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別居中に共有不動産を売却する方法は?売却タイミングや注意点を解説

別居中に共有不動産を売却する方法は?売却タイミングや注意点を解説
監修者
坂本 洋介
元大手不動産会社の仲介業務担当。不動産業務に勤務して16年。 物件相続、購入、融資、賃貸、退去、修繕など幅広くお答えできます。 不動産物件の売買・仲介、共有不動産・共有持分の売買やトラブル解消、相続絡みの不動産全般、トータルサポートいたします。

別居中で離婚を検討している人の中には、「別居中に共有不動産を売却できるのか」「どのタイミングで売却すればよいのか」わからず困っている人もいるのではないでしょうか。

別居中でも自宅の売却は可能です。ただし、自宅の名義が単独なのか共有なのかによって売却の難易度に差が出ます。

例えば、自宅が単独名義なら名義人の意思のみで売却できるため、別居中でも名義人が売りたいと思えば売却可能です。

一方、共有名義になっている自宅を売却するには他の名義人の同意が必要であるため、自分だけが売りたいと思っても自宅全体の売却はできません。

他の共有者の同意が得られない場合、自分の持分だけを売却する方法もあります。共有名義でも、自分の持分だけの売却なら他の共有者の同意は不要です。

とはいえ、一般的な不動産会社では共有持分を買い取ってもらえないことが多いため、共有持分を専門としている買取業者に相談する必要があります。まずは無料査定を利用し、売却についての相談をしましょう。

この記事では、別居中に共有不動産を売却する方法や売却のタイミングについて解説します。売却できないケース、家を勝手に売られてしまった場合の対処法についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

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売却するタイミングは「別居中」or「離婚後」どちらがよい?

離婚にともなって住宅を売却する場合、売却のタイミングにも悩むのではないでしょうか。

住宅の売却は、別居中に売却したほうがよい場合と離婚後に売却をした方がよい場合があります。

そこでこの項目では、住宅を売却するタイミングについて詳しくお伝えします。

  • 住宅ローンが残っている場合は離婚後までローンの問題が残るため別居中に売却を検討する
  • 共有財産の多くが不動産なら、財産分与の際に不公平になりやすいため別居中に売却したほうがよい
  • 住宅ローンが残っていないなら自由なタイミングで売却できるため、現金化を急がず離婚後に売却すればよい

住宅ローンの残高があるなら【別居中】

夫婦の収入の合計額を基準に住宅ローンを組んでいるケースでは、別居中に自宅を売却したほうがよいでしょう。離婚までに自宅を売却しないと、離婚後まで住宅ローンの問題を持ち越してしまうためです。

離婚後に住宅ローンの支払いが残っていると、どちらかが滞納したときに自宅が差押えられる可能性や、離婚後に相手と連絡が取れなくなると売却自体が難しくなるといった問題があります。

また、住宅ローンを組んでいる場合、ローンをどのように組んだかによって注意点が異なります。

  • 連帯保証は債務者が返済できなくなったとき連帯保証人に請求がいき、連帯債務はいつでも請求される可能性がある
  • ペアローンはお互いがお互いの連帯保証人になるため、自分のローン+相手が支払えなくなったときは相手の分の請求も来る

それぞれ解説します。

連帯保証・連帯債務になっている場合

例えば夫婦のうちどちらかが連帯保証人になっていると、離婚後も連帯保証人が返済の保証義務を負います。そのため、債務者がきちんと返済しているうちは問題ありませんが、もし債務者が返済できなくなったときは連帯保証人に請求がいきます。

一方、どちらかが債務者、どちらかが連帯債務者になっている場合、連帯債務者は債務者と同じ債務を負っている状態です。連帯保証とは異なり、「債務者が返済できない」といった状況がなくても、債権者は債務者・連帯債務者のどちらにも請求できます。

どちらにしても、離婚後も返済を続けていくとなるとリスクがあるでしょう。別居中の売却を検討することをおすすめします。

ペアローンを組んでいる場合

「ペアローン」を組んでいる場合も、別居中の売却を検討したほうがよいでしょう。

ペアローンとは、共有者となる夫婦それぞれがローンを組み、お互いがお互いの連帯保証人になる契約のことです。連帯保証や連帯債務では契約自体は1本ですが、ペアローンでは契約が2本になります。

ペアローンではそれぞれが債務者になると同時に連帯保証人にもなるため、たとえ自分のローンを滞りなく支払っていても、相手の返済が滞ったときに相手の債務を保証しなければなりません。

売却の際の注意点は、「オーバーローン」になる場合、金融機関から売却を許可されない可能性がある点です。

オーバーローンとは、ローンの残高が不動産の価値を上回ることです。ペアローンを組んでいるケースでオーバーローンになるときは、以下の方法を検討しましょう。

  • 低金利のローンに借り換える
  • 債務引受をおこない債務を1本化する
  • 不動産全体を任意売却し抵当権を抹消する

まずは金融機関に連絡し、ローンの借り換えや任意売却ができるかどうかを確認してみましょう。そのほか、弁護士や司法書士、不動産会社などへの相談も必要です。

財産の多くの部分を家が占めるなら【別居中】

離婚の際には、婚姻中に夫婦で築き上げた財産を2人で分ける「財産分与」をおこないます。

財産分与の対象には、現金や預金はもちろん、不動産も含まれます。不動産の価値は時価などを基に計算しますが、不動産のままで夫婦平等に財産分与するのは困難です。

例えば「現預金600万円と3,000万円の不動産」というように、共有財産の多くが不動産である場合は平等に分けづらく、不公平が生じます。

しかし別居中(離婚前)に不動産を売却し現金化しておけば、トラブルのない平等な財産分与をしやすくなるでしょう。

住宅ローンが残っていないなら【離婚後】

離婚後に自宅を売却したほうがよいのは、住宅ローンが残っていない場合です。

このようなケースでは、離婚前ではなく離婚後に売却することをおすすめします。その理由は以下の2つです。

  • 財産分与には贈与税がかからない
  • 自由なタイミングで売却できる

1つ目は、財産分与には贈与税がかからないことです。

財産分与で不動産を受けた場合、原則として贈与税はかかりません。財産分与は夫婦の財産関係を精算したり離婚後の生活を保障したりするためにおこなうものであり、贈与にはあたらないと考えられるためです。そのため税金の心配をする必要はありません。

しかし離婚前に自宅を売却した場合、売却益を分ける際に贈与税がかかる可能性があります。

贈与税は税率が高く、最大で55%もかかってしまいます。わずかなタイミングの差で得られる金額が大きく変わってくることがあるため、売却を急がないほうがよいでしょう。

2つ目は、自由なタイミングで家を売却できることです。住宅ローンが残っている場合、離婚後にローンの問題を持ち越さないためには離婚前の売却が望ましいですが、条件のよい買主を待てず、価格が低くても売却せざるを得ない場合があります。

しかしローンが残っていないなら、所有者は自分のタイミングで売却可能です。条件のよい買主が現れるまで待って売却できるため、その分高く売れる可能性も大きくなります。

参考:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

離婚時に共有不動産の住宅ローンをどうすべきか知りたい場合は、以下の記事で詳しく解説しているためぜひ参考にしてください。

別居中に共有不動産を売却する方法

共有不動産の売却を決めたら、売却方法を考えなければなりません。

共有不動産は、共有者全員の同意を得て1つの不動産として売却することで、高値で売却できる可能性が高まります。

しかし別居中の夫婦の場合、共有者の同意を得ることが難しいケースもあるでしょう。

その場合は、自分の持分のみを売却することを検討するとよいでしょう。自分の共有持分であれば自由に売却可能です。しかし共有持分でも、離婚調停中に勝手に売却するとトラブルになる恐れがあります。

そこで、できるだけトラブルなく共有不動産を売却する方法を解説します。

  • 相手の同意が得られるなら、夫婦(共有者全員)で不動産全体を売却する
  • 相手の同意が得られないなら、相手に自分の共有持分を買い取ってもらえないか交渉する
  • 相手に知られずに自分の共有持分のみを売却したいなら、「共有持分専門の買取業者」に売却する

共有者全員で不動産の全部を売却する

共有名義の不動産を売却する方法のうち、もっとも高値での売却が見込めるのは、前述のとおり夫婦(共有者全員)で不動産全体を売却する方法です。

売却によって得た利益は、それぞれの持分割合に応じて分配するのが一般的です。

例えば、夫婦で持分1/2ずつの不動産を3,000万円で売却した場合は、1人あたり1,500万円で売却したことになります。

ただし、売却には夫婦双方の同意が必要です。同意が得られないときは、このあとお伝えする別の方法を検討するとよいでしょう。

自分の持分を他の共有者に売却する

自分の持分は第三者だけでなく、他の共有者にも売却可能です。

例えば、妻が夫に持分を売却すれば、自宅は夫の単独名義不動産になります。相手が不動産全体の売却に反対しているなら、共有持分の買取を持ちかけてみるとよいでしょう。

売却後のそれぞれのメリットは以下のとおりです。

  • 買取った方のメリット:住宅を単独名義で所有できる
  • 売却した方のメリット:まとまった現金が手に入る

このように、双方にとってメリットがあります。

どちらかが自宅に住み続けることや将来的な運用を考えている場合などに、有効な手段といえるでしょう。

なお、この場合の売却価格は、当事者間で自由に決められます。ただし、相場よりも低すぎる価格で売買すると「贈与」とみなされ贈与税が発生するため、適正な金額を設定するようにしましょう。

また、他の共有者に持分を買い取ってもらう場合、相手に持分を買い取れるだけの資力がなければならない点にも注意が必要です。

自分の共有持分を買取業者に売却する

別居中に共有不動産の売却を検討している場合、相手に知られずに自分の持分を売りたいと考える人も多いのではないでしょうか。

自分の共有持分のみであれば、他の共有者の同意を得ずに売却できます。

ただし、共有持分の売買は特殊な取引であり、一般的な不動産会社では売却できないケースが大半です。

そのため、共有持分の売却は「共有持分専門の買取業者」に相談することをおすすめします。専門の買取業者は自社で共有持分を買い取るため、迅速な取引が可能です。

当サイトを運営するクランピーリアルエステートも、共有持分専門の買取業者として最短48時間での買取を実施しています。ぜひお問い合わせください。

弁護士と強力な連携体制を組んでいるので、トラブルなくスムーズな買取を実現できるのが弊社の強みです。

離婚前に共有不動産を売却する際の注意点

離婚前に共有不動産全体を売却するなら、以下の点に注意しましょう。

  • 売却で得た利益を分ける行為が贈与とみなされると贈与税が発生する
  • 離婚や売却を急いでいると、良い条件で売却できない可能性がある

ケースによっては贈与税がかかる

ケースによっては贈与税がかかることがあります。離婚前に共有不動産全体を売却した場合、売却で得た利益を分ける行為が財産分与でなく「贈与」とみなされる場合があるためです。

贈与とみなされれば、贈与税が発生する可能性があります。そのため離婚が成立する前に売却が決まっても、売却益を分けるのは離婚協議書で財産分与について取り決めをおこなうまで待ったほうがよいでしょう。

ただし夫婦で1/2ずつ所有していたケースで、売却益を持分どおりに1/2ずつ分ける場合であれば、売却益の分配が離婚前であっても贈与にはあたりません。それぞれが自分の持分に応じた金銭を受け取っているためです。

贈与税がかかるかどうかがわからなければ、離婚問題に精通した税理士に確認することをおすすめします。

良い条件で売却できない可能性がある

離婚前に共有不動産全体を売却する場合、良い条件で売却できない可能性があります。「早く離婚したい」「不動産を離婚前に売却したい」という思いが強い場合、好条件の買主が現れるのを気長に待てないケースが多いためです。

少しでも良い条件で売却するなら、不動産会社選びが重要です。できるだけ早くから動き始め、複数の不動産会社に査定してもらうことをおすすめします。

査定額はもちろん、以下の点を比較し、どの不動産会社に依頼するかを決めましょう。

  • 営業店舗数が多い
  • 営業担当者の対応が適切でスムーズ
  • 不動産売却の実績が豊富
  • 物件がある地域の事情に詳しい
  • 売却以外の方法も提案してくれる
  • インターネット広告に熱心

別居中に共有不動産を売却できない2つのケース

以下の2つのケースでは、別居中に共有不動産の売却ができません。

  • 他の共有者から同意が得られない
  • 住宅ローン残債が売却価格を上回っている

とくに住宅ローン残債が売却価格を上回っている場合は、売却をしても住宅ローンという負債が残ります。共有不動産は財産分与の対象にもならないため注意しましょう。

ここでは、別居中に共有不動産の売却ができないケースについてそれぞれ詳しくお伝えします。

他共有者の同意が得られない

共有不動産の売却には共有者全員の同意が必要です。

共有不動産の売却は「共有物の変更」にあたり、民法によって共有者全員の同意が必要であると定められています。そのため、他の共有者が反対すると別居中や離婚後に関わらず売却ができません。

第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。出典:e-Govポータル「民法第251条」

「他の共有者の同意が得られないがどうしても売却したい」という場合は、前述した「自分の共有持分のみを売却する」方法を検討するとよいでしょう。

共有者が共有不動産の売却に反対している場合の解決法については、以下の記事で詳しく解説しているためぜひ参考にしてください。

住宅ローン残債が売却価格を上回っている

住宅ローン残債が売却価格を上回っていると、単独・共有に関わらず不動産の通常売却ができません。なぜなら、不動産を売却しても住宅ローンが残ってしまうためです。

「ペアローンを組んでいる場合」でも触れましたが、上記のような状態を「オーバーローン」といいます。

例えば、住宅ローンが2,000万円残っているにもかかわらず、住宅の売却価格が1,500万円というようなケースがオーバーローンです。

オーバーローン状態の不動産を売却する手段として、借入先の金融機関の許可を得て売却する「任意売却」があります。

ただし任意売却後は、住宅ローン残債から売却益を差引いた金額を返済していかなければなりません。

また、オーバーローン状態の不動産には価値がないとみなされるため、財産分与の対象にならない点にも注意が必要です。

任意売却については、以下の記事で詳しく解説しているためぜひ参考にしてください。

離婚時に共有不動産を売却しなかった場合に起こりうるトラブル

ここまで、別居中に共有不動産を売却する方法をお伝えしました。

しかし、なかには共有不動産の売却をまだ迷っている方もいるのではないでしょうか。

方法は売却だけにかぎりませんが、離婚時は不動産における共有関係を解消しておくことが望ましいです。

ここでは、離婚時に共有不動産を売却せず、共有関係をそのまま継続する場合に起こりうるトラブルについてお伝えします。

  • どちらかが住宅ローンの返済を怠ることで滞納状態になり、その状態が続けば住宅を差し押さえられる
  • 共有者が共有持分を売却したことで、悪質な買取業者から買取を迫られたり共有物分の購入者から家賃を要求されたりする

どちらかの住宅ローン返済が滞って住宅を差押えられる

共有不動産に住宅ローンが残っている場合、離婚後も住宅ローンを支払っていかなければなりません。

どちらかが住宅ローンの返済を怠ると滞納状態となり、その状態が続くと住宅を差押えられてしまいます。

離婚後にどちらかが住宅に住み続ける場合に起こりやすいトラブルです。

たしかに、共有不動産に住み続けない側からすると、途中で住宅ローンの支払いが負担となってしまう可能性が高いですよね。「自分が住んでいるわけでもないのに、なぜいつまでも支払わないといけないのか」という気持ちになることも考えられます。

滞納トラブルが起きないためにも、離婚時に共有不動産は売却するのがおすすめです。

以下の記事では、共有不動産に離婚後もどちらかが住み続けるリスクと、トラブルを避ける方法について解説しています。ぜひ参考にしてください。

どちらかが共有持分を勝手に売却してしまう

前述したように、自分の共有持分のみなら自由に売却ができます。そのため、離婚後に共有者が共有持分を勝手に売却してしまうかもしれません。

共有者が共有持分を売却した場合、以下のようなトラブルが発生する恐れがあります。

  • 売却した業者が悪質だと、共有持分の買取を強要される
  • 相手の持分の方が大きい場合、共有持分の購入者の意向で賃貸契約ができてしまう
  • 共有持分を購入した人から家賃を請求される

共有持分を運用目的で購入する人も多く、そのような人は共有持分の知識も豊富な傾向にあるため、家賃の請求などへ対抗するのは難しいケースが多いです。

結婚後に購入した不動産であれば、婚姻期間に築き上げた財産として財産分与の対象になります。お金ではなく不動産として引き継ぎたい場合、重要なのは売却させないことです。

売却された共有持分を取り戻すことはほぼ不可能ですが、以下の方法で勝手に売却されないよう対策することは可能です。

  • 勝手に売却しない旨を約束した契約書を交わす
  • 登記済証・登記識別情報通知を預かる
  • 処分禁止の仮処分(仮差押)の手続きをする

「勝手に売却しない」という内容の契約書を作成しておくのもひとつの手段です。あくまでも夫婦間での約束事を明らかにするためのものであり第三者に効力は及びませんが、相手が契約書の内容を守って売却しないでいてくれる可能性があります。

所有権移転登記に必要な「登記済証」または「登記識別情報通知」を前もって預かっておく方法もあります。

【登記済証・登記識別情報通知とは】
いわゆる「権利証」のこと。「登記済証」と呼ばれていたものが、平成17年の「不動産登記法」改正により「登記識別情報通知」に変わった。所有権移転登記の際に登記名義人の本人確認手段として必要。

ただし、時間稼ぎにはなっても完全に所有権移転を防げる方法ではない点に注意しましょう。登記済証や登記識別情報通知がなくても、司法書士などが面談を行ったうえ「登記名義人本人である」と判断した場合に発行する「本人確認情報」によって登記手続きは進められるためです。

その他、処分禁止の仮処分(仮差押)を検討するのもひとつの選択肢です。仮差押の手続きをすれば、勝手に売却することを防げます。その不動産で子供と生活している場合などは、裁判で「立ち退く必要がない」といった判決が出る可能性も高いです。

仮差押では、登記や離婚調停などの手続きが必要です。あらかじめ、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。弁護士と提携している不動産業者へ依頼し、法的観点からのアドバイスをもらうのも有効な手段です。

なお、共有者が共有持分を売却してしまったら、こちらも売却するのが賢明です。

共有持分を売却する際は、共有持分専門の買取業者に買取を依頼するとよいでしょう。専門の買取業者であれば、運用が難しい共有持分の扱いにも長けているため、高値での売却が見込めます。

共有持分を勝手に売り出されたときの対処法については、以下の記事で詳しく解説しているためぜひ参考にしてください。

夫婦の離婚時にトラブルなく不動産を分ける方法

離婚の際、トラブルなく不動産を分けるにはどうすればよいのでしょうか。

ここでは、離婚時にトラブルなく不動産を分ける方法について解説します。

  • 不動産をどちらかの単独名義にする代わりに、もう片方に不動産の1/2に相当する金額を代償金として支払う
  • 不動産を売却し、売却で得た利益を平等に分ける

どちらかの単独名義にし、もう片方に代償金を支払う

1つ目は、どちらかの単独名義にする代わりに、もう片方に代償金を支払う方法です。

名義を移すだけでは不公平が生じるためトラブルになる可能性がありますが、代償金を支払えば持分を失うほうも納得しやすいでしょう。

ただし、代償金の計算には不動産の持分を考慮しない点に注意が必要です。財産分与に登記上の持分は関係なく、基本的に「1/2ずつ」とされているためです。

例えば夫の持分が2/3:妻の持分が1/3のケースでも、夫の単独名義にするなら、夫は不動産を単独で所有する代わりに、妻に対して不動産の価値の1/2に相当する金額を支払います。

・夫の持分:2/3
・妻の持分:1/3
・不動産の価値:2,000万円
・不動産は夫の単独名義にする


【夫が妻に支払う代償金】
2,000万円×1/2=1,000万円

もっとも、お互いの合意があるならどのように分けても問題ありません。

なお、住宅ローンが残っている場合は、不動産の価値からローンの残高を差し引き、残った金額から代償金を計算します。

・夫の持分:2/3
・妻の持分:1/3
・不動産の価値:2,000万円
・住宅ローンの残高:1,000万円
・不動産は夫の単独名義にする


【夫が妻に支払う代償金】
2,000万円ー住宅ローンの残高1,000万円=1,000万円
1,000万円×1/2=500万円

上記は、不動産の価値が住宅ローンの残高よりも高い「アンダーローン」のケースです。不動産の価値よりもローンの残高のほうが高いオーバーローンになっている場合は、不動産の価値がマイナスになるため「財産」とはいえず、財産分与の対象になりません。任意売却や住宅ローンの名義人が自宅に住み続けながら返済していくなど、別の方法を検討する必要があります。

また、住宅ローンが残っており自宅の名義人とローンの名義人が違う人になるときは、金融機関の規約に反する恐れがあります。その場合、ローンの全額返済を求められることがあるため、住宅ローンが残っているときは慎重に決める必要があるでしょう。

解決方法としては、住宅ローンの借り換えや名義の書き換えなどがありますが、まずは金融機関に相談することをおすすめします。

売却で得た利益を平等に分ける

2つ目は、不動産を売却し、売却益を平等に分ける方法です。売却益から経費を差し引いて残った金額を、夫婦で1/2ずつ平等に分けます。

経費には、例えば以下のようなものがあります。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 印紙税
  • 印鑑証明書交付手数料
  • 所有権移転登記費用

1つ例を挙げてみましょう。

・不動産の価値:2,000万円
・経費:200万円


【夫婦それぞれが受け取るお金】
2,000万円ー200万円=1,800万円
1,800万円×1/2=900万円

この方法なら共有状態を解消でき、代償金を支払うお金がない場合でも問題ありません。実際に多くのケースで利用されている方法です。

離婚時に財産分与で家を分ける方法については、以下の記事で詳しく解説しているためぜひ参考にしてください。

まとめ

別居中に共有不動産を売却する方法や売却のタイミングについて解説しました。

別居中に共有不動産を売却する際は、不動産の売却価格や離婚後にお互いがどのようなライフプランを立てるかといったことを踏まえて、慎重に決める必要があります。

また、離婚時に共有不動産を売却しなかった場合に起こりうるトラブルについてもよく考え、どのような方法で売却するのかをよく話し合いましょう。

別居中に売却することでどのような問題が起こるのか、売却するメリット・デメリットなどをよく検討したうえで、共有不動産を売却することをおすすめします。