貸している土地(底地)の市場価格は相続税評価額を目安に考える
貸している土地の価格を考える際に、目安としてよく用いられるのが「相続税評価額」です。その理由は、底地という不動産の性質にあります。
まず、底地の市場価格を算出するには、底地と借地権を別々に評価する必要があります。相続税評価額は、更地価格から借地権割合を差し引くことで算出されるため、「地主の権利(底地)」と「借地人の権利(借地権)」を分けて評価額を算出できるのが特徴です。
また、国税庁が定めた統一ルールに基づいて計算されるため、不動産会社や専門家の間でも共通の指標として扱われやすいという理由もあります。
相続税評価額は「権利関係を反映した分かりやすい基準」であることから、底地の価格を考える際の目安として用いられています。
ただし、実際の市場価格は売却先や収益性、契約条件などによって大きく変動します。特に重要なのが「誰に売るか」という点であり、底地の売却先は主に借地人と第三者に分かれます。
売却先が借地人であれば、市場価格と相続税評価額は一致あるいは、市場価格の方が高くなります。
一方で、借地人以外の第三者へ売却する場合、市場価格は相続税評価額の1/4~1/2が相場です。
相続税評価額の算出方法を解説したあと、第三者への売却、借地人への売却それぞれでの市場価格の算出方法をお伝えします。
| 区分 |
価格の考え方 |
算出の基準・目安 |
実務上のポイント |
| 相続税評価額 |
底地の税務上の評価額 |
更地価格 −(更地価格 × 借地権割合)
※一般的に更地価格の約30〜40%
|
路線価と借地権割合を用いて算出され売却価格の基準として使われることが多い
|
| 第三者への売却 |
地代収入を基準にした収益価格 |
更地価格の約10〜15%が目安
|
利回りが重視されるため地代水準が低いと評価も下がりやすい
|
| 借地人への売却 |
完全所有権化によるメリットを反映 |
相続税評価額〜更地価格の約50%程度
|
増改築・売却の自由度が高まるため 第三者より高値になりやすい
|
貸している土地(底地)の相続税評価額の算出方法
まずは貸している土地の相続税評価額の算出方法です。
これは、国税庁のホームページでも公開されている相続税路線価図・評価倍率表をもとに算出します。
路線価図は下図のように表記されています。数字が路線価(単位は千円/1平方メートル)で、アルファベットが借地権割合です。
たとえば「275C」は、1平方メートルあたり275,000円、借地権割合は70%を表しています。
借地権割合の対応表
| 記号 |
借地権割合 |
| A |
90% |
| B |
80% |
| C |
70% |
| D |
60% |
| E |
50% |
| F |
40% |
| G |
30% |
貸している土地の相続税評価額を算出する式は次のとおりです。
貸している土地の相続税評価額 = 更地価格 - 更地価格 × 借地権割合
宅地の借地権割合は60%~70%が一般的なので、貸している土地の相続税評価額は更地価格の30%~40%になります。
参照:国税庁
貸している土地(底地)の市場価格の算出方法(借地人への売却)
貸している土地を借地人に売却する場合、相続税評価額のように決まった算出方法はありません。
借地人が底地を買い取ると所有権の土地になるため、今まで借地であるという理由で地主の承諾が必要だった増改築や建て替え、第三者への譲渡が自由にできるメリットが生まれます。
このように、借地人が底地を買い取るメリットが大きいので、底地は相続税評価額~更地価格の50%が相場となっています。
貸している土地(底地)の市場価格の算出方法(第三者への売却)
貸している土地を借地権者以外の第三者に売却するときの価格は、地代収益性が基準になります。固定資産税や都市計画税、管理費などの必要な費用を除いて、どのくらいの利回りで運用されているかです。
底地は自由に利用できないため、買い手は将来得られる地代収入を基準に投資価値を判断するのが実情です。
地代収益性に基づく底地価格は、利回り水準や契約条件によって評価は大きく変動するため、厳密に計算しようとすると複雑になります。
また、底地は利用制限があるうえに買い手も限られるため、市場価格は大きく下がる傾向があります。そのため、一般的な目安は更地価格の10%~15%になることを覚えておくとよいでしょう。
より明確に算出したい場合は、不動産鑑定士などの専門家に依頼してください。
貸している土地を売却する3つの方法
貸している土地を売却する方法は以下の3つです。
| 売却方法 |
売却価格の傾向 |
売却までの期間 |
主なメリット |
注意点・向いているケース |
| 借地人に売却 |
最も高くなりやすい |
交渉次第で数か月〜 |
・完全所有権になるため合意しやすい
・第三者より高値になりやすい
|
・価格交渉に時間がかかることがある
・関係性に配慮が必要
|
| 第三者に売却 |
低め(収益性重視) |
数か月〜1年以上 |
・借地人と交渉せずに売却できる
・投資対象として成立する可能性がある
|
・買主が限られ売却まで時間がかかりやすい
・地代水準が価格に直結する
|
| 買取業者に売却 |
条件により幅がある |
比較的短期間 |
・売却時期が読みやすい
・手続きがシンプル
|
・価格よりスピード重視の方向け
・条件によって金額差が出やすい
|
次の項目から、それぞれの方法を具体的に見ていきましょう。
借地人に売却する
結論からお伝えすると、貸している土地の売却で一番おすすめなのが「借地人への売却」です。売却価格が第三者、買取業者へ売却するよりもずっと高くなることが理由です。
底地は借地人が買い取ることで、土地を完全所有権にできます。そうすれば、権利関係が複雑な借地権から解放され、自由にリフォームなどもできるようになるので大きなメリットがあります。
弊社に底地の売買をご相談いただく中でも、貸している土地を借地人へ売却するケースは、他の売却方法と比べて高値で成約する傾向が多く見受けられます。
第三者に売却する
貸している土地を第三者に売却するとき、主な売却先となるのは個人投資家です。建物が建っている底地は、その土地を購入しても買主は自由に使えません。借地人を無理矢理立ち退かせることもできないので、底地は通常の土地のように個人の買い手はほとんどつかないのが実情です。
しかし、底地は自由に使えない代わりに地代収入を得られます。地代収入はアパート・マンション経営と比べて空室リスクがない分、安定性が高いです。
底地の利回りは少ないですが、不動産投資の1つとして注目されています。第三者(主に投資家)に底地を売却する場合は、「収益の安定性」と「権利関係の明確さ」が特に重視されます。
下記のチェックリストで、ご自身の底地がどちらに近いかを確認しておきましょう。
| 売れやすい底地の特徴 |
売れにくい底地の特徴 |
- 地代支払が安定している
- 契約内容が明確(契約書が整っている)
- 更新履歴があり運用実績が説明できる
- 借地人との紛争がない
|
- 地代の滞納がある(または支払いが不安定)
- 境界が不明(測量・境界確認が未了)
- 借地人と揉めている(交渉が難航している)
- 契約書がない・内容が曖昧
|
買取業者に売却する
最後に紹介する売却方法は、買取業者への売却です。先ほどお伝えしたとおり、第三者への売却も可能です。
先ほどお伝えしたとおり、底地は第三者への売却も可能です。しかし、自由に運用できず収益も限定されるため、買主を見つけるまでに時間がかかるケースも少なくありません。
底地の買取に対応している買取業者であれば、買主が見つからないような底地でも買い取ってもらえる可能性があります。
底地を専門に扱う不動産会社は、権利関係の調整や収益化のノウハウを持っています。一般的には採算が合いにくいとされる案件でも、自社で収益化できると判断すれば買い取ってくれるケースもあります。
また、通常であれば時間のかかる買主探しや融資審査の期間を省略できるので、売却を短い期間で完了させられるのも魅力のひとつです。買取業者への売却は、「できるだけ早く現金化したい」と考えているときにはおすすめの方法です。
貸している土地を高値で売る4つのコツ
貸している土地をなんとなくで売ってしまうと、非常に低い価格で売り渡すことになる可能性が高いです。
もちろん、土地を貸しているので自由に利用できないので、通常の更地に比べて安くなるのは仕方がありません。
しかし、それでもできる限り高く売るコツはあります。次の項目から、確認していきましょう。
| コツ |
内容の概要 |
価格に影響する理由 |
特に有効なケース |
| 実績豊富な不動産会社に依頼 |
底地・借地権の取扱実績が多い会社に相談する
|
権利関係を理解した交渉・活用提案ができ、不利な条件を回避しやすい
|
権利関係が複雑な底地
借地人との交渉が必要な場合
|
| 借地人へのメリットを丁寧に伝える |
完全所有権になる利点を整理して説明する
|
借地人が価格に納得しやすくなり、高値での合意につながりやすい
|
借地人に売却する場合
|
| 地代を適正水準にしておく |
周辺相場に近い地代へ見直しておく
|
収益性が改善され、
投資評価が上がりやすい
|
第三者(投資家)に売却する場合
|
| 借地人と協力して同時売却する |
底地と借地権をセットで売却する
|
完全所有権として売れるため、買主が増え価格が上がりやすい
|
借地人も売却を検討している場合
|
底地・借地権の取り扱い実績が豊富な会社に依頼する
貸している土地を売却するなら、借地権の取り扱い実績が豊富な会社に依頼するとよいです。
貸している土地は権利関係が複雑になっていることが多いです。
このとき、底地・借地権の取り扱い実績がない不動産会社に仲介を依頼すると、適切な条件での交渉が難しくなる可能性があります。
逆に実績が豊富な不動産会社であれば、貸している土地の売却の交渉や買取後の活用方法についても、質の高いノウハウを持っている可能性が高いです。
底地・借地権の取り扱い実績が豊富かどうかは、その会社のホームページや運営しているWEBサイトで発信されている情報などから判断しましょう。
底地を購入するメリットを伝える(借地人に売却する場合)
底地を高く売るための選択肢として最も最適なのが「借地人への売却」です。ただし、借地人に突然、底地の購入を打診してもすぐには了承してもらえないでしょう。
そこで、提示する金額でも借地人にメリットがあることを丁寧に伝えます。借地人が底地を購入して得られる主なメリットは以下の通りです。
- 地代を支払わなくてよくなる
- 増改築、建て替えが自由になる
- 第三者への譲渡も承諾が不要になる
- 借地権の更新料が不要になる
- 売却時には実勢価格に近い価格で売却できる
底地を購入するメリットを伝えることで、借地人の負担軽減や将来的な資産価値の向上をイメージしてもらいやすくなり、購入の検討につながりやすくなります。
実務における実情として、借地人に購入を打診しても断られるケースは多々あります。理由はシンプルで、「借地人側に買い取るだけのまとまった資金がない」、あるいは「現状の地代が安いため、わざわざ高額な費用を払って所有権にする必要性を感じていない」からです。
そのため、ただメリットを伝えるだけでなく、相手の資金状況や世代交代(相続発生時など)のタイミングを見計らうなどのアプローチも必要です。
なお、借地人との交渉に不安がある場合は、第三者的な立場の不動産会社・弁護士に交渉を取りまとめてもらうとよいです。
地代を適正な額まで引き上げておく(第三者に売却する場合)
第三者が底地を購入するとき、その土地から得られる収益性(利回り)が注目されます。
つまり、賃貸契約であれば賃料にあたる地代の金額が重要です。
昔から貸している土地の場合、その地代は契約当時から変わっていないケースも多いです。そうなれば、毎年支払っている固定資産税・都市計画税、また近隣の地代に比べて低くなっている可能性があります。
それでは地代収入による利回りは低くなるので、売却価格も下がりやすくなります。地代が相場よりも低い場合、土地の買主は地代を適正価格にまで引き上げるための交渉や手続きを行う必要があり、その手間が価格に反映されることがあります。
そのため、可能であれば、借地人との合意のもとで地代を適正水準に見直しておくと、収益性の評価が上がり、売却価格の向上につながる可能性があります。
ただし、地代の増額を強引に進めてしまうと、借地人との信頼関係が損なわれる可能性があります。その結果、売却や条件調整がスムーズに進まなくなるおそれもあるため、関係性を維持しながら慎重に進めることが重要です。
借地人と協力して同時売却する
貸している土地をその借主である借地人に買取を提案したとき、借地人も借地を手放したいと考えている場合があります。
このとき、それぞれが単独で売却するよりも、底地と借地権のセットで協力して売却するほうが高値で売却できます。同時売却することで、買主は所有権の土地と建物を取得できるからです。
同時売却したときには、地主と借地人の配分は借地権割合に基づくことが一般的です。借地権割合が70%の土地であれば、地主が3割、借地人が7割となります。
ただし、この配分も地主と借地人との交渉次第です。お互いに納得できる割合ということで、地主が売却価格の40%~50%を受け取るという条件になることもあります。
そのため、底地を売却するときには、借地人に買い取りを提案する前に、借地権を売却するつもりがないか確認したり、最初から同時売却を提案してみるとよいでしょう。
貸している土地を売却するまでの流れ
貸している土地を売却するときは、以下の流れで進んでいきます。
- 売却前に契約内容や資料を確認する
- 不動産業者に相談する
- 貸している土地を査定してもらう
- 売却活動を行う
- 条件の交渉を行う
- 売買契約を締結する
- 代金決済・引き渡しを行う
上記の流れを省略したり順序を誤ると、契約内容の見落としによるトラブルや適正価格で売却できないといったリスクが生じる可能性があります。各手順の詳細について見ていきましょう。
売却前に契約内容や資料を確認する
底地を売却する前にまず揃えておきたいのが、契約内容や権利関係、収益性を裏付ける資料です。以下を事前に整理しておくと査定の精度が上がりやすく、買主・借地人との交渉もスムーズになりやすいです。
登記事項証明書をオンラインで取得する場合は、法務省が提供している「登記・供託オンライン申請システム」から申請できます。申請時はマイナンバーカードやメールアドレスが必要なので、事前に準備しておくとよいでしょう。
また、手軽に内容だけを確認したい場合は「登記情報提供サービス」を利用すれば、インターネット上で即時に登記情報を閲覧することも可能です。
参照:「かんたん登記・供託申請」
参照:「登記情報提供サービス」
不動産業者に相談する
相談する不動産業者を選ぶ際は、底地・借地権の取扱実績が豊富な会社を選ぶようにしましょう。
ちなみに、売却方法には大きく分けて「仲介」と「買取」があります。
いずれの場合も、底地や借地権の取扱実績が豊富な会社を選ぶことが非常に重要です。
仲介によって売却を目指す場合は、複雑な権利関係を整理しながら買主を探してもらうことができます。ただし、仲介は買主を見つける必要があるため、買取に比べて売却までに時間がかかる傾向にあります。
買取は名前のとおり、買取業者に直接買い取ってもらう方法なので仲介のように買主を探す必要がありません。話がスムーズに進めば、最短数日で現金化することも可能です。一方で、買取は業者が再販や運用を前提に購入するため、仲介と比べて売却価格が相場より低くなりやすい点には注意が必要です。
ご自身の希望する時期や条件に合わせて、最適な相談先を検討してください。
貸している土地を査定してもらう
不動産会社に相談したあとは、実際に貸している土地の査定をしてもらいます。このとき、借地人への売却であれば立地や形状、接道状況などから市場価格を出し、借地権割合などを参考に査定します。
投資物件としての第三者への売却となれば、地代と固定資産税や都市計画税、管理費用などから算出された利回りが査定の材料です。
ただし、買取業者であれば査定金額がそのまま売却価格の目安となるケースが多いのに対し、借地人・第三者へ売却する場合はあくまで参考金額となります。
最終的には借地人が合意した金額、第三者の買い手が見つかった金額が売却価格となるので、査定価格が高いからといって、その会社に依頼すれば必ず高値で売却できるわけではないということに注意してください。
売却活動を行う
不動産会社に仲介を依頼し、媒介契約を締結して第三者へ売却する際には、買主を見つけるための売却活動が行われます。
売却活動は基本的に不動産会社やチラシやインターネットで広告掲載したり、自社が持つ顧客に対して物件情報を伝えたりするので、地主が行うことは特にありません。
担当者から売却活動の報告を確認しながら、売値や売却条件の変更を考える必要はあるかもしれませんが、それ以外、買い手が見つかるまでは待機することになります。
買取会社に依頼した場合は、不動産業者がそのまま買主になるので、売却活動は不要です。
条件の交渉を行う
買主が見つかれば、具体的な引き渡し条件や引き渡し時期などの条件交渉になります。借地人に売却する場合は、不動産会社に依頼したあとですぐに売却価格を含めた条件交渉に移ります。
ここで注意したいのが「当事者同士で直接交渉するべきか」という点です。売り先が借地人であれば、「自分たちで話した方がスムーズではないか」と考える方も少なくありません。
ただし実務上、買主と交渉する際は、できるだけ不動産会社などの第三者を介して条件をすり合わせるべきです。
売買交渉は金銭が絡む話で、地主と借地人では利害関係が一致しません。
そのため、話が平行線をたどったり、関係が悪化したりして、売却が難しくなる可能性が高いからです。
というのも、売買交渉は金銭が絡むため、地主と借地人では利害が対立しやすく、些細な条件の違いが大きなトラブルに発展するケースもあります。
弊社にも、ありがたいことに底地を売却したいというご相談は数多くいただいております。その中には、当事者間で直接交渉を進めた結果、「双方の主張が対立して関係性が悪化してしまった」というケースも見受けられます。
買主と条件の交渉を行う際、条件のすり合わせについては不動産会社などの第三者を介して行い、法的なトラブルに発展しそうな場合は、弁護士などの専門家を交えて進めるのが最適な方法です。
売買契約を締結する
条件に合意できれば、売買契約を結びます。このとき売買契約を結ぶと同時に手付金を受け取ります。
これは売却先が借地人、第三者、買取業者、どこであっても共通です。
代金決済・引き渡しを行う
売買契約を結んだあと、契約で定めた日に代金決済と土地の引き渡しを行います。
地主はその日までに所有権移転登記など引き渡し時に必要な書類を準備しておきます。
所有権移転登記が完了したあと、手付金を差し引いた代金の入金が行われて、売却は完了です。
貸している土地を売却する際の税金・確定申告
貸している土地を売却したとき、利益が出た場合は譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は給与などの他の所得とは区別して計算される分離課税です。
ただし、確定申告は他の所得と一緒に行います。
もちろん、売却したときに利益が出なければ税金はかからず、確定申告も不要です。
課税譲渡所得額の計算方法
譲渡所得税は、売却価格ではなく、その金額から取得費と譲渡費用、特別控除額を差し引いた金額(課税譲渡所得金額)に課税されます。取得費は、土地を取得したときの購入代金や仲介手数料が当てはまります。
次に譲渡費用は、売却時に不動産会社へ支払った仲介手数料、底地の測量といった、貸している土地を売却するために支払った費用です。
最後に特別控除額ですが、これは底地を売却した場合に適用される特例はほとんどありません。基本的に、特別控除額は0円です。
まとめると、課税譲渡所得額は、以下の式で表されます。
課税譲渡所得額 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額
譲渡所得税が課税される場合の税率
譲渡所得税の税率は、その土地を所有していた期間によって異なります。
貸している土地を売った年の1月1日時点で、所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得としての税率が、5年未満の場合は短期譲渡所得としての税率が課税されます。
例えば、令和1年に売却したとき、平成25年12月31日以前に取得していた場合は「長期譲渡所得」平成26年1月1日以後に取得していた場合は「短期譲渡所得」になります。
それぞれの税率は下表のとおりです。
| 区分 |
所得税 |
住民税 |
| 長期譲渡所得 |
15% |
5% |
| 短期譲渡所得 |
30% |
9% |
長期譲渡所得と短期譲渡所得では、税率に2倍近い差があります。
そのため、特別急ぐ理由がないのであれば、長期譲渡所得になる所有期間が5年を超えてから売却する方がおすすめです。
相続によって貸している土地を取得したときには、被相続人(亡くなった方)の所有期間が引き継がれます。
つまり、5年超所有されていた底地を相続した場合、相続後すぐに売却しても、長期譲渡所得となります。
確定申告は売却した年の翌年2月半ば~3月半ばまでに行う
確定申告の期限は、原則、売却した年の翌年の2月16日~3月15日までです。
ただし、上記の日が土日祝と重なった場合は翌平日となります。来年(2027年)の確定申告の期日は2027年2月17日~3月16日までです。
期限までに納税しなかった場合、利息に相当する延滞税が課税されるので、遅れないよう十分に注意する必要があります。
また、実際の納税額の計算や納税について不明点があれば、あなたの地域を管轄している税務署や専門家である税理士に相談するようにしてください。
貸している土地(底地)の買取事例
買取価格
1,100万円 |
エリア:東京都 |
種別:事業用定期借地権 |
| 依頼者様は、父親からの相続によって叔父たちと底地を共有していましたが、関係性は兼ねてより良好でなく、将来的なトラブルを懸念して売却を決断されました。複数社を検討されていましたが、最も高い金額を提示した弊社にご決断いただきました。
|
まとめ
底地の価格は一律ではなく、「誰に売るか」によって大きく変わります。
借地人に売却する場合は、完全所有権となるメリットがあるため、相続税評価額に近い水準で売却できる可能性があります。
一方、第三者へ売却する場合は収益性が重視されるため、価格は大きく下がり、更地価格の1〜2割程度が目安となるケースもあります。
底地を少しでも高く売却したいのであれば、まずは借地人への売却を検討しましょう。借地人に買取の意思がない場合は、第三者か買取業者への売却を検討することになります。
なお、第三者や買取業者に依頼する際は、底地・借地権の取扱実績が豊富な不動産会社に依頼することをおすすめします。底地の専門業者であれば、複雑な権利関係の整理や適切な交渉が可能となり、有利な条件での売却につながります。
また、貸している土地を売却して利益が出たときは譲渡所得税が課税され、確定申告が必要なので注意しましょう。
底地の売却は、法律が複雑になっているので、少しでも分からないところがあれば、取引実績が豊富で底地に詳しい不動産会社に相談することも選択肢のひとつです。
貸している土地を売るときのよくある質問
貸している土地を売ることは可能ですか?
法律上の制限はないので、貸している土地であっても問題なく売却できます。ただし、買主が見つかりにくいため、なかなか売れにくいです
貸している土地はどこへ売却できますか?
貸している土地を売る場合、借地人や第三者または買取業者へ売却できます。