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土地や敷地の境界線のトラブル事例と解決方法!裁判なしで穏便に解決する方法を解説します

土地や敷地の境界線のトラブル事例と解決方法!裁判なしで穏便に解決する方法を解説します

「相続した土地で境界線があいまいになっており、隣人と揉めている」「土地の売却で境界線を明確にしたいけれど、隣人と折り合いがつかない」など、土地や敷地の境界線トラブルが起きる物件は珍しくありません。境界線トラブルが起きると、土地の売却や活用に支障をきたすおそれがあります。

弊社へのご相談でも、「仲介で売却を進めようとしたが、境界未確定を理由に話が進まなかった」というケースは少なくありません。特に相続で取得した土地では、長年境界確認が行われていないことも多く、売却時に問題が顕在化する傾向があります。

土地や敷地の境界線の主なトラブル、対処法は下記のとおりです。

トラブルの内容 対処法
木の枝や構造物の越境によるトラブル ・木の枝などの越境物があるならすぐに撤去する
・相手の敷地から越境している物がある場合は、まず所有者に対応を求める
・越境している物を移動・撤去する
・構造物の越境であれば覚書を作成する
筆界と所有権界の認識の相違によるトラブル ・土地家屋調査士に依頼して境界線を測定し直してもらう
・法務局の筆界特定制度を利用する
・ADR機関へあっせんや調停を申立てる
・裁判所へ境界確定訴訟を提起する
境界標のズレや紛失によるトラブル 土地家屋調査士に依頼して境界標を設置し直す
隣人との不仲によるトラブル 筆界特定制度・ADR機関の利用などを検討する

木の枝の越境のように軽微なケースでは枝を伐採することで解決できますが、境界線の認識の相違が起きている場合は土地家屋調査士への依頼などが必要となる可能性もあります。

ここでよくあるのが「相手が協力してくれず、境界確定が進まない」というケースです。もし相手が任意の対応に応じない場合には、以下のように段階的な対応を検討することになります。

  1. 書面や第三者(調査士など)を通じて協力を依頼する
  2. 法務局の筆界特定制度を利用する
  3. ADR(裁判外紛争解決手続)による調整を図る
  4. 最終的には裁判所での境界確定訴訟を検討する

境界線に関するトラブルを裁判なしで穏便に解決するには、測量結果などの客観的資料をもとに、土地家屋調査士や弁護士などの第三者を交えた協議を進めることが現実的です。

本記事では、土地や敷地の境界線トラブルと対処法、トラブルを防ぐためにするべきこと、境界線トラブルの事例と解決方法について解説します。

監修
坂本 洋介(宅地建物取引士)

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土地や敷地の境界線トラブルと対処法

土地や敷地の境界線トラブルは、近隣住民との話し合いで解決できれば良いですが、感情面や権利関係が絡むため、当事者同士だけでの解決が難しくなることも少なくありません。

対処はトラブルの内容によって異なり、木の枝などの越境物を撤去して解決できるものもあれば、当人同士では解決できず裁判にまで発展することもあります。

土地や敷地の境界線の主なトラブルと対処法は下記のとおりです。

トラブルの内容 対処法
木の枝や構造物の越境によるトラブル ・木の枝などの越境物があるならすぐに撤去する
・越境している物を移動・撤去する
・構造物の越境であれば覚書を作成する
筆界と所有権界の認識の相違によるトラブル ・土地家屋調査士に依頼して境界線を確認する
・法務局の筆界特定制度を利用する
・ADR機関へあっせんや調停を申立てる
・裁判所へ境界確定訴訟を提起する
境界標のズレや紛失によるトラブル ・土地家屋調査士に依頼して境界標を設置し直す
隣人との不仲によるトラブル ・筆界特定制度・ADR機関の利用などを検討する

なお、境界に関する問題は専門的な知識が必要になる場面も多く、対応を誤るとトラブルが長期化するおそれがあります。必要に応じて、土地家屋調査士や弁護士などの専門家と連携しながら進めることが重要です。

それぞれのトラブルと対処法について詳しく解説していきます。

木の枝や構造物の越境によるトラブル

隣地に木の枝や構造物が越境している場合、隣人から苦情が入り、トラブルに発展することがあります。具体的に越境とされるのは下記のようなケースです。

  • 境界付近に生えた木の枝が、隣地に侵入している
  • 屋根や軒、雨どいなどの構造物の一部が、隣地に入っている
  • 設置した物置やエアコンの室外機、アンテナの一部が、隣地に入っている
  • 経年劣化したブロック塀が傾き、隣地に飛び出している

隣地との境界が不明確である場合、越境によるトラブルが起きやすいです。続いて、越境によるトラブルの対処法をみていきましょう。

対処法|木の枝などの越境物がある場合は隣人に伐採を求める

木の生えている場所が自分の敷地内であっても、枝が境界からはみ出ていると越境とみなされます。その際は、すぐに枝を切るなどして撤去しましょう。

隣人の敷地に生えている木の枝が自分の敷地内に侵入してきているのなら、伐採を求めることができます。

第二百三十三条 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。出典:e-Govポータル「民法第233条1」

ただし「所有者に催告しても対応しない」など、以下のケースに該当する場合は、民法233条に基づき自ら切除することが認められています。

 第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。
一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
三 急迫の事情があるとき。

引用元 e-Gov 法令検索「民法 第二百三十三条」

ただし、勝手に除去するとのちにトラブルとなるおそれもあるので、前提として所有者に了承を得てから除去するのが無難です。なお、上記の要件を満たさない状態で切除すると、不法行為となるリスクがあるため注意が必要です。

対処法|越境している物を移動・撤去する

物置やエアコンの室外機、アンテナなどが越境している場合は、設置を依頼した業者に相談して、移動もしくは撤去しましょう。

軽微な越境であれば、隣人と話し合いで移動・撤去をしないで済む場合もあります。ただし、口頭の合意だけに頼るのはリスクがある点には注意が必要です。

将来的に所有者が変わった場合や認識にズレが生じた場合、「越境を許した覚えはない」とトラブルになる可能性もあります。そのため、越境に同意したことを示す書面などを残しておくことが重要です。

実務上も「当初は問題なかったが、相続や売却をきっかけに境界トラブルが再燃した」というケースは少なくありません。

なお、書面作成や対応にあたっては、必要に応じて専門家(司法書士や弁護士など)に相談することで、後々のトラブル防止につながります。

対処法|構造物の越境であれば覚書を作成する

屋根や軒、雨どい、ブロック塀などの構造物の移動や撤去は、多額の費用が発生するため、すぐに対処できないケースも少なくありません。

その場合は、当面のトラブルを防ぐために、越境状態について当事者間で合意し、覚書として残しておく方法が実務上よく取られます。覚書は「将来、建物の建て替えの際に越境状態を解消します」といった内容を記載します。

なお、覚書を作成する際は隣地との境界を明確にする必要があるため、土地家屋調査士に測量図の作成、越境物調査を依頼するのが一般的です。土地家屋調査士に越境物調査を依頼すると、覚書作成のサポートを受けられる場合もありますが、内容によっては弁護士への相談も検討されます。

筆界と所有権界の認識の相違によるトラブル

土地の境界線における考え方は「筆界」と「所有権界」の2つです。筆界は、不動産登記法に基づき公法上の区画として定められた境界を指します。一方、所有権界は土地の所有者の権利が及ぶ、私法上の境界を意味します。

「土地の譲渡や不動産の相続」などによって筆界(登記上の境界)と所有権界(実際に所有していると認識している範囲)についての認識にズレが生じると、トラブルが起きやすくなります。

具体的には、下記のような内容のトラブルが考えられます。

  • 過去に隣地と所有権界について口頭の取り決めをしたが、土地を相続した親族に取り決めが引き継がれず、境界線の認識が食い違って揉める
  • 境界線となるブロック塀を設置した側が、ブロック塀の外側までが敷地だと主張して揉める
  • 当事者間で境界の変更について合意したものの、書面化されておらず、後に一方が認識していないとしてトラブルになる

境界線が不明確で双方の認識にズレが生じている場合は、境界線を明確にする必要があります。具体的な方法について詳しくみていきましょう。

対処法|土地家屋調査士に依頼して境界線を測定し直してもらう

古くからの土地で境界線が不明確である場合などは、土地家屋調査士に依頼して境界線の位置を調査・確認してもらうことが有効です。

土地家屋調査士は、土地の境界を明らかにする業務の専門家です。土地の境界を明らかにするだけでなく、以下のような依頼もこなしてくれます。

  • 表示に関する登記(表題登記・地目変更登記など)
  • 境界標の復元・設置
  • 境界確認書の作成
  • 境界トラブルの相談

実務上も、「境界がはっきりしないまま売却を進めた結果、買主との間でトラブルになった」というケースは少なくありません。将来的なトラブルを未然に防ぐためにも、売却前に境界を明確にしておくことは重要なポイントです。

なお、土地の境界線を確定したら、隣地所有者との合意(境界確認書の取り交わし)が必要になります。また、法的な紛争に発展している場合には、弁護士などの専門家と連携して対応するのが最適です。

土地の境界線を確定する詳しい手順は、以下の記事で解説していますので参考にしてください。

土地家屋調査士への依頼費用をどうするかあらかじめ話し合う

土地家屋調査士への依頼費用は、測量の種類や立会いの有無によって大きく異なります。代表的な測量は以下の2つです。

現況測量と確定測量の比較(概要・相場)
測量の種類 概要 相場
現況測量 現在の土地の形状・面積を測る簡易的な測量。境界の確定は行わないため、主に参考資料として使われる。 10万〜20万円程度
確定測量 隣地所有者や官公庁との立会い・合意を経て、境界を法的に確定する測量。売買や登記で必要になる。 35万〜90万円程度(官民立会いがある場合は60万〜80万円以上)

土地の広さや依頼内容によっては、相場以上の費用がかかる可能性もあります。費用をどのように負担するのか、あらかじめ決めておきましょう。

測量を依頼する土地の住民同士で決めることになりますが、実務上は土地の売却や建て替えを目的とした測量の場合、売却する側である依頼者が全額負担するのが基本です。依頼者側が売却するという都合で隣人に費用折半を求めると、トラブルの原因になるため注意しましょう。

また、境界確定測量では隣接地所有者の立会いが必要な場合もありますので、日程に関してもあらかじめ話し合っておくとよいでしょう。

対処法|法務局の筆界特定制度を利用する

筆界特定制度とは、土地所有者の申請に基づき、筆界特定登記官が筆界調査委員の意見を踏まえて土地の境界線を特定する制度です。この「土地の境界線」のことを筆界(ひっかい)といいます。

筆界特定制度を利用するメリットは、主に以下の3つです。

  • 裁判に比べて費用が安い
  • 裁判よりも短期間で境界が確定できる
  • 専門家の意見による判断のため信用性が高い

ただし、筆界特定制度の結果には法的拘束力はなく、最終的な紛争解決にはならない点には注意が必要です。当事者が結果に納得しない場合、別途「境界確定訴訟」へ進む可能性もあります。

筆界特定制度を申請するには、特定したい筆界がある土地の固定資産税評価額を合計した金額を基準として算出した申請手数料が必要です。

対象土地の合計額の
1/2に5%を乗じた額
手数料
100万円までの部分 10万円までごとに
800円
100万円を超え
500万円までの部分
20万円までごとに
800円
500万円を超え
1,000万円までの部分
50万円までごとに
1,600円
1,000万円を超え
10億円までの部分
100万円までごとに
2,400円
10億円を超え
50億円までの部分
500万円までごとに
8,000円
50億円を超える部分 1,000万円までごとに
8,000円

参照:法務局「筆界特定制度に関する“よくある質問”」

現地測量や資料収集が必要な場合は、別途で土地家屋調査士への測量費がかかります。

また、筆界特定制度とは、元々ある境界線を明らかにする制度であり、新たに境界線を決められるものではありません。実務上も、「まずは筆界特定制度で客観的な判断を得てから、その結果をもとに当事者間で合意を目指す」という使い方をされるケースが多く見られます。

筆界特定制度の申請書式は、以下の法務局のページよりダウンロードができます。

参照:法務局「筆界特定制度」

対処法|ADR機関へあっせんや調停を申立てる

ADR(裁判外紛争解決手続)とは、訴訟手続きによらない紛争解決方法のことで「あっせん」「調停」「仲裁」の主に3つの方法があります。

ADRの種類と概要
項目 概要
あっせん 第三者が当事者の間に入り、話し合いによる解決をサポートする方法。合意は当事者同士の意思に委ねられる。
調停 第三者(調停人)が間に入り、双方の主張を調整しながら合意形成を目指す方法。あっせんよりも関与の度合いがやや強い。
仲裁 第三者(仲裁人)が判断を下し、その結果に当事者が従うことで紛争を解決する方法。裁判に近い拘束力を持つ。

あっせんと調停は、あっせん人や調停人が間に入って話し合いを進めます。あくまでも当人同士での話し合いにおける解決を目指す制度であり、いずれか一方が応じなければ手続きは進みません。

仲裁は、当事者同士が仲裁を受けることに同意している場合に限り、仲裁人が解決内容を判断するものです。

この際の判断は「仲裁判断」といわれ、裁判の判決と同じ効力があります。当事者は原則として不服申立てはできず、控訴や上告といった制度もありません。

また、仲裁判断がくだされると、同じ案件で裁判を起こすことができなくなります。

境界トラブルの実務では、穏便に解決するにも、まずはあっせんや調停の段階での解決を目指すケースが多いのが実情です。

なお、土地の境界線におけるトラブルについては、境界問題相談センターを利用する方法もあります。土地家屋調査士(ADR認定)と弁護士が連携し、中立的な立場から解決に向けたサポートをしてくれます。

以下のページから、最寄りの境界問題相談センターを検索できるので参考にしてください。

参照:日本土地家屋調査士会連合会「ADR境界問題相談センター」

対処法|裁判所へ境界確定訴訟を提起する

話し合いでの解決が難しい場合は、裁判所へ「境界確定訴訟」を提起できます。境界確定訴訟は、通常の訴訟とは違い「勝訴」「敗訴」といった勝ち負けを決める訴訟ではありません。

境界確定訴訟を提起すると、裁判所が独自に境界を判断します。そして、境界確定訴訟で確定された境界について不服がある場合は、控訴することが可能です。

境界標や筆界確認書といった客観的証拠が1つもない場合でも棄却はされず、提出資料や状況を総合的に判断して新たな筆界が確定します。

境界確定訴訟の判決が出るまでは約2年かかることも多く、費用に関しても数十万円かかることが通常です。

裁判にまで発展すると、隣人との関係修復も難しいケースが多いため、なるべく話し合いでの解決を目指した方がよいでしょう。

また、所有権や時効取得について明らかにしたい場合は、所有権確定訴訟を提起する必要があります。境界確定訴訟や所有権確定訴訟のような法的手続きを検討する場合は、不動産分野に詳しい弁護士へ相談するのが最適です。

境界標のズレや紛失によるトラブル

境界標とは、土地の境界点を示す目印であり、境界の位置を現地で明確にするために設置される標識を指します。御影石やコンクリート、プラスチックなどの材質の杭、金属プレート、金属鋲などが用いられ、十字や矢印などで境界点を示します。

建物の建て替えやブロック塀の積み替え、下水道工事、外構工事などを行う際は、この境界標を移動させることがあります。本来は移動前に境界標の位置を測定・記録し、工事後に復元させるものですが、境界標の位置がズレてしまったり、過去に紛失してしまったりといったトラブルもあります。

境界標は設置義務のあるものではありませんが、ズレや紛失によって境界線が不明確になり、トラブルの火種となることがあります。

対処法|土地家屋調査士に依頼して境界標を設置し直す

境界標が紛失したり、ズレてしまったりした場合は、土地家屋調査士に依頼して境界確認を行い、設置し直しましょう。専門家でない者が勝手に境界標を設置し直すと、大きなトラブルに発展するおそれがあります。

そのため、土地家屋調査士の測量のもと、隣人に境界点を確認してもらい、境界標の設置をすることが重要です。

隣人との不仲によるトラブル

土地の売却や活用を検討している場合、境界線を明確にするために土地家屋調査士に依頼することがあります。しかし、隣人と不仲である場合は、筆界確認に協力してもらえない可能性があります。

筆界確認とは文字通り、土地の所有者同士が境界線を確認することです。筆界確認が行えないと境界を確定できず、土地の売却や建物の建築などに支障をきたす可能性があります。

対処法|筆界特定制度・ADR機関の利用などを検討する

筆界確認に協力してもらえず、境界線の確定が難しい場合は、先述した筆界特定制度やADR機関の利用、訴訟などを行うこととなります。隣人との話し合いで解決できるのが一番ですが、どうしても難しい場合は検討してみてください。

なお、隣地越境の不動産売却については下記の記事を参考にしてみてください。

土地や敷地の境界線におけるトラブルを防ぐためにするべきこと

土地の境界線に関するトラブルは、近隣住民との間に発生するケースがほとんどです。

前の項目でお伝えしたように、話し合いで解決できず裁判までもつれるケースも少なくありません。しかし、可能な限り近隣トラブルは避けたいところです。

そこでこの項目では、土地の境界線におけるトラブルを防ぐためにするべきことをお伝えします。

筆界確認書を作成してお互いに署名押印する

土地家屋調査士に測量を依頼すると、境界の位置について合意内容をまとめた「筆界確認書」を作成するのが一般的です。この筆界確認書は、当事者双方が境界の位置について認識を共有し、合意していることを示す重要な資料となります。

分筆登記や地積更正登記を提出する際には、基本的に署名押印された筆界確認書の提出を求められます。署名押印された筆界確認書がないと、土地の売買に支障をきたすおそれがあります。

また、筆界確認書への署名押印は、お互いが筆界確認書に記載された内容に同意していることの証拠となります。

そのため、将来的なトラブルを防ぐためにも隣人の土地との境界線が不明確であるなら、早めに境界線の確定を土地家屋調査士へ依頼するとよいでしょう。

永続性のある境界標を立てる

土地の境界線を確定させる手段として、境界標を立てるのは有効な手段です。

境界標にはさまざまな種類がありますが、木製の境界標だと朽ちたり動いてしまうおそれがあります。そのため、実務上は境界石やコンクリート標などの、長期間安定して位置を維持できるものを埋設するのが一般的です。

地中に境界標を埋設できない場合は、金属鋲をブロック塀やコンクリートに直接打ち込むこともできます。設置場所や周辺状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

隣人とトラブルとなる前に境界標を設置しておけば、土地の境界線をめぐって隣人と争うことを未然に防止できます。

なお、境界標の設置は単に目印を置くだけでなく、正確な位置の特定や隣地との合意形成が前提となります。そのため、土地家屋調査士に測量や立会いを依頼し、その結果に基づいて設置するのが確実な方法です。

日頃から近隣住民とコミュニケーションをとる

そもそも土地の境界線におけるトラブルは、近隣住民とのコミュニケーション不足が原因であるケースもあります。

  • 木がはみ出ているのが前から気になっていた
  • 面識のあまりない住民から、急に境界線確定の立会いを要求されて困惑している
  • 土地を売却したいから測量したいのに、隣人が協力してくれない

このようなトラブルは、日ごろから近隣住民と良好な関係を築いていれば起きにくいといえます。

誰でも、あまり面識のない住民からいきなり境界線について指摘されたり、木がはみ出ているのに対応してもらえないと、不信感や不満が生じやすくなります。

もちろん、土地の境界線は、近隣住民との面識がなくても訴訟で解決することも可能です。しかし、訴訟には時間や費用がかかるだけでなく、近隣関係の悪化にもつながる可能性があります。

将来的なトラブルを未然に防ぐためにも、日頃から挨拶や簡単な情報共有を行い、円滑な関係を築いておくとよいでしょう。

土地や敷地の境界線についてのトラブル事例と解決方法

ここまで、土地の境界線におけるトラブルの対処法や防止策についてお伝えしました。

それでは、実際にどのようなトラブル事例があるのでしょうか。

この項目では、土地の境界線におけるトラブルの事例と、そのトラブルをどのように解決したのかを解説します。

隣の土地を売り出し中の不動産業者から屋根の境界越境を指摘された事例

Aさんが住む家の隣は長い間空き地となっていましたが、あるとき不動産業者が売り出すために測量を始めました。

Aさんも測量に立ち会ったところ、Aさん宅の屋根が越境していることが判明。

20年以上前に建てた家であるため、Aさんは取得時効を主張しましたが、要件や証拠の問題もあり、不動産業者は認めません。

訴訟までは持ち込みたくなかったAさんは、不動産問題に詳しい弁護士に相談することにしました。

越境している分の土地を不動産業者から買取って解決

弁護士に相談したところ、越境している部分の土地はわずかであるため裁判で争うよりも買取った方が安く、また早く解決できると助言されました。

Aさんが不動産業者へ買取を持ちかけたところ、交渉は成立。

相場よりも若干低い値段で取引することで、双方納得のいく結果となりました。

土地の売却をしたいのに隣人が境界の確定に協力してくれない事例

Bさんは海外へ長期転勤となったため、親から相続した自宅を土地ごと売却することにしました。

しかし、古い自宅だったため境界確認書などは見つからず、改めて測量を依頼することに。

土地家屋調査士に測量を依頼したところ、隣人が建てたブロック塀の位置がBさんの境界内に侵入しているとのことでした。

そのため、隣人に新たな境界線の確定とブロック塀の撤去を求めたところ、拒否されてしまいました。

取り付く島もない隣人に困ったBさんは、インターネットで見つけた「訳あり物件も買取可能」な不動産業者へ相談することにしました。

訳あり物件専門の業者へ売却して解決

Bさんが相談をしたのは、弁護士と提携している訳あり物件専門の買取業者でした。

状況を説明すると、隣人が取得時効の条件を満たしている可能性が高いとのことでした。

Bさんは転勤まで時間もなかったので、Bさんのブロック塀部分に関して取得時効を認めることに同意。

取得時効の援用手続きについては、買取業者が提携している弁護士が対応し、関係者との調整を行いながら手続きを進めることで解決に至りました。

まとめ

土地や敷地の境界線トラブルは、木の枝の越境や軽微な構造物のはみ出しなど、比較的シンプルな問題であれば当事者同士の話し合いで解決できるケースもあります。

しかし実務上は、境界の認識のズレや過去の取り決めの不明確さが原因となり、当事者間では解決が難しくなるケースも少なくありません。対応を誤るとトラブルが長期化し、売却や建築といった不動産の活用にも影響を及ぼす可能性もあります。

まずは冷静に状況を整理したうえで、隣地所有者との話し合いを試みることから始めます。そのうえで解決が難しい場合は、土地家屋調査士による測量で境界の位置関係を整理し、筆界特定制度やADRの活用を検討していきます。

当事者同士の話し合いや、第三者によるあっせん・調停などを経ても合意に至らない場合には、最終的な手段として訴訟も視野に入れ、段階的に対応していくことが重要です。

また、境界トラブルは未然に防ぐことも可能です。日頃から近隣住民と適度なコミュニケーションを取り、境界標の設置や書面での合意を行っておくことで、将来的な紛争リスクを抑えることができます。

境界問題は感情的な対立に発展しやすいテーマでもあるため、必要に応じて専門家のサポートを受けながら、適切な方法で対応していくことが大切です。

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    更新日 : 2025年11月07日
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