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病死が起きたら事故物件になる?告知義務・価格相場・売却方法を解説 

病死が起きたら事故物件になる?告知義務・価格相場・売却方法を解説 

病死が起きた物件は原則として事故物件には該当せず、買主に対する告知義務も発生しません。そのため、通常の物件と同じように売却が可能です。実務上のご相談では「本当に告知しなくてよいのか不安」という声も多く、病死の状況や発見までの経緯によっては、慎重に判断すべきケースも少なくありません。

病死後に遺体の発見が遅れた場合は、心理的瑕疵が認められる可能性があり、事故物件に該当する可能性があります。病死が起きた物件が事故物件になるケースとして、下記の例が挙げられます。

  • 孤独死などでニュースで取り上げられた
  • 遺体の発見が遅れて事件性を疑われた
  • 室内に異臭や汚れが残っている

病死が起きた物件が事故物件になるかどうかの判断基準として、「病死後すぐに発見されたかどうか」が重要視されることがあります。

孤独死などで遺体の発見が遅れると、事件性を疑われて警察の捜査が入ることがあるため、事故物件に該当する可能性が高まります。

事故物件に該当する際は、物件の売却時に買主に対して告知義務が生じます。

告知義務のある物件は通常の物件と比べて売却相場が10%〜50%程度下がるうえ、長期間にわたって買い手が見つからない恐れもあります。実際に当社へのご相談でも、事故物件に該当するケースでは価格が相場より10%〜50%程度下がる前提で検討されることが多く、販売期間も長期化する傾向が見られます。

病死が起きた物件を手早く高めに売りたい場合は、訳あり物件専門の買取業者への売却も選択肢の一つです。

病死が起きた物件の売却方法としては、仲介で一般の買主を探す方法と、買取業者へ直接売却する方法の2つが考えられます。

仲介:時間をかければ相場に近い価格で売却できる可能性がある
買取:価格は一定程度下がる傾向があるものの、早期売却がしやすい

実際のご相談でも「時間を優先するか、価格を優先するか」で選択されるケースが多いです。

特に、事故物件の取り扱いに慣れている買取業者であれば、物件の状況に応じた査定や活用方法の提案を受けられるため、早期売却を検討している場合は選択肢の一つになります。

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病死が起きても基本的には事故物件にならない

病死が起きた物件でも、必ず事故物件に該当するとは限りません。

例えば、以下のような状況の場合は自然死とみなされ、事故物件に該当しないのが一般的です。

  1. 家族に看取られて死亡した
  2. 救急車を手配したものの物件で死亡した
  3. 物件で倒れて搬送先の病院で死亡した

物件内で家族に看取られて死亡した場合や、救急車の手配後に物件内で死亡した場合は、基本的に事故物件にはなりません。

家族や救急隊員が死亡を確認し、病死であることが明らかになるため、事件性を疑われる心配がないからです。死因が明確で事件性がないと判断される場合、買主に与える心理的影響も限定的と考えられます。

また、物件内で倒れて搬送先の病院で亡くなった場合、死亡した場所は病院となることから物件への影響はありません。

上記のようなケースにおいては、病死後は速やかに必要な手続きや対応が行われ、適切な処置が講じられるのが一般的です。

病死後すぐに適切な処置が取られた場合は、物件に対する影響を最小限に抑えられることから事故物件にはなりにくいのです。

病死が起きたことで事故物件になるケース

病死が起きても基本的に事故物件にはなりませんが、例外として以下のようなケースでは、病死でも事故物件に該当する可能性があります。

  1. 孤独死などでニュースや新聞に取り上げられた
  2. 遺体の発見が遅れ事件性が疑われた
  3. 室内に異臭や汚れが残っている

これらはあくまで代表例ですが、「第三者が心理的抵抗を感じるかどうか」が実務上の判断ポイントになることが多いとされています。

それぞれのケースについて詳しく解説します。

孤独死などでニュースや新聞に取り上げられた

孤独死などでニュースや新聞に取り上げられた場合は、事故物件とみなされる可能性が高いです。

メディアによって報じられることで事件の詳細が公に知られることになり、物件に対する心理的な影響が大きくなるためです。

また周囲に「事件があった物件」と認識される可能性が高く、そうなると「周囲の目が気になる」「住みにくい」といった心理的瑕疵が発生する可能性もあります。

さらに事故物件の情報掲載サイトである「大島てる」に掲載された場合も、世間に広く知れ渡る可能性が高いため、事故物件に該当すると考えられます。

このように、病死であってもニュースで取り上げられたりネットに掲載された場合は、事故物件に該当する可能性が高いので注意が必要です。

遺体の発見が遅れ事件性が疑われた

単身での孤独死は、遺体の発見が遅れてしまうことが珍しくありません。

遺体の発見が遅れて死因が不明瞭な場合は、事件性が疑われる可能性があります。

事件性が疑われると、警察官が物件の周囲で聞き込みをするなどの捜査を始めるのが通常です。

そうなると、事件のあった物件という印象を周囲に抱かれてしまうため、心理的瑕疵のある事故物件に該当します。

警察の捜査の結果、事件性はないと判断されたとしても「事件性が疑われ、捜査をされた」という事実が心理的瑕疵につながります。

室内に異臭や汚れが残っている

孤独死の場合でも、事件性はないとされて捜査が行われなかったり、ニュースや新聞などで報道されなかったりすれば、基本的には事故物件になりません。

しかし、遺体の発見が遅れると室内に異臭が充満したり、遺体のシミが床に残る場合があります。

異臭や汚損が生じている場合、物件の居住環境に直接的な影響を及ぼすため、買主にとって心理的負担となる可能性があります。特に、特殊清掃が必要とされるようなケースでは、床材や壁材の交換・消臭作業などが求められることもあり、物件の状態によっては原状回復に一定の対応が必要となります。

そのため、室内に異臭や汚れが残っている場合、事件性や報道がなくても事故物件に該当する傾向があります。

物件内で病死が起きたら告知義務はどうなる?

事故物件に該当すると、売却時は買主に対して心理的瑕疵を告知しなければなりません。

しかし先述したとおり、病死の起きた物件でも事故物件に該当しないケースもあります。

物件内で病死が起きた場合、売却時の告知義務は以下のとおりです。

状況 告知義務
事故物件に該当しない 告知義務はない
事故物件に該当する 告知義務がある
前住人の時点で事故物件 告知義務がある

病死が起きた物件の告知義務について、それぞれ詳しくお伝えします。

事故物件に該当すると告知義務が発生する

家族に看取られて死亡した場合や、救急車を呼んでから死亡した場合などは原則として「自然死」とみなされます。そのため事故物件には該当せず、告知義務も発生しません。

国土交通省が公表している「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」
にも、以下のように記載されています。

取引の対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)については、原則として告げなくてもよい。
引用元:宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン|国土交通省

事故物件に該当しない場合は、通常の不動産として売却契約ができます。

反対に、孤独死などでニュースに取り上げられたり、発見が遅れて異臭や汚れが残ってしまった物件には心理的瑕疵があるため、告知義務が生じます。

告知義務が生じている場合は、どのような事案が発生したのかを伝えたうえで、売買契約を締結しましょう。

売却時の告知義務には時効がない

不動産の売買における告知義務には、時効が設けられていません。

そのため、一度でも心理的瑕疵が生じた物件を売却する際には、実務上は数十年経過していてもトラブル回避のために告知することが一般的です。

例えば、自分が住んでいたよりも前の住人が病死した事故物件を売却する場合でも、告知義務は生じます。

ただし、不動産賃貸においては、事故の発生から概ね3年が経過した場合、原則として告知は不要とされていますが、事案の内容や社会的影響の程度によっては、この限りではありません。

告知義務に違反すると契約不適合責任を問われる

事故物件であることを告知せずに売買契約を結ぶと、契約不適合責任を問われ、買主から損害賠償請求をされる恐れがあります。

トラブルを未然に防ぐためにも、必ず告知義務は果たしましょう。

なお、事故物件に該当しない場合は、原則として告知義務は発生しません。
ただし、取引後に買主との認識の相違が生じる可能性もあるため、状況によっては事前に説明しておくかどうかを検討することが望ましい場合もあります。

実務上、不動産会社が告知の要否を判断する際のポイントは、「近隣住民への聞き込みで噂になっているか」「特殊清掃が入ったことを近隣が見て知っているか」です。

たとえガイドライン上で告知不要の自然死であっても、内見時に近隣から「あそこ、最近人が亡くなって…」と買主に耳打ちされれば一気にトラブルになる可能性が高まります。そのため、少しでも周辺に認知されている事実があれば、誠実に事前告知をするのが鉄則です。

また、告知の要否について判断に迷う場合は、宅地建物取引業者や専門家(弁護士など)に事前に相談し、個別の事情を踏まえて確認することをおすすめします。

病死が起きた物件の価格相場

病死のあった物件を売却するとき、気になるのは「売却価格に影響するのか?」という点ではないでしょうか。

病死は事故物件に該当しない場合があり、一般的に市場価格に近い水準での売却が期待できます。

ここでは、病死が起きた物件の売却価格について詳しく見ていきましょう。

事故物件に該当しない場合は通常物件に近い価格で売却できる可能性がある

一般的には、病死が発生した物件であっても、事故物件に該当しないと判断されるケースは少なくありません。

これは、病死が報道されるケースが限定的であり、かつ物件に顕著な影響(臭気や汚損など)が残らない場合には、心理的瑕疵が認められないと判断されることがあるためです。

そのため、病死が発生した物件であっても、個別の状況によっては通常の物件と大きく乖離しない価格帯で売却できる可能性があります。

事故物件に該当する場合は売却価格に影響が出る可能性がある

病死が発生した物件が事故物件に該当する場合、売却価格は相場と比較して一定程度下落する可能性があります。

一般に、心理的瑕疵の程度が大きいと判断されるほど、価格への影響も大きくなる傾向があります。

心理的瑕疵の程度と価格への影響の一例は、以下のとおりです。

孤独死が近隣に広く認知されている 相場より1〜2割程度下落するケースがある
メディア等で報道された 相場より2〜3割程度下落するケースがある
異臭や汚損など物件への影響が残っている 相場より3〜5割程度下落するケースがある

なお、上記はあくまで参考目安であり、実際の売却価格は、物件の立地・状態・需要動向や買主との交渉状況など、個別の事情によって異なります。

病死が起きた物件をなるべく高値で売却する方法

売りたい物件が事故物件に該当する場合、相場よりも売却価格が安くなる可能性がありますが、できれば高値で売却したい人も多いのではないでしょうか。

病死が起きた物件をなるべく高値で売却する方法は、以下の3つです。

  1. 特殊清掃をして原状回復する
  2. 一定期間経過後に売却する
  3. 買取業者への売却を検討する

自身の状況に照らし合わせて、最適な方法を探してみてください。

【方法1】特殊清掃をして原状回復する

「清掃して売りに出したが、なかなか買主が見つからない」という場合は特殊清掃も選択肢のひとつです。
事故物件に該当した物件に異臭や遺体の痕跡が残っている場合、売却価格は下がる傾向にあります。

原状回復をさせるためにも、特殊清掃をしてから売却するのがおすすめです。

実務上、数百万円をかけて全面リフォームをしても費用を回収できないケースが多いため、まずは特殊清掃で異臭や衛生面のマイナスをリセットすることに専念し、その後の内装は買主の好みに任せてそのままの状態で売却するのが、手元にお金が残りやすい方法です。

【方法2】一定期間経過後に売却する

売却を急がない場合には、一定期間を経てから売却を検討する方法も選択肢の一つです。

病死による事故物件は、自殺や事件性のあるケースと比較すると心理的抵抗感が小さいとされる傾向があり、時間の経過によって買主の受け止め方がやわらぐケースもあります。

ただし、国土交通省のガイドライン上、「経過年数によって告知義務がなくなる」という取り扱いは売買には適用されず、将来的に売却する場合であっても原則として事実の告知は必要となります。

そのため、「時間が経てば告知しなくてよくなる」という前提で売却時期を遅らせる判断は適切とはいえません。一方で、室内のリフォームや原状回復を行い、物件の印象を改善したうえで一定期間を空けて売却することで、心理的なハードルを下げられる可能性はあります。

ただし、売却を先延ばしにする場合には、その間の固定資産税や維持管理費、建物の経年劣化による資産価値の低下といったコストも発生します。こうした点を踏まえると、時間をかけること自体が必ずしも有利に働くとは限らず、あくまで選択肢の一つとして慎重に検討することが重要です。

【方法3】買取業者への売却を検討する

事故物件の場合、一般的な不動産会社では取り扱いの可否や販売方針が分かれることがあり、物件の状況によっては売却までに時間を要するケースも見られます。

事故物件は物件ごとの事情により買主の需要が限定される傾向があり、仲介による売却では買主探索に時間を要する場合があるためです。

売却時期を重視する場合には、買取業者への売却も選択肢の一つとなります。

事故物件の取り扱い実績を有する買取業者であれば、物件の状況に応じた価格提示や比較的迅速な取引が期待できる場合があります。

一方で、仲介による売却では、時間をかけて買主を探すことで、条件次第ではより高い価格での成約が見込める可能性もあります。

このように、価格を重視するか、売却までの期間を重視するかによって、仲介と買取のいずれが適しているかは異なるため、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。

まとめ

病死が発生した物件であっても、事故物件に該当しない場合には、一般的に市場価格に近い水準で売却できる可能性があります。

一方で、事故物件に該当する場合には、心理的瑕疵の影響により、相場と比較して価格が下落する傾向が見られます。なお、その下落幅は物件の状況や市場環境などによって異なります。

また、事故物件に該当する場合には、売却時に一定の事項について説明が求められるケースがあります。

「自分の物件が事故物件に該当するか」「どのような説明が必要か」といった判断に迷う場合には、宅地建物取引業者や専門家(弁護士など)へ相談し、個別の事情に応じた対応を検討することが重要です。

さらに、売却方法としては、仲介によって買主を探す方法のほか、買取業者へ売却する方法もあります。一般に、仲介は価格面、買取はスピード面に特徴があるとされており、物件の状況や売却の目的に応じて適切な方法を選択することが望ましいでしょう。

売却について検討する際は、複数の選択肢を比較しながら、無理のない形で進めていくことが大切です。

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    更新日 : 2025年11月07日
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