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他殺があった事故物件の売却方法は?告知義務や売却相場も詳しく解説

他殺物件の売却方法や告知義務について解説!売却価格相場も詳しく説明

他殺が起きた事故物件を所有している場合、「売却方法はある?」「そもそも売却できるのか」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

結論から述べると、他殺が起きた物件を売却することは可能ですが、買い手が見つかりにくいケースが一般的です。

なぜなら他殺が起きた物件は買い手からすると心理的な抵抗を感じやすく、「安心して住める物件を探そう」と考える人が大半だからです。

そのため、他殺があった事故物件は買取価格が安くなる傾向にあり、一般的には市場価格の約30%〜50%ほど安くなるのが目安といわれています。

そんな他殺物件ですが、立地や築年数などの条件が良ければ不動産仲介業者に依頼し、一般の買い手を探すという方法もあります。

一方、物件の条件が悪い場合は一般の買い手を探すのは困難であるため、訳あり不動産専門の買取業者に依頼する方法が得策といえます。一般の買い手を探すよりも買取の可能性が高く、スピーディーな売却が期待できるためです。

本記事では、他殺があった事故物件の売却方法や告知義務、買取相場など網羅的に解説していきます。他殺物件の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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他殺の事故物件も売却は可能だが買い手は見つかりにくい

他殺があった事故物件でも、購入を希望する人がいれば売却は可能です。

しかし、通常の物件と比べて他殺物件は「心理的瑕疵」によって購入を敬遠されやすく、買い手が見つかりにくくなります。

心理的瑕疵とは、不動産の売買や賃借をする人が心理的な抵抗感や嫌悪感を覚えるような欠陥のことです。他殺物件は「物件内で他殺が起きたという事実」が心理的瑕疵に該当します。

他殺があった物件は大半の人が心理的な抵抗を覚えるため、いわゆる「事故物件」として扱われて買い手が見つかりにくくなります。

立地や築年数などの条件が良ければ一般の買い手を探すという方法も取れますが、スピーディーに売却を終わらせたい場合は専門の買取業者に依頼することをおすすめします。

なお、他殺物件を売却する方法について、詳しくは「他殺の事故物件を売却する方法」の見出しで解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

他殺物件の売り手には「告知義務」が課される

他殺物件の売却をする場合、売り手には「告知義務」が課されるため、他殺があったことを隠して売却することはできません。

不動産売買における告知義務とは、「買い手が購入の判断をする際に重要な影響を及ぼすこととなるもの」に関して告げなければならない注意事項のことです。
参照:宅地建物取引業法 | e-Gov 法令検索

国土交通省が公表する「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」で定められているように、人の死があった物件を取引する際には基本的に告知義務が生じます。

具体的には、他殺物件の売り手は買い手に対して、他殺があった事実を売買契約が締結する前までに伝えなければなりません。

告知義務を守らないと、買主から契約不適合責任を追及されて、売買契約の解除や損害賠償請求を受ける恐れがあります。

ここでは、他殺の事故物件に生じる告知義務について詳しく解説していきます。

売却の場合は告知義務の時効がない

宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、「相手方の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告げる必要あり」という旨が記載されています。

他殺が起きた事故物件は、相手方の判断に重要な影響を及ぼす可能性が高いと考えられるため、原則として告知義務が生じます。

そして、賃貸契約であれば概ね3年の時効がありますが、売却契約における時効は定められていません。

そのため、他殺が起きてから年数が経過している物件であっても、売却の際にはその事実を買い手に伝える義務が生じます。

他殺が起きたことを告知すると買い手は見つかりにくくなりますが、告知せずに売却することはできません。そのため、売却活動の際は「他殺が起きた物件であること」を必ず告知するようにしましょう。

50年前の告知義務が追及された判例もある

過去の事例をみると、残虐性が高い殺人事件などが起きた他殺物件は、告知義務が数年で無くなるケースはほぼありません。

一般財団法人の不動産適正取引推進機構が公表する「心理的瑕疵に関する裁判例について」では、下記のように50年前にあった他殺も瑕疵と認められた判例があるとわかります。

約50年前、本物件上の建物で凄惨な殺人事件があり、その後更地となった土地の売買
引用元 不動産適正取引推進機構「心理的瑕疵に関する裁判例について」

心理的瑕疵においては、事件や事故の記憶が近隣住民の記憶に色濃く残っているほど、瑕疵の程度が高いと判断されます。

ニュースに取り上げられるほどの殺人事件が起きた他殺物件は、10年以上経過しても近隣住民への悪印象が拭えなければ、購入を敬遠されやすく売却が難しいとも考えられます。

建物を解体して更地にしても告知が必要

他殺のあった事故物件を売却する際の注意点として、建物を解体して更地にしたとしても告知義務がなくなるわけではありません。

殺人事件があった建物を解体しても、「その土地内で他殺が起きた」という事実は変わらないためです。他殺の起きた土地は敬遠される傾向にあり、買い手の判断に重要な影響を及ぼすことが考えられます。

また、建物を解体して更地にした後、新築の物件を建てたとしても告知は必要です。

このように、他殺があった事故物件を売却する場合、どのような方法を取っても告知義務は必ず生じます。

安易に解体や新築をすると、「高額な費用だけがかかり、売却ができない」という事態になりかねないため、注意しておきましょう。

告知義務を怠るとペナルティが発生する

告知義務を怠って売買契約や賃貸借契約を結ぶと、損害賠償請求や契約の解除などのペナルティが発生する可能性があります。

過去に起きた告知義務違反に関する裁判では、以下のような判例がありました。

不動産を売買する1年11ヶ月前に、建物内で自殺を図った後、病院で死亡する事案が発生した。裁判で軽微な心理的瑕疵が認められ、売主に損害賠償の支払いが命じられた。
参照:国土交通省

上記のように、告知義務違反が発覚すると、売り手は後から不利益を被る恐れがあります。そのため、他殺物件を売却する際は必ず買主に告知するようにしましょう。

他殺の事故物件を売却する方法

他殺のあった事故物件を売却する方法は、主に以下の2つです。

  • 仲介業者に依頼して一般の買い手を探す
  • 訳あり物件専門の買取業者に依頼する

仲介業者に依頼して一般の買い手を探す方法は、好立地や築浅など物件の条件がよく、殺人事件の社会的な影響度が低い場合に有効です。

一方、物件の条件が悪かったり凄惨な殺人事件が起きた物件の場合は、訳あり物件専門の買取業者に依頼した方が良いでしょう。

それぞれの方法について、次に項目から詳しく解説します。

仲介業者に依頼して一般の買い手を探す

他殺があった物件でも、物件の条件が良ければ一般の買い手が見つかる可能性があります。

心理的な抵抗を感じる基準は人によって異なっており、「相場よりも安く買えるなら事故物件でも気にしない」という人も存在するためです。

事故物件でも買い手が見つかりやすい物件の例は、以下のとおりです。

  • 都心のような人気のエリアにある
  • 駅から徒歩5分〜10分圏内にある
  • 築年数が5年以下の築浅物件
  • タワーマンションのような物件自体の価値が高い物件

上記の条件のほか、メディアでの報道が少なく社会的な影響が少ない物件であれば、買い手が見つかる可能性が高くなります。

仲介の場合は市場価格に近い金額で買い取ってもらえるケースもあり、買取よりも高値で売却できるのがメリットです。

他殺物件の条件がよい場合、仲介で物件を売却することを検討してみてもよいでしょう。

訳あり物件専門の買取業者に依頼する

一方、以下のように物件の条件が良くない場合、一般の買い手を見つけることは困難です。

  • 人口の少ない地方にある
  • 駅から徒歩15分以上
  • 築年数が10年以上
  • 新耐震基準をクリアしていない

また、物件の条件が良かったとしても、メディアで連日報道されるような社会的影響が大きい殺人事件の場合は買い手が見つかりにくくなります。

一般の買い手を見つけることが難しそうな物件の場合、訳あり物件専門の買取業者に依頼しましょう。専門の買取業者は事故物件の取り扱いにも慣れており、スピーディーに買い取ってもらえる可能性が高いです。

次の見出しからは、訳あり不動産の買取業者に依頼するメリットを詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

売却が難しい他殺物件を訳あり物件専門の買取業者に依頼するメリット

訳あり物件専門の買取業者に依頼すれば、売却が難しい他殺物件であってもスムーズな買取が期待できるほか、以下のようなメリットがあります。

  • 仲介よりもスピーディーに他殺物件を売却できるのが一般的
  • 契約不適合責任を問われるリスクが低い
  • そのままの状態で他殺物件を買い取ってもらえる

ここからは、訳あり物件専門の買取業者に依頼するメリットをそれぞれ解説していきます。

仲介よりもスピーディーに他殺物件を売却できる

他殺物件の場合、心理的抵抗を感じやすく買い手が見つかりにくい傾向にあります。

そのため、仲介などで売却活動をしても買い手が見つかるまでに1年以上かかったり、場合によっては売れずに残ってしまったりします。

訳あり物件専門の買取業者であれば、他殺物件を活用するノウハウがあるため、ほかの売却方法よりも早期で買い取ってもらえることが期待できます。

あくまで一般的な目安ですが、買取業者に依頼してから売却できるまでの期間は1週間〜1か月程度が一般的といわれています。

「不動産会社に仲介を依頼したが断られた」「他殺物件を早く手放したい」という場合、訳あり物件専門の買取業者に依頼することを検討してみてください。

契約不適合責任を問われるリスクが低い

契約不適合責任とは、売買した物件が契約内容に適さない場合、売り手が負担しなければならない責任のことです。

たとえば、他殺があったことを隠して物件を売却した場合、それが売却後に発覚すれば損害賠償や契約の解除が求められる可能性があります。また、シロアリ被害や雨漏りといった物理的な瑕疵が発覚した場合も同様です。

しかし、買取業者であれば「契約不適合責任を一切負わない」という条件で売買契約が成立するのが一般的です。

そのため、売却後に契約不適合責任に問われるリスクは仲介よりも低いといえます。

そのままの状態で他殺物件を買い取ってもらえる

仲介などで他殺物件を売却する場合、特殊清掃やリフォームなどを事前に行っておくのが一般的です。また、残置物があれば基本的には撤去作業も必要なうえ、場合によってはお祓いを行うこともあります。

一方、訳あり物件専門の買取業者であれば、他殺物件であってもそのままの状態で買い取ってもらえるのが一般的です。

基本的には特殊清掃やリフォーム、残置物の撤去には、それぞれ数万円〜数十万円ほどの費用がかかるため、仲介で売るよりも費用がかかりにくい買取方法ともいえます。

「物件を売りたいけど清掃の費用や手間をかけたくない」という場合にも、事故物件を専門とする買取業者に依頼することを検討してみてください。

他殺物件の売却価格相場は30〜50%ほど下がるのが一般的

前提として、不動産の買取価格はその物件の条件によって変動します。これは他殺物件であっても変わらないため、「他殺物件は〇〇円で買い取ってもらえる」のように断言はできません。

しかし、他殺物件は通常の物件よりも買い手がつきづらく、需要が下がりやすい物件です。買取価格は需要によっても変わるため、通常物件よりも買取価格が下がるのが一般的です。

あくまで目安に過ぎませんが、他殺物件の売却価格相場は30〜50%ほど下がるといわれています。

なお、売却金額の下落率は事故物件の種類によって変動する傾向があり、その割合は下記のとおりです。

死因 売却価格
自然死・孤独死 約20%ほど下がる
自殺 約20〜30%下がる
殺人事件 約30〜50%下がる

※当サイトを運営する「株式会社クランピーリアルエステート」での買取事例を参考に下落率を算出しています。必ずこの数値になるとは限らないため、目安程度にお考えください。

自殺物件などは20〜30%程度下落する傾向がありますが、殺人などの他殺物件は売却価格が半額以上も下がるケースもあります。とくに歴史に残る猟奇的な殺人事件や残虐性の高い事件の場合、売却価格が半額を下回ってしまうケースも少なくありません。

他殺物件を売却する際の注意点

他殺物件を売却する際には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 複数の買取業者で見積もりを取る
  • 自己判断で解体やリフォームをしない

買取業者に依頼する場合は、複数の業者で見積もりを取り、高値で買い取ってもらえそうな業者を探しましょう。

また、先述したとおり他殺物件は更地にしても告知義務が残るため、自己判断で解体やリフォームをしない方が得策です。

次の項目から、他殺物件を売却する際の注意点について詳しくみていきましょう。

複数の買取業者で見積もりを取る

他殺物件を高値で売却したい場合、複数の買取業者に見積もりを依頼する方法がおすすめです。

他殺物件に限りませんが、不動産の買取価格は査定によって決定されます。不動産における査定とは、土地や建物がどの程度の金額で売却できるのかを調査してもらうことです。

買取業者によって査定の基準や方法は異なることから、買取業者の査定結果には大なり小なり違いが出るものです。そのため、複数の業者に見積もりを依頼することで、査定額が最も高い買取業者を見つけられる可能性があります。

訳あり物件専門の買取業者は、無料で査定を実施しているケースが一般的です。すぐに買い取ってもらいたい事情もあるかもしれませんが、他殺物件を高値で売却したい場合は、複数の買取業者に査定を依頼することを検討してみてください。

自己判断で解体やリフォームをしない

他殺のあった事故物件を売却する際は、自己判断で解体やリフォームをしないようにしましょう。

なぜなら事故物件を綺麗にしたとしても、殺人事件が起きたという事実を消すことはできず、買い手の嫌悪感の払拭にはつながらないためです。また、更地にしたりリフォームしたりしても告知義務は残るため、他殺があった事実を隠すことはできません。

もしも解体やリフォームをしても物件が売れなかった場合、数十万円〜数百万円の費用が赤字になってしまいます。他殺物件は売却価格が下がりやすい傾向にあるため、仮に売れたとしても赤字分をカバーできるとは限りません。

さらに、更地にすることでその物件にかかる固定資産税は増額するのが一般的です。住宅用地の特例によって抑制されていた税金が建物の解体によって元の金額に戻ってしまうため、物件を手放すまで税負担が大きい状態で売却活動を進めなければなりません。

そのため、まずは不動産会社に相談し、解体やリフォームをすることで買い手が見つかりそうかどうかの判断を仰ぎましょう。

解体やリフォームをしても買い手が見つかりにくそうな場合は、そのままの状態で訳あり不動産の買取業者に依頼することをおすすめします。

最短48時間で事故物件を売却できます。

他殺物件の買取依頼から売却までの流れ

他殺物件を買取業者に売却する場合、大まかには下記のような流れになります。

  1. 買取業者に他殺物件の査定を依頼する
  2. 他殺物件の査定額を提示してもらう
  3. 査定額に問題がなければ、業者と売買契約を締結する
  4. 売買契約で定められた日程に決済・引き渡しを行う

まずは査定を依頼して、他殺物件がどの程度の買取価格になるのかを調べてもらいます。査定額を提示してもらい、その金額で問題がなければ業者と売買契約を結びます。

売買契約の際には、「本人確認書類」「登記済権利書」などの書類を提出する必要があるため、どのような書類が必要になるかを買取業者の担当者に尋ねておくとよいでしょう。

売買契約が締結した後は、契約内容に沿って決済と他殺物件の引き渡しが行われます。

売買契約の際には、引き渡しの都合がつきそうな日程をあらかじめ決めておき、その日に引き渡しができるようにスケジュールを調整しておくとよいでしょう。

まとめ

他殺物件であっても売却は可能ですが、心理的な抵抗感や嫌悪感によって通常の物件よりも買い手は見つかりにくいのが実状です。

また、他殺物件は買い手の判断に重要な影響を及ぼすことが考えられるため、他殺から年数が経過していても必ず告知しなければなりません。

物件の条件が良ければ一般の買い手が見つかる可能性もありますが、通常の物件よりも売却活動に時間がかかる点に留意しておきましょう。

スピーディーに他殺物件を手放したい場合、訳あり不動産の買取業者に依頼する方法がおすすめです。専門の買取業者であれば、一般的に1週間〜1か月程度で売却が完了します。

また、契約不適合責任に問われるリスクが低く、そのままの状態でも売却できるというメリットもあります。他殺物件の売却に時間をかけたくない場合は、買取業者に相談してみてください。

他殺物件に関するよくある質問

他殺物件を売却する際は何を告知すれば良いですか?

他殺物件を売却する際には、他殺が起きた事実や時期、場所などを説明しましょう。他殺の発生後に特殊清掃をした場合は、その事実もあわせて告げる必要があります。

他殺物件でも売却前に誰かが住めば告知義務はなくなりますか?

インターネットなどでこのような情報も見られますが、誰かが住んだからといって告知義務がなくなるわけではありません。事件後に誰かが住んだ他殺物件だとしても、売却の際には他殺があったことを原則伝える必要があります。

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更新日 : 2024年11月26日
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