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飛び降りがあったマンションは事故物件になる?判断のポイントや売却方法など徹底解説

マンションで飛び降りが発生した場合でも、すべてが一律に事故物件として取り扱われるわけではありません。
事故物件に該当するかどうかは、法的に明確な定義があるわけではなく、ガイドラインや実務上の判断に基づいて個別に判断されるのが実情です。

一般的には、「発生場所(専有部分か共用部分か)」と「事件性・社会的影響の有無」が重要な判断要素とされています。
実際の不動産取引においても、これらの要素を総合的に考慮して、告知の要否や価格への影響が判断されるケースが多いです。

一方で、エントランスや外廊下などの共用部分で起きたケースは、専有部分内での事故に比べて心理的抵抗が低いとみなされ、事故物件扱いにならないこともあります。

ただし、仮に屋上などの共用部分での飛び降りだったとしても、それが事件性が強く、買主や借主の心理的抵抗が強いとみなされた場合は事故物件に該当する可能性があります。

また、事故物件と認められる場合には「告知義務」が発生します。告知義務とは、物件の購入や入居を検討している人に対し、心理的影響を与える可能性のある事実を事前に説明する義務です。告知義務の時効について補足しますと、賃貸契約では事件や事故の発生から原則3年間で、売買契約については、賃貸のように一律の期間基準は設けられておらず、個別の事情に応じて告知の要否が判断されるのが実務上の取り扱いです。

ちなみに、共用部分での飛び降りは一般的に告知義務の対象外とされていますが、トラブル防止の観点から、告知義務の有無にかかわらず事実関係を整理したうえで説明することが望ましいとされています。

本記事では、飛び降りがあったマンションが事故物件になるかどうかのポイントや告知義務の有無、売却相場などについて詳しく解説します。飛び降りがあったマンションを所有しており、売却に関して悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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飛び降りがあったマンションが事故物件になるかどうかのポイント

マンションで飛び降りが起きたからといって、必ず事故物件になるわけではありません。
飛び降りがあったマンションが事故物件になるかどうかは、以下2つのポイントで判断されることが一般的です。

  • 飛び降りがあった場所が専有部か共用部か
  • 飛び降りに事件性があるかどうか

飛び降りがあった場所が専有部か共用部か

飛び降りがあったマンションが事故物件にあたるかどうかは、「飛び降りた場所」によって判断が分かれるのが実情です。

そもそも事故物件に明確な法的定義はありません。実際の取引では「買主・借主が心理的に入居をためらうかどうか」という観点で扱われています。当社へのご相談でも、「どこまでが事故物件に該当するのか分からない」「このケースは告知が必要なのか判断に迷っている」といったご質問をいただくことが多く、最終的には個別事情や買主の受け取り方を踏まえて判断されるケースが一般的です。

マンションの専有部、居室内やバルコニーなど、居住者が生活する空間で飛び降りがあった場合、入居者の心理的抵抗は強くなりやすく、事故物件とみなされることが多いです。

実際のアンケートでも「事故物件に住むのに抵抗がある」と答えた人は女性で69.1%、男性で45.7%と半数以上にのぼっています。

一方、「隣の部屋が事故物件になったら引っ越す」と答えた割合は全体で34.9%にとどまっており、入居する部屋でなければ気にならない人の割合が増える傾向が見られます。

エントランスや屋上など共用部で飛び降りがあった場合は「自分が住む部屋ではない」という意識から、心理的抵抗が薄れる人の割合はさらに多くなります。

実際に、「専有部からの飛び降りは看過できない」という場合でも、「共用部からの飛び降りなら気にしない」という方は一定数いらっしゃいました。

そのため、飛び降りがあったマンションが事故物件になるかどうかは、飛び降りがあった場所が専有部か共用部かが判断基準の一つになります。

参照:【事故物件】住める?住めない?事故物件への本音を969人に大調査!|PR TIMES

飛び降りに事件性があるかどうか

飛び降りが事故物件にあたるかどうかを判断するうえで、事件性や社会的な注目度も重要なポイントです。

たとえば、ニュースで報道されるような飛び降り事件が発生した場合、物件に関する情報が広く知られることになり、周辺住民のみならず物件を探している人にも強く印象づけられます。

このようなケースの場合、ガイドライン上は告知義務が必要ないケースでも、社会的には「事故物件」として扱われやすくなります。当社へのご相談でも、「ガイドライン上は問題ないと言われたが、実際に売却できるのか不安」といった声は多く、法的な扱いと市場での評価にギャップが生じるケースは少なくありません。

周知性が高い事案ほど、入居希望者が心理的な抵抗を感じやすいため、結果的に売却や賃貸に出す際に買主や借主が見つかりにくくなります。

そのため、飛び降りに事件性がみられる場合には、全国ニュースで報道されたかどうか、地域で広く知られているかなどの点を踏まえ、事故物件として扱うかどうかを判断する必要があります。

【具体例】飛び降りがあったマンションが事故物件になりやすい・なりづらいケース

ここからは、飛び降りがあったマンションが事故物件になりやすいかどうかを具体例とともに見ていきます。

飛び降りがあったマンションが事故物件になりやすいケース

飛び降りがあったマンションが事故物件になりやすいケースの例は、以下のとおりです。

  • マンション室内(リビングや寝室など)から家族が飛び降りた
  • マンション住戸のバルコニーやベランダから家族が飛び降りた
  • 非常階段や共用廊下など、住民が日常的に利用する場所から飛び降りがあった
  • スカイラウンジや屋上庭園など、住み心地の良さに影響を及ぼす場所から飛び降りがあった
  • 上下左右の部屋から飛び降りがあった
  • 外部の人が屋上から飛び降り、住民が日常的に利用する共用部に落下した
  • 社会的に知名度がある人などが飛び降りをし、連日ニュースとして報道された
  • 飛び降り後に警察の現場検証が行われ、多くの近隣住民に認知された

上記のようなケースの場合、心理的な抵抗が強く働きやすく、買主や借主に敬遠されやすく、事故物件として扱われる傾向にあります。

とくに、専有部分や居住者の生活に直結する場所で起きた飛び降りの場合は「自分が同じ場所に住むのは避けたい」と感じる人が多くなります。そのため、賃貸であれば入居希望者が集まりにくくなり、売却であれば市場価格よりも売却価格が下がる可能性があります。

また報道によって全国的に周知されるケースでは、近隣住民以外にも情報が伝わり、「自殺があったマンション」というイメージが定着して敬遠されやすくなります。

飛び降りがあったマンションが事故物件になりづらいケース

マンションから飛び降りがあったとしても、状況によっては事故物件として扱われにくい場合もあります。具体的には以下のようなケースです。

  • 自室以外の専有部で飛び降りがあった
  • 屋上など住民が普段利用しない場所から飛び降りがあった
  • 通常は立入禁止となっている場所から飛び降りがあった
  • 報道や近隣住民への認知がほとんどなく、社会的に周知されなかった

上記のような場合、心理的抵抗を感じる人が比較的少なく、事故物件として取り扱われるケースは少ない可能性があります。

当社へのご相談でも、「自分が住む専有部で起きた出来事ではない」「ニュースになっておらず周知されていない」といった条件が揃う場合には、心理的な抵抗が比較的小さいと判断されるケースが多いのが実情です。

ただし、上記のようなケースでも全く影響がないわけではありません。過去に飛び降りがあった事実を知った場合、一部の人が敬遠する可能性は残るため、事故物件かどうかを判断するのはあくまでも買主や借主であると認識しておきましょう。

飛び降りがあった物件には告知義務が生じるのが基本

マンションで飛び降りがあった場合、売買や賃貸などの取引の際には「告知義務」が生じるのが基本です。

告知義務とは、不動産を売却したり賃貸に出したりするときに、買主や借主に不利益となる事実を正直に伝えなければならないという義務のことです。買主や借主が「物件に住むかどうか」を正しく判断できるようにするために設けられています。

飛び降りがあったマンションの告知義務に関して、注意すべきポイントは以下のとおりです。

  • 飛び降りがあったことについての告知義務の時効は売買と賃貸で変わる
  • 告知義務違反になると契約不適合責任を問われることがある
  • 告知義務が生じない場合でも飛び降りがあったことを伝えておくのが賢明

飛び降りがあったことについての告知義務の時効は売買と賃貸で変わる

飛び降りがあったマンションに関する告知義務の取扱いは、売買と賃貸で異なります。

売買契約の場合、賃貸のように一律の期間基準は設けられておらず、経過年数にかかわらず、買主の判断に重要な影響を与える事情については告げることが求められるのが一般的です。

一方で賃貸契約の場合は、国土交通省のガイドラインに基づき、事案発生から概ね3年が経過した場合には、原則として告知の必要性が低くなるとされています。

当社へのご相談でも、「何年前の出来事まで伝えるべきか判断に迷う」というご質問は多く、最終的には事案の内容や周知性を踏まえて個別に判断されるケースが一般的です。

【告げなくてもよい場合】
①【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)。
②【賃貸借取引】取引の対象不動産・日常生活において通常使用する必要がある集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死が発生し、事案発生(特殊清掃等が行われた場合は発覚)から概ね3年間が経過した後
引用元 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン

ただし、賃貸契約の場合でも「3年経てば必ず伝えなくてよくなる」というわけではありません。

たとえば、事件性が高くニュースで大きく報道されたケースや、地域住民に広く知られているケースなど、社会的な影響度が大きい飛び降りがあった場合は、3年以上経過していても事実を告げるのが基本です。

また、入居希望者から「過去に事故はありませんか」と尋ねられた際には、期間の経過に関わらず飛び降りがあったことを正直に答える必要があります。

「売買契約の場合は年数にかかわらず必ず告げる」、「賃貸契約の場合は概ね3年で告知義務はなくなるが、事件性が高いケースなど例外もある」と認識しておきましょう。実際の取引現場でも、ガイドライン上は告知不要と整理されるケースであっても、買主・借主トラブルを避ける観点から事実関係を説明する運用が選ばれることが多いです。

告知義務違反になると契約不適合責任を問われることがある

飛び降りのあった事故物件を売買・賃貸する際に告知義務を怠ると、取引相手から契約不適合責任を問われるリスクがあります。

契約不適合責任とは、引き渡した不動産が契約で合意した内容
に適合していない場合に負う責任のことです。飛び降りなどによる心理的瑕疵がある状態を隠して売却した場合も、契約内容に適合しない状態とみなされる可能性があります。

心理的瑕疵による契約不適合責任が認められた場合、買主・借主側は代金減額請求や損害賠償請求、契約解除などを主張できる可能性があります。
売主・貸主側は売却代金の返還に加え、引っ越し費用や調査費用などの負担を求められるケースもあります。

そのため、飛び降りがあった事故物件を売却したり貸し出したりする際には、飛び降りの事実や場所、時期などを正確に伝えるようにしましょう。

告知義務が生じない場合でも飛び降りがあったことを伝えておくのが賢明

前述したとおり、マンションで飛び降りがあったからといって、必ず告知義務が生じるわけではありません。

たとえば、自室以外の専有部分や、日常生活で通常使用しない共用部分で飛び降りがあった場合には、国土交通省のガイドライン上、告知対象とならない整理がなされるケースもあります。

【告げなくてもよい場合】
①【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)。
(中略)
③【賃貸借・売買取引】取引の対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死
引用元 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン

しかし、ガイドライン上は告知義務が生じないケースであったとしても、取引相手には飛び降りがあった事実を伝えておくのが賢明です。

買主が後から事実を知った場合、法的な責任までは追及されなくても「聞いていなかった」と不信感を抱かれ、クレームや契約トラブルに発展する恐れがあるからです。トラブルが発生すると説明や対応に余計な手間やコストがかかり、スムーズな取引が難しくなります。

後々のトラブルを未然に防ぐためにも、契約前の段階で、買主に影響し得る情報は丁寧に共有しておくことが実務上は一般的です。

飛び降りがあったマンションは売却相場が下落しやすい

飛び降りがあったマンションをはじめ、事故物件は通常の物件と比べて売却価格が下がる傾向があります。

自殺による死亡事故が起きた物件は、購入希望者が心理的な抵抗を感じやすく、需要がある可能性があるから です。その結果、どうしても相場より安い価格での取引になりやすいのが実情です。

弊社の相談でも、飛び降りがあったマンションの売却相場は、飛び降りが専有部からだったのか共用部からだったのかによって異なる傾向があります。たとえば、専有部で発生したケースでは心理的影響が強く働きやすく、価格調整幅も大きくなる一方で、共用部で発生したケースでは、居住空間そのものへの影響が限定的と判断され、比較的価格への影響が小さくなることがあります。

  • マンションの専有部から飛び降りがあった場合:心理的影響が強くなりやすく、一般的には売却価格が10%〜30%程度下がるケースが多い
  • マンションの共用部から飛び降りがあった場合:影響は相対的に小さくなる傾向があり、市場価格に近い水準で成約するケースもあるが、報道状況や周知度によっては価格調整が必要となることもある

マンションの専有部から飛び降りがあった場合:心理的影響が強くなりやすく、一般的には売却価格が10%〜30%程度下がるケースが多い

マンションの室内やバルコニーなど専有部で飛び降りがあった場合、一般的には通常の売却価格よりも一定程度の価格調整が生じるケースが多いです。

たとえば、市場価格が2,000万円のマンションであれば、買主の心理的負担や流通状況を踏まえ、結果として1,400万円〜1,800万円程度のレンジで成約するケースが見られることがあります。

なお、同じ専有部での事案であっても、室内への影響の有無や清掃・リフォームの状況によって価格への影響度は変わります。飛び降りの場合は室内の損傷が限定的なケースも多く、他の心理的瑕疵事案と比べると価格調整幅が抑えられることもあります。

弊社へのご相談でも、専有部での発生事案は「10%前後の調整を一つの目安として提示されるケースがある」といったご説明をすることがあります。

一方で、室内に痕跡が残り特殊清掃や大規模リフォームが必要となる場合には、追加コストや買主側の負担感も加わり、結果としてより大きな価格調整につながるケースもあります。

なお、実際の売却価格は立地や築年数、市場動向など複数要因で変動するため、個別査定での確認が前提となります。

マンションの共用部から飛び降りがあった場合:影響は相対的に小さくなる傾向があり、市場価格に近い水準で成約するケースもあるが、報道状況や周知度によっては価格調整が必要となることもある

これは、実際に居住する専有部分そのものではないため、買主の心理的抵抗が比較的軽減されやすいことによります。そのため、条件が整えば市場価格に近い水準で成約するケースも見られます。

ただし、「共用部であるため影響がない」と一律に判断できるものではありません。事件の内容や報道状況、管理組合内での共有状況などによっては、買主の受け止め方に差が出るため、結果的に価格調整が必要となるケースもあります。

特に、広く報道された事案や管理組合内外で認知度が高いケースでは、共用部であっても一定の価格調整が生じることは少なくありません。

そのため、共用部での事案についても「影響が比較的軽くなる場合もある」といった程度の理解にとどめ、実際の取引では個別事情を踏まえて価格を検討するのが一般的です。

飛び降りがあったマンションの売却事例

東京都足立区にあるマンションで、共用部分において飛び降り自殺が発生した物件を買い取った事例があります。

依頼者様は「できるだけ早く売却したい」という希望をお持ちだったため、弊社では迅速に調査を行い、最終的に1,300万円での買取を実現しました。

こちらの事例では共用部での発生であったことから、専有部で発生したケースと比較すると買主側の心理的影響が相対的に限定的と評価されやすい傾向があり、取引条件の整理もスムーズに進みました。

なお、実務上は共用部での事案であっても、発生状況や周知度によって取扱いが変わるため、個別事情を踏まえて慎重に判断されることが一般的です。

一口に事故物件といっても、発生場所や物件の条件、市場環境によって評価が異なるため、弊社では個別事情を踏まえた上で査定を行っています。

飛び降りがあったマンションの売却方法

飛び降りがあったマンションの売却方法は、主に仲介と買取の2種類があります。

それぞれ特徴や適するケースが異なります。

どちらの方法が適しているかは、物件の立地条件や築年数、市場での需要状況、売却までに求める期間などによって変わります。

そのため、一概にどちらが優れているというものではなく、状況に応じて選択されるのが一般的です。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

仲介|条件が合致すれば、相場に近い価格での成約が期待できる場合がある

仲介は、不動産会社を通じて市場に物件を公開し、購入希望者を募る売却方法です。条件が合致すれば、相場に近い価格での成約が期待できる場合があります。

飛び降りがあったマンションであっても、以下のような条件がそろっている場合には、仲介での売却が検討されることがあります。

  • 駅や繁華街から近い
  • 都心部など人気のエリアにある
  • 築年数が浅い
  • マンション内にラウンジやフィットネスなど便利な施設がある

一方で、心理的瑕疵の影響や市場環境によっては、購入希望者が現れるまでに時間がかかる場合もあります。

そのため仲介は、「時間をかけても市場での成約を目指したい場合」や「立地条件が良く需要が見込める場合」に検討される方法です。

買取|売却までの期間が比較的短い

買取は、買取り業者が直接物件を買い取る方法です。購入希望者を市場で探す必要がないため、売却までの期間が比較的短い点が特徴です。

飛び降りがあったマンションの場合でも、以下のようなケースでは買取が選択肢となることがあります。

  • 立地や築年数などの条件により市場での売却が難しい場合
  • できるだけ早く現金化したい場合
  • 内覧対応や販売活動の手間を避けたい場合

また、買取では現状のまま引き渡しが可能なケースもあり、清掃やリフォームを行わずに売却できる場合があります。

そのため買取は、「比較的短期間に売却したい場合」や「市場での売却が長期化するリスクを避けたい場合」に検討される方法です。

飛び降りがあった物件の売却で悩んだ時は専門の買取業者も検討する

飛び降りがあったマンションの売却で悩んだときは、訳あり物件専門の買取業者に依頼することも検討しましょう。買取業者に依頼するメリットは以下のとおりです。

  1. 飛び降り自殺のあった物件でもそのまま売却できる可能性がある
  2. 契約不適合責任が原則免除される
  3. 買主を探す手間が省けるので早く物件を処分できる可能性がある

それぞれのメリットを1つずつ解説します。

飛び降り自殺のあった物件でもそのまま売却できる可能性がある

飛び降り自殺のあったマンションを売却する場合、状況によっては室内の状況確認や清掃対応が必要となることがあります。また、室内に目立った痕跡がない場合でも、印象面を考慮してリフォームを検討するケースも見られます。

そのため、対応内容によっては一定の費用負担が発生する場合もあり、売却条件とのバランスを踏まえた検討が必要になることがあります。

一方で、訳あり物件の取り扱いに慣れた買取業者では、現状のまま相談できるケースもあり、清掃やリフォームを前提とせずに売却が進むこともあるのです。

結果として、売却前の追加対応を抑えながら手続きを進められる点が、選択肢の一つとして検討される理由となることがあります。

契約不適合責任が原則免除される

仲介売却で一般の買主にマンションを売る場合、引き渡し後に説明していない瑕疵が見つかった際には、「契約不適合責任」が問題となる可能性があります。

一方で、買取業者へ売却する場合は、契約内容として契約不適合責任を免責とする形で進むことが多く、その場合は売却後の責任関係が整理されるのが一般的です。

瑕疵には、人の死亡に関する心理的な要素だけでなく、雨漏りや設備不良といった物理的な不具合も含まれます。

そのため、取引形態によって責任範囲の考え方が異なる点を理解したうえで、売却方法を検討することが重要です。

買主を探す手間が省けるため仲介よりも早く売却できる可能性がある

買取業者に依頼する場合、不動産会社が直接買い取るため、一般的な仲介のように購入希望者を広く募集する必要がありません。

そのため、条件がまとまれば比較的スムーズに手続きを進められるケースもあり、売却期間を短縮できる可能性があります。

「できるだけ早く手続きを進めたい」「販売期間の長期化を避けたい」といった事情がある場合に、選択肢の一つとして検討されることがあります。

飛び降り自殺のあった物件をトラブルなく売るには?

飛び降りがあったマンションでも売却は可能ですが、トラブルを回避するためにも、以下のポイントに注意しましょう。

  • 飛び降りがあった事実を買主へ告知する
  • 物件を清掃・リフォームして自殺の痕跡を消す
  • 遺恨を残さないよう近隣の人に挨拶をする

売却時の注意点について、1つずつ確認していきましょう。

飛び降りがあった事実を買主へ告知する

前項でも解説しましたが、物件を購入する買主には、飛び降り自殺があった事実を伝える必要があります。

  • 飛び降り自殺があった時期
  • 飛び降り自殺の内容

心理的瑕疵の受け取り方は人それぞれであるため、自殺の起きた事実を伝えることで、物件の購入を取り止めてしまう人は一定数存在します。

しかし、飛び降りがあったことを隠して売却すると、あとから契約解除請求や損害賠償請求を受けるリスクがあります。たとえガイドライン上で告知義務がない(法的に瑕疵とみなされない)ケースであっても、後から事実を知った買主から「騙された」と不信感を持たれ、無用なクレームや事実確認の対応に追われるトラブルは多々あります。円滑な取引のためにあらかじめ事実を伝えておくとよいでしょう。

なお、売買契約の場合は、原則として取引時点における重要な判断材料となる事実については、経過年数にかかわらず説明が必要となります。そのため、飛び降りがあった日からどれだけ年数が経過している場合でも、基本的にはその事実を買主に伝えることが実務上は一般的です。

当社へのご相談でも、「何年経過すれば説明不要になるのか」というご質問をいただくことがありますが、年数だけで一律に判断するのではなく、物件の状況や周知性などを踏まえて個別に判断するケースが多い印象です。

物件を清掃・リフォームして自殺の痕跡を消す

飛び降り自殺は室内が汚れることは少ないですが、できる限り清潔にしておきましょう。

たとえば、物が散乱していたり空気がほこりっぽかったりすると、内覧に来た人からの印象は悪くなってしまいます。

事故物件こそ、念入りに清掃をして明るさを出すことが有効な手段です。故人の私物が多く残っている場合には、一時的に撤去するなどの対策を講じましょう。

飛び降り自殺は、室内で亡くなったわけではありません。自殺の痕跡を消して、良い印象を与えられれば、成約できる可能性が高まります。

なお、リフォームをして物件の印象を変えるのも有効な手段ですが、費用をかけても売れない場合もあるので慎重に検討しましょう。

遺恨を残さないよう近隣の人に挨拶をする

近隣の人には、売却する前にきちんと挨拶をすることも重要です。

飛び降り自殺が発生するとマンション全体に多大な迷惑がかかるため、お詫びと売却する事実を伝えるのがマナーです。その際、マンションでは上下左右の住戸や管理会社、戸建ての場合は近隣数軒に対して、必要に応じて挨拶やお詫びの対応を検討することがあります。

新しい買主が入居後にスムーズな人間関係を作れるよう、わだかまりを解いておくことは非常に重要です。自殺物件と知りながら購入したとしても、それが原因で近隣と後々トラブルになるかもしれません。

また、共用部に修繕が必要なこともあるため、きちんと話し合いを済ませておく必要があります。近隣住居や管理会社に誠意をもって対応し、次に所有する買主へ遺恨を残さないようにしましょう

まとめ

飛び降りがあったマンションは事故物件になりやすいものの、すべてのケースで事故物件になるとは限りません。

自室とは関係ない専有部や、住民が普段利用しない共用部での飛び降りは事故物件にはなりづらく、売却時にも大きな影響が出にくいものです。

ただし、そのようなケースでも飛び降りがあったことを隠して売却するのは控えましょう。心理的瑕疵の受け取り方は人それぞれであり、事故物件かどうかを判断するのはあくまでも購入者だからです。

立地や築年数などの条件がよい物件であれば、飛び降りの事実を告知しても市場価格に近い価格での成約が期待できます。一方で、立地や築年数などの条件によっては、仲介での売却活動に一定の期間を要するケースもあります。物件の個別事情や市場状況によっては、購入検討者が現れるまでに時間がかかる場合もあります。

飛び降り自殺のあった家を売る時によくある質問

飛び降り自殺のあった家が売れない場合、どうすればよいですか?

「売却価格を20〜30%値下げして売り出す」「建物を取り壊して更地にしてから売却する」といった方法であれば、事故物件でもスムーズに手放せる可能性が高いです。

飛び降りのことがインターネットに書かれている場合、売却価格に影響しますか?

SNSなどで飛び降りのことが周知されている場合、告知義務の有無にかかわらず市場で事故物件というイメージが広まってしまい、価格下落の影響も大きくなります。

飛び降りがあったマンションでも時間が経てば売れやすくなりますか?

飛び降りから年月が経つことで当時の出来事を知る人が減り、心理的抵抗が薄れていくため、売却しやすくなるケースはあります。ただし、どれだけ時間が経っても告知義務が消えることはないため、長期間経っても敬遠されやすいのは避けられません。

また、時間が経つと建物が経年劣化してしまううえ、毎年の固定資産税もかかります。そのため、「立地がよく資産価値が上がりそう」という見込みがない限り、早めに売却することをおすすめします。

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    更新日 : 2025年11月07日
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