過去に殺人のあったアパートを売るときの問題点
過去に殺人のあったアパートには心理的瑕疵があり、事故物件として扱われます。
・心理的瑕疵:嫌悪感など、心理的な抵抗感を抱く欠陥
・事故物件:心理的瑕疵のある物件のなかでも、人の死亡事故or事件があった物件
事故物件の原因には自殺や事故死・孤独死もありますが、殺人は物件への影響がもっとも強いといえます。
過去に殺人のあったアパートを売るとき、どのような問題点があるか見ていきましょう。
【問題点1】告知義務に違反すると損害賠償請求される
事故物件の売買では、売主は買主に対する告知義務があります。
告知義務とは、買主にとって物件の購入をためらうような事柄を伝える義務です。過去に殺人があったという事実も、告知義務の対象となります。
売主が物件を売却したいからといって殺人の事実を隠していると、売却後に発覚した場合、買主から損害賠償を請求される恐れがあります。
民法第562条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。出典:e-Govポータル「民法第562条」
告知義務には明確な期間の取り決めがなく、物件の細かい条件によって「いつまで告知義務が残るか」が異なります。
殺人事件の告知義務はほかの事故物件より長く残る
殺人事件の告知義務は事件の凄惨さや世間への影響度にも左右されるため、一概に何年とはいえません。
ただし、自殺などより殺人のほうが、基本的に告知義務は長く残るとされます。
自殺などの告知義務は一般的に2~3年といわれます。一方、殺人の場合は7年前に起こった殺人事件について売主の告知義務を認めた判例があります。
また、事件が猟奇的で、近隣住民の記憶に強く残っている場合、50年前の殺人事件についても告知義務をみとめられた判例もあります。
告知義務について正確に把握したい場合は、弁護士や不動産業者と相談するのがよいでしょう。
参照:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「続・心理的瑕疵に関する裁判例について 事例A2、事例A17」
【問題点2】価格相場が2~5割ほど下がる
殺人があった物件の価格相場は、一般的に2~5割ほど下がるといわれます。
事故物件全体の価格相場でいうと1~3割の減少幅が多いため、殺人のあった物件はほかの事故物件より価格が下がりやすいといえるでしょう。
価格相場に関しては、事件内容のほか、物件の元々の価値や立地にも左右されます。
都市部で不動産の需要が高く、物件の築年数も浅ければ、価格の減少幅も少なくなります。
反対に地方で不動産の需要が低く、築年数も古い物件であれば、価格の減少幅は大きくなるでしょう。
「もとの価格」に戻すのはむずかしい
事故物件として一度価格が下がってしまうと、もとの価格に戻すのはむずかしいと考えたほうがよいでしょう。
仮に告知義務がなくなっても、過去にあった殺人の事実を完全に隠すことは困難です。最近は事故物件に対する一般的な認知度も高くなっており、事故物件ではないか独自に調査する買主もいます。
「大島てる」といった事故物件の情報サイトもあり、インターネットに情報が載ってしまうと需要も下がってしまいます。
場合によっては、買主のほうから「事故物件なんだから価格を下げてほしい」と交渉を持ち出されることもあるでしょう。
【問題点3】買主を見つけるのに時間がかかる
事故物件のなかでも、殺人のあった物件はとくに買主が付きづらいといえます。
価格の安さや事件への興味から事故物件に住みたがる人はいますが、そんな人たちにも殺人のあった物件は避けられやすいのです。
殺人事件の犯人は、不安などから現場に帰ってくることがあります。実際に戻ってこなくても、事故物件に住みたがる人が「犯人が帰ってくる」というイメージをもっているのが重要です。
つまり、殺人のあった物件は事故物件のなかでも現実的な危険性が高いというイメージがあるのです。
住みたがる人が少ないければ、需要がなかなか回復せず、収益化も困難であるといえます。
アパートを購入する人の多くは投資目的であるため、賃貸物件として価値が低い物件を買う人は少ないといえるでしょう。
殺人のあったアパートでも維持費は変わらない
買主を見つけるのに時間がかかると、売れない間の維持費も当然ながら発生します。
とくに、固定資産税の評価に心理的瑕疵は影響しないため、例え事故物件であっても税額は変わりません。
収益化のむずかしさに対して維持費は変わらず、過去に殺人のあったアパートは所有しているだけで損失につながります。
【問題点4】「殺人のあった部屋」以外の部屋やアパート全体も価格や需要に影響する
アパートのような集合住宅の場合、どこか一室で殺人が起こると、ほかの部屋や物件全体にも影響がおよぶかもしれません。
殺人が起こった部屋ほどではなくても、ほかの部屋に対する需要は下がってしまうでしょう。アパート全体を売る場合も同様です。
また、ほかの部屋を売却するときに告知義務があるかどうかは、個別の条件次第としかいえないのが実情です。
仮に告知義務が認められなくても「殺人のあった部屋が同じアパート内にある」と周知されている場合、進んで買いたいという人は少ないでしょう。
過去に殺人のあったアパートを売るための具体的な方法
過去に殺人のあったアパートを売りたい場合、普通に売り出しても買主を見つけるのはむずかしいでしょう。
殺人のあった事故物件は、一般的な不動産会社も取り扱いに慣れていないことがほとんどです。
しかし、そこで「殺人があったアパートを買う人なんていないだろう」と諦めることはありません。殺人があったアパートでも、いくつかの売却方法があります。
オフィスや店舗として売り出す
居住ではなくオフィスや店舗としてなら、過去に殺人があっても気にならないという買主はいます。
そういった「経営者層」ならコストパフォーマンスを重視する買主も多く、価格を下げれば居住用に貸し出すより高い需要が見込めるでしょう。
居住用としての需要が低いのであれば、別のところに需要がないか探すという考え方が大切です。
リフォームやリノベーションでコストがかかる恐れもある
オフィスや店舗として売り出す場合、現況のまま買ってもらえればよいのですが、なかにはリフォームやリノベーションが必要になるケースもあります。
元々が居住用であれば、オフィスや店舗としての利用に向かない物件もあるでしょう。そうなると、オフィス・店舗用に改装する必要が出てきます。
しかし、仮に改装しても買主がつくとは限りません。売却するためにどこまでコストをかけられるか、慎重な見極めが重要です。
不動産オークションに出品する
あまり一般的ではありませんが、不動産オークションに出品するという方法もあります。
不動産オークションでは、なるべく安く物件を買いたいという人が集まります。価格を重視する層に向けてピンポイントにアピールできるため、殺人のあったアパートでも売れる可能性が高くなります。
また、不動産の仲介売買では先に申し込みをした人が優先的に交渉できる「早いもの勝ち」ですが、オークションは入札金額が一番高い人と取引できるため、想定以上に高く売れる可能性もあるのがメリットです。
オークションは確実に売れるとは限らない
オークションにかけても、殺人のあったアパートが確実に売れるという保証はないと覚悟しておきましょう。
また、オークションでは興味本位やいたずら目的の問い合わせもありえます。
不動産会社に任せたほうが早く売れたであろう物件をオークションにかけてしまい、売れるまでに無駄な時間や労力をかけてしまう可能性も否定できません。
「訳あり物件専門の買取業者」に買取を依頼する
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査定で物件に価格がつけば、その値段で確実に買い取ってもらえます。専門家の目線で物件の問題点をあらかじめ調査したうえで買い取るので、売買後にトラブルが起こるリスクもありません。
また、現況のまま買い取るため、ほとんどの場合は売却前のハウスクリーニングなども不要です。
訳あり物件を専門に取り扱うことで運用・収益化のノウハウも蓄積しているので、一般的な不動産会社の仲介に依頼するより高額で買い取ってもらえる可能性が高いでしょう。
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過去に殺人のあったアパートを安く買い叩かれないためにできること
過去に殺人のあったアパートを売却する際、もっとも気になるのは価格についてだと思います。
「事故物件だからといって安く買い叩かれたくない」と思うのは、所有者として当然の考えです。
ある程度の価格減少は仕方ないにしても、必要以上に安く売却する必要はありません。買い叩かれないための自衛手段として、どんなことができるか紹介していきます。
一般的な不動産相場から事故物件の価格相場を計算する
「殺人のあったアパートは価格相場が2~5割ほど下がる」と解説しましたが、物件の本来の価値を知らなければ、事故物件の価値も計算できません。
事故物件に限らず、不動産は築年数や近隣の不動産需要によって価格が常に変動します。
最新の不動産相場を知るには、各種不動産サイトで近隣の似た物件を探すか、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」を利用しましょう。
また、各自治体から毎年送られてくる固定資産税納税通知書から、固定資産税評価額を参考にするのもよいでしょう。
参考:国土交通省「不動産取引価格情報検索」
不動産鑑定士に価格鑑定を依頼する
より正確な物件の価格を知りたければ、不動産鑑定士に物件の鑑定を依頼するという方法もあります。
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価のほか、土地の有効利用などのコンサルティングをおこなう国家資格者です。
事故物件などの「物件ごとに固有の事情」はもちろん、経済動向や社会情勢も考慮した鑑定ができるため、不動産の本来の価値を正確にはかれます。
不動産鑑定の費用は事務所によって異なりますが、おおむね20万円から物件の種類・価値によって高額になるケースが多いでしょう。
複数の不動産業者に査定してもらう
「不動産鑑定士に依頼するほどでもない」と考えるのであれば、複数の不動産業者に査定を依頼しましょう。
不動産業者も各社に得意・不得意があります。同じ「訳あり物件専門の買取業者」と宣伝していても、会社規模やこれまでの実績によって査定価格が大きく異なる場合もありえます。
査定だけであれば無料なので、有効に活用していきましょう。
「高く買取をしてくれる買取業者選びのポイント」については、次の関連記事も参考にしてください。
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まとめ
過去に殺人のあったアパートを売るときは、2~5割ほど価格が下がることを覚悟しておく必要があります。
なかなか買主が見つからないことも予想できますが、適切な方法を取れば、時間をかけずに、かつ不必要に安く買い叩かれる心配もありません。
弁護士や訳あり物件専門の買取業者に相談して、適切な売却価格を確認してみましょう。
そうすれば、自分でも納得のいく売却ができるはずです。
過去に殺人のあったアパートを売るときによくある質問
過去に殺人のあったアパートでも売ることはできますか?
はい、可能です。ただし、需要が少ないのも確かです。そのため、価格を下げるなどの工夫は必要でしょう。
過去に殺人のあったアパートはどのくらいの価格で売れますか?
物件の個々の条件によりますが、一般的には本来の価値から2~5割ほど下がるといわれています。
過去に殺人のあったアパートを売るときの注意点はありますか?
告知義務に違反すると、損害賠償請求をされる恐れがあるため、隠さず正直に伝えることが重要です。また、売却にあたってリフォームやリノベーションが必要になるケースや、なかなか売れず維持費の出費がかさむリスクもあるでしょう
殺人のあったアパートの告知義務はいつまで残るのでしょうか?
個々の事情によるので一概にはいえません。7年ほどで告知義務がなくなることもあれば、50年以上経っても告知義務の責任が残るケースもあります。
過去に殺人のあったアパートを売るとき、だれに相談すればよいですか?
訳あり物件専門の買取業者に相談するのがおすすめです早ければ最短数日で、事故物件を現金化できるでしょう。告知義務など法律的な不安があれば、弁護士に相談するのもおすすめです。
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