底地は、借地人に貸し付けている土地なので、売りに出したとしても購入者は自由に土地を扱えません。
そのため、底地の需要は低く底地だけを売却しようとしても売却活動は難航してしまいます。買主が見つからず、いつまで経っても売却できなかもしれません。
底地の売却を検討しているなら、まずは借地人へ売却相談を持ち掛けてみましょう。借地人が底地を購入することで、土地の所有者と使用者が統一されるので「底地と借地」のデメリットが解消されます。
借地人への売却が困難だったり、借地人と土地を巡ってトラブルになっているなら「底地専門の買取業者」への売却がおすすめです。
底地の売却を検討しているなら、まずは以下のフォームから底地専門の買取業者による無料査定を受けてみましょう。最短12時間であなたの底地がいくらで売れるか、簡単に調べられます。
底地とは借地権や地上権が設定されている土地のこと
「底地とは借地権が付いた土地」です。
土地の貸借契約において、貸した地主と借りた借地人にそれぞれ土地の権利が分与されます。
地主には土地の所有権と地代徴収権がありますが、底地として貸し出すことで土地利用ができなくなります。
一方で、借地人には土地の借地権が付与されますが、利用している間は地主に地代を支払う義務が発生します。
つまり、一つの土地に地主と借地人の権利が交錯している状況になります。
底地の売却が困難な理由は3つ
底地は、借地人と土地の権利を分け合っている状態です。
そのため、土地の形や立地条件が良かったとしても、なかなか売れません。
理由としては以下のようなものがあげられます。
- 購入しても土地を自由に使えない
- 借地権者とのトラブルに巻き込まれる可能性がある
- 地代収入による収益性が低い
売りに出したとしても、買主がみつからず売れ残ってしまったり、非常に安い価格でしか売れないケースがほとんどです。
底地の売却方法は5つ
ここまでお伝えしてきたように底地は売れにくいですが、決して売却できないわけではありません。
具体的には、下記5つの売却方法があります。
- 1.借地人に売却する
- 2.専門の買取業者に売却する
- 3.第三者に売却する
- 4.地主と借地人が底地を同時売却する
- 5.底地と借地権を等価交換してから売却する
売却先によって買取価格や売りやすさが異なるため、次の項目から、順番に確認していきましょう。
1.借地人に売却する
底地を最も有効活用できる人は、借地人です。
借地人にとって大きなメリットがあるため、第一の売却先候補として考えるべきです。
借地人が底地を購入することで土地の権利全てが所有者のものになり、自由に土地を扱えるようになります。
そこで借地人は、底地を購入し完全所有権にできれば、自由に土地を扱えるようになります。
借地権者が底地を取得するメリットが非常に大きいので、売却価格も高くなりやすいです。
売却価格は、更地価格の50%前後で売買されるケースが多いです。
売却相談のタイミングが大事
借地人に売却することを考える人は、売却の話を切り出すタイミングを見極めましょう。
借地人の購入意欲が高まっているタイミングで、売却の相談をするほうが効果的です。
例えば、借地人から「建て替えや増築の相談をされたとき」がベストなタイミングです。
また、何世代にも渡って長い間借地を利用するつもりの場合、底地を買い取ってほしいという話は借地人にとって将来的にも悪い話ではありません。
これらのケースであれば、快く買い取りに応じてくれるでしょう。
2.専門の不動産買取業者に売却する
借地人への売却が困難であれば、専門の不動産買取業者に売却するとよいです。
「底地を早く売却して手放したい」「手間をなるべくかけたくない」という人に適した売却先です。
ただし、一般的な不動産会社に依頼してしまうと、本来より安い価格での売却になる恐れがあるので注意してください。
底地を売却するなら「底地専門の買取業者」への売却がおすすめです。底地売却を検討しているなら、まずは以下のフォームから無料査定を受けてみましょう。
高く売れる買取業者を選ぶポイント
底地を売るなら、できるだけ高く売りたいものです。
そこで、底地の買取業者を選ぶ際は以下のポイントを満たした買取業者に依頼してみましょう。
- 底地の買取実績が多い
- 底地のエキスパートが在籍している
- 査定・買取スピードが早い
買取業者の選び方や、現金化までの流れについては以下の記事を参考にしてみてください。
3.第三者に売却する
借地人や不動産業者ではなく、権利関係にない第三者に売却するという選択肢もあります。
例えば、地代収益を目的とする投資家に売却することが考えられます。
ただし、投資家に底地を購入してもらうためには、地主が得る収益価格と底地の売却価格のバランスが重要です。
他にも、以下の条件を満たしていると、投資家へ売却しやすくなります。
- 土地の境界や借地部分が明確化されている
- 賃料や契約更新料等の収益と、底地価格のバランスが取れている
- 借地権者との関係性や契約状況、滞納状況を正確に説明できる状態になっている
4.地主と借地人が底地を同時売却する
底地を売却したいと考えている地主と同じように、借地者が借地を手放したいと考えているケースもあります。
その場合、地主と借地人が相談の上、第三者にそれぞれの土地の権利を同時売却する方法もあります。
完全な一つの土地として売却できるため、単独で売却するよりも高い値段で売却できます。
ただし、同時売却は両者の合意が必要になるため、とても難易度が高い売却方法です。
同時売却については、以下の記事を参考にしてみてください。
5.底地と借地権を等価交換してから売却する
地主と借地人がそれぞれ持っている底地と借地権を一部分交換することで、両者が完全所有権のある土地をもつことができます。
これにより、地主は普通の土地として相応の値段で売却することができ、借地人は土地を自由に扱えるようになります。両者がメリットを感じることができる方法でしょう。
また、同じ割合で土地を分筆し等価で交換するのであれば「譲渡がなかったものとする特例」が適用されるので譲渡所得税がかかりません。
等価交換には、不動産に関する法的な知識が必要になるため、不動産問題に詳しい弁護士へ相談してみましょう。
底地における売却価格相場の計算方法
底地の価格は、更地の時価から借地権の価格を差し引いた金額が一般的です。時価とは、実際に市場で取引が成立した価格を基に、その時々で算出される価格です。
不動産は同一のものが存在しないことから、時価には個別性があり、評価指標は物件によってさまざまです。
具体的には、以下の2つの方法で売却価格相場を計算していきます。
- 路線価と借地権割合を用いて「借地権の評価額」を計算する
- 路線価から「底地の評価額」を計算する
なお、実際の価格相場については、以下の記事を参考にしてみてください。
方法1.路線価と借地権割合を用いて「借地権の評価額」を計算する
底地価格を算出する前に、路線価と借地権割合を用いて「借地権の評価額」を計算します。
借地権の評価額は、国税庁の路線価図に記載されている、自用地の評価額と借地権割合を用いて以下のように計算します。
自用地とは土地評価額の算定基礎となる土地のことです。(この自用地の評価額は「路線価×奥行価格補正率)×地積」で計算できます。
土地の奥行距離に応じて定められた奥行価格補正率については、以下の国税庁のリンクを参照してください。
【具体例】土地の借地権評価額の計算方法
400Cの道路に面する、とある自用地の評価額が1億9000万円と仮定します。その場合、以下のような計算式となります。
400Cと付けられた道路に面する土地の借地権評価額は、1億3300万円と計算できました。
この概算の評価額は相続税を計算するための財産の価値である「相続税評価額」ともいわれます。
方法2.路線価から「底地の評価額」を計算する
底地の評価額は、借地権評価額と同様に路線価と借地権割合を使っても計算できます。
土地には借地権の他に底地も含まれます。
このことから、以下の計算式で底地のみの割合を求め、底地の評価額を算出できます。
【具体例】土地の底地評価額の計算方法
借地権評価額を算出したときと同様に、自用地の評価額が1億9000万円だとすると、底地の評価額は以下のように計算できます。
400Cの道路に面する土地の底地評価額は5,700万円と算出できました。
ただし、上記の財産評価基準によって評価された金額は、必ずしも実際の底地価格になるとは限りません。
賃貸契約内容や土地の現状、地主の収益状況、契約内容など、さまざまな要素が絡んで底地の価格が決定されます。
また、底地は財産評価基準による評価額よりも低い価格で取引される傾向が多いです。
まとめ
底地は複数人の権利が複雑に絡み合った不動産です。
そのため、買主が購入後に自由に利用できず、収益化も難しいことから売却が困難です。
しかし「底地だからまったく売れない」わけではありません。状況にあった売却方法を選ぶことで、底地であっても売却可能です。
その中でも借地人に売却するのが最もメリットがあります。借地人も土地を完全所有できるので、両者がメリットを感じられるはずです。
もしも、底地の売却で不明点などがあれば、底地専門の買取業者へ一度相談してみるとよいでしょう。高額売却に向けたアドバイスを受けられるはずです。