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いわくつきの土地や建物も売却できる!売るときの注意点や売却方法を解説

中古不動産市場において、いわくつきの不動産は非常に売りにくい物件です。価格相場も、死因や状況によっては2〜5割ほど下がることがあるといわれます。

居住することに心理的な不安感や抵抗感を抱きやすいことが、需要を下げる原因です。

いわくつきの不動産であっても買い叩かれないようにするには、自分で「近隣の不動産相場」を調べておくことが重要です。

売却を検討する場合は、不動産会社による「仲介」と「買取」の2種類が選択肢となります。

仲介は成約までに3〜6ヶ月以上の期間を要する傾向がある一方で、相場に近い価格で売却できる可能性が高い方法です。一方、買取は不動産会社が直接買い取りを行うため、仲介に比べると相場は下がる傾向にありますが、早ければ数日〜1週間ほどで現金化できる可能性がある方法です。

いわくつき物件のように一般市場で買い手が見つかりにくい物件では、それぞれの査定を比較したうえで、価格とスピードのどちらを優先するかで判断するとよいでしょう。

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「いわくつき」とはどんな不動産?

いわくつきの不動産とは「自然死」「事故死」「心霊的な噂が立っている」など、購入するにあたって、あまりいい気がしない不動産です。

つまり、過去に忌避感のある事柄が起こったため、売りにくくなっている不動産のことです。「事故物件」「訳あり物件」ともいわれます。

例えば、孤独死があったアパートの部屋や首吊り自殺があったマンションの一室などはいわくつき物件に該当します。

病気や老衰などで孤独死があった不動産

病気や老衰などによる自然死は、本来「日常生活の中で当然に起こり得るもの」として、原則は事故物件として扱われません。

ただし、発見が遅れて遺体が長期間放置され、特殊清掃や大規模リフォームが必要になった場合は、告知が必要な事故物件として扱われます。

家族にすぐ発見され、特殊清掃が不要だったケースは、原則として告知対象にはなりません。一方、一人暮らしで発見が遅れ、自宅で亡くなったまま長期間気づかれなかったようなケースが、事故物件に該当します。

現代の日本では一人暮らしの高齢者が増えているため、孤独死により事故物件化するケースは今後も増えていくでしょう。

殺人や自殺などがあった不動産

殺人や自殺など、建物内や敷地で凄惨な出来事が発生した物件もいわくつきといえます。

特に、殺人事件があった不動産では、買主側の心理的抵抗感が非常に強いため、価格を下げてもなかなか売れないことが考えられます。

ただし、マンションやアパートで「他の部屋に住んでいた住人が建物内で亡くなった」といったケースは、自分の専有部分の告知対象には原則あてはまりません。

マンションやアパートなどの区分所有建物では、基本的に売買・賃貸する専有部分で事件・事故があった場合に事故物件として扱われます。ただし、国交省ガイドラインでは、日常的に使用する共用部分(エントランス、共用廊下、エレベーターなど)で発生した事案については、告知対象となる場合があるとされています。

心霊的な噂が立っている不動産

過去に殺人事件があったマンションなどで、心霊現象が起きると噂が立った不動産です。いわくつき物件と聞くと、このような不動産を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

心霊現象は原因や事象そのものを証明することがむずかしく、明確な根拠がないのに噂が立つこともあります。

しかし、例え明確な根拠がなくても、心理的瑕疵とみなされるような噂がある限り、売りにくく価値が下がります。

いわくつき物件は「大島てる」に掲載されることがある

大島てるとは、事故物件の情報を集めたWebサイトです。事故物件の情報サイトとしては最大規模で、不動産業者が参考にすることもあります。

自身の不動産が事故物件でなくても、同じ建物内で事故があった場合に掲載されているケースもあります。

不動産業界では広く周知されていた「大島てる」ですが、最近では個人にも知れ渡るようになりました。

このため、購入予定の不動産が事故物件ではないかを事前に調査する人が増えています。このWebサイトの存在により、過去にあった事件・事故を隠すのは、非常にむずかしいといえるでしょう。

参照:大島てる物件公示サイト

大島てるへの掲載有無にかかわらず告知義務の対象は必ず伝える

大島てるに掲載されている情報が「自殺・他殺など法的な告知義務がある事案」であれば、掲載の有無に関わらず告知は義務です。一方、「本来は告知義務がない自然死等」にもかかわらずサイトに掲載されてしまっている場合、法的な告知義務はありません。

しかし、買主がサイトを見て「騙された」と感じれば契約不適合責任を巡るトラブルに発展するリスクがあるため、予防策として「サイトにはこう書かれているが、事実は自然死である」と自ら伝えておくとよいでしょう。

いわくつき物件を売却する際の価格は2~5割ほど安くなる

一般的にいわくつき物件は、周辺相場の2~5割程度の値下げが必要だといわれます。ただし、実際は亡くなったときの状況によって、不動産価値への影響は大きく変動します。

実務上の目安として、発見が早く特殊清掃の不要だった自然死では値下げ幅が小さく、特殊清掃が必要だった孤独死では1〜2割程度、自殺では1〜3割程度、他殺など事件性が高く報道されたケースではさらに大きく下落する傾向があります。同じ「いわくつき」でも、死因と社会的影響の大きさによって価格への影響はまったく異なります。

例えば、同じ老衰で亡くなったとしても、すぐに発見された場合と数ヶ月放置されていた場合では、買主の印象は後者のほうが悪いでしょう。

また、遺体が長期間放置されていたなら、床や壁にも影響を及ぼしている恐れがあります。清掃やリフォームをしても、大幅に値段を下げなければ売れない可能性が高いでしょう。

逆に、朝起きたら亡くなっていて、すぐに病院に運んだような場合では、気にしない人も多いと考えられます。

自殺があったマンションでも、室内の首吊りとベランダからの飛び降り自殺で印象は変わります。「室内で亡くなったのは嫌だけれど、室内でなければ気にしない」という買主もいるでしょう。

需要の高い物件は価格に影響しないケースもある

仮にいわくつきであっても、不動産需要の高い地域は影響を受けにくい傾向があります。いわくつきでも、相場どおりに売れるケースが少なくありません。

都心や高級住宅街は居住すること自体がステータスであり、いわくつきでも気にしない人が集まりやすいのです。

反対に、地方の郊外にある物件などは、いわくつきであることが大きく価格に影響します。このように、価格への影響は地域差があるといえます。

「瑕疵物件」には告知義務がある

瑕疵があることを売主が把握していた場合、売主は売買契約の締結までに、買主に対して事実を告知しなければなりません。

なお実務上は、不動産会社の宅地建物取引士が買主に対して行う「重要事項説明」に内容を反映させるため、売主自身の責任において瑕疵に関する事実を記載した「物件状況確認書(告知書)」を作成し、不動産会社を通じて買主へ書面で交付(告知)することになります。(買取であれば、直接買取業者に告知することになります。)

もし買主にとって不都合な事実が購入後に判明した場合、売主は責任を追及される可能性があるので注意してください。

なお、2021年10月に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しています。このガイドラインでは、老衰や病死などの自然死、日常生活の中での不慮の死(転倒・誤嚥など)で特殊清掃が行われていないケースは、原則として告知不要とされています。一方、自殺・他殺や、発見が遅れて特殊清掃・大規模リフォームが必要になったケースは告知が必要です。

賃貸では事案発生からおおむね3年経過後は原則告知不要とされていますが、売買では期間経過による告知不要の取り扱いは示されていない点に注意が必要です。

もし事実を告げずに売ってしまったら、後々どのような事態が想定されるのでしょうか。

事故物件は「心理的瑕疵」に該当する

殺人や自殺があった等のいわくつき物件は、心理的瑕疵物件に該当します。心理的瑕疵物件とは、買主が「知っていたら買わなかった」と思うような事実がある不動産のことです。

心理的瑕疵には明確な定義がないため、少しでも問題を抱えている物件なら、買主に伝えておくべきです。

例えば、売主が「これくらいなら大丈夫だろう」と室内で家族が病死した不動産を、告知せずに売却したとします。のちのち買主が「知っていたら買わなかった」と言ってきた場合、売主は心理的瑕疵の告知義務違反となってしまうのです。

告知義務違反は損害賠償などの訴訟問題に発展する

告知義務違反は、損害賠償や契約解除などの訴訟問題に発展することもあります。売主が事実を把握していながら告知しなかったと認められた場合、損害賠償や契約解除が認められるケースも少なくありません。

価格が下がるため、告知せずに売りたいと考える所有者もいます。

しかし、将来のトラブルを回避するためには、知っている事実は必ず伝えた上で購入希望者を探さなければなりません。

「心理的」以外の瑕疵物件も告知義務に注意

瑕疵物件には、心理的なもの以外に「物理的瑕疵」「法的瑕疵」「環境的瑕疵」があります。

物理的瑕疵 土地や建物の状態や構造における欠陥。土地では埋設物や地盤沈下等、建物ではシロアリ被害や雨漏りなど。
法律的瑕疵 法律的な条件が満たされておらず使用に問題が生じる欠陥。建ぺい率や容積率オーバー、接道義務違反など。
環境的瑕疵 物件そのものではなく、周辺環境に問題があるもの。近くに暴力団の事務所がある、火葬場や葬儀場などの施設があるなど。

いずれの場合にも、心理的瑕疵と同様に告知しなければならない義務を負います。

いわくつきでも売却方法は通常通り

事故物件であっても、先に解説した告知義務以外は、通常の不動産と同じ方法で売却します。

仲介業者を通じて一般の買主を見つける方法と、不動産業者に直接買い取ってもらう方法の2種類です。

また、売却にあたって、すぐに現金化せずに事件の風化をまつため、あえて賃貸に出すという方法もあります。

【方法1】不動産会社に仲介を依頼する

仲介業者への依頼は、不動産売買ではもっとも一般的な方法です。仲介業者が、物件情報を調査したり広告をうったりしながら購入希望者を見つけます。

時間をかければ、次に解説する買取業者より高く売れる可能性が高いといえます。

ただし、価格や条件に合った購入希望者がいるとスムーズに決まる場合もありますが、値段を下げてもなかなか買主が現れないこともあります。

売却まで時間がかかることも多く、ストレスになってしまうという話も少なくありません。

【方法2】買取専門業者に買い取ってもらう

同じ不動産会社でも、物件を直接買い取る「買取業者」なら、仲介より短期間で物件を現金化できます。買主が不動産の専門家であり、契約不適合責任が免責となるケースが多いため、売却後のトラブルリスクを抑えやすい点もメリットです。

とくに、訳あり物件の取扱実績がある不動産会社なら、いわくつき物件を扱う知識と経験が豊富なため、一般の不動産会社では断られるケースでも対応してもらえる可能性があります。

ただし、買取価格は仲介で売却した場合の相場より下がる傾向があります。これは、不動産会社が買い取った後のリフォームや再販にかかるコスト・リスクを織り込んで査定するためです。

【方法3】賃貸に出して事件や事故の風化を待つ

すぐに売却する必要がなければ賃貸物件にして、事件や事故の記憶が風化するのを待つのも一つの方法です。

ただし、事故物件では、賃料も相場より安くしなければ入居者は決まりにくいのが実情です。収入を得るためというより、将来の売却に向けて数年間誰かに住んでもらうと考えるのが現実的でしょう。

なお、事案発生からおおむね3年を経過するまでは、賃貸の場合でも告知義務は発生します。また、売買では期間経過による告知不要の取り扱いが示されていないため、事件・事故が風化したとしても告知義務がなくなるわけではない点は理解しておきましょう。

建物の経年劣化を考えると長期間の賃貸はおすすめしませんが、事件が風化するまで待つことを目的とするならば、有効な方法となるかもしれません。

いわくつき物件を売却する際のポイント

いわくつき物件を売却する際に、いくつかのポイントがあります。

とくに、仲介会社に依頼する場合は、不動産会社に任せきりにしておくことはよくありません。

売主自らが売却に向けて積極的に行動することで、成約率もぐんと上がるでしょう。ポイントは、事故物件であることは正直に話しても、事故の痕跡はできる限り消すことです。

【ポイント1】告知義務を守る

告知義務の遵守はとくに重要です。売却後のトラブルを回避するためにも、事実はすべて伝えておきましょう。

ちなみに、仲介業者が入る場合、売主が買主に直接話すのではなく、仲介業者を通じて伝えることが一般的です。

そのため、不動産会社には事故の内容や日時など、知っていることはすべて包み隠さず話しておきましょう。

【ポイント2】事故物件が得意な不動産会社に依頼する

事故物件の取扱実績がある不動産会社に依頼しましょう。いわくつき物件は、通常の不動産会社ではなかなか売りにくいのが実情です。

その点、事故物件の扱いに慣れている会社なら、独自の顧客ネットワークをもっていたり、他とは違った売り方の提案が可能だったりする場合があります。

取り扱いに慣れていれば、価格相場や問題箇所の判断も的確になります。

こうした会社では仲介・買取の両方に対応していることが多いため、時間をかけて高値を狙う仲介と、早期に現金化できる買取の両方の査定を取り、自分の状況に合った方法を選ぶとよいでしょう。

【ポイント3】近隣不動産の相場を調べておく

不動産査定に出す前に、情報サイトなどで相場価格を調べておきましょう。市場価格を知っておくことで、不動産業者が出した査定額が妥当かどうか、自身で判断できるからです。

事故物件の成約価格は通常物件から2~5割下がると解説しましたが、なにも知らない売主を騙そうと、さらに査定価格を下げる不動産業者もあります。

事故物件だからと安く買い叩かれないためにも、自分で相場を知っておくことは非常に大切です。

【ポイント4】部屋を清潔に明るく見せる

購入希望者の内覧の際には、部屋をできる限り明るく、清潔に見えるようにしましょう。

特に、室内で亡くなった場合には、清掃業者を入れる、リフォームをする等をして痕跡を消しておきましょう。

また、荷物や家具も撤去して、間接照明で明るく見せるなど印象が良くなる演出をおこなうのも有効です。

【ポイント5】戸建住宅の場合は更地にする

中古一戸建ての場合は、思い切って更地にしてしまうのも一つの方法です。

更地にしても事故物件であることは変わりませんが、事件があった建物がなくなることで、心理的な嫌悪感が薄まる効果が期待できます。

ただし、更地にする場合には注意点が3つあります。

1つ目は、更地にしても「土地で起きた出来事」としての告知義務は残るため、買主への説明は引き続き必要な点です。

2つ目は、建物を解体すると「住宅用地の特例(課税標準額を1/6にする特例)」が外れるため、翌年の1月1日時点で更地のままだと、土地の固定資産税が跳ね上がる(目安として約3〜4倍程度になる)点です。

3つ目は、再建築不可物件の場合、更地にすると再度建築物を建てられなくなる点です。さらに「住宅用地の特例」も適用されなくなるため、土地の固定資産税が大きく増額されてしまいます。

建物の解体には多額の費用もかかるため、不動産会社と相談しながら、解体のタイミングを含めて慎重に検討するとよいでしょう。

【注意点6】いわくつき物件だからと諦めない

ここまで見てきたように、いわくつき物件といっても通常の不動産の売却と基本は同じです。

いわくつき物件の売却がうまくいかないケースでは、売主が「いわくつき物件だから」と弱気になっていることが少なくありません。

しかし、諦めずに工夫すれば、高値で売却できる可能性はあります。

悪質な業者に買い叩かれないよう、毅然とした態度で売却を進めましょう。

まとめ

いわくつきといっても、心理的瑕疵の大きさや立地によって不動産価値への影響は大きく変わります。

需要の高い地域では予想よりも値段を下げずに売れるケースもあるため、まずは複数の不動産会社に相談してみましょう。

心理的瑕疵には定義がないため、不動産会社によっても考え方や査定額が異なります。仲介と買取それぞれの査定を比較したうえで、価格を優先するか・スピードを優先するかなど、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

訳あり物件の取扱実績があり、税理士・司法書士などの士業と連携している不動産会社であれば、告知義務や相続が絡む複雑なケースでも、専門家のサポートを受けながら売却を進めやすくなります。

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    更新日 : 2025年11月07日
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