「共有持分」とは、複数人の共有名義になっている不動産における、各共有者がもつ断片的な所有権のことです。
共有不動産は共有者全員の同意がないと処分できませんが、自分の共有持分だけであれば、他共有者の同意がなくても自由に売却できます。
相続などで共有持分を取得した後、共有不動産を活用できずに維持費のみ負担しているような場合、共有持分を売却することも検討してみましょう。
共有持分を売却したいときは、一般的な不動産会社ではなく、高く・早く買取してもらえる「専門買取業者」に相談することをおすすめします。
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共有持分とは共有している不動産の1人あたりの権利割合
共有持分とは、不動産を共有しているときの所有権を表します。
1人で所有している不動産の権利が100%だとしたら、共有持分は1~99%の権利というイメージです。
ただし、共有持分の割合は「○%」ではなく「○分の○」と表すのが一般的です。
1つの不動産を2人以上で所有できる
誰かと不動産をわけようとするとき、物理的にわけられないケースがあります。
出っ張った土地や曲がっている私道などをイメージしてみてください。土地が複雑な形をしていたら、面積をきちんと測り、工事をしてわけるのは非常に面倒でしょう。
また、建物は物理的に切り分けること自体が難しいと思います。
そのような場合は、不動産はそのままに権利だけを複数人でわけられます。つまり、1つの不動産に対して2人以上の所有者がいるという状態にできるのです。
それぞれの持分の割合は負担した金額で変わる
共有している不動産の持分割合は、その不動産を買うときに出した金額で決まります。
不動産を買うときに払った金額が多いほど、持分の権利も大きくなる仕組みです。
この場合、Aさん2/3・Bさん1/3といった割合で持分がもらえることになります。
共有持分は売買できる?
よくある疑問として「共有持分は売買できるのか?」というものがあります。
そもそも、不動産に限らず、他人の持ち物を勝手に売ることはできません。
しかし、共有している不動産については自分も他の共有者も権利をもっています。
そのため「自分の持ち物を売ることは問題ない」という考え方もできるでしょう。
共有している不動産や持分を売買することは、法律的に問題ないのでしょうか?
持分の権利自体は自由に売買できる
共有している不動産そのものではなく、自分の共有持分だけでも自由に売買可能です。
法的には、共有している不動産は共有者全員の所有物ですが、共有持分については個人の権利であるとされます。
そのため、個人で売買してもまったく問題ありません。
不動産そのものは全員の同意がないと売買できない
共有している不動産を売ることは、法律でいうと「共有物の変更行為」にあたります。
共有物の変更行為は、共有者全員が同意したときのみできると法律で決められています。
民法 第251条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。出典:e-Govポータル「民法第251条」
共有している不動産に住んでいるのに、知らない間に売られたら困ります。
そのため、共有している不動産を売る場合には共有者全員の同意を得なければいけません。
・AさんとCさんが売りたい
この場合は2人が売りたくても、全員が同意ていないので共有地を売れません。
・AさんもBさんもCさんも売りたい
このように、共有者全員の同意があれば共有地も売却可能になります。
持分の過半数を持っていれば不動産を貸せる
売買と同様に不動産を貸すことも、法律的に「共有物の管理行為」にあたります。
共有物の管理行為には過半数の持分が必要であると法律で決められています。
民法 第252条
共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格にしたがい、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。出典:e-Govポータル「民法第252条」
ここで注意したいのが、必要なのは人数ではなく持分であるという点です。
つまり、他の共有者が反対しても、自分の持分割合が過半数を超えれば貸すことは可能となります。
過半数の持分があればよいので、売却とは違って1人でもおこなえます。
・BさんとCさんが貸したい(1/5+1/5=2/5)
この場合は2人が貸したくても、持分が過半数にならないので共有地を貸せません。
・Aさんが貸したい(3/5)
このように持分の過半数を集めれば、他の共有者に反対されても共有不動産を貸し出せます。
共有持分は無償で譲渡できる?
共有持分において自分の持分であれば自由に売買できると解説しました。
では、売買以外の方法で共有持分を譲り渡すことはできるのでしょうか?
共有持分を無償で受け渡すには、相続・贈与・放棄・分割という4つの方法が挙げられます。
共有者が亡くなった場合は相続できる
共有持分の持ち主が亡くなった場合、その持分の権利は自動的に遺族へと移ります。
このように故人から財産を引き継ぐことが相続です。
相続すること自体に費用はかかりませんが、相続税がかかる点に注意しましょう。
ただし、相続人が相続せずに放棄することも可能です。
ちなみに、相続できる遺族には優先順位が決められています。相続放棄すると、次の順位の人に相続権が移っていきます。
- 故人の配偶者には必ず相続権(1/2)が発生する
- 同時に故人の子供にも相続権(1/2)が発生する
- 子供が相続しなかった場合は父母に相続権(1/2)が移る
- 父母が相続しなかった場合は兄弟に相続権(1/2)が移る
無償で譲渡すると贈与税がかかるので注意
共有持分の持ち主が生きているうちに、持分の権利を誰かに譲ることもできます。このように「他人に財産を譲ること」を贈与といいます。
共有持分の贈与相手は親族以外の第三者でも問題ありません。
その代わりに、贈与された側は贈与税を納めなければならないので注意しましょう。
また、不動産の名義を変える際に、登録免許税や不動産取得税といった税金もかかります。
自分の持分は自由に放棄できる
共有持分の税金を払いたくないときなどは、持分の権利を手放すこともできます。このように「自分の財産を手放すこと」を放棄といいます。
放棄された場合、その持分の権利は他の共有者に移ることになります。
ただし、放棄は税制上は「贈与」とみなされて、受け取った側に贈与税が課税されるので注意しましょう。
ここでAさんが持分(1/3)を放棄すると、Aさんの持っていた持分はBさんとCさんが半分ずつ(1/6)貰うことになります。
全員の同意があれば1つの土地を分割することも可能
土地の場合、土地そのものをわけること(=土地の分筆)もできます。
土地そのものをわけることは、法律でいうと「共有物の変更行為」にあたります。そのため、売却と同じように共有者全員の同意があれば可能です。
わける土地の比率は、その共有者の持分の割合によって決まります。つまり、もっている共有持分が多いほど分配される土地も大きくなるのです。
このときにAさんの持分が4/5なら、80平方メートルの土地がAさんのものになります
共有持分に税金はかかる?
不動産を持っていると、避けて通れない問題が税金です。
不動産には、固定資産税という税金が毎年かかります。
共有持分をもっているとき、税金はどのようにかかるでしょうか?
持分の割合だけ固定資産税や都市計画税がかかる
1%でも共有持分をもっていれば、不動産の所有者であることに変わりありません。
そのため、共有持分の持ち主には固定資産税などを納税する義務があります。
ここで払わなければならない納税額は、持分割合と比例します。
つまり、もっている共有持分が多いほど税金を多く払う必要があるのです。
共有部分の税金は代表者がまとめて納めるのが一般的
共有している不動産の納税通知書は、共有者のうち代表者1人に送られます。
共有している不動産の税金は、多くの場合は代表者が各共有者から負担分を取りまとめて納税しています。
お金の絡むことのため、税金を巡って共有者同士でトラブルになるケースも絶えません。
税金を肩代わりした場合は他の共有者に請求できる
代表者が税金を払ったとしても、他の共有者にも納税する義務があります。
そのため、代表者は肩代わりした税金を他の共有者たちに請求できます。
「代表者以外の共有者には納税義務がない」と勘違いするケースも多いので、トラブルを避けるためにも注意しておきましょう。
代表者は持分の割合などで決まる
共有者同士で代表者を決めていない場合、行政側が決めることになります。
その際は、持分の多い人やその不動産に住んでいる人が代表者に選ばれることが多くなります。
・もっとも持分割合が多い共有者
・不動産のある市区町村に住んでいる共有者
・不動産を実際に使っている共有者
代表者を変更することも可能
代表者を自分たちで話し合って決めることも可能です。
すでに自治体が決めてしまった代表者を、後から変更しても問題ありません。代表者を変更するには、代表者変更届といった必要書類を自治体に提出しておこないます。
代表者が税金を滞納する場合などは、新しい代表者に変更できるので覚えておきましょう。
共有持分にはメリットもあればデメリットもある
ここまでの解説で、共有持分がどういったものであるのかわかりました。
不動産所有における負担を2人以上で分散できるので、一見するとメリットばかりに思えるかもしれません。
しかし、不動産を共有するという特性上、普通よりも売りづらいといったデメリットもあります。
最後にあらためて、「共有持分があるとどうなるか?」をメリットとデメリットにわけて振り返っておきましょう。
メリットは維持管理費用や税金を分散できること
・1人で維持管理するより費用を抑えられる
・1人で所有するより納税額を少なくできる
不動産を維持・管理するためにかかる費用を、2人で分散できます。さらに税金も2人以上でわけ合うことになるので、より少ない納税額で済みます。
1人で不動産をもつよりも、2人以上で持ったほうが経済的負担は少なくなります。
デメリットは個人で自由に扱えないこと
・全員の同意がないと不動産を売れない
・過半数の持分がないと不動産を貸せない
不動産を共有している以上、単独で自由に管理・処分はできません。
「不動産を売りたいのに他の共有者に反対されて売れない」といったケースも多くあります。
2人以上で不動産を持つと、売却して現金化しづらいとデメリットがあるのです。
共有持分でトラブルが起きた場合は専門家に相談しよう
共有持分を所有していること自体がデメリットになる場合もあります。
共有持分には権利上さまざまな制約があり、トラブルが複雑化しやすいためです。
自由に活用できない共有不動産の場合、毎年の税金を払っているだけで、共有持分を持ち続けるせいで損をしているケースもあるでしょう。
ですので、あらかじめ共有不動産の売却について、他共有者と話し合いをおこない、話がまとまらないときは、できるだけ早く弁護士や不動産会社に相談することをおすすめします。
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まとめ
共有持分とは、共有者それぞれがもつ所有権の割合を表します。
共有持分をもっていると、持分割合に応じた税金や維持費の負担が必要です。
また、管理や処分には共有者同士の話し合いが必須なので、不動産を自由に使えないケースもあります。
そのため、共有持分を手放したいと考えている人は少なくありません。
共有持分を処分したいときは、共有持分専門の買取業者に相談しましょう。自分の共有持分だけを、高額ですぐに買い取ってもらえます。
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