相続した親の家を売却したい方へ!売却手順や高く売る方法を解説

相続した親の家

「突然相続することになった親の家。自分が住むわけにはいかないので売りたいけど、何をどうしたら良いのかよくわからない」「相続した家を売却する際によくあるトラブルとしてはどんなものがある?」親から相続した大切な家ですから、せっかく売るなら少しでも高く売りたいですよね。

この記事では、相続した家を売却する際の手順や高く売る方法について具体的に解説していきます。

相続した親の家を売却する手順

相続した親の家
親から相続した家や土地を売却する際には、以下のような流れで売却の手続きを進めていく必要があります。

誰がどの遺産を相続するのかを確定する
法務局で相続登記を行う
不動産業者に売却仲介を依頼する

誰がどの遺産を相続するのかを確定する

相続が発生したら、まずは「誰がどの財産を相続するのか」を確定しなくてはなりません。相続人が1人だけである場合には大きな問題は生じませんが、2人以上の人が相続人となる場合には、相続割合をめぐって不満が生じないように注意が必要です。「誰がどの財産を相続するのか」を決める話し合いのことを、遺産分割協議と呼びます。遺産分割協議は、相続人となる資格のある人全員が参加する形で行い、最終的に「遺産分割協議書」という書類に合意内容を記載します。遺産分割協議書には、相続人となる人全員が記名押印しなくてはなりません。

なお、相続人となるのは、通常は亡くなった人の配偶者や親族(子供・父母・兄弟)ですが、亡くなった人が遺言書を作成している場合には、他人であったとしても相続人に指定される可能性もあります。法律で決まっている遺産分割割合と遺言書で指定された遺産分割割合に齟齬がある場合には、遺言書の内容が優先されますので注意しておきましょう。

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法務局で相続登記を行う

遺産分割協議書の作成によって、遺産分割割合が確定したら、その内容を法務局で登記します。相続した不動産について、法務局で登記を行うことを「相続登記」と呼びます。相続登記は、亡くなった人から相続人に対して所有権の名義変更を行う手続きです。

相続登記を行うことは、「いつまでにやらないといけない」などの期限がありませんから、必ずしも法律上の義務ではありません。相続した家に住み続ける場合には、相続登記をせずにそのままにしているケースもあるでしょう。しかし、相続した家を売却する際には、前の所有者名義となっている状態では売却することができませんから、必ず相続登記が必要となります。

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法律トラブルを避けるためにも相続登記は必要

法律トラブルのリスクを避ける意味でも、遺産分割完了後に速やかに行うことが適切と言えます。遺産分割協議の内容は、その内容を知らない第三者に対して、法律上は主張することができないからです。例えば、兄と弟の2人が親の家を相続し、共同で所有者になったとします。この状況で、弟が兄にだまって相続した家を業者に売却してしまった場合、兄はその業者に対して「自分はそんな契約は知らない」と主張することができなくなってしまうのです。

1つの不動産を複数人で共同所有(共有)している場合、共有名義となっている人全員の同意が必要です。しかし、相続人以外の業者などが、共有名義になっていることを知らず、しかも登記もされていなかった場合には、契約の無効を主張できないルールとなっているのです。もし、弟が売却によって得た現金を使い切ってしまったとしたら、兄としてはせっかく相続した家の権利を失ってしまう結果になってしまいます。

一方で、相続登記がある場合には、第三者である業者に対しても「共有者である自分に黙って売買契約書を作成してもそれは無効」と主張できます。このように、不動産売却をめぐるトラブルを避けるために、遺産分割が完了したらすみやかに相続登記を行っておくことが大切です。

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相続登記は法務局に必要書類を持参して行う

相続登記は、必要書類を法務局に持参して手続きを行う必要があります。具体的には、以下のような書類を持参して手続きを行うことになります

遺産分割協議書
相続する土地や建物の登記簿謄本
相続する土地や建物の固定資産評価証明書
亡くなった人と相続人すべての戸籍謄本

相続登記を法務局で行うためには、上の「固定資産評価証明書」をもとに計算した手数料(登録免許税)を納めなくてはなりません。相続人が複数人いる場合は、遺産分割協議の場で、こうした手続きを行う代表者を一人決めておくのが良いでしょう。

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不動産業者に売却仲介を依頼する

遺産分割協議と相続登記によって相続人が確定したら、不動産を売却するための業者と連絡を取ります。まずは、不動産が市場でどのくらいの価値があるのかを知るために、専門業者に見積もりを依頼しましょう。依頼する業者によって、どのくらいの査定を出してくるかは大きく異なりますので注意が必要です。

相続した親の家を少しでも高く売る方法

相続した親の家
「親が大切に住んでいた自宅だから、せっかく売るなら少しでも高い値段で売りたい」と考えるのは家族の感情としてごく自然なものです。特に、遠方で別居していた親から家を相続したような場合、家の管理には大変な労力とコストがかかるので可能な限り早期に売却をした方が遺族として受け取れるお金は多くなります

老朽化する前に売却するのが大切

通常はなかなか想像しにくいですが、誰も住んでいない家は非常に早いスピードで老朽化していくものです。放置している家は、放火や不審者の侵入といったリスクも考えられますし、平成27年以降は「空家対策特別推進法」という法律が施行されていることにも注意が必要です。この法律は、自治体から倒壊の危険や衛生上問題がある空き家を、「特定空き家」に指定するものです。

特定空き家に指定された家は、家の所有者に対して課税される固定資産税が最大6倍の金額になってしまう可能性があります。こうしたコストは早期に家の売却を完了しておけば負担しなくて済むコストです。時間が経つほど家の経済的な価値はどんどん下がっていってしまいますから相続した家に住み続ける予定がない場合は、できるだけ早いタイミングで売却手続きを進めていくのが適切と言えるでしょう。

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相続専門の不動産会社を選ぶ

相続した家を少しでも高い価格で売るためには、仲介を依頼する不動産会社の選定が重要です。というのも、「不動産がいくらの価格で売れるか」は、仲介業者がその不動産を「買いたい」と思ってくれる買主をたくさん見つけられるかどうかにかかっているからです。

ひと口に不動産仲介業者といっても、相続に関連する物件の売却を得意とする業者から、抵当流れの物件売却を得意とする業者まで様々なところがあります。親から相続した家を売却するなら、相続に関する物件売却に実績のある仲介業者を選ぶのがポイントです。

相続した家の売却は当社におまかせください

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売却時のトラブルを避けるために知っておくべきこと

相続した家の売却を行う際には、他の相続人とトラブルにならないように注意が必要です。具体的には、次の2点について事前に注意しておくようにしましょう

瑕疵担保責任を追及されないよう事前に仲介業者に伝えておく
他の親族から同意を得ておく

瑕疵担保責任を追及されないよう事前に仲介業者に伝えておく

家の売却を行う際には、買主となる人から後で「瑕疵担保責任」を追及されないように注意しておかなくてはなりません瑕疵担保責任とは、簡単にいえば「売ったものにちょっとした傷があることを、事前に買主側に伝えなかったことによって生じる責任のこと」をいいます。例えば、家の売却にあたっては以下のようなことが問題となるケースが多いです。

天井や屋根裏部屋の雨漏り
シロアリによる被害
排水管や給水管の不具合
土地の土壌汚染
家の中での死亡事故など

売主の側が売却する家にこうした事実があることを黙って売買契約を結んでしまうと、最悪の場合、契約の解除や損害賠償の請求を受けてしまう可能性があります。親が住んでいた自宅を売るようなケースでは、売主の側もこうした事実に気づけないと言う場合もあります。

不動産の現況について可能な限り仲介を依頼する不動産会社に伝えておくことが大切です。買主との売買トラブルにまきこまれないよう瑕疵担保責任について正しく理解しておくようにしましょう。

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他の親族から同意を得ておく

相続人として相続した家は、いうまでもなく相続をした人の所有物です。自分の所有物を売却するのもしないのもその人の自由ですから、まわりから家の処分方法について意見されることは、本来は不条理なことといえるでしょう。しかし、故人が自宅として住んでいた家にはさまざまな人の思い出がつまっているものです。

家の売却に関して親族内での同意を事前に得ておかないと、売却後、トラブルになってしまうリスクがありますので注意しておきましょう。防犯や衛生上のリスクについて遺族全員に説明しておくとよいでしょう。遺産分割協議の場は、相続に関係する遺族がすべて集まるので良い機会になることが多いです。

相続した親の家を売却するまでにかかる税金

相続税
相続した家を売却する時は、その後にやってくる「税金の負担」についてもあらかじめ準備しておくことが大切です。税金の納付期日は、相続や売却といったできごとが終わってから、かなりの時間が経過した後にやってきます。納税のチェックをしている役所である税務署は、日本全国でいつどなたが亡くなったのかまで把握している可能性があります。

そのため、納税義務を逃れることは非常に難しいのが実情であることを理解しておきましょう。相続した家の売却時に納めなくてはならない税金は、次のようなものがあります。

相続税
登録免許税
所得税
住民税

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相続税

相続税は、遺産を相続した相続人が納める税金です。おおよその目安ですが、遺産の総額が3600万円以上である場合には、何らかの形で相続税の負担が生じる可能性があります。相続税は、相続が発生してから10カ月以内に税務署に対して申告書を提出し、現金で納付を行わなくてはなりません。相続税の計算と申告は、遺産相続手続きを専門とする税理士に依頼して行うのが一般的です。

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登録免許税

登録免許税は、相続登記の手続きを行う際に、法務局に対して納める税金です。登録免許税の金額は、以下の計算式によって計算できます。

登録免許税=不動産の固定資産税評価額×税率0.4%

不動産の固定資産税評価額は、毎年市役所から送られてくる「固定資産税の納付書」から知ることができます。ただし、相続登記を行う際には、市役所や区役所で発行してもらえる「固定資産税評価証明書」を添付しなくてはなりませんから、こちらの金額から計算するのが正確でしょう。なお、登録免許税は、法務局の窓口で販売されている収入印紙を購入し、A4の白紙に貼り付けて納めます。「登録免許税納付用台紙」として交付している役所もありますが、普通のコピー用紙で代用しても問題ありません。

所得税

家を売ることによって利益がでた場合には、所得税・住民税という2つの税金を納める必要があります。所得税は売却を行った年の翌年2月16日〜3月15日のタイミングで、税務署に確定申告する形で納税をします。上の利益が出た場合とは、親が買った時の家の値段より、売ったときの値段の方が高いときという意味です。ここでの利益のことを正式には譲渡所得と呼び、以下の計算式で計算します。

譲渡所得=譲渡価額−取得費−譲渡費用
取得費=物件の購入金額+購入費用−減価償却費
譲渡費用=不動産業者に払う仲介費用+収入印紙代+その他の費用

上の計算式によって計算した「譲渡所得」に税率をかけて、所得税の計算を行います。なお、税率は「親が物件を購入してから、売却するまでの期間」によって異なり、5年以内の場合は30.63%、5年超の場合は15.315%の税率で計算されます。税率が倍も違いますから、購入から5年が経過するぎりぎりのタイミングである場合は、契約日をずらすなどの工夫が必要になるでしょう。

住民税

住民税は、所得税が発生するときにセットでついてくる税金と考えておいてください。所得税を計算した時と同じように、「売った値段−買った値段」で利益額(譲渡所得金額)を計算し、5年以内の短期譲渡の場合は税率9%、5年超の長期譲渡の場合は税率5%を掛けて金額を求めます。もっとも、所得税の計算と違って、住民税の計算はご自身で行う必要はありません。

税務署に対して所得税の申告を行ったら、その数字に基づいて、市役所側が計算して翌年に納税額を通知してきます。納付は翌年の6月・8月・10月・翌々年1月の4回に分けて行うことになります。「住民税は忘れた頃にやってくる」とよく言われます。売却によってお金を受け取るタイミングと、住民税を納めるタイミングとでタイムラグがかなりありますので、納税資金を手元に置いておくようにしましょう

所得税・住民税は優遇制度を受けられる場合も

住宅の売却に際しては、所得税や住民税の負担が減る「優遇制度」を利用できる可能性が高いです。どのような優遇制度を利用できるかは、亡くなった親と相続人となる人とが、生前に同居していたかどうかによって異なります

亡くなった親と生前に同居していた人は、相続した親の家を売却する場合、所得税・住民税の優遇制度を利用することが可能です。具体的には、「売った値段−買った値段」で計算する譲渡所得の金額が、3000万円を超えない場合には税金がかからないことにしてもらえます。ただし、この優遇制度は「別居していた親の家」を相続した場合には利用することができません

別居していた親の家を売る場合には、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が利用できます相続してから使用していない「空き家」がある場合、その売却で出た譲渡所得3000万円までは所得税や住民税を非課税にしてもらえる制度です。ただし、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」は、相続開始後3年が経過する年の12月31日までに売却を行う必要がありますので注意しておきましょう。

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まとめ

今回は、親から相続した家の売却を検討している方向けに、売却手続きの進め方と法律トラブルを避けるための注意点を解説いたしました。

ほとんどの人にとって相続は人生でそう何度もあるできごとではないでしょう。不動産の売却手続きには長い時間がかかりますから、じっくりと腰をすえて手続きを進めていくことが大切です。相続した家の売却については、専門の不動産業者に相談することを検討してみてください

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