少ないとして査定額が安くなります。

具体的には、建築基準法・都市計画法・都道府県建築安全条例などの法規制を受ける土地は、使用用途に関する制限を受けるため査定額が安くなる点に注意しましょう。

エリアの人気や利便性

人気エリアや利便性の高い土地ほど、査定額が高くなりやすいです。

具体的には、駅やバス停に近い土地は通勤や通学などの日常生活においてスムーズに移動できるので、時間や労力を節約できるため買主からの需要が大きく人気です。

交通アクセスだけでなく周辺環境も重要で、物件周辺に学校・公園・商業施設・医療機関などがあり、生活に便利な環境が整っている物件も査定額が高くなる傾向があります。

反対に、交通アクセスの悪い土地は駅やバス停などの目的地へ向かう際に自動車や自転車を利用しなければならず、生活に不便であるとして査定額が下がりやすいです。

価格が高い土地・低い土地の特徴

不動産査定において、価格が高い土地・低い土地の特徴は以下のとおりです。

価格 特徴
価格が高い 面積が広い土地
縦横比が均等に近い土地
接道面数の多い土地(角地)
駅・バス停に近い土地
価格が安い 形状が四角形でない土地
縦横比が極端な土地
道路に接していない土地
駅・バス停から遠い土地

土地売却において、価格が高い土地・価格が安い土地は上記のような特徴を持っているので、自分の土地がどちらに該当するか確認しておくとよいでしょう。

1番重要なのは「道路に接しているか?」という点で、道路に接していない土地は再建築不可物件と扱われて建物を建築できないため、致命的に価格が安くなります。

土地売却では「購入した買主が扱いにくい土地であるか?」が価格を決める基準とされており、使い勝手のよい土地ほど価格が高くなることを覚えておきましょう。

価格が高くなりがちな土地の特徴

以下の特徴をもつ土地の場合、売却価格が高くなりやすいです。

価格が高くなりがちな土地の特徴

  • 面積が広い土地
  • 縦横比が均等に近い土地
  • 接道面数の多い土地(角地)
  • 駅・バス停に近い土地

価格が高い土地をわかりやすくいうと、建物を建築しやすい土地・人間が利用しやすい土地のことで、面積の広い土地・駅やバス停に近い土地がイメージしやすいでしょう。

例えば、面積の狭い土地は一戸建て・小さなビルを建てるしか使い道がありませんが、面積が広い土地であればマンション・アパートなど選択肢が大幅に増えます。

また、駅・バス停に近い土地は居住用にする場合は交通アクセスが便利ですし、商業用施設を建てる場合も人の流れが活発なので経済的利益が見込めます。

価格が低くなりがちな土地の特徴

以下の特徴をもつ土地の場合、売却価格が安くなりやすいです。

価格が安くなりがちな土地の特徴

  • 形状が四角形でない土地
  • 縦横比が極端な土地
  • 道路に接していない土地
  • 駅・バス停から遠い土地

価格が安い土地にはそれなりの理由が存在しており、ざっくりいうと建物が建てにくい土地・人が利用しづらい土地は価格が安くなる傾向にあります。

例えば、駅まで1,600m以上の距離がある土地・駅まで徒歩20分以上かかる土地は、交通アクセスが悪く不便なので価格が安くなりやすいです。

ほかにも、道路に接していない土地は「再建築不可物件」として、隣地を買い取るなどして接道義務を満たさないと建物を建築できないため、価格が大幅に安くなります。

特殊な土地ごとの査定方法

以下のような特殊な土地の場合、通常とは異なる方法で査定されます。

特殊な土地の例

  • 借地
  • 底地
  • 古家付き土地
  • 共有名義の土地
  • 農地

借地・底地や共有名義の土地の場合、土地の評価額がそのまま査定額になる訳ではなく、借地権割合や持分割合に応じて査定額が減額される点に注意しましょう。

古家付き土地は土地だけでなく建物の査定額も反映される、農地の場合は造成費が査定額から差し引かれるなど、土地のタイプに応じて査定方法が異なります。

この項目では、特殊な土地の査定方法を解説します。

借地

借地権の査定額は、自用地評価額と借地権割合から算出します。

借地権の査定額
自用地評価額×借地権割合=査定額

自用地評価額と借地権割合が高い借地ほど、高く査定される傾向にあります。

借地権割合とは?
土地の評価額に対する借地権の評価額の割合で、国税庁が30%~90%の範囲内で10%刻みで定めています。

路線価がある場合は路線価・路線価のない場合は「固定資産税評価額×倍率」を自用地評価額として、国税庁の路線価図で借地権割合を確認して、借地権の査定額を算出します。

また、借地権には2種類あり、定期借地権よりも普通借地権のほうが査定額が高いです。

種類 査定額
普通借地権 売却しやすく価格も高い
定期借地権 売却しづらく価格も安い

普通借地権は契約を更新して半永久的に土地を借りられるので、売却しやすく査定額も高くなりやすいです。

定期借地権の物件は更新を契約できず、契約満了時に土地を返還する必要があるので、普通借地権よりも売れにくい上に売却価格も安くなる傾向にあります。

参照:国税庁「路線価図・評価倍率表」

底地

底地の査定額は、自用地評価額と借地権割合から算出します。

底地の査定額
自用地評価額×(100%-借地権割合)=査定額

底地を購入しても借地人から地代を得る権利が手に入るだけで、買主自身が土地を利用できるわけではないので、本来の自用地評価額よりも査定額が安くなります。

路線価がある場合は路線価・路線価のない場合は「固定資産税評価額×倍率」を自用地評価額として、国税庁の路線価図で借地権割合を確認して、底地の査定額を算出します。

ただし、あくまで上記は底地の評価額であり、実際に底地を売却する場合は売却先によって、更地価格の約10%〜50%まで価格が変動する点に注意しましょう。

売却先 査定額
借地人 更地価格の50%前後
第三者・買取業者 更地価格の10%~15%程度

古家付き土地

古家付き土地の場合、土地と建物で別々に査定をおこないます。

古家付き土地の査定額
土地全体の査定額×建物の査定額=査定額

建物の築年数が20年以上を超えている場合、建物には資産価値がほとんどないと判断されてしまい、土地しか査定額がつかない点に注意しましょう。

なぜなら、国税庁が定めた建物の法定耐用年数において、事業用の軽量鉄骨造は19年・事業用の木造住宅は22年とされているからです。

建物付きの土地の場合、築年数の浅い建物はそのまま利用できるメリットがありますが、築年数の古い建物は解体費用がかかるため、査定額が安くなる傾向にあります。

築年数 査定額
築5年以内 購入価格の70%前後
築10年以内 購入価格の50%前後
築15年以内 購入価格の20%前後
築20年超 査定額に反映されない


※=木造一戸建ての場合

共有名義の土地

共有名義の土地の査定額は、土地全体の査定額と持分割合から算出します。

共有名義の土地の査定額
土地全体の査定額×持分割合=査定額

ただし、共有持分の査定額の相場は「土地全体の査定額×持分割合」の半額程度になります。

例えば、共有名義の土地の査定額が1,000万円の場合、持分割合1/2の共有持分の査定額は半額になるので、250万円程度が目安でしょう。

なぜなら、土地全体ではなく共有持分だけを売却する場合、取得しても処分・管理が難しいため、購入する買主が少なく価格が安くなりやすいからです。

ただし、他の共有者が土地全体の売却に合意している場合など、半額ではなく持分割合どおり売却できるケースもあります。

農地

宅地開発が可能な地域の農地の場合、宅地批准方式で査定をおこないます。

宅地開発が可能な地域の農地の査定額
(農地が宅地である場合の1㎡あたりの価格 - 1㎡あたりの造成費)×面積=査定額

農地の場合、農地を宅地として利用できる状態にするための工事にかかる「造成費」が査定額から差し引かれる点に注意しましょう。

「対象の土地が宅地であるとした場合の1㎡あたりの価格」は路線価がある地域の場合は路線価・路線価のない地域の場合は近隣の宅地の評価額をもとに計算します。

宅地批准方式以外の地域では、倍率方式で農地の査定額を算出します。

宅地批准方式以外の農地の査定額
固定資産税評価額 × 評価倍率=査定額

固定資産税評価額は毎年届く固定資産税納付書・評価倍率は国税庁のサイトでそれぞれ確認できるので、農地の査定額を算出するとよいでしょう。

参照:国税庁「路線価図・評価倍率表」

まとめ

土地の査定方法は大きく分けて、不動産会社がやるパターン・自分でやるパターンの2種類がありますが、不動産会社に依頼するほうが簡単かつ正確なのでおすすめです。

なぜなら、自分で査定する場合はインターネットでの検索や金額の計算などをおこなう手間がかかる上、専門家に比べると査定結果の精度も低いので、割に合わないからです。

不動産会社の査定方法にも、机上査定・訪問査定の2種類がありますが、まずは机上査定で条件のよい不動産会社を絞り込んでから、訪問査定を申込む方法がおすすめです。

一括査定サイトを利用すれば、1度の申込みで複数の不動産会社に机上査定を申し込めるので、土地の査定額を調べたい人はまず一括査定サイトに査定を申込みましょう。

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土地の査定に関するよくある質問

土地の査定はどの方法がおすすめですか?

手間のかからない一括査定で条件のよい不動産会社を探してから、精度の高い訪問査定を申し込む方法がおすすめです。

不動産鑑定と査定はどう違う?

土地の査定は不動産会社がおこない、土地の鑑定は不動産鑑定士がおこなう点が異なります。不動産売却時の価格を知りたい場合は不動産査定・税務署や裁判所の証拠資料としては利用する場合は不動産鑑定を利用します。

匿名で土地の査定をしてもらえる?

机上査定であれば、匿名で土地の査定をおこなえます。

土地に建物があっても査定してもらえる?

土地に建物がある場合でも査定可能です。土地にある建物を解体すると、解体費用や税金で損をする恐れがあるため、建物を解体せずに現状のまま査定を申し込みましょう。

土地の査定でトラブルはありますか?

不動産会社からの営業電話がしつこい・極端に高額な査定額を提示されるといったトラブルがあります。トラブルを避けるには、不動産会社に断りの連絡を入れて、査定額の根拠を確認しましょう。

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更新日 : 2024年05月23日
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