古民家の売却について考える前に売りたい物件が古民家なのかをはっきりさせておくべき
古民家の売却について解説する前に、まずは当記事における古民家の定義について説明していきます。
そもそもですが、古民家の定義については法律で明確に定められていません。あくまで一般的な目安ではありますが、築50年以上の建物のことを古民家と呼ぶ傾向があります。実際に、朝日新聞デジタルでも下記のように公表されています。
全国67支部を構成する全国古民家再生協会(東京都)では、一般に「築50年以上の木造軸組み工法の住宅」を「古民家」としている。
引用元 「戦前の建物」「築50年以上」 古民家にふさわしい定義は?
この目安を踏まえれば、築50年以上の木造物件を所有している場合、その物件は古民家と判断されると考えられます。
詳しくは後述しますが、古民家は通常物件よりも基本的に売却しづらいです。そのため、自身が所有する物件が「本当に古民家であるのか」をはっきりさせたうえで、物件の売却について考えるのが得策です。
弊社にも「古い家を売りたいのですが、買取はできますか」というお問い合わせをいただくことがあります。しかし、詳しくお話を伺うと築35〜40年程度の物件だった、というケースは意外と多いです。築35〜40年であれば古民家というよりも「築古物件」として扱われ、仲介での売却が十分に見込める場合もあります。まずはご自身の物件が本当に古民家に該当するのかを整理しておくと、適切な売却方法を選びやすくなります。
仮に古民家でない場合、通常物件として売却できるため、不動産会社による仲介でも売却できる見込みはあります。一方、古民家と判断される物件であれば、ここから解説する売却方法を参考にして売却活動を行うのがよいでしょう。
古民家は通常物件よりも売却が難航するのが一般的
不動産を売却できるかどうかは、その物件の需要によって変わります。
前提として伝えますが、古民家だからといって絶対に売却できないとはいえません。とはいえ、古民家は通常物件よりも売却が難航するのが一般的です。その理由には下記が挙げられます。
- 建物自体の資産価値が低いため
- 住宅ローンを組んだ購入が制限されやすいため
ここからは、古民家は通常物件よりも売却が難航しやすいと言える理由について、それぞれ解説していきます。
なお、古民家であっても、「リノベーションやリフォームがされており、すぐにでも居住ができる」のような条件がよい物件であれば、スムーズに売却できるケースもあります。
ここでは、条件が良いとはいえない古民家の場合を想定しているため、「古民家の場合は必ず売却が難しくなる」というわけではありません。
建物自体の資産価値が低いため
古民家が通常物件よりも売れづらいといえる要因の1つには、建物自体の資産価値が低いことが挙げられます。
基本的に建物の資産価値はその物件の条件によって変動します。建物の築年数も資産価値を決める1つの要因になり、築年数が浅ければ浅いほど資産価値は高くなる傾向があります。
国土交通省が公表するデータをみても、築年数が20年を超えたあたりから戸建住宅の資産価値は10%程度まで下がることがわかります。
出典:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」
また、国税庁が公表する「主な減価償却資産の耐用年数表」では、住宅用の耐用年数が木造の場合は22年、鉄筋コンクリート造(RC造)の場合は47年と記載されています。なお、鉄骨造(金属造)は骨格材の肉厚によって19年〜34年と幅があります。
耐用年数がこの基準を過ぎている場合も、資産価値が下がる1つの要因になります。古民家の場合は築年数が古いと考えられるため、通常物件よりも資産価値が低くなりやすく、売却も難しくなると推測できるのです。
住宅ローンを組んだ購入が制限されやすいため
一般の人が買い手であれば、不動産売買の際には住宅ローンが組まれることが多いです。しかし、古民家の場合は住宅ローンを組めない傾向があります。
住宅ローンを利用するには、購入する物件を担保として設定します。そして、住宅ローンの担保にできるのは、借入金額よりも資産価値があるものに限られます。
前述した通り、古民家は資産価値が低いと判断されるのが一般的です。そのため、金融機関から担保として認められづらく、住宅ローンを組めないことが多いのです。
仮に住宅ローンが組めなかった場合、購入者は現金で一括購入することが強いられてしまいます。物件を現金一括で購入できる人は限られてしまうことから、自然に需要も低くなり、住宅ローンを組めない古民家だと売れづらくなってしまうのです。
古民家売却なら基本的に専門の買取業者を検討しておくべき
前述したように、一般的に古民家は仲介での売却が難航しやすいため、買取業者への相談も選択肢のひとつです。とくに、老朽化が進んでいるような古民家の場合、マイホームを探している一般の人からは購入を敬遠されやすくなります。
そのため、買い手がつくかが不安な古民家であれば、基本的には専門の買取業者に売却することを検討するべきといえます。専門の買取業者に依頼することには、下記のようなメリットがあるためです。
- ほかの業者に断られた古民家でも売却に期待できる
- ゴミや遺品などが残っていてもそのままの状態で古民家を買い取ってもらえる
- 契約不適合責任が免除されるのが一般的
- 数日程度で古民家を買い取ってもらえる
ここからは、古民家売却を専門の買取業者に依頼するメリットについて、それぞれ解説していきます。
ほかの業者に断られた古民家でも売却に期待できる
買取業者のなかには、古民家の買取を専門とする業者もあります。専門の買取業者では自社または提携会社でリフォームなどを行い、費用を抑えつつ古民家に付加価値をつけて再販しています。
現状では資産価値が低い古民家であっても利益を出すためのノウハウがあるため、ほかの業者に断られた古民家であっても専門の買取業者であれば売却に期待できるのです。
筆者の感覚ではありますが、古民家の売却で弊社にお問い合わせいただく方のうち、事前に仲介や他社の買取で断られた経緯をお持ちの方は体感で6割前後にのぼります。築年数が古い物件ほど取り扱い自体を敬遠する業者が多いのが実情で、最終的に専門の買取業者にたどり着くケースが少なくありません。
ゴミや遺品などが残っていてもそのままの状態で古民家を買い取ってもらえる
仲介で物件を売却する場合、不動産会社による販売活動で買い手を探す必要があります。基本的に物件の状態がよくない場合、買い手が現れる可能性は低いため、ゴミや遺品などの残置物は撤去しておくのが無難です。
一方、古民家を専門とする買取業者であれば、物件をそのままの状態でも買い取ってもらえるのが一般的です。そのため、ゴミや遺品、家具といった残置物を撤去する手間をかけずに、古民家を売却することもできます。
契約不適合責任が免除されるのが一般的
買取業者に物件売却を依頼した場合、契約不適合責任が免除されるのが一般的です。
契約不適合責任とは、売却する不動産が契約内容に適さない場合、売り手が負担しなければならない責任のことです。
たとえば、売却する物件にシロアリ被害や雨漏りといった瑕疵があると仮定します。それを買い手に伝えずに売買契約を締結させると、売り手は契約不適合責任に問われて損害賠償や契約の解除が求められるリスクがあります。
古民家の場合、築年数がかさんでおり、さまざまな瑕疵を抱えている可能性があります。場合によっては、所有者ですら気づかなかった瑕疵が潜んでいることも少なくありません。
弊社と提携している弁護士からも、「古民家は建物の構造や設備が現行基準と大きく異なるため、売買後に"こんな不具合があるとは聞いていない"というトラブルに発展しやすい」という話を聞くことがあります。とくにシロアリ被害や基礎の劣化など、外見からは判断しづらい瑕疵が後から見つかるケースは築年数が古い物件ほど多いとのことです。
そのため、仲介などで古民家を売却することは、契約不適合責任に問われるリスクがある方法とも言えるのです。
一方、買取業者であれば、「契約不適合責任を一切負わない」という条件で売買契約が成立するのが一般的です。そのため、古民家の売却後に契約不適合責任に問われるリスクは低いといえます。
数日程度で古民家を買い取ってもらえる
仲介で不動産を売却する場合、不動産会社の売却活動によって買い手を募るのが一般的です。買い手が見つかるまで不動産を売却できないため、あくまで目安ですが3か月〜6か月程度の期間がかかると言われています。
一方、買取業者に依頼した場合、買い手を募るための売却活動が不要なため、不動産売却にかかる期間は仲介よりも短くなるのが一般的です。さらに、専門の買取業者であればスムーズに売却を完了させるノウハウがあると考えられ、ほかの業者よりも早く売却できるケースもあります。
買取までにかかる期間は買取業者によって異なりますが、最短数日程度で売却できる専門業者も少なくありません。
参考として、弊社での不動産買取データを集計したところ、問い合わせから決済にいたるまでの期間は30日以内が29.0%、60日以内が52.3%となっており、全物件種別で見ても半数以上が2か月以内に手続きを完了しています。古民家に限った数値ではありませんが、仲介での売却に数か月〜1年以上かかることもある点と比較すると、買取は比較的短期間で手続きが進む傾向があるといえます。
データ集計期間:2018年2月21日〜2025年12月31日/集計方法:社内での買取データを集計/数値はあくまで概算であり、個別のケースによって異なります。
買取業者以外に古民家を売却する方法
古民家を売却する場合は基本的に専門の買取業者への売却が基本的な選択肢となりますが、ほかの方法で物件を売却できるケースもあります。ほかの売却方法にもメリットがあるため、古民家の売却を検討している場合には、下記のような方法も視野に入れてみるのもよいでしょう。
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仲介で売却する
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・「立地がいい」「リフォームやリノベーションがされている」など古民家の条件がよく、売却の見込みがある
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空き家バンクに登録して買い手を募る
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・希望に近い条件で古民家を売却したい
・買い手を自分で選びたい
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ここからは、買取業者以外に古民家を売却する方法について、それぞれ解説していきます。
仲介で売却する
「古民家は購入を敬遠されやすい」と解説しましたが、それはあくまで条件がよくないケースの話です。条件がよい古民家であれば、仲介で売却できることも十分に考えられます。
そして、仲介には「市場価格での売却に期待できるため、買取よりも高値がつきやすい」というメリットがあります。そのため、「古民家の条件がよく、なるべく高値で売却したい」という場合であれば、買取ではなく仲介を検討するべきともいえるのです。
なお、自身が所有する古民家が仲介で売れるのかがわからない人もいることでしょう。あくまで目安であるため「必ず仲介で売れる」とはいえませんが、下記のような古民家であれば仲介でも売れる見込みがあります。
- リノベーションやリフォームがされており、すぐにでも活用できる
- 都内23区のような人気のエリアにある
- 最寄り駅から徒歩5分〜10分圏内にある
「古民家ブーム」といわれることもあるように、近年では古民家の人気が上昇している傾向にあります。そのため、とくにリノベーションやリフォームがされている古民家であれば、仲介で売却できることも十分に考えられます。
不動産会社では、自身が所有する古民家に売却の見込みがあるかを相談することも可能です。「仲介で売却したいけど売れるのかがあやしい」といった場合、まずは不動産会社に相談することを検討してみるのもよいでしょう。
空き家バンクに登録して買い手を募る
古民家を売却する方法として、空き家バンクを利用することも挙げられます。
空き家バンクとは、空き家の活用や地方移住を促進するための制度のことです。主に空き家が対象ではありますが古民家の情報掲載も可能であり、物件を売りたい人と、物件の購入を考えている人をマッチングさせるために使用されます。
空き家バンクに登録をすると、売りたい物件の情報が自治体の専用サイトに掲載されます。その情報をみて購入したい人が現れれば、古民家を売却できる流れです。
なお、意外と見落とされがちですが、空き家バンクの登録要件や利用の流れは自治体ごとに大きく異なります。たとえば、登録に際して物件の現地調査を必須とする自治体もあれば、書類だけで手続きが完了する自治体もあります。また、成約時の仲介手数料の負担ルールも自治体によって差があるため、事前に管轄の自治体に確認しておくのがよいでしょう。
また、空き家バンクでは、売りたい金額などの条件を売り手が設定できます。買取業者に売却する場合には、自身で売却金額を決めることはできないため、「時間をかけてでも希望している条件に近い金額で売却したい」という場合には空き家バンクを検討してみてもよいでしょう。
ただし、前述したように古民家は、通常物件よりも購入を敬遠されやすい物件です。空き家バンクに登録をしても、「なかなか買い手が現れない」ということにもなりかねません。
そのため、空き家バンクを利用する場合には、「仲介を依頼しつつ空き家バンクでも買い手を探す」のような対策をとるのもおすすめです。
売却したい期日を決めておき、「期日までは空き家バンクで買い手を探す」「期日を過ぎても買い手が現れなければ買取業者などに依頼する」のように対策を講じれば、なかなか売れない状況を長引かせずに済むと考えられます。
古民家の売却相場は一概にいえない!建物部分の資産価値はほとんどないと考えておくべき
前提として、不動産の売却金額はその物件の条件によって変動します。たとえば、築浅で人気のエリアにあるような条件のよい物件であれば売却金額が高くなることに期待でき、逆に条件がよくない物件の場合には売却金額は低くなるのが一般的です。
そして、古民家といっても、その物件によって条件は大きく変わるため、古民家の売却相場を一概にいうことはできません。
とはいえ、もちろん例外はありますが、古民家の場合は基本的に建物部分の資産価値はほとんどないと考えておくべきです。前述したように、築年数が古ければ古いほど、その建物の資産価値は下がってしまうためです。
実務に携わる立場からいえば、弊社の買取査定でも古民家の場合は建物部分をほぼ評価対象に含めず、土地の価値をベースに査定額を算出するのが通例です。ただし、伝統的な工法や意匠に価値がある古民家の場合はその限りではなく、「古民家としてのブランド価値」がプラス要素として評価されるケースもごくまれにあります。一概に「建物=ゼロ」とは言い切れないのが実務上の実態です。
そのため、古民家がどの程度の金額で売れるのかを知りたい場合、その土地の売却相場を参考にするのも1つの手です。不動産会社などが公表する売却実績から、所有する土地に条件が似ている実績を探し、その売却金額を参考にしてみてください。
また、不動産会社に査定を依頼して、古民家の売却金額の目安を調べるのもよいでしょう。査定だけを依頼することも可能で、基本的には無料で依頼できるため、古民家の売却相場を知りたい場合には検討してみてください。
古民家の売却にはさまざまな税金がかかる
古民家を売却する場合、さまざまな税金がかかる点も注意しておきましょう。主な税金の例には、下記が挙げられます。
- 印紙税:売却金額に応じて変動する
- 譲渡所得税:売却によって発生した利益に応じて変動する
ここからは、古民家の売却にかかる可能性がある税金について、それぞれ解説していきます。
印紙税:売却金額に応じて変動する
印紙税とは、不動産を売却する際に売り手と買い手の間で交わす不動産売買契約書に対して課税される税金のことです。古民家の売却価格に応じた印紙を貼る形で印紙税を納めます。
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売却金額
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本則税率
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軽減税率
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10万円を超える~50万円以下
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400円
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200円
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50万円を超える~100万円以下
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1千円
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500円
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100万円を超える~500万円以下
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2千円
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1千円
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500万円を超える~1千万円以下
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1万円
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5千円
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1千万円を超える~5千万円以下
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2万円
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1万円
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5千万円を超える~1億円以下
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6万円
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3万円
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1億円を超える~5億円以下
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10万円
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6万円
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5億円を超える~10億円以下
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20万円
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16万円
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10億円を超える~50億円以下
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40万円
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32万円
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50億円を超えるもの
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60万円
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48万円
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たとえば、古民家が3,000万円で売れた場合、通常収入印紙の金額が2万円となります。
不動産売買の印紙税には軽減措置が設けられており、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成された売買契約書であれば、軽減率が適用されます。古民家の売却金額が2,000万円で軽減措置がとられた場合、収入印紙の金額が2万円から1万円になります。
譲渡所得税:売却によって発生した利益に応じて変動する
古民家に限らず、不動産売却によって利益が出た場合には原則譲渡所得税を納めなければなりません。譲渡所得税は個人でも算出することは可能ですが、簡単に算出できるわけではなく、手順を踏んで算出していく必要があります。
譲渡所得税の算出は、古民家の売却によって得られた利益である「譲渡所得」の計算から始めます。譲渡所得は「買い手から受け取った金額-(古民家の取得費+譲渡にかかった費用)」の式で算出可能です。
なお、建物の取得費は購入価格そのままではなく、所有期間に応じた減価償却費相当額を差し引いた金額になります。古民家のように築年数が長い場合は、建物部分の取得費がほぼゼロに近くなり、結果として譲渡所得が大きくなる(=税負担が増える)可能性がある点に注意が必要です。
たとえば、「取得費2,000万円(土地+建物の減価償却後)」「譲渡費用150万円」「売却金額3,000万円」の場合を想定すれば、「3,000万円ー(2,000万円+150万円)=850万円」と計算できます。
この際、譲渡所得が0になるケースもあり、その場合は売却による利益が出ていないため譲渡所得税はかかりません。
なお、古民家や先祖代々受け継いできた土地の場合、購入当時の売買契約書がなく、取得費がわからないケースが多々あります。
その場合、税務上のルールにより「売却金額の5%」を概算取得費として計算しなければならず、結果として譲渡所得が大きく計算され、税負担が重くなる点に注意が必要です。
参考:取得費が分からないとき│国税庁
次に、譲渡所得に一定の税率をかけて、譲渡所得税を算出します。一定の税率は、不動産の所有期間によって下記のように変わります。なお、不動産の譲渡所得には所得税のほか住民税もかかり、令和19年までは復興特別所得税(所得税額の2.1%)も上乗せされます。
所有期間ごとの譲渡所得税率
| 所有期間 |
所得税 |
住民税 |
合計税率 |
| 5年超(長期譲渡所得) |
15.315% |
5% |
20.315% |
| 5年以下(短期譲渡所得) |
30.63% |
9% |
39.63% |
先ほどの条件である譲渡所得が850万円であれば、所有期間が5年以下の場合は「850万円×39.63%=約336万円」、所有期間が5年を超えていれば「850万円×20.315%=約172万円」と算出します。
なお、不動産会社や買取業者では、「譲渡所得税が発生するかどうか」「確定申告でどのような手続きをするのか」などを相談できる場合もあります。古民家を売却する場合、譲渡所得税や確定申告についても相談しておくとよいでしょう。
参照:No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁
参照:No.3211 短期譲渡所得の税額の計算|国税庁
譲渡所得税が軽減される特例もある
古民家の売却によって利益が出た場合、譲渡所得税を納めなければなりませんが、場合によっては軽減される特例が適用されることもあります。古民家売却による譲渡所得税が軽減される特例には、下記が挙げられます。
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特例
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概要
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空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除
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相続または遺贈で取得した空き家(被相続人居住用家屋)を売却する場合、定められた要件を満たしていれば譲渡所得が最大3,000万円まで控除される制度。ただし、令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合は控除上限が2,000万円になる。
譲渡所得が控除上限額までであれば、この特例が適用されることで譲渡所得税が0円になる。適用期限は令和9年12月31日まで。
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マイホームを売却したときの3,000万円特別控除
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「住んでいる古民家」または「以前住んでいた古民家」を売却する場合、譲渡所得が最大3,000万円まで控除される制度。ただし「以前住んでいた古民家」の場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要がある。
譲渡所得が3,000万円までであれば、この特例が適用されることで譲渡所得税が0円になる。
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10年超所有軽減税率の特例
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「住んでいる古民家」または「以前住んでいた古民家」を売却する場合、譲渡所得税を算出する税率が軽減される制度。
ほかの特例制度と併用できるケースもある。
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低未利用土地を売った場合の100万円の特別控除
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都市計画区域内にある低未利用土地を500万円以下(市街化区域等の場合は800万円以下)で売却した場合、譲渡所得から100万円が控除される制度。適用期限は令和10年12月31日まで。
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相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
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古民家を相続した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる制度。
取得費が多ければ多いほど譲渡所得が減るため、譲渡所得税を抑えられる。
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たとえば、売却したい古民家が空き家状態であれば、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」が適用されるケースがあります。この制度が適用されれば、最大3,000万円まで譲渡所得が控除されます。
具体的には、古民家売却によって発生した譲渡所得が3,000万円までであれば、譲渡所得税を納める必要がありません。
なお、古民家があるエリアを管轄する税務署では、古民家売却で適用される可能性がある制度について相談できます。「どのような制度が適用できるかがわからない」という場合には、税務署に相談することをおすすめします。
古民家の売却においてするべきではない行動もある
古民家を売却する場合、下記のような行動はとるべきではないといえます。
- 独断で古民家を解体して更地にする
- 不動産会社に相談せずにリフォームをする
- 残置物の撤去が難しい場合に不用品回収業者へ依頼する
基本的に、解体やリフォームなどは不動産会社などに相談したうえで行うべきといえます。独断で行ってしまうと、余計に売れづらくなったり、かかった費用が無駄になってしまったりといったリスクを抱えることになりかねません。
ここからは、古民家の売却においてするべきではない行動について、それぞれ解説していきます。古民家の売却を検討している場合には、参考にしてみてください。
独断で古民家を解体して更地にする
古民家の売却を検討している人によっては、「建物の老朽化が進んでいるなら土地として売却したほうが売れるのでは」のように考えているかもしれません。
確かに、場合によっては古民家を解体したほうが買い手がつきやすくなることもあります。しかし、売れる見込みが立っていないのであれば、無理に古民家を解体するべきではありません。
一般的な木造住宅を解体する場合、100万円〜300万円程度の解体費用がかかります。ただ、古民家の場合は前面道路が狭く重機が入れないため、手作業での解体になる、昔ながらの土壁など、手間の掛かる廃棄物が大量に出る、といった悪条件が重なりやすく、300万円〜500万円以上かかるケースも少なくありません。
また、古民家は蔵・納屋などの付帯物やアスベスト処理が加わることでさらに高くなるケースがあります。万が一、解体した後に買い手が見つからなかった場合、その解体費用が無駄になってしまうことも考えられるのです。
また、通常建物が建っている土地には、「住宅用地の特例」という固定資産税の軽減措置が適用されます。建物を解体して更地にすると、この軽減措置が外れてしまいます。具体的には、200㎡以下の小規模住宅用地であれば固定資産税が最大6倍に、200㎡超の部分は最大3倍になります。
つまり、古民家を解体しても買い手が現れなければ、解体費用が無駄になるだけでなく、固定資産税の負担も大きくなってしまうのです。
古民家を解体するのであれば、まずは不動産会社に相談をして、更地にすれば買い手がつく見込みがあるのかどうかを検討するのが大切です。
不動産会社に相談せずにリフォームをする
前述したように、「古民家ブーム」によってリフォームがされている古民家であれば買い手が現れる可能性もあります。そのため、古民家の売却を検討している人のなかには、リフォームをしたうえで売却することを考えている人もいるかもしれません。
「手を加えれば高く売れるはず」というお考えでリフォームを検討される方は少なくありません。しかし、弊社への相談でも、リフォーム済みの古民家が必ずしも買い手にとってプラスに働いていないケースを目にします。理由のひとつとして、古民家を購入する層の中には「自分好みにリノベーションしたい」という方が一定数おり、売り手側のリフォームがかえってミスマッチを生んでいることが挙げられます。こうした背景もあるため、不動産会社に相談せずに独断でリフォームするのは避けるべきです。
古民家の購入希望者のなかには、好みに合わせて自身でリフォームすることを考えている人も少なくありません。その人にとっては、すでにリフォームされているよりも、むしろリフォーム前の古民家を希望する可能性もあるのです。
また、リフォームするには、数万円〜数十万円ほどの費用がかかります。場合によっては、「費用をかけてリフォームしたのになかなか買い手が現れない」という事態にもなりかねません。
古民家をリフォームすることを検討している場合、不動産会社に相談をしつつ、「どんな人をターゲットにして考えるべきか」「どの箇所をどのようにリフォームするべきか」などを決めていくのがよいでしょう。
残置物の撤去が難しい場合に不用品回収業者へ依頼する
古民家の売却を検討している場合、「物件にある家具やゴミなどの残置物は撤去したほうがいいだろう」と考えている人もいることでしょう。
残置物があるまま物件を売却した場合、その物件の買い手が将来的に残置物を処分しなければなりません。そのため、残置物を撤去したほうが買い手はつきやすくなるとはいえます。
とはいえ、残置物を撤去すれば必ず買い手がつくとも言い切れません。残置物の撤去にも費用がかかるため、無理に撤去をしてしまうと「古民家は売れ残ったうえに、撤去にかかった費用が無駄になってしまった」ということにもなりかねないのです。
古民家を売却する場合、「残置物を撤去すれば買い手がつく見込みがあるか」を売却先に相談しておくのが得策です。
なお、古民家を専門とする買取業者であれば、そのままの状態で物件を売却できるのが一般的であるため、残置物がある状態でも買い取ってもらえることに期待できます。
残置物がある古民家であれば、残置物の撤去が不要な売却方法がないか、不動産会社や買取業者に相談してみるのもよいでしょう。
古民家を売却する場合に事前に対応しておくべきこと
古民家を売却する場合、事前に対応しておくべきことがあるため注意しておきましょう。具体的には、下記に対応するようにしてみてください。
- 古民家が再建築不可物件ではないかを調べておく
- 売却する古民家に瑕疵がないかを調べておく
- 土地家屋調査士に依頼して境界線を測定してもらう
上記に対応せずに古民家を売却すると、契約不適合責任に問われてしまう可能性があります。契約不適合責任に問われるリスクを回避するためにも、古民家の売却を検討している場合には、事前に対応しておくべきことを確認しておくようにしてみてください。
古民家が再建築不可物件ではないかを調べておく
古民家の場合、その物件が再建築不可物件ではないかを調べておくようにしましょう。
再建築不可物件とは、建て替え・増築・改築ができない土地のことです。再建築ができない主な原因には、接道義務を満たしていないことが挙げられます。
接道義務は建築基準法で定められた基準のことです。具体的には「建物を建設するには、幅員4m以上の道路に土地の間口が2m以上接している必要がある」と定められています。
接道義務は建築基準法(1950年制定)で定められていますが、実際に接道義務が適用されるのは、その土地が都市計画区域に指定された時点です。都市計画区域への編入は全国一律ではなく、昭和40年代〜50年代に編入された地域も多いため、1950年以降に建てられた古民家であっても再建築不可となっているケースは珍しくありません。
そのため、古民家が再建築不可物件に該当するかどうかは、「いつ建てられたか」だけでなく、「その土地がいつ都市計画区域に指定されたか」によって判断する必要があります。
そして、再建築不可物件であるにもかかわらず、それを知らずに古民家を売却すると、契約不適合責任に問われる可能性があります。前述しましたが、契約不適合責任に問われれば、損害賠償や契約の解除が求められることになりかねません。
契約不適合責任に問われるリスクを避けるためにも、古民家を売却する前には再建築不可物件ではないかを確かめておくのが重要と言えるのです。
所有する物件があるエリアの役所にある「建築関連・道路関連窓口」に出向くことで、その物件が再建築不可物件かどうかを調べてもらえます。その際には、登記事項証明書・公図・地積測量図・建物図面といった書類を持参することで、手続きをスムーズに進められます。
売却する古民家に瑕疵がないかを調べておく
古民家を売却する前には、その物件に瑕疵がないかを調べておくことも大切です。前述したように、物件に瑕疵があることを伝えずに売却をすると、契約不適合責任に問われるリスクがあります。
古民家が抱えている可能性がある瑕疵をまとめましたので、売却を検討している場合には参考にしてみてください。
- 雨漏り
- シロアリ
- 壁のひび割れ
- 排水管の破裂
- 耐震強度の不足
なお、「瑕疵を調べたいけど、どうやって調べればいいかがわからない」という人もいるかもしれません。その場合には、「ホームインスペクション(住宅診断)」を受けることも検討してみてください。
ホームインスペクションとは、建物の劣化・不具合を把握するための調査のことです。国が定める講習を修了した建築士によって行ってもらえます。
ホームインスペクションを受けるには5万円〜10万円程度の費用がかかりますが、物件が抱える瑕疵について調べてもらえます。
また、ホームインスペクションを受けると売買契約書にその内容が記載され、その結果は買い手に伝えられます。その場合、物理的な瑕疵が原因で契約不適合責任に問われることはないため、古民家に瑕疵があるかが不安な場合にはホームインスペクションを受けることも視野に入れるのもよいでしょう。
土地家屋調査士に依頼して境界線を測定してもらう
不動産を売却する場合、売り手は土地の境界を明示する「境界明示義務」を負います。
境界を明示せずに不動産を売却すると、買い手と隣地所有者でトラブルが起きる可能性があり、その場合には売り手が契約不適合責任に問われるリスクがあります。
そのため、古民家を売却する場合、事前に隣地との境界線を明確にしておくのが得策です。
なお、隣地との境界線がわからない場合、土地家屋調査士に依頼することも得策です。土地家屋調査士に依頼することで、古民家の調査および測量を行ってもらえ、その際には隣地との境界線を確定してもらえます。
費用面に加えて、境界確定には2〜4か月程度の期間を要するのが一般的です。隣接するすべての土地所有者と立会いを行い、境界点について合意を得る必要があるため、所有者の人数や連絡の取りやすさによって期間が大きく変動します。古民家のある土地は隣地所有者も高齢であったり、代替わりで連絡先が不明であったりするケースが多く、通常より時間がかかることも想定しておくと安心です。
ただし、古民家の売却を急いでいる場合や、境界確定を待つ時間的猶予がない場合、あるいは隣地所有者との連絡がどうしてもつかない場合には、境界未確定のまま買い取りに対応してくれる業者を探すのもひとつの選択肢です。前述のとおり弊社の買取データでは半数以上が問い合わせから2か月以内に決済まで完了しており、境界確定にかかる2〜4か月と比較すると、時間的な負担を大きく軽減できる場合があります。スケジュールや予算に合わせて、事前に測量を行うか、現状のまま売却するかを比較検討するとよいでしょう。
依頼には40万円〜100万円程度の費用がかかりますが、境界線があいまいな古民家を売却する場合には事前に依頼することを検討してみてください。
まとめ
古民家の定義は明確に定められていませんが、一般的には築50年以上の木造物件が古民家と呼ばれます。
古民家は建物自体の資産価値が低いと判断されやすいうえに、住宅ローンを組みづらいため、通常物件よりも売却が難しくなると予測されます。そのため、仲介での売却が難しいと判断される古民家であれば、専門の買取業者への売却も選択肢のひとつです。
専門の買取業者であれば、仲介で売れないような物件であっても売却に期待できるうえに、残置物がある状態でもそのまま買い取ってもらえるのが一般的です。
なお、古民家を売却する場合、「瑕疵がないかを調べておく」「再建築不可物件ではないかを確かめておく」など、事前に対応しておくべきことがあります。
そのほかに、解体やリフォームなど独断でするべきではないこともあるため、まずは不動産会社や買取業者に相談しつつ、売却活動を進めるのがよいでしょう。
データ集計期間:2018年2月21日〜2025年12月31日
データ集計方法:弊社における不動産買取の相談データを集計
※数値はあくまで概算であり、個別のケースによって異なります。
古民家の売却に関するFAQ
田舎にある古民家を売りたいのですが売れるのでしょうか?
田舎にある古い家でも売却できないわけではありません。立地や状態などの条件によっては仲介で売却できる可能性はあります。仲介での売却が難しい場合には、古民家の取り扱い実績がある買取業者に相談してみるのもひとつの方法です。
築100年ほどの古民家でも売却できますか?
売却できないわけではありませんが、仲介では買い手がつきづらいと予測されます。まずは複数の不動産会社や買取業者に査定を依頼し、売却の見込みや条件を比較検討してみるのがよいでしょう。