地震や経年劣化などによって家にひび割れが発生すると、「売却時にデメリットがないか?」と心配になる人も多いでしょう。売却査定に影響するかどうかは、ひび割れの箇所や程度によって異なります。基礎・外壁・内壁のひび割れについて、売却価格の目安は以下のとおりです。
箇所・状態 | 価格 |
---|---|
基礎に幅0.5㎜以上のひび割れ | 相場の70~80% |
外壁のひび割れが下地に達している | 相場の80~90% |
内壁のひび割れ | 価格への影響が少ない |
このように、基礎や外壁にひどいひび割れがある場合は、相場の約70〜90%まで安くなる可能性があります。ひび割れがある家を少しでも高く売却するには、以下の方法を試してみるとよいでしょう。
- ひび割れを補修して修繕履歴に残す
- 補修後に既存住宅状況調査をする
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入する
- 価格交渉には柔軟に対応する
- 訳あり物件の専門業者に買取してもらう
基本的には、ひび割れを補修すれば、売却価格を相場まで回復させることができます。ひび割れを放置すると倒壊や傾き、外壁・内壁の不具合などさまざまなリスクがあり、さらなる重大な事態を招きかねません。ひび割れを発見したら、後回しにせずすぐに対策を行うことが大切です。
とはいえ、ひび割れの程度や住宅の状況によっては修繕費用が高くなる可能性があります。そのような場合は、家を売却できたとしても赤字になる恐れがあり、必ずしも修繕がベストな選択肢とは言い切れません。修繕費用が膨らむ場合は、現状のまま「訳あり物件専門の買取業者」へ売却を検討しましょう。
また「ひび割れがありなかなか買主が見つからない」「修繕の手間をかけずすぐに売却したい」などの人も、訳あり物件専門の買取業者の利用がおすすめです。以下のボタンから、ひび割れのある家を最短2日で買取できる専門業者の無料査定が受けられるので、買取価格を確認してみてください。
どの程度のひび割れから売却価格に影響する?
家にひび割れがあるからといって、必ず売却価格に影響を及ぼすわけではありません。とはいえひび割れの程度が構造を脆弱にするものであれば、価格への影響は避けられないでしょう。
例えば、基礎のひび割れは構造の劣化に直結するため、国土交通省は「既存住宅状況調査方法基準の解説」の中で、調査において指摘すべき事項を定めています。また既存住宅状況調査を実施しない場合においても、チェック項目にある内容を現認した場合、重要事項説明書に記載しないと契約不適合となるため注意しましょう。
基礎・外壁・内壁などのひび割れがどの程度であれば、売却価格に影響を及ぼすのかを解説していきます。
基礎・外壁・内壁のひび割れが、売却価格に影響を及ぼす目安は以下のとおりです。
- 基礎に幅0.5㎜以上のひび割れ:相場の70~80%
- 外壁のひび割れが下地に達している:相場の80~90%
- 内壁のひび割れ:価格への影響が少ない
次の項目から、それぞれの見極め方や売却価格への影響などについて紹介します。
基礎のひび割れが幅0.5㎜以上だと価格は相場の70~80%
既存住宅状況調査においては、基礎のひび割れの幅が0.5㎜以上あれば、指摘事項になるため、売却価格に影響します。
0.5㎜を測定するには、市販のクラックスケールを用いる方法もありますが、手近なものでは0.5㎜のシャープペンシルの替え芯をあてる方法でも判定可能です。
また幅とは関係なく、深さが20㎜以上あるようなひび割れやさび汁を伴うようなひび割れについても指摘事項になるので、売却価格に影響します。
こうしたひび割れが発生している場合、一般の相場価格の70~80%くらいで売却されるケースが多いです。
これらの範疇に入らない微細なひび割れ程度であれば、構造の劣化には繋がらないので、売却価格に影響することはありません。
外壁のひび割れが下地に達すると価格は相場の80~90%
外壁は直接建物を支える構造体ではないので、ひび割れが生じても、すぐ建物の崩壊に繋がるわけではありません。
しかし外壁のひび割れが下地材(合板、ラス金網、防水紙)まで達している場合、雨水が構造材まで浸入して柱などの劣化を促進させるので、売却価格に影響するひび割れに該当します。
こうした外壁のひび割れがひどい場合は、相場の80~90%まで売却価格が下がるため注意しましょう。
内壁のひび割れは売却価格への影響が少ない
内壁下地であるプラスターボードなどのズレによって、壁紙の一部にひび割れや亀裂が生じていても、構造の劣化に直結しないので、売却価格には影響しません。
ただし、不同沈下によってひび割れが発生している場合、基礎の根本的な問題なので、売却価格に大きく影響します。
念のため、他の部位に不同沈下の兆候がないかを確認しておいたほうがよいでしょう。
ひび割れがある家を高く売る5つのコツ
ひび割れがある家は高値で売却しようとしても、欠陥住宅ではないかと懸念されて、容易には進まないことが想定できます。ひび割れがある家を高く売るには、以下の方法が効果的です。
- ひび割れを補修して修繕履歴に残す
- 補修後に既存住宅状況調査をする
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入する
- 価格交渉には柔軟に対応する
- 訳あり物件の専門業者に買取してもらう
次の項目から、それぞれの方法を詳しく紹介します。
1.ひび割れを補修して「修繕履歴」に残す
ひび割れのある家を高く売るには、家自体を補修するのがベストです。売却前に実施した補修も含めて、これまでの修繕工事の経緯や写真などをまとめた記録データを「修繕履歴」として保存しておきましょう。ひび割れがあった事実と補修内容を明らかにすることで、購入希望者の信頼を得られるため、高値での売却に結びつきます。
ひび割れの修繕は、施工会社や塗装業者、建築士などへ依頼するのが一般的です。しかし、家の構造に影響を与えていない軽度なひび割れであれば、DIYで補修することもできます。DIY可能なひび割れは幅0.2mm、深さ3mmほどまでを目安とし、それを超える場合はプロへの依頼を検討するとよいでしょう。
2.補修後に既存住宅状況調査をする
ひび割れをすでに補修している場合、「既存住宅状況調査(インスペクション)」を実施すれば、さらに購入希望者の信頼を得られます。
既存住宅状況調査とは、住宅の状態を「既存住宅状況調査技術者」という有資格者が調査することです。調査の対象となるのは、基礎や外壁をはじめとする「構造耐力上主要な部分」、屋根や軒裏などの「雨水の浸入を防止する部分」などです。それぞれの調査項目は以下のものが挙げられます。
箇所 | 調査内容 |
---|---|
ベランダ・バルコニー | ひび割れ、劣化はないか |
外壁 | ひび割れや欠損、剥がれなどの劣化はないか |
柱、梁 | 劣化や傾斜はないか |
基礎 | 基礎部分にひび割れや欠損はないか |
土台 | 土台や木枠にひび割れや劣化はないか |
床、壁 | 傾斜の程度 |
箇所 | 調査内容 |
---|---|
屋根 | ひび割れや劣化、はがれはないか |
小屋裏 | 劣化や雨漏り跡はないか |
軒裏 | シーリングの割れや欠け、雨漏り跡はないか |
内壁、天井 | 雨漏り跡はないか |
既存住宅状況調査を実施することで、現在はひび割れがないことだけでなく、住宅の劣化状況が客観的に把握できるようになります。
3.既存住宅売買瑕疵保険に加入する
既存住宅売買瑕疵保険とは、検査事業者が売却物件の検査をして、大きな問題がなかった場合に加入できる保険です。中古住宅の検査と保証がセットになっており、売却後に隠れた瑕疵が見つかった場合は買主に保険金が支払われます。住宅の品質に関して信頼を得られるだけでなく、万が一のトラブルにも備えられるため、買主に安心感を与えられるでしょう。
既存住宅売買瑕疵保険に加入するには、以下の条件を満たしている必要があります。
条件 | 詳細 |
---|---|
①既存住宅であること | すでに人の居住として提供したことがある ・建築工事完了の日から起算して1年が経過している |
②新耐震基準等を満たすこと | 新耐震基準等を満たすこと確認できる |
新耐震基準等を満たすこと確認できる条件は、「建築確認日が昭和56年6月1日以降」「新耐震基準等に適合するリフォームが行われた住宅」などが挙げられます。なお、建築確認日が昭和56年6月1日より前であっても、新耐震基準等に適合することが確認できる住宅は対象となります。
また、既存住宅売買瑕疵保険へ加入するには、2種類の方法があります。
- 売主自らが選定した登録検査事業者に依頼する
- 仲介をする不動産会社に依頼する
それぞれ依頼を受けた事業者が、住宅瑕疵担保責任法人に申込みをします。ひび割れのあった住宅でも、補修によって問題を解消すれば保証対象になるので、買主も安心して物件を購入できるでしょう。
参考:住宅瑕疵担保履行法および住まいの安心総合支援サイト 国土交通省
4.価格交渉には柔軟に対応する
ひび割れのある家は、なかなか購入希望者から声がかからないのも現実です。売却できないまま何年も放置しておくと、維持管理費や固定資産税などの支出が増えるばかりです。購入希望者が現れたら、売却価格を少し下げてでも早く売却したほうが、結果的に損をせずに済むかもしれません。
多くの不動産売買では、買主からの価格交渉に応じ、売り出し価格よりも低い価格で売買契約が交わされるのが一般的です。「もう少し安くしてほしい」という買い手が現れたら、相場の範囲内で柔軟に対応するようにしましょう。
5.訳あり物件の専門業者に買取してもらう
ひび割れがある家を早く売りたい場合「訳あり物件の専門業者」に買取してもらう方法がベストです。
ひび割れを理由に、一般的な不動産業者で買取拒否された物件でも、訳あり物件専門の買取業者なら高く買取できます。
なぜなら、訳あり物件の専門業者は買取後に自社で物件を修繕するなど、家の資産価値を回復して再販売できるからです。
以下のボタンから「訳あり物件の専門業者」の無料査定が受けられるので、買取価格を確認してみてはいかがでしょうか。
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ひび割れがある家を売却するまでの流れ
実際にひび割れがある家を売却するには、どうすればよいのでしょうか?
中古住宅を売却する場合、2種類の方法があります。
- 不動産業者に仲介を依頼する
- 訳あり物件専門の業者に買取してもらう
どのような流れで売却するのか、それぞれ確認していきましょう。
不動産会社の仲介による売却の流れ
不動産会社の仲介で売却する場合、次の手順で売却します。
- 不動産会社に売却の相談をする
- 不動産会社に仲介を依頼する(媒介契約)
- 不動産の売却活動
- 購入希望者と価格の交渉をする
- 物件情報を開示する(告知義務)
- 売買契約書を結ぶ
- 物件の引渡し
ひび割れがある家の場合、購入希望者が現れなかったり、売却価格が折り合わないため、売却まで時間がかかりやすいです。
訳あり物件の専門業者に買取してもらう流れ
ひび割れがある家を「訳あり物件専門の業者」に直接買取してもらう場合、流れは次のとおりです。
- 問い合わせ
- 条件確認
- 物件調査
- 買取価格の提示
- 金額に納得した場合は契約
- 物件の引渡し
訳あり物件専門の業者に買取してもらえば、買主を探す必要がありません。
買取業者の査定額に納得した時点で、売買契約が成立するので、ひび割れのある家をすぐに売却できます。
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ひび割れを放置した場合の4つのリスク
ひび割れがある家を放置していると、次のリスクが生じます。
- 基礎工事の施工不良による倒壊
- 不同沈下による住宅が傾く
- 外壁のひび割れによって不具合が生じる
- 内壁のひび割れによって不具合が生じる
とくに基礎と外壁のひび割れを放置しておくと、さらなる重大な事態を招く恐れがあるので、早急な対策が必要です。
1.基礎工事の施工不良による倒壊リスク
基礎にひび割れが発生する原因はいくつかありますが、もし施工不良が原因の場合、家屋が倒壊する恐れがあり、早急な補強工事が必要です。基礎工事では次のような施工不良が考えられます。
- 鉄筋の本数が少ない
- 鉄筋の位置が表面に近すぎる
- コンクリートの品質が劣悪
- コンクリートの施工不良
鉄筋の本数が少ない
鉄筋コンクリート造の基礎は、引っ張り方向の力は鉄筋が負担しています。
構造計算によって設計された本数の鉄筋が設置されていない場合は、コンクリートの負担が限界を超えるため、ひび割れが発生します。
鉄筋は縦と横に20~30㎝の間隔で入っているのが一般的です。
鉄筋の間隔は鉄筋探知機という高価な機器で確認できますが、大手現場用具販売店でレンタル可能なので、個人でも容易に確認できます。
鉄筋の位置が表面に近すぎる
鉄筋の位置が表面近くにあると、浸透した雨水によって鉄筋が錆びる恐れもあり、さび汁を発生させる原因になります。
見た目が悪くなるだけでなく、進行すると鉄筋の膨張によってコンクリートが剥離することもあるので注意しましょう。
コンクリートの品質が劣悪
コンクリートはJIS規格に基づいた製品を基本的に打ち込みますが、自家製やJIS認定工場でないプラントから出荷された製品には、品質が劣悪なコンクリートもあります。
品質が劣悪なコンクリートのせいで強度が不足していると、災害時に家屋が倒壊する恐れもあるので注意が必要です。
コンクリートの施工不良
本来、コンクリートは砕石を隅々まで行きわたらせるため、丁寧に施工しなければなりません。
しかし施工時間を節約するために、水を足したり、砕石を一カ所に集めたりすると、強度不足のコンクリートとなり、災害時に住宅が倒壊する恐れがあります。
基礎のひび割れが、ここに挙げたことに起因しているのであれば、単にひび割れを埋める補修では、根本的な対策にはなりません。
基礎をさらにつぎ足すなど、大がかりな補修工事が必要になります。
こうした状況の判断は、建築士事務所か既存住宅状況調査(ホームインスペクション)を実施している会社に調査依頼すれば、専門的なアドバイスをもらえるでしょう。
2.不同沈下による住宅が傾くリスク
土地の地盤が軟弱な場合、徐々に住宅が沈んでいくことで、基礎にひび割れが発生する恐れもあります。
地盤の強度が一様ではないために、最も地盤の軟弱な個所が深く沈んでいきます。
このため不同沈下がさらに進行すると、やがて誰でもわかるくらい住宅に傾きが生じ、危険性が増すので注意しましょう。
3.外壁に関連するリスク
外壁のひび割れは、いますぐ構造に影響を及ぼすことはなくても、長期間放置すると、やがて構造材の腐食などの問題を引き起こすリスクがあります。外壁のひび割れが引き起こすリスクは、以下のとおりです。
- 柱が腐食する
- 断熱効果が低減する
- シロアリ被害に遭う
柱が腐食する
外壁のひび割れが下地材まで進行していると、雨水が柱まで到達して、やがて腐食させてしまう恐れがあります。
家に雨漏りが起きてしまった場合、こちらの記事を参考に対処するとよいでしょう。
断熱効果が低減する
外壁のひび割れが下地材まで進行していると、雨水が断熱材を湿らせる恐れがあります。
一般的な断熱材であるグラスウールは、水に濡れることで空気層が消滅して、断熱効果を発揮できなくなるため注意しましょう。
シロアリ被害に遭う
外壁のひび割れを放置して、壁内が常に湿気のある状態のままだと、シロアリが好む環境と化し、生息を促すことになります。
すでにシロアリ被害にあった家を売却する場合、こちらの記事もあわせて参考にしてください。
4.内壁に関連するリスク
内壁のひび割れであれば、基本的には心配いりません。
しかし念のため、各部屋の建具や床に不具合がないかを確認しておきましょう。
建具の開閉が困難になっていたり、床にビー玉が転がるといった現象がある場合、不同沈下の恐れがあるため早急な対策が必要になります。
まとめ
ひび割れのある家は、見た目や構造上に不安があるため、なかなか購入希望者が見つかりづらい現状があります。売却価格に影響を及ぼすかどうかは、ひび割れの箇所や程度によって異なり、基礎・外壁にひどいひび割れがある場合は相場の70〜90%ほどになる可能性が高いでしょう。
ひび割れがある家を売却するには、「ひび割れを補修して修繕履歴に残す」「補修後に既存住宅状況調査をする」「既存住宅売買瑕疵保険に加入する」「価格交渉には柔軟に対応する」「訳あり物件の専門業者に買取してもらう」などの方法があります。一般的には、ひび割れの補修さえすれば、売却価格が回復するケースが多いでしょう。
しかしひび割れを放置すると、倒壊や傾き、外壁・内壁の不具合など、住宅の劣化が進んでしまう恐れがあります。修繕に多くの費用がかかり、赤字になってしまうケースも珍しくありません。そのような場合は、ひび割れがある家を現状のまま「訳あり物件専門の買取業者」に売却する方法もあります。放置していても、毎年の固定資産税によって損をする一方なので、まずは気軽に無料相談を受けてみることをおすすめします。
ひび割れがある家のよくある質問
ひび割れがある家でも売却できますか?
ひび割れがある家の売却価格はどの程度ですか?
ひび割れがある家を高く売るには、どうすれば良いですか?
【ひび割れがある家でもOK】買取窓口はこちら!
家のひび割れを放置すると、どうなりますか?
ひび割れがある家を補修せずに売るには、どうすれば良いですか?
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