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雨漏りした家を高く売る3つのコツと売却時の告知義務について詳しく解説

家の売却を検討しているものの「雨漏りがあって売れるのか」「修理しないといけないのか」と不安に感じている方は少なくありません。雨漏りがある状態でも、家を売却すること自体は可能です。

雨漏り被害のある家を売却する方法としては、主に次のような選択肢があります。

  • 建物を解体し、更地にして住宅用地として売却する
  • リノベーションを行い、再販向け物件として売却する
  • 修繕保証を活用し、修理済み物件として売却する

ただし、これらの方法を選ぶうえで注意しておきたいのが、雨漏りは「物理的瑕疵(かし)」に該当する点です。物理的瑕疵とは、雨漏りや腐食など、建物そのものに不具合が生じている状態を指します。

このような瑕疵がある場合、売主はその事実を買主に正しく伝える必要があります。修繕済みであっても、過去に雨漏りが発生していた事実があれば、告知は必要です。雨漏りがあったことを説明せずに売却した場合、後から契約不適合責任を問われ、損害賠償請求や契約解除に発展する可能性があります。

また、雨漏りがある家では、目に見える被害だけでなく、建材の腐食やカビ、シロアリ被害といった二次的な問題が発生している可能性も否定できません。修繕を行う場合でも、想定以上に費用や時間がかかるケースがあります。修理費用は数万〜数十万円で済むこともありますが、躯体の劣化が進んでいる場合などでは、100万円以上かかることも珍しくありません。状況によっては、修繕費用が売却益を上回ってしまうケースもあります。

こうした事情から、実務上では修繕を行わず、現状のまま売却するという判断が取られることもあります。雨漏りや瑕疵のある物件の取り扱いに慣れた訳あり不動産を専門に扱う買取業者であれば、告知義務を前提としたうえで、修繕を行わずに現況のまま売却できるケースもあるでしょう。

本記事では、雨漏りした家を売却する際の具体的な売り方と注意点を整理しながら、状況に応じた現実的な判断方法について解説します。

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雨漏りした家を売却するときは告知義務が発生する

雨漏りは「物理的瑕疵」という欠陥に該当するため、売主は売却時に、その事実を買主へ告知しなければなりません。

これを「告知義務」といい、告知義務を怠ると売買後のトラブルに発展してしまう恐れがあります。

雨漏りした家を売却するときは、告知義務をはじめとする次のような注意点があります。

  • 告知義務を守らないと、損害賠償請求や契約解除を求められる恐れがある
  • 雨漏り物件を売る前は、住宅診断を行っておくことが望ましい

次の項目から、それぞれの内容を紹介します。

告知義務を守らないと損害賠償訴訟を受ける恐れがある

「宅地建物取引業法第35条」では、宅地建物取引業者に対し、不動産の売買契約が成立するまでの間に、建物の瑕疵を含む重要事項について、買主へ説明する義務が定められています。


第三十五条 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。
引用元 「宅地建物取引業法」(e-govポータル)


十三 当該宅地又は建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
引用元 「宅地建物取引業法」(e-govポータル)

雨漏りをはじめとする物理的瑕疵について告知を怠った場合、買主から損害賠償請求や売買契約の解除などを求められる恐れがあります。

たとえ雨漏りを修理・リフォームした後であっても、過去に雨漏りが発生していた事実は、売却時に買主へ伝えなければなりません。

カビやシロアリなどの二次被害も告知義務がある

物理的瑕疵に含まれるのは、雨漏りだけではありません。次のような状態も物理的瑕疵に該当し、売却時には買主へ告知すべき対象となります。

  • シロアリ被害、カビの発生
  • 耐震性能の不足
  • 床下浸水
  • 床の傾き
  • 壁のひび割れ
  • アスベスト含有建材の使用
  • 電気配線の不具合
  • 水道管の漏れ
  • 構造上の欠陥
  • 基礎の沈下

雨漏りがある家で特に注意したいのが、カビの発生やシロアリ被害です。雨漏りによって建物内の湿度が高くなると、カビやシロアリが発生しやすくなります。

シロアリは湿気を含んだ木材を好むため、柱や梁など建物の躯体部分を食い荒らしてしまうケースも珍しくありません。被害が進行すると建物の強度が低下し、台風や地震時に倒壊リスクが高まるおそれもあります。

売却時によくある失敗例として「気付かないうちにカビやシロアリ被害が拡大していた」「建物内部の見えない部分にまで二次被害が及んでいた」といったケースが挙げられます。

雨漏りの存在を買主に告知していた場合でも、カビやシロアリといった二次被害を伝えていなければ、契約不適合責任を問われる可能性があります。

雨漏り物件を売る前は住宅診断を行っておくことが望ましい

売却後のトラブルを避けるには「住宅診断(ホームインスペクション)」を実施し、物件の瑕疵を事前に把握したうえで売却することが重要です。

住宅診断とは、専門家が住宅の劣化状況や欠陥の有無、修繕が必要な箇所などを確認し、客観的なアドバイスを行う調査のことです。

売却前に瑕疵の有無を把握し、必要に応じて修繕や適切な告知を行っておけば、契約不適合責任を巡る売却後のトラブルを防ぎやすくなります。

また、診断結果を開示したうえで売り出すことで、買主に安心感を与えやすくなり、価格交渉や条件面で不利になりにくい点もメリットといえるでしょう。

雨漏りした家を修繕してから売却するメリット・デメリット

雨漏りした家は二次被害のリスクがあるため、修繕を行わない場合、売却条件が不利になりやすい傾向があります。とはいえ、修繕にはまとまった費用がかかるため、修繕してから売却するべきか、現状のまま売却するべきか迷う人も多いでしょう。

雨漏りを修繕してから売却する場合のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

修繕してから売却するメリット 居住性能への不安を軽減した状態で売却できる
修繕してから売却するデメリット ・雨漏りの修繕費用がかかる
・修繕後に必ず売れるとは限らない

次の項目から、メリット・デメリットをそれぞれ詳しく紹介します。

修繕して売却するメリットは「居住性能への不安を軽減できる」こと

修繕には手間や費用がかかりますが、売却時には一定のメリットもあります。

雨漏りした家を適切に修繕すれば、居住性能に対する不安を軽減した状態で売り出すことが可能です。

修繕の際は、実際に雨漏りが発生している箇所だけでなく、今後雨漏りにつながるおそれのある部分まで含めて対応してもらえるケースもあります。

とくに築年数の古い中古物件を売却する場合「雨漏り箇所を修繕済みであること」や「修繕保証が付いていること」は、買主にとって安心材料となりやすい要素です。

雨漏りした家であっても、住宅診断・修繕・修繕保証を組み合わせることで、中古物件を探す買主からは「安心して検討できる物件」と受け取られやすくなり、結果として需要の増加や売却条件の改善が期待できるでしょう。

修繕してから売却するデメリットは2つ

事前に把握しておきたい主なデメリットは、次のとおりです。

  • 修繕費用による経済的負担があること
  • 修繕後に必ず売れるとは限らないこと

雨漏りの修繕費用は数万円~数十万円かかる

雨漏りの修繕費用は被害程度や修繕箇所・依頼する業者によりますが、数万円〜数十万円が相場です。

雨漏りによって屋根や天井、下地部分まで損傷している場合は、部分補修では対応できず、大規模な修繕が必要になることもあります。

屋根の全面的な修理や特殊な屋根を修繕する場合、100万円以上かかることもあります。

ただし、修繕費用は実際に調査しなければ判断できないため、複数の業者から見積もりを取り、内容と費用を比較したうえで依頼先を検討しましょう。

修繕後に必ず売れるとは限らない

雨漏りを修繕したからといって、売却が確約されるわけではありません。物件の立地や築年数、市場環境によっては、一般的な物件であっても売却までに時間がかかるケースがあります。

また、雨漏りを修復しても瑕疵の告知義務は免除されないため、過去に雨漏り被害があった事実を知って購入をためらう買主もいます。

多額の修繕費用をかけたにもかかわらず売れ残ってしまうリスクもあるため、状況によっては修繕せず、現状のまま売却したほうが合理的な場合もあります。

雨漏り被害のある家を高く売る3つの方法

雨漏りのほか、シロアリやカビなどの二次被害があると、物件の資産価値は大きく下がってしまいます。ただし、売却方法を工夫することで、被害のある物件でも相場より有利な条件で売却できるケースがあります。

雨漏り被害のある家を売却する際に、検討される代表的な方法は次の3つです。

  • 更地にして住宅用地として売却する
  • リノベーション物件として売却する
  • 修繕保証を活用して売却する

それぞれの方法には向き・不向きがあり、費用をかければ必ず売却価格が上がるわけではありません。物件の状態や立地、市場環境によって最適な売却方法は異なるため、不動産会社と相談しながら戦略を決めることが重要です。

1.更地にして住宅用地として売却する

雨漏りの被害が大きく、建物としての利用価値が著しく低下している場合には、建物を解体して更地として売却することで、結果的に売却条件が改善されるケースがあります。

腐食やカビ、シロアリ被害が広範囲に及んでいる物件では、建物付きのままでは修繕コストや再発リスクを懸念され、買主が限られてしまうことも少なくありません。

その点、更地であれば建物の状態に左右されず、土地そのものの条件で検討してもらえるため、購入検討の幅が広がる可能性があります。

ただし、更地にすれば必ず高く売れるわけではありません。土地の接道状況や用途地域によっては建築できる建物が制限されるほか、再建築不可の土地では、建物を解体するとかえって価値が下がるケースもあります。

また、建物を解体すると住宅用地の特例が外れ、売却までに時間がかかる場合は固定資産税や都市計画税の負担が増えることがあります。特に、すぐに買主が見つからなかった場合には、想定以上の税負担が生じる可能性もあるでしょう。

更地にするかどうかは、立地条件や売却時期を踏まえて慎重に判断することが大切です。

解体にかかる費用は一坪あたり3〜4.5万円前後が目安

建物を解体する場合、解体費用が発生します。費用は建物の構造や規模によって異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。

木造住宅 3〜4万円(1坪あたり)
鉄骨造住宅 3.5〜4.5万円(1坪あたり)

なお、地中埋設物やアスベストの有無、残置物の撤去状況によっては、当初の見積もりより解体費用が増えるケースもあります。解体を前提に検討する場合は、事前に現地調査を行ったうえで判断することが重要です。

「更地渡し可」で売却活動を行うという選択肢

更地にするか、建物を残したまま売却するか判断に迷う場合は「更地渡し可」として売却活動を行う方法も検討できます。この方法であれば、まずは建物付きの状態で売却活動を行い、買主が更地での引き渡しを希望した場合にのみ解体を行うことが可能です。

建物を残したまま売却できれば、解体費用や手間をかけずに済むというメリットもあります。

最初から解体を決めてしまうのではなく、更地渡し可として売却活動を行い、市場の反応を見ながら判断するのも現実的な選択肢の1つです。

2.リノベーション物件として売却する

雨漏りの原因が屋根や外壁の老朽化にあり、建物全体の古さが影響している場合には、建物を解体せず、リノベーションを行ったうえで売却する方法も検討できます。リノベーションとは、間取り変更や設備更新などを行い、住みやすさや付加価値を高める改修のことです。

築年数が古い物件では、雨漏り箇所を部分的に修繕しても、別の箇所で劣化や不具合が見つかるケースも少なくありません。そのため、雨漏りの原因調査や再発防止を前提に、内装や設備を含めて一体的に改修することで、物件としての印象や住みやすさを高められる可能性があります。

単なる修繕とは異なり、デザイン性や快適性を高めることで、リノベーション済み物件を探している買主層にアピールできる点が特徴です。

一方で、リノベーションを行えば必ず高く売れるとは限りません。建物の基礎や躯体、防水部分に大きな劣化がある場合は工事範囲が広がり、費用が想定以上に膨らむこともあります。また、売却価格が工事費を上回らず、結果として費用を回収できないケースも珍しくありません。

リノベーションを前提に検討する場合は、雨漏りの原因調査を含めて複数の業者から見積もりを取り、工事内容と費用、想定される売却価格のバランスを慎重に見極めることが重要です。

3.修繕保証を活用して売却する

雨漏りのある家でも、一定の条件を満たしていれば、「修繕保証が利用できる」ことを買主に伝えたうえで売却する方法があります。ただし、この方法は築年数が浅い新築住宅に限られるケースが多く、すべての物件で活用できるわけではありません。

築年数10年以内の新築住宅については「住宅瑕疵担保履行法」により、構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分に瑕疵があった場合、買主が無償で修繕を受けられる仕組みが整えられています。

住宅瑕疵担保履行法とは、新築住宅の売主に対し、引き渡しから10年間、雨漏りなどの重大な瑕疵について修繕責任を確保することを義務付けた制度。実際の修繕費用は、瑕疵保険や供託金によって補填される仕組みとなっている。

この制度の対象期間内であれば「万が一、購入後に雨漏りが再発しても、無償修繕の対象になる可能性がある」と説明できるため、買主の不安を和らげやすくなります。

ただし、すべての雨漏りが対象になるわけではありません。経年劣化や使用上の問題と判断された場合は、保証の対象外となることもあります。また、中古住宅や築年数が10年を超えている物件では、原則としてこの制度は利用できません。

修繕保証を活用した売却が可能かどうかは、物件の築年数や保証の残存期間、雨漏りの原因によって異なります。そのため、事前に制度の適用可否を確認したうえで判断することが重要です。

参照:国土交通省「住宅瑕疵担保履行法の概要」

雨漏りした家は専門の買取業者に直接売却する方法もある

雨漏りのある家を売却する場合、修繕やリノベーションだけが選択肢ではありません。状況によっては、専門の買取業者に直接売却する方法が現実的なケースもあります。

次のような場合は、雨漏りや瑕疵のある物件を専門に扱う買取業者への売却を検討するとよいでしょう。

  • 雨漏りを修繕せず、現状のまま売却したい
  • 告知義務や契約不適合責任のリスクをできるだけ抑えたい
  • 時間や手間をかけず、早めに売却を完了させたい

一般的な仲介では、雨漏りのある物件は修繕前提で評価されることが多く、価格が伸びにくい傾向があります。一方、訳あり物件を専門に扱う買取業者であれば、修繕費用や再販リスクを織り込んだうえで、現状のまま直接買い取ることが可能な場合もあります。

また、直接買取であれば買主探しや内覧対応が不要となり、売却までの手続きが比較的シンプルです。雨漏りの告知方法や契約条件についても、士業と連携しながら進められるため、売却後のトラブルを避けやすい点はメリットといえるでしょう。

たとえば、雨漏りや瑕疵のある不動産を専門に扱うクランピーリアルエステートでは、物件の状態や法的リスクを踏まえたうえで、現状のまま直接買取に対応しています。

ただし、買取価格は仲介による売却より低くなるのが一般的です。「価格」「スピード」「手間やリスク」のどこを重視するかを整理したうえで、売却方法を選ぶことが重要です。

まとめ

台風や集中豪雨などの自然災害によって雨漏りが発生すると、物件の売却価格は下がってしまいます。しかし「家を解体して更地にしてから売却する」「リノベーション物件として売却する」「修繕保証を活用して売却する」など、状況に応じて高額売却を目指す方法もあります。

雨漏りのある家は「物理的瑕疵」に該当するため、現在進行中の雨漏りだけでなく、過去に発生して修繕済みのものであっても、売却時には買主へ告知しなければなりません。

また、シロアリやカビなどの二次被害が発生している可能性もあるため、仲介での売却や修繕を検討する場合は、住宅診断を受けて被害状況を把握しておくことが重要です。

どの売却方法が適しているか判断に迷った場合は、信頼できる不動産会社に相談するとよいでしょう。

「修繕費用が膨らみ赤字になってしまう」「手間やリスクを抑えて早期に売却したい」といった場合には、雨漏りなどの瑕疵がある物件を専門に扱う買取業者への相談も、現実的な選択肢といえます。

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    更新日 : 2025年11月07日
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