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住宅ローン残債がある訳あり物件でも売却できる方法

住宅ローンを払えないと、家を差押えられて競売にかけられてしまいます。

そのためローンを払えない場合、家を売却して得た利益を用いてローンを完済する「任意売却」という方法があります。

しかし、訳あり物件を売却する場合、ただでさえ買主が見つかりにくい上、住宅ローン残債が残っていると、余計に売却がむずかしくなってしまいます。

そうした場合でも「訳あり物件専門の買取業者」であれば、債権者と交渉して住宅ローン残債が残っている家を買取可能です。

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訳あり物件と通常物件を売却する時の違い

訳あり物件

いわゆる「訳あり物件」とは、物理的もしくは心理的に瑕疵を持つ物件のことです。

物理的瑕疵のある物件とは、シロアリによる腐食が進んでいる家、屋根や窓が一部破損している家など、住環境に問題のある物件を意味します。

心理的瑕疵のある物件とは、他殺や自殺などの住人に忌み嫌われる事件、病死や孤独死などが発生した部屋や物件を指します。

このような物件の所在を掲載するウェブサイト「大島てる」は非常に有名なサイトで、最近はサイトをチェックしてから物件を選ぶ人も多いです。

通常物件を売却する時の手順

とくに瑕疵のない通常物件の売却手順は、まず不動産会社に仲介を依頼しましょう。

依頼を受けた不動産会社は物件の査定を行いますが、内外装のチェックを経て瑕疵の有無を確認します。

そして、一般媒介契約や専任媒介契約など、複数ある契約形態の中から一つを選び、不動産会社と契約を結びましょう。

特に告知義務のある瑕疵でなければ、物件情報を作成したり、写真を撮影したりして、不動産情報サイトや不動産仲介業者向けの物件流通サイトに物件情報が掲載されます。

物件に興味のある人が現れたら内覧を行い、買主が物件を気に入れば売買契約を締結します。

代金の支払後に鍵の引き渡しなどを行えば、通常物件の売却は完了です。

また、自分で買主を見つけられるのであれば、不動産会社に頼まずとも売買契約を結ぶことは可能です。

ただし、買主と売主同席の上、宅地建物取引士が重要事項説明をおこなう必要があります。

訳あり物件を売却する時の手順

訳あり物件を売却する手順は、通常物件と変わりません。

物理的に瑕疵のある物件も同様に不動産会社に査定を依頼し、物件の状態をチェックの上、瑕疵の有無を確認します。

心理的瑕疵のある物件は、瑕疵の内容をしっかりと伝えます。

その後に通常物件や物理的瑕疵のある物件同様に売買契約を結びますが、違いは物件情報の備考欄などに「告知義務あり」と表記の上、瑕疵の内容を明確に記載することです。

もし、瑕疵があることを隠して物件を売却しますと、後に大きな問題に発展しかねません。

契約違反を理由に、元オーナーである売主が買主から損害賠償を請求される可能性があります。

たとえリフォームを実施したとしても、説明責任は免れません。

場合によっては1,000万円以上の高額な損害賠償を請求されたり、売買契約の解除を迫られたりすることもあるのです。

瑕疵を隠す売主はトラブルを起こす恐れがあるので、不動産会社も仲介に入らないことがあります。

瑕疵の存在をしっかりと不動産会社に伝え、物件情報に内容を記載しましょう。

重要事項説明の場では買主に瑕疵の詳細が告知されますが、この際の流れが通常の売買とは異なります。

建物内だけではなく、土地内の駐車場や駐輪場で事件が起きた場合であっても、欠かさず告知するように留意しましょう。

金融機関の許可があれば住宅ローンが残っている物件も売却可能

住宅ローン

住宅ローンの融資を受けて自宅を購入するケースでは、30年以上の長期ローンを組む家庭も多いです。

にもかかわらず、購入した家が事故物件になると「手放したい・売りたい」と思う人も少なくありません。

しかし、住宅ローンの返済途中なので、1,000万円単位でローンが残っていることもあります。

このように住宅ローン返済中の自宅でも、抵当権を設定している金融機関から許可を貰えれば、売却可能です。

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売却代金でローンを返済できれば許可を得やすい

基本的に、自宅の売却金額が住宅ローン残債を上回っていれば、金融機関は融資金を全額回収できるので売却を認めます。

住宅ローン残債が2,000万円、自宅の売却代金が2,500万円であれば、2,500万円の売却代金から住宅ローンの残債2,000万円を返却しても500万円が手元に残ります。

住宅ローン完済後の売却代金を新居の購入資金、引越し費用に充てることも可能です。

この場合、まずは不動産会社に相談して、査定額を確認してから、金融機関に相談しましょう。

自宅の売却代金が残債を上回りそうでしたら、売却活動に入ると良いでしょう。

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売却代金がローン残債に足りない場合の対応法

戸建住宅の売却代金がローン残債に足りなければ、売却そのものが難しいでしょう。

例えば、ローン残債が2,500万円であるのに対し、自宅の売却代金が2,000万円にしかならない場合、金融機関は自宅の売却を許可しないケースが多いです。

金融機関からすれば、融資を全額回収できない売却に意味はありません。

自宅を売却しても借金が500万円も残ってしまっては、回収できる見込みはゼロです。

そんな状態で自宅の抵当権を外す金融機関はまず存在しないでしょう。

そのため、自宅の売却代金以外の何らかの手段で、残債をなくす必要があります。

【対処法1】貯金から残債を返済する

売却代金がローン残債に満たない場合でも、貯金から住宅ローン残債を返済できるのであれば、特に問題はありません。

先の例でも、残債が2,500万円、自宅の売却代金が2,000万円、貯金から500万円を捻出できれば、住宅ローンを完済できます。貯金から完済できる見込みがあれば、金融機関も売却を許可するでしょう。

【対処法2】他の金融機関から融資を受ける

貯金がない場合、他の金融機関から返済資金を調達して、住宅ローンを完済することも検討してみましょう。

南向き・最上階など、条件の良い物件であれば、融資が下りやすくなります。

ただし、住宅ローンを完済せずに住宅を売却しようとする人は、リスクの高い債務者であると他の金融機関から判断される可能性もあります。

もし借り換えできたとしても、貸付が高金利であったり、返済期間が短いなど、あまり良い条件での融資は受けにくいです。

【対処法3】親族などに借りる

自分の両親や親戚などに事情を説明し、残債をなんとか工面する方法もあります。

身内だからといって常識から外れた低金利で融資を受けてしまうと、贈与扱いになってしまうことがあります。

身内といえどもお金を借りる時は、しっかりと借用書を作成して、法定利息の範囲内で金利を設定しましょう。

返済期日や返済額について取り決めた契約書を別途作成し、証拠が残るように銀行振込で返済するようにします。

ローンを払えない場合は「任意売却」がベスト

任意売却

ローン残債のある家を売りたいけれど、ローンを完済できる見込みがない場合「任意売却」という手段を取ることもできます。

任意売却とは、銀行などの金融機関と相談の上、抵当権を外して自宅を売却することです。

住宅ローンが残っていても「ローン残債を毎月少しずつ返済していく」といった条件で、家の売却を金融機関に認めてもらえます。

競売にかかる前に不動産を売却できる

任意売却は、住宅ローンが返済不能になった人の救済手段として、頻繁に利用されます。

毎月の住宅ローンを返済できないと、最終的に自宅が競売にかけられますが、競売は売却価格が安くなってしまうケースが多いです。

しかし、任意売却は通常の不動産売買と同じ方法で売却できるので、競売のように相場よりも大幅に安い値段で買い叩かれることはありません。

また、自宅が競売にかけられる場合、多くの人が物件の視察に訪れるため、周囲にも事実が伝わってしまい、同居家族にとって精神的負担となります。

しかし、任意売却であれば、周辺に家の処分を知られず、いままで通りの生活を送りながら家を売却できます。

また、金融機関との相談にもよりますが、住宅を売却した代金から引越し代を捻出する交渉も可能です。

つまり、任意売却で自宅を売却して、毎月のローン返済額が少ない安い家に買い換えたり、賃貸物件に住み替えたりできます。

そして、売却した自宅のローン残債を少しずつ返済することで、、生活の立て直しを図りながら、ローン返済を目指せるのです。

ただし、訳あり物件の場合、通常物件よりも売却代金が20~30%ほど安くなるため、ローン残債が残りやすい点に注意しましょう。

任意売却は金融機関にとってもメリットがある

任意売却は金融機関にとってもメリットがあり、相談に応じる傾向にあります。

先述したとおり、競売の場合、相場よりもかなり安値で家が売却されます。

そのため金融機関としても、任意売却に比べて競売のほうが、融資金を回収できる見込みが少ないので、好ましくないのです。

しかし、任意売却であれば、自宅の売却代金がそこまで安くならない上、ローン残債の分割返済を続ける契約を結べます。

つまり、金融機関としても、家を競売にかけて無理やり売却するよりも、任意売却によって自宅を高額売却してもらい、ローン残債を完済してもらえた方がありがたいのです。

ローン残債のある訳あり物件を売りたい時は、まず金融機関に任意売却の相談を持ちかけてみると良いでしょう。

任意売却するなら「訳あり物件専門の買取業者」

通常物件の任意売却であれば、金融機関の許可を取得した後、すぐに物件を売却してローン返済額に充てられますが、先述したとおり、訳あり物件の場合は買主が見つからずに売れ残りやすいです。

ですので、住宅ローン残債のある訳あり物件を任意売却したい場合は「訳あり物件専門の買取業者」に売ることをおすすめします。

「訳あり物件専門の買取業者」に売ることで、次のメリットがあります。

  • 訳あり物件でも売却しやすい
  • 金融機関からの許可を得やすい

まず「訳あり物件専門の買取業者」は、一般的な不動産業者と異なり訳あり物件を積極的に買取しているので、買取拒否されたり、安値で買い叩かれる心配はありません。

また「訳あり物件専門の買取業者」の中には、売却後のトラブルを避けるために弁護士と提携している業者もあり、そうした場合は弁護士や不動産業者に金融機関との交渉を任せられます。

以下のリンクから「弁護士と提携した専門買取業者」に無料相談ができるので、家の買取価格はもちろん金融機関との交渉も打診してみるとよいでしょう。

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家を手放さずにローンを返すなら「短期賃貸」

任意売却は自宅を売却するため、どうしても引越しをしなくてはいけません。

しかし、子供が学生などの場合「できるだけ生活拠点を変えたくない」と考える人も多いのではないでしょうか。

また、通勤や介護の都合上、自宅を売りたくない方もいるはずです。

そういった場合、リロケーションなどの手法で自宅を賃貸に出し、自分達はその付近に住むことを検討しましょう。

自宅を短期賃貸で貸し出すメリット

リロケーションとは、自宅を一時的に賃貸に出すことです。

一般的には転勤などの期間が決まっている間に家賃収入を得ること、自宅を維持・管理することを目的に行う場合が多いです。

自宅を売却したいが完済できない時のリロケーションは、毎月のローン返済額よりも家賃が安い場所に一時的に住み、毎月の支出を抑えながら家賃収入で家計を立て直す目的で実施されます。

毎月の返済額を抑えれば貯金ができる上に、毎月少しずつ残債を減らせるので、2~3年も経てば、自宅の売却額が残債を上回ることもあります。

また、2年や4年といった決まった期間の賃貸になり、生活拠点を大幅に変えず、やり方次第では自分たちの家を取り戻すことが可能です。

リロケーションを実施している賃貸中心の不動産業者に、自宅を一時的に貸し出せるか相談してみると良いでしょう。

まとめ

訳あり物件になった自宅を売却に出す時は、瑕疵の告知義務が発生するので、どうしても思った通りの値段で売れずに安く売却せざるを得なくなります。

その結果、住宅ローン残債を完済できなくなり、任意売却などの手段を検討するしかありません。

ただし、訳あり物件を多く扱っている業者に売却を依頼すれば、物件の現金化が可能になります。

訳あり物件の取り扱い実績が乏しい業者に売却を依頼すると、どうしても買いたたかれてしまいますが、訳あり物件の扱いに長けた会社であれば、豊富な経験やデータを基に適正な高価格で訳あり物件を引き取ってくれます。

訳あり物件や事故物件の買取を検討した時は、弁護士とネットワークのある不動産会社に問い合わせたり、アドバイスを受けたりするとよいでしょう。

住宅ローン残債がある訳あり物件のよくある質問

住宅ローン残債のある家でも売却できますか?

抵当権を設定している金融機関に許可を得れば、住宅ローン返済中の家でも任意売却できます。

任意売却とは何ですか?

銀行などの金融機関と相談の上、抵当権を外して自宅を売却することです。「ローン残債を毎月少しずつ返済していく」といった条件で、住宅ローンが残っている家の売却を金融機関に認めてもらえます。

どうすれば金融機関から任意売却の許可が取れますか?

家の売却代金で住宅ローンを完済できる場合、任意売却の許可が下りやすいです。また「売却後もローン返済を続ける」といった条件を提示することで、任意売却を認めてもらえるケースもあります。

住宅ローンを払えない場合における「任意売却」のメリットは何ですか?

住宅ローンを完済しなくても、家の売却を認めてもらえることです。また競売にかけれられる場合よりも売却価格が高く、より多くの売却益を得られるので、住宅ローンを完済できる可能性も高いです。

どうすれば、訳あり物件でも「任意売却」できますか?

弁護士と提携している「訳あり物件専門の買取業者」に相談しましょう。弁護士が金融機関と交渉するので許可を得やすい上、専門業者なら他社が買取拒否するような訳あり物件でも買取可能です。
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更新日 : 2024年05月23日
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