「いわくつき」とはどんな不動産?
いわくつきの不動産とは「自然死」「事故死」「心霊的な噂が立っている」など、購入するにあたって、あまりいい気がしない不動産です。
つまり、過去に忌避感のある事柄が起こったため、売りにくくなっている不動産のことです。「事故物件」「訳あり物件」ともいわれます。
例えば、孤独死があったアパートの部屋や首吊り自殺があったマンションの一室などはいわくつき物件に該当します。
病気や老衰などで孤独死があった不動産
病気や老衰などにより、居住者が自宅で亡くなった場合は事故物件に該当します。
ただし、家族にすぐ発見され、病院で死亡確認がなされた場合は重大な事故とはいえません。
救急車を呼んで病院で亡くなったのではなく、自宅でいつの間にか死亡していたような場合があてはまります。
現代の日本では一人暮らしの高齢者が増えているため、孤独死により事故物件化するケースは今後も増えていくでしょう。
殺人や自殺などがあった不動産
殺人や自殺など、建物内や敷地で凄惨な出来事が発生した物件もいわくつきといえます。
特に、殺人事件があった不動産では、買主側の心理的抵抗感が非常に強いため、価格を下げてもなかなか売れないことが考えられます。
ただし、マンションやアパートで「他の部屋に住んでいた住人が建物内で殺された」といったケースはあてはまりません。
マンションやアパートなどの区分所有建物では、専有部分で起きた事件・事故が起きた場合に事故物件として扱われます。
心霊的な噂が立っている不動産
過去に殺人事件があったマンションなどで、心霊現象が起きると噂が立った不動産です。いわくつき物件と聞くと、このような不動産を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
心霊現象は原因や事象そのものを証明することがむずかしく、明確な根拠がないのに噂が立つこともあります。
しかし、例え明確な根拠がなくても、心理的瑕疵とみなされるような噂がある限り、売りにくく価値が下がります。
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いわくつき物件は「大島てる」に掲載される
大島てるとは、事故物件の情報を集めたWebサイトです。事故物件の情報サイトとしては最大規模で、不動産業者が利用することもあります。
自身の不動産が事故物件でなくても、同建物で事故があった場合、掲載されていることがあります。
不動産業界では広く周知されていた「大島てる」ですが、最近では個人にも知れ渡るようになりました。
このため、購入予定の不動産が事故物件ではないかを事前に調査する人が増えています。このWebサイトの存在により、過去にあった事件・事故を隠すのは、非常にむずかしいといえるでしょう。
参照:大島てる物件公示サイト
情報が掲載された場合は買主に伝えたほうが無難
大島てるに事故情報が掲載されているのなら、買主には先に伝えておいた方が無難です。
売主からの説明がなく、買主が自ら気付いてしまうと「隠されていたのか」などと考えてしまい、印象が悪くなってしまいます。
いわくつき物件の売却には誠実な対応が大切です。買主が嫌な気持ちになりそうな事柄があるなら、事前に話しておくことでトラブルを回避しましょう。
いわくつき物件を売却する際の価格は2~5割ほど安くなる
一般的にいわくつき物件は、周辺相場の2~5割程度の値下げが必要だといわれます。ただし、実際は亡くなったときの状況によって、不動産価値への影響は大きく変動します。
例えば、同じ老衰で亡くなったとしても、すぐに発見された場合と数ヶ月放置されていた場合では、買主の印象は後者のほうが悪いでしょう。
また、遺体が長期間放置されていたなら、床や壁にも影響を及ぼしている恐れがあります。清掃やリフォームをしても、大幅に値段を下げなければ売れない可能性が高いでしょう。
逆に、朝起きたら亡くなっていて、すぐに病院に運んだような場合では、気にしない人も多いと考えられます。
自殺があったマンションでも、室内の首吊りとベランダからの飛び降り自殺で印象は変わります。「室内で亡くなったのは嫌だけれど、室内でなければ気にしない」という買主もいるでしょう。
需要の高い物件は価格に影響しないケースもある
仮にいわくつきであっても、不動産需要の高い地域は影響を受けにくい傾向があります。いわくつきでも、相場どおりに売れるケースが少なくありません。
都心や高級住宅街は居住すること自体がステータスであり、いわくつきでも気にしない人が集まりやすいのです。
反対に、地方の郊外にある物件などは、いわくつきであることが大きく価格に影響します。このように、価格への影響は地域差があるといえます。
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「瑕疵物件」には告知義務がある
瑕疵があることを売主が把握していた場合、売主は売買契約の締結までに、買主に対して必ず事実を告知しなければいけない義務を負います。
もし買主にとって不都合な事実が購入後に判明した場合、売主は責任を追及されます。
もし事実を告げずに売ってしまったら、後々どのような事態が想定されるのでしょうか。
事故物件は「心理的瑕疵」に該当する
殺人や自殺があった等のいわくつき物件は、心理的瑕疵物件に該当します。心理的瑕疵物件とは、買主が「知っていたら買わなかった」と思うような事実がある不動産のことです。
心理的瑕疵には明確な定義がないため、少しでも問題を抱えている物件なら、買主に伝えておくべきです。
例えば、売主が「これくらいなら大丈夫だろう」と室内で家族が病死した不動産を、告知せずに売却したとします。のちのち買主が「知っていたら買わなかった」と言ってきた場合、売主は心理的瑕疵の告知義務違反となってしまうのです。
告知義務違反は損害賠償などの訴訟問題に発展する
告知義務違反は、損害賠償や契約解除などの訴訟問題に発展することもあります。訴訟になった場合、売主が敗訴することが非常に多いです。
価格が下がるため、告知せずに売りたいと考える所有者もいます。
しかし、将来のトラブルを回避するためには、知っている事実は必ず伝えた上で購入希望者を探さなければなりません。
「心理的」以外の瑕疵物件も告知義務に注意
瑕疵物件には、心理的なもの以外に「物理的瑕疵」「法的瑕疵」「環境的瑕疵」があります。
物理的瑕疵 |
土地や建物の状態や構造における欠陥。土地では埋設物や地盤沈下等、建物ではシロアリ被害や雨漏りなど。
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法律的瑕疵 |
法律的な条件が満たされておらず使用に問題が生じる欠陥。建ぺい率や容積率オーバー、接道義務違反など。 |
環境的瑕疵 |
物件そのものではなく、周辺環境に問題があるもの。近くに暴力団の事務所がある、火葬場や葬儀場などの施設があるなど。 |
いずれの場合にも、心理的瑕疵と同様に告知しなければならない義務を負います。
いわくつきでも売却方法は通常通り
事故物件であっても、先に解説した告知義務以外は、通常の不動産と同じ方法で売却します。
仲介業者を通じて一般の買主を見つける方法と、不動産業者に直接買い取ってもらう方法の2種類です。
また、売却にあたって、すぐに現金化せずに事件の風化をまつため、あえて賃貸に出すという方法もあります。
【方法1】不動産会社に仲介を依頼する
仲介業者への依頼は、不動産売買ではもっとも一般的な方法です。仲介業者が、物件情報を調査したり広告をうったりしながら購入希望者を見つけます。
時間をかければ、次に解説する買取業者より高く売れる可能性が高いといえます。
ただし、価格や条件に合った購入希望者がいるとスムーズに決まる場合もありますが、値段を下げてもなかなか買主が現れないこともあります。
売却まで時間がかかることも多く、ストレスになってしまうという話も少なくありません。
【方法2】買取専門業者に買い取ってもらう
同じ不動産会社でも、物件を直接買い取る「買取業者」なら、仲介より短期間で物件を現金化できます。買主が不動産の専門家なので、売却後にトラブルとなることもありません。
とくに、訳あり物件専門の買取業者なら、いわくつき物件を取り扱う知識と経験が豊富にあるため、最短数日での高額買取が可能です。
当サイトを運営するクランピーリアルエステートも、訳あり物件専門の買取業者です。無料相談も承っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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【方法3】賃貸に出して事件や事故の風化をまつ
すぐに売却する必要がなければ賃貸物件にして、事件や事故の記憶が風化するのをまつのも一つの方法です。
ただし、事故物件では、賃料も相場より安くしなければ入居者は決まりません。収入を得るためというより、将来の売却に向けて数年間誰かに住んでもらうと考えるのが良いでしょう。
建物の経年劣化を考えると長期間の賃貸はおすすめしませんが、事件が風化するまでと考えるなら有効な方法といえます。
いわくつき物件を売却する際の注意点
いわくつき物件を売却する際に、いくつかの注意点があります。
とくに、仲介会社に依頼する場合は、不動産会社に任せきりにしておくことはよくありません。
売主自らが売却に向けて積極的に行動することで、成約率もぐんと上がるでしょう。ポイントは、事故物件であることは正直に話しても、事故の痕跡はできる限り消すことです。
【注意点1】告知義務を守る
告知義務の遵守はとくに重要です。売却後のトラブルを回避するためにも、事実はすべて伝えておきましょう。
ちなみに、仲介業者が入る場合、売主が買主に直接話すのではなく、仲介業者を通じて伝えることが一般的です。
そのため、不動産会社には事故の内容や日時など、知っていることはすべて包み隠さず話しておきましょう。
【注意点2】事故物件が得意な不動産会社に依頼する
事故物件が得意な不動産業者に仲介を依頼しましょう。いわくつき物件は、通常の不動産会社ではなかなか売りにくいのが実情です。
その点、事故物件の扱いに慣れている業者なら、独自の顧客ネットワークをもっていたり、他とは違った売り方を提案できる場合があります。
取り扱いに慣れていれば、価格相場や問題箇所の判断も的確になります。
また、仲介ではなく訳あり物件専門の買取業者であれば、最短数日での現金化も可能です。
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【注意点3】近隣不動産の相場を調べておく
不動産査定に出す前に、情報サイトなどで相場価格を調べておきましょう。市場価格を知っておくことで、不動産業者が出した査定額が妥当かどうか、自身で判断できるからです。
事故物件の成約価格は通常物件から2~5割下がると解説しましたが、なにも知らない売主を騙そうと、さらに査定価格を下げる不動産業者もあります。
事故物件だからと安く買い叩かれないためにも、自分で相場を知っておくことは非常に大切です。
【注意点4】部屋を清潔に明るく見せる
購入希望者の内覧の際には、部屋をできる限り明るく、清潔に見えるようにしましょう。
特に、室内で亡くなった場合には、清掃業者を入れる、リフォームをする等をして痕跡を消しておきましょう。
また、荷物や家具も撤去して、間接照明で明るく見せるなど印象が良くなる演出をおこなうのも有効です。
【注意点5】戸建住宅の場合は更地にする
中古一戸建ての場合は、思い切って更地にしてしまうのも一つの方法です。
更地にしても事故物件であることは変わりませんが、事件があった建物がなくなことで、心理的嫌悪感が薄くなります。
建物の解体には多額の費用がかかるため躊躇する人も多いですが、更地にすることで売れやすくなるケースもあるので、不動産会社と相談しながら検討してみると良いでしょう。
【注意点6】いわくつき物件だからと諦めない
ここまで見てきたように、いわくつき物件といっても通常の不動産の売却と基本は同じです。
いわくつき物件の売却がうまくいかないケースでは、売主が「いわくつき物件だから」と弱気になっていることが少なくありません。
しかし、諦めずに工夫すれば、高値で売却できる可能性はあります。
悪質な業者に買い叩かれないよう、毅然とした態度で売却を進めましょう。
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まとめ
いわくつきといっても、心理的瑕疵の大きさによって不動産価値は大きく変わります。
予想よりも値段を下げずに売れたという事例も多いので、まずは不動産会社に相談してみましょう。
心理的瑕疵には定義がないため、不動産会社によっても考え方が違います。訳あり物件専門の買取業者なら、高く・早く現金化できる可能性も高いでしょう。
いわくつき不動産の売却でよくある質問
そもそも、いわくつきの不動産とは?
いわくつきの不動産とは、過去に自殺や殺人があったなど、購入にあたって心理的な不安のある不動産のことです。
いわくつき不動産の相場価格は?
一般的にいわくつき物件は、周辺相場の2~5割程度の値下げが必要だといわれます。ただし、状況によって下げ幅が変わるため、実際の価格はケースバイケースといえます。
いわくつきの不動産を売る際に気を付けることは?
いわくつきの不動産を売るときは「告知義務」があることに注意しましょう。告知義務を怠ると、損害賠償や契約解除などの訴訟に発展することもあります。
いわくつきの不動産を売る方法は?
買取専門業者に買い取ってもらうのが一番です。買取であれば、瑕疵担保責任(契約不適合責任)を免れるため、スムーズに、かつトラブルを起こさず売却できます。
いわくつきの不動産を売るポイントは?
「告知義務を守る」「事故物件が得意な不動産会社に依頼する」「近隣不動産の相場を調べておく」といったことが大切です。また、訳あり物件専門の買取業者なら、いわくつき物件でもスムーズかつ高額で買い取れるのでおすすめです。→
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