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空き家を手放したいときの方法まとめ|売却・買取・相続放棄まで徹底解説

空き家を手放したいときの方法まとめ|売却・買取・相続放棄まで徹底解説

空き家を所有している方から「もう使う予定がないので手放したい」「管理や費用の負担から早く解放されたい」といった相談が、弊社のもとにも寄せられます。

空き家を手放す方法にはいくつかありますが、まずは現金化を目指し、不動産会社を通じた仲介や買取による売却を検討することをおすすめします。

仲介は相場に近い価格で売却できる可能性があります。ただし、売却までに3〜6ヵ月ほどかかるのが一般的で、状況によってはそれ以上かかる場合や、結果的に売れないケースもあります。一方、買取は売却価格が下がる傾向があるものの、建物が老朽化していたり家財が残っていたりしても対応できる場合が多く、最短で数日〜数週間程度で現金化できるケースもあります。

そのため、時間に余裕があり、なるべく高く売却したい場合は仲介、相場より安くなってもできるだけ早く空き家を手放したい場合は買取という順で検討するのが、実務上は現実的といえるでしょう。

なお、立地や建物の状態によっては、仲介や買取での売却が難しい空き家もあります。その場合は、次のような売却以外の方法を検討するとよいでしょう。

  • 自治体の空き家バンクに登録する
  • 個人や法人へ無償で譲渡する
  • 相続土地国庫帰属制度を利用する

これから相続が発生するタイミングであれば、空き家を引き継がない方法として、相続放棄や相続財産の範囲内で負担を引き継ぐ限定承認を検討する選択肢もあります。

こうした判断を先送りにすると、空き家は住んでいなくても固定資産税などの費用がかかり続けるほか、管理を怠れば近隣トラブルや行政指導につながるおそれもあります。放置期間が長いほど資産価値が下がり、手放しにくくなる傾向にあるでしょう。

空き家を手放したいと考えたときは、状況に合った方法を整理し、現実的な順番で判断することが重要です。

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空き家を手放したいときに検討したい売却方法は「仲介」と「買取」

空き家を手放す方法には、いくつかの選択肢があります。そのなかでも実務上、まず検討されるのが、不動産会社を通じた「仲介」または「買取」による売却です。

仲介や買取は空き家を売却する方法であるため、所有権を手放せるだけでなく、物件の立地や状態に応じた売却代金を得られる可能性があります。

そのため、空き家を手放したいと考えた場合は不動産会社に査定を依頼し、仲介と買取のどちらで売却できるかを確認するのが現実的です。

仲介と買取でそれぞれ向いているケースは以下のとおりです。

   向いているケース
仲介 次の条件に当てはまり、時間をかけてでも、なるべく高く空き家を売却したい場合
・人気のエリアにあるなど立地がよい
・築年数が比較的浅い
・商業施設や病院などの生活利便施設が近い
・売却まで3ヵ月〜半年程度の時間的余裕がある
買取 次の条件に当てはまり、売却価格よりも早さや確実性を重視したい場合
・駅から遠いなど立地条件がよくない
・築年数が古く老朽化している
・徒歩圏内に学校や商業施設が少ない
・できるだけ早く確実に空き家を手放したい

ここからは空き家を手放す方法として、仲介と買取について詳しく解説していきます。

なるべく高く空き家を売りたい場合は仲介を検討する

空き家をできるだけ高い価格で売却したい場合は、仲介による売却を検討するのが一般的です。不動産業界における仲介とは、不動産会社が売主と買主の間に入り、物件の販売活動や条件交渉を行いながら、売買契約の成立を目指す方法です。

空き家の場合も、不動産会社と媒介契約を結び、買い手を探してもらう形で進めるのが通常です。

仲介は、買取と比べて市場価格に近い金額で売却できる可能性がある点が特徴です。物件の立地や状態次第では、より高値での売却が期待できるでしょう(※価格差は物件条件や市況によって異なります)。

一方で、仲介は不動産会社が広告掲載や内見対応などの販売活動を行う必要があるため、売却までに一定の時間がかかります。条件によっては、買主が見つかるまでに半年以上かかるケースもあるため「多少時間がかかっても、できるだけ高く空き家を売りたい」という方に向いているといえるでしょう。

一般的に、仲介で売れやすいとされる空き家の特徴は次のとおりです。

  • 需要の高いエリアや人気のある地域にある
  • 駅から徒歩10分圏内など交通利便性が高い
  • 築年数が比較的浅い(目安として5〜10年程度)
  • 商業施設・学校・病院など生活利便施設が近い

なお、仲介で売却が成立した場合には、売却価格に応じた仲介手数料が発生します。費用面も含めて、仲介が自分の状況に合っているかを検討することが大切です。

売却金額は安くなってもなるべく早く空き家を手放したいなら買取を検討する

「できるだけ早く空き家を手放したい」という場合には、買取による売却を検討するとよいでしょう。

不動産業界における買取とは、不動産会社や買取業者が売主から直接物件を買い取る方法です。空き家の場合は、空き家を専門に扱う買取業者を選ぶことで、スムーズな売却につながりやすくなります。

仲介では売却までに3ヵ月〜半年程度かかるのが一般的ですが、買取であれば数週間〜1ヵ月程度で売却できるケースが多い点が特徴です。なかには、最短数日で買取が完了する業者もいるでしょう。

また、買取は買主探しや内見対応が不要なため、売却の可否が早い段階で確定しやすい点もメリットです。

残置物がある状態でもそのまま買い取ってもらえるケースが多く、手間をかけずに売却を進められる傾向があります。さらに、空き家専門の買取業者であれば、仲介では買い手が見つかりにくかった物件でも買取に応じてもらえる可能性があります。

ただし、買取の場合は仲介と比べて売却価格が20%〜30%程度低くなる傾向があります(※下落率は物件の立地や状態、市況によって異なります)。そのため「売却金額よりもスピードや確実性を重視して、早く空き家を手放したい」という方に向いている選択肢といえるでしょう。

仲介や買取で売れない空き家を手放すための4つの方法

立地や建物の状態、権利関係などの理由から、仲介や買取では空き家を売却できないケースや、売却以外の方法を検討したいと考えるケースも少なくありません。そのような場合でも、空き家を手放すための選択肢はいくつかあります。

  • 空き家バンクで空き家の買い手を探す
  • 空き家専用のマッチングサイトなどを活用して個人に譲渡する
  • 相続土地国庫帰属制度を利用して国に引き取ってもらう
  • 空き家がある地域の自治体に寄付する

ただし、これらはいずれも仲介や買取と比べると条件や制約が多く、誰でも簡単に選べる方法ではありません。そのため、基本的には「仲介や買取での売却が難しい」「売却以外の方法を検討したい」といった場合に、状況に応じて検討するとよいでしょう。

空き家バンクで空き家の買い手を探す

空き家バンクとは、空き家問題を解決することを目的として、市区町村が実施している施策のことです。

近年、管理されずに放置されている空き家が全国的に増加しており、それによる倒壊や不法投棄といった近隣住民の生活への悪影響も増えています。こうした問題を背景に、空き家の利用や流通を促す仕組みとして空き家バンクが活用されています。

空き家バンクでは、手放したい物件情報の掲載が可能です。購入希望者が現れれば、自治体が情報提供などを行い、物件の譲渡や売買につなげます。

ただし、自治体が売買契約の当事者や仲介者になるわけではなく、実際の契約は当事者同士または不動産事業者を介して行われるのが一般的です。

また、空き家バンクに物件情報を掲載したとしても、必ず購入希望者が現れるとは限りません。仲介などで売れない空き家には何かしらの原因があるため、それによって購入を敬遠されてしまい「空き家バンクに掲載しても売れなかった」ということも十分に考えられます。

とはいえ、空き家バンクへの掲載に費用はかかりません。「いつか売れるかもしれない」と考えたうえで、空き家を手放すための対策の1つとして空き家バンクを活用してみるのもよいでしょう。

空き家専用のマッチングサイトなどを活用して個人に譲渡する

マッチングサイトのなかには「空き家を手放したい」「空き家が欲しい」という人たちをつなぐためのサイトもあります。そのようなサイトを活用することで、空き家を個人に譲渡できる可能性があります。

空き家専用のマッチングサイトの例には、下記が挙げられます。

これらのサイトは、登録や掲載を無料で利用できるものが多く、手放したい空き家の情報を掲載して希望者を募れます。

ただし、空き家専門のマッチングサイトに物件情報を掲載したとしても、必ず購入希望者が現れるとは限りません。そのため、空き家バンクと同様に「いつか希望者が現れるかもしれない」と考えたうえで、空き家を手放すための対策の1つとして活用してみるとよいでしょう。

相続土地国庫帰属制度を利用して国に引き取ってもらう

土地を手放す方法には「相続土地国庫帰属制度」を活用することも挙げられます。

相続土地国庫帰属制度とは、相続した土地について、一定の要件を満たす場合に国へ引き取ってもらえる制度です。相続した土地であり、法律で定められた不適格要件に該当しない場合に限り、申請が可能とされています。

具体的には、次のような条件を満たしている必要があります。

  • 土地に建物が存在しない
  • 担保権や使用収益権が設定されていない
  • 他人の利用が予定されていない
  • 土壌汚染がない
  • 境界や所有権について争いがない
  • 管理に通常より過大な負担や費用を要しない

手放したいのは空き家であるため、当然その土地には建物があります。相続土地国庫帰属制度は建物のない土地が前提となるため、この方法を利用するには、事前に空き家を解体する必要があります。

また、相続土地国庫帰属制度を利用するには、負担金の支払いが必要です。負担金は原則として20万円とされていますが、土地の状況によっては追加の負担が生じるケースもあります。

空き家の解体に費用や時間がかかるうえ、負担金の支払いも必要になることから「仲介や買取など、ほかの方法ではどうしても手放せない場合」に検討される選択肢といえるでしょう。

なお、相続土地国庫帰属制度の手続きや詳しい要件については、政府広報オンライン「相続した土地を手放したいときの「相続土地国庫帰属制度」」を参考にしてください。

空き家がある地域の自治体に寄付する

空き家によっては、その地域の自治体に寄付できる可能性もあります。空き家の場合、田舎暮らし支援住宅や地域のコミュニティスペースなど、自治体が明確な活用目的を持っているケースでは、寄付が認められることもあります。

ただし、自治体が空き家の寄付を受けた場合、その後の維持管理や修繕などを継続的に行う必要があります。維持管理コストの負担が大きいことに加え、固定資産税収が見込めなくなる点もあるため、公的な活用が見込める空き家でなければ、寄付を受け入れてもらうのは難しいのが実情です。

自治体への寄付はハードルが高い方法のため、ほかの手段を検討したうえで、最終的な選択肢として考えるとよいでしょう。

空き家を相続する可能性がある場合は、相続放棄も選択肢の1つ

「まだ空き家を所有しているわけではないものの、相続によって空き家を引き継ぐ可能性がある」という場合には、相続放棄という選択肢も考えられます。

相続放棄とは、被相続人の財産や負債を含めた一切の相続について、承継しない意思を示す手続きです。簡単にいえば、相続人としての立場そのものを放棄する選択といえます。

相続放棄をすれば、空き家を含む遺産を一切引き継がずに済むため、結果として空き家を所有しない形で整理することが可能です。

ただし「空き家を手放したい」という理由だけで相続放棄を選ぶのは、基本的におすすめできません。相続放棄をすると、空き家だけでなく、現金や預貯金、自動車といったプラスの財産も含めて、すべての遺産を相続できなくなるためです。

結果として経済的に不利になるケースもあるため、相続全体を見据えた判断が求められます。

一方で、次のような事情がある場合には、相続放棄を検討する余地があります。

  • 遺産全体を確認した結果、借金や負債が多く、相続するとマイナスになる可能性が高い
  • 相続対象が空き家のみで、今後使用・活用する予定がない

まずは相続財産の内容をできる限り正確に把握し、プラスとマイナスを比較したうえで判断することが重要です。

空き家を引き継ぐ予定がなく、相続全体として不利益が大きい場合に限り、相続放棄は現実的な選択肢となるでしょう。

相続放棄をしてもすぐに空き家の管理が不要になるわけではない

「相続放棄をすれば、空き家の管理からすぐに解放される」と考える方もいるでしょう。

確かに相続放棄をすると所有権は取得しないため、固定資産税などの支払い義務は原則として発生しません。一方で、相続放棄をした場合でも、状況によっては一定期間、空き家の管理責任を負う可能性がある点には注意が必要です。

2023年4月施行の民法改正により、相続放棄をした人がその空き家を「現に占有している場合」に限り、占有をやめるまでの間、管理義務を負うと定められました。(民法940条

たとえば、相続放棄後も空き家に住み続けている場合や、鍵を管理して実質的に建物を管理しているようなケースでは、一定の管理責任が生じる可能性があります。この状態で空き家を放置すると、行政から管理指導や勧告を受けたり、倒壊や落下物による事故が発生した場合に近隣住民から損害賠償を求められたりするおそれもあるでしょう。

相続放棄をしたあとも空き家の管理責任が残る場合には、家庭裁判所に申し立てを行い、相続財産清算人を選任してもらう必要があります。相続財産清算人とは、相続人に代わって相続財産の調査・清算・管理を行う人です。

ただし、家庭裁判所に申し立てをするには、相続財産管理人への報酬としてあらかじめ納めておく「予納金」を支払うのが一般的です。あくまで目安ですが、50万円~100万円程度が予納金の相場といわれています。

そのため、空き家を理由に相続放棄を検討する際は、費用面や管理リスクを含めて慎重に判断することが重要です。

相続放棄は「相続があることを知ってから3ヵ月以内」に手続きが必要


相続放棄をするには「自己のために相続が開始したことを知った時から3ヵ月以内」に、家庭裁判所へ申述する必要があります。
民法915条)具体的には、多くの場合は「被相続人が亡くなった日」が起算点となりますが、死亡の事実や自分が相続人であることを後から知った場合には、その事実を知った日から3ヵ月以内が期限となります。

この期限を過ぎると、相続放棄は原則として認められません。そのため、相続放棄を検討している場合は、できるだけ早めに行動することが重要です。

相続放棄を判断するためには、事前に相続財産の内容を把握しておく必要があります。財産調査には一定の時間がかかることが多く、目安として1ヵ月程度を要するケースも少なくありません。

なお、財産調査が間に合わないなどやむを得ない事情がある場合には、家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申し立てることで、検討期間を延ばせる可能性もあります。

相続放棄の手続きは即日で完了するものではないため、3ヵ月という期限を意識しながら、余裕をもって判断を進めることが大切です。

使っていない空き家ならすぐに手放すべき!空き家の所有にかかるリスク

使っていない空き家であれば、原則として可能な限り早く手放すことを検討するのが現実的です。

使っていなかったとしても、空き家を所有しているだけで次のようなリスクが生じるためです。

  • 空き家の適切な管理をしなければならない
  • 年々資産価値が下がっていく
  • 空き家を所有しているだけで毎年税金がかかる
  • 近隣住民の生活に悪影響を及ぼす可能性がある

ここからは、空き家を所有することで生じる具体的なリスクを整理して解説していきます。

空き家の適切な管理をしなければならない

「空家等対策の推進に関する特別措置法」の第5条でも定められているように、空き家を所有している人には、物件を適切に管理する責任(努力義務)があります。この法律は、近年増加している傾向にある空き家が近隣住民などに悪影響を及ぼす前に、物件の活用や適切な管理を促す目的で施行されました。

空き家の所有者は物件が近隣住民に悪影響を与えないよう、以下のような管理を行わなければなりません。

  • 倒壊の危険がないように、屋内・外壁・屋根の確認
  • 物件内の清掃
  • 庭の手入れ
  • 窓ガラスの清掃・修繕
  • 不法投棄の有無の確認

仮に空き家の管理が不足したことで近隣住民に悪影響を与えてしまった場合、行政から適切な管理を行うよう指導が入るうえに、場合によっては損害賠償を請求されることも考えられます。

所有をするのであれば管理が必須ですが「距離が遠くて通えない」「管理する時間がない」といった場合、空き家をすぐに手放す方法を検討してみてください。

管理をせずに空き家を放置すると「特定空き家」「管理不全空き家」として扱われる可能性がある

管理をせずに空き家の放置を続けると、行政から「特定空き家」または「管理不全空き家」として扱われる可能性もあります。

特定空き家とは、近隣に影響を及ぼすおそれがあり、早急な処理が必要な空き家のことです。一方、管理不全空き家とは、現段階では該当しなくても、このまま放置が続くと特定空き家になりえる物件のことです。

特定空き家や管理不全空き家として扱われた場合、以下のようなリスクがあります。

  • 固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が大幅に増える
  • 50万円以下の罰金が科される可能性がある
  • 行政代執行により建物が除却され、その費用を請求される可能性がある

なお、特定空き家や管理不全空き家として扱われる可能性がある物件には、以下が挙げられます。いずれかに該当している場合には、すぐに適切な管理を行うか手放すことを検討してください。

  • 建物自体が傾いている空き家
  • シロアリ被害がある空き家
  • 建物にヒビが入っており崩れそうになっている空き家
  • 屋根の瓦が剥がれている空き家
  • 汚物や臭気が流出している空き家
  • ごみの放置や不法投棄によって臭気・害虫・害獣が発生している空き家
  • 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態の空き家
  • 屋根や外壁が汚れたまま放置されている空き家
  • 屋根や外壁が大きく傷んでいる空き家
  • 窓ガラスが割れたまま放置されている空き家
  • 敷地内にごみが放置されている空き家
  • 誰でも容易に侵入できる状態で放置されており、空き巣や放火など、犯罪の温床になる可能性がある空き家

参照元:空家・空地管理センター「特定空き家とは

年々資産価値が下がっていく

空き家に限った話ではありませんが、建物の資産価値は年々下がるのが一般的です。

物件の資産価値はさまざまな要因から決まりますが、そのなかの1つに建物の築年数があります。築年数が経過するほど建物の評価は下がりやすく、空き家として所有し続けると資産価値も下落していきます。

特に空き家は人が住まないことで換気や通水が行われず、老朽化や劣化が進みやすい点も、資産価値が下がりやすい要因です。

実際に、国土交通省が公表するデータからも、築年数がかさむにつれて建物の資産価値が下落する傾向が確認できます。

アパート 売却相場

出典:
国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」

資産価値が下がれば、その分、売却価格も低くなりやすくなります。使用予定のない空き家であれば、資産価値が大きく下がる前に手放すことも検討したほうがよいでしょう。

空き家を所有しているだけで毎年税金がかかる

特定空き家や管理不全空き家に指定されていなくても、空き家を所有している限り、毎年税金の負担は発生します。

空き家に限らず不動産を所有していると、その所有者は固定資産税や都市計画税といった税金を毎年納めなければなりません。

その空き家が使用されていない物件であっても、これらの税金はかかります。使用していない空き家を所有し続けると、税金だけがかかり続ける状態になりやすいため、使用用途がなければ早期の売却を検討するのも1つの判断といえるでしょう。

空き家の所有によってかかる税金の種類と金額相場を以下にまとめました。

費用 金額の目安
固定資産税 自治体によって異なるが、固定資産税評価額の1.4%が一般的。
都市計画税 自治体によって異なるが、固定資産税評価額の0.3%が一般的。

固定資産税評価額とは、不動産を所有している場合に課せられる税金を決定する基準となる評価額のことです。固定資産税や都市計画税は、固定資産税評価額に一定の税率をかければ算出が可能です。

たとえば、固定資産税評価額が1,000万円の空き家であれば、固定資産税が「1,000万円×1.4%=14万円」、都市計画税が「1,000万円×0.3%=30,000円」と計算されます。

なお、固定資産税評価額は各市区町村が定めており、納税通知書や固定資産税評価証明書から確認できます。

近隣住民の生活に悪影響を及ぼす可能性がある

空き家は築年数がかさむほど老朽化が進み、倒壊のリスクも高くなります。また、放置を続けることで、放火による火災や害虫・害獣による被害が発生するおそれもあるでしょう。

こうしたトラブルが起きた場合、近隣住民に被害が及ぶ可能性があり、状況によっては所有者として損害賠償責任を問われることもあります。

近隣への影響やトラブルを避けるためにも、使用用途がない空き家については、早期に売却などの対応を検討することが重要です。

空き家を手放す場合には費用がかかるケースもある

空き家を手放す場合、手放す方法によっては下記のような費用がかかります。

  • 印紙税:空き家を売却する場合
  • 譲渡所得税:空き家を売却して利益が出る場合
  • 仲介手数料:空き家を仲介で売却する場合
  • 登録免許税:抵当権抹消や相続登記が必要な場合
  • 登記費用:所有権移転登記や司法書士費用
  • 契約書作成費(専門家依頼):空き家を個人に譲渡・売買する場合

ここからは空き家を手放す場合にかかる費用についてそれぞれ解説していきます。

印紙税:空き家を売却する場合

空き家のような不動産を売却する場合、売買契約書を作成しなければなりません。この売買契約書は印紙税の課税対象となる「課税文書」の1つであり、契約書の作成時には収入印紙を貼付が必要です。売買契約書は売主・買主それぞれが保管するため、通常は双方がそれぞれの契約書に収入印紙を貼付します。

収入印紙の代金は、空き家の売却金額によって下記のように変わります。

売却金額 本則税率 軽減税率
10万円を超える~50万円以下 400円 200円
50万円を超える~100万円以下 1千円 500円
100万円を超える~500万円以下 2千円 1千円
500万円を超える~1千万円以下 1万円 5千円
1千万円を超える~5千万円以下 2万円 1万円
5千万円を超える~1億円以下 6万円 3万円
1億円を超える~5億円以下 10万円 6万円
5億円を超える~10億円以下 20万円 16万円
10億円を超える~50億円以下 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

参照元:国税庁「「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の印紙税の軽減措置の延長について

たとえば、空き家が1,000万円で売れた場合、通常収入印紙の金額は2万円です。

ただし、不動産売買の印紙税には軽減措置が設けられており、令和9年3月31日までに作成された売買契約書であれば、軽減税率が適用されます。空き家の売却金額が1,000万円で軽減措置がとられた場合、収入印紙の金額が2万円から1万円になります。

なお、売買契約書を電子契約で締結した場合は、印紙税は課税されません。

譲渡所得税:空き家を売却して利益が出る場合

空き家を仲介や買取で売却した結果、利益が出た場合には、譲渡所得税の支払いが必要になるケースがあります。

不動産の売却においては「物件を得るためにかかった費用」と「売却するためにかかった費用」を合計した金額よりも、売却金額が多かった場合に利益が出たと扱われます。

この利益のことを「譲渡所得」といい、譲渡所得に応じて譲渡所得税が課税される仕組みです。
譲渡所得は「譲渡収入-(取得費+譲渡費用)」で算出します。

※譲渡収入とは、空き家の売却金額のこと。
取得費とは、空き家を取得するためにかかった費用のこと。
譲渡費用とは、売却にかかった仲介手数料などの諸経費のこと。

たとえば、取得費500万円の空き家が1,000万円で売れ、譲渡費用として300万円かかった場合、譲渡所得は「1,000万円-(500万円+300万円)=200万円」です。

そして、空き家を所有していた期間に応じた税率を譲渡所得にかけることで、譲渡所得税を算出します。所有期間は、譲渡した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで判定されます。

所有期間 譲渡所得税の税率(目安)
5年以下(短期譲渡) 約39%(所得税・住民税・復興特別所得税を含む)
5年超(長期譲渡) 約20%(所得税・住民税・復興特別所得税を含む)

譲渡所得が200万円で所有期間5年超の空き家であれば、譲渡所得税はおおよそ「200万円×20%=40万円」が目安となります。

仲介手数料:空き家を仲介で売却する場合

仲介手数料とは、空き家の売却を不動産会社に仲介してもらい、売買契約が成立した場合に支払う手数料のことです。宅地建物取引業法により上限額が定められており、その範囲内であれば当事者間で報酬額を自由に決められます。

空き家を仲介で売却する場合の仲介手数料の上限額は、次のとおりです。

空き家の売買価格 仲介手数料の上限額
200万円以下 売買価格×5%+消費税
200万円超400万円以下 売買価格×4%+消費税
400万円超 売買価格×3%+消費税

※参照:宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(国土交通省)

なお、売買価格が400万円を超える場合は、実務上「(売買価格×3%+ 6万円)+消費税」という速算式が広く用いられています。

たとえば、3,000万円で空き家を売却した場合の仲介手数料は、次のとおりです。

3,000万円×3%+6万円+消費税=105万6,000円

また、2024年7月の法改正により「低廉な空き家等の媒介特例」が施行されました。
これは、売買価格800万円以下の空き家(土地・建物)について、不動産会社が売主・買主それぞれから最大33万円(税込)まで仲介手数料を受け取れるという特例です。

老朽化が進んだ空き家や、地方にある空き家など、売却価格が低くなりやすい物件では、この特例が適用されるケースも少なくありません。

そのため、売却価格が数十万円〜数百万円程度の空き家を手放したい場合は、仲介手数料の負担割合が相対的に大きくなる点に注意が必要です。

実際の仲介手数料の金額や負担割合は、媒介契約の内容や不動産会社との合意によって異なります。空き家を仲介で売却する際は、契約前に条件をしっかり確認しておきましょう。

登録免許税:抵当権抹消や相続登記が必要な場合

空き家を売却して手放す際、建物や土地に住宅ローンなどの抵当権が設定されている場合は、売却前に抵当権の抹消登記が必要です。

抵当権抹消登記にかかる登録免許税は、不動産1件につき1,000円と定められています。たとえば、空き家の敷地と建物それぞれに抵当権が設定されている場合は、合計で2,000円の登録免許税がかかります。

また、空き家が被相続人名義のままになっている場合は、売却前に相続登記を行う必要があります。相続登記を行わない限り、原則として空き家を売却することはできません。

相続登記にかかる登録免許税は、以下の計算式で算出されます。

固定資産税評価額 × 0.4%

固定資産税評価額は、市区町村が発行する固定資産税評価証明書や、毎年送付される納税通知書などで確認できます。

登記費用:所有権移転登記や司法書士費用

空き家を売却して手放す場合、建物や土地について所有権移転登記を行う必要があります。所有権移転登記を行わなければ、買主は第三者に対して所有権を主張できないため、売却手続きにおいて欠かせない手続きです。

所有権移転登記にかかる登録免許税や登記手続きの費用は、売主・買主のどちらが負担しても問題ありませんが、実務上は買主が負担するケースが一般的です。

また、登記申請は本人が行うことも可能ですが、必要書類の収集や申請書の作成などが煩雑なため、司法書士に依頼するケースが多くみられます。

司法書士に依頼した場合の報酬額は、登記内容や物件の状況によって異なりますが、おおよそ1万円〜10万円程度が一般的な目安です。

費用は司法書士ごとに差があるため、空き家を売却する際は、事前に見積もりを取って確認しておくとよいでしょう。

空き家を譲渡・売買する際、契約書の作成は法律上の義務ではありませんが、譲渡条件や責任範囲を明確にし、後のトラブルを防ぐためにも契約書を作成しておくことが一般的です。

空き家を個人間で譲渡する場合は「譲渡契約書」を作成します。契約書は当事者自身で作成することも可能であり、必ずしも専門家への依頼が必要というわけではありません。

ただし、譲渡契約書には物件の表示や譲渡条件、責任の所在など専門的な内容を正確に記載する必要があります。内容に不備があると、譲渡後にトラブルへ発展するおそれがあるため、不動産会社や行政書士、弁護士などの専門家に作成を依頼するとよいでしょう。

専門家への依頼にかかる費用は物件種類やその専門家などによって変わります。あくまで目安ですが、一般的な戸建住宅の場合、5万円〜8万円が相場といわれています。

空き家を手放す際に知っておきたいポイント

空き家を手放すにあたり「なるべく損をしたくない」「できるだけ条件よく処分したい」と考える人は少なくありません。そこで、空き家を手放す際に知っておきたいポイントをまとめました。

  • 買取先や譲渡先に応じて家財を処分するかを決める
  • リフォームや解体は独断で行わない
  • 売却で手放すなら譲渡所得税が控除される特例を活用する

ここからはそれぞれのポイントについて詳しく解説します。

買取先や譲渡先に応じて家財を処分するかを決める

空き家を手放す際に「家にある家財は処分するべき?」と考えることもあるでしょう。空き家にある家財を処分するべきかは、買取先や譲渡先によって異なります。

たとえば、仲介や個人への譲渡の場合、原則として空き家の所有者が家財を事前に処分しておくことを求められるケースが多いです。家財の処分には費用がかかり、数万円〜数十万円かかるケースもあります。

一方、空き家を専門とする買取業者であれば、そのままの状態で物件を買い取ってもらえるのが一般的です。家財の処分などは買取業者側で対応することも多く、売り手が処分にかかる費用を負担せずに済むケースもあります。

空き家を手放す際は「買取であれば家財処分が不要な場合が多い」「買取以外では処分が必要になるケースが多い」と考えておくとよいでしょう。

リフォームや解体は独断で行わない

「リフォームや解体をしたほうが早く高値で手放せる」と考えるかもしれませんが、独断で行うのは避けましょう。確かにリフォームや解体をすることで資産価値が上がり、売却条件が改善する可能性はありますが、費用を回収できず結果的に損をすることも十分に考えられるためです。

たとえば、高値で売却するために空き家を大幅にリフォームしたケースです。建物の資産価値自体は上がるのが一般的ですが、リフォームをすれば必ず買い手が見つかるわけではありません。

そのため「リフォームをしても結局買い手が見つからず、空き家は売れ残ってしまい、リフォーム費用を回収できなかった」ということになりかねないのです。

また、空き家がある土地によっては、再建築不可物件として扱われているケースもあります。再建築不可物件とは、一定の条件を満たさないため、建物を取り壊すと新たに建物を建てられない土地のことです。

再建築不可物件の空き家を解体してしまうと、今後はその土地に建物を建てられません。結果的に、さらに買い手が見つかりづらい状況になるおそれもあります。

なお、不動産会社や買取業者では、リフォームや解体をすることで高値での売却に期待できるかどうかを担当者に相談できます。仲介や買取で空き家を売却する場合は、担当者に相談したうえで、リフォームや解体を行うか判断するとよいでしょう。

売却で手放すなら譲渡所得税が控除される特例を活用する

仲介や買取で空き家を売却する場合、譲渡所得税がかかるケースがあります。ただし、特例を利用することで税額が大幅に減額され、場合によっては0円になることもあります。

この特例は通称「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」と呼ばれており、空き家を売った際の譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる制度です。

空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除を利用するには、主に次のような要件を満たしている必要があります。

  • 相続または遺贈により取得した空き家である
  • 相続後、事業・賃貸・居住用として使われていない
  • 耐震基準を満たしている、または解体して土地として売却している
  • 区分所有建物(マンション等)ではない
  • 相続開始から3年以内に売却している
  • 売却価格が1億円以下である
  • 親子や配偶者など特別な関係者への売却ではない

参考元:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

実際の適用可否は物件の状況や売却方法によって異なるため、詳細は国税庁の公式情報や専門家に確認してください。

まとめ

空き家を所有することには、さまざまなリスクがあります。使用していなくても税金の支払いや適切な管理が必要なうえに、場合によっては近隣住民へ悪影響を及ぼしてしまう危険性もあります。

そのため、使用していない空き家であれば、できるだけ早めに手放すことを検討しましょう。

基本的には仲介か買取で売却するのがおすすめですが、空き家バンクや専用のマッチングサイトなどを活用して物件を手放す方法もあります

なお、相続放棄によって空き家を手放す方法もありますが、空き家以外の財産もすべて放棄することになるため、慎重な判断が必要です。

まずは仲介や買取で売却することを検討したうえで、これらが難しい場合にその他の方法で空き家を手放すことを考えてみるとよいでしょう。

空き家を手放したい場合に関するよくある質問

空き家を仲介で手放したい場合、媒介契約は必要ですか?どれを選べばよいですか?

はい。空き家を不動産会社に仲介して売却する場合は、必ず媒介契約を結ぶ必要があります。

媒介契約とは、空き家の売却活動を不動産会社に正式に依頼するための契約で、売却条件や仲介手数料、売却活動の内容などを定めるものです。

媒介契約には主に「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類がありますが、空き家を早く手放したい場合や、管理や連絡の手間を減らしたい場合は、1社に任せられる専任媒介・専属専任媒介が選ばれるケースが多いです。

なお、売却が進まない場合は、契約期間満了時に見直しや変更を行うことも可能です。

空き家を仲介で手放す際は「どの媒介契約が自分の状況に合っているか」「売却が難しい場合に買取へ切り替えられるか」といった点を契約前に不動産会社へ必ず確認しておきましょう。

相続放棄以外に、空き家を引き継がずに済む方法はありますか?

はい。「限定承承」という方法があります。限定承認とは、相続によって取得する財産の範囲を「プラスの財産の範囲内」に限定して相続する手続きです。

空き家を含む相続財産に負債がある場合でも、借金がプラスの財産を上回らない範囲で相続できるのが特徴です。

たとえば、空き家や預貯金などのプラスの財産よりも、借金や未払い債務などのマイナスの財産が多いか判断がつかない場合、限定承認を選べば、想定外の負債を背負うリスクを抑えられます。

ただし、限定承認は相続人全員で共同して家庭裁判所へ申述する必要があり、手続きも複雑です。また、限定承認は空き家を「相続しない」制度ではないため、結果的に管理や処分の判断が必要になるケースもあります。

そのため、空き家を含む相続について不安がある場合は、相続放棄・限定承認・売却などの選択肢を比較したうえで、早めに専門家へ相談することが重要です。

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    更新日 : 2025年11月07日
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