実家が空き家になったらどうするか決めていない人が52.9%!次いで売却する人が16.4%
実家が空き家になったらどうするのかを1,000人に聞いたところ、「まだ決めていない」が1位となっていました。
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全体実数 |
全体% |
まだ決めていない |
529 |
52.9% |
売却して現金化する |
164 |
16.4% |
自分や親族が住む |
117 |
11.7% |
更地にする |
80 |
8% |
賃貸にする |
39 |
3.9% |
相続しない |
36 |
3.6% |
別荘として時々活用する |
16 |
1.6% |
空き家のまま放置する |
13 |
1.3% |
物置や倉庫等として利用する |
3 |
0.3% |
そのほか |
3 |
0.3% |
合計 |
1,000 |
100% |
1位の「まだ決めていない」は全体の52.9%を占めており、半数以上が実家をどうするか考えていないとわかります。
- 建て直しが不可の場所にある一軒家なので相続しても大した額で売れなさそうだし、空き家のままだと何か罰則などがありそうでどうした物かと悩んでいます。(男性)
- 何をどうしたらいいのか分からないので教えて欲しい。(男性)
- 空き家の管理は大変そうだが、売れるような土地でもないため困っている。(女性)
- 親が具体的にどうするか話し合おうとしない。(女性)
空き家になった実家は、処分・維持のいずれの方法で対応しても、さまざまな手続きや費用が必要になります。「どう扱うのが一番得なのかわからない」「相続関係が複雑でどうしてよいかわからない」と、どうすべきかが不明瞭なせいで、取り扱いを後回しにするケースは珍しくありません。
一方で、自分や親族が住まず、「空き家」となった実家に対する処分方法を回答した人には、さまざまな意見がありました。以下では、アンケート結果とその詳細について見ていきましょう。
売却して現金化する理由1位は「管理したくないから」26.1%
「実家が空き家になったら売却して現金化する」と答えた人で一番多かった理由は、「管理したくないから」、次いで「利用しないから」でした。
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全体実数 |
全体% |
管理したくない |
81 |
26.1% |
利用しない |
75 |
24.2% |
固定資産税を払いたくない |
72 |
23.2% |
現金化したい |
59 |
19.0% |
思い入れがない |
17 |
5.5% |
そのほか |
6 |
1.9% |
合計 |
310 |
100% |
建物は老朽化が進むほど、設備の修理や内壁・外壁の修繕などのメンテナンスの手間が増えます。加えて実家が遠方にあると、管理のためだけに年に数回帰省するのは、費用や時間の面で困難です。「実家を残したいけど、現実的に管理が難しい」という事情から、売却を検討するケースが多く見られました。
また3位の「固定資産税を支払いたくない」も、売却して現金化すると回答した人の約4分の1を占めています。
固定資産税および都市計画税とは、建物や土地を1月1日時点で所有しているだけで発生する地方税です。原則として金額は「固定資産評価額×標準税率(1.4%)」で決まるため、不動産の管理状態にかかわらず、対象の不動産を所有しているだけで納税が発生します。「実家を使わないのにお金だけかかるのなら、売って所有権を手放したい」という人も多く見られました。
- 山奥の古い家です。使い道がないんです。(男性)
- かなり古く傷んできているし、私たちはそれぞれ別の場所で暮らしているので。(男性)
- 九州在住のため、関東の実家に住むことはないので(女性)
売却方法については「不動産会社に依頼」する人が多いようです。
- 不動産業者に販売委託(男性)
- 地元の不動屋さんに買取です。売却益を均等分けです。(男性)
- まだしてないのでわからないが、数社の不動産屋に査定依頼すると思います。(男性)
- 兄弟と相談して、不動産買取か仲介で売れるのを待つと思います。(女性)
- まだ売却の時期ではないが、売却時はきちんとした不動産屋に任せると思う。プロに任せたほうが安心。(女性)
不動産会社に買い取りしてもらう、または仲介してもらうなど、何らかの形で不動産会社に依頼をする人がほとんどでした。ノウハウと実績がある専門家に実家の売却を依頼することで、高額査定、買手探し、売買契約締結のサポートなど、さまざまな準備・手続きを効率よく進められるメリットがあります。
また、不動産会社に売却を依頼するときは、「複数社に査定依頼をする」と答えた人もいました。複数社への見積もりは、査定額、対応内容、態度などを比較検討し、自分に合う不動産会社を選ぶのに効果的な手法です。
更地にする理由1位は「売却しやすいから」34.3%
「実家が空き家になったら更地にする」と答えた人で一番多かった理由は、「売却しやすいから」でした。
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全体実数 |
全体% |
売却しやすい |
34 |
34.3% |
管理したくない |
30 |
30.3% |
倒壊などの恐れがあるため |
18 |
18.2% |
駐車場などのほかの用途に転用する |
15 |
15.2% |
そのほか |
2 |
2% |
合計 |
99 |
100% |
更地は土地の活用範囲が広くなるため、建物付きの土地と比較して買手からの需要が多くなります。また、実家の解体費用は譲渡費用扱いとして譲渡所得から差し引けるので、土地の売却益にかかる税金を安くできます。
ただし、更地にすると「高額の解体費用の支払いが発生する」「売却できないと住宅用地の特例から外れた固定資産税が高い土地だけが残る」といったデメリットがある点も、事前に確認しておきたいところです。住宅用地の特例については、記事内「77.3%が空き家の固定資産税が6倍になる可能性を知らなかった」にて詳細を解説しています。
ほかには、老朽化した実家の倒壊による被害を事前に考慮して更地にするという意見もありました。
- 家の建物としては古いので更地に戻した方が売却しやすいといわれているので実家を解体し更地にする予定です。(男性)
- 既にかなり古いので空き家になって年月が経つと倒壊したりしないかが心配です。
そのほかの意見には、以下のようなものがあります。
- 土地は借地のため更地にして返還する。(女性)
- 家は両親名義だが土地は借地なので、住まなくなれば更地にして返す契約になっているため。(女性)
実家の建っている土地は借地で、上に建っている建物は親名義のケースでは、更地にしてから地主に返還をする契約になっている場合があります。
実家が借地に建っている場合は地主の許可がなければ売却できないため、更地にして地主へ返還する選択を取る人が多いのではないでしょうか。
賃貸にする理由1位は「家賃収入を得たいから」65.4%
「実家が空き家になったら賃貸として活用する」と答えた人で一番多かった理由は、「家賃収入を得たいから」で約6割を占めていました。
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全体実数 |
全体% |
家賃収入を得たい |
34 |
65.4% |
将来的に自分たちが住むかもしれない |
9 |
17.9% |
将来的に倉庫にするなど何らかの形で利用するかもしれない |
8 |
15.4% |
そのほか |
1 |
1.9% |
合計 |
52 |
100% |
- 賃貸にするか売却するかを悩む。(男性)
- かなりの田舎なので、家の売却ができるのか不安です。古い家なので、建物を壊して土地だけとして売却する方法や、借りてがあれば賃貸として貸すのがよいのか考えていました。(女性)
- 空き家になったら家を貸して家賃収入を得ます。(男性)
賃貸として活用できれば、実家を空き家として持て余さず収益源として計算できます。実際に一戸建てでも、「一戸建て賃貸」としての需要は存在します。
ただし、借り手がいなければ固定資産税や管理費などのランニングコストがかかるのが賃貸の大きなデメリットです。借り手が問題なく使えるよう、高額のリノベーション・リフォーム代も必要になるでしょう。
賃貸にすべきかは、「賃貸として需要が見込める」「運用にかかる費用を持っている」といった部分を十分に検討してからがよいと思われます。
また、賃貸として置いておけば実家の建物および実家の所有権はそのままになるため、将来的に居住や建て替えなどを見込んでいる場合にも対応できるメリットがあります。思い出のある実家も残せる点も、賃貸のメリットとして感じる人も多いでしょう。
実家を相続するかどうかに関しては、全体の53.2%が「相続したくない」と答えました。
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全体実数 |
全体% |
いいえ |
532 |
53.2% |
はい |
468 |
46.8% |
合計 |
1,000 |
100% |
相続したくない理由として多かったのは、「管理したくない」「固定資産税を払いたくない」という意見です。
実家を相続したくない人は53.2%で理由1位は「管理したくないから」
- 相続の手続き、その後の家の管理が面倒だから(男性)
- 建物が古いため、改修などにお金がかかりそうだから。(男性)
- 離れた場所で生活しているので、管理できない(男性)
- 相続税が払えるのか?がまずは問題。規模が違うので。(女性)
- 今は少し離れた土地に住んでいるので相続しても扱いにこまってしまう。(女性)
相続した場合の管理については、「相続トラブル」について聞いた質問に以下のようなコメントがありました。
- 遠方に住んでいるため、管理が難しいとか、世代間で意見が異なる事。(女性)
- 今のところトラブルはありません。ただ、相続した場合は補修で費用がそれなりにかかりそうです。(女性)
- 誰がお金を払って管理するか。(女性)
- 実家というよりも祖父母の家だったが、空き家になってからの維持費と片付けを誰もやらなくてトラブルになった。(女性)
「トラブルはない(なかった)」との回答が多い中、管理を巡ってトラブルになった人や、相続した場合の修繕費が嵩みそうなのを危惧している人がいます。実家を相続した場合は土地建物が資産になりますが、管理費や固定資産税の支払いなどの出費も発生します。それらを考えた際に、「相続はしない」といった選択をする人も一定数いるようです。
一方で、思い出や愛着が詰まった家という理由や、自身が住むことを考えて、また売却など活用したいなどの理由で相続したいという人がいました。
- 自分が育った愛着のある家なので、できることなら相続したい(男性)
- 売却や建て替えなどの有効が活用したいから。(男性)
- 親がなくなった後、自分が実家に住みたいからです。(女性)
親が持ち家に住んでいる場合、親が亡くなった際の実家の相続は必ず発生します。相続関係のトラブルを避けるには、「親が生きているうちに親や兄弟、親族と話し合う」「相続後の実家の取り扱いについて事前準備をしておく」などの対策が重要です。
空き家のまま放置する理由同率1位は「どうするか決めていない」「解体するお金がない」26.3%
今回実施したアンケートの結果のなかには、売却や賃貸などをおこなわずに「空き家のまま放置する」という意見もいくつか見られました。空き家として放置する理由は、「親族間でどうするか決めていない」「解体するお金がない」が同率1位です。
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全体実数 |
全体% |
親族間でどうするか決めていない |
5 |
26.3% |
解体するお金がない |
5 |
26.3% |
売却したいが買手が現れない |
3 |
15.8% |
手続きが面倒なので放置している |
2 |
10.5% |
いつか自分や親族が住む |
1 |
5.3% |
実家に他人を住ませたくない |
1 |
5.3% |
そのほか |
0 |
0% |
合計 |
19 |
100% |
- 将来的に空き家になるのは確実であるが、どのように処分するのかまだ調べたことも無いので、何も分からない。ただ面倒くさそう。(男性)
- 解体する場合に高額な解体費用がかかるところが心配です。(男性)
- まだ両親は健在ですが、いつ何があってもおかしくは無い年齢なのでその後家をどうするか、漠然としています。(女性)
- 空き家をどうするか、家族の間で意見が分かれている。(女性)
実家の相続や活用について決めるには、親族との調整やさまざまな手続きが必要です。1度や2度の対応だけでは、実家をどうすべきかの方針がまとまらないケースは珍しくありません。
とくに相続人が複数人いる場合や、実家について連絡を取り合う親族がいる場合は独断で実家の処遇を決めるのは困難です。親族間で意見が食い違ったり、単純に話し合いの場を持っていないなどの理由で、実家が「宙ぶらりん」の状態になっているのかもしれません。
また、解体するお金がないために放置されているケースも存在します。一軒家を解体するには、一般的に100~300万円程度かかるため解体費用を用立てられない人もいるでしょう。
とはいえ、空き家のまま放置していると管理費用や固定資産税などさまざまな費用が必要です。なるべく早期に実家をどうするか決定することをおすすめします。
なお、今回実施したアンケートでは、実家の処遇を決めるのは「自分を含む兄弟(子)の誰か」が1,000人中938人と、圧倒的多数となっていました。
そのほか実家が空き家になったときの対応
今回実施したアンケートでは、空き家になったときの対応として、売却、更地化、賃貸、放置以外にも「自分や親族が住む」「別荘として時々利用する」「物置や倉庫等として利用する」と回答した人も見られます。
- 兄弟が親と現在一緒に同居しています。(女性)
- 伊豆の戸田は夏は海水浴、冬も暖かいので別荘として使いたいと思っています。相続は兄弟で相談しますが、トラブルは無いと思います。(男性)
いずれの方法も実家の建物はそのままの形で残しつつ、空き家としては遊ばせない方法です。管理や固定資産税の問題があるものの、面倒くさい手続きが必要ないうえに、不動産としてそのまま利用できるメリットがあります。
55.2%が実家をなくすことに抵抗があると回答
「実家を相続したくない人は53.2%」では実家を相続したくない人は過半数を占めていた一方で、「実家をなくすことに抵抗がある」と回答したのは1,000人中552人の55.2%でした。
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全体実数 |
全体% |
はい |
552 |
55.2% |
いいえ |
448 |
44.8% |
合計 |
1,000 |
100% |
以下では、実家をなくすことに抵抗がある人と抵抗がない人のそれぞれの意見を見ていきましょう。
実家をなくすことに抵抗がある理由
抵抗がある人の意見には、生まれ育った思い出があるというものが多くありました。
- 子どもの頃の両親との思い出があるので、なんとなく寂しいというのが理由です。(男性)
- 母方の本家筋にあたるので、なくしてしまうと親戚一同が集まる場所が減るという点が気になっています。(男性)
- 何かあったとき、無職になったときに帰る場所がなくなると、怖い。(男性)
- 自分が生まれ育った思い出があるということと、建物や庭が古くて歴史があるので、無くしたくないです。(女性)
- 祖父が購入した土地を私が処分してしまってよいのか、と考えてしまいます(女性)
- 思い出の場所。立地もよいので手放すのはもったいない。(女性)
実家が親族が集まる本家だった場合、なくしてしまうと「親族一同が集まれない」「何かあったときに帰る場所なくなる」といったケースが想定されます。そのため、実家の「人が集まる機能」を残したい思いから抵抗があると回答している人もいました。
また、「古い建物ならではの趣を残したい」「立地の良い場所にある家を手放したくない」といった意見もあります。
実家をなくすことに抵抗がない理由
実家を処分することに抵抗がない理由には、「いずれ手放すなら早めに見切りをつけたい」といったものがありました。
- いずれは手放すことになるものなので、早めに見切りをつけた方が良いと思います(男性)
- そのまま残していても、余計な支払わなければいけないお金が発生しそうだから(男性)
- 家族仲が良い方ではなかったので思い入れが人より少ないと思います。(男性)
- 家そのものが育った家ではなく、独立後に親が購入したため、想い入れが全くないためです。(女性)
- かなり古い家なので、残した方が周囲に迷惑をかけてしまうため。(女性)
- 住む予定がないので、有効に利用してほしいから(女性)
すでに実家以外の持ち家があったり、実家を欲しがる親族がいなくなったり(亡くなったり)する人は、賃貸や駐車場などで活用しない限り、いつかは実家を手放すべきタイミングが存在します。「将来的に必要なくなるなら今のうちに処分しておく」と考える人も少なくないようです。
ほかには、「そもそも思い入れがない」「残しておくと自分にも他人にも迷惑がかかる」といった意見がありました。
77.3%が空き家の固定資産税が6倍になる可能性を知らなかった
実家を空き家のまま放置すると、固定資産税が6倍になる可能性があります。その事実を理解しているのは1,000人中227人と、77.3%の人が空き家放置で固定資産税が6倍になることを知らないと答えています。
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全体実数 |
全体% |
いいえ |
773 |
77.3% |
はい |
227 |
22.7% |
合計 |
1,000 |
100% |
住宅が建てられている土地には、「住宅用地の特例」が適用されています。住宅用地の特例とは、住宅やアパートなどの人が居住するための建物の敷地に利用されている土地(住宅用地)にかかる固定資産税が、最大6分の1になる制度です。
たとえば実家を何も考えずに取り壊して更地にすると、住宅用地の特例が適用されなくなって固定資産税が元に戻る、つまり6倍になるリスクがあります。
「それなら、実家が空き家でも取り壊さなければ住宅用地の特例は消えないのでは」と思われるかもしれませんが、結論を言うと空き家でも特例の適用外になる可能性があります。2015年に施行された「空家等対策特別措置法」における「特定空き家」として実家が指定されると、固定資産税の優遇措置が適用されなくなるからです。
「特定空き家」とは、そのまま放置すれば倒壊など保安上危険となる恐れがあったり、著しく衛生上有害となるおそれがあったりなど、「また管理が適切に行われていないことで景観を著しく損なっている状態の空き家」のことです。
人が住まない家を放置すると、老朽化による倒壊や周囲の雑草による景観破壊などのリスクがあります。つまり実家を管理せず放置を続けると、特定空き家に指定される可能性が存在します。
空き家の実家が特定空き家に認定されないよう、実家をどうするかは早めに決めておくと、安心できるのではないでしょうか。
【体験談】実家が空き家になることにどのような悩みがある?
今回実施したアンケートでは、実家が空き家になることに対してどのような悩みがあるのかについて、記述式で回答してもらいました。ここからは、アンケート回答者が実家が空き家になることにどのような悩みを持っているのか、体験談ベースで解説します。
固定資産税や解体費用などのお金の面
固定資産税や解体費用、そのほか維持管理費など、空き家になった実家にかかるお金の面は実家の管理においてよくある悩みの1つです。とくに建物・土地の固定資産税評価額が高めになる都市部ほど、空き家を放置する金銭的リスクへの悩みは大きくなるでしょう。
実施したアンケートを見ても、お金に関する悩みが多く見られました。
- 建物を壊して売りに出しても買い取り手があるかわからない田舎ですので、単に固定資産税だけ支払う形になるのです。何も壊さずならば税もそのままですが、壊すと固定資産税が上がってしまうのが辛い所です。(男性)
- 軽量鉄骨のため、解体費用が高くつきそうで不安です。また、不仲な姉と揉めそうです。(女性)
- 家の維持費を誰が持つか決まっていない。(男性)
一戸建ての固定資産税1年分の平均額は10万〜15万円と言われています。一戸建ての解体費用は、最低でも100万円を見込む必要があります。維持するにせよ更地にするにせよ、何かしら高額の支出を覚悟しなければなりません。
また、なかには「実家を売却したときの売却額で揉めそう」「住宅ローンがどうなるかわからない」といった意見もありました。
- 資産の分配やローンはどうなるのか。(男性)
- 親は高齢で自分を出産しているので、相続した際にローンが残っていると不安です。また、兄弟は実家から出ているので、押し付けられそうなのも不安です。(男性)
このように、実家の建物は不動産という資産になりえる反面、さまざまな面での支出についても考慮しなければなりません。
管理の負担が大きい
空き家になった実家にかかる負担も、悩みの1つとしてよく挙げられています。
- 管理することが難しくなるので、庭に大量の雑草が生えたりして周囲に迷惑をかけるのではないかと心配です。(男性)
- 家の中にあるタンス等家財の処分と、後は周辺の雑草が生い茂ってくるので定期的に草取りしなくてはならないことです。(女性)
- 遠方に住んでいるので、空き家になってからのメンテナンスがとても大変。(女性)
- 老朽化しているので管理は難しいし住む人もいない。(男性)
老朽化や雑草は、原則として止めるのは困難です。しかし、定期的にメンテナンスや管理をしなければ、建物の倒壊、害虫の発生、景観の破壊、不審者の侵入などのトラブルの危険があります。「77.3%が空き家の固定資産税が6倍になる可能性を知らなかった」で解説した特定空き家に認定されて、住宅用地の特例が外れるリスクも考えなければなりません。
とはいえ実家が遠方にあるほど維持管理そのものが難しく、どう対応すべきか悩んでいる人が多く見られます。また回答者のなかには、「実家が島にある」「自分も高齢なので空き家の管理が大変」といった意見も見られました。
- 実家は瀬戸内海の島にあり、兄弟の誰もが仕事上とても不便になるので誰が継ぐのか、あるいは処分するのかなど全然決めていないこと思い出のある一軒家なのでなるべくは残したいが、木造でもあるため管理が難しそう。(男性)
- もう高齢なので、空き家の管理が大変です。でも、子供たちが帰省した時に泊まれる場所でもあるので、簡単には処分できません。(女性)
- 実家は築50年以上の古い家で、耐震性に不安があります。また、田舎にあるので管理が大変そうです。(男性)
実家の場所・状態や所有者の状況によっても、空き家になった実家にかかる負担の大きさは左右されます。
どのように取り扱うべきか決まらない
実家が空き家になることへの対応は考えているものの、どう取り扱うべきかまだ決まっていない人も少なくありません。
- 築30年になるので、古い建物になるのでそのまま住めるのかどうか?リノベーションが必要か?(男性)
- 処分する予定だが、どこに相談すればよいか、法律、税金的に一番よいのはどうすればいいか分からない。(男性)
- まだ両親は健在ですが、いつ何があってもおかしくは無い年齢なのでその後家をどうするか、漠然としています。(女性)
- 現在、父親が1人で住んでおります。苦労して建てた家です。田舎にあるので後に誰も住む者が居なく処分する予定ではありますが思い出の詰まった家なので残せないか悩んでいます。(女性)
「空き家の実家をどう活用すれば得なのか」「更地にすべきか建物を残すべきか」など取り扱い方法に悩んでいる人だけでなく、そもそも何をすべきなのかがわからない人も見られました。親族間で意見がまとまらず、問題が進展しないケースもあるようです。
- 実家のある場所は空き家が増えているため、売却するとしたら、希望する価格で売却できるかどうか不安。また兄弟姉妹で意見が分かれていて、どうすべきか意見がまとまりそうにない。(女性)
- 空き家をどうするか、家族の間で意見が分かれている。(女性)
空き家の実家は取り扱いを間違えると、金銭・時間のいずれも失うリスクがあります。そのため、なかなか処遇が決まらないという悩みが発生します。
売却できるのか、売却すべきなのかわからない
空き家の実家を売却すると、売却益を得られる、所有権を手放せるなどのメリットがあります。しかし一方で、アンケートでは売却にまつわる以下の悩みを持つ人が見られます。
- 空き家の状態が長く続けばスムーズに売却ができなくなるのではないかという不安があります。(男性)
- 売るにしても手続きが面倒そう。すんなり売れるか不安。(男性)
- 誰が両親死後の家を相続するのかまたは相続した後、住み続けて固定資産税を払うのか売り払う場合、売却金がの分配はどうするなど兄弟でもめそうなので怖い。(男性)
- 自宅と実家が離れていて遠いため維持管理が大変になります。また、実家が防災上問題があるため売却も難しそうなので、どうするか迷っています。(男性)
- 解体費用:解体時にいくら必要なのかまだわからない。家の売却:家が売れるのかわからない。近所の空き家が売れていない。(男性)
「空き家はいくらで売れるのか」「買手が見つかるのか」「売却するよりも賃貸のほうがよいのか」「更地にしてから売るべきか」といった悩みが多く寄せられていました。
相続関係でトラブルが起きそう
空き家の実家を所有するパターンで多いのは、実家に住んでいた両親が亡くなった後に実家を相続するケースです。
しかし、不動産の相続関係はトラブルが発生しやすいと言われています。空き家の実家を相続する場合でも、起こり得るさまざまなリスクに対して不安を覚える人が見られます。
- だれが相続するのかあまだはっきりしていないし、修理改修など多々ありその費用をだれが負担するかなどの問題がある。(男性)
- 親の相続について、親自身が実家の片付けや資産の整理などを全くしていないので、親の資産や負債がどれくらいあるのか全く不明。(男性)
- 自分が移り住むのか売り払うか、兄弟の誰かが相続するかまだ何も決まっておらず、当の本人である両親も自分たちで何とかすると言い張ってきちんとしたことを話し合えていない状態です。(男性)
- いい土地の所にある大きいうちだから、売りたくはないけど、相続税も結構かかるし、姉と2人でどうするか決まっていないから。(女性)
- 相続人になる家族が全員嫁に出てすでに持ち家があるため、完全に持て余してしまう。(女性)
- 独誰が相続することになるか、相続したあとに売却した土地や建物代金をどうするかに悩む。(女性)
相続関係の悩みに関する体験談は、今回実施したアンケートのなかでもとくに多い意見でした。相続は資産の分配や共有持分などで相続人同士で揉めやすいうえに、相続税や登記関係の費用なども考えなければなりません。そういった背景から、相続関係の悩みは多くなる傾向があるといえるでしょう。
【体験談】空き家になる実家に関する悩みはどう解決した?
今回のアンケート調査では、空き家の実家に関する悩みの解決策についても回答してもらいました。ここからは「【体験談】実家が空き家になることにどのような悩みがある?」に挙げられた悩みを中心に、空き家になる実家に関する悩みを回答者はどう解決したのかを紹介します。
お金の面での解決策
お金の面での解決策は、「事前に資金を準備する」「発生するコストを抑える」「空き家の管理や活用に関する補助金制度を利用する」などが挙げられていました。
- 税金用の口座を作り貯蓄する(予定)。(男性)
- 事前に解体にかかる分のお金を想定して貯金する。(女性)
- 母が整理する際に業者を呼べるように費用は貯金してあるとのことなのでそれを利用する予定。(女性)
制度・借入を利用せずにお金の面を解決するには、やはり事前に貯蓄しておくのが一般的な解決策です。必要な税金額、解体費用などを事前に予測しておき、必要な貯蓄額を事前に確認しておきましょう。
外部業者に依頼して対処した人は、「安い解体業者を探す」という意見を挙げています。
- インターネットで検索してなるべく安い解体業者をいくつか探しました。(男性)
- 安い業者を探す、自分でこまめに手入れする。(女性)
安い業者を探すには、複数社への査定や見積もりを依頼して比較検討するのが効果的です。また現在はインターネットでの検索や、買取業者・仲介業者とのマッチングサービスなどを活用すれば、自分に合う業者を探しやすくなりました。
なかには「役所に相談に行き、空き家の管理や活用に関する補助金制度などを教えてもらいました。解体には補助が出るそうなので、更地にすることも視野に入れています。(女性)」との意見もありました。
たとえば空き家に使える補助金として、「先進的窓リノベ事業」が挙げられます。また、全国の都道府県では各自治体ごとに、空き家の改修や活動に関する独自の補助金・助成金制度が設けられています。補助金や助成金を活用したい人は、実家がある自治体の役所へ一度相談してみるのがよいでしょう。
管理面での解決策
空き家の管理面での解決策として多かったのは、「しっかり話し合い、誰が管理するかを決める」でした。
- 兄弟で両親が亡くなった後に家をどうするか話し合った。(男性)
- 親族と空き家の処分の方法について話し合ったり、空いた時間にインターネットで空き家の買取に力を入れている不動産会社を調べたりしています。(男性)
- 兄弟同士で話し合いをしました。不動産会社に相談しました。(男性)
- もしもの時のため、離れた場所に暮らす兄弟姉妹となるべく連絡などをするようにしている。(女性)
- 兄弟で集まって、実家の今後について話し合いました。修繕費用の負担や管理の分担について、ある程度の方針は決めましたが、まだ具体的な計画までは立てられていません。(男性)
両親が亡くなって空き家になる前に、「管理や処分が手間になりそうなものを片付けておく」「実家の修繕を進めておく」という意見もあります。また、生前の財産分与による事前の問題解消を検討する人もいます。
- 生前の財産分与など、兄弟で負担を分けるための方策を調べた。(男性)
- 正月やお盆など、実家に帰ったタイミングで少しづつ部屋の片付けを行っている。(男性)
- 体力のあるうちに、壁紙を貼るなどDIYで好みの家に作り替えている。住みやすくすると同時に、少々の修理は自分でできるようDIYスキルを上げている。(女性)
- まだ母が生きていてくれて住んでいるので、特に解決に向けて動いてはいないが、実家の両親の持ち物の断捨離を母に頼まれて手伝っている。(女性)
なかには、管理会社などの業者へ管理や処分を任せるケースもありました。
- セキュリティ会社に依頼して、定期的に見回りをしてもらうようにしました。また、近所の方にも時々様子を見てもらえるようお願いしました。(男性)
- 不用品回収業者を利用して処分しました。(男性)
自分や親族での管理が難しいときは、空き家管理サービスといった外部業者に管理を依頼することも検討してみてください。月額5,000〜1万円程度で対応してくれます。
取り扱い面の解決策
空き家になった実家の取り扱いがなかなか決まらないときは、不動産会社などに相談する人が多く見られます。また、インターネットなどで自分で調べて決めたという意見もあります。
- 自分がマイホームを購入した時に、お世話になった不動産会社の担当者に聞いて、不動産の悩みは解決しています。(男性)
- 兄弟同士で話し合いをしました。不動産会社に相談しました。(男性)
- 不動産業者に相談したところ、リフォーム費用の概算と、賃貸需要の見込みを教えてもらいました。費用対効果を考えて、賃貸にするかどうか検討中です。(男性)
- とりあえず更地にするための費用などを調べている。(女性)
実際の取り扱いとしては、集まり場として残す、賃貸として活用する、駐車場にして儲ける、将来的に自分が住むなどの意見がありました。また、事業用の店舗として活用を検討する人もいます。
- 集まりの場にしたい。(男性)
- 外壁や屋根の葺き替えなどリフォームして賃貸で貸し出す。(女性)
- 駐車場にしてもうけたいから。(女性)
- まだ悩み中ですが、いずれは自分が住もうかなと考えています。(女性)
- 現在、古い空き家を利用して雑貨屋やカフェ、コスプレ撮影所などの使い道があると知ったので、その辺で活かせないかと検討している。(女性)
賃貸物件としての活用や駐車場、倉庫などとしての利用などは、その地域の需要や運営方法を分析する必要があります。収益源として空き家の実家や土地を使うときは、不動産会社や金融機関などの専門家へ相談するのもよいでしょう。
売却面での解決策
空き家の実家を売却する際は、不動産会社へ相談して解決を目指すケースが多数を占めていました。
- 地元の不動産会社に依頼し売却の方向で依頼した。(男性)
- 両親と兄弟で集まって、その件についてはよく話し合わないといけない。私も海外から出来るだけ早く一時帰国をして話し合いを実現したい。管理して残すなら、業者に託すのも一案かもしれない。兄弟の誰かがそこに住めれば、それが一番良い解決方法だろう。今の空き家問題が当然のご時世では、高い値段での売却は期待できないが、見積もりを取ってやってみよう。(女性)
- 空き家を売却するために、どこの不動産会社に査定してもらうか今のうちにある程度の土地の価値などを調べています。(女性)
- 地元の不動産業者にお願いして売却した。売却に当たり業者に依頼して残置物の撤去、樹木の伐採、建物の解体を行い、敷地面積が広すぎるため測量、分筆を行った。(女性)
- 売却を選択した場合は、家買取業者 土地買取業者のどちらかにお願いします。(女性)
売却方法は、需要に応じて「空き家付きの土地で売る」と「更地にして売る」に分かれています。
- 流山市は土地が上昇しているので、思いでのある実家ですが、古屋付き土地として売却した方がよいかと思っています。(男性)
- 家を壊して、売却を検討。(女性)
- 家の建物としては古いので更地に戻した方が売却しやすいといわれているので実家を解体し更地にする予定です。(男性)
不動産を売却するには、「不動産の価値に応じた正しい査定」「不動産の買手探し」「買手との交渉」「契約手続き」「引き渡し」など、専門的な手続きが必要になります。売却を検討するときは、不動産売買のノウハウや実績を持つ不動産会社へ依頼するのがよいでしょう。
空き家になった実家を売りたいときは、空き家や訳あり物件を専門とする買取業者への売却もおすすめです。たとえば株式会社クランピーリアルエステートなら、空き家を含めたさまざまな訳あり物件の買取をおこなっています。
相続面での解決策
空き家になった実家を相続するときの解決策としては、次のものが挙げられています。
- 自分は相続せずに、売却の手続きなど兄弟に任せた。(男性)
- 今は弟に相続して住んでもらっている。(女性)
- 以前、遺産相続をした際に弁護士さんなどに聞いたりはしました。(男性)
- まず相続して分割登記。(男性)
- 空き家の問題や相続に詳しい専門家に相談している。(女性)
- 数人の弁護士の意見を聞いた。(女性)
- いちおう来るべき時が来たら弁護士に相談しようとは話し合っている。(女性)
相続関係での解決策でもっとも多かったのが、弁護士などの専門家へ相談することです。弁護士に相談すれば、相続関係の法手続きのサポート・代行や、遺産分割協議や相続人調査などに対応してくれます。
数十万円~数百万円の費用が必要になるものの、複雑な相続関係の対応は素人だけでは困難です。そのため、空き家の実家を相続する予定があるときは、早めに弁護士に相談しておくとよいでしょう。
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【調査概要】
■調査名:実家が空き家になった場合の対応についてのアンケート
■調査対象:実家が将来空き家になる予定の10代~60代の男女
■調査方法:選択式・記述式のWEBアンケート
■有効回答人数:1000名(回答率100%)
■調査期間:2024年7月5日~2024年7月19日
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