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事故物件の売却価格相場はどれくらい?売却価格を調べる方法や告知義務など徹底解説

事故物件の売却価格相場は?定義や買取需要を紹介

「事故物件でも売れるのか」「価格はどれくらい下がるのか」そのように悩む人も多いでしょう。

事故物件でも売却できないわけではありませんが、人の死があったことが原因で心理的な抵抗を与えやすいため、心理的な抵抗の強さによって売却価格は下がりやすくなります。物件の立地などの条件にもよりますが、事故物件の価格相場は、市場価格から1〜5割下がるのが目安です。

とはいえ、どのような事故・事件があったのかによって心理的な抵抗の強さは変わりやすいです。こちらは弊社の相談事例をもとにしたものですが、人の死に応じた事故物件の価格相場は下記となります。

  • 孤独死・病死・自然死が起きた物件の相場:1割〜2割程度下がる
  • 自殺が起きた物件の相場:1割〜3割程度下がる
  • 他殺があった物件:3割〜5割程度下がる

事故物件であることを伝えなかった場合、告知義務違反になります。民法や宅建業法に基づき、損害賠償や契約解除を請求される可能性があるため、必ず買主に伝えるようにしてください。

本記事では、事故物件の売却価格相場や実際の買取事例、売却価格を左右する要素を解説します。事故物件の価格相場を調べる方法や少しでも高く売りたいときの対策、注意点についてもまとめました。

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事故物件の価格相場は市場価格よりも安くなりやすい

「事故物件」とは、過去に自殺・他殺・孤独死などの事情があった不動産です。法令上の定義はありませんが、業界では一般に「心理的瑕疵(買主が心理的抵抗を覚えるような事情)がある物件」を指す俗称として使われています。

事故物件は、立地・間取り・築年数などの条件が同じ一般の不動産と比べて価格が安くなりやすいです。事故物件の価格相場が安くなりやすい原因は以下のとおりです。

  • 心理的瑕疵のある物件は、媒介業者に買主への告知義務があるため、説明を受けた段階で購入をためらう人が多くなる
  • 担保評価が低く見積もられることがあるため、住宅ローンの審査が通らない、または希望額を借りられないケースがある
  • 事故の情報が近隣やインターネット上で知られていると、現地を見に来る人すら少なくなるケースもある
心理的瑕疵がある場合、媒介業者には宅地建物取引業法に基づく「告知義務」が生じます。とくに自殺・他殺など買主の判断に大きく影響する内容は、原則として説明しなければなりません。

これらの要因が重なることで、売主は価格を下げざるを得ないケースが多く、結果的に市場価格よりも安値で取引されやすいのです。

事故物件は本当に売れづらいのかの独自アンケート結果

事故物件は「心理的な抵抗がある人が多いため売れづらい」と言われますが、実際にどれほどの人が抵抗を感じているのでしょうか。

当サイトを運営するクランピーリアルエステートが実施したアンケートによると、男性の約73%、女性の約92%が「事故物件に住むことに抵抗がある・やや抵抗がある」と回答しています。

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この結果からもわかるように、性別を問わず多くの人が事故物件に対して一定の抵抗を感じており、買主がみつかりにくい傾向があるといえます。

ただし「家賃が安ければ気にしない」「清掃が行き届いていれば問題ない」といった意見も一定数みられ、価格設定や物件管理の工夫次第では、購入につながる可能性もあるでしょう。

本アンケートは、事故物件を「自然死や不慮の事故死以外の死」や「特殊清掃が必要な死」が発生した物件と定義して実施されたものです。

事故物件の売却相場は発生した事故の種類によって変動しやすい

事故物件の売却価格は、物件内で発生した事故の種類によって大きく左右されます。

とくに「心理的な抵抗感」の強さが価格に影響しやすく、自然死や病死など事件性のないケースでは価格の下落幅も小さめです。一方、自殺や他殺など事件性があった場合は、相場が大きく下がる傾向にあります。

以下は、実際の不動産売却事例をもとにした、事故物件における死因別の下落率と告知義務の目安です。

事故の種類 売却相場の下落率目安 告知義務(原則)
孤独死・病死・自然死 通常物件より1〜2割程度下がる 原則不要(ただし発見の遅れや特殊清掃があれば必要)
自殺 通常物件より1〜3割程度下がる 必要
他殺 通常物件より3〜5割程度下がる 必要

上記は過去の売却事例をもとにした目安であり、実際の価格は物件の状況や買主の受け止め方により異なります。

ここからは、それぞれのケースに応じた売却相場や注意点について、詳しく解説します。

孤独死・病死・自然死が起きた物件の相場:1割〜2割程度下がる

孤独死や病死・自然死が発生した物件は、他の事故物件と比べて心理的な抵抗感が小さいとされ、相場の下落幅も比較的ゆるやかです。

宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインでも、老衰や病死、日常生活での不慮の死は「原則として告知不要」とされています。「人の死の告知に関するガイドライン」とは、不動産で過去に人が亡くなっていた場合、宅地建物取引業者が宅地建物取引法上負うべき義務の解釈についてまとめたものです。

実際の不動産取引でも、事故物件として極端に敬遠されるケースは少ないでしょう。

そのため、同条件の通常物件と比較して、売却価格は1〜2割程度の下落にとどまるケースが多いです。通常の物件で2,000万円なら、1,600万〜1,800万円程度になるイメージです。

ただし、病死や自然死であっても、遺体の発見が遅れた結果、腐敗や異臭が発生し、特殊清掃が必要となる場合には事情が変わります。

このようなケースでは、買主に与える心理的影響が大きいと判断され、告知義務が発生し、売却価格が3割以上下がるケースもあるでしょう。

なお、告知が必要かどうかは「買主の判断に重要な影響を及ぼすか」が基準とされており、発見までの時間や部屋の状態などによって判断がわかれます。

個別の事情により異なるため、不動産会社や専門家の意見をあらかじめ確認しておくことが重要です。

一方で早期に発見され、特殊清掃も不要だった場合には、事故物件として扱われず、通常価格で売却できるケースもみられます。

心理的な抵抗感が強まると、一般の買主への売却が難航することもあります。そのような場合は、事故物件の取り扱い実績がある不動産買取業者への売却を検討するのも1つの方法です。

自殺が起きた物件の相場:1割〜3割程度下がる

自殺が発生した物件は、心理的な抵抗感が強まることから、売却価格は1〜3割程度下落するのが相場です。たとえば2,000万円の物件であれば、1,400万〜1,800万円ほどになるケースが一般的です。

国土交通省の宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインでも、自殺は日常生活における自然死とは異なり、原則として買主への告知が必要とされています。このため、孤独死や病死に比べても価格の下落幅が大きくなりやすい傾向があるでしょう。

ただし、下落幅は自殺の状況によって大きく異なります。血痕の残留や腐敗によって室内の状態が著しく損なわれている場合は、3割以上の値下がりにつながるケースもあるでしょう。

一方、飛び降りや軽度の自傷など物件自体に損傷がないケースでは、下落幅が1割前後にとどまる場合もあります。

心理的瑕疵の程度やリフォームが必要かどうかも価格に影響を及ぼすため、事故物件の取扱実績がある不動産買取業者への相談・依頼が選択肢となります。とくに原状回復が難しい場合や早期売却を希望する際には、有力な選択肢となるでしょう。

他殺があった物件:3割〜5割程度下がる

殺人事件が発生した物件は、事故物件のなかでもとくに心理的な抵抗が強く、売却価格は通常より3〜5割程度下落するのが相場です。たとえば2,000万円の物件であれば、1,000万円〜1,400万円ほどが目安です。

他殺物件の価格が大きく下がる理由としては、事件性の高さやニュース報道などによって、周囲の印象に強く残りやすい点が挙げられます。こうした事情から、買主に敬遠されやすくなるのが現実です。

とくに、全国ニュースで報道された事件があった物件は、一般市場では買主が見つかりにくく、売却が難航するおそれがあります。

また、国土交通省の宅地建物取引業者による人の死の告知に関する告知ガイドラインでは、殺人などの事件が発生した場合は「原則として買主への告知が必要」と明記されています。

売主や仲介業者には事件の内容や発生場所などを正確に説明する義務があり、説明を怠った場合には契約解除や損害賠償請求といったトラブルに発展するおそれもあるでしょう。

売却を検討する際は、事故物件の買取実績が豊富な専門業者に早めに相談するのが現実的です。

事故物件の売却相場を知りたいときは実際の買取事例も参考にしてみる

事故物件の売却価格は、発生した出来事の内容や立地、建物の状態によって大きく変動します。相場を把握するうえでは、実際に売却された事例を参考にするのも有効な手段です。

以下に2つの具体的な買取事例を紹介します。

変死があった戸建住宅500万円で売却された事例

千葉県松戸市にある戸建てを買い取った事例です。

売却情報 概要
物件の種類 戸建て
所在地 千葉県松戸市
事故・事件の内容 居住者の親子2人が変死
買取金額 500万円

この物件は、建物内で親子2人の変死が発生したことが原因で事故物件になったケースです。発見が遅れたこともあり、心理的な影響が強く、売却が難航していました。事故から2年以上が経過していたものの、詳細な調査と査定を経て、500万円での買取に至っています。

「売れないかもしれない」と不安を感じたら、事故物件の買取に実績のある専門業者に相談してみるのも1つの選択肢です。

共用部分で飛び降りがあったマンションが1,300万円で売却された事例

東京都足立区にあるマンションを買い取った事例です。

売却情報 概要
物件の種類 マンション
所在地 東京都足立区
事故・事件の内容 共用部分で飛び降り自殺
買取金額 1,300万円

マンションの共用部分で飛び降り自殺が起きたケースです。本事例は、部屋のなかで亡くなったわけではないため、告知義務は生じません。そのため、比較的高い査定での売却が実現しています。

このように、事故の内容や場所を正しく見極めて査定してくれる専門業者であれば、適正価格での買取も可能です。

事故物件の相場は売却価格だけでなく家賃も安くなりやすい

事故物件は売却時だけでなく、賃貸として貸し出す場合にも家賃が安くなる傾向があります。とくに自殺や他殺など事件性がある場合には、心理的な抵抗感から借主が集まりにくく、家賃を相場より2〜3割ほど下げて募集するケースが一般的です。

法律上、事故物件であっても家賃を下げる義務はありません。

ただし事故物件は、過去に人の死があったことから心理的な抵抗を与えやすく、借主が見つかりにくい傾向があります。そのため、多くの貸主は空室リスクを避けるために、賃料を下げてでも借主を確保しようとするのが実情です。

こうした状況が続くことで「事故物件=家賃が安い」というイメージが世間に浸透しているともいえるでしょう。

また、遺体の発見が遅れて特殊清掃が必要となった場合は、壁や床に染み込んだ臭いや体液の痕跡などから、借主に衛生面の不安を与えることがあります。いくら原状回復しても敬遠されることが多く、追加で1割〜2割の値下げが必要になることもあるでしょう。

とくに近年は、事故物件情報サイトの普及により、物件情報をインターネットで簡単に調べられるようになりました。その結果、借主が事前に情報を得たうえで「家賃交渉を前提に内見する」ケースも増えています。

事故物件は売却時だけでなく、賃貸として運用する場合にも家賃収入が減少しやすく、期待どおりの利回りが得られない可能性があります。収益物件として活用する際は、家賃下落や空室リスクを織り込んだうえで、慎重に判断することが重要です。

事故物件の売却価格を左右する要素

事故物件の売却価格は、事故物件の特性や買手側の需要などによって最終的に判断されます。事故物件の売却価格を左右する要素として、主に次のものが挙げられます。

  • 不動産の元々の価値
  • 事故の内容
  • 物件の状態
  • 売却のタイミング
  • 事故物件の売却先

以下では、事故物件の売却価格を左右する要素について、詳細とクランピーリアルエステートが実施した口コミなどを紹介します。

不動産の元々の価値

事故物件そのものの不動産価値は、売却価格を大きく左右する要因になります。不動産価値の高い物件なら、事故物件でも買手からの需要が発生しやすいからです。もし事故内容が軽いものだと、価格が大きく下がらない可能性があります。

不動産価値を左右する主な要因は以下のとおりです。

  • 「駅近物件」「周辺に行政機関や商業施設」「学校や病院の近く」などの利便性
  • 土地の面積、土地の形状、間口の広さ、建物の間取りなど不動産の広さ・形
  • 建物の築年数やデザイン性
  • 不動産に附属する設備の性能・種類
  • 地勢・地盤や耐震性などの防災性

「ここに住みたい!」「リノベーションすれば賃貸物件として活用できる」と思わせる魅力があれば、事故物件でも売却価格は高くなるでしょう。とはいえ、通常の物件と同じ相場での売却は原則として困難であると認識しておいてください。

金融機関の住宅ローンでも事故物件の担保価格は低めに見積もられることが多く、住宅ローンを組めづらい買手側からすると購入に二の足を踏むケースも想定されます。

<不動産の元々の価値に関する口コミ>

  • 居住性・機能性には変わりがないから。(男性)
  • 現在住んでいる公営住宅は2021年に入居、高齢の方が亡くなり5年空いていた事故物件ですが随時募集だったので入居。訳ありでも家賃が安く高崎駅に近く便利な所なのでまずまずと思うから。(女性)

事故の内容

事故物件は元々の不動産価値に加えて、事故の内容も売却価格を左右します。孤独死なら10〜20%、自殺なら30〜50%、殺人なら50%ダウンする傾向があります。

たとえば不動産価値が5,000万円が事故物件になった場合、事件性がなく早期発見された孤独死なら10%低下の4,500万円、殺人なら2,500万円と、同じ物件でも約2,000万円の売却価格の差が出る可能性もあるでしょう。

また「自殺・殺人の死因や背景への嫌悪感が強い」といった、買手が抵抗を感じやすい事故・事件の内容ほど減額幅は大きくなります。凄惨な殺人事件で亡くなっている場合だと、50%を大きく超える割合で減額されることも珍しくありません。

<事故の内容に関する口コミ>

  • 事故物件のなかで、殺人、自殺などの場合は、人の想いが強く残っていそうでかなり抵抗がある。ただ、自然死については、そんなに抵抗はない。(女性)
  • 事故物件といっても自殺・殺人だけでなく病死などもあるので、どのような状況で亡くなったのかによっても変わります。(男性)

物件の状態

事故・事件の内容や遺体発見のタイミングによっては、死亡者の血液・体液・汚物が床・壁などに付着してしまい、シミや匂いとして染み付いているケースも珍しくありません。シミや臭い、そのほか事件・事故や遺体の痕跡がどの程度残っているかによって、事故物件の売却価格は左右されます。残っている痕跡が大きいほど、売却価格は低くなるでしょう。

事件・事故や遺体に関する痕跡は、特殊清掃によって除去します。遺体関係の死臭・腐敗臭の除去や細菌の消毒などは、素人による通常の清掃ではまず落ちないからです。死臭・腐敗臭は、生ゴミ・腐ったチーズよりも遥かに強烈な臭いであり、臭いの代表格であるクサヤの何十倍とも言われています。

そのため、事故物件を売却する際は必ず特殊清掃をおこなうようにしましょう。

特殊清掃にかかる費用は10万〜50万円ほどが一般的で、遺体発見が遅れた場合などは100万円を超えるケースもあります。決して安くはありませんが、売却価格や買主の印象に大きく影響するため、結果的に実施したほうが売却を有利に進めやすくなるでしょう。

なお、買取業者への売却の場合は、特殊清掃を買取業者側が負担してくれる可能性もあります。

<物件の状態に関する口コミ>

  • 事故の痕跡などが残っていたりすると抵抗がある。(女性)
  • どのような状態まで改装されているかわからないから。(男性)

売却のタイミング

不動産の売却価格は、その時々の経済状況やトレンドなどによっても左右されます。同じ地域にある同じ条件の不動産であっても、売却のタイミングによっては平均的な相場よりも高額で売れたり、反対に査定額が芳しくなかったりなども考えられます。

事故物件自体の相場は最初から低めになるものの、価格相場が高いタイミングで売却できれば少しでも高く売却できる可能性が出てきます。

不動産価値を左右する、経済やそのほか外部的な要因は主に次のとおりです。

  • 不動産が所在する地域の知名度や人気の度合い
  • 金融緩和といった経済成長の内容(低金利だと住宅ローンが組みやすくなって需要が上がるなど)
  • 自治体ごとで導入される各種支援制度

売却のタイミングを見極めるには、過去の取引相場を調べたり複数の専門家の査定を受けたりして、事故物件の現在の価値がどのレベルにあるのかを確認するとよいでしょう。

事故物件の売却先

事故物件の売却先がどこになるかによっても、売却価格は大きく変動します。たとえば事故物件は不動産会社などの業者を利用して売却するのが一般的ですが、売却価格は依頼先となる不動産会社の種類や方針に影響を受けます。

業者を利用して売却する際に、売却価格を左右する要素は次のとおりです。

  • 売却先が「仲介業者」か「買取業者」か
  • 事故物件の取引に関する専門知識や取引実績を持っているのか
  • 事故物件の所在地における不動産売買に関する実績が存在するのか
  • 事故物件の査定額の算出方法は何を採用しているか

同じ事故物件の査定を複数の業者に依頼した場合、業者ごとで査定額が大きく変わることも珍しくありません。そのため、事故物件の売却先をどこにするかは非常に重要なポイントになります。

<事故物件の売却関係の口コミ>

  • 事故内容をしっかり教えてもらえるのと家賃、売値と関係が見合うかどうかで判断します。(男性)
  • やっぱり怖いと感じると思う。その怖さと金額の安さを天秤にかけた時に安さが買った時住めると思う。(男性)

事故物件の価格相場を調べる方法

所有している物件が事故物件に該当する場合「相場を把握してから売却を検討したい」と考える人も多いでしょう。

以下の4つの方法を活用すれば、おおよその売却価格の目安をつかむことが可能です。

  1. 不動産情報ライブラリを確認する
  2. 不動産一括査定サイトの結果から価格帯をつかむ
  3. 買取業者に依頼をして査定結果を参考にする
  4. 鑑定士に査定を依頼する

それぞれの方法について詳しく解説します。

不動産情報ライブラリを確認する

「地価公示」や「都道府県地価調査」は国や都道府県が公的に評価した基準価格であり、土地の目安価格として使われます。
一方で「不動産取引価格情報」や「成約価格情報」は、実際に売買された事例に基づいており、市場の実勢を反映しやすい情報です。

不動産情報ライブラリを活用すれば、所有している事故物件のある地域で、周辺物件の取引事例や価格帯を調べることができます。
事故物件自体の価格は掲載されていない場合もありますが、周辺の価格相場を把握することで売却時の参考になるでしょう。

不動産情報ライブラリとあわせて、一般向けに公開されている「レインズマーケットインフォメーション」を利用すれば、地域ごとの売買事例や価格相場を確認できます。

レインズマーケットインフォメーションとは、指定流通機構(REINS)が運営する不動産情報サイトで、不動産会社による実際の成約価格データを一般に公開しています。誰でも無料で閲覧でき、自宅や所有物件の周辺における売買実績や価格相場を調べることが可能です。

参考:国土交通省「不動産情報ライブラリ
参考:不動産取引情報提供サイト(マンション・戸建住宅の売買価格・相場・取引事例の情報公開サイト)「レインズマーケットインフォメーション

不動産一括査定サイトの結果から価格帯をつかむ

不動産一括査定サイトとは、複数の不動産会社へ一括で査定を依頼できるサービスです。不動産の一括査定サイトを利用した複数見積もりなら、数多くの不動産会社の査定額を比較検討するときに非常に便利です。適正な売却相場をおおまかに確認し、相性のよい不動産会社を見つけるのに役に立つでしょう。

ただし、査定を依頼した不動産会社と査定関係や営業電話のやり取りが発生するため、対応に労力がかかるデメリットがあります。また、一括査定サイトと提携していない不動産会社の情報は含まれないため、結果だけを鵜呑みにするのは避けましょう。

なお、事故物件についても一括査定サイトで依頼できる場合はありますが、取り扱いに慣れていない会社もあるため、物件の状況は正確に伝えておくことが大切です。

買取業者に依頼をして査定結果を参考にする

事故物件の売却相場を把握する方法として、買取業者に直接査定を依頼する方法もあります。買取業者は買主を探すのではなく、自社で事故物件を買い取るため、スピーディーに相場を把握できるのがメリットです。

とくに事故物件専門の買取業者であれば、事故内容や清掃の有無、瑕疵の程度など、個別の事情を考慮したうえで、より現実的な査定価格を提示してくれます。査定結果を確認してから売却するかどうか判断できるため、まずは相談してみるのも一つの選択肢です。

なお、一般的な仲介会社よりも買取価格はやや低くなる傾向があります。これは、業者がリスクを負って再販や改修を行う必要があるためです。そのため「なるべく高く売りたい」人よりも「早く確実に売りたい」と考えている人に向いています。

また、特殊清掃が済んでいない物件や、心理的瑕疵の強い物件でも買い取ってもらえる可能性があるため、他の査定方法で断られた人にも向いているでしょう。

鑑定士に査定を依頼する

事故物件の売却相場を正確に知りたいときは、不動産鑑定の専門家である不動産鑑定士に依頼しましょう。不動産鑑定士とは、国の認定を受けた専門家で、不動産の価値を第三者の立場から評価する国家資格者です。

事故物件に強い不動産鑑定士なら、物件の状態、周辺施設、経済状況などの詳細な部分まで考慮したうえで、事故物件の適正な価格を判断してくれます。

不動産会社の査定を受ける前に不動産鑑定士の査定額を聞いておくと、業者から掲示される売却価格が低いかどうかの判断基準になるでしょう。

一般的には不動産鑑定士に依頼せずとも、不動産会社による査定があれば、売買契約において十分に根拠のある査定結果を得られます。しかし事故物件は特殊な不動産であるため、事故物件の取り扱い実績が少ない不動産会社の査定だとそのまま信じるのもリスクがあります。とくに相続や財産分与などが絡むときは、完全な中立的立場である不動産鑑定士の利用が効果的です。

ただし、不動産鑑定士への依頼には20〜30万円程度の費用がかかるため、通常の売却だけであればコスト面がネックとなる可能性もあります。売却交渉や相続トラブルなど、明確な目的がある場合に利用を検討するとよいでしょう。

事故物件を少しでも高く売りたいときの対策

事故物件であっても、売却前の工夫や売却方法の見直しによって、価格の下落幅を抑えることは可能です。とくに買主の心理的ハードルを下げることができれば、値下げ交渉を最小限にとどめられることでしょう。

少しでも高く売りたいときの具体的な対策は、以下のとおりです。

  • 特殊清掃やリフォームを行っておく
  • 事件や事故の印象が強い場合には売却まで期間をおく
  • 複数の業者に査定を依頼しておく

以下で、それぞれのポイントを詳しく解説します。

特殊清掃やリフォームを行っておく

事故物件の価値を高め、買主の心理的なハードルを下げるには、特殊清掃やリフォームを実施するのが効果的です。

事故物件は心理的な抵抗感から敬遠されやすく、値下げをしないと買主がつきにくい傾向があります。しかし、清掃やリフォームによって物件の状態を整えれば、資産価値が向上し、買主が見つかりやすくなる可能性が高まるでしょう。

とくに特殊清掃は、異臭や汚損の除去など衛生面の改善に加え、心理的瑕疵をやわらげる効果も期待できます。さらに、内装や設備のリフォームを行うことで、一般の物件と変わらない仕上がりに近づけることが可能です。

ただし、リフォームには数十万〜数百万円の費用がかかるケースもあるため、どこまで実施するかは慎重に見極める必要があります。事前に不動産会社と相談し、買主に評価されやすい部分に限定してリフォームするのが現実的です。

事件や事故の印象が強い場合には売却まで期間をおく

事故物件は、発生から一定期間をおくと心理的抵抗が薄れ、価格の下落幅が小さくなる傾向があります。

とくに報道などで広く知られた事件・事故があった場合、発生直後は売却が困難になりがちです。買主の印象が強く残っているうちは、価格を大きく下げても売れにくいケースもあります。

そのため、心理的瑕疵が徐々に風化するまで数ヵ月〜数年待ってから売却を検討するのも1つの方法です。たとえば、自然死や孤独死のような一般的なケースであれば、半年〜1年程度で市場の受け止め方が落ち着く場合もあります。

一方で、凄惨な事件や報道の影響が大きいケースでは、数年経っても印象が払拭されにくく、売却価格が回復しないおそれもあります。このような場合、価格が回復するのを待つよりも、早期に売却や買取業者の利用を検討したほうがよいケースもあるでしょう。

また、宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインでは、事故から相当期間が経過すれば告知義務が不要となる場合もあるとされています。売却時期や告知内容に悩んだ際は、不動産会社とよく相談し、事故の内容や地域の市場動向に応じて最適なタイミングを判断することが重要です。

複数の業者に査定を依頼しておく

事故物件を少しでも高く売却したいなら、複数の不動産会社に査定を依頼し、価格や対応方針の違いを比較することが重要です。

とくに、事故物件の取り扱い実績がある業者とそうでない業者では、査定額に大きな差が生じることも珍しくありません。心理的瑕疵への向き合い方や、販売手法・買主層の想定にも違いがあるため、1社の判断だけで進めるのはリスクが高いといえるでしょう。

なお、事故物件に対する評価基準は業者によって異なり「告知義務の要否」や「心理的影響の程度」に対する判断にも差があります。事故の詳細や発生時期を正確に伝えたうえで、各社の見解や根拠を確認することが大切です。

また、査定を依頼すると営業の連絡が頻繁に入るケースもあります。電話連絡を避けたい場合は、事前に「メールのみ対応可」などと明記しておけば、不要なストレスやトラブルを避けられるでしょう。

事故物件であることを隠して売却や賃貸の契約をすると告知義務違反となるため注意

事故物件に該当する事案を隠して売却・賃貸契約を結ぶと、「告知義務違反」となり、損害賠償や契約解除を請求されるリスクがあります。

事故物件における「告知義務」とは、過去に発生した死亡事故などの事実について、買主や借主が判断材料として必要とする情報を、あらかじめ伝える法的義務です。

宅地建物取引業法上の「重要事項説明」や、民法上の信義誠実義務に基づくものであり、業者だけでなく個人の売主・貸主にも適用されます。宅建業者が媒介に入る場合は、重要事項説明書への記載が義務づけられており、説明を怠ると業者自身も責任を問われる可能性があります。

国土交通省が定めた宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインによれば、殺人・自殺・火災・事故死など「社会通念上、心理的抵抗を与える死」があった場合は、原則として告知しなければなりません。

一方、老衰・病死・自然死といった「通常想定される死亡」については、原則として告知義務の対象外とされています。ただし、死後長期間放置された遺体があったケースなど、特殊清掃や異臭発生が伴う場合は告知対象となることもあるでしょう。

告知義務を怠ったまま契約を結んだ場合、買主や借主から損害賠償や契約解除を請求される可能性があります。告知を怠ったことで賃料減額や損害賠償を命じられた裁判例もあり、判例上も貸主・売主側に不利な判断が下された例が多数存在します。

なお、いつまで告知すべきかという「時効」について明確な年数は定められていません。物件の立地や事故の性質によっても異なるため、ケースごとに慎重な対応が求められます。

事故物件は一度誰かが住んだとしても告知義務がなくなるわけではない

「一度住めば事故物件ではなくなる」という見方は、誤解に基づくものです。

国土交通省のガイドラインでは、入居歴があるかどうかは判断材料の1つにすぎず、それだけで告知義務の有無が決まるわけではないと明記されています。

とくに殺人や自殺など、社会的にインパクトの大きい死亡事故があった場合は、たとえ入居実績があっても、心理的抵抗が残ると判断され、告知義務が継続する可能性が高いと考えられます。

告知の要否は、事故の内容や経過年数、立地、周囲の受け止め方などを総合的に判断されるため、「一度入居者がいれば告知不要」とは言い切れません。

なお、事故から相当の時間が経過し、社会通念上、取引に影響しないとみなされる場合には、告知義務が免除される可能性もあります。

事故物件の売却なら専門の買取業者に依頼するのがおすすめ

事故物件の売却を検討する際は、専門の買取業者への依頼を視野に入れるのがおすすめです。心理的な抵抗感から敬遠されやすい事故物件は、通常の仲介ではなかなか買主が見つからず、長期間売れ残ってしまうケースも少なくありません。

専門の買取業者であれば、事故物件を再活用するノウハウや販売経路を持っているため、仲介で売れなかった物件でもスムーズな現金化が期待できます。また、買取業者によっては、特殊清掃やお祓いを含めたサポートに対応しているところもあり、事故後の対応に不安がある人にも向いています。

「できるだけ早く売却したい」「現状のまま手放したい」「売却後のトラブルを避けたい」といった場合は、事故物件の取り扱いに精通した買取業者の活用が現実的です。

ただし、事故物件の専門業者といっても、対応できる物件の種類やサービス内容には違いがあります。売却したい物件の種別に対応しているか、買取実績が豊富か、特殊清掃やお祓いなどが可能かなど、事前に確認しておくことが重要です。

信頼できる業者を選べば、余計な手間をかけずに事故物件を納得の条件で手放すことができるでしょう。

まとめ

事故物件の売却価格は、事故の内容によって大きく変動します。通常の不動産と比較して、孤独死・病死・自然死なら1〜2割、自殺なら1〜3割、他殺なら3〜5割の価格下落が目安です。ただし、孤独死でも遺体発見が遅れ特殊清掃が必要な場合、売却価格相場が3割近く下がる可能性もあるでしょう。

また、事故物件の売却価格は、事故の要因に加えて「買主からの需要」「物件の立地や築年数」「建物の状態」などの要素にも左右されます。相場を把握したい場合は、不動産情報ライブラリの活用や買取業者への無料査定依頼、不動産鑑定士による評価などの方法があります。

事故物件を売却するときには、特殊清掃やリフォーム対応の有無、告知義務などについて必ず確認しておいてください。確認を怠ると、買主がみつからなかったり損害賠償請求に発展したりといったリスクが発生します。

なお、事故物件を売却するときは、事故物件専門の買取業者に依頼するのも1つの方法です。事故物件買取に強い買取業者なら、特殊清掃やリフォームの対応を任せられるうえに事故物件でも適切に査定してくれます。

訳あり物件専門の買取業者である弊社「クランピーリアルエステート」なら、特殊清掃やリフォームへの対応はもちろん、法的手続きのサポートや豊富な実績に基づく適正な査定も可能です。無料相談や無料査定から受け付けていますので、売却したい事故物件をお持ちであればぜひクランピーリアルエステートをご利用ください。

事故物件の売却に関するよくある質問

事故物件を売却したときに税金はどうなりますか?

一般の不動産売却と同様に譲渡所得税が課されます。事故物件であること自体が課税の有無に影響するわけではありませんが、取得費が不明な場合は概算(売却額の5%)となり税額が大きくなるケースがあるため、売買契約書や領収書などの確認が重要です。不安な場合は税理士などの専門家に相談しましょう。

事故物件と判断されるかどうかの基準は何ですか?

「買主にとって重要な心理的影響があるかどうか」が判断の基準です。孤独死や自然死であっても、発見の遅れや特殊清掃の有無などにより、心理的瑕疵として扱われる場合があります。明確な線引きが難しいため、取引前に専門家へ確認すると安心です。

売却前に遺族とトラブルになることはありますか?

物件に関する相続や遺産分割が完了していない場合、遺族間で売却方針がまとまらずトラブルに発展するケースがあります。相続登記が未了の場合、不動産の売却自体ができません。売却前には相続登記や遺産分割協議を済ませておくことが重要です。

売却後に事故物件であることを理由にトラブルになることはありますか?

はい。売却後に告知漏れが発覚した場合、買主から契約解除や損害賠償請求を受ける可能性があります。こうしたリスクを避けるためにも、媒介業者を通じて適切な説明を行いましょう。なお、告知義務は取引時だけでなく、媒介契約時点でも重要視されます。不動産会社とのやりとりでも、事実関係は正確に共有しておくことが大切です。

事故物件でも買主からの値引き交渉はありますか?

あります。とくに自殺や他殺があった物件では、事前の告知にもかかわらず買主からの価格交渉が入るケースは珍しくありません。価格交渉を想定しておくことで、相場に合った売り出し価格の設定や業者との事前相談がスムーズになります。

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更新日 : 2025年08月04日
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