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【ゴミ屋敷の売却方法】売却する流れや費用・放置するリスクも解説

【ゴミ屋敷の売却方法】売却する流れや費用・放置するリスクも解説

ゴミ屋敷とは、大量の不要な物やゴミを住居や敷地内にため込み、害虫や悪臭の発生、火災のリスクや通行の障害が生じるなど、本人や地域の生活環境に多大な影響を及ぼす管理不全な状態の住宅です。溢れるほどのゴミが放置されたゴミ屋敷を抱えてしまい、売却できるか不安に感じている人もいるでしょう。

結論からいえば、ゴミ屋敷でも売却は可能です。

ゴミ屋敷は火災や倒壊、害虫・害獣被害などが発生し、近隣にも迷惑をかける恐れがあります。特定空き家に指定され行政代執行の対象になり、多額の費用が発生する可能性もあるため、なるべく早く処分すべきです。

ただしゴミの処分やリフォーム、解体が必要な場合もあり、通常の物件と売却の流れが異なります

ゴミを処分してから売却するためには、費用や手間がかかります。シミや悪臭が残っていれば、特殊な清掃方法も必要です。またリフォーム費用がかかったり、更地にしたことにより固定資産税が高くなったりする場合もあります。

なおゴミ屋敷をそのまま売りたい場合は「訳あり物件専門の買取業者」への売却がおすすめです。「訳あり物件専門の買取業者」であれば、ゴミを処分する費用や手間をかけずに売却できます。

当サイトを運営しているクランピーリアルエステートは、ゴミ屋敷のような買主がつきにくい訳あり物件についても買取しています。不動産評価が低くなりがちなゴミ屋敷でも、収益化するノウハウを持ち合わせているため、適正な値段での買取が可能です。

本記事では、ゴミ屋敷の売却方法や売却する流れ、売却費用について解説します。ゴミ屋敷を売却せず放置するリスクもまとめました。

ゴミ屋敷の売却で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

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ゴミ屋敷を一般的な不動産にして売却する4つの方法

ゴミ屋敷をそのまま放置していると、火災や腐食による倒壊、害虫・害獣の大量発生などのリスクが発生してしまいます。近隣住民から苦情を受けてしまうこともあるでしょう。

ゴミ屋敷を売却する方法は、以下の4つです。

  • ゴミを処分してから売却する
  • ゴミ屋敷を更地にして売却する
  • リフォームして売却する
  • 古家付き土地として売却する

それぞれ解説します。

ゴミを処分してから売却する

ゴミ屋敷をできるだけ早く・高く売りたいのであれば、ゴミを処分してから売却活動を始めましょう。

物件にゴミが残ったままでは、買主はまずつきません。自分で清掃を行うのが面倒であれば、清掃業者に依頼することもできます。ゴミや不用品が大量にある場合は、業者に依頼し処分してもらう方がお手軽だといえます。

なおゴミ処理を業者に依頼する場合は、一般廃棄物処理業の許可を受けている業者に依頼しましょう。一般産業物処理業者とは、家庭や事業者から出される一般廃棄物の収集運搬や処分を行う業者です。解体業者と混同しやすいですが、解体業者は産業廃棄物を処理する業者のため、家庭ごみの処分はしてもらえない場合がほとんどです。

また、ゴミを処分したとしても、悪臭が部屋に残っていたり、建物自体に染みついていたりする恐れがあります。悪臭は物件の価値を下げ、購入希望者が見つかりにくくなる原因になります。ゴミの処分と同時に除菌・消臭を行ってくれる清掃業者もいるので、相談するとよいでしょう。

ゴミ屋敷を更地にして売却する

ゴミ屋敷を更地にして売却する方法も選択肢の1つです。建物を解体する場合は、一般的にゴミの処分を終えてから解体業者に依頼します。

ゴミ屋敷から出たゴミや不用品などは「一般廃棄物」に分類され、建物の解体工事で出た廃材や瓦礫などは「産業廃棄物」として扱われます。

廃棄物ごとに処分するための許可が必要であり、解体業者は一般廃棄物を処分する許可を受けていない場合が多いです。そのため解体業者は、ゴミ屋敷を片付けられません。

しかし、一般廃棄物の処分許可を受けて、ゴミの処分と解体を兼業している業者もあります。ゴミの処分も認められている解体業者に依頼すれば、一度で済むので手間なくゴミを片付けられるでしょう。

ただし建物を壊して更地にすると、住宅用地に対する固定資産税の軽減措置が適用されません。住宅用地の特例とは、住宅が建築されている土地に対して適用される税金の軽減措置です。

住宅用地の特例率
区分 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地
(200㎡以下の部分)
価格×1/6 価格×1/3
一般住宅用地
(200㎡を超える部分)
価格×1/3 価格×2/3

参照:大阪市:住宅用地の課税標準の特例措置

更地にすると軽減措置が適用されないため、固定資産税が最大6倍になってしまいます

また更地にするための初期費用を売却益で回収できなければ、赤字になってしまうため解体するかどうか慎重に判断しましょう。

なお、更地として販売するよりも住居として売却したほうが高値になるようなエリアでは、解体すると売却額が下がってしまい売却が困難になってしまう場合があります。

再建築不可物件(建築基準法の接道義務を満たしておらず、建物を建て替えられない土地)は再建築ができないため、むやみに解体しないようにしましょう。

解体するかどうかは自分で判断せず、不動産会社に相談することが大切です。

ゴミ屋敷の解体費用や解体時の注意点は、以下の記事を参考にしてください。

リフォームして売却する

物件の腐食や汚れがひどい場合はリフォームも検討しましょう。ゴミを処分しただけでは、臭いが残っていたり家が傷んだりしており、内覧する際によい印象が与えられないためです。

床や壁紙を張替えたり、お風呂やキッチンを一式取り替えるなどすれば物件の資産価値が上がる可能性が高くなります。ただしリフォームはお金がかかるため、リフォームの必要があるかどうかは不動産会社に相談したうえで判断することが大切です。

なおリフォームをした際も、通常とは異なるにおいがしたり、修繕しきれなかった傷・汚れがあったりする場合は購入者に伝える義務があります。伝えなかった場合、売主は契約不適合責任を問われる可能性があるためです。

ゴミ屋敷だったことが原因で、値下げ対応などが必要になるケースもあります。リフォームをしても早く・高く売却できるわけではないことを念頭にいれておきましょう。

古家付き土地として売却する

古家付き土地として売却するのも1つの方法です。古家付き土地とは、古家が建った状態で売り出される土地をいいます。

更地にしてから売却する場合と比較すると、解体費用がかからないため、費用面での負担を減らせます。また建物があるため、住宅用地の軽減措置特例が適用され、更地よりも固定資産税が安いです。

ただし古家付き土地として売却する場合、解体の費用や手間を買主に託すことになるため、その分を見込んだ価格設定となります。そのため更地で売るよりも土地の値段が割安になってしまいます。

希望価格で売りたい場合は、売主側で取り壊したほうがよいでしょう。

しかし解体費用をかけて更地にしても、絶対に売れるとは限りません。古家付き土地として売却したほうがよいか、更地にして売ったほうがよいか不動産会社に相談して検討しましょう。

手間や費用をかけずゴミ屋敷を手放したいなら「訳あり物件専門の買取業者」への売却がおすすめ

「ゴミの処分費用を用意できない」「自分で片付けるのは面倒」といった場合は、ゴミ屋敷をそのまま売却したい、と考える人も多いでしょう。

手間や費用をかけずゴミ屋敷を手放したいなら、そのままの状態で「訳あり物件専門の買取業者」へ売却するのがおすすめです。

この方法であれば、売主自身でゴミの処分や清掃、リフォームなどを行う必要がありません。買い手がつかなくても売却できるため、ゴミ屋敷を1週間から1か月ほどで手放せます。仲介手数料を支払う必要がなく、契約不適合責任を負う必要も一切ありません。

契約不適合責任とは、売主が売買契約において買主に引き渡した不動産が、種類・品質・数量などに関して契約内容と合っていない場合に買主に対し負うべき責任です。

ただし買取価格の相場は市場価格の6〜7割ほどです。さらにゴミ処分費が差し引かれるため、市場価格の5割ほどになってしまう場合もあります。

不動産会社はゴミ処分や清掃などに費用がかかるため、できるだけ安く買い取ろうとします。しかし、ゴミ屋敷は事故物件とは異なるため、安すぎる価格で妥協する必要はありません。

なるべく多くのお金を残すためには、高値で買取ってくれ、信頼できる不動産会社に買取依頼をすることが大切です。

当社、クランピーリアルエステートもゴミ屋敷などの訳あり物件を積極的に買取しています。不動産としての評価が低くなりがちなゴミ屋敷でも、収益化するノウハウを持ち合わせているため、相場と変わらない価格で買取可能です。

全国の弁護士・司法書士・税理士と協力体制を築いているため、近隣トラブルや法的な権利などを整備しながら運用を進められます。

今すぐ現金化したい場合や、売却期限が決まっている場合にもご相談ください。当社では最短48時間での買取が可能です。

無料での査定やご相談も承りますので、ゴミ屋敷の売却を検討中の人や、物件に関する疑問や不安がある人は、お気軽にご連絡ください。

他社に断られたゴミ屋敷でも買取可能です。まずはいくらで売れるか査定を受けてみましょう。

ゴミ屋敷を売却する流れ

ゴミ屋敷を売却する流れは、以下のとおりです。

  1. 不動産会社や買取業者に相談する
  2. 必要であればゴミを処分し清掃やリフォーム・解体をする
  3. 不動産会社や買取業者経由で売りに出す
  4. 購入希望者と交渉を行う
  5. 売買契約を結び引渡し・決済を行う

それぞれ解説します。

1.不動産会社や買取業者に相談する

ゴミ屋敷の売却は、不動産会社や買取業者と協力して進めていくことが大切です。自己判断でリフォームや解体工事を進めてしまうと、売却が難しくなったり費用倒れしたりする可能性があります。ゴミ屋敷は売却までにやらなければならないことが多いため、業者と連携を取りながら進めていかなければなりません。

なお、なるべく早くゴミ屋敷を処分したい場合は、ゴミがある状態で買取業者への売却も可能です。ただし買い手が付きにくく、売却価格が下がってしまうおそれもあります。不動産会社に行く前に、通常物件だった場合の相場がどのくらいか調査しておくと、買い叩かれて価格が安くなりすぎるようなトラブルを避けられます。

今後の方針を不動産会社や買取業者と打ち合わせしながら売却を進めていきましょう。

2.必要であればゴミを処分し清掃やリフォーム・解体をする

不動産会社との相談でゴミを処分してから売却すると決定したら、なるべく早くゴミを処分しましょう。ゴミの量が多い場合や時間がなく自分で処分できない場合は、ゴミ処理業者に依頼するのがおすすめです。

複数のゴミ処理業者に見積もりを依頼し、価格やサービスを比較のうえ、契約するとよいでしょう。

またゴミを処分しても、臭いや汚れが壁紙や床などに染み込んでいたり部屋中にカビが発生したりしている場合があります。

ゴミ屋敷の清掃をしても臭いや汚れがとれない場合は、リフォームや解体も検討しなければなりません。ただし、リフォームしたり解体したりしても買い手がつかない可能性もあります。費用や時間もかかるため、不動産会社と相談しながら無理せずに進めていきましょう。

ただし各種費用の見積額が予算を上回るようであれば、そのままの状態で買い取ってもらえる買取業者への依頼も検討してみてください

ゴミの処分が自分で難しいと考えている方は下記の業者を検討してみてください。

3.不動産会社や買取業者経由で売りに出す

ゴミ屋敷の清掃やリフォーム・解体が完了したら仲介業者やゴミ屋敷の買取りを行っている業者に査定を依頼し、実際に売りに出します。

不動産会社によって査定額が異なるため、複数の業者に査定を依頼するとよいでしょう。不動産会社が決定したら媒介契約を結び、チラシやインターネット広告などで宣伝活動を開始します。

なおリフォーム・解体が完了した時点で不動産業者に売却してしまうのも1つの方法です。ただし、買取は価格が安くなる傾向があります。せっかくかけた手間や費用が無駄になってしまう可能性もあるため、慎重に判断しましょう。

4.購入希望者と交渉を行う

購入希望者が見つかったら、不動産会社から連絡がきます。

物件について詳しい情報を伝えたり、内覧を行ったりします。この際、過去にゴミ屋敷だったことやリフォームを行ったこと、修繕しきれなかった部分などの瑕疵は、すべて伝えなければなりません。瑕疵を伝えずに売買契約を結んだ場合、売主は契約不適合責任を問われるリスクがあるためです。

引渡し日や価格の交渉などもこの時点で行います。

なお買取業者に売却する際は、売主の契約不適合責任は免れるため、売却後にトラブルが起こるリスクはありません

5.売買契約を結び引渡し・決済を行う

購入希望者と交渉を行い、合意が得られたら売買契約を結びましょう。売買契約の締結後は、契約時に定めた内容で物件を引き渡します。

決済や所有権移転登記・抵当権抹消などの登記を行ったら、売却活動は終了です。

ゴミ屋敷を一般的な不動産として売却できるようにするための費用

ゴミ屋敷を売却するために清掃業者や解体業者に片付けを依頼する場合、主に以下の費用がかかります。

ゴミ屋敷の売却にかかる費用 金額
粗大ごみの処理手数料 1点数千円程度
リサイクル家電の処理手数料 1点1,000~5,000円程度
清掃業者に依頼する費用 3万~数十万円
消臭作業の費用 数千円~数万円
ゴミ処分後のリフォーム費用 数百万円~
解体費用 1坪3~5万円程度

売却前にかかる費用をあらかじめ把握し、無理のない資金計画を立てましょう。

ここでは、ゴミ屋敷の売却にかかる費用を解説します。

1.ゴミを処分する費用

自分でゴミを処分する場合も、清掃業者などに依頼する場合もゴミの処分費用がかかります。

自分でゴミを処分する場合、粗大ごみやリサイクル家電などがあれば、処理手数料が必要です。

また清掃業者に依頼する場合、ゴミの量や間取りによっては数十万円かかるケースもあります。

できる限り自分でゴミを処分して、残りは清掃業者に任せるなどの工夫をすれば、ゴミの処分にかかる費用を抑えられるでしょう。

粗大ごみの処理手数料は「1点数千円程度」

粗大ごみとは、日常生活に伴って不要となった大型のゴミをいいます。

具体的には、一般家庭から排出されるガス・石油器具、家具・寝具などです。

粗大ごみの処理を自治体に依頼する場合、大まかな処理手数料は以下のとおりです。(東京都大田区の場合)

品目 手数料
ベッド(マットを除く) 1,200~2,000円
ソファー 800~2,000円
箱物家具(タンスや棚類など) 300~2,800円
テーブル(机・デスクは別品目) 800~1,200円
カーペット 300~1,200円

粗大ごみの処理手数料や処分方法は自治体によって異なるため、粗大ごみを出す地域の自治体に問い合わせて確認しましょう。

参照:粗大ごみ受付センター

リサイクル家電の処理手数料は「1点1,000円~5,000円程度」

リサイクル家電はエアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機が対象とされています。

メーカーによって異なりますが、リサイクル家電は大体1,000円~5,000円の処理費用がかかります。加えて、収集運搬費用も支払わなければなりません。

なお、リサイクル家電の収集運搬費用は約2,500円です。処理費用と収集運搬費用をあわせると、リサイクル家電1つあたり約3,500~7,500円の処理費用がかかります。

参照:経済産業省「家電リサクル法(特定家庭用機器再商品化法)」

参照:経済産業省「家電リサイクル法の収集・運搬料金に関する実態調査結果」

清掃業者に依頼する費用は「3万円から数十万円」

ゴミ屋敷の片付け費用は、建物の間取りによって決められることが多いです。

間取りごとのおおまかな相場は以下の表になります。

間取り 料金
1R・1K 3~8万円
1DK 5~12万円
1LDK 7~20万円
2DK 9~25万円
2LDK 12~30万円
3DK 15~40万円
3LDK 17~50万円
4LDK 22万円~要見積り

表の料金はあくまで目安のため、同じ間取りでもゴミの量や種類などで料金は変わります。作業員の人数や作業時間、トラックの数や大きさなどによっても費用に差がでます。

たとえば、天井に届きそうなほどゴミを溜め込んだ場合、1Kでも片付け費用が50万円以上かかるケースもあるのです。

片付け費用の見積もりは複数の清掃業者に依頼するとよいでしょう。複数の業者に相談して、サービスや料金など納得できる業者を選ぶことが大切です。

2.消臭作業の費用は数千円から数万円が相場

追加費用を支払うことで、オゾン消臭など特別な消臭作業を行える清掃業者もあります。オゾン消臭とは、たばこや生ゴミなどの強烈な臭いでも、短時間で無臭に近い状態にできる消臭方法です。

オゾン消臭の費用は、部屋の広さや臭いの強さなどで変わります。臭いの強さは人間の嗅覚や臭気測定器などで測定され、0~5段階の強さに分けられます。部屋の広さが30㎥未満の場合、軽度の臭い(0~1)であれば数千円で済みますが、強烈な臭い(4~5)だと数万単位の費用がかかる場合もあります。

清掃業者にゴミ屋敷の片付けを依頼すると同時に、消臭作業を行えるか相談するとよいでしょう。

3.ゴミ処分後のリフォーム費用の目安は数百万円~

ゴミを処分後、内装全体をリフォームする場合は、数百万円〜が相場となります。もちろん、内装全体だけでなく一部の部屋や水回りのみの依頼も可能です。

主なリフォーム内容の費用相場は次のとおりです。

リフォーム内容 費用相場
壁紙張替え 1,500円/㎡~
天井リフォーム 10,000円/㎡~
フローリング張替え 15,000円/㎡~
トイレ取替 15~40万円
給湯器取替 20~30万円
洗面化粧台取替 20~40万円
キッチン本体取替 80~150万円
ユニットバス取替 80~150万円

なお費用相場は部屋の広さや設備のグレード、選ぶ内装材の種類によって異なります

リフォーム会社によっても費用は大きく違ってくるため、複数の業者に見積もりを依頼して価格やサービスなど納得できる業者を選びましょう。

4.解体費用は「1坪3~5万円程度」が相場

ゴミや物件の放置によって住宅の腐食や損傷が激しく、修繕費用が高額になってしまう場合など、建物の解体を検討している人もいるでしょう。

住宅の解体費用は基本的に坪単価で決まります。木造住宅の場合は1坪3~4万円程度、鉄骨住宅の場合は1坪3.5~4.5万円、鉄筋コンクリート造の住宅は1坪5~8万円が相場といわれています。

仮に解体する建物が30坪の木造住宅だとすると、高く見積もって120万円程度の費用がかかる計算です。

また解体には、樹木やブロック塀の撤去、アスベストの撤去費などの付帯工事が必要な場合が多いです。

主な付帯工事とその費用目安は、以下のとおりです。

付帯工事 費用目安
樹木・庭木の撤去 1~5万円/1本
ブロック塀の撤去 2,000~3,000円/㎡
アスベスト撤去(処分面積300㎡以下) 2~8.5万円/㎡
門扉や倉庫の撤去 2万円/1個
浄化槽撤去 5~10万円
作業・工程追加のための人件費 1~2万円/1日

以上のような費用を解体費用に追加して支払わなければならないため、住宅を解体するなら余裕をもった資金計画が大切です。

解体費用は地域や解体業者によって異なるため、適正価格を把握するためにも、複数の解体業者に見積もりを出してもらうとよいでしょう。

ゴミ屋敷を売却するときにかかる税金

ゴミ屋敷を売却するときにかかる税金は、以下のとおりです。

ゴミ屋敷の売却時にかかる税金 概要 費用
登記費用 所有者変更する際にかかる費用 1~5万円
印紙税 経済取引等にともなって契約書や領収証などの文書を作成した場合に課税される税金 200~48万円
譲渡所得税 不動産を売却したときの利益に課せられる税金 譲渡所得×税率(39.63%/20.315%)

それぞれ解説します。

登記費用を負担する場合は1~5万円が相場

ゴミ屋敷を売却する際、家屋に設定されている抵当権を抹消したり、物件の所有権を買主へ変更したりする必要があります

登記変更手数料は1つの不動産につき1,000円です。自分で行うことも可能ですが、法務局に書類を提出しなければならないため、司法書士に依頼することが一般的です。

なお所有権移転登記の費用は、買主・売主のどちらが負担してもよいですが、慣習的には買主の負担になっています。

抵当権が設定されている場合の抹消登記の手続き費用は、売主が負担します。

登記費用は登記の状況により異なりますが、1〜5万円が相場です。

不動産を売却する際は必ず行わなければならないため、事前に司法書士に見積もりを依頼しておくとよいでしょう。

印紙税は200~48万円

印紙税とは、経済取引等にともなって、契約書や領収証などの文書を作成した場合に課税される税金です。売買契約時には、定められた金額に対応する収入印紙を貼付して消印することで印紙税を納付します。

なお、収入印紙は売買契約書ごとに1通必要です。売主と買主の契約書をそれぞれ1通ずつ作成するのが一般的なので、収入用紙は2枚必要となります

印紙税は、売主・買主それぞれが保有する契約書分の収入印紙を平等に負担するのが一般的です。しかし実際の支払いに関しては、売主と買主の間で自由に決められます。不動産会社が仲介する場合は、仲介手数料とあわせて負担割合を決めるケースもあります。

印紙税の額は、以下のとおりです。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円を超え50万円以下 400円 200円
50万円を超え100万円以下 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円を超え1億円以下 60,000円 30,000円

参照:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

印紙税は、売買価格に応じて決まり、最大48万円となります。

平成26年(2014年)4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに作成された不動産売買契約書については軽減税率が適用されます

ただし契約書に記載された契約金額が10万円以下の場合(契約金額の記載のないものを含む)は、軽減措置の対象ではありません(税率200円)。また、契約書に記載された契約金額が1万円未満の場合は非課税です。

譲渡所得税は譲渡所得×税率(39.63%/20.315%)

ゴミ屋敷を売却した際に利益がでた場合は、譲渡所得税の支払いが必要です。

不動産を売却したときに得られる利益を譲渡所得といいます。譲渡所得税は、譲渡所得に対して課税される税金です。

売却時の譲渡所得は、譲渡評価額 -(取得費+譲渡費用)で算出します。

取得費や譲渡費用の概要は、次のとおりです。

  • 取得費:譲渡や売却する財産を取得した際にかかった購入代金や購入手数料などの費用
  • 譲渡費用:譲渡や売却をするために直接支出した費用

譲渡所得税は、譲渡所得がなければ課税されません。たとえば、不動産評価額2,000万円のゴミ屋敷を売却する場合、売却時の価格が1,500万円であれば譲渡所得税は課税対象外です。

譲渡所得税は、所得税・住民税・復興特別所得税の3つを合算したものです。財産の所有期間により次の2つに分類され、税率が異なります。

譲渡所得の種類 所有期間 税率(所得税+住民税+復興特別所得税)
短期譲渡所得 所有期間が5年以下 39.63%(30%+9%+0.63%)
長期譲渡所得 所有期間が5年超 20.315%(15%+5%+0.315%)

譲渡所得税の具体的な計算例をあげてみます。

【例】

・売却価格:3,000万円
・購入価格:2,000万円
・諸経費:200万円
・所有期間:7年

譲渡所得=3,000万円-(2,000万円+200万円)=800万円

800万円の譲渡所得が発生するため、譲渡所得税が課税されます。所有期間が7年のため長期譲渡所得となり次のように算出します。

800万円×20.315%=162万5,200円

上記の場合だと約162万円の譲渡所得税が課税されることになります。ただし、譲渡所得税には特例も多く、大幅に軽減することも可能です。

譲渡所得税の控除や軽減措置に関しては、以下の記事で紹介しています。

なお譲渡所得があった場合は、売却した翌年2月16日〜3月15日までに、物件のある地域を管轄する税務署に申告・納税をする必要があります。譲渡所得があったのに申告・納税をしなかった場合、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課せられるため忘れずに行いましょう。

ゴミ屋敷を売却した際に損失がでた場合は確定申告は不要です。しかし確定申告をしておくと譲渡損失(不動産の売却により発生した損失)を給与所得や事業所得から控除できる場合があります

控除されたことにより、所得税や住民税が安くなる可能性もあるため、譲渡損失があった場合も確定申告をしておくとよいでしょう。

ゴミ屋敷を売却せず放置する5つのリスク

「手続きが面倒だから」とゴミ屋敷を放置する人もいますが、ゴミ屋敷を放置していると、以下のようなデメリットがあります。

  • 住んでいなくても固定資産税がかかる
  • 近隣トラブルに発展する可能性がある
  • 特定空き家に指定され固定資産税額が6倍になる可能性がある
  • 行政代執行の対象となり解体費用を全て負担する可能性がある
  • 相続放棄してもゴミ屋敷の管理責任からは逃れられない

これらのデメリットを避けるためにも、なるべく早めの売却がおすすめです。

それぞれ解説します。

住んでいなくても固定資産税がかかる

実際に住んでいないと、ゴミ屋敷を持っていても急いで処分しようという気が起きないかもしれません。しかし、家は住んでいなくても所有者に固定資産税がかかります。年間で数万円程度でも、積み重なれば無視できない支出です。

毎年4~6月頃に自治体から郵送される固定資産税納税通知書を確認すれば、正確な固定資産税額がわかります。

所有しているゴミ屋敷の固定資産税を確認し、もったいないと感じるのであれば、なるべく早く処分するようにしましょう

近隣トラブルに発展する可能性がある

ゴミ屋敷には大量の可燃物があるため、火災の原因になりやすいです。タバコの火の不始末や放火などがあると、あっという間に燃え上がってしまい、近隣住宅に延焼してしまう恐れがあります。

またゴミは放置期間が長いほど悪臭はひどくなり、建物の外にも臭いが漏れ出します。ゴミ屋敷の前を通るだけで悪臭がしたり、自宅のベランダがゴミ屋敷のほうにある場合は、臭いが漂ってきたりする可能性もあるでしょう。

ハエやゴキブリ、ねずみなどの害虫が発生し、近隣に多大な迷惑をかける原因にもなります。周辺の環境や景観を悪化させ、近隣住宅の資産価値まで下げてしまう場合もあるでしょう。

近隣住民にとって、ゴミ屋敷は迷惑でしかありません。ゴミ屋敷をめぐって近隣トラブルが発生し、損害賠償請求に発展するケースもあります。

クレームを受けたり損害賠償請求に発展したりする前に、早めに処分することを検討しましょう

特定空き家に指定され固定資産税額が6倍になる可能性がある

ゴミ屋敷が空き家の場合、特定空き家に指定される恐れがあります。

特定空き家とは、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」において、倒壊や保安上の危険、衛生・景観への悪影響など、一定のリスクがあると行政に判断された空き家です。

特定空き家に指定された場合は、行政から助言・指導、勧告、命令、代執行という4種類の措置が実施されます。

最初に行われるのは、助言・指導です。これらは所有者に連絡を取って適正管理をうながす段階のため、ペナルティや罰則はありません。

勧告の措置を受けると、固定資産税や都市計画税の特例措置の対象から外れてしまい、固定資産税が最大6倍になってしまいます地方税法第349条3の2)。

勧告しても改善されない場合は命令の措置が出され、違反した場合は50万円以下の過料に処せられます。行政の助言・指導や勧告、命令に従わないと、最終的には行政代執行を受ける可能性もあるでしょう。

なお特定空き家の指定は、指摘される原因となった不適切な部分を改善すれば、解除してもらえます。

ゴミを処分する、将来的に利用しないなら売却するなど、あらゆる選択肢を検討することが大切です。

行政代執行の対象となり解体費用を全て負担する可能性がある

自治体によってはゴミ屋敷に関する条例があり、公共の迷惑になっている場合は行政から指導や勧告を受けてしまいます。

指導や勧告を無視していると、行政代執行の対象となり、強制的な解体が行われる場合もあります。

行政代執行とは、国や地方公共団体などの行政機関がゴミ屋敷の住人に代わりゴミや不用品などの撤去を強制的に行うことです。

行政代執行にかかる費用は、家の持ち主がすべて負担しなければなりません。ゴミ屋敷の行政代執行費用は、ゴミの種類やサイズ、量によって異なりますが、数十万〜数百万円かかるケースが多いです。

東京都品川区の行政代執行の事例では、敷地内及び建物内のゴミの撤去(約25t)と外壁及び柱の修復の代執行を実施し、約420万円かかっています。

参照:地方公共団体の空き家対策の取組事例

行政代執行にかかった費用を支払えない場合、不動産のみでなく預貯金・株式・自動車・貴金属など、売主の全財産が差し押さえられます。差し押さえられた財産は公売にかけられ、費用を回収する場合もあります。公売とは、国税局や税務署が強制的に財産を売却し、その代金を滞納分に充てることです。

なお行政代執行にかかった費用は強制徴収が認められているため、自己破産しても免除されない恐れがあります(行政代執行法6条)。

費用が回収できない状態で売主が死去した場合は、相続人に請求されます。

行政代執行の措置を受ける前に、ゴミの処分や物件売却などの対応をしておきましょう。

相続放棄してもゴミ屋敷の管理責任からは逃れられない

ゴミ屋敷の所有権の相続放棄は可能ですが、相続放棄しても民法上は、ゴミ屋敷の管理責任は相続人にかかります民法940条)。管理責任とは、地域の安全や防犯を損なわないために持ち主が適切に家を管理する責任です。

自治体からゴミ屋敷のゴミを撤去するよう指導・命令された場合は、相続放棄した人が対応しなければなりません。ゴミ屋敷が原因で火災が発生したり、近隣住民が怪我を負ったりした場合も、損害賠償を求められます。

ゴミ屋敷に関わりたくないからと相続放棄しても、次の相続人が管理を始めるまでは管理責任があることを念頭にいれておきましょう。

まとめ

ゴミ屋敷であっても、売却は可能です。

ただし、ゴミ屋敷を売り出す前に、ゴミの処分・臭いの除去・建物の解体などの費用がかかる場合もあります。ゴミ屋敷を少しでも高値で売却したい場合、ゴミを片付けたり、リフォームして物件をキレイな状態にしてから売却するとよいでしょう。

なおゴミ屋敷をそのまま処分したい場合は「訳あり物件専門の買取業者」に売却してもらうのがおすすめです。買取であれば買取であれば、ゴミの処分や清掃、リフォームなどを行う手間や費用がはぶけます。また仲介手数料の支払も不要なうえ、契約不適合責任も免責されます。

もしも、ゴミ屋敷の処分に悩んだら、ぜひ一度、当社の無料相談を利用してみてください。

ゴミの処分に関する質問や、更地にするべきかなど訳あり物件の専門家の観点から、丁寧にお答えします。

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更新日 : 2024年05月23日
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