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底地の買取相場は売却先や借地権の種類によって変わる!売却金額の計算方法や高値で売るためのコツも解説

底地の売却を検討する際にまず押さえておきたいのは、「底地には一律の価格基準がない」という点です。

よく「更地価格の〇%」という計算式を耳にしますが、実務現場ではそれだけで価格が決まるケースは多くありません。

というのも、底地の価値は単純な計算式で確定できるものではなく、取得する側にとってのメリットや活用見込み、権利関係の状況などを踏まえて個別に判断されるためです。

例えば、第三者の投資家に売る場合は、純粋な「収益商品」として扱われるため、地代利回りに基づいたシビアな評価となります。一方で、いま借りている借地人に売る場合は、借地人自身が「土地を完全所有化して自由に活用できる」という莫大なメリットを得るため、その分の価値が価格に反映されやすくなります。

このように、「定価」はないものの、売却先や借地権の内容に応じてある程度の「相場の目安(レンジ)」は存在します。 実務上の着地点として整理すると、以下の通りとなります。

借地権の種類 借地人への売却(限定価格) 第三者・買取業者への売却(市場価格)
普通借地権 更地価格の40%〜60%程度(借地権価格との折半が定石) 更地価格の10%〜15%程度(地代利回り3%前後が指標となる)
定期借地権 更地価格の50%〜80%以上(残存期間が短いほど高額化) 更地価格の20%〜40%以上(期間満了時の更地返還期待値による)
使用貸借 更地価格の90%〜100%程度(権利金等の授受がないため) 更地価格の80%〜90%程度(立ち退きリスクを考慮した減価)

一般的な「普通借地権」を第三者(投資家)に売却する場合、価格が更地評価の10%〜15%程度に留まるのは、収益性(地代利回り)が評価されるからです。

一方で、地代が長期間据え置かれている場合は、投資採算から逆算すると価格が抑えられる傾向があります

対照的に「定期借地権」は、期限が来れば必ず更地で戻ってくるという約束があるため、返還期限が近づくほど「将来、更地として活用できる価値」が評価され、売却価格も上がっていきます。

また、親族などに無償に近い形で貸している「使用貸借」は、法的な権利が弱いため、理論上は更地に近い価格で取引されると思われがちです。ただし、実際に第三者へ売るとなれば、買い手は「いま住んでいる人に退去してもらう交渉コスト」をリスクと考えるため、その分だけ価格が差し引かれるのが現実的です。

最終的な売却金額は、契約書の内容だけでなく、借地人とのこれまでの関係性や、将来的に借地人と協力して「一緒に更地として売る」ことができるかといった、現場の状況に大きく左右されます。そのため、単なる相場表を鵜呑みにせず、底地特有の複雑な人間関係や権利調整に慣れた専門業者に、実情に即した査定を通じて価格を把握することが重要です。

本記事では、底地の買取相場や価格の考え方を整理するとともに、売却方法や進め方のポイントについて解説していきます。底地の売却を検討している場合は、判断材料として参考にしてください

監修
坂本 洋介(宅地建物取引士)

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底地の買取相場は借地権の種類によって変わる

底地には、その土地に建物を建てる権利として「借地権」が設定されています。この借地権には大まかに3種類があり、設定されている借地権によって底地の買取相場や売れやすさが変わります。

借地権の種類 概要 買取相場
普通借地権 契約期間の満了時に契約更新ができる借地権。 更地価格の10%〜50%程度
定期借地権 契約期間が満了すれば契約が解消される借地権。継続させるには再契約が必要。 契約の満了時期が近いほど高額になる
使用貸借 無償で土地を貸している状態のこと。 更地価格の70%〜90%程度(※現況による)

実務上は、「権利がいつ・どの程度コントロール可能になるか」という視点で価格が形成されることが多く、普通借地権のようにコントロールが難しい類型は相対的に評価が抑えられる傾向があります。

ここからは借地権の種類に応じた底地の買取相場を解説していきます。

普通借地権:更地価格の10%〜50%程度が買取相場

普通借地権は契約更新が可能な借地権で 更地価格の10%〜50%程度が買取相場になる

土地を貸す場合、賃借契約を結ぶ必要があります。賃借契約では契約期間も定められており、その期間が満了した際に契約更新ができるかは借地権の種類によって異なります。

普通借地権は、契約更新が可能な借地権です。地主よりも借り手の権利のほうが強く守られているのが特徴で、更新拒絶には「正当事由」が必要とされ、契約期間が満了しても正当な理由がない限りは地主からは契約を終了させることはできません。

普通借地権の契約期間は30年が一般的ですが、借り手が希望すれば契約期間は更新され続けます。そのため、その土地の完全な所有権をいつ取り戻せるのかがわかりづらいのが普通借地権です。

底地としては「収益(地代)は得られる一方で、土地の処分・再開発の自由度が制限される資産」として評価されます。

この点から普通借地権が設定されている底地は、通常の土地よりも買い手がつきづらく、更地価格の10〜50%程度が買取相場になります。

弊社の経験上からも、「地代は入るが、将来どう扱えるのか見通せない」という点がネックとなり、仲介では買い手が限定される傾向があるといえます。

定期借地権:契約の満了時期が近いほど買取相場は高額になる

定期借地権は契約期間満了で契約が切れる借地権で 更地価格のほぼ同等の買取相場になる

定期借地権とは、契約期間が満了すれば契約が確実に解消される借地権のことです。借地権とは異なり、契約期間が満了した際に再び賃借契約を結ばなければ、地主にその土地の完全な所有権が戻ります。

これは、残存期間が短いほど「底地」ではなく「将来的な更地」に近い性質を持つためです。

仮に契約期間が間近の底地であれば、契約期間が満了した後に完全な所有権が戻ってきてから売却することで、実務上も更地に準じた価格帯での成約事例が見られます。

実務では「あと数年で満了するが、そのまま待つか・今売るか」という判断で迷われるケースが多く、資金計画や税務も含めた検討が必要になるポイントです。

使用貸借:更地価格の70%〜90%程度(※現況による)

使用貸借は無償で土地を貸している状態で借り手を 退去させておくことで更地価格のほぼ同等の買取相場になる

使用貸借とは、無償で土地を貸している状態のことです。契約上の拘束力は賃貸借よりも弱いとされる一方、現実に第三者が占有しているという事実は無視できません。

使用貸借は法的には終了させやすい側面がありますが、実務上は「居住者がいる状態」であること自体が評価に大きく影響します。第三者への売却時には、買い手は立退きに要する期間や交渉コストを織り込むため、その不確実性分を価格に反映させるのが一般的です。

そのため、状況にもよりますが、更地価格から2〜3割程度の調整が入るケースが多く、結果として70〜90%前後が一つの目安となります。

弊社のこれまでの経験上、「親族間だからすぐに明け渡してもらえる」という前提で進めたものの、実際には調整が長期化するケースも見られました。占有状況の整理は、価格だけでなく売却スケジュールにも直結する重要なポイントです。

底地の買取相場は売却先でも変わる

一般的に、底地の買取相場は更地価格(※)の10〜50%といわれていますが、この買取相場は底地を誰に売却するかで変わります。

  • 借地人(底地を借りている人):更地価格の50%程度
  • 第三者:更地価格の10〜15%程度

つまり、同じ底地であっても、権利を一本化できるかによって評価が変わる点が重要です。

借地人に買い取ってもらった方が第三者よりも底地の買取金額が高くなるのが一般的であり、可能であれば借地人に底地を買い取ってもらうのが得策です。

ここからは、借地人や第三者に買い取ってもらった場合の底地の買取相場を解説していきます。

底地を借地人に買い取ってもらう場合の買取相場は更地価格の50%程度

底地を借地人に買い取ってもらう場合の相場は 更地価格の50%程度

底地を借地人に買い取ってもらう場合、借地人は底地の完全な所有権を得られることになります。

これは「借地権(利用権)」と「底地(所有権)」が同一主体に帰属することで、権利関係が解消される(いわゆる権利の一体化)取引です。

これにより、購入前は契約で許可されていたことしか行えなかったのが、購入後はその土地を自由に利用可能になり、第三者よりもメリットが大きく買取相場も高くなるのです。

そのため、買取相場は更地価格の50%程度と、第三者に買い取ってもらうよりも買取相場が高くなります。

一方、誰かに貸している土地を第三者に売却する場合、その購入者は底地の所有権を得られるだけで、その土地を自由に使えるわけではありません。「住宅を建てる」「駐車場として活用する」といったことができないため、通常の土地よりも買取相場が低くなるのが一般的です。

たとえば、更地価格が2,000万円の底地の場合、借地人に買い取ってもらうことで1,000万円が買取金額の目安となります。

実際のご相談でも、「底地を取得することで将来の建替えや売却の選択肢を広げたい」というニーズは一定数あり、借地人側の合理性が価格に反映されやすい場面です。

底地を第三者に買い取ってもらう場合の買取相場は更地価格の10〜15%程度

底地を第三者に買い取ってもらう場合の相場は 更地価格の10%〜15%程度

買取業者などの第三者に底地を買い取ってもらう場合は更地価格の10%〜15%程度が買取相場となります。

前述したように、底地を第三者が買い取った場合、権利関係は維持されたままであり、取得後も借地権が存続するため、完全な利用権は得られません。

そのため、底地の所有権は得られますが、その土地を自由に使うことはできないうえに、下記のようなデメリットがあることから買取相場が低くなる傾向があります。

  • 借地人からの地代の支払いが遅れる、または支払われないリスクがある
  • 固定資産税や都市計画税として毎年数十万〜数百万円がかかる

第三者が底地を購入する理由としては、その土地を貸すことで収益が見込めることが挙げられます。

しかし、借地人から地代が支払われないリスクが0ではないうえに、毎年底地にかかる税金の支払いが必要なため、底地を購入したいと考える人は少なく、買取相場も低くなってしまうのです。

実務でも、仲介市場で一般個人の買主が見つかるケースは限定的で、実際には利回りや出口戦略を前提に判断する事業者が主な買い手となる傾向があります。

たとえば、更地価格が2,000万円の底地の場合、買取業者のような第三者に買い取ってもらうことで200万〜300万円が買取金額の目安となります。

その他の底地を売却する方法と相場

底地を買い取ってもらう方法はいくつかありますが、それぞれ売却価格は下記のように異なります。

売却方法 更地価格と比較した売却価格
借地権を買い取って所有権を一本化してから売却する 30~40%程度
借地人と底地の一部を等価交換してから売却する 30~40%程度

ここからは、実務でも検討されることの多い「権利調整型の売却手法」の観点から、底地を買い取ってもらう方法の2つを詳しく解説していきます。

借地権を買い取って所有権を一本化してから売却する

底地は土地と建物の所有者が異なり、地主は土地活用に制限を受けます。そのため、そのままの状態で一般の買い手を見つけるのは難しく、売却価格も大幅に下がってしまいます。

しかし、借地人から借地権を買い取れば底地と借地権の所有権を一本化できるため、土地を自由に活用可能です。通常の土地として市場に売却できるため、一般の買い手も見つかりやすくなるでしょう。

実務上は、この権利の一体化によって初めて一般的な流通市場に乗せられるケースも多く、結果として底地単体よりも高い価格帯での売却が可能となる点が特徴です。

ただし、この方法は借地人に売却する意思があり、かつ借地権を買い取れるだけの資金を用意できる場合に限られます。借地人との関係が良好で金銭的な余裕があれば、この方法で売却を検討してみましょう。

また、売却相場は更地価格30~40%となり、第三者に売却するのであれば底地のみの売却よりも高く売却できる可能性が高いです。しかし、借地権の買い取りには更地価格の60~70%程度がかかるため、単純な価格比較ではなく、トータルでの投資回収を見極める視点を持つ必要があります。

弊社の経験上、「一体化すれば高く売れる」という前提で検討を始めたものの、資金負担とのバランスで断念するケースは一定数見られます。

借地権と底地の一部を等価交換してから売却する

借地権と底地の一部を交換することで、1つの土地が2つに分割され、一方は地主が所有する土地、もう一方は借地人が所有する土地になります。

これは、借地関係を解消する代表的な手法の一つです。

等価交換後は、地主・借地人それぞれが単独所有の土地を取得することになるため、借地関係という制約がなくなり、各自が自由に利用・売却できる状態になります。

所有する土地の面積は狭くなるものの、借地人との権利関係が完全に解消され、土地の活用や売却が自由に行えるようになるため、市場で一般の買い手が見つかる可能性も高まります。

ただし、借地権と底地の等価交換には、交換割合や境界の決定、分筆登記などの専門的な手続きが必要になります。

専門的な知識が必要となる手続きもあるため、不動産会社に依頼してから手続きを進めることをおすすめします。

なお、等価交換によって取得した土地は完全な所有権となるため単価としては市場価格で売却できます。

しかし、土地の面積が減少し、分筆費用なども発生するため、最終的に手元に残る金額の目安は「元の土地全体の更地価格の30~40%程度」に落ち着くのが一般的です。

このように、最終的な評価は交換後の土地の形状や接道状況、面積に大きく左右されるため、事前の設計次第で価格が変動しやすい点に留意が必要です。

実際の現場では、等価交換後に「思ったより使い勝手の悪い土地になった」というケースもあるため、机上の割合だけでなく実際の利用価値まで踏まえた検討が重要になります。

土地の評価額は相続税評価額であり底地の買い取り相場としては参考にならない

底地の買い取り相場について調べてみると、以下の方法を用いて買い取り相場が算出されているケースもあります。

  1. 所有する底地の路線価を国税庁の公式サイトから確認する
  2. 底地全体の更地価格を算出する:「路線価×土地面積」
  3. 更地価格から借地権割合を引いて底地のみの評価額を算出する:更地価格×(100%-借地権割合)
  4. 底地の評価額に0.8を割り戻す

しかし、この計算式は相続税や贈与税を算出する元となる評価額を求めるために用いられるものであり、実際の取引価格とは評価の前提が大きく異なります。

そのため、買い取り相場の計算方法としてはあまり参考になりません。実際の売却価格は単純な評価額ではなく、収益性・権利調整の難易度・買主の属性といった要素を踏まえて個別に形成されるものです。

そもそも底地には借地権や地上権が設定されており、権利関係が複雑であるため、市場で売りに出しても買い手が見つかりにくく、売却相場も市場価格と比較して大幅に下がります。

また、底地は借地人や投資家、不動産会社など売却先によっても相場が大きく変わってきます。底地の評価額と実際の買い取り金額には大幅な差が生じるので注意しましょう。

実際に弊社にご相談にこられた方の中にも、相続税評価額をベースに価格感を持っていたものの、実際の査定額とのギャップに驚かれるケースは多く見られます。

最終的手段は複数の業者に査定を依頼して相場を調べる

前述の通り、評価額で算出した更地額は参考にならないため、自分で底地の相場を算出するのは専門的な知識がなければ難しいでしょう。そのため、相場を調べる際は実際に市場でどの程度の価格が提示されるのかを確認するプロセスが重要になります。

たとえば、買取業者に底地の査定を依頼すれば、その土地を買い取ってもらった場合の目安として査定額を算出してもらえます。査定では、その土地を取得した場合の収益性やリスクを踏まえた価格が提示されるため、実務に即した価格レンジを把握する材料になります。

基本的に買取業者は無料査定に対応しているため、費用をかけずに底地の売却金額の目安を確認できます。

ただし、査定額は買取業者によって変わるため、1社のみに査定を依頼しても底地の買取相場をつかめないことが予想されます。

実際の現場でも、同一物件であっても査定額に差が出るケースは珍しくなく、1社のみの査定で判断するのは難しいのが実情です。

正確性を高めるためにも、底地の査定は複数の業者に依頼するのがおすすめです。

底地の買取相場が通常の土地(更地)よりも低い理由

底地は通常の土地(更地)と比較して価格が抑えられる傾向がありますが、その理由には「完全所有権ではなく、底地と借地権で権利が分離した不動産」として評価される点にあります。

実務上、底地は通常の土地よりも売れづらい理由としては、主に以下の4つあります。

  • 購入後も自由に土地を使えない
  • 住宅ローンが組めない
  • 借地人から得られる地代収入が低い
  • 借地人とトラブルになる可能性がある

ここからは、以上の理由について実務的な観点を踏まえてそそれぞれ詳しく解説していきます。

購入後も自由に土地を使えない

底地は借地権が設定されているため、底地を使えるのは、土地を借りている借地人のみです。第三者が底地を購入したとしても、借地人に貸している間は自由に土地を使用できません。

借地契約が解約されれば地主は土地を自由に使えるようになりますが、前述の通り借地契約の存続期間は30年以上と長期にわたります。

また、普通借地権に関しては存続期間が満了したとしても、借地人の建物がある限り契約は自動的に更新され、地主の一方的な都合による更新の拒絶はできません。契約の更新を拒絶ができるのは、地主と借地人の双方が合意した場合か正当な事由がある場合のみです。

ただし、普通借地権は契約の継続性が強く担保されており、正当な事由が認められるケースはほとんどないため、底地を購入しても半永久的に土地を使えない可能性もあるのです。一般の買い手にとって自由に使えない底地を購入するメリットはほぼないため、市場で売りに出しても一般の買い手を見つけるのは極めて難しいでしょう。

こうした背景が、価格低下に大きく影響しています。

住宅ローンが組めない

住宅ローンを組む際は、原則として購入する土地や建物を担保に入れます。しかし底地は借地借家法によって地主側の解約権が極めて制限されているため、金融機関から見れば「換金性が著しく低い資産」と判定されます。

金融機関が底地を敬遠する大きな理由は、担保評価の低さにあります。

仮にローンの返済が滞り、金融機関が底地を差し押さえて競売にかけたとしても、土地には借地権が設定されているため自由に利用・処分できません。その結果、購入希望者が限られ、競売でも高値が付きにくく、資金回収が困難になりやすいのです。

通常の住宅ローンはもちろん、不動産投資ローンであっても、底地単体での融資(ローン)を組むことは、大手銀行では実質的に不可能です。この「融資がつかない」という事実こそが、一般の買い手を遠ざけ、買取相場を押し下げる最大の要因となっています。

実務でも「融資が利用できないこと」が取引成立の可否を左右するケースは珍しくありません。

借地人から得られる地代収入が低い

底地を購入すれば借地人から地代収入を得られますが、底地は賃貸物件や駐車場経営と比べると収益性が劣るのがデメリットです。

地代は借地人との話し合いで決めるのが一般的ですが、底地の借地契約は昭和から続いているケースが多く、現在の相場と比べて地代が安めに設定されたまま据え置かれていることが多いです。地代の値上げは可能ですが、借地人と交渉して同意を得る必要があります。

また、底地の所有者は固定資産税や都市計画税、維持管理費などの費用を負担しなければなりません。そのため、地代収入から支出を差し引くと手元にはわずかな金額しか残らないケースも多いです。

この点からも、将来キャッシュフローの伸びが見込みにくく、結果として利回りが低位にとどまりやすい資産と評価されます。

参考水準として、底地の利回り相場は2~4%、賃貸物件1棟あたりの利回り相場は4~6%ほどです。投資目的であえて底地を購入する人は少ないので、これも底地が売れづらい理由の1つといえます。

借地人とトラブルになる可能性がある

底地は借地人との契約関係を前提とするため、保有期間中は継続的な権利関係の管理が必要です。

その複雑な権利関係ゆえ、借地人との間で以下のようなトラブルが発生する可能性があります。

  • 期日通りに地代を支払ってくれない
  • 更新料を支払ってくれない
  • 無断で建物の増改築を行われた
  • 無断で第三者に借地権を譲渡された

これらのトラブルが発生した場合は、地主が適切に対処しなければなりません。借地人と直接交渉するのは手間がかかりますし、その際に感情的になってしまうと借地人との関係が悪化し、トラブルが余計にこじれてしまう恐れもあります。

必ずしも紛争に発展するものではないものの、当事者間の認識差や利害対立がある場合には調整に時間とコストを要する可能性も考えられるでしょう。

地主自身で対処するのが難しければ、弁護士への相談・依頼が必要になりますが、その費用もすべて地主が負担しなければなりません。

実務ではこうしたリスクも含めて期待収益から控除する形で価格が算定されることが多く、結果として更地よりも低い水準での評価に落ち着きやすくなります。

実際に弊社にも、借地人と地主の間で対立が発生し、長年問題を抱えている底地の売却をご相談しにきた方もいらっしゃいます。

底地をより高く買い取ってもらうためのコツ

底地の売却を検討している場合、「なるべく高く売却したい」と考えることでしょう。

底地の売却では、単純に「高く売る」というよりも、どの相手に・どの条件で売るかによって価格が変わる点を押さえておくことが重要です。

底地を売却する場合、下記のような高値で買い取ってもらうコツを実践してみてください。

  • 借地人に底地を買い取ってもらえないかを相談する
  • 複数の業者に見積もりをして査定額が最も高い業者に依頼する

ここからは、実務的な観点も踏まえ、底地を高値で買い取ってもらうコツをそれぞれ解説していきます。

借地人に底地を買い取ってもらえないかを相談する

前述のとおり、底地は借地人に売却する場合と第三者に売却する場合で価格水準が異なります。

借地権と底地が一体化することで利用制限がなくなるため、借地人に底地を買い取ってもらえれば、買取業者などの第三者に売却するよりも高値で底地を売却できると考えられます。

底地を高値で売却したい場合は、まず借地人に買い取ってもらえないかを相談してみるのが得策です。交渉の際には、下記のような点を伝えることで、底地を買い取ってもらえる可能性が高まります。

  • 借地人が底地を買い取ることのメリットを伝える
  • 可能であれば売却価格を下げつつ交渉する
  • 一括払いではなく、長期の分割払いに対応できることも伝える

借地人が底地を買い取ることで、その土地を自由に活用できるようになります。契約内容によっては、建物の建設以外は地主の合意が必要になるなど、底地の利用に制限がかけられる場合もあるため、制限がなくなる点は借地人が底地を買い取るメリットとなるでしょう。

また、底地の買取を検討している借地人であっても、価格の高さが問題で購入を控えてしまう可能性もあります。そのため、可能であれば底地の売却価格を下げつつ、借地人と交渉することも検討してみてください。

ただし、借地人との交渉を進めるためには信頼関係が重要となります。交渉をスムーズに進ませるためにも、借地人との信頼関係を日々築き上げておくことも、底地売却においてとても大事なコツです。

実務でも、借地人との関係性やこれまでのやり取りが、交渉の進みやすさに影響するケースは少なくありません。

複数の業者に見積もりをして査定額が最も高い業者に依頼する

底地を買取業者に売却する場合は、複数の業者に査定を依頼するのが基本です。

というのも、底地の査定は、地代収入の見方や将来の活用方針によって評価が変わるため、複数の買取業者に査定を依頼すると査定額にばらつきが生じると予想されます。

実務でも、同じ底地でも査定額に差が出ることは一般的で、複数社の比較を通じて相場観をつかむケースが多く見られます。

つまり、複数の業者に見積もりを依頼することで、査定額が最も高い業者を見つけられるのです。査定額が高い業者に依頼すれば、ほかの業者よりも高値で底地を買い取ってもらえます。

「すぐにでも売却したい」「複数の業者に査定を依頼するのは面倒」と考えるかもしれませんが、底地を売却する場合、まずは複数の業者に査定を依頼してみましょう。

底地を買い取ってもらう際の注意点

底地を売却する際は、価格だけでなく権利関係や手続きの整理ができているかによって、取引の進みやすさが変わります。

主な注意点として、下記の4つが挙げられます。

  • 借地人が複数人いる場合は特定の借地人のみに売却しない
  • 底地の所有者を確認しておく
  • 売却額に対して相続税が高くなる可能性がある
  • 売却条件を明確にしておく

ここからは、それぞれの注意点について詳しく解説していきます。

借地人が複数人いる場合は特定の借地人のみに売却しない

借地人が複数人いる場合、特定の借地人に売却すると権利関係がさらに複雑になり、その後の管理や売却が難しくなることがあります。結果として、売れづらい土地になってしまいます。

そのため、売却を検討する際は、全体の権利関係を踏まえたうえで進め方を整理することが大切です。

状況によっては、複数の借地人との調整が必要になるため、底地の取り扱い実績が豊富な専門の不動産業者に相談することでスムーズに進められます。

底地の所有者を確認しておく

土地を売却するには、登記簿上の名義人と売主が一致していなければなりません。

しかし、何代にもわたって相続を繰り返してきた底地の場合、相続後に登記をおこなっておらず、底地の所有者が先代や先々代のままというケースも多くあります。

そのため、底地を借地人に売却する際には、登記事項証明書で所有者や共有の有無を確認し、底地の所有者が誰なのか確認しておきましょう。底地の所有者は登記事項証明書で確認できます。登記事項証明書が手元になければ、法務局の窓口やオンラインでの請求も可能です。

新たに取得する場合、請求方法によって手数料が異なります。

窓口交付 600円
オンライン請求(郵送) 520円
オンライン請求(窓口交付) 490円

出典:法務省|登記手数料について

売主が登記簿上の名義人になっていない場合は相続登記などの手続きが必要になるため、司法書士などの専門家に相談しながら進めるのが一般的です。

売却額に対して相続税が高くなる可能性がある

場合によっては、場合によっては、相続税評価額が実際の売却価格を大きく上回り、「底地を売却した代金だけでは、課せられた相続税を支払い切れない」という事態が起こり得ます。

相続税は、「相続税路線価」という路線(道路)に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額を用いて算出された評価額に基づいて計算されます。

しかし、底地は市場での売却価格が低くなりやすいため、結果として評価額のほうが高いというケースも見られます。

そのため、底地の時価で相続税が計算されるわけではありません。売却相場が通常の更地と比べて大幅に安い底地を相続した場合は、納めるべき相続税額が実際の売却価格を上回ってしまうことが起こり得ます。

底地を買い取ってもらって売却益を得る前提で相続したら、逆に相続税の支払いで損をしてしまう恐れがあるため、相続財産に底地が含まれている場合はその点も考慮して相続するか決めましょう。

具体的な税額については、税理士などの専門家に相談しながら判断するのが安心です。

実務の現場でも、「売却すれば資金が残ると思っていたが、税金を考慮すると想定と違った」という相談は一定数あります。

売却条件を明確にしておく

売却時は価格だけでなく、条件面の整理も重要です。

買主との交渉時に、売却価格や引き渡し日、決済日などの売却条件に関してトラブルが生じることがあります。

その場合、売却条件はあらかじめ具体的に決めておき、契約書には売却条件を明確に記載することで、後のトラブルを回避できます。

そのため、底地を売却するときには、売却条件を明確にしておきましょう。

実務でも、条件のすり合わせ不足が原因で調整に時間がかかるケースは少なくありません。個人間で取引する場合は特にトラブルのリスクが高いため、底地の取り扱い実績が豊富な業者に依頼するのも有効です。

まとめ

底地の買取相場は、売却先や借地権の種類によって異なります。一般的な目安として、更地価格の10%〜50%が底地の買取相場といわれています。

とはいえ、底地の買取価格は立地や面積だけでなく、地代水準・契約条件・借地人との関係性・権利調整の見込みといった要素を踏まえて個別に評価されます。

そのため、必ずしも相場どおりの金額で底地を買い取ってもらえるとは限らないのが実情です。

相場を把握する際は、路線価などの評価指標を参考にしつつも、最終的には底地という性質を踏まえた査定価格を確認することが重要です。

売却を検討する場合は、複数の査定結果を比較し、価格水準だけでなく評価の前提まで整理することで、より実態に近い相場観を把握しやすくなります。

底地に関するコラムはこちら

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    更新日 : 2025年11月07日
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