事故物件の家賃相場はどのくらい安い?
事故物件とは、殺人や自殺、孤独死などにより人が亡くなった物件を指します。これらの物件はメディアなどの影響によって、世間的にも「事故物件=家賃が安い」というイメージがあるかもしれません。
実際、事故物件は相場の20~30%ほど安く貸し出されているケースがほとんどです。
本来、事故物件であっても家賃を下げる義務はなく、値下げ幅のルールもありません。しかし、家賃を下げないと借主が現れないため、自主的に家賃を下げざるを得ないのです。
事故物件の値下げ幅や家賃相場について詳しく解説します。
家賃の値下げ幅に明確なルールはない
一般的に事故物件の家賃は通常の物件より安いですが、これは法律で定められているわけではありません。家賃を下げないと借主が集まらないため、貸主が自主的に安くしているのが実情です。
家賃の値下げ幅に関する決まりはありませんが、事故物件であることを隠すことはできません。宅地建物取引法第35条でも「賃貸物件を貸す場合、借主に対して必ず物件の詳細を告知しなければいけない」と定められています。
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。引用:e-Govポータル「宅地建物取引法第35条」
部屋を借りた後で事故物件であることが発覚した場合は、貸主と借主でトラブルになる可能性が高いでしょう。しかし、この法律で定められているのは告知義務のみで、価格については一切言及されていません。
つまり、事故物件であったとしても、必ず家賃を下げなければいけない義務はありません。極端にいえば、事故物件である事実さえ伝えれば、貸主は家賃をいくらに設定しても問題ないのです。
事故物件の告知義務については、下記の記事も参考にしてみてください。
事故物件の家賃相場は通常より20〜30%安い
貸主が家賃を値下げしなくてもよいというのは極端な話にすぎません。
実際の賃貸経営では、事故物件をそのまま貸し出しても借主が集まらないケースが多いため、通常の物件よりも20%〜30%安い家賃で貸し出されることがほとんどです。
恐怖心や不便さがあったとしても、家賃が安ければ妥協できる人もいます。そういった人に入居してもらうために、貸主は家賃を値下げするのです。
事故物件である賃貸物件に借主が集まらない、相場の家賃で借りる人がいない理由として、以下の3つが挙げられます。
- 事故物件という事実に借主が心理的抵抗を感じるから
- 遺体の腐敗臭や体液により物件自体が損傷しているから
- 「事故物件=家賃が安い」というイメージ浸透しているから
それぞれの理由について解説します。
事故物件という事実に借主が心理的抵抗を感じるから
自殺や殺人、孤独死などで人が亡くなった部屋は、大多数の人が嫌悪感を抱きます。
殺人などの重大な事件が起きた場合、防犯性が低い物件だと思われますし、人が死亡したことで霊が出ると恐れる人も出てきます。そのため、事故物件に住みたいと希望する借主が見つかりにくいといえます。
同じ家賃を出して住むのであれば、事故物件を避ける人がほとんどであるため、事故物件の場合は家賃を下げざるを得ないのです。
なお、当社が行った事故物件に関するアンケートでは、「家賃が安いのであれば、事故の内容によっては検討する」といった人も多い結果が出ています。詳しくは、下記の記事を参考にしてみてください。
遺体の腐敗臭や体液により物件自体が損傷しているから
遺体の発見が遅れたり出血が多い場合、遺体の体液や血液で部屋自体の損傷が進みます。部屋の状態を回復するために、特殊清掃やリフォームなどを行うことになるでしょう。
しかし、部屋の壁紙や床を取り替えても、ウイルスから感染するおそれがあると思われて、住むことを避けられる場合もあります。
いくら部屋をきれいにしても借主が集まらないこともあるため、その場合は家賃を下げることとなるのです。
「事故物件=家賃が安い」というイメージ浸透しているから
事故物件は安くなることが世の中に広く知れ渡っているため、相場の家賃で借りようと考える人はほとんどいません。
最近ではテレビなどの影響で、日本全国の事故物件をまとめたサイト「大島てる」の知名度も上がっています。さらに事故物件に住むユーチューバーや芸人も現れるなど「事故物件=安く住める物件」という認識が広がっています。
そのため、事故物件であると知った借主側も「事故物件なら家賃を安くしてもらえるかも?」と期待するケースも多いです。
借主側に「事故物件=安い」というイメージが定着しているため、家賃を安くしないと借主が決まらないのです。
事故物件の価値や、事故物件サイト「大島てる」については、下記の記事で詳しく紹介しています。
事故物件の家賃が値上げするケース
「事故物件=安い」のイメージが強いですが、下記のような場合は家賃が値上げされる可能性があります。
- 告知期間を過ぎたら、相場の家賃に戻る可能性がある
- 同じ借主が住み続ける場合は、更新時に家賃を見直す可能性がある
それぞれ詳しく解説します。
告知期間を過ぎたら、相場の家賃に戻る可能性がある
国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関する ガイドライン 」では、告知義務の期間が3年と定められています。
自然死などを除き、他殺や自殺、火事などの事故死、特殊清掃が必要な孤独死があった場合は3年間は告知義務があるため、賃貸情報にも「心理的瑕疵事件」「告知事項あり」などを記載する必要があります。
しかし、概ね3年を過ぎると告知義務はなくなるため、その後、相場の家賃に戻る可能性もあり得ます。
なお、事件発生から3年間の間に仮に入居者がいたとしても、3年経過しなければ告知義務はなくなりません。
同じ借主が住み続ける場合は、更新時に家賃を見直す可能性がある
事故物件に住むときも当然、貸主と借主の間で賃貸借契約を結びます。契約の内容次第ですが、契約更新時には家賃が値上げされる可能性があると思っておきましょう。
賃貸の契約期間は2年間ですが「契約更新時も同じ家賃で貸す」などの内容がなければ、あらためて契約更新時に貸主が家賃を決めます。
安い家賃のまま賃貸経営を続けると、貸主も経営が苦しくなってしまうため、2年間住んで問題がなかった場合、事故物件の家賃が値上げされる可能性は高いです。
とはいえ、値上げされる金額については、大家との交渉次第なのでケースバイケースです。
需要と供給のバランスで家賃が決まるので、借主が決まりにくい場合なら家賃はそれほど値上げされず、そのままの条件で住める可能性もあります。
ただし、都心の駅近物件などの空室がすぐに埋まりやすい物件であれば、現在の借主が退去したとしても、貸主にとって空室リスクは大きくありません。
むしろ借主が退去した後「事故物件ではない物件として通常の家賃で募集したい」と考えているケースもあります。
家賃を値上げするかどうかは契約内容によりますが、どのように家賃を設定するかは貸主である大家次第です。
事故物件以外の部屋の家賃の値下げ交渉
もし自分が住んでいる賃貸マンションや賃貸アパートの別室が事故物件になった場合、家賃の値下げ交渉はできるのでしょうか。
事故物件以外の部屋の値下げに関しては交渉次第です。また、その物件の需要などにも左右されるでしょう。
交渉次第で家賃の値下げは可能である
賃貸借契約では、心理的瑕疵物件の告知義務が設けられていますが、心理的瑕疵の定義については定められていません。
心理的瑕疵については、人によって解釈の幅が異なるからです。
男性ではそれほど気にしない人はいますが、女性ではかなり気にする人もいます。
例えば、近所の小学校から出る騒音も、人によっては心理的瑕疵になります。
他の部屋で起きた殺人事件を気にしない人もいますし、逆に物件から退去したくなる人もいるでしょう。
貸主は借主に対して物件内で事故が起きた事実を告知する義務はありますが、必ずしも家賃を値下げしなければいけない義務はありません。
事故や事件が発生した部屋が自分の部屋からどれだけ離れているかによっても、交渉のしやすさは変わってきます。
もし2階の部屋で自然死が発生したとしても、5~6階など上の階に住んでいる人には臭いなどは漂ってきませんし、不気味と思うことはあっても実害はそれほど大きくないでしょう。
しかし、隣の部屋で殺人事件が起きた場合は防犯性の低さも気になりますし、不気味さや不安を感じたり、霊が漂っているのではないかと恐れる人も多いでしょう。
需要と供給の関係で交渉の成否が決まる
事故物件のガイドラインが明確ではないだけに、家賃の値下げに応じてもらえるかどうかは、需要と供給の関係つまり貸主と借主のパワーバランスによって変わります。
需要の少ない物件であれば「家賃を値下げしても住んで欲しい」と貸主が考えるため、家賃の値下げ交渉は可能です。
特に高級マンションの場合、空室があるとブランド価値が下がるので、家賃を下げてもらえる可能性が高いです。
逆に、立地の良いエリアや新築物件などは需要が高いため、貸主が強気の家賃を提示することもあります。
数千円程度の値下げに応じることはあるかもしれませんが、1万円以上の大幅な値下げはできない可能性が高いです。
そうした場合、家賃の値下げを要求するのではなく、防犯設備や管理体制の見直し、部屋の壁紙や床の張替えなどを要求するのもよいでしょう。
自分の物件が事故物件である場合の確認方法
「自分が住む物件は事故物件ではないか?」と気になる方もいるでしょう。
自分の住む物件が事故物件かを確認する方法は下記のとおりです。
- 事故物件サイトで調査する
- 不動産会社などに聞いてみる
- 不動産情報サイトで調べてみる
それぞれの方法について詳しく解説します。
【方法1】事故物件サイトで調査する
手軽に調べやすい方法の1つは「大島てる」などの事故物件サイトをチェックすることです。
「大島てる」は知名度の上昇により、管理人による手動更新だけではなく、事故物件情報を知る人からの投稿も相次いでいます。
時には間取りや室内の写真まで掲載されているため、事故物件情報を網羅したサイトといってよいでしょう。
サイトに備えつけた地図上には、事故物件の内容、どのようなトラブルがあったかなどの詳しい情報が掲載されています。
もし賃貸物件を借りた後に「この物件も事故物件?」と心配に思ったら、大島てるで確認してみるとよいでしょう。
【方法2】不動産会社などに聞いてみる
もっとも確実な手段は、部屋を借りるときに依頼した不動産会社に聞いてみることです。
そもそも心理的瑕疵は告知義務があるため、賃貸借契約時に不動産会社は正確な内容を伝える必要があります。
不動産会社から告知はなかったが、疑問を感じたときは不動産会社もしくは貸主に確認しましょう。
それでも情報が明らかにならない場合、他の不動産会社に聞いてみたり、他の部屋の住人に聞いてみたりするのも一つの手段です。
さらに、インターネットや新聞などで自分の住む物件の情報を調べるという方法もあります。
特に殺人事件などで刑事事件になった場合は、インターネットや新聞に掲載されている可能性が高いため、事件の内容まで確認可能です。
ただし、事故物件化した後にオーナーが名義を変えている可能性もあり、物件名だけで調べても正確な情報がつかめないことがあります。
可能であれば、他の部屋の住人や近隣住民などに聞いてみるのもよいでしょう。
【方法3】不動産情報サイトで調べてみる
事故物件の需要が増えている昨今、大手の不動産情報サイトで条件設定すれば、心理的瑕疵物件のみを検索可能です。
「自宅も事故物件では?」との疑問を抱いたときは、不動産情報サイトで自分のアパートやマンション名で検索してみたり、物件の住所や立地、家賃などの条件で検索しましょう。
そこで自分の物件が不動産情報サイトに掲載されていないかをチェックするのです。
もし自分の住む物件の情報が出てきて、特記事項に「心理的瑕疵あり」と表記されている場合、自分の住む物件が事故物件である可能性は高いです。
仲介に入った不動産仲介業者へ事実確認をおこない、可能であれば貸主に直接問い合わせてみましょう。
そして、事実確認の結果、事故物件であることを隠していた場合は家賃の値下げや退去費用などを請求できます。
【貸主向け】家賃収入が赤字になったら事故物件を売却しよう
自分の賃貸物件が事故物件になると、家賃収入が減少して貸主は損をするばかりです。
事故物件を所有している限り、固定資産税を毎年負担しなければならず、賃貸物件を管理・維持するにも費用が必要なので、手放したほうが良いケースも少なくありません。
そのため、家賃収入が赤字の場合、事故物件の賃貸経営を続けるより、物件自体を売却して損切りすることも検討してみましょう。
この項目では、事故物件を所有し続けるデメリットと、事故物件をすぐに買取してもらえる売却先を解説します。
事故物件を売却方法をくわしく知りたい人は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
事故物件の賃貸物件を所有し続けるデメリット
賃貸収入が減ってしまうと、事故物件を所有し続けることが最善であるとはいえません。
事故物件となった賃貸物件を所有し続ける場合、次のデメリットがあります。
- 固定資産税を毎年負担しなければならない
- 賃貸物件の管理費・維持費もかかり続ける
事故物件を所有している限り、固定資産税が毎年かかりますし、賃貸物件の管理・維持にも費用がかかるため、家賃収入が減っても支出は変わらずに続く一方なのです。
それぞれのデメリットを1つずつ解説します。
固定資産税を毎年負担しなければならない
賃貸物件の場合、土地や建物の所有者である貸主に固定資産税の支払義務があります。
賃貸物件の所有時にかかる固定資産税の金額は、以下の式で計算できます。
ただし、固定資産税は事故物件の所有時に最低限必要となる税金であり、場合によっては以下の税金も追加で納税しなければなりません。
賃貸物件の管理費・維持費もかかり続ける
事故物件で賃貸経営を続ける場合、以下の費用が必要です。
費用の種類 |
費用相場 |
共用部の光熱費 |
毎月3,000〜10,000円 |
定期清掃 |
毎月5,000円 |
修繕費 |
約100万円
(築5〜10年) |
約300万円
(築11〜15年) |
約200万円
(築16〜20年) |
約300万円
(築21〜25年) |
約200万円
(築26〜30年) |
あくまで上記は最低限必要となる費用で、ケースによっては退去後の原状回復費・不動産業者への広告料・賃貸管理の委託料がかかる場合もあります。
事故物件を売るなら「訳あり物件専門の買取業者」
事故物件を売る場合、自分が売りたくても買主がすぐ見つかるとは限りません。
とくに大手不動産業者の場合「事故物件は買主が少ない」と言われて、取扱を断られてしまったり、安値で買い叩かれてしまうケースも多いです。
そのため、事故物件を早く・確実に売りたい場合は「訳あり物件専門の買取業者」に売却すると良いでしょう。
なぜなら「訳あり物件専門の買取業者」に事故物件を売ると、次のメリットが得られるからです。
- リフォーム・解体せずにそのまま買取可能
- 最短数日で事故物件を現金化できる
一般的な不動産業者と異なり、事故物件をリフォーム・解体しなくてもそのまま買取してもらえる上、買主を探す必要がないので最短数日で事故物件を現金化できます。
それぞれのメリットを1つずつ解説していきます。
>>【無料相談】事故物件・訳あり物件の高値買取窓口はこちら
リフォーム・解体せずにそのまま買取可能
一般的な不動産業者である「仲介業者」で事故物件を売る場合、購入希望者が現れにくく、物件自体をリフォーム・解体しないと売却できないケースも少なくありません。
そうした場合、売主がリフォーム・解体費用を負担しなければならず、価格によっては事故物件を売却できても赤字になってしまう恐れもあります。
しかし「訳あり物件専門の買取業者」なら、リフォーム・解体が必要なほどの事故物件でも現状そのままの状態で速やかに買取してもらえます。
「訳あり物件専門の買取業者」は買取した事故物件を自社でリフォーム・解体して、資産価値を回復した後で再販売しますが、売主にリフォーム・解体費用は請求しません。
つまり、本来ならリフォーム・解体しないと売れない事故物件でも、手間や費用を買取業者が引き受けてくれるので、売主は何もせずに事故物件をそのまま売却できるのです。
最短数日で事故物件を現金化できる
「仲介業者」で事故物件を売る場合、買主が見つからない限りは物件を売れないので、事故物件の売却まで数ヶ月〜数年かかってしまうケースも珍しくありません。
しかし「訳あり物件専門の買取業者」なら、事故物件でも積極的に買取しているので、買取価格や条件に納得すれば、その時点で売買契約が成立します。
また先述したとおり、売主側でリフォーム・解体を施す必要もないので、最短数日で事故物件を買取してもらい、現金化することができます。
当サイトからも、事故物件の取扱実績が豊富な「訳あり物件の専門業者」に無料相談が可能です。
「賃貸経営を続けるべきか?この際に売却してしまうべきか?」など、不動産のプロがあなたと一緒に事故物件のお得な運用方法を考えるので、ぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
賃貸物件が事故物件になると、家賃相場は通常より20〜30%も安くなります。
安く賃貸物件に住みたい借主には絶好のチャンスですが、賃貸経営を続けるにも費用がかかる以上、賃貸収入が赤字化しやすい貸主にとってはピンチな状態でもあるのです。
「事故物件になったせいで空室が目立つ」や「家賃の値下げのせいで生活に困っている」といった場合、賃貸経営をやめて事故物件を売却してしまうのも良いでしょう。
一般的には売れにくい事故物件ですが「訳あり物件専門の買取業者」なら、リフォーム・修繕を施さなくても、最短数日で事故物件をそのまま買取してもらえます。
「賃貸経営を続けるか」を1人で判断するのは大変なので、まずは不動産業者に相談して、事故物件の運用方法を一緒に考えてもらうことをおすすめします。
訳あり不動産の売却でお悩みなら
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