事故物件のお祓いに義務はないがなるべくおこなうべき
所有している物件が事故物件になってしまった場合、お払いは法的に義務づけられていませんが、なるべく行っておいたほうが賢明です。事故物件のお払いが必要な主な理由としては、下記の4つが挙げられます。
- 次の入居者に安心感を与えるため
- 亡くなった方への供養を行うため
- オーナーに対する信頼感を高めるため
- 日本の慣習に倣うならおこなうべき
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
次の入居者に安心感を与えるため
事故物件はその部屋で人が亡くなったという心理的な負担が大きいため、入居に抵抗を感じる人が多く、通常の物件と比べて次の入居者が見つかりにくいです。
物件でも問題ないという人もいますが、それでもお祓いはしてほしいという意見は多くよせられます。
事故物件のお祓いをすれば、次の入居者へ安心感を与えられるため、お払いしなかった場合よりも次の入居者が見つかりやすくなるでしょう。
亡くなった方への供養を行うため
人は突然亡くなると生への未練が断ち切れず、魂が生前過ごしていた場所をさまようことがあると考える人もいます。
お祓いはその場所を浄化するだけでなく、亡くなった方の魂を弔い、安らかな旅立ちを願う「供養」を行うことも目的です。そのため、そういった考え方の入居者の心配も減らせるのも大きなメリットでしょう。
オーナーに対する信頼感を高めるため
事故物件のお祓いをしても、その物件自体に何か変化があるわけではありません。お祓いを依頼する手間や費用はオーナーが負担しなければならないため、霊や宗教を信じていないオーナーからすれば正直面倒に感じてしまうでしょう。
それでも、次の入居者が安心できるようにお祓いをすれば、オーナーに対する信頼感を高められます。入居後に何かトラブルがあったり、困ったことがあったりした際、適切な対応をとってくれるオーナーだと入居者に思ってもらえるでしょう。
日本の慣習に倣うならおこなうべき
前述の通り、法律的な話をいえば必ずしもお祓いをする必要はありません。お祓いをしなくても、不動産の売買や貸し出しは可能です。
しかし、工事前の地鎮祭が当たり前におこなわれるように、不動産とお祓い・祈祷は身近な関係といえます。習慣として考えた場合、お祓いはなるべくおこなったほうがよいでしょう。
実際に物件を購入する買主や、売却を依頼する不動産業者、亡くなった人の遺族など、周囲からお祓いを求められるケースも少なくありません。
事故物件のお祓いをおこなうべきタイミング
結論からいうと、お祓いをおこなうのに決まったタイミングはありません。都合をつけやすいときにおこなってもかまいません。
ただし、あくまで例ですが、下記のタイミングでおこなうケースが多いです。
- 特殊清掃業者が入るとき
- リフォーム後や売買契約の直前
なお、お祓いをする際は売却時に証明できるよう、写真などの記録を残しておくとよいでしょう。
【タイミング1】特殊清掃業者が入るとき
特殊清掃業者とは、事故物件の痕跡となった部分を清掃する業者のことです。事故物件には、大抵の場合壁や床などに血痕や体液が染み付いています。
また、臭いや害虫も大量発生しているケースが多く、マスクや防護服などの特殊整備が必要であるため、通常の清掃業者では対応できません。そのため、特殊清掃業者に依頼する必要があります。
特殊清掃業者が入るときにお祓いをすれば「遺体の痕跡とともに、亡くなった人の無念や未練も取り除ける」と考えられるため、特殊清掃業者が入るタイミングでお祓いするのもおすすめです。
【タイミング2】リフォーム後や売買契約の直前
基本的に、リフォームをしないと事故物件は売却できません。リフォーム後や売買契約の直前にお祓いすれば、清められたばかりの状態で売却可能です。
ただし、お祓いは入居者によって希望するタイミングが異なります。「お祓いせず長い期間経過すると亡くなった方の念が染みついていそうで嫌だ」と感じる方もいれば、「直前にお祓いをした物件の方が安心して住める」と考える人もいます。
そのため、リフォーム後や契約の直前のように、特殊清掃から時間が経ってお祓いする場合は、あらかじめ清掃のタイミングを伝えておくと良いでしょう。
事故物件のお祓いは寺や神社に依頼しよう
事故物件のお祓いを依頼する際は、寺や神社に依頼するのが一般的です。しかし、始めて依頼する場合は寺や神社のどちらに依頼するべきか迷ったり、どこの寺や神社良いのかわからないケースも多いでしょう。
依頼する際は、以下のように神社や寺の特徴を目安にするのがおすすめです。
- 寺なら自分の先祖のお墓がある寺に相談できる
- 神社は不動産関連のお祓いも多くおこなっている
- 特殊清掃業者や遺品整理業者もサービスでおこなっている
- 不動産会社や管理会社に相談すれば紹介してもらえる
ここからは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
寺なら自分の先祖のお墓がある寺に相談できる
亡くなった方の菩提寺(代々葬儀を頼んでおり、お墓を置いている寺)がある場合は、該当する寺に相談しましょう。
檀家の相談であれば、むげにされることはないでしょう。相談した寺がお祓いを受け付けていなくても、別の寺を紹介してもらえるかもしれません。
また、近年では事故物件のお祓い向けに僧侶を派遣するサービスもあるので、インターネットで検索してみるのもよいでしょう。
神社は不動産関連のお祓いも多くおこなっている
神社の場合、工事前の地鎮祭など普段から不動産関連のお祓いをおこなっているところが多数あります。
そのため、神社は事故物件のお祓いに関しても明確な料金を設定しているケースが少なくありません。
近くの神社に直接問い合わせてみるか、インターネットでお祓いをおこなっている神社を検索してみましょう。
特殊清掃業者や遺品整理業者もサービスでおこなっている
特殊清掃業者や遺品整理業者の中には、事故物件のお祓いをサービスの一環として行っているところもあります。
通常、お祓いはオーナーが自ら神社やお寺に依頼する必要がありますが、特殊清掃業者や遺品整理業者に依頼すれば、業者のほうでお祓いをしてくれる神主や僧侶を手配してくれます。
前述のように特殊清掃のタイミングでお祓いをするなら、お祓いをサービスの一環として提供している特殊清掃業者や遺品整理業者に依頼するのがおすすめです。
不動産会社や管理会社に相談すれば紹介してもらえる
事故物件のお祓いは、オーナーが直接神社やお寺に依頼するのが一般的ですが、どの神社やお寺に依頼すればいいか分からないこともあるでしょう。
そんな時は、不動産会社や管理会社に相談するのがおすすめです。不動産会社はお祓いのほかにも、地鎮祭や上棟祭などの儀式を行うことがあるため、普段からお付き合いのある神社やお寺を紹介してもらえる可能性があります。
また、管理会社は物件内で死亡事故が発生した場合のマニュアルを用意しており、お祓いを依頼する神社やお寺が決まっているケースも多いです。不動産会社や管理会社に相談すれば、神社やお寺の手配もスムーズに進められるでしょう。
事故物件のお祓い料金相場は「3~10万円」程度
お祓いの料金は「お気持ちで結構です」と具体的な価格を提示しないケースも多いですが、おおよそ3~10万円程度が相場です。
ちなみに、寺の住職や神社の神職者によっては、お祓い料金は受け取らず交通費やお供え物など実費のみ請求する場合もあります。
しかし、そうした場合でも、マナーとして最低3万円程度を包むとよいでしょう。
事故物件で起きた死因の心理的瑕疵が大きいほど料金相場も上がる
お祓い費用の料金相場は、事故物件で起きた死因の心理的瑕疵が大きいほど高くなる傾向があります。
死因 |
料金相場 |
病死・自然死(老衰・転倒事故など) |
3万円前後 |
自殺 |
5万円前後 |
殺人事件 |
7万円前後 |
無理心中 |
10万円前後 |
病死や老衰などは自然の成り行きで亡くなっていることから、お祓いの準備や手間が最低限で済むため、比較的お祓い費用も安いです。
逆に、殺人や無理心中などは死者の無念の思いが強く、お祓いの準備や手間がかかるため、その分お祓い費用も高くなります。
事故物件となる建物が大きいほど料金も上がる
事故物件をお祓いする費用は、建物や部屋の規模によっても変動します。たとえば、アパートで殺人事件が起きた場合、事故物件となった部屋だけお祓いすれば済みます。
しかし、戸建ての中で殺人事件が発生した場合は戸建て全体、ビル火災で死者が多数出た場合はビル全体のお祓いが必要です。
部屋単位・家単位・建物や土地全体の順に、お祓いにかかる料金は高くなると覚えておきましょう。相場としては、下記の例があげられます。
お祓いの規模 |
料金相場 |
部屋のみ |
約3万円~ |
家全体 |
約8万円~ |
建物や土地全体 |
10万円~ |
お祓いにかかる時間は死者の人数や事故内容で変わる
事故物件のお祓いにかかる時間は、事件・事故の内容や状況、建物の大きさによって変わります。祭壇などを作って祈祷するだけであれば、所要時間は30分程度です。
ただし、建物が大きい場合や死者が複数いる場合は祭壇が大きく、お供え物の量も多くなるため、準備に時間がかかります。
死因が殺人や無理心中だとお祓いの時間も長くなる
殺人や無理心中の場合、より丁寧にお祓いしなければいけません。自然死のお祓いは30分未満で終わりますが、無理心中や複数の死者が出た事故は、さらに祈祷が10分以上長くなることもあります。
事故物件となった原因によって、お祓いの時間が変わることを覚えておきましょう。
お祓いに必要な物や当日の服装マナー
お祓いをおこなう際は、基本的に不動産所有者もお祓いの場には出席しなければいけません。
その際、必要なものや服装など当日のマナーがあるので、失礼がないよう事前に確認しておきましょう。
「初穂料」と書いた白い封筒に費用を入れて渡す
お祓い費用はお祓いをしてくれた神主や僧侶に直接渡すのが一般的ですが、その際は「初穂料」と書いた白い無地の封筒に入れて渡してください。
現金を財布から取り出してそのまま渡したり、茶封筒に入れて渡したりするのは失礼にあたるので控えましょう。
白い無地の封筒は、スーパー・コンビニ・100均などの身近にある店舗や、Amazon・楽天市場などの通販サイトで購入できます。
なお、お祓い費用として渡す現金は新札が望ましいとされているため、折り目や汚れが付いた旧札を渡すのは控えましょう。新札が手元になければ、銀行や信用金庫の窓口で旧札と新札の両替に対応してもらえます。
お祓い時のお供え物は寺や神社で用意してくれるケースが多い
お祓いの儀式では、食べ物(お米などの穀物や野菜、果物、塩や酒)を祭壇にお供えします。
お供え物は、僧侶や神職者に準備してもらうケースがほとんどです。その分の料金はかかりますが、専門家が用意してくれるので間違いはありません。
お祓いのときの服装
服装は男女とも喪服が好ましいです。喪服ではなくても、ダークな色のスーツを選びましょう。
派手な色のネクタイやアクセサリーは禁物です。故人を弔う気持ちをもってお祓いに参加しましょう。
事故物件のお祓いをする際の注意点
事故物件をお祓いする際は、以下の点に注意が必要です。
- お祓いをしても告知義務は残る
- お祓いをした証拠を残しておく
- お祓いをしたからといって必ず入居者が見つかるわけではない
ここからは、それぞれの注意点について詳しく解説していきます。
お祓いをしても告知義務は残る
お祓いをしても、事故物件の告知義務が消えるわけではありません。
物件の貸主や売主は、物件内で病死や自然死以外(自殺・他殺・火災など)による死亡が発生した場合は、その事実を借主や買主にありのまま伝えなければならないという告知義務が課されています。
告知義務が必要な範囲や期間は、2021年10月に国土交通省が策定したガイドラインで定められており、告知義務の期間は下記のように定められています。
- 賃貸契約の場合:事故の発生から3年間
- 売買契約の場合:無期限(時効がない)
お祓いをしたからといって人が亡くなった事実が消えるわけではないので、当然ながら告知義務も残ります。
告知義務を怠ると、借主や買主から損害賠償を請求される恐れがあるので注意しましょう。
お祓いをした証拠を残しておく
お祓いをしても物件に物理的な変化が生じるわけでありません。借主は本当にお祓いを行ったかどうか確認する手段はないため、借主から「本当にお祓いを行ったのか」と疑われてしまうこともあります。
そこで、お祓いしたことが客観的に分かる証拠を提示すれば、借主に安心感を与えられます。証拠として残すなら、お祓いをしている様子を写真や動画で撮影するのがおすすめですが、お祓いをしてくれる神主や僧侶からの許可を得る必要があります。
神社やお寺によっては、有料でお祓い証明書を発行してくれる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
お祓いをしたからといって必ず入居者が見つかるわけではない
お祓いには次の入居者に安心感を与える効果がありますが、お祓いをした後でも事故物件に対する不安や抵抗感が消えない人も多くいます。
そのため、通常の物件よりも入居者が見つかりにくくなる可能性があることも頭に入れておきましょう。
手間なく売却したいなら「訳あり物件専門の買取業者」に相談
「お祓いに費用や手間をかけたくない」「事故物件をすぐに手放したい」といった場合、訳あり物件専門の買取業者に買い取ってもらうのがおすすめな理由として以下の3つが挙げられます。
- お祓いが済んでいなくても買取してもらえる
- リフォームの必要がない
- 最短12時間と現金化までがスピーディー
ここからは、それぞれの理由について詳しく解説していきます。
なお、当サイトを運営するクランピーリアルエステートも、訳あり物件専門の買取業者として、事故物件を積極的に買い取っています。無料相談も承っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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お祓いが済んでいなくても買取してもらえる
訳あり物件専門の買取業者では買い取り後に自社でお祓いを行い、売却しやすい状態に復活させるノウハウがあります。
そのため、お祓いや清掃が済んでいない状態でも事故物件の買い取りが可能です。お祓いをする手間を省き、そのまま手放せる点が大きなメリットです。
リフォームの必要がない
訳あり物件専門の買取業者なら自社でリフォームを行えるため、特殊清掃でも落ちなかった痕跡があっても買い取り可能です。
特殊清掃が済んでおらず事故後そのままの状態でも買い取りできるため、清掃やリフォーム費用をかけずに手放せます。
最短12時間と現金化までがスピーディー
訳あり物件専門の買取業者は、事故物件でも2~3日程度で現金化してくれるところが多く、当サイトを運営するクランピーリアルエステートのように最短12時間で現金化が可能な業者もあります。
一般的な不動産会社だと、買取金額が相場よりも大幅に下がってしまう上、現金化までに数ヶ月以上の長い期間を要するケースが多いです。
なるべく早く事故物件を手放したいなら、事故物件の取り扱い経験が豊富な買取業者に依頼しましょう。
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まとめ
事故物件は居住に対して忌避感・嫌悪感があるため、購入希望者はなかなか現れません。
そこで、売却前に事故物件のお祓いを希望することもあるでしょう。寺や神社に相談すれば、お祓いをしてくれるところがあります。
事故物件のお祓い費用は、おおよそ3~10万円程度が相場です。
また、お祓いが済んでいなくても、訳あり物件専門の買取業者に相談すればそのまま物件を買い取ってもらえるので、相談してみるのもよいでしょう。
事故物件のお祓いでよくある質問
事故物件のお祓いをすれば告知義務は消える?
事故物件のお祓いをしても、法的な告知義務は消えません。物件内で告知すべき事故が発生した場合、お祓いの有無にかかわらず、ガイドラインで定められた期間内は事故があった事実を借主や買主に告知する必要があります。
事故物件の告知義務はいつ消える?
事故物件の告知義務の期間は、賃貸物件と売買物件でそれぞれ異なります。賃貸物件の場合は、原則として事故の発生から3年経過すると告知義務が消えます。ただし、下記のケースでは告知義務の時効を迎えた後でも、事故の事実を告知しなければなりません。
- 入居希望者から心理的瑕疵の有無について問われた場合
- 事件性、周知性、社会に与えた影響が大きい場合
- 入居希望者の判断に大きな影響があると考えられる場合
売買物件の場合は期間の経過によって告知義務が消えることはありません。売買契約は契約金額が大きく、事故物件である事実が買主の契約判断に大きな影響を与えることから、売主は期間に関係なく事故物件の告知をするように義務付けられています。
お祓いをしないと事故物件は売却できない?
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