都市計画道路予定地は売却できる|計画の進捗で手続きが異なる
都市計画道路予定地に含まれる土地でも売却は可能ですが、計画の進捗によって必要な手続きや制限が異なります。
都市計画道路とは、都市計画法に基づいて新設や拡幅などが計画された道路のことです。予定地に含まれる土地では建築が制限されるほか、売却時に届出が必要になる場合もあります。
主な計画段階と売却時の注意点は、次のとおりです。
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段階
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状況
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売却時の注意点
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計画決定段階
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道路の位置や幅員などが決定している
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売却可能。建築制限があり、土地の面積などによっては事前届出が必要
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事業認可後
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道路整備に向けて用地取得などが進められる
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売却可能。事業地内の有償譲渡には原則として届出が必要で、施行者の先買権による制限がある
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都市計画道路は、計画決定から事業化まで長期間かかることもあります。売却を検討する際は、現在の計画段階を把握し、適用される制限を確認することが重要です。
計画決定段階は売却できるが、建築制限や届出の要否を確認する
都市計画道路の計画決定段階では、原則として土地を売却できます。 ただし、道路予定地に含まれる区域では建築制限があるため、買主の利用目的に影響する可能性があります。
都市計画法第53条により、区域内で建築物を新築・増築・改築する場合は、原則として事前の許可が必要です。
同法第54条では、許可基準の一つとして以下の条件が定められています。
- 階数が2階以下で、地階がない
- 主要構造部が木造・鉄骨造・コンクリートブロック造などである
- 容易に移転または除却できる
ただし、自治体によっては、一定の条件のもとで3階建てを認めるなどの緩和措置があります。
また、土地の面積や区域によっては、売却前の届出も必要です。
例えば、東京都では都市計画道路などの区域内にある土地を含む200㎡以上の土地を有償で譲渡する場合、公有地の拡大の推進に関する法律(公拡法)に基づき、原則として譲渡予定日の3週間前までに届け出る必要があります。
売却時には建築制限の内容に加え、公拡法などによる届出の要否を確認しておきましょう。
事業認可後も売却は可能だが、施行者への届出や譲渡制限がある
都市計画道路の事業認可後も土地の売却は可能ですが、事業地内の有償譲渡には原則として施行者への届出が必要です。
また、施行者には土地や建物などを優先的に買い取れる「先買権」が認められています。
都市計画法第67条では、同法第66条に基づく施行者の公告の日の翌日から起算して10日を経過した後、事業地内の土地・建物などを有償で譲渡する場合、原則として事前届出が必要と定めています。
施行者は届出後30日以内に、土地・建物などを買い取ることが可能です。期間内に買い取る旨の通知があった場合、届出書に記載した予定価格で売買が成立したものとみなされます。
一方、施行者が買い取らない旨を通知した場合や、30日以内に買い取る旨の通知がなかった場合は、第三者への譲渡が可能です。
また、事業認可後は都市計画法第65条により、事業地内での建築や土地の形質変更などにも制限がかかります。
事業認可後の土地を売却するときは、届出・先買権による制限に加え、将来の用地取得予定も買主に正確に伝えることが大切です。
都市計画道路予定地の売却価格に影響する要因
都市計画道路予定地の売却価格は、道路予定地にかかる範囲や建築制限、事業の進捗状況などによって変わります。 特に影響するのは、以下の4つの要因です。
- 道路予定地にかかる面積と位置
- 道路整備後に残る土地の広さ・形状・接道条件
- 建築できる建物の条件
- 事業化の見通しや用地取得の時期
都市計画道路予定地だからといって、必ずしも大幅に値下がりするわけではありません。土地の利用に支障が少なければ、価格への影響が限定的な場合もあります。
そのため、一律の値下げ率ではなく、道路計画が土地の利用価値に与える影響を踏まえて売却価格を判断することが重要です。
道路予定地にかかる面積と位置
道路予定地にかかる面積が大きいほど、土地の利用が制限される範囲が広がり、売却価格が下がる要因となります。 ただし、敷地のどの位置に道路が計画されているかによっても影響は異なります。
例えば、100㎡の土地のうち10㎡が道路予定地に含まれる場合と、50㎡が含まれる場合では、建物の配置や土地の使い方に差が生じるでしょう。
また、同じ面積でも、敷地の端に道路が計画されている場合より、中央を横切る場合のほうが、建物を配置しにくくなる可能性があります。
そのため、売却価格を判断する際は、道路予定地にかかる面積の割合だけでなく、計画線が敷地のどこを通るかも確認することが大切です。
道路整備後に残る土地の広さ・形状・接道条件
道路整備後に残る土地(残地)が狭くなったり、使いにくい形状になったりすると、売却価格が下がりやすくなります。 道路予定地にかかる面積が小さくても、残地の利用価値が大きく低下するケースには注意が必要です。
例えば、道路整備によって次のような状態になる場合が考えられます。
- 残地が狭くなり、希望する広さの住宅を建てられない
- 土地が細長い形や三角形になり、建物を配置しにくい
- 道路に接する間口が狭くなり、建築基準法上の接道要件を満たせなくなる
建築基準法では、建築物の敷地は原則として同法上の道路に2m以上接する必要があります。接道要件を満たせなくなると、例外的な認定・許可などを受けられる場合を除き、再建築が難しくなるおそれがあります。
一方、道路の拡幅によって車の出入りがしやすくなるなど、利便性が向上する場合もあるでしょう。残地の価格は、面積だけでなく、整備後の使いやすさも踏まえて判断する必要があります。
建築できる建物の条件
都市計画道路予定地では建築制限によって建てられる建物が限られ、買主の希望に合わない場合は売却価格が下がる可能性があります。
例えば、3階建て住宅を希望する買主にとって、2階建てまでしか認められない土地は購入候補になりにくいでしょう。
一方、自治体の緩和基準によって3階建てを建築できる土地であれば、購入を検討する買主の幅が広がる可能性があります。
また、建築できる建物は都市計画道路による制限だけでなく、用途地域や建ぺい率・容積率、接道条件などによっても変わります。
買主の利用目的に合う建物を建築できるかどうかが、土地の需要や売却価格を左右するポイントです。
事業化の見通しや用地取得の時期
都市計画道路の事業化の見通しや用地取得の時期も、売却価格に影響します。 買主が土地を利用できる期間や、将来の移転・建て替えの可能性が変わるためです。
例えば、長年計画決定のままで事業化の時期が未定の土地と、近いうちに用地取得が予定されている土地では、買主が想定できる利用期間が異なります。
特に、長期間の居住や建物の所有を目的とする買主にとって、近い将来に土地の一部または全部が取得される可能性は、購入判断に影響するでしょう。
ただし、事業化が近いほど必ず値下がりするわけではありません。道路用地として取得される範囲や買主の利用目的によって、評価は異なります。
また、優先整備路線に指定されていても、具体的な用地取得時期が決まっているとは限りません。計画の進捗だけでなく、用地取得の見通しも踏まえて売却価格を検討することが重要です。
都市計画道路予定地の売却方法|仲介・買取・公共事業による買収を比較
都市計画道路予定地を売却する方法には、不動産会社の仲介、買取業者への直接売却、公共事業による買収の3つがあります。
適した方法は、売却希望価格や売却までの期間、道路整備の進捗状況によって異なります。
それぞれの特徴は、以下のとおりです。
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売却方法
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特徴
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向いているケース
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仲介
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不動産会社を通じて買主を探す。高値で売れる可能性があるが、売却期間は不確定
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価格を重視し、買主を探す時間がある
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買取
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不動産会社が直接買い取る。比較的早く売却できるが、価格は低くなりやすい
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早く手放したい、仲介では買主が見つかりにくい
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公共事業による買収
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道路整備の施行者が必要な土地を取得する。補償基準に基づいて金額を算定
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用地取得の案内があり、施行者と協議できる
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仲介と買取は売主が主体となって売却先を探す方法ですが、公共事業による買収は、道路整備に必要な土地を施行者が取得するものです。
そのため、価格を優先するなら仲介、売却の早さを優先するなら買取を検討し、公共事業による用地取得が進んでいる場合は施行者との協議状況も踏まえて判断しましょう。
仲介:売却価格を重視し、買主を探す時間がある場合
できるだけ高い価格で売却したい場合は、不動産会社の仲介が選択肢になります。 仲介とは、不動産会社に販売活動や買主との条件調整を依頼し、個人や法人などの購入希望者を探す方法です。
市場で買主を探すため、土地の条件に合う購入希望者が見つかれば、買取より高値で売却できる可能性があります。
ただし、都市計画道路予定地は建築制限や将来の用地取得を懸念されやすく、買主が見つかるまでに時間がかかる場合もあるでしょう。
また、仲介によって売買契約が成立した場合は、通常、不動産会社への仲介手数料が発生します。
売却を急いでおらず、土地の条件を理解した買主を時間をかけて探したい場合に適した方法です。
買取:早く手放したい・買主が見つかりにくい場合
都市計画道路予定地を早く手放したい場合や、仲介で買主が見つからない場合は、買取業者への直接売却が有効です。 買取では不動産会社自身が買主となるため、一般の購入希望者を探す必要がありません。
特に、道路予定地が敷地の大部分を占める土地や、将来の残地利用が難しい土地では、こうした不動産の取り扱い経験がある買取業者への相談が選択肢になります。
ただし、買取価格は、業者が負担する再販費用や土地利用上のリスクなどを考慮して算定されるため、仲介での想定成約価格より低くなる傾向があります。
また、買取業者が直接購入する場合は通常、仲介手数料が発生しませんが、すべての土地を買い取ってもらえるわけではありません。
売却の早さと価格のバランスを考え、複数の買取業者から査定を取って比較するとよいでしょう。
公共事業による買収:用地取得の案内がある場合
都市計画道路の整備に向けて用地取得の案内を受けている場合は、事業の施行者との協議によって土地を売却する方法があります。
国や自治体などが道路整備に必要な土地を取得するもので、一般の買主を探す仲介・買取とは仕組みが異なります。
公共事業による用地取得は、一般的に次の流れで進みます。
- 施行者による用地測量や建物などの調査
- 土地の買収価格・補償額の算定と説明
- 所有者と施行者による協議・契約
- 土地の引き渡しと代金・補償金の支払い
土地の買収価格は、周辺の取引事例や公示価格などを参考に算定されます。また、建物の移転などが必要な場合は、条件に応じて補償の対象となることもあるでしょう。
ただし、都市計画道路予定地に指定されているだけで、施行者に希望する時期で買い取ってもらえるわけではありません。 用地取得の予定がある場合は、対象範囲や取得時期を確認し、施行者と協議することが重要です。
都市計画道路予定地を売却する前に確認する4つのこと
都市計画道路予定地を売却する前には、道路計画の内容や進捗状況、建築制限、売却に必要な届出を確認することが重要です。 これらを把握しておくと、売却価格や条件を検討しやすくなり、買主とのトラブル防止にもつながります。
確認先と主な確認事項は、以下のとおりです。
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確認先
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主な確認事項
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都市計画の担当窓口
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道路の計画線、敷地にかかる範囲
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事業の担当窓口
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事業認可の有無、用地取得の予定、計画の見直し状況
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建築許可の担当窓口
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建て替えの許可条件、建築制限の緩和措置
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土地取引の担当窓口・施行者
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売却前の届出、先買権などの譲渡制限
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担当部署の名称や確認方法は自治体によって異なります。まずは土地が所在する自治体に問い合わせ、必要に応じて道路事業の施行者にも確認しましょう。
都市計画の担当窓口で道路の計画線と敷地にかかる範囲を確認する
まずは自治体の都市計画課などで、道路の計画線が敷地のどこを通り、どの程度の範囲が予定地に含まれるかを確認しましょう。
都市計画図は自治体のホームページなどで閲覧できる場合がありますが、図面によっては計画線の位置を正確に特定できません。
そのため、売却する土地の所在地や地番を伝え、必要に応じて公図や測量図を用意して相談することが大切です。自治体によっては、提出した図面に都市計画決定線を記入する手続きも設けています。
計画線の位置が分かれば、道路予定地にかかる面積や、将来残る土地の形状を把握しやすくなり、売却価格を検討する材料になります。
事業の担当窓口で認可の有無・用地取得の予定・見直し状況を確認する
道路整備を担当する自治体の道路事業課や建設事務所などでは、事業認可の有無や用地取得の予定を確認しましょう。 事業の進捗によって、売却時の手続きや買主が土地を利用できる見通しが変わるためです。
主に確認したいのは、次の3点です。
- 事業認可を受けているか、事業施行期間はいつまでか
- 用地取得の対象範囲や時期について、具体的な予定があるか
- 道路計画の変更・廃止などの見直しが決定しているか、検討中か
例えば、東京都では2026年3月に新たな都市計画道路の整備方針を策定し、優先整備路線などを公表しています。ただし、優先整備路線への指定が、直ちに事業認可や用地取得時期の確定を意味するわけではありません。
用地取得の時期が未定の場合は、その旨も確認しておきましょう。将来の予定を確定事項として買主に伝えないことが重要です。
建築許可の担当窓口で建て替え条件と制限緩和の有無を確認する
自治体の建築指導課や都市計画課などでは、売却後に建て替えが可能か、どのような建物なら許可されるかを確認しましょう。 建築できる建物の条件は、買主の利用目的や購入判断に影響します。
確認する際は、建築できる階数・高さ・構造に加え、自治体独自の緩和措置が適用されるかも重要です。
例えば、横浜市では、事業認可前の都市計画道路区域内で一定の条件を満たす場合、3階以下・高さ12m以下の建築を認める基準を設けています。
また、事業認可前の都市計画法第53条による許可と、事業認可後の第65条による許可では、適用される規定が異なります。
売却前に建築許可の条件を把握し、買主が希望する建物を建てられるか確認しておくことが大切です。
土地取引の担当窓口や施行者に売却前の届出と譲渡制限を確認する
都市計画道路予定地を売却する際は、公有地の拡大の推進に関する法律(公拡法)や都市計画法に基づく届出が必要か確認しましょう。
必要な手続きを行わずに売却を進めると、契約や引き渡しの日程に影響するおそれがあります。
主に確認するのは、次の2つです。
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公拡法第4条の届出
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都市計画道路などの区域内にある一定面積以上の土地を有償譲渡する場合に必要。例えば東京都では、原則として200㎡以上の対象土地について、譲渡予定日の3週間前までに届け出ます。
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都市計画法第67条の届出
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事業認可後、同法第66条に基づく施行者の公告から所定の期間が経過した事業地内で、有償譲渡する場合に原則必要。施行者には30日間の先買権が認められています。
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なお、土地の取引内容によって届出の要否や適用される例外が異なるため、両方の届出が常に必要になるわけではありません。
売却前に自治体の土地取引担当窓口や事業の施行者へ相談し、必要な届出、提出期限、第三者に譲渡できる時期を確認しておきましょう。
都市計画道路予定地を売却する流れとトラブルを防ぐポイント
都市計画道路予定地を売却する際は、計画内容や土地の権利関係を整理したうえで、査定・条件調整・契約の順に進めます。 特に、道路整備による土地への影響を買主に正しく伝え、必要な届出を適切な時期に行うことが重要です。
具体的には、以下の4ステップで進めましょう。
- 計画図や登記資料、自治体への確認結果をそろえる
- 取り扱い経験のある不動産会社に査定を依頼し、価格の根拠を比較する
- 計画の内容と買主の利用目的を踏まえて売却条件を調整する
- 必要な届出と説明を済ませ、契約・引き渡しを進める
1.計画図や登記資料、自治体への確認結果をそろえる
まずは都市計画道路の計画図や登記資料をそろえ、不動産会社に土地の状況を正確に伝えられるようにしましょう。 資料が不足していると、査定や買主への説明に必要な確認が増え、売却が長引く可能性があります。
主に用意したい資料は、以下のとおりです。
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都市計画図・計画線の位置が分かる資料
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道路予定地が敷地にかかる範囲を確認する
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登記事項証明書・公図・地積測量図など
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土地の所有者や面積、境界に関する情報を確認する
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自治体への確認結果
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事業認可の有無、建築制限、用地取得の見通しなどを整理する
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登記事項証明書や地積測量図などは、法務局で取得できます。ただし、地積測量図が存在しない土地もあるため、必要に応じて不動産会社や土地家屋調査士に相談しましょう。
自治体に確認した内容は、担当部署・確認日・回答内容も記録しておくと、その後の説明に役立ちます。
2.取り扱い経験のある不動産会社に査定を依頼し、価格の根拠を比較する
資料がそろったら、都市計画道路予定地の取り扱い経験がある不動産会社を含め、複数社に査定を依頼しましょう。 査定額だけでなく、道路計画による影響をどのように評価したかを比較することが重要です。
例えば、次の点を確認すると、査定額の違いを判断しやすくなります。
- 周辺の取引事例をどのように参考にしたか
- 建築制限や道路予定地にかかる範囲を価格にどう反映したか
- 仲介での想定成約価格と買取価格にどの程度の差があるか
宅地建物取引業法第34条の2第2項では、不動産会社が媒介価額について意見を述べる場合、その根拠を明示しなければならないと定めています。
なお、査定額はその価格で売却できることを保証するものではありません。価格の高さだけで判断せず、査定の根拠や販売方針にも納得できる会社を選びましょう。
3.計画の内容と買主の利用目的を踏まえて売却条件を調整する
購入希望者が見つかったら、道路計画による制限と買主の利用目的を踏まえて、売却価格や引き渡し条件を調整しましょう。 買主が想定していた使い方ができないと、契約直前の条件変更や売却後のトラブルにつながるおそれがあります。
例えば、住宅の建築を希望する買主であれば、建築可能な規模や建て替え条件の確認が必要です。また、将来の用地取得が見込まれる場合は、利用期間や引き渡し時期についても認識を合わせておきましょう。
売買契約では、特に次の点を明確にすることが大切です。
- 売却対象となる土地の範囲と面積
- 境界確定や測量の実施・費用負担
- 道路計画に関する説明内容と引き渡し時期
買主が土地の制約を理解したうえで合意できる条件を整えることが、円滑な売却につながります。
4.必要な届出と説明を済ませ、契約・引き渡しを進める
売却条件がまとまったら、必要な届出と買主への説明を行い、法令上の譲渡制限に注意して売買契約・引き渡しを進めましょう。
都市計画道路予定地では、土地の面積や事業の進捗などに応じて、公拡法第4条や都市計画法第67条に基づく届出が必要となる場合があります。
公拡法の届出対象となる場合は、原則として契約締結予定日の3週間前までに届け出ます。ただし、地方公共団体等から買取協議を行う旨の通知があった場合は、原則として通知の日から3週間、届出から最長6週間は第三者への譲渡が制限されるため、契約日程に余裕を持たせましょう。
また、宅地建物取引業者が行う売買の媒介などでは、宅地建物取引業法第35条に基づき、都市計画法上の建築制限などを買主に重要事項として説明する必要があります。
契約前には、道路予定地にかかる範囲や制限の内容が説明書類に正しく反映されているか確認しましょう。 そのうえで売買契約を締結し、代金の決済・所有権移転登記・土地の引き渡しを進めます。
公共事業で買収される場合の補償と、民間への売却との違い
都市計画道路の整備に伴って土地が買収される場合は、土地の取得価格に加え、建物の移転費用や残った土地の価値低下なども補償対象になることがあります。
民間への売却では、売主と買主の交渉によって売買価格や条件を決めるのが一般的です。一方、公共事業による買収では、国や自治体などの施行者が補償基準に基づいて金額を算定します。
主な違いは以下のとおりです。
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比較項目
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民間への売却
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公共事業による買収
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土地の価格
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市場相場や当事者間の交渉で決まる
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周辺の取引事例などを踏まえ、補償基準に基づいて算定
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建物の取り扱い
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売買条件に応じて決まる
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必要な移転費用などを基準に基づいて補償
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残地への対応
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売却対象や条件を当事者間で調整
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価値低下などに対する補償や、条件に応じた取得の制度がある
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ただし、公共事業による買収なら、希望する金額や費用がすべて補償されるわけではありません。 補償の対象や金額は、取得する土地の状況や移転の必要性などによって決まります。
土地の買収価格は周辺の取引事例などをもとに算定される
公共事業による土地の買収価格は、周辺の類似した土地の取引事例などをもとに、土地の適正な価格を算定します。 土地の面積や形状、接道条件、立地なども評価の対象です。
公共用地の取得では、原則として建物がない更地の状態で土地を評価します。また、公共事業が予定されていることで地価が下がっている場合は、その事業による価格低下の影響を除いて評価する仕組みです。
一方、民間への売却価格は、買主の需要や利用目的、交渉条件などによって変わります。そのため、公共事業の買収価格と、不動産会社の査定額が一致するとは限りません。
施行者から買収価格の提示を受けたら、評価の対象となる面積や算定根拠を確認し、疑問があれば説明を求めましょう。
建物の移転や引っ越しなどは条件に応じて補償される
公共事業で土地が取得され、建物の移転や引っ越しが必要になる場合は、土地代金とは別に移転費用などが補償されることがあります。
主な補償項目は以下のとおりです。
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建物移転補償
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建物の再築や移動、改造などに必要な費用
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動産移転補償
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家具や家財道具などの運搬に必要な費用
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仮住居補償
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建物の移転に伴い、一時的な住まいが必要となる場合の費用
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移転雑費補償
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移転先の選定や転居に伴う手続きなど、通常必要となる費用
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店舗や事務所などでは、移転に伴って営業を休止する必要がある場合、営業補償の対象になることもあります。
ただし、補償額は実際にかかった費用を無条件に全額支払う仕組みではありません。 建物の構造や築年数、合理的な移転方法などを踏まえ、所定の基準に基づいて算定されます。
補償内容の説明を受けた際は、対象となる費用と自己負担が見込まれる費用を確認しておきましょう。
残った土地が使いにくくなる場合は残地補償や買収の対象になるか確認する
公共事業で土地の一部が取得され、残った土地(残地)の価値が下がる場合は、残地補償を受けられることがあります。 また、一定の条件を満たせば、残地そのものの取得を求められる場合もあります。
例えば、道路用地として敷地の一部が取得された結果、土地が細長くなり、従来の用途で利用しにくくなるケースです。
土地収用法第74条では、一団の土地の一部が収用されることによって残地の価格が低下するなどの損失が生じた場合、その損失を補償することが定められています。
さらに、残地の利用が著しく困難になる場合などは、条件に応じて残地の取得が認められることもあります。ただし、土地の一部が買収されたからといって、残りも必ず買い取ってもらえるわけではありません。
残地の使い道が限られる場合は、価格低下に対する補償だけでなく、残地全体を取得してもらえるかについても施行者に確認しましょう。
まとめ|都市計画道路予定地の売却は計画の進捗と土地への影響を確認して進める
都市計画道路予定地に含まれる土地でも売却は可能ですが、計画決定段階と事業認可後では、必要な手続きや制限が異なります。
また、売却価格は道路予定地にかかる面積や位置、残地の形状、建築制限、事業化の見通しなどによって変わるため、土地ごとの条件を踏まえた判断が重要です。
売却方法には仲介・買取・公共事業による買収があり、希望する価格や売却時期、用地取得の予定に応じて適した方法を検討しましょう。
売却を進める際は、自治体や施行者に計画の進捗や届出の要否を確認し、都市計画道路予定地の取り扱い経験がある不動産会社に相談することをおすすめします。
都市計画道路予定地の売却でよくある質問
都市計画道路予定地は、今売るのと公共事業の買収を待つのではどちらがよいですか?
どちらがよいかは、事業の進捗状況や売却を希望する時期によって異なります。
用地取得の時期が未定で、早く手放したい場合は仲介や買取が選択肢になります。一方、用地取得が具体的に予定されている場合は、施行者から提示される買収価格や補償内容を確認して判断するとよいでしょう。
ただし、買収を待てば必ず高く売れるわけではないため、不動産会社の査定額との比較も重要です。
道路予定地にかかっていない部分だけを売却できますか?
道路予定地にかかっていない部分だけの売却も可能です。 ただし、1筆の土地の一部を独立した土地として売却する場合は、通常、分筆登記が必要になります。
また、分筆後の土地が狭くなったり、接道要件を満たさなくなったりすると、買主が見つかりにくくなる可能性もあります。
売却前に計画線の位置や分筆後の土地の利用条件を確認しましょう。
都市計画道路予定地の売却で5,000万円の特別控除は使えますか?
公共事業による収用や買収に伴う売却で、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高5,000万円を控除できます。
主な要件は、施行者から最初に買取りの申出を受けた日から6か月以内に譲渡することなどです。
都市計画道路予定地に指定されているだけでは適用されず、通常の民間売却も原則として対象外となるため、事前に税務署や税理士へ確認しましょう。