田舎の実家を処分するときに考えられる4つの方法
田舎の実家は、立地や建物の状態、相続状況によって、選べる処分方法が一つとは限りません。売却に限らず、いくつかの選択肢を比較したうえで判断することが重要です。
田舎の実家を処分する際に考えられる主な方法は、次の4つです。
- 不動産を売却する(買取/仲介)
- 他者へ貸し出しする
- 相続放棄をして手放す
- 自治体へ寄付する
いずれの方法も一長一短はありますが、実務上、田舎の実家の処分で検討される代表的な方法です。ご自身の状況に合った処分方法を検討してみてください。
1. 不動産を売却する(買取/仲介)
田舎の実家は、立地や建物の状態によっては売却が可能です。ただし、都市部の不動産と比べると買主が限られやすく、売却方法の選び方によって結果が大きく変わります。とくに、築年数が古い場合や立地条件が厳しい場合は、一般の買手がつきにくく、売却方法の選択が重要になるでしょう。
売却方法は、不動産会社を活用する「買取」と「仲介」の2種類に加え、自治体が運営するサービス「空き家バンク」の3種類が挙げられます。
| 田舎の実家の売却方法 |
概要 |
| 買取 |
不動産会社が不動産を直接買い取る。 |
| 仲介 |
不動産会社が売主と買主を仲介して売買契約を成立させる。 |
| 空き家バンク |
自治体や自治体から委託を受けた民間企業が主体で運営するサイトなどにて、買主・貸主と売主・借主をつなげる。
登録した空き家情報を自治体が公開し、田舎への移住を検討する買主にアプローチする。 |
田舎の実家を売却する最大のメリットは、管理や税金の負担から解放され、まとまった現金を得られる点にあります。
ただし買主が見つからないまま時間が経つと、固定資産税・都市計画税や維持管理費などが継続的にかかります。そのため、売却を検討する際は、買主の目線で「購入したい物件かどうか」を事前に整理しておくことが大切です。
以下では、買取・仲介・空き家バンクそれぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきます。
田舎の実家を買取で売却するメリット・デメリット
田舎の実家を確実かつ早く手放したい場合は、不動産会社による「買取」が有力な選択肢になります。買取は、買主を探す仲介とは異なり、不動産会社が直接買主となるため、売却までのスピードと確実性を重視したい人に向いている方法です。
とくに、築年数が古い実家や空き家期間が長い物件、相続関係が複雑な不動産などは、一般の買主が見つかりにくいため、買取を選ぶことでスムーズに処分できるケースも少なくありません。
田舎の実家を買取で売却する場合の主なメリット・デメリットは、次のとおりです。
<メリット>
- 仲介のように買主を探す必要がないので数日~1か月程度で売却できるケースが多い
- 老朽化や相続関係など訳あり物件でもそのまま買い取ってくれる業者が多い
- 契約不適合責任が免責となるケースが多く、売却後の修繕対応や損害賠償リスクを抑えやすい
<デメリット>
- 仲介よりも売却価格が低くなる傾向がある
- 売却価格相場よりも低く査定される可能性がある
- 買取に対応している不動産会社が仲介よりも数が少ない
売却価格よりも「早く・確実に手放したい」「管理や税金の負担から早く解放されたい」という場合は、買取による売却が適した方法といえるでしょう。
田舎の実家を仲介で売却するメリット・デメリット
田舎の実家を仲介で売却する場合は、一般的な住宅よりも売却の進み方が緩やかになるケースが多い点を理解しておく必要があります。
そのため、仲介は「高く売れる可能性がある一方で、売却までに時間がかかることもある方法」であることを前提に検討することが重要です。
田舎の実家を仲介で売却する場合の主なメリット・デメリットは、次のとおりです。
<メリット>
- 買取よりも高額で売却できる傾向にある
- 買主との交渉次第で売却価格を柔軟に変更できる
- 販促活動や売買契約などについてサポートしてくれる
<デメリット>
- 売却できるまで3~6か月以上、場合によってはそれ以上かかる可能性がある
- 仲介手数料が発生する
- 不動産会社や老朽化・権利関係などによっては取り扱いを断られる可能性がある
売却までにある程度の時間をかけられ、できる限り高く売りたい場合は、仲介による売却が有力な選択肢になります。
田舎の実家を空き家バンクで売却するメリット・デメリット
空き家バンクは、自治体が運営・関与する仕組みを通じて、主に「地方移住を検討している人」に向けて空き家情報を発信する制度です。一般的な不動産仲介とは異なり、売却の確約がある制度ではなく、あくまで情報掲載の場である点を理解しておく必要があります。
田舎の実家を空き家バンクで売却する場合のメリット・デメリットは、次のとおりです。
<メリット>
- 無料で登録・利用できる自治体が多い
- 自治体の広報や専用サイトを通じて物件情報を発信できる
- 田舎暮らしや移住を希望する層に直接アプローチできる
<デメリット>
- 個人間取引の場合、売買条件や契約内容を自分で調整する必要があり、トラブルに発展する可能性がある
- 購入希望者が現れなければ、長期間売却できないこともある
- 情報掲載の範囲が限られ、一般の不動産市場ほどの集客力は期待しにくい
空き家バンクは、個人間取引であれば仲介手数料はかかりませんが、自治体によっては不動産会社が仲介を担当し、仲介手数料が発生するケースもあります。制度の運用内容やサポート範囲は自治体ごとに異なるため、利用前に必ず詳細を確認しておきましょう。
2. 他者へ貸し出しする
田舎の実家は、売却せずに他者へ貸し出すことで処分する方法もあります。所有権を手放さずに活用したい場合は「借地(底地)」または「賃貸」という選択肢が考えられます。
| 田舎の実家の貸出方法 |
概要 |
| 借地 |
建物を解体して更地にし、土地のみを他者に貸し出す方法。
借地人から定期的に地代を受け取る。
|
| 賃貸 |
建物を残したまま、住居や事業用として貸し出す方法。
入居者から家賃を受け取る。
管理会社に運営を任せることもできる。
|
貸し出しのメリットは、実家の土地や建物の所有権を維持したまま収益化できる点です。売却のように一時金を得るのではなく、契約期間中は継続的な収入を得られる可能性があります。
一方で、田舎の立地によっては借主や入居者が見つからず、空き家のまま維持管理費や税金だけが発生するリスクもあります。また、借地・賃貸いずれの場合も、契約内容や権利関係によっては、途中解約や不動産の返還が難しくなるケースがあるため注意が必要です。
すでに資金面にある程度の余裕があり、実家を完全に手放すことに抵抗がある人に向いている処分方法といえるでしょう。
貸し出しを検討する際は「田舎の立地でも需要が見込めるか」「長期間にわたる管理や契約関係に対応できるか」といった点を踏まえて慎重に判断することが重要です。
以下では、借地と賃貸それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
田舎の実家を借地にして貸し出すメリット・デメリット
田舎の実家を借地として貸し出す場合、建物を解体して土地のみを活用することになります。
田舎の実家を借地にして貸し出すメリット・デメリットは次のとおりです。
<メリット>
- 更地にして貸し出すため、建物や設備に関する維持管理費がかからなくなる
- 貸し出し後に敷地内に建てられた建物の管理を原則として借地人に任せられる
- 定期借地権で契約した場合は、契約期間満了後に土地が返還されるのが原則となる
<デメリット>
- 建物や設備の解体費用が事前に必要となる
- 普通借地権では更新が認められるため、長期間にわたって土地が返還されない可能性がある
- 土地のみを利用したい借主は限られるため、立地によっては契約先が見つかりにくい
借地による貸し出しは、長期的な活用を前提に、建物管理の負担を避けたい人に向いている方法といえるでしょう。
一方で、将来的に土地を自由に使いたい場合は、契約内容を慎重に検討する必要があります。
借地とするために土地を更地にすると「住宅用地の特例」が外れ、固定資産税・都市計画税が大きく増える可能性があります。収益とのバランスを事前に確認しておくことが重要です。
田舎の実家を賃貸にして貸し出すメリット・デメリット
田舎の実家を賃貸として貸し出す方法は、売却せずに家を残しながら収益化できる点が特徴です。借地とは異なり建物をそのまま活用できるため、条件が合えば比較的高い家賃収入を期待できる可能性があります。
ただし、賃貸は「貸せば安定して儲かる方法」ではありません。立地や建物の状態によっては入居者が集まらず、空室期間が長期化するケースもあるため、事前の見極めが重要です。
田舎の実家を賃貸にして貸し出すメリット・デメリットは、次のとおりです。
<メリット>
- 借地と比べて、家賃収入による高い収益性を期待できる場合がある
- 住居用・事業用など活用の幅が広く、短期契約にも対応しやすい
- 建物を解体せず、空き家となった実家をそのまま活用できる
<デメリット>
- 修繕費・リフォーム費・設備交換など、維持管理コストが継続的に発生する
- 入居者との契約トラブルや建物の使い方を巡る問題が起こりやすい
- 空室が続くと、家賃収入が得られないまま固定資産税や管理費だけがかかる
賃貸による貸し出しは、実家に一定の需要が見込め、管理や修繕の負担も受け入れられる人に向いている方法といえるでしょう。
3. 相続放棄をして手放す
田舎の実家を相続した場合、状況によっては「相続放棄」によって実家を手放す選択肢があります。相続放棄とは、被相続人から相続した財産を資産・負債問わずすべて放棄し、相続人としての権利をなくすことで初めから相続人ではなくなる手続きです。
売却や貸し出しと異なり、相続放棄は相続が発生したときにしか選べない方法です。手続きは、自分が相続の開始を知った日から3か月以内に、被相続人(親など)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行う必要があります。
田舎の実家を相続放棄で処分するメリット・デメリットは次のとおりです。
<メリット>
- 他の相続人の同意を得ることなく、自分の意思だけで相続人の立場から離れられる
- 実家の売却や管理、賃貸先を探す必要がなくなる
- 借金や未納金など、マイナスの相続財産を引き継がずに済む
- 相続税や、将来的に発生する固定資産税・管理費の負担から原則として解放される
<デメリット>
- 現金・預貯金・株式・他の不動産など、プラスの相続財産もすべて放棄する必要がある
- 相続放棄後でも、次の相続人へ引き継ぐまでの間は「保存義務」が残る場合がある
- 相続放棄は一度受理されると撤回できない
- 他の相続人に負担が移ることで、親族間トラブルに発展する可能性がある
相続財産全体を見てマイナスのほうが大きい場合や、実家の管理・処分そのものに関わりたくない場合は、相続放棄が有効な選択肢となることもあります。
相続人が全員相続放棄した場合、最終的に実家は国庫に帰属します(
民法第239条)。ただし、国庫に帰属するまでの間、一定の管理義務が発生するケースもあるため、専門家への相談が重要です。
4. 自治体へ寄付する
田舎の実家を手放す方法として、自治体へ寄付するという選択肢もあります。ただし、自治体への寄付は「誰でも利用できる現実的な処分方法」とは言いにくく、利用できるケースは限られます。
自治体が受け入れる寄付は、公共施設や地域活用などの目的に合致する不動産に限られるのが一般的です。そのため、老朽化が進んでいる実家や、立地条件が悪い物件については、寄付を申し出ても断られるケースが少なくありません。
田舎の実家を自治体へ寄付する場合の主なメリット・デメリットは、次のとおりです。
<メリット>
- 売買や賃貸のように、買主・借主を探す必要がない
- 寄付が成立すれば、固定資産税や維持管理費の負担から解放される
- 自治体や地域の公益に役立つ可能性がある
<デメリット>
- 自治体側に活用計画がなければ、寄付を受け付けてもらえない
- 建物の老朽化や立地条件によっては、事前に解体・測量などを求められる場合がある
- 手続きに時間や労力がかかるうえ、現金化はできない
自治体への寄付は、固定資産税や管理負担から解放される一方で、受け入れのハードルが高いのが実情です。売却や貸し出しが可能な場合は、まずはそちらを検討するのが現実的といえるでしょう。
なお、相続した土地については、一定の条件を満たすことで国に返還できる「相続土地国庫帰属制度」もあります。ただし、建物がある土地は対象外となるほか、要件審査や負担金の支払いが必要となるため、制度の利用可否は慎重に確認する必要があります。
相続した田舎の実家を処分せずに放置しておくデメリット
田舎の実家を相続したとき「処分方法が決まらずに放置してしまっている」という人は少なくありません。クランピーリアルエステートが実施した全国の男女1,000人を対象にしたアンケートでは「実家が空き家になったらどうする?」という質問に対し、過半数の52.9%が「まだ決めていない」と回答していました。
しかし、田舎の実家を処分せずに放置すると、税金や維持管理、近隣トラブルなどの問題が発生する可能性が高くなります。ケースによっては、近隣住民からの損害賠償請求に発展するかもしれません。相続した田舎の実家を処分せずに放置しておくデメリットは次のとおりです。
- 固定資産税や都市計画税がかかり続ける
- 特定空き家に指定されると固定資産税が6倍になる可能性がある
- 家のメンテナンスや修繕などの維持費がかかる
- 近隣トラブルに発展し、損害賠償請求を受ける可能性もある
固定資産税や都市計画税がかかり続ける
田舎の実家を所有し続けると、実家に対してかかる固定資産税がかかり続けます。実家が市街化区域内にある場合は、都市計画税も発生します。固定資産税・都市計画税は毎年1月1日時点で所有しているだけで発生するため、所有年数が長くなるほど多くの税金を支払わなければなりません。
| 地方税の種類 |
計算方法 |
| 固定資産税 |
実家の固定資産税評価額✕税率(原則は1.4%) |
| 都市計画税 |
実家の固定資産税評価額✕税率(原則は0.3%) |
たとえば、実家の固定資産税評価額が2,000万円だったときの固定資産税・都市計画税は次のとおりです。
<固定資産税・都市計画税の計算例>
・2,000万円✕1.4%=固定資産税28万円
・2,000万円✕0.3%=都市計画税6万円
※住宅用地の特例が適用されているときは固定資産税が最大1/6、都市計画税が最大1/3になる
固定資産税評価額は3年に1回更新されるため同じ金額とはならないものの、評価額によっては実家を所有しているだけで、毎年数万円〜数十万円規模の納税が必要になることがわかります。
実家が住宅用地の特例の適用を受けているときは、固定資産税・都市計画税ともに減額措置が適用されます。ただし次で解説する特定空家に指定されて勧告を受けたり、更地にしたりすると住宅用地の特例の対象外になるので注意しましょう。
参考:総務省「固定資産税」
参考:総務省「都市計画税」
特定空家に指定されると固定資産税が6倍になる可能性がある
特定空家とは、空家等対策特別措置法に基づき、適切な管理がされておらず、そのまま放置すると周囲に悪影響を及ぼすおそれがあると自治体に判断された空き家のことです。
特定空家に指定されると、次のようなデメリットがあります。
- 自自治体から勧告を受けると、住宅用地の特例から外され、固定資産税が最大6倍になる
- 自治体からの是正命令にしたがわないと最大50万円の過料が課せられる
- 行政代執行(強制執行)がおこなわれると強制的な解体・撤去等および解体費用の負担となる
具体的には、次のような状態が認められる場合に指定されます。
<特定空家に指定される要因>
- 建物自体が破損・老朽化して崩れる可能性がある
- 汚物やゴミの放置による異臭・害虫・害獣が発生している
- 立木の繁殖・ゴミの蓄積・破損状態の放置など、周囲の景観を害している
- 不審者や浮浪者の溜まり場になっている、野生の動物が住み着き鳴き声や糞尿が発生している
クランピーリアルエステートが実施したアンケートでは「空き家を放置すると固定資産税が6倍になる可能性があることを知らなかった」と回答した人が1,000人中773人(77.3%)にのぼりました。
実家の固定資産税が突然6倍になったと慌てないよう、事前に特定空家となる条件等について知っておくことが大切です。
特定空家に指定されたときは、指摘された問題点を改善すれば、指定が解除される可能性があります。万が一田舎の実家を放置して特定空家となったときは、速やかに対応しましょう。
法改正により、特定空家に指定される前段階として「管理不全空家」という区分も設けられました。管理不全空家に指定された場合でも、住宅用地の特例が外れる可能性があります。
参考:NPO法人空家・空地管理センター「特定空家とは」
参考:e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」
家のメンテナンスや修繕などの維持費がかかる
田舎の実家の周辺住民とのトラブルや特定空家・管理不全空家の指定を避けるためには、定期的なメンテナンスや修繕といった管理が欠かせません。これらの維持管理費は、原則として空き家の所有者が負担することになります。
加えて空き家の管理には時間・労力もかかるため、実家から遠いところに住んでいる人にとっては維持管理だけでも大きな負担となるでしょう。
空き家の維持管理費として発生する固定資産税などの税金とは別の主な支出例は次のとおりです。
| 費用項目 |
概要 |
相場 |
| 水道光熱費 |
契約が残っていると基本料金や漏えい分の料金が発生する |
年間3万円前後 |
| 火災保険料 |
火災に備える際に発生する |
保険の種類にもよるものの戸建ては年間1~6万円 |
| 地震保険料 |
地震に備える際に発生する |
建物の構造や都道府県によって年間7,300~4万1,100円が基準(保険金額1,000万円のとき) |
| 各種メンテナンス費用 |
除草・剪定などを依頼する際に発生する |
シルバー人材センターなら1回あたり5,000円程度
民間業者なら1回あたり1万~10万円程度 |
| 修繕費用 |
空き家の倒壊等を防ぐための定期的な修繕の際に発生する |
修繕の規模や施工内容によって数万円~数十万円 |
| 管理費用 |
空き家管理サービスなどに外部委託する際に発生する |
月額5,000~1万5,000円程度 |
| ゴミの処分費 |
残っているゴミや不法投棄されたゴミの撤去で発生する |
数千円~数万円 |
| 交通費 |
実家から遠い場所に住んでいるほど発生する |
数千円~数万円 |
税金とトータルで考えると、空き家の所有にかかるランニングコストは年間30万〜60万円程度と見積もっておくとよいでしょう。
近隣トラブルに発展し、損害賠償請求を受ける可能性もある
空き家になった実家を管理せずに放置し続けると、老朽化や破損による倒壊といった物理的な危険が生じるおそれがあります。また、不審者・浮浪者の滞在や不法行為、犯罪者の隠れ場所として利用される、放火されるといったリスクもあるでしょう。
そのため、空き家の周辺で住んでいる住民からのクレームといった近隣トラブルに発展することも珍しくありません。
もし所有する空き家が原因の事故で他者に損害を与えると、民法第717条に基づき所有者が損害賠償責任を負います。命の危機にさらされるなどの損害となると、数千万単位の高額な損害賠償に発展する可能性もあります。
第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
e-Gov法令検索 民法第717条
田舎の実家をトラブルなく処分するためのポイント
田舎の実家をトラブルなく処分するためには、相続前後の判断と名義の整理が重要になります。
具体的なポイントは、以下の2つです。
- 親が生きているうちに実家を売却する
- 相続するときに複数名義にすることは避ける
それぞれの詳細を解説します。
親が生きているうちに実家を売却する
田舎の実家に親が住んでいるなど、親がまだ生きているうちに実家の売却を検討するとトラブルを防げる可能性が高くなります。
親が生きているうちに田舎の実家を売却するメリットは次のとおりです。
- 老朽化の進行を抑えた状態で売却できる
- 相続税の課税対象となる不動産を減らせるほか、相続後の固定資産税・都市計画税の負担を避けられる
- 相続前に親と話し合えるので相続や遺品関係を事前に整理できる
- 田舎の実家が遠方にあっても親と電話などでコミュニケーションを取りながら準備を進められる
「親が老人ホームに入る、または入る予定がある」「親しか住んでおらず、親自身が売却を検討している」といったケースでは、親が生きているうちに実家の売却を進めやすいでしょう。また、相続予定者同士の関係が芳しくなく、将来的なトラブルが予想される場合も、相続前の売却を検討する価値があります。
相続するときに複数名義にすることは避ける
田舎の実家を相続するときに相続人が複数存在すると、実家に対して複数人が所有権を有する共有名義になる可能性があります。
もし実家が共有名義になると、以下のトラブルが想定されます。
- 実家の売却、賃貸、リフォームなどをおこなうには他の共有人の同意が必要になるため、共有人同士でトラブルに発展する可能性がある
- 共有名義のまま孫世代の相続になると、さらに共有者が増えて処分が難しくなる可能性がある
相続時の共有名義を避けるためには、生前に親と話し合い、単独名義となるよう遺言書を作成してもらう方法があります。また、相続発生後であっても、遺産分割協議により単独名義になるよう相続財産を分配したり、代償分割や換価分割を選択したりすることも可能です。
共有名義になったとしても自分の分の所有権(共有持分)だけならほかの共有者の同意なく売却できます。ただし、共有持分は一般の買主が付きにくいため、実務上は専門の買取業者に相談するケースが多くなります。
まとめ
田舎の実家を処分する方法には「売却(買取・仲介・空き家バンク)」「貸し出し(借地・賃貸)」「相続放棄」「自治体への寄付」の4つがあります。いずれの方法にもメリット・デメリットがあるため、実家の状況やご自身の希望を踏まえて検討することが大切です。
実家を空き家のまま放置すると「年間30万〜60万円以上の維持管理費がかかる」「近隣トラブルや損害賠償請求に発展する」などのリスクが発生します。そのため、田舎の実家は放置せず、できるだけ早めに方針を決めて対応することが重要です。
処分を検討する際は「親が生きているうちに売却する」「共有名義にならないよう相続する」という2点を意識すると、無用なトラブルを避けやすくなります。
弊社「クランピーリアルエステート」では、相続不動産や老朽化物件、空き家などの訳あり物件を専門に買取をおこなっています。もし田舎の実家の処分についてお悩みであれば、ぜひ無料相談や無料査定から気軽にご利用ください。