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共有名義不動産が売却できない原因と対処法!ケース別に最適な解決策を解説

共有名義不動産が売れない最大の理由は、共有者全員の同意がなければ不動産全体を売却できないというルールにあります。

実務上も、共有者のうち1人でも反対すれば売却は進まず、「話がまとまらない」「連絡が取れない」「条件に納得しない」といった理由で、手続きが止まってしまうケースが非常に多く見られます。

とはいえ、共有名義不動産は「絶対に売れない不動産」というわけではありません。売却方法を変えるなどの工夫をすることで解決できるケースもあります。

ケース・状況 主な解決方法
一部の共有者が売却に反対 ・共有者との交渉
・持分のみ売却
・共有物分割請求
共有者と連絡が取れない 不在者財産管理人の選任
共有者に未成年者がいる 親権者の同意+家庭裁判所の許可
共有者が認知症 成年後見人の選任
買主が見つからない ・価格の見直し
・買取業者への売却

実際に現場でも、「仲介では売れなかったが、持分売却に切り替えたことで早期に現金化できた」「交渉が進まなかったが、法的手続きを前提に整理することで解決できた」といったケースは少なくありません。

一方で、共有名義の不動産は放置するほど状況が悪化しやすいという特徴があります。共有者の高齢化や相続によって権利関係が複雑化し、結果的に「当初よりも売却が難しくなる」ケースも多く見られます。

当記事では、共有名義不動産が売れない具体的な理由と、状況ごとの現実的な解決方法について、共有名義・共有持分の買取業者である弊社が実務情報を踏まえつつわかりやすく解説していきます。

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共有名義不動産が売却できない理由

共有名義の不動産が売却できない原因はさまざまありますが、実務上は次の3つに集約されます。

  • 共有者全員の同意が必要で、1人でも反対すると売却できない
  • 共有者に特殊な事情があり売却の手続きが進まない
  • 不動産自体に問題があり買主が現れない

あくまで筆者の現場感覚に過ぎませんが、これらのうちいずれか1つだけが原因というケースは少なく、複数の原因が同時に重なっているために共有名義不動産が売れないケースが約7〜8割を占めている印象です。

特に、「共有者から反対されている」というケースは実務でも非常に多く、「不動産全体を売りたかったが、反対されているため持分のみ買取してほしい」という相談は弊社にも多く寄せられています。

ここからは、共有名義不動産が売却できない主な理由について、それぞれ解説していきます。

共有者全員の同意が必要で、1人でも反対すると売却できない

共有者が不動産全体の売却に反対している

共有名義の不動産は、共有者全員の同意がなければ売却できません。この点が、実務上もっとも大きなハードルになります。

共有物に対する行為は「保存行為」「管理行為」「変更行為」の3種類ありますが、共有名義不動産全体の売却は「変更行為」にあたります。民法第251条では、共有物に変更を加える場合は、共有者全員の同意を得る必要があると定められています。

第二百五十一条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
引用元 民法 | e-Gov 法令検索

たとえ99%の共有持分を保有する共有者が売却に賛成していても、残りの1%の共有者が売却に反対している場合、売却は法的に不可能となります。

弊社に寄せられる相談でも、「共有者の同意が取れないこと」が原因で売却できていないケースは全体の約6割前後を占めています。具体的には、弊社に寄せられた相談事例でも特に多いのが、次のようなケースです。

  • 価格に納得しない(相場より10〜30%程度高い金額を希望するケースが多い)
  • 感情的な対立により協議そのものができない
  • 「考える」と言ったまま数ヶ月〜1年以上判断しない

中でも多いのが「明確な反対ではないが進まない」というケースで、体感では同意が得られない案件のうち約半数近くが該当します。

また、共有者の人数が増えるほど同意を得る難易度は大きく上がり、筆者の感覚でいえば2人から3人に増えることで20〜30%程度低下し、5人以上になると30%以下まで落ち込む印象があります。

共有者に特殊な事情があり売却の手続きが進まない

共有者に特殊な事情があり売却の手続きが進まない

共有者の中に、「未成年者」「認知症を患う方」など「単独で意思決定ができない方」がいる場合、通常の売却手続きでは進めることができません。また、行方不明・音信不通といった共有者がいる場合も、同意が得られないことから共有名義不動産の売却を進められません。

このようなケースでは、本人に代わって意思決定を行うための法的手続きが必要になります。具体的には、下記のような対応が必要です。

  • 未成年者:親権者による代理+場合によっては家庭裁判所の許可
  • 認知症:成年後見人の選任(家庭裁判所への申立て)
  • 音信不通・行方不明:所在調査+不在者財産管理人の選任(家庭裁判所への申立て)

実務上の目安としては、「未成年者の場合は許可取得まで約1〜2ヶ月程度」「成年後見は選任まで約3〜6ヶ月程度」「音信不通・行方不明の場合は所在調査から不在者財産管理人の選任までで約2〜4ヶ月程度」が筆者の感覚です。

さらに、ここから売却許可を得ることまで含めると、半年〜1年以上かかるケースも少なくありません。

また、音信不通の共有者については、住民票や戸籍をたどって所在を特定する必要があり、放置期間が長いほど調査の難易度が上がる傾向があります。

実際に、弊社と連携している弁護士からも「相続後に長期間放置されていたことで共有者の所在が分からなくなり、調査だけで数ヶ月かかるケースが多い」といった話をよく聞きます。

さらに、不在者財産管理人が選任された後も、売却には家庭裁判所の許可が必要となるため、自由に価格や条件を決められないケースも少なくありません。

弊社に寄せられる相談でも、共有者にこうした事情があるケースは全体の約2〜3割程度を占めており、その中でも音信不通の問題は相続案件を中心に一定数見られます。

このような場合、手続きが完了するまで売却は進められないため、短期間での売却は現実的ではなくなります。

不動産自体に問題があり買主が現れない

不動産自体に問題があり買い手がつかない

共有名義の不動産が売却できない原因は、共有者間の問題だけでなく、不動産そのものに問題があるケースも少なくありません。

特に実務上多いのが、「物件の状態などが分からず、買主が購入を検討できない状態」のまま売り出されているケースです。仲介で売却が進まなかった後に弊社へご相談いただくケースでも、次のような状態の共有名義不動産が多く見られます。

  • 共有者の一部が居住しており、内見ができない
  • 残置物が多く、室内の状況が確認できない
  • 共有持分のみの売却で、利用方法が限定される

不動産の売却では、買主が現地を確認し、利用イメージを持てることが前提になりますが、これができない場合、検討対象から外されやすくなります。弊社の実務感としても、内見ができない物件は問い合わせ数が通常の1/5以下まで落ち込む傾向があり、「3ヶ月以上問い合わせが入らない」「6ヶ月以上売却活動をしても成約に至らない」といったケースも珍しくありません。

また、共有持分や権利関係が複雑な不動産は、そもそも購入できる層が限られます。仲介で売却が進まなかった後に弊社へご相談いただく案件でも、購入検討者の多くは一般の個人ではなく、主な売却先は投資家や専門業者になる傾向があります。

そのため、「共有持分のみなら市場価格の50〜70%程度」「権利関係が未整理ならさらに10〜20%程度低下」といった価格帯になることも多く、条件が合わなければ売却自体が成立しません。

つまり、共有名義不動産は売れないのではなく、「買える人が限られているために売却が進まない」というケースもあるのが実務上の実態です。

共有名義不動産が売却できずに放置することのリスク

共有名義の不動産は、「今すぐ売らなくても困っていないから」と判断を先送りにされるケースが非常に多いですが、放置することで状況が改善することはほとんどなく、むしろ時間の経過とともに売却の難易度は上がります。

実務上も、仲介で売却が進まなかった後に弊社へご相談いただく案件の多くは、「もっと早く動いていれば、選択肢が残っていた状態」から悪化したケースです。

共有名義不動産は「放置するほど売れなくなる」という特徴があります。

そのため、現時点で売却の予定がなくても、少なくとも「どの状態であれば売却できるのか」「どこで詰まる可能性があるのか」だけは早めに把握しておくことが重要です。

ここからは、実際に多く見られる放置リスクについて、具体的なケースをもとに解説します。

共有者との関係性が悪化して売却の交渉が完全にできなくなる

共有名義の不動産は、時間が経てば自然に解決するものではなく、むしろ共有者同士の関係性が悪化することで、交渉自体ができなくなるケースが非常に多いのが実務上の実態です。

弊社の買取相談でも、「共有者との関係性が悪化して交渉できなくなった」ことがきっかけで相談に至るケースは非常に多く、感覚的には全体の3〜4割程度を占めています。

特に、相続や離婚をきっかけに共有状態になった不動産では、もともと利害や感情が対立していることも多く、放置することで関係性がさらに悪化しやすくなります。

実際に、仲介で売却が進まなかった後に弊社へご相談いただくケースでも、「最初は話し合いができていたが、途中で連絡を取り合わなくなった」「売却価格を巡って揉めた結果、一切話が進まなくなった」といった状態になっていることが少なくありません。

一度関係性が崩れると、再度交渉のテーブルに戻すこと自体が難しくなり、売却の選択肢が大きく制限されるため、早い段階で整理しておくことが重要です。

共有者と連絡が取れなくなり、手続き自体が進められなくなる

共有名義不動産では、放置することで共有者と連絡が取れなくなり、手続きそのものが進められなくなるケースも多く発生します。

弊社の買取相談でも、共有者と連絡が取れないことが原因で手続きが止まり、相談に至るケースは一定数あり、感覚的には全体の2割前後を占めています。

この中でも特に多いケースとしては、下記が挙げられます。

  • 遠方に住んでいて疎遠になっている
  • 相続後に連絡先を把握していない
  • 長期間放置した結果、所在が分からなくなった

仲介で売却が進まなかった後に弊社へご相談いただく案件でも、共有者の一部と連絡が取れず、売却手続きが完全に止まっている状態で持ち込まれることが少なくありません。

この場合、不在者財産管理人の選任などの法的手続きが必要となり、手続き完了まで数ヶ月〜半年以上かかることもあります。

空き家のまま放置され、建物の老朽化で資産価値が大きく下がる

共有名義不動産は意思決定が難しいため、結果として空き家のまま長期間放置されるケースが非常に多いのが実態です。

弊社の買取相談でも、空き家のまま放置した結果、建物の老朽化が進み売却が難しくなってから相談に至るケースは多く、感覚的には全体の1〜2割前後を占めています。

しかし、建物は使用されていない状態が続くと急速に劣化が進み、「雨漏りやシロアリ被害 」「設備の故障」「管理不全による近隣トラブル」といった問題が発生しやすくなります。

実際に弊社にご相談いただく案件でも、「数年間放置された結果、建物としての利用価値がほぼなくなっている」「解体前提でしか検討できない状態になっている」といったケースが多く見られます。

この段階になると、売却価格は「土地値」または「解体費控除後の価格」での検討となり、大幅に下落する可能性があります。

固定資産税や維持費の負担だけが増え続ける

共有名義不動産を放置している間も、固定資産税や維持費の負担は継続して発生します。

本来は持分割合に応じて負担するものですが、実務上は「一部の共有者だけが負担している 」「誰も支払わず滞納状態になっている」といったケースも少なくありません。

仲介で売却が進まなかった後に弊社へご相談いただく案件でも、数年分の固定資産税が未納となっている状態で持ち込まれるケースが見受けられます。感覚的には全体の2〜3割程度を占めています。

滞納が続くと延滞金の発生や差押えのリスクもあるため、資産であるはずの不動産が負担だけを生む状態になってしまいます。

共有名義不動産が売却できないケース別の対策診断チャート

共有名義の不動産は、「なぜ売れないのか」によって取るべき対応が大きく異なります。まずはご自身の状況がどのケースに当てはまるかを確認してみてください。

チェック項目 YESの場合 NOの場合
共有者全員と連絡が取れる状態ですか? 次のチェックへ ケース③|共有者と連絡が取れない・行方不明の場合

売却の難易度:★★★★☆

※仲介での売却はほぼ困難
⇨解決方法はこちらの見出しを参考にしてみてください
共有者全員が売却に同意していますか? 次のチェックへ ケース②|一部の共有者が売却に反対している場合

売却の難易度:★★★☆☆

※交渉次第だが長期化しやすい
⇨解決方法はこちらの見出しを参考にしてみてください
共有者の中に未成年者や認知症など、単独で意思決定できない方はいますか? ケース④・⑤|未成年者・認知症の共有者がいる場合

売却の難易度:★★★★★

※法的手続きが必要
⇨解決方法は未成年者がいる場合はこちら認知症を患う共有者がいる場合はこちらの見出しを参考にしてみてください
次のチェックへ
不動産全体を売却できる状態ですか?(居住者なし・内見可能など) ケース①|共有者全員の同意が取れる場合

売却の難易度:★☆☆☆☆

※比較的スムーズに売却可能
⇨解決方法はこちらの見出しを参考にしてみてください
ケース⑥|共有不動産や持分のみの買主が見つからない場合

売却の難易度:★★★☆☆

※条件次第で売却が難航しやすい
⇨解決方法はこちらの見出しを参考にしてみてください

共有名義不動産は「誰と連絡が取れるか」「同意があるか」「法的な制約があるか」によって、取るべき対応が大きく変わります。

共有名義が売却できないケース別の解決方法

共有名義不動産の売却は、「なぜ売れないのか」によって取るべき対応が大きく異なります。 同じ「売れない状態」でも、原因が違えば解決方法もまったく変わるため、状況に合った対応を選ぶことが重要です。

実務上も、適切な対応を取れていないことで売却が進まないケースは多く、原因に合わない方法を選んでしまうことで、時間だけが経過してしまうことも少なくありません。

まずは、ケースごとの解決方法を一覧で確認してみてください。

ケース・状況 解決方法・実務上のポイント
ケース①|共有者全員の同意が取れる 仲介での売却または買取を検討。条件整理と適切な価格設定ができれば比較的スムーズに進む
ケース②|一部の共有者が売却に反対 共有者との交渉を継続しつつ、難しい場合は持分売却や共有物分割請求を検討。感情的対立があると長期化しやすい
ケース③|共有者と連絡が取れない 所在調査を行い、不在者財産管理人の選任を検討。手続き完了まで数ヶ月以上かかることが多い
ケース④|共有者に未成年者がいる 親権者の同意に加え家庭裁判所の許可が必要。売却条件によっては許可が下りない場合もある
ケース⑤|共有者が認知症 成年後見人の選任が必要。選任まで時間がかかり、かつ売却条件にも制限が生じる
ケース⑥|買主が見つからない 価格の見直しや買取業者への売却を検討。市場で売れない場合は仲介以外の方法への切り替えが重要

ケース①|共有者全員の同意が取れる場合

共有者全員の同意が取れている場合は、共有名義不動産の中では最も売却しやすい状態です。

この場合は、通常の不動産と同様に仲介による売却も見込め、条件が整えば市場価格に近い水準での売却も期待できます。

ただし実務上は、「売却価格の認識にズレがある」「売却時期や条件で意見が分かれる」といった理由で、途中までは良かったものの売却手続き中に話が止まるケースも少なくありません。

そのため、事前に価格やスケジュールの認識を共有しておくことが重要です。

また、仲介で一定期間売却できない場合は、買取を視野に入れることで、売却完了までの見通しを立てやすくなります。

ケース②|一部の共有者が売却に反対している場合

一部の共有者が売却に反対している場合、そのままでは不動産全体の売却はできません。実務上は、「価格に納得しない」「感情的な対立」「判断を先送りにする」といった理由で同意が得られないケースが多く見られます。

一部の共有者が売却に反対している場合の解決策としては、下記が挙げられます。

解決策 どのような手続きをすればいいか
共有者と交渉する 価格や売却条件を整理し、反対している共有者と合意形成を目指す
自分の持分だけ売却する 不動産全体ではなく、自分が持つ共有持分のみを専門の買取業者などに売却する
共有物分割請求を行う 話し合いで解決できない場合は、裁判所に共有物分割請求を申し立てて共有状態の解消を目指す

ただし、交渉が難航する場合は長期化しやすく、裁判に発展するケースも少なくありません。

弊社への買取相談でも、このように共有者間で調整ができず、持分のみの売却を選択されるケースは非常に多く、体感で全体の3割前後を占めています。

ケース③|共有者と連絡が取れない・行方不明の場合

共有者と連絡が取れない場合、売却に必要な同意を得ることができないため、そのままでは手続きを進めることができません。

実務上は、「相続後に疎遠になっている」「連絡先が分からない」「所在自体が不明」といった理由で、売却の話が止まるケースが多く見られます。

共有者と連絡が取れない場合の解決策としては、下記が挙げられます。

解決策 どのような手続きをすればいいか
所在調査を行う 戸籍・住民票・戸籍の附票などを取得し、共有者の現住所や所在を調べる
不在者財産管理人を選任する 所在が分からない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる

ただし、不在者財産管理人の選任には時間がかかり、売却まで数ヶ月〜半年以上かかるケースも珍しくありません。

弊社への買取相談でも、この「連絡が取れない共有者がいること」が原因で売却が止まり、仲介での対応が難しくなってから相談に至るケースは一定数あり、感覚的には全体の2割前後を占めています。

ケース④|共有者に未成年者がいる場合

共有者に未成年者がいる場合、本人だけでは売却の意思決定ができず、そのままでは手続きを進めることができません。

実務上は、「相続で子どもが持分を取得している」「親権者も共有者で利益相反が発生する」といったケースで売却が止まることが多く見られます。

共有者に未成年者がいる場合の解決策としては、下記が挙げられます。

解決策 どのような手続きをすればいいか
親権者の関与のもとで売却を進める 未成年者本人では契約できないため、親権者が売却手続きに関与する
家庭裁判所の許可を得る 利益相反などがある場合は、家庭裁判所に許可を申し立てたうえで売却を進める

ただし、家庭裁判所の許可が必要な場合は、手続き完了まで1〜2ヶ月程度かかるケースが一般的です。

弊社への買取相談でも、未成年者が共有者に含まれていることに気づかないまま売却を進め、途中で手続きが必要と判明して止まるケースが一定数見られます。

ケース⑤|認知症を患う共有者がいる場合

共有者が認知症を患っている場合、本人に意思能力がないと判断されると、そのままでは売却を進めることができません。

実務上は、「家族内で合意しているつもりでも法的に無効となる」「契約直前で手続きが止まる」といったケースが多く見られます。

共有者が認知症の場合の解決策としては、下記が挙げられます。

解決策 どのような手続きをすればいいか
成年後見人を選任する 本人に判断能力がない場合は、家庭裁判所に成年後見開始を申し立てる
後見人を通じて売却する 選任された成年後見人が、本人の利益になることを前提に売却手続きを進める

ただし、成年後見人の選任には3〜6ヶ月程度かかることが多く、さらに売却条件にも制約がかかります。

弊社への買取相談でも、相続後に放置していた不動産で、売却を検討した段階で認知症が発覚し、手続きが進められず相談に至るケースは多く見られます。

ケース⑥|共有不動産や持分のみの買主が見つからない場合

共有者全員の同意が取れていても、買主が見つからなければ売却は成立しません。実務上は、「共有持分のみ」「利用状況が不明確」「収益性が低い」といった理由で、仲介では買い手がつかないケースが多く見られます。

買主が見つからない場合の解決策としては、下記が挙げられます。

解決策 どのような手続きをすればいいか
売出価格を見直す 市場で反応がない場合は、需要に合う価格帯まで条件を調整する
売却方法を見直す 仲介で売れない場合は、買取や持分売却など別の売却方法に切り替える
専門業者へ売却する 共有持分や訳あり不動産を扱う専門の買取業者へ直接売却する

ただし、仲介で売れない状態を長期間続けると、価格を下げても買主がつかないケースもあります。

弊社への買取相談でも、一定期間仲介で売れなかった後に売却方法を見直し、買取を選択されるケースは多く、感覚的には全体の3割前後を占めています。

共有名義不動産を売却できない人の共通点

共有名義不動産が売却できない理由はさまざまですが、実務上は「特別な事情があるから売れない」のではなく、「進め方を誤っているために売却が止まっている」ケースも多く見られます。

実際に、仲介で売却が進まなかった後に弊社へご相談いただく案件でも、共通して見られる進まなくなるパターンがあります。共有名義不動産が売却できない場合、このようなパターンに該当していないかをチェックしておくことも大切です。

ここからは、共有名義不動産の売却を検討する際に注意したいポイントを解説します。

高値売却のために仲介売却にこだわり続けてしまう

仲介による売却は、市場価格に近い水準で売れる可能性がある一方で、共有名義不動産の場合は前提条件が揃わないと成立しにくいという特徴があります。

特に、「共有者全員の同意が必要」「買主の対象が限定される」など、共有名義不動産ならではの制約があるため、通常の不動産と同じ感覚で仲介に出しても売却が進まないケースが多く見られます。

それにもかかわらず、「少しでも高く売りたい」という理由で仲介にこだわり続けた結果、半年〜1年以上動かないまま時間だけが経過してしまうことも珍しくありません。

弊社への買取相談でも、「最初は仲介で売ろうとしていたが、まったく反応がなく方針を見直した」というケースは非常に多いです。

そのため、一定期間で売却できなかった場合は、あらかじめ買取など別の売却方法に切り替える判断基準を持っておくことが重要です。

共有者への交渉を後回しにしてしまう

共有名義不動産の売却では、共有者間の合意形成が最優先事項になります。

しかし実務上は、共有者との調整を後回しにしたまま売却を進めようとし、途中で「そもそも同意が得られない」といった問題が発覚するケースが多く見られます。

この状態になると、売却活動を進めても契約に至らず、時間だけが無駄になる可能性が高くなります。弊社に寄せられる相談でも、売却の話が具体化してから初めて共有者と調整し、その段階で話がまとまらずに止まるケースは少なくありません。

そのため、売却を検討する段階で、最低限「売るかどうか」「どの条件なら合意できるか」を事前にすり合わせておくことが重要です。

売却価格に固執しすぎてしまう

共有名義不動産では、「現実的に売れる価格」と「希望価格」に乖離が生じやすい傾向があります。

実務上も、相場より10〜30%程度高い価格を希望されるお客さまもいらっしゃいますが、共有持分や権利関係に制約がある不動産では、価格が市場に合っていなければ検討すらされないことも多々あるのが実態です。

弊社への買取相談でも、「価格を下げれば売れるとは分かっていたが決断できず、結果的に売却が長期化した」というケースは多く見られます。

そのため、最初から「希望価格」と「売却可能性の高い価格」を分けて考え、一定期間ごとに見直すことが重要です。

「いつか売ろう」と考えて問題を放置してしまう

共有名義不動産で最も多いのが、明確な問題があるにもかかわらず、判断を先送りにしてしまうケースです。

しかし実務上は、放置することで「共有者の高齢化や認知症のリスク」「相続による権利の細分化」「建物の老朽化」といった問題が重なり、当初よりも売却が難しい状態になることが多く見られます。

弊社への買取相談でも、「もっと早く動いていれば選択肢があった」という状態から悪化した案件は非常に多く、感覚的には全体の半数近くを占めています。

そのため、すぐに売却しない場合でも、現時点でのリスクや選択肢を把握し、動くタイミングを判断できる状態にしておくことが重要です。

共有名義不動産がどうしても売却できない時の相談先

共有名義不動産が売却できない場合、重要なのは「どの専門家に相談するかによって解決スピードと結果が大きく変わる」という点です。

実務上も、「とりあえず不動産会社に相談したが進まなかった」「弁護士に相談したが売却の具体的な話が進まなかった」といったように、相談先の選び方によって時間だけが経過してしまうケースは少なくありません。

そのため、現在の状況に応じて適切な相談先を選ぶことが重要です。代表的な相談先と特徴を整理すると、次のとおりです。

相談先 どんな状況に向いているか メリット
不動産仲介会社 共有者全員の同意が取れており、通常の不動産として売却できる状態 ・市場価格に近い水準での売却が期待できる
・広く買主を探せる
不動産買取業者(専門業者) ・共有者の同意が取れない
・持分のみ売却したい
・権利関係が複雑
・現状のままでも売却できる
・買取までのスピードが早い
・「共有者がわからない」など複雑な事情があっても対応してもらえる
弁護士 ・共有者と揉めている
・交渉が難しい
・共有物分割請求を検討している
・法的手続きによる解決が可能
・交渉や訴訟を代理して進められる

ただし、共有名義不動産の問題は「権利関係」「感情的な対立」「売却条件」などが複雑に絡み合うため、一つの専門家だけでは解決できないケースも多いのが実務上の特徴です。

実際に、弊社への買取相談でも「仲介では売れない」「交渉が進まない」「法的手続きも視野に入っている」といった複合的な課題を抱えているケースが多く見られます。

そのため、状況によっては最初から複数の専門家が関与する前提で進めることが、結果的に最短で解決につながるケースも少なくありません。

まとめ

共有名義不動産が売却できない理由は、共有という仕組み上、意思決定や条件整理が難しくなりやすい構造にあることが大きな要因です。

実務上も、共有者の同意が取れない、権利関係が整理できていない、買主が限定されるといった複数の要因が重なり、通常の不動産と同じように売却を進めても成立しないケースが多く見られます。

また、共有名義不動産は時間が経てば自然に解決するものではなく、むしろ時間の経過によって状況が悪化していくという特徴があります。

共有者の高齢化や認知症によって意思決定ができなくなるケースや、相続によって権利関係がさらに細分化されるケース、空き家のまま放置されることで建物の老朽化が進むケースなど、時間が経つほど売却の前提条件が崩れていくことは珍しくありません。

「まだ動かなくても大丈夫」という判断が、結果的に選択肢を狭めてしまうというのが、現場での実感です。

重要なのは、今すぐ売却するかどうかに関わらず、現時点での状況を整理し、どの選択肢が現実的に取れるのかを把握しておくことです。

共有者との関係性や不動産の状態によって、最適な進め方は大きく変わります。仲介で進めるべきケースもあれば、持分のみの売却や買取を選択した方が合理的なケースもあります。

まずは状況を客観的に整理し、このまま進めるべきか、それとも別の方法を検討すべきかを判断することが、売却を前に進めるための第一歩になります。

共有持分に関するコラムはこちら

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    更新日 : 2025年11月07日
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