共有名義の不動産が空き家になって、処分に困っているという人は少なくありません。
共有名義の不動産は、処分に共有者全員の同意が必要です。
空き家は放置していると多くのリスクがあるため、共有者間で話し合って速やかに処分しましょう。
話し合いが進まず空き家全体の処分がむずかしい場合は、自分の共有持分を売却して、共有名義から抜け出すという方法もあります。
古い空き家で劣化が激しい場合でも、共有持分専門の買取業者なら最短48時間での買取が可能です。
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共有不動産の空き家を売却する3つの方法
共有不動産の空き家を売却する方法は3つあり、それぞれメリットとデメリットが異なります。
- 1.共有者と共同で不動産全体を売却する
- 2.共有持分を他の共有者に買い取ってもらう
- 3.共有持分を第三者に買い取ってもらう
共有持分とは、共有不動産における各共有者の「所有権の割合」を示すもので、「持分1/2」というように表します。
それでは、3つの売却方法の違いを解説していくので、自分の希望や状況に合った方法を選びましょう。
1.共有者と共同で空き家全体を売却する
共有者が売却に同意し、共有不動産をまるごと売り出すのであれば、一般的な不動産売買と同じように売却可能です。
売却益は、持分割合に応じて分割します。
本来の資産価値を損ねることなく売却できるので、3つの売却方法のなかで一番高く売れやすいメリットがあるでしょう。
しかし、共有不動産の場合は「売却に共有者全員の同意が必要」という大きなデメリットがあります。
1人でも売却に反対する共有者がいれば、空き家全体を売り出すことはできません。
また、空き家は権利関係があいまいになっている場合も多く、共有者の所在がわからないなど「話し合いすら困難」というケースが少なくありません。
2.共有持分を他の共有者に買い取ってもらう
自分の共有持分を他共有者に買い取ってもらう方法は、売主側と買主側の双方にメリットがあります。
売主側は共有名義から抜け出して売却益を得られますし、買主側は自分の持分を増やせます。
しかし、買主側に共有持分を買い取れるだけの資金力が必要です。
共有持分の購入は金融機関からの融資も受けにくいため、買主側の負担は大きくなります。
また、買主側の意思を無視して売りつけることは当然できません。
買い取ってもらえるかどうかや、具体的な価格は交渉次第です。
交渉が円満に進めば高額で買い取ってもらえる可能性もありますが、売却をもちかけることで心象を悪くし、関係が悪化する恐れもあるでしょう。
3.共有持分を第三者に買い取ってもらう
共有者以外の人に、自分の共有持分を売却することも可能です。
他共有者の同意も不要なので、自分の好きなときに売却できます。
共有者との話し合いができない場合や、短期間で売却したいときは有効な方法です。
ただし、共有持分の売却は需要が低く、価格も下がりやすいというデメリットがあるでしょう。
なぜなら共有持分のみを取得しても、不動産の使用や管理・処分には「共有者との話し合い」が必要であり、第三者からすれば価値が低い傾向にあるからです。
共有持分を第三者に売却したいときは「共有持分専門の買取業者」に依頼するのが一般的です。
第三者への持分売却は「共有持分専門の買取業者」に相談するとよい
共有持分専門の買取業者は、共有持分の運用・収益化に必要な知識と顧客ネットワークを形成しています。
そのため、最短数日での高額買取も可能です。
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また、全国の弁護士と連携しており、他の買取業者にはない「法律面からの手厚いサポート」が可能です。
他共有者との交渉や権利関係の調整など、どんなお悩みでもお気軽にお問い合わせください
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空き家の売却にかかる税金や諸経費
共有している不動産を売却した場合であっても、通常の不動産売却と同じように税金や譲渡費用がかかります。
例えば、不動産の売却により利益が発生すれば所得税がかかりますし、不動産業者に売却の仲介を依頼すれば仲介手数料がかかります。
また、空き家を解体して更地にする場合、当然ながら解体費用も必要です。
いずれにしても、事前に税金や諸経費を計算し、なるべく負担が少なくなるようにしましょう。
不動産売却の基本的な費用については、下記の関連記事も参考にしてください。
相続した空き家の売却なら「3,000万円特別控除」を受けられる
相続により取得した空き家は、相続から3年以内に譲渡すれば譲渡所得(課税の対象となる金額)を3,000万円まで控除できます。
共有不動産の場合「全員で3,000万円」ではなく「各共有者が1人3,000万円」の特例控除を受けられます。
控除には適用期間があり「相続してから3年後の12月31日」までです。
うまく活用すれば大きな節税効果を得られますが、複雑な仕組みの制度なので、利用の際も税務署の窓口や税理士と相談することをおすすめします。
また、以上の特例控除の適用期限は2023年12月31日までです。
適用期限は延長される可能性もあるため、最新の情報は国税庁や税務署、税理士に確認しましょう。
参照:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
特例の対象となる建物
特例の対象となる建物は「亡くなった人が主な住まいにしていた物件」です。
他に、以下の要件を満たしている必要があります。
- 1981年5月31日以前に建築されたこと
- 区分所有建物登記がされている建物でないこと
- 相続の開始直前において被相続人以外に居住していた人がいなかったこと
上記2つ目の要件にある「区分所有建物」とは、分譲マンションや二世帯住宅のように「建物を区分けし、独立した所有権を割り振られている建物」です。
ただし、分譲マンションや二世帯住宅がすべて区分所有建物登記をされているとは限らないため、登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して確認しましょう。
また、3つ目の要件にある「被相続人以外に居住していた人がいなかったこと」は、言い換えれば「被相続人が1人で住んでいた空き家であること」となります。
特例を受けるために必要な条件
特例を受けるためには、建物の要件以外にもいくつかの条件があります。
- 相続後に居住や賃貸をしていない
- 売却する物件の代金が1億円以下
- 相続人が耐震リフォームをするか家屋を取り壊してから売却している
対象の不動産を相続したあと、その物件に自分が居住したり、賃貸物件として貸し出した場合にはこの制度の適用を受けられません。
当該不動産に住民票を移していなくても、実態としてそこに住んでいたとみなされれば適用外になります。
持分移転登記にかかる費用
不動産や共有持分を売却したら、名義を変更する手続きが必要です。
上記の手続きを「移転登記」といいます。
共有不動産の場合は「持分移転登記」をおこなうでしょう。
共有不動産をまるごと売却するときも、手続き上は「共有者全員が持分を移転する」という形式です。
また、対象の不動産に抵当権が設定されている場合は、売却にあわせて「抵当権抹消登記」もおこなうでしょう。
登記にかかる費用としては、申請時にかかる登録免許税があります。
もし、手続きを司法書士に代行してもらう場合は司法書士報酬も必要です。
具体的な申請方法や費用については、下記の関連記事も参考にしてください。
登記費用は買主と売主のどちらが負担する?
不動産の売買時に所有権の変更登記をおこないますが、登記費用を買主と売主のどちらが負担するか、法律では明確に決められていません。
慣例として、登録免許税については「所有権移転登記が買主側の負担、抵当権抹消登記が売主側の負担」とするのが一般的です。
司法書士については、買主側が依頼して買主と売主双方の登記を代行してもらいます。
ただし、買主と売主がそれぞれ別に登記の代行を依頼することもあるかもしれません。
地域によって慣例が異なるため、不動産業者に確認しながら売却を進めるとよいでしょう。
空き家を解体してから売却するときは「土地の税金」に注意
空き家の状態が長い建物は劣化もしやすく、そのまま売り出すより更地にしたほうが売れやすい場合があります。
しかし、空き家を解体する場合、固定資産税や都市計画税に注意が必要です。
土地にかかる固定資産税と都市計画税は、建物があると大幅に減額されます。
つまり、空き家を解体すると減額の対象外になるので、かえって維持費が高くなるのです。
固定資産税・都市計画税は1月1日時点の不動産状況によって課税されます。
可能であれば、解体した年に速やかに売却するか、買主が決まってから解体するとよいでしょう。
空き家を解体すると土地の税金が最大6倍まで跳ね上がる
「建物を解体すると土地の固定資産税や都市計画税が高くなる」と解説しましたが、具体的にどれほどあがるのでしょうか?
そもそも、建物のある土地の税額は、下記のように減額されています。
固定資産税 |
・土地に住宅が建っている場合、200㎡までの部分は小規模住宅用地とされ、固定資産税が1/6に減額 ・200㎡を超え、かつ家屋の床面積の10倍までの部分は一般住宅用地とされ、固定資産税が1/3に減額 |
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都市計画税 | ・都市計画税が課税される地域では、小規模住宅用地の都市計画税は1/3、一般住宅用地の都市計画税は2/3に減額 |
上記の軽減措置がなくなるため、固定資産税は最大で6倍、都市計画税は最大で3倍まで高くなります。
空き家をそのまま放置し続けることのリスク
空き家をそのまま放置し続けている場合、固定資産税がかかります。
他にも、維持費として壁や屋根の修繕費、室内の清掃代、草木の伐採費が必要です。
なにもせず放置期間が長ければ、再利用もできないほど傷んでしまうでしょう。
また、空き家が遠方にある場合は業者に管理を依頼するための費用が発生します。
空き家の放置は、金銭的にも労力的にも非常にデメリットがあるといえます。
「特定空き家」に指定されてしまう
空き家の放置は、単純に税金や維持費が発生するだけではありません。
古くなって倒壊の危険性がある空き家や、近隣の景観を著しく損なう空き家は、市町村から「特定空き家」に指定される恐れがあります。
特定空家に指定されると、改善の勧告と同時に住宅用地特例の対象から除外され、固定資産税や都市計画税の減税を受けられなくなります。
勧告を無視すると状況改善の「命令」が出され、この命令に違反した場合には、50万円以下の罰金を支払わなければいけません。
それでも状況が改善されなかったり、所有者と連絡が取れなくなったりした場合、行政代執行といって地方自治体が持ち主に代わって状況を改善します。
その場合、対象の空き家は解体されることがほとんどです。
「特定空き家」に指定されると解体費用を強制的に徴収される
「地方自治体が代わって解決してくれるなら、自分が対応しなくてもよいのではないか」と考える人もいるかも知れませんが、行政代執行により支出された費用の全額は持ち主に請求されます。
この請求によって、銀行口座や有価証券、自動車や不動産などの資産はすべて裁判を経ることなく差し押さえの対象になります。
したがって、費用の徴収は回避できません。
また、行政代執行による解体では費用をなるべく安く済ませる工夫はおこなわれず、自分で解体するより高額の費用となるのが一般的です。
特定空き家の指定を受ける前に、処分などの適切な対処をしましょう。
売却以外に空き家を活用して放置リスクを回避する方法
誰も使う予定のない空き家は放置せず、早期に売却するのが望ましいです。
しかし、売却せずに有効活用したいのであれば、賃貸物件にして家賃収入を得る方法が考えられます。
また、倉庫として利用したり、地域の集会所や防災用品置き場として自治体に寄付するケースもあります。
「なにもせず、誰も使わない」は、不動産においてもっともリスクの高い状態です。
空き家は放置せず、早期に処分や有効活用の方法を考えましょう。
まとめ
共有不動産である場合を中心に、空き家のリスクや活用方法などを解説しました。
しかし、これらのリスクを回避したり活用するための対策を打とうにも、共有名義のままでは共有者との話し合いが必要です。
共有者同士の話し合いが難しければ、共有持分のみの売却も検討してみましょう。
空き家の放置はせずに、早期に処分、もしくは活用することが大切です。