家の売却を検討しているものの「雨漏りがあって高く売れるか不安」と悩む人は多いものです。雨漏りした家を高く売るには、以下の3つの方法があります。
- 更地にして住宅用地として売却する
- リノベーション物件として売却する
- 修繕保証をつけて売却する
雨漏りがある家は、建材の腐食によってシロアリやカビなどの二次災害が発生している可能性もあります。少しでも高く売るのであれば、家を解体して更地にして売却したり、リノベーションをして売却したりする方法がよいでしょう。
ただし、築年数10年以内の新築物件であれば修繕補償が適用される可能性があります。買い手に修繕補償の範囲内であること、雨漏りを無償で修繕できることを伝えると、高値で売却できる可能性も少なくありません。
リノベーションの実施など、雨漏りを修繕してから売却する場合はいくつかの注意点があります。雨漏りした家は「物理的瑕疵」という欠陥に該当するため、必ず雨漏りがある旨を買主へ告知しなければなりません。告知義務を守らないと損害賠償訴訟を受ける恐れがあるため注意が必要です。
また修繕にかかる手間や時間、費用などによっては、たとえ家を売却できたとしても赤字になる恐れがあります。躯体の損傷が進んでいたり、複数の問題が発生していたりすると、修繕費用が高額になる可能性があります。雨漏りの修繕費用は数万円~数十万円が相場となりますが、状況によっては100万円以上かかるケースも珍しくありません。
そのような場合は家を修繕せず、現状のまま売却する方法を検討しましょう。不動産の買取業者のなかには、訳あり不動産を専門に扱う会社もあります。「雨漏りがある家を現状のまま売却したい」「手取り早く家を売りたい」という場合は、訳あり不動産専門の買取業者に相談することをおすすめします。
まずは無料査定を利用して、雨漏りした家の買取価格や売却に向けたアドバイスを聞いてみるとよいでしょう。
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雨漏りした家を売却するときは告知義務が発生する
雨漏りは「物理的瑕疵」という欠陥に該当するため、売主は売却前に瑕疵の事実を買主へ告知しなければなりません。これを「告知義務」といい、告知義務を怠ると売買後のトラブルに発展してしまう恐れがあります。
物理的瑕疵・・・物件が抱える直接的な欠陥や不具合のこと
雨漏りした家を売却するときは、告知義務をはじめとする次のような注意点があります。
- 告知義務を守らないと損害賠償訴訟を受ける恐れがある
- 雨漏り物件を売る前は住宅診断が必須
次の項目からそれぞれの内容を紹介します。
告知義務を守らないと損害賠償訴訟を受ける恐れがある
「宅地建物取引業法第35条」では以下のような決まりがあり、不動産を売却する際、売主は建物における瑕疵を買主に告知しなければなりません。
第三十五条 宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。
引用元 「宅地建物取引業法」(e-govポータル)
十三 当該宅地又は建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
引用元 「宅地建物取引業法」(e-govポータル)
雨漏りをはじめとする物理的瑕疵の告知義務を怠ると、買主から損害賠償訴訟や売買契約解除を受ける恐れがあります。たとえ雨漏りを修理・リフォームをした後であっても、過去に雨漏りがあったことを報告しなければなりません。
カビやシロアリなどの二次被害も告知義務がある
物理的瑕疵に含まれるのは、雨漏りだけではありません。次のような状況も物理的瑕疵に該当し、売却するときは買主への告知義務が発生します。
- シロアリ、カビ
- 耐震性能の不足
- 床下浸水
- 床の傾き
- 壁のひび割れ
- アスベスト含有健在の使用
- 電気配線の誤り
- 水道管の漏れ
- 構造上の欠陥
- 基礎の沈下
雨漏りがある家で特に注意が必要なのは、カビの発生やシロアリ被害です。雨漏りによって建物内の湿度が高くなると、カビやシロアリが発生します。シロアリは湿気を多く含む木材を好むため、柱や梁など、建物の躯体部分を食い荒らしてしまうケースも珍しくありません。シロアリ被害によって建物の強度が下がると、台風や地震などで倒壊する危険性もあるため注意が必要です。
売却時によくあるのは「気付かないうちにカビやシロアリなどの被害が拡大していた」「建物内部の見えない部分に二次被害が及んでいた」という失敗例です。雨漏りがある旨を買主に告知していたとしても、カビやシロアリの二次被害を告知しなかったせいで契約不適合責任に問われる恐れがあります。
雨漏り物件を売る前は住宅診断が必須
前項で紹介したように、雨漏りした物件は外観上、問題がなくても深部では二次被害による瑕疵が発生している恐れがあります。売却トラブルを避けるには、「住宅診断(ホームインスペクション)」を実施して、物件の瑕疵を確認してから売却しましょう。
住宅診断とは、専門家から住宅の劣化状況、欠陥の有無、修繕すべき箇所などのアドバイスが受けられる診断です。売却前に物件の瑕疵を見つけて、修繕・告知ができれば、契約不適合責任を巡る売却後のトラブルを防止できます。診断済み物件として売り出せば、買主も安心できるので需要も高まり、売却価格の上昇も見込めるでしょう。
雨漏りした家を修繕してから売却するメリット・デメリット
雨漏りした家は二次被害のリスクがあり、修繕をしないと買主が見つかりにくい現状があります。とはいえ修繕するにも費用がかかるため、修繕するべきか・現状のまま売却するべきか迷う人も多いでしょう。雨漏りを修繕して売却するメリット・デメリットは以下のとおりです。
修繕してから売却するメリット
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一般物件と同じ居住性能を証明できる
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修繕してから売却するデメリット
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雨漏りの修繕費用は数万円~数十万円かかる ・修繕後に必ず売れるとは限らない
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次の項目から、メリット・デメリットをそれぞれ詳しく紹介します。
修繕して売却するメリットは「一般物件と同じ居住性能を証明できる」こと
修繕には手間や費用がかかりますがメリットもあります。
雨漏りした家を修繕すれば、一般物件と同じ居住性能があると証明した上で売り出せます。
修繕時は実際に雨漏りしている箇所だけではなく、今後雨漏りするであろう部分も修繕してもらえることが多いです。
とくに、築年数の古い中古物件を売る場合、「雨漏り修繕時に古いところは全て新しく改修しました。修繕保証もついています。」などの売り文句はとても効果的です。
雨漏りした家でも、住宅診断・修繕・修繕保証をつけることで、中古物件を探す買主にとっては「安心できるお得な物件」に見えるため、需要の増加や売却価格の高騰が期待できます。
修繕してから売却するデメリットは2つ
修繕してから売却するデメリットは、以下の2つです。
- 修繕費用による経済的負担があること
- 修繕後に必ず売れるとは限らないこと
雨漏りの修繕費用は数万円~数十万円かかる
雨漏りの修繕費用は被害程度や修繕箇所・依頼する業者によりますが、数万円~数十万円が相場です。
雨漏りにより屋根や天井などが損傷してしまった場合、大規模な修繕が必要になるため、費用も高額になる可能性が高いです。
屋根の全面的な修理や特殊な屋根を修繕する場合、100万円以上かかることもあります。
ただし、修繕費用は業者へ確認してみないとわからないため、複数の業者に見積もりを出してもらい、最善だと思える業者に依頼しましょう。
修繕後に必ず売れるとは限らない
雨漏りを修繕したからといって、必ず売れるとは限らないことを念頭に置いておきましょう。これは一般的な物件も同じですが、売却の確約というものは基本的にありません。
雨漏りを修復しても、瑕疵の告知義務は免除されないので、過去に雨漏り被害があったことを知って購入をためらう買主もいます。
多額の修繕費用をかけても売れ残ってしまうリスクもあるため、修繕せずに現状のまま売却したほうがよい場合もあります。
雨漏り被害のある家を高く売る3つの方法
雨漏り被害だけでなくシロアリやカビなどの二次被害も起きてしまうと、物件の資産価値が大幅に低下します。
しかし、そのような物件でも工夫すれば、高額売却できる可能性があります。
雨漏り被害のある家を高く売る方法は以下の通りです。
- 更地にして住宅用地として売却する
- リノベーション物件として売却する
- 修繕保証をつけて売却する
それぞれの具体的な売却方法を解説しますので、参考にしてみてください。
1.更地にして住宅用地として売却する
雨漏りの被害が大きく家の資産価値が著しく低い場合、解体して更地にしたほうが高額売却できる可能性は高いです。
雨漏りした家を解体して更地にすれば、一般の住宅用地と同じように使用できますし、買主はアパートやマンションなどの収益物件も建設できます。
使い道の多い更地は多くの買主から需要があるため、高く売れる可能性が高いのです。
解体にかかる費用は一坪あたり3~4万円前後
雨漏りした家を解体する際は費用がかかり、土地面積や構造によって異なります。
雨漏りした家の解体費用は一坪あたり3〜4.5万円が相場とされています。
木造住宅 |
3~4万円
(一坪あたり) |
鉄骨作り |
3.5~4.5万円
(一坪あたり) |
建物の解体に関してより詳しく知りたい人方は、以下の記事を参考にしてください。
「更地渡し可」で売却活動をおこなう
更地にして売却するか、現状のまま売却するか迷う場合「更地渡し可」の物件として売却活動をおこなうとよいでしょう。
雨漏り被害にあった家だとしても、買主が問題ないと感じれば、現物のまま購入してくれるかもしれません。
物件を残したまま売却できれば、解体費用や手間が必要ないというメリットもあります。
買主が更地渡しを希望する場合、建物を解体してから引き渡せるので「雨漏りした家は必要ない」という買主の需要も見込めます。
まずは更地渡し可の物件として売却活動をおこない、様子を見ることも選択肢の1つです。
2.リノベーション物件として売却する
築50年を超えるような物件の場合、屋根や外壁などの老朽化が進んで雨漏りしてしまった可能性もあります。このような古い物件は雨漏りした箇所を修繕したとしても、別の箇所から雨漏りしてしまう可能性が高いです。もし雨漏りした家を解体せずに高く売却したいのであれば、リノベーションの実施も視野に入れましょう。
そもそもリノベーションとは、間取りの変更や設備の入れ替えなどによって、建物の価値を高める施工をいいます。建物の状態を新築時に戻すだけでなく、住宅の機能を高めたり耐久性を向上させたりと、付加価値をつけるために大掛かりな施工を行うことが多いでしょう。その分費用は高くなりやすいものの、昔ながらの家を好む買主や、リノベーション物件に絞って物件を探している人もいるため、高額売却が期待できるかもしれません。
ただし建物の基礎や躯体に損傷がある場合は、リノベーション費用が高額になる可能性があります。複数の業者に見積もりを取ったうえで、施工範囲やリノベーションの内容をよく検討することが大切です。
3.修繕保証をつけて売却する
雨漏りした家を高額売却したい場合「修繕保証がある」と買主へ伝えて売却することもおすすめできます。
築年数10年以内の新築物件であれば「住宅瑕疵担保履行法」によって、買主は費用を負担せずに雨漏りなどの瑕疵を修繕できます。(修繕保証)
住宅瑕疵担保履行法・・・購入後10年以内の新築住宅は、施工主(売主)が契約不適合責任を負い、住宅に問題があった場合は費用を負担して修繕する義務
つまり、買主が雨漏りした家の購入後に雨漏りが再発した場合、期間内であれば売主に修繕費用を負担する責任があります。
この「修繕保証」の期間内であれば「雨漏り被害を無償で修繕できる」と買主へ伝えることで高額売却できる可能性が高いです。
参照:国土交通省 「住宅瑕疵担保履行法の概要」
雨漏りした家を買取業者へ売却するのもおすすめ
- 「雨漏りを修繕せず、現状のまま確実に売りたい」
- 「早く安全に雨漏りのある家を売却したい」
このような人は、訳あり物件などを扱う専門買取業者に売却することも検討するとよいでしょう。
訳あり物件に対応している専門買取業者であれば、そのままの状態でも相場に近い価格で買取してくれる可能性が高いです。
一方で、一般的な住宅やマンションを中心に扱う不動産会社へ売却する場合、雨漏りなどの瑕疵物件は安く買い叩かれる傾向があります。
雨漏り被害のある家をなるべく高く売却したいなら、訳あり物件や特殊物件といった、どんな物件でも買取できる専門業者に売却しましょう。
専門業者なら雨漏り被害にあった家も高額買取できる
「訳あり物件専門の買取業者」では、雨漏り被害のある家も積極的に買取しています。
買取後、自社で雨漏りを修繕してから再販売するので、雨漏りのある家でも高く・早く買取できます。
無料相談も実施しているので、雨漏りのある家を売りたい人は、以下のボタンから相談してみるとよいでしょう。
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まとめ
台風や集中豪雨などの自然災害によって雨漏りが発生すると、物件の売却価格は下がってしまいます。台風や集中豪雨などの自然災害によって雨漏りが発生すると、物件の売却価格は下がってしまいます。しかし「家を解体し更地にしてから売却する」「リノベーション物件として売却する」「修繕保証付きで売却する」など、高額買取を目指す方法もあります。
ただし雨漏りした家は「物理的瑕疵」という欠陥に該当するため、売却するときは必ず買主に雨漏りがある旨を告知しなければなりません。またシロアリやカビなどの二次被害も懸念されるため、必ず住宅診断を受けて被害状況を明らかにすることが大切です。
どのような売却方法が最善なのか判断に迷った場合は、信頼できる不動産会社に相談するとよいでしょう。訳あり物件専門の不動産買取業者であれば、雨漏りがある家を現状のまま売却することもできます。「修繕費用が膨らみ赤字になってしまう」「手間をかけずに早く売りたい」などの場合は、訳あり物件や特殊物件を扱う不動産買取業者に依頼することをおすすめします。
雨漏りした家に関するよくある質問
雨漏りした家でも売却できますか?
法律上の制限はないので、雨漏した家でも買主さえ見つかれば売却可能です。「訳あり物件専門の買取業者」なら修繕・解体せずにそのまま買取可能です。
雨漏りのある家をそのまま買取できる不動産業者
雨漏りした家を売却するとき、注意点はありますか?
雨漏りが起きた事実を買主に告知しましょう。告知義務を守らない場合、買主から売買契約解除や損害賠償請求を受ける恐れがあります。
雨漏りした家は修繕してから売却するべきですか?
修繕すれば、一般物件と同じ居住性能を証明できますが、修繕費用に数万円~数十万円かかる上、修繕後に必ず売れるとは限らないため修繕せずに売却するのもよいでしょう。
雨漏りのある家を修繕せずに買取できる不動産業者
雨漏り被害のある家を高く売るには、どうすればよいですか?
雨漏りした家を解体したり、リノベーション物件として売却したり、修繕に関する保証を説明して売却する方法があります。
雨漏り被害のある家を手間なく売るには、どうすればよいですか?
「訳あり物件専門の買取業者」に売却しましょう。買取後に自社で修繕・解体を実施してくれるので、雨漏りした家でも最短数日でそのまま買取可能です。
雨漏りのある家を修繕せずに買取できる不動産業者
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