湿気が溜まりやすい家だと、シロアリが繁殖して、物件内の木材を食べられてしまいます。
そのため、シロアリ被害のある家は売却価格が安くなってしまい、高値で売るには建物の修繕や解体が必要になるでしょう。
とはいえ、シロアリ被害のある事実を隠して家を売ると「契約不適合責任」によって、売買契約解除や損害賠償請求を受ける恐れもあります。
なるべく手間や費用をかけずに、シロアリ被害のある家を売りたい場合は「訳あり物件専門の買取業者」に相談することをおすすめします。
訳あり物件専門の買取業者なら、シロアリ被害のある家でも最短数日で買取できるので、まずは無料査定を利用して具体的な価格相場やアドバイスを聞いてみましょう。
シロアリ被害の家は売却価格が安くなりやすい
残念ながら、シロアリの被害が発生している時点で、建物の価値が大きく落ちることは避けられません。
修繕しても完全に住宅としての機能を回復できるとは限りませんし、シロアリが発生した事実そのものを忌避する人もいます。
特に家の躯体に被害が出ているケースでは、建物としての価値はほぼ無いに等しいため、再建築も視野に入れて売却価格が下がりやすいです。
シロアリ被害の家を売却する前の確認事項
シロアリ被害を受けてしまった住宅は、売却時に価値が下がります。
ですが、価値が下がるからといってシロアリ被害を隠して売却しようと考えてはいけません。
もし築年数10年未満の築浅物件でシロアリ被害が確認された場合は「契約不適合責任」によって、建物を建築した業者に修繕してもらえる可能性もあります。
これらを留意した上でシロアリの売却対策していきましょう。次の項目からこの2点についてくわしく解説していきます。
シロアリ被害を受けている事実を必ず不動産業者に報告する
シロアリ被害のある家を売却する場合、シロアリ被害を受けている事実を絶対に隠してはいけません。
住宅を売却する時は、住宅の瑕疵に関する告知義務が設けられています。
これは住宅に何らかの問題があったとき、過不足なく買主に対して告知をしなくてはいけない義務です。
もし問題が発生していることを隠して住宅を売却して、重要事項説明で伝えられていなかった問題点が売却後に発覚した場合、売主は責任を負わなければいけません。
第五百六十六条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。出典:e-Govポータル「民法第566条」
- 「シロアリの被害はありません」
- 「目に見えない箇所も問題ありません」
こうした虚偽の報告をして実際にシロアリ被害が発生した場合、想定していなかった建物の問題が発覚したとき、売主が買主に対して修繕費などを請求する期間を超えていたとしても、売主は修繕費などの費用を負担する義務を負います。
これを「契約不適合責任」といいます。
最悪の場合、買主が売主に被害を訴え、損害賠償に発展する恐れもあります。
そして、仲介に入ってくれる不動産業者も、そのようなトラブルを起こすような売主を信用しません。
そのため、瑕疵を知りながら問題点を隠して、シロアリ被害のある家を売却すると、仲介役の不動産業者から損害賠償で訴えられる恐れもあります。
「シロアリの被害を隠したほうが、高く売れるのではないか」と考えることは絶対にやめましょう。
瑕疵は一切隠すことなく仲介の不動産業者に伝え、買主に対しても包み隠さず告知しなければなりません。
中古住宅の場合は契約不適合責任の期間内であるかチェックする
自分が購入した住宅が中古住宅だった場合、シロアリの被害が発生した時点で契約不適合責任が生じる期間内であるのかを確認しましょう。
とくに築年数の浅い物件では、まずは建物を建築した業者に対して契約不適合責任の履行を求めることができる前提で確認するとよいでしょう。
もし契約不適合責任の期間内であれば、売主に対して修繕費用などを請求できます。
建築業者にシロアリで傷んだ箇所をすべて修繕してもらえれば、相場に近い価格で売却可能です。
気をつけるべきは以下の2つのケースです。
- 新築物件を購入したが、既に10年以上経過してしまった
- 中古物件を購入したが、契約不適合責任期間を過ぎてしまった
これらの場合は自費で修繕工事をおこなうか、もしくはその状態のまま売り出すしかありません。
また、多額の修繕費用が発生する修繕工事をしたとしても、通常の住宅の査定額になるとは限りません。
建物の価値はほぼゼロと扱われてしまい、土地の値段しか評価されない恐れもあります。
シロアリ被害の家を売却する3つの方法
前の項目で、シロアリ被害を受けた住宅は価値が大幅に下がるとお伝えしました。
それでもシロアリ被害に遭った住宅を売ることは、不可能ではありません。
次の項目から、シロアリ被害にあった住宅の売却方法をお伝えするので、自分にあった方法を選ぶとよいでしょう。
1.被害を対処せずに現状のまま売却する
まず1つ目は、シロアリ被害のある家として現状のまま売却する方法です。
ただし、買主が現れたとしても、買主はその住宅を修繕もしくは解体して済まなければなりません。
そのため、建物を解体・新築するより、修繕したほうが費用が安いという理由で、そのまま買ってくれるケースもあります。
そもそも、一度シロアリ被害が発覚した物件にそのまま住み続けようと考える人は、なかなか現れません。
一般の買主に売却しても、値下げ交渉によって安値で買い叩かれてしまう恐れがあるので「訳あり物件専門の買取業者」に売却したほうが良いでしょう。
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2.建物を修繕してから売却する
2つ目は、売主自身がシロアリ被害のある建物を修繕してから売却する方法です。
具体的には、次のような修繕をおこないましょう。
- シロアリを駆除する
- 柱や梁などを交換する
- 建物の傾きを修正する
修繕すれば、シロアリ被害のある建物でも、比較的相場に近い値段で売却できます。
ただし、傾きの修正などをするためには、数百万円単位の費用がかかります。
耐震工事やホームインスペクションなども含めると、家が売れても修繕費用のせいで赤字になる恐れがあるため注意が必要です。
3.建物を解体してから売却する
3つ目は、シロアリ被害を受けた建物を解体した後、更地として売却する方法です。
解体費用は売主が負担するものの、土地を購入した買主が自分で家を建てるので、契約不適合責任を追及されるリスクもありません。
ただし、シロアリ被害を受けた建物を解体すると、固定資産税が高くなるため注意が必要です。
シロアリ被害のある家を更地にした後、早めに物件が売れないと、固定資産税で赤字になってしまう恐れがあります。
また、自分たちが住む家もなくなるため、次の住処を探すなどの対策も同時並行で進めておきましょう。
シロアリ被害のある家を高く売る3つのコツ
前の項目では、シロアリ被害のある家を売却する方法をお伝えしました。
シロアリ被害を受けていると、通常よりも売却価格は下がります。
しかし、シロアリ被害を受けていたとしても、なるべく高く売却したいと考える方が多いのではないでしょうか。
そこでこの項目では、シロアリが発生してしまった家を少しでも高く売却する方法を3つお伝えします。
1.シロアリ被害が拡大する前に売却する
シロアリ被害のある家を高く売るには、シロアリ被害が拡大してしまう前に早く売却するとよいでしょう。
シロアリが繁殖してより被害が拡大すると、建物の価値が低下して売却価格も安くなりやすいです。
被害が軽微なうちに売却すれば、建物の価値が低下する前に高額売却も可能です。
シロアリが発覚した時点ですぐに対策を立て、できるだけ早く売却しましょう。
2.シロアリ被害を修繕してから売却する
それほど被害が拡大していないのであれば、自分たちで費用を抑えての修繕が可能です。
ダメージを修繕できれば、シロアリ被害のある家でも一般の住宅に近い価格で売却できます。
軽微なシロアリ被害でも、買主から「値引きしてください」と請求されるケースは少なくありません。
しかし、安い値段で修繕してくれる業者であれば、数十万円でシロアリ被害のある家を修繕できるので、数百万円も値引きするよりはメリットが大きいです。
修繕済み物件として売却すれば、それほど手間をかけずに売ることができるので、時間的なメリットも倍増します。
3.訳あり物件専門の不動産買取業者に売却する
「修繕に費用を掛けたくない」「なるべく早く物件を売却したい」という場合、訳あり物件専門の不動産買取業者に売却相談をするのがおすすめです。
ただし、通常の買取業者ではシロアリが発生した物件を請け負えないケースが多く、買取自体を拒否されたり、売却できたとしても安く買い叩かれるケースが多いです。
そうした場合、通常の買取業者ではなく「訳あり物件専門の買取業者」へ依頼するとよいでしょう。
「訳あり物件専門の買取業者」なら、以下のようなノウハウがあるので、シロアリ被害のある家でも価格を下げずにそのまま買取可能です。
- 訳あり物件の資産価値を自社で回復する
- 訳あり物件を買取してきた実績がある
- 訳あり物件に詳しい専門家が多数在籍している
「訳あり物件専門の買取業者」であれば、売却価格が低くなりがちなシロアリ被害を受けた物件でも、最短数日ですぐに買取可能です。
シロアリ被害を理由に他社で買取拒否された物件でも積極的に買取してもらえるので、気軽に無料相談を受けてみると良いでしょう。
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シロアリ被害の家を売却する流れ
シロアリ被害の家を売却する流れは、通常の住宅と変わりません。
- 不動産業者へ見積りを依頼する
- 売却の仲介を依頼する不動産業者を選ぶ
- 内覧を実施して買主を決定する
- 重要事項説明を済ませて売却契約を結ぶ
- 住宅や土地を買主へ引き渡す
次の項目から、それぞれ詳しくお伝えします。
1.不動産業者へ見積りを依頼する
まずは不動産業者に依頼して、シロアリ被害にあった家の売却価格を見積りしてもらいます。
ネットの一括査定などでもよいのですが、一括査定の段階ではシロアリ被害の具体的な度合いがわかりません。
そのため、不動産業者に内覧してもらい、シロアリ被害の状況や売却価格を確認してもらうとよいでしょう。
この段階で軽微な被害であれば、次の点に関しても不動産業者からアドバイスを受けられます。
- 「自分でシロアリ被害を修繕するべき?」
- 「更地にしてから売却した方がよい?」
2.売却の仲介を依頼する不動産業者を選ぶ
つづいて、シロアリ被害にあった家の売却を仲介してもらう不動産業者を選びます。
不動産業者に仲介販売を依頼する場合、以下の3種類の方法があります。
専属専任媒介契約 | 他社と契約できないが、より積極的に売却活動してもらえる |
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専任媒介契約 | 他社と契約できないが、積極的に売却活動してもらえる |
一般媒介契約 | 複数社と同時に契約できるが、売却活動が積極的とは限らない |
不動産業者と相談して、どの契約を結ぶかを決めていきます。
シロアリ被害にあった家をそのまま売る場合、購入希望者の内覧への対応や詳しい説明が必要になってきます。
念入りな売却活動が期待できるので、一般媒介契約よりも、専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んだほうがよいでしょう。
媒介契約については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
3.内覧を実施して買主を決定する
家を購入したい買主が現れたら、内覧をしてもらってから売却契約を結びます。
内覧での説明や対応などは、不動産業者の担当者に任せたほうがよいでしょう。
売主が直接説明すると「何か不具合を隠しているのではないか」と疑われることもあります。
不動産業者の担当者が説明や売却をしてくれる場合、一任した方が売主の負担は少ないです。
もし内覧希望者が少ない場合、仲介を任せる不動産業者を変えましょう。
4.重要事項説明を済ませて売却契約を結ぶ
内覧によって買主が納得して購入の意思を示したら、売却契約と重要事項説明をおこないます。
重要事項説明では、住宅の瑕疵を全て伝えて、問題点を隠さないようにしましょう。
買主はこの段階で、どんな不具合があるのかを詳しく質問できます。
聞かれた質問には正直に答えて「思っていたよりもひどい被害を受けた」など、のちにトラブルとなるのを避けましょう。
5.住宅や土地を買主へ引き渡す
無事に売却契約を結んだら、住宅の鍵や土地、必要な書類などの引き渡しをおこないます。
住居や土地の引渡し作業は仲介の不動産業者に任せられるので、特に売主側がおこなう作業はありません。
自分たちは新しい自宅の購入、売却資金の活用法などを考えていきましょう。
売却前に知っておきたいシロアリ被害の予兆
できるだけ早くシロアリ被害を見つけた場合、売却価格が下落しにくいうえ、家の修繕費も安く抑えられます。
それではシロアリ被害が発生する予兆には、どのようなものがあるのでしょうか。
- 家の周辺に羽アリがいる
- 屋根が波打つ・床がギシギシと音を立てる
- 物件内の湿気や室温を高くしている
次の項目から詳しくお伝えしていきます。
家の周辺に羽アリがいる
シロアリは成長すると羽アリになり、行動範囲が広がります。
羽アリが家の周辺を飛んでいた場合、家の中にシロアリが侵入してくる可能性が高いです。
また、羽アリは池などの湿地から発生するので、庭に池がある家はシロアリが発生しやすいとも言えます。
庭に池があって羽アリを見かけた場合、シロアリが内部に侵入している恐れがあるので、住宅内部を早めにチェックしましょう。
屋根が波打つ・床がギシギシと音を立てる
シロアリが発生して木材部分を食べてしまうと、各所の建付けが不安定になります。
屋根が外れそうになったり、床下の建付けが不安定になったり「ギスギス」と嫌な音が鳴ったりします。
床が浮いている、屋根が波打っているように見えた場合、シロアリが発生している可能性があるので早めにチェックしましょう。
また、以下のような場合もシロアリが発生している可能性が高く、住宅の基礎にまでダメージが及んでいるケースもあります。
- 柱を叩くと「コンコン」と中から空洞のような音がする場合
- 外壁にひび割れが入っている場合
物件内の湿気や室温を高くしている
物件内の湿気や室温が高い場合、シロアリの繁殖を促進します。
家の中で空気の風通しが悪くて湿気が溜まりやすい構造の部屋があり、さらに暖房などをつけて室温が高い場合、そこはシロアリが繁殖する絶好の環境です。
きちんと空調を管理して湿気が溜めないようにしましょう。また室温が高くなりすぎないように気をつけることも大切です。
雨漏りや水漏れが起きているような場所も、シロアリが発生しやすいです。
これらの被害の予兆が発生しないよう、できれば定期的にシロアリ被害の調査や検査をしましょう。
まとめ
シロアリの被害を受けた時点で、住宅を補修・修繕して売るのか、あるいは更地にして売るのかを検討する必要があります。
ただし、更地にしてしまうと自分たちの住む場所を失うだけでなく、固定資産税が高くなってしまうリスクもあります。
また、売れるまでには最低1〜2カ月、長い場合は半年以上かかるケースも珍しくありません。
ですので、シロアリ被害の家を早く売りたい場合は「訳あり物件専門の買取業者」を利用するとよいでしょう。