共有名義不動産を共有者全員で売却する流れ!注意点やトラブルの対処法なども解説

共有不動産

共有名義不動産を処分するときには、共有者全員で売却する方法がおすすめです。
しかし、共有者全員でおこなうからこそ起きるトラブルや注意点があります。

この記事では、共有名義不動産を共有者全員で売却するときの流れや売却時によくあるトラブルと対処法を詳しく解説していきます。

また、売却の話がまとまらなくなったときに自分の持分だけでも売却する方法などもわかりやすく説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

共有名義不動産を共有者全員で売却する流れ

流れ
共有名義不動産を共有者全員で売却するときは「全員が売却に合意している」ことを証明することが必要です。具体的には、次のような流れで進めます。

  1. 共有者全員の合意を得る
  2. 不動産業者に売却の仲介を依頼する
  3. 共有者全員が契約に立ち会う
  4. 現金を分割する

①共有者全員の合意を得る

共有名義の不動産は共有者それぞれが所有権を持っているような状態です。したがって、共有名義不動産を売却しようと思ったときには、共有者全員の合意が必要になります。

たとえ、100分の1というわずかな持分であっても、その持分権者が売却に反対した場合、共有名義不動産を売却することは不可能です。

もし売却に反対されている人がいれば、その理由を聞き具体的な解決方法がないか考えてみましょう。反対している共有者の説得を不動産業者に依頼することも選択肢のひとつです。

共有者全員が売却に合意したのであれば、その事実を不動産会社・購入希望者に証明できるように同意書を作成しておきましょう。

口頭で「共有者全員が売却に同意しているので安心してください。」と言われても、なかなか信じてもらえない可能性もゼロではありません。

手間かもしれませんが、スムーズに売却を進めるためにも確実に作成してください。

②不動産業者に売却の仲介を依頼する

共有者全員の合意を得られたら、売却の仲介を不動産業者に依頼します。仲介を依頼すると、売却価格を決めるために査定をしてもらいます。

不動産業者から出された査定額が妥当なものか判断するために、事前に不動産一括査定サイトなどで売却価格を調べることもおすすめです。

査定までであれば無料で対応している不動産業者がほとんどなので、気になる不動産業者が複数あれば、同時に査定を依頼してもよいでしょう。

査定価格と不動産業者・営業担当者の雰囲気、対応の良し悪しから依頼する業者を決めます。

査定時には、対象の不動産に関する重要書類を集めておくと、権利関係や公的な評価額も踏まえたうえで、より正確な金額を出してもらえます。具体的には下記のような書類です。

  • 権利証・登記識別情報
  • 固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書
  • 土地測量図
  • 登記簿謄本
  • 購入時の重要事項説明書
  • 購入時の売買契約書
  • 間取り図面
  • 管理規約や使用細則(マンションの場合)

購入希望者が現れて、実際に売買契約を結ぶときには必要になる書類ですので、早めに揃えておくにスムーズに売却活動を進めることができるでしょう。

③共有者全員が契約に立ち会う

不動産業者に売却を依頼したあと、具体的な売却活動は担当者の方で進めます。そのため、売却活動で不動産の所有権者がおこなうことはほとんどありません。

内覧希望があったときに希望者を案内したり、質問があれば回答する程度です。

内覧時の立ち会いは不動産業者に任せることもできますが、物件の魅力を伝え購入を後押しするためにも、共有者のうち1人は立ち会うとよいでしょう。

そして、買主が決まったあとは、実際に売買契約を結びます。売買契約書は不動産業者が作成したものを使用するので、自分で作成する必要はありません。

ただし、契約書の内容に自分の認識と異なる条項がないか、理解があいまいな条項がないかを確認してください。契約を結んだあと「そのようなことは知らなかった。」となる問題が発生しても、対応できない場合があります。

また、売買契約のときには、

・共有者全員の印鑑証明書
・共有者全員の実印
・住民票(登記上の住所と現住所が異なる場合)
・本人確認書類

も必要です。

印鑑証明書と住民票は発行から3カ月以内のものとなっているので注意してください。そして、売買契約で一番のポイントは、契約締結時には原則、共有者全員が立ち会いのうえ、署名捺印が必要なことです。

もちろん遠方であったり、仕事で忙しかったりして、全員が同時に揃うことが難しいこともあるでしょう。その場合は、代理人を立てて対応することもできます。

ただし、代理人を立てるときには、委任状が必要となるので、忘れずに準備しましょう。様式として決まったものはありませんが、不動産業者に相談すれば、参考の形式をもらえるはずです。

買主は住宅ローンを受けて購入することがほとんどなので、売買契約を結んだ日は手付金だけ受け取ることが一般的です。そのため、引き渡しも後日になります。

④現金を分割する

売買契約を結んだ時点では一般的に手付金のみ受け取ります。その後、買主が住宅ローンの審査を受けて融資が実行されてから、残額の決済と物件の引き渡しという流れです。

そして、共有者全員で売却したときには、売却代金をそれぞれの持分割合に応じて分割します。このとき、不動産売却にかかった費用も持分割合に応じた負担が一般的なので、その分を計算して分ける必要があります。

何に、どのくらいの費用がかかったかを証明するために、各領収書は残しておくようにしましょう。以上で、共有名義不動産を共有者全員で売却する手続きは完了です。

共有名義不動産を共有者全員で売却するときによくあるトラブルと対処法

トラブル
次に、共有名義不動産を共有者全員で売却するときによくあるトラブルを3つ解説します。

  • 途中で売却の意思を変える共有者が現れる
  • 売却価格に合意が得られない
  • 売却代金を受け取った代表者からお金が分割されない

それぞれよく起きるものですが、事前に対処法を知っておくことで、スムーズに対応できます。

途中で売却の意思を変える共有者が現れる

共有名義不動産の売却に同意したはずなのに、売却活動が長くなると「やっぱり売却に反対。」と突然、意見を変える共有者が現れる場合があります。

同意書があったとしても、最終的には、契約時に共有者全員の立ち会いが必要です。そのため、売却を進められません。

途中で売却に反対された場合、対処法としてはその共有者への説得になります。最初は売却に同意していたのに、反対に変わったということは、何か理由があるはずです。

その理由を具体的に聞いてみましょう。共有者同士での解決が難しい場合、弁護士など専門家に相談して、代わりに交渉してもらう方が迅速に解決する可能性もあるので、検討してみてください。

売却価格に合意が得られない

売却の意思は一致していても、売却価格で意見が割れることも多いです。

また「もっと高く売れるはずだから、その価格では売却できない。」「価格はいいから、とりあえず早く売りたい。」のように、共有者によって考えが異なっていることもあります。

そこで、売却活動を始める前に「どの金額だったら売却するか。」の意見を統一させておくことが大切です。ただし、どのくらいの金額が妥当か判断に迷ってしまうかもしれません。

そのため、共有者間で最低売却価格を決めるときには、複数の不動産業者に査定を依頼することがおすすめです。このとき、買取業者への査定依頼もしておきましょう。

なぜなら、仲介業者と買取業者では、査定に出す金額の性質が異なるからです。

簡単にいえば、仲介業者は「このくらいの金額だったら、相場からも外れておらず、買主が見つかるだろう。」という金額を提示しますが、買取業者は「このくらいの金額だったら、あとから利益を出せるだろう。」という金額を提示します。

そして、仲介業者に売却を依頼した場合、なかなか購入希望者が見つからず、売出価格から下がることもあります。

したがって、現実的な売却価格は買取業者と仲介業者の出した査定額の中間にあるといえるでしょう。

売却代金を受け取った代表者からお金が分割されない

3つ目は、売却代金の分割に関するトラブルです。

共有名義不動産では、所有権者が複数います。そして、代金決済のときには代表者1名を決めてその人に振り込んでもらい、その後、他の共有者に分割する方式が一般的です。

しかし、代表者がそのまま代金を分割しないことがあります。もちろん代表者は分割する義務がありますが、強制的に支払わせようにも手間がかかります。

弁護士に相談したとしても別途費用がかかってしまい時間もかかるため、できれば避けたいでしょう。

もし代表者を信頼できない場合、買主に手間をかけさせることになりますが、共有者それぞれに直接、代金を振り込んでもらえるか依頼してみてください。

買主に承諾いただければ、代金が分割されないという不安なく代金決済まで手続きを進めることができます。

共有名義不動産の売却で揉めたときの対応

対応
共有者全員で売却しようと思っていたのに、なかなか話がまとまらなかったり、売却活動の途中で意見が割れたりしてしまって、思うように売却できないことがあります。

そこで最後に、共有名義不動産の売却で揉めたときの対応について解説します。主な対応方法は次の4つです。

  • 自分の持分のみを第三者に売却する
  • 自分の持分を他の共有者に売却する
  • 分筆して売却する
  • 共有物分割請求をおこなう

自分の持分を第三者に売却する

共有名義不動産全体を売却するには、共有者全員の同意が必要です。

その一方で、自分の持分だけであれば、自分の意思のみで売却できます。他の共有者が売却に反対していたとしても、自分の持分が売却できないわけではありません。

そこで、自分の持分を第三者に売却する方法が1つの対応方法です。

ただし、買主は持分を取得しても不動産全体を自由に使用できるわけではないです。持分割合に応じた賃料を請求したり、他の共有持分を買い取って最終的には単独名義にするといったことしかできません。

このように持分を購入しても不動産活用の選択肢が限られているため、売却価格は非常に低くなってしまいます。不動産の売却相場に持分割合を掛けた金額で売れるとは限らず、実際にはその10分の1になることもあります。

したがって、持分を第三者に売却することは「共有名義不動産の持分権者である。」という複雑な権利関係から抜け出せるということがメリットになる程度で、金銭的なメリットはほとんどありません。

当社は共有持分を積極的に買い取っております!

「持分のみでもできるだけ高く売りたい」「持分を買い取ってくれる人が見つからない」などの場合、共有持分専門の買取業者に売却することも検討してみましょう。

当社クランピーリアル・エステートでは、共有持分など権利関係が複雑に絡むような物件でも積極的に買い取っております。

全国800を超える弁護士・司法書士・税理士などの専門家とネットワークを形成しており、トラブルや法的な権利などを調整しながら運用できる強みがあります。

また、専門知識と経験を持ち合わせた専門スタッフも多数在籍しているため「高額査定・スピード買取」が可能です。

売却・買取に関して無料相談もおこなっていますので、疑問や不安がある人などはぜひ以下のリンクからお気軽にご相談ください。

自分の持分を他の共有者に売却する

売却相場に持分割合を掛けた金額に近い金額で自分の持分のみを売却したいのであれば、他の共有者に売却するとよいかもしれません。

共有名義不動産の売却で揉めてしまうのは、共有者のなかに「不動産を所有しておきたい。」という意思の人がいる場合が多いです。

このようなケースであれば、自分の持分を購入しないかとその共有者に提案してみてください。

その共有者は売却するよりも所有しておくことに価値を見出しているわけなので、価格の折り合いがつけば、購入してくれるかもしれません。

ただし、売却価格には注意が必要です。共有者が顔見知りや親戚だからといって、市場価格よりも安くしすぎると「贈与」とみなされ、贈与税が課せられてしまう恐れがあります。

分筆して売却する

共有名義不動産が建物の場合は難しいですが、土地だった場合、分筆して単独名義にしたあとで売却するという方法もあります。

分筆することで、所有権が自分だけになるので共有関係が解消されます。したがって、売却も自分の意思だけで自由に進められます。

ただし、分筆は時間も費用もかかります。分筆後に売却活動を始めるとなると、売却完了まで1年ほどかかる可能性も高いです。この場合、余裕を持って売却活動ができるかも確認しておきましょう。

共有物分割請求をおこなう

最後の方法として、共有物分割請求があります。これは、共有状態の解消を裁判所に委ねるものです。

裁判所に判決を出してもらい、強制力があるので、売却意思の有無にかかわらず、共有状態はなくなります。共有物分割請求では、具体的に次の3つの中から分割方法を決められます。

・現物分割
・代償分割
・換価分割

現物分割によって分割されたものは単独名義になっている状態です。そのため、個人の意思で、そのまま売却活動を始められます。

次に、代償分割となった場合「共有名義不動産を所有し続けたい。」という人から、持分を引き渡す「代償」として、代償金を受け取ります。

これにより、共有不動産の権利関係が解消されます。また、売却希望の共有者は現金を手に入れられるということで、それぞれにメリットがあります。

最後に換価分割です。これは、共有名義不動産を競売に出し、その落札価格を持分割合に応じて現金で分割する方法です。

競売となった場合、その落札価格は通常の売却活動に比べて低くなります。また、共有物分割請求における判決に対する拒否権は認められていません。

さらに、共有物分割請求で強制的に意見を押し通してしまった場合、他の共有者との関係も悪化してしまう恐れがあります。

そのため、共有物分割請求は最後の手段として、それ以外の方法で対処できないかを考えることが大切です。

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まとめ

共有名義不動産の売却は、共有者全員の同意があってはじめて可能になります。連絡が取れないからといって、共有者全員の同意が不要ということにはならないので注意してください。

また、売買契約を結ぶときには原則、共有者全員が出席します。共有名義不動産の売却は、共有者全員の意見の統一が必要という点で、スムーズに進みにくいものです。

共有者間でトラブルもよく起きるので、そのようなトラブルを避け解決するために、共有者全員で不動産の取り扱いについて冷静に話し合うことが大切です。

最終更新日:
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