自殺があった跡地を黙って売ることはできる?
自殺があった物件はイメージが悪くなり、物件を売りたくてもなかなか買い手が見つからず、売買価格も大きく下がりやすいです。
自殺があった物件でも、物件を壊して更地にすれば、自殺の起きた物件が存在していない以上、そこまでイメージは悪くありません。
ですので、わざわざ「自殺があった」という事実を伝えずに黙って売ってしまえば、高値で売却できるように思えます。
実際のところ、自殺があった跡地を黙って売ることはできるのでしょうか?
自殺の跡地は心理的瑕疵のある物件
自殺があった跡地は、自殺現場となった建物を解体した後でも「心理的瑕疵」を有していると考えられます。
心理的瑕疵とは、買主がその事実を契約の前に知っていれば購入の判断を躊躇していたような事実です。
例えば、その物件で過去に自殺や他殺、事件・事故が発生した場合や、周辺に嫌悪施設がある場合、心理的瑕疵を有する物件と扱われます。
嫌悪施設とは、以下のような施設です。
・心理的に忌避される施設:墓地、風俗店、パチンコ屋、葬儀場
・騒音や振動を発生させる施設:高速道路、飛行場、鉄道
・危険を感じさせる施設:ガソリンスタンド、暴力団事務所
・煤煙や臭気を発生させる施設:工場、下水処理場、火葬場
心理的瑕疵を有する物件はイメージが悪くなるため、売る際になかなか買い手が見つかりにくく、売買価格も低くなりやすいです。
心理的瑕疵を有する物件と事故物件の違い
「事故物件」と聞くと、自殺や他殺、事件・事故が発生した物件を想像する人が多いと思いますが、事故物件は物理的瑕疵や心理的瑕疵を有する物件を指すのが一般的です。
物理的瑕疵とは、建物自体にシロアリ被害や雨漏りが生じている、構造上の欠陥があるなどです。
しかし「瑕疵とは何か?」については、法律で明確に定義されている訳ではありません。
物理的瑕疵は建物の欠陥なので、目視で容易に判断できますが、心理的瑕疵については買主によって基準が異なるので判断が困難です。
買主へ心理的瑕疵を告知しなければならない
瑕疵を有している物件にもかかわらず、売主から何も告知されないまま売買契約が成立すると、買主が損をしてしまいます。
そのため原則として、瑕疵を有している物件を売る際は、その事実を買主へ告知しなければなりません。
瑕疵の告知義務を果たした上で、物件を購入するか買主が決める仕組みです。
事実を知った上で不動産を購入した場合は、告知義務を果たしているので売主は責任を負わずに済みます。
一般的に買主への告知は不動産会社がおこないますが、不動産会社がすべての情報を把握しているというわけではありません。
売主から情報提供がなければ、不動産会社は買主に対して正確な情報を告知できないため、告知義務を果たせないことになります。
そのため、瑕疵の告知義務を果たすためにも、売主は不動産会社へ瑕疵の詳細をきちんと事前に説明しておきしょう。
もし売主や不動産会社へ瑕疵を告知せずに売却した場合、ペナルティが課せられてしまうため注意が必要です。
瑕疵を告知せず売るとペナルティを負わされる
売主は不動産を売る際に「瑕疵担保責任」を負います。
瑕疵担保責任とは、売主が売買契約を有利に進めるために、物件が瑕疵を有している事実を買主に告知しなかった場合に負う責任のことです。
もし瑕疵を告知しないで売った場合、説明義務違反に該当してしまい、次のような瑕疵担保責任を負うリスクがあるため注意しましょう。
しかし、すべての事例で瑕疵担保責任を負わなくてはならないわけではありません。
では、自殺跡地の場合には瑕疵担保責任を負うのでしょうか?
自殺があった跡地の売主は瑕疵担保責任を負う
原則として、自殺のあった物件は心理的瑕疵が大きいため、瑕疵担保責任を負うことになり、告知せずに売ることや貸し出すことができません。
しかし、建物を解体して更地として売る場合や、いったん他の入居者が入居した後で貸し出す場合は、心理的瑕疵が大幅に減少すると考えられて、瑕疵担保責任を免除されるケースもあります。
しかし、心理的瑕疵は買主がどのように感じているかによって異なるため、心理的瑕疵が大幅に減少するといっても、必ずしも瑕疵担保責任を負わなくて済むわけではないため注意しましょう。
買主から契約解除や損害賠償を請求される恐れがある
一般財団法人不動産適正取引推進機構(RETIO)が2011年7月に発表した「心理的瑕疵に関する裁判例について」によると、心理的瑕疵に関して以下のような判例が出ています。
【事例1】
建物取り壊しを前提とした不動産の売買で、約1年4カ月前に建物内にて自殺があったケースの裁判です。自殺が生じてからの期間が短いことなどを理由に挙げ、買主に告知義務が必要だったと判断し、売買代金の25%を買主の損害賠償額としました。
【事例2】
8年7カ月前に物件上の共同住宅で焼身自殺があり、その後駐車場として使用されていた土地を売買したケースの裁判です。事件から8年以上が経過し、買主の分譲住宅が完売していたことなどから販売価格に事件の影響がなかったと判断し、瑕疵はないとしました。
住宅建築を目的とした土地の売買では、取り壊された建物で自殺があっても、既に事件のあった建物が滅失しているため、心理的瑕疵は多少和らぎます。
また、火災(失火)による死亡事故や殺人事件と自殺は別物と考えられるため、心理的瑕疵が軽減するものと考えられます。
しかし、近隣住民の噂を耳にする機会も多く、それが生活に支障を与える可能性も否定できません。
いくら自殺のあった跡地といっても、事件の風化までは告知義務があると考えられるため、告知義務を履行しなかったことで瑕疵担保責任を負う可能性もあるのです。
後で買主との間で契約解除や損害賠償などのトラブルに発展することを防ぐためにも、瑕疵は必ず事前に告知しましょう。
自殺があった跡地の売却価格は相場より10〜40%安い
事故物件の相場は、心理的瑕疵の内容によって異なります。
死因 |
売却価格 |
孤独死 |
0~10%下がる |
自殺 |
10~20%下がる |
殺人 |
20~40%下がる |
事故物件の売却価格は、自然死や孤独死の場合で相場より10~20%、自殺の場合は20~30%、殺人の場合は30~50%も下がるとされます。
しかし、自殺跡地であれば心理的瑕疵が弱まるので、自然死や孤独死で0~10%、自殺で10~20%、殺人で20~40%ほど売却価格が下がる程度で済みます。
ただし、必ずしも上記の価格になるとは限らず、好条件の物件なら高額売却できるケースもあるため、安値で手放さないように注意しましょう。
好条件の物件なら相場相応の価格で売却可能
正直なところ、心理的瑕疵を重く受け止めるかは買主によって異なります。
そのため、自殺跡地でも条件さえ良ければ、わざわざ売却価格を下げる必要はありません。
なぜなら、立地や広さなどのメリットが心理的瑕疵のデメリットを上回れば、自殺跡地でも高値で購入してくれる買主も多いからです。
一度でも売却価格を下げると値上げしにくいので、まずは市場価格に近い価格で売り出して、様子をみて値下げしていくとよいでしょう。
なかなか売れない場合は売却価格を値下げしよう
買主の中には、売出価格での購入を予定していたものの、心理的瑕疵を有していることを理由に、値下げを要求する人もいます。
また、心理的価格を有している跡地であることを理由に、そのままの市場価格では買主が見つからない可能性もあります。
そのような場合の選択肢は、買主の値下げに応じること、売出価格を下げて買い手を見つけることです。
なるべく価格を下げたくないと考えている人も多いと思いますが、時間がかかれば固定資産税や都市計画税などが必要以上にかかるため、価格を下げて売ることも視野に入れる必要があるでしょう。
正確な売却価格は不動産業者に確認するのがベスト
自殺があった跡地でも、立地などの条件がよければ、通常の物件と遜色ない価格で売却できる可能性があります。
自殺があった跡地の売却価格を知りたい場合、まずは必ず不動産業者に相談しましょう。
近年では、メールや電話を用いた無料査定を実施している不動産業者も多く、パソコンやスマホを使って自殺跡地の査定額がすぐにわかります。
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自殺があった跡地を高額売却する方法
自殺のあった建物を壊して更地にするだけでも、瑕疵は緩和されるので建物がある状態より有利に売却できる可能性が高いです。
しかし、買主が見つからない場合は売却価格を下げるしかありませんが、売るのであればできる限り高値で売却したいところです。
自殺があった跡地を高額売却する方法として、以下の4つがあります。
- 駐車場に用途変更してから売る
- トランクルームを設置してから売る
- 新しく建物を建て直してから売る
- 訳あり物件専門の買取業者へ売る
それぞれの方法について、くわしく解説していきます。
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【方法1】駐車場に用途変更してから売る
居住用の土地として売却する際は「居住していた人が過去に自殺した跡地」という心理的瑕疵の影響を受ける可能性が高いです。
しかし、居住用の土地ではなく、駐車場に用途変更した状態で売れば、心理的瑕疵の影響を大きく軽減できます。
また、駐車場の運用結果が良好であれば、ある程度の価格で売ることも期待できるでしょう。
駐車場に用途変更して、運用してから更地に戻して居住用の土地として売却するという方法も考えられます。
過去の判決内容を見ると、用途変更して数年経過した後は自殺があったという事実が薄れて告知義務が生じなくなると読み取れます。
そのため、用途変更前よりも良い条件で買主が見つかる可能性もあるのです。
「実際に告知義務が生じないかどうか?」について宅建業者などの専門家に確認する必要はありますが、自殺跡地として売るよりも有利に売却を進めやすいでしょう。
【方法2】トランクルームを設置してから売る
駐車場に用途変更してから売るという方法と同様、トランクルームを設置してから売るという方法もあります。
トランクルームも運用結果が良好であれば、土地とトランクルームをセットで売ることも期待できます。
また、トランクルームを設置して運用した後、更地に戻して居住用の土地として売却することも可能です。
最近は、駐車場の費用や自動車税による支出などを理由に車を買わない人も増えているため、駐車場に用途変更してもなかなか借り手が見つからない可能性もあります。
しかし、トランクルームであれば「使わないものを預ける」という習慣が少しずつ広まっているため、アパートの近くやマンションの近くなどでは、より安定した需要が期待できるでしょう。
【方法3】新しい建物に建替えしてから売る
新しく別の建物を建設してから売れば、自殺があった物件という嫌な記憶が薄れるため売却しやすいです。
買主からすると、建物のない更地は土地の購入費用に加えて建設費用もかかるので、なるべく土地の購入費用を抑えたい気持ちになります。
しかし、売主が建物を建設して建物付きの土地として売りに出せば、買主は建設費用を負担せずに済むので、多少高額でも購入してくれるのです。
土地の大きさによっては、アパートやマンションを建設して自分で不動産投資を始めたり、投資用不動産としての売却も可能です。
しかし、駐車場やトランクルームとして結ようする場合に比べて、建物を建設する場合には多くの支出を伴います。
「建物を建設すれば高く売れる」と過信してすぐに行動に移すのではなく、宅地建物取引業者といった専門家に一度相談してから行動に移すようにしましょう。
【方法4】訳あり物件専門の買取業者に売る
ここまで解説した自殺のあった跡地の価値を高める方法は、いずれも多大な費用や手間がかかります。
しかし、費用や手間をかけて自殺跡地の価値を高めたからといって、必ずしもそれに見合った金額で売れるとは限らないので、ある種の賭けともいえます。
なるべく費用や手間をかけずに早めに売却したい人や、できるだけ安全に現金化したい人は、自殺跡地を専門業者に買取してもらう方法がオススメです。
通常の取引では、不動産会社に仲介してもらって買主を探しますが、買取では専門の買取業者が買主になるため、仲介手数料を抑えられるメリットがあります。
また買取業者であれば、すぐ買取してもらえるので、固定資産税や都市計画税などの無駄な支出を防げます。
面倒くさい手続きや瑕疵の告知もせずに済むので、費用や手間をかけたくない人は専門買取業者への売却をおすすめします。
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まとめ
自殺や殺人があった物件は心理的瑕疵を有しているため、売りたくてもなかなか買主が見つからず、売却価格も大きく下がってしまう恐れがあります。
対策としては、物件を壊して更地として売れば心理的瑕疵が軽減されるため、売却を有利に進めやすくなりますが、心理的瑕疵が完全になくなるわけではありません。
自殺跡地を売る場合、売買契約後の買主とのトラブルを防ぐためにも、必ず心理的瑕疵について告知した方がよいでしょう。
自殺があった跡地の売却は、20~30%ほど市場価格よりも安くなるのが一般的で、高額で売ろうとしても解体費用や工事費用が必要になります。
そうしたデメリットを考えると、自殺のあった跡地は専門の買取業者に買取してもらう方法をオススメします。
専門の買取業者であれば、仲介手数料もかけずに効率良く売却を進められるので、いちど無料相談を受けてみるとよいでしょう。
当社でも自殺跡地を最短48時間で買取可能です。無料で相談できますので、お気軽にお問合せください。
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