風呂場で自殺が起きてしまった物件は体液などの汚損だけでなく、心理的な不安もあるため買い手が付きにくくなってしまいます。
所有している物件の風呂場で自殺が起きてしまった人は
「風呂場で自殺のあった物件でも売却できるの?」
「もしも、売却できるならなるべく高く売却したい」
など、さまざまな疑問や悩みを抱えている方もいるでしょう。
そこで、この記事では「所有する物件の風呂場で自殺が起きてしまった人」のために不動産専門家の観点から、あなたの疑問やお悩みを解決します。
具体的には
・風呂場で死体を発見したときにすべきこと
・風呂場で自殺がおきた物件の売却方法
・自殺があった物件の売却価格・家賃相場
などの内容を、重要なポイントだけ紹介していきます。
この記事を読めば、風呂場で自殺が起きてしまった物件の扱いを理解でき、より高額に売却できるようになります。
風呂場で死体を発見したときにすべきこと
風呂場での自殺があった場合、お湯・水の中では腐敗が進みやすいことから、悲惨な現場になってしまいます。
また、風呂場での自殺では菌や害虫などが多数発生します。
細菌感染などのリスクを防ぐためには、防護服や防護マスクが必須なため、素人では清掃しきれないでしょう。
そのため、風呂場での自殺を発見した場合は、速やかに特殊清掃のプロへ依頼すべきです。
風呂場での自殺を発見した際にすべきことを、順番通りにまとめてみました。
2.特殊清掃業者に相談する
3.警察から入室許可がでたら特殊清掃が実施される
以下の項目から、詳しく解説していきます。
1救急車・警察を呼ぶ
風呂場での自殺を発見したら、救急車・警察を呼びましょう。
自殺の痕跡があったとしても、蘇生できる可能性があるため、まずは救急車を呼ぶ必要があります。
また、自殺の痕跡がある場合でも、事件性の有無や死因を調査するため、警察にも連絡する必要があります。
死体を発見しても、むやみに動かさず落ち着いて救急車や警察を呼びましょう。
2.特殊清掃業者に相談する
救急車・警察に連絡したあとは、特殊清掃業者に連絡をとりましょう。
警察による死因や事件性の調査が終了するまで、建物には入室できなくなります。
その間に清掃業者に連絡をとり、現場の状況などを相談しておくことで、スムーズに特殊清掃を依頼できるでしょう。
3.警察から入室許可がでたら特殊清掃が実施される
警察による現場調査は、2日~7日程度で終了することもあれば、1ヵ月程かかることもあります。
入室許可がでるまでは特殊清掃業者と連絡を取り、清掃の相談をしておくとよいでしょう。
そして、警察による現場調査が終了したら入室許可が下ります。
警察による現場調査では、血液・体液や残置物の処理はおこなわれません。
ですので、特殊清掃業者に入室許可がでた旨を伝え、特殊清掃の実施を依頼しましょう。
清掃業者は入室許可の連絡を受けてから、すぐに特殊清掃を開始します。
特殊清掃は「10時間」程度で終了するケースもあれば、消臭のために「3日間」程かかるケースもあるようです。
風呂場で自殺のあった物件でも売却・賃貸契約できる
風呂場で自殺があった物件は「事故物件」として扱われます。
「事故物件」に法律的な定義はありませんが「その事実を知っていれば、契約はしていなかった」という場合に事故物件とみなされます。
しかし、事故物件だからといって、売却や賃貸契約が不可能なわけではありません。
風呂場に自殺の痕跡が残っている物件であれば、その物件に居住を希望する人はいないでしょう。
特殊清掃をおこない、心理的瑕疵を感じさせないことで、入居希望者・購入希望者を見つけられます。
また、特殊清掃だけでは自殺の痕跡を取り除けない場合は、風呂場だけのリフォームを検討するとよいでしょう。
売却・賃貸契約の前に特殊清掃をしよう
風呂場での自殺は遺体が腐敗しやすいことから、菌や害虫が繁殖してしまいます。
また、死体から漏れ出した体液や血液によって、壁や床が汚れます。
そのような、自殺の痕跡が残っているままでは、売却・賃貸契約を結べません。
風呂場での自殺がおきた物件を売却・賃貸するには特殊清掃を実施し、自殺の痕跡を消し去る必要があります。
さきほどもお伝えしましたが、衛生管理の概念からも清掃準備が必要なため、素人では自殺があった現場を清掃できません。
ですので、売却や賃貸契約を結ぶ前には、特殊清掃業者に清掃を依頼しましょう。
風呂場だけを特殊清掃する際の相場価格は「15万円~30万円」が一般的
特殊清掃には「死後からどれくらい経過しているか」「どのような薬が必要か」というように、状況に応じて作業が変わります。
ですので、特殊清掃にかかる価格は一概にはいえませんが「15万円~30万円」程度が相場価格とされています。
同じ作業をする場合でも、それぞれ清掃業者ごとにかかる料金は変動します。
ですので、複数の業者へ無料見積もりの相談をするとよいでしょう。
風呂場だけをリフォームしよう
特殊清掃を実施しても、匂いや汚れなどが残ってしまうケースもあります。
そのような場合は、風呂場だけのリフォームを検討するとよいでしょう。
物件そのものをリフォームするには、費用や時間がかかりますが、風呂場だけなら比較的少ないコストでリフォームできるでしょう。
また、リフォームをおこない新品の状態にすることにより、心理的な嫌悪感を取り除けます。
風呂場だけのリフォームにかかる費用は「60万円~120万円」が相場価格とされています。
風呂場のサイズや断熱材の使用有無などによって、金額に大きな差がでます。
風呂場だけをリフォームする際は、複数のリフォーム会社に見積もり相談をするとよいでしょう。
自殺があった物件を売却・賃貸契約するときには「告知義務」がある
事故物件に関わらず不動産を取引する際、売主は買主に対して「建物の瑕疵(欠点)」の告知義務があります。
告知義務は、重要事項説明書に記載することで告知することがほとんどです。
売却・賃貸契約を結ぶときには「風呂場で自殺者が出た物件」であることを、告知しなくてはなりません。
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。
引用:e-Govポータル「宅地建物取引法第35条」
もしも、心理的瑕疵を隠したり告知せずに取引すると「契約不適合」とみなされ、契約をキャンセルされたり、損害賠償を請求される恐れがあります。
告知義務を怠った時は「告知義務違反」として損害賠償の責任を負う
さきほどもお伝えしましたが、不動産の契約を結ぶ際は建物の瑕疵を告知する義務があります。
もしも、告知義務を怠ると「告知義務違反」として損害賠償の責任を負わねばなりません。
告知義務違反となってしまったら、損害賠償として以下のような対応を求められるでしょう。
- 売買契約のキャンセル
- 代金の減額
- 損害賠償金の支払い
告知義務を怠ると、裁判まで発展する恐れもあります。
隠したい事実や瑕疵があっても、正直に伝えることが大切です。
事故物件の買取価格は通常より30~50%下がる
所有している物件の風呂場で自殺が起きてしまったら、物件を手放したいと考える方も多いでしょう。
先ほど説明しましたが、自殺が起きた物件は「事故物件」として扱われます。
「事故物件は安くすべき」といったルールや法律はありません。
しかし、事故物件の価格相場は通常の物件よりも30~50%ほど安くなってしまいます。
なぜなら、過去に自殺があった物件の購入を希望する買主は多くいないからです。
事故物件という理由から、必ず売却金額が下がるのはなく、購入希望者を増やすために売却金額が下げられます。
高く売却するには訳あり物件専門買取業者に売却しよう
自殺がおきた「訳あり物件」なら、不動産の仲介販売では買主が見つからないことも多いでしょう。
そこで、事故物件を高く売却したいなら、訳あり物件の専門買取業者に売却することをおすすめします。
一般的な買取業者だと、事故物件を活用した経験が少ないため、物件を買い取れないかもしれません。
一方、訳あり物件を専門に扱う買取業者なら、事故物件を活用するノウハウや売却に関する法知識が豊富なため、物件を高く買取できます。
当サイトを運営する「クランピーリアルエステート」でも、自殺のあった物件でも買取しています。
事故物件の資産価値を上げるノウハウや実績が多数あるため、他社では買取拒否された物件でも高く買取可能です。
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事故物件の家賃に明確な基準はない
自殺のあった物件の家賃は、一般的な物件の家賃設定よりも安いことがほとんどです。
しかし「事故物件の家賃は安くする必要がある」というルールや法律があるわけではなく、大家・貸主が自主的に安くしています。
さきほどもお伝えしましたが、賃貸契約を結ぶ際には「告知義務」を果たす必要があります。
つまり、事故物件の賃貸契約を結ぶには「事故物件である」ことを告知しなければなりません。
告知義務によって、事故物件であることを知れば、借主が集まらないケースが多いです。
ですので、事故物件でも賃貸運用するため、大家・貸主が自主的に家賃を安くしています。
一般的に通常の賃貸物件より家賃が20~30%安くなる
事故物件の家賃相場に明確な基準はありません。
しかし、事故物件の多くが通常の賃貸物件より「20~30%」安く家賃を設定しています。
事故物件への居住を心理的に敬遠する人がほとんどです。
そこで、居住希望者を少しでも増やすために、家賃が安く設定されます。
また、近年では「事故物件は家賃が安い」というイメージも増えています。
これらの理由から、事故物件の家賃は20~30%安く設定されるのが一般的です。
事故物件の家賃設定に悩まされているなら、不動産問題に詳しい弁護士に相談してもよいかもしれません。
不動産に詳しい弁護士であれば、事故物件をどのように取り扱うべきかアドバイスしてくれるでしょう。
風呂場をリフォーム・特殊清掃しても家賃額・売却額は相場より安くなる
風呂場で自殺があった物件が安くなる理由は、以下の2つです。
- 過去に自殺があった事実に心理的抵抗を感じている
- 遺体の腐敗臭や体液で風呂場が損傷している
風呂場をリフォーム・特殊清掃すれば、物件の見た目は元通りになるでしょう。
しかし、風呂場を綺麗にしても「心理的瑕疵」は取り除けません。
ですので、風呂場をリフォーム・特殊清掃しても、家賃額・売却額は相場よりも安く設定しなければ、入居希望者は現れません。
もちろん、自殺の痕跡が残ったままでは契約できませんので、価格は安くなりますがリフォーム・特殊清掃を実施する必要があります。
まとめ
もしも、風呂場で死体を発見してしまったら以下の順序で対応しましょう。
2.特殊清掃業者に相談する
3.警察から入室許可がでたら特殊清掃が実施される
風呂場での自殺は、悲惨な状況になりやすいため、特殊清掃の実施は必須といえます。
また、自殺があった物件でも、特殊清掃が終われば売却・賃貸契約を結べます。
その際は、売却価格・家賃を低めに設定することで、入居希望者を早めに見つけられるでしょう。
もしも、売却が困難である場合は、訳あり物件の専門買取業者に相談してください。
専門買取業者であれば、事故物件でも高く購入できます。