共有名義不動産の持分を処分する方法と売却価格相場や税金について

共有名義不動産

共有されている不動産はトラブルが起きやすいため、共有持分の売却や処分を考える人も少なくありません。

実際に共有持分や共有不動産を所有していて、売却を考えている人は

・共有不動産はどうやったら売却、処分できるの?
・自分が所有する共有持分だけでも手放したい!
・売却以外に共有持分を処分する方法はあるの?

など、さまざまな疑問や悩みがあることでしょう。

そこで、この記事では「共有持分を手放すことを考えている人」のために不動産専門家が、あなたの悩みや疑問を解消します。

具体的には

・共有不動産全体の売却方法
・自分が所有する共有持分だけを売却、処分する方法
・共有持分の価格相場や売却時にかかる税金

を順番通りにわかりやすく解説していきます。

この記事を読むだけで、自らの共有持分を売却・処分できるようになることでしょう。

共有物全体を処分する場合は、共有者全員の同意が必要

共有名義

共有している不動産についてなんらかの行為をするときに、行為の内容に応じて共有者の同意が必要となる場合があります。

不動産に対する「行為」には、法律的に以下のものがあります。

  • 保存行為
  • 管理行為
  • 変更・処分行為
保存行為とは不動産の現状を維持するために必要な行為で、かつ他の共有者には不利益がおよばない行為です。例えば不動産の清掃や費用がかからない修繕などが該当します。

保存行為は他の共有者にとってもメリットになるので、各共有者が単独で実行可能です。

管理行為とは、不動産の利用行為と改良行為のことを指します。

利用行為の代表例としては実際に居住する人の決定や短期賃貸借契約が、改良行為の代表例としては不動産の価値を増加させるような小規模な増改築があげられます。

管理行為には全持分における過半数分の賛成が必要です。「人数」ではなく「持分」の過半数が必要となることに注意しましょう。

変更・処分行為とは、不動産の物理的変化を伴う行為と法律的に処分する行為になります。

物理的変化を伴う行為の代表例は、建物の解体や大規模な増改築などです。法律的に処分する行為の代表例としては、不動産を売却したり担保にしたりなどがあります。

変更・処分行為には共有者全員の同意が必要となります。

参照:e-Govポータル「民法第251条、第252条」

まずは共有者の売却意思を確認しよう

共有不動産の全体を他の方に売却する場合には、共有者全員の同意が必要です。

多くの場合、不動産を共有しているのは夫婦や兄弟、または親戚同士ですから、年長者が先走って「自分の意見に家族が反対することはないだろう」と、不動産業者に売却の話を持ち込んでしまうことがあります。

しかし、いざ買い手がみつかり、売買契約が済んでから売却を家族に反対されて大きなトラブルになる事例が散見されます。

不動産を売却する際には、まずは売買契約を締結し、後日お金と登記に必要な書類を交換する(これを決済といいます)という流れになります。

売却の際には共有者全員の押印と印鑑証明書の添付が必要です。売買契約に立ち会えない共有者は、委任状を作成する必要があります。

ときおり、共有者の委任状を無断で作成してしまう事例がありますが、決済の段階で共有者の足並みが揃わないと大きなトラブルになってしまいます。最悪の場合には売買契約で受け取った手付金を2倍にして返金しなければいけません。

共有者全員で売却の意思と売却金額について、きちんと合意しておく必要があります。

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不動産の登記を確認しよう

共有している不動産を売却するときは、最初にその不動産の登記を確認する必要があります。

なぜなら、共有者同士が認識している名義・持分割合と、登記されている内容が異なる場合があるからです。

相続の際に遺産分割の内容を間違えて登記しているケースや、共有者のだれかが他の共有者に内緒で持分を売却しているケースがあります。もしくは、相続対策で持分を贈与・売却していたケースなど、共有者の認識と登記情報がずれている事例は少なくありません。

また、共有者が亡くなっているにもかかわらず、遺産分割協議や相続登記をしていない事例もあります。そういった場合には、まず遺産分割協議と相続登記をして、現在の所有者と登記情報を一致させる必要があります。

相続登記にはまとまった費用と手間がかかるので、遺産分割協議がまとまらないことも珍しくありません。そのため、共有不動産の所有者を確定できないこともよくあります。

共有不動産の売却に際して、買い手が現れてからそのようなトラブルが発生すると関係者に迷惑をかけてしまい、場合によっては違約金が発生します。

登記情報の確認方法

以前は不動産の所在地を管轄する法務局でなければ「登記事項証明書」を取得できず、わざわざ不動産所在地の法務局まで足を運ぶか、現地の司法書士に依頼して取得する必要がありました。

しかし、現在は法務局のコンピューターで登記情報が管理されており、全国どこの法務局でも登記事項証明書を取得できます。

また、郵送による交付請求や、インターネットを利用したオンラインによる交付請求も可能です。

オンラインでの交付請求は、利用にあたり電子証明書の準備が必要だったり、手数料の納付が面倒だったりと利用しにくく、これまで一般の方の活用が進んでいませんでした。

しかし、現在は登記・供託オンライン申請システムを使えばインターネット上で登記事項証明書を請求可能です。インターネットバンキングやPay-easyに対応したATMで手数料の納付ができて、自宅に登記事項証明書を郵送してもらえます。

参照:登記・供託オンライン申請システム

このサービスを利用すると、オンラインですべての手続きが完了し、自宅に登記事項証明書が送られてくるのを待つだけですから、積極的に活用しましょう。

ちなみに、現在では「登記事項証明書」が正しい名称ですが、以前は「不動産登記簿謄本」と呼ばれていました。どちらも同じ書類となります。

共有者の足並みが揃わない場合

共有者間で細かい条件が折り合わなかったり、手続きが面倒で売却を嫌がる共有者がいたりなど、共有者の足並みが揃わない場合もあります。

このような場合、売却を渋る他共有者の持分を、共有者のうちだれかが代表として買い取るという対処方法があります。しかし、それが難しい場合もあるでしょう。

共有不動産全体を売却して得られた利益が想定よりも高かったとき、持分のみを売った共有者が「不動産全体が高く売れたのだったら、持分の買取価格ももっと高いはずだ」と、後から文句をつける人もいるかもしれません。

また、代表者が一旦購入してから再び売却するため、余計な登記費用や不動産取得税が発生してしまいます。

現在では共有持分に特化して買い取ってくれるサービスもあるので、自分の持分のみを売却したほうがよいケースもあります。

共有持分でお悩みの方は当社まで

当社では共有持分の買取を積極的におこなっております。

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共有名義不動産の自分の持分を処分する方法

共有名義

共有している不動産全体を売却するのではなく、自分の共有持分のみを処分することも可能です。

不動産を共有すると、なにをするにも共有者の同意を得るために話し合いが必要です。経費分担や家賃分配にも手間がかかります。

それらの煩わしさから開放されたいと考え、不動産の共有持分を処分する方がたくさんいます。共有持分を処分する方法としてはあげられるのは、次の3つの方法です。

  • 共有者に自分の持分を買い取ってもらう
  • 自分の持分を共有者以外の第三者に売却する
  • 自分の持分を放棄する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.共有者に自分の持分を買い取ってもらう方法

共有者に自分の持分を買い取ってもらう方法(持分移転)

共有者に自分の持分を買い取ってもらう方法は、共有持分を処分する方法として一般的です。

売却価格は売主と買主の双方が納得した価格であればいいのですが、贈与税の問題があります。

適正な時価から乖離した価格で売買してしまうと、税法上はその乖離した金額を贈与とみなされ課税されてしまうのです。

例えば、1,000万円の土地を親子で1/2ずつ所有していたとします。つまり、親・子供それぞれの持分は500万円です。

ここで、子が親の持分すべてを100万円で購入した場合、税法上は親から子に対して「400万円の贈与があった」とみなされて、贈与税が課されてしまいます。

「それでは売買価はどのように算出するのか」という点ですが、残念ながら明確な算出基準はありません。近隣の不動産相場や築年数など、複数の観点から判断することになります。

「譲渡所得の申告をしなければ売買したこと自体が税務署にバレない」と考える人もいますが、必ずしもそうとはいえません。

持分を移転した場合はその旨を登記しますが、税務署は不動産の所有権や持分の移転登記について定期的に確認しています。不動産の所有権・持分の移転は税務署に把握されていると考えましょう。

もちろん、税務署に把握されるか否かにかかわらず、適正な税務申告をしなければならないことはいうまでもありません。

2.自分の持分を共有者以外の第三者に売却する方法

自分の持分を共有者以外の第三者に売却する方法(一部売却)

自分の持分を共有者以外の第三者に売却することも法令上は認められていますが、共有不動産には多くの手間がかかるため、一般的に需要は低くなります。

しかし、最近は共有持分を買い取る専門業者もいます。

「共有持分を処分したいけれども共有者が購入してくれない」「売却価格が折り合わないという」などの場合は、共有持分専門の買取業者に買い取ってもらうことがおすすめです。

ただし、共有者にとっては不動産の共有名義人に突然他人が加わることとなります。将来的な関係性も十分考慮し、共有者に「持分を売却することになった」と事前に伝えるとよいでしょう。

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3.自分の持分を放棄する方法(持分放棄)

自分の持分を放棄する方法(持分放棄)

持分を処分する方法として、自分の持分を放棄する方法もあります。共有持分は、自分の意志のみで放棄することが可能です。

単独名義になると、不動産は所有権を放棄できないので注意しましょう。

利用価値がない共有不動産において共有者が持分放棄してしまうと、最後の1人が単独所有者となってしまいます。そうなると、税金や管理の負担を1人で背負うことになります。

放棄された持分は、残された共有者の持分割合によって分配されます。3人以上で共有している場合には持分の移転先は選べない点にも注意しましょう。

農地を共有している場合には持分放棄を積極的に活用しよう

農地を売買するには農業委員会や知事の許可が必要で、売却先が農家であるなどの要件を満たさなければいけません。

しかし、共有持分の放棄による所有権移転は、これらの手続きが不要になります。

所有している共有不動産が農地のときには、積極的に活用していきましょう。

持分放棄の登記には共有者の協力が必要

持分が移転した旨の登記をしなければ、第三者に対して持分を放棄したことを主張できません。そのため、持分放棄にともなう持分移転登記は必須といえます。

しかし、持分移転登記は他の共有名義人と共同して申請する必要があります。持分放棄をしても、他の共有名義人からの協力を得られずに登記できないケースもあるのです。

その場合、持分移転登記をするために裁判所の確定判決が必要など、費用と手間がかかります。

持分放棄を検討するときは、他の共有者に登記申請の協力をしてもらえるかも考慮しましょう。

登記申請をしなくとも罰則はありませんが、権利関係を証明できずに大きなトラブルへ発展する可能性が高くなります。不動産の権利に変動があった場合は、登記申請を忘れないようにしましょう。

共有者に贈与税の納税義務が発生する

不動産の共有持分を放棄した場合、他の共有者は持分が増加します。そして、持分放棄で受け取った持分は、税制上は贈与とみなされます。

そのため、共有持分の放棄は他共有者に贈与税が課せられます。トラブルにならないよう、放棄前に共有者への配慮が必要です。

贈与税は年間110万円までの控除がありますが、計算するときは「年間に受けた贈与のすべてが合算」されます。自分が放棄した共有持分が110万円以下でも、相手の共有者が他に贈与を受けると、110万円を超えてしまうことがあるので注意しましょう。

共有持分の価格相場と売却にかかる税金や諸費用

共有不動産相場
共有持分を持っていると、他の共有者と家賃や固定資産税について話し合いをしなければならず、修繕や賃貸借契約などの意思決定にも時間がかかるため、積極的に購入を希望する人は多くありません。

また、共有持分に特化した買取業者も増えていますが、一般の不動産買取サービスと比較すればまだまだ数が少ないといえます。

高額で共有持分を売却したいのであれば、専門の買取業者に依頼するのがもっとも可能性が高いでしょう。

信頼できる業者を選択するには、豊富な取引実績や、不動産の権利関係に詳しい法律家といかに連携を取れるかが重要になります。

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共有持分の売却にかかる税金や諸費用

共有持分の売却にかかる税金や諸費用は、不動産全体を売却したときと大きな違いはありません。

税金としては、印紙税、登録免許税、譲渡所得税があります。

その他にも、不動産会社に仲介を依頼した場合の仲介手数料、弁護士や司法書士を雇ったときの報酬があります。

また、建物の解体費や、土地の境界を確定するための測量費も必要に応じてかかります。

共有持分を売却したときの確定申告について

共有持分を売却して利益が発生した場合には、譲渡所得にかかる所得税と住民税を申告・納税します。

税金の申告は不動産を売却した翌年2/15~3/15の間におこないます。また、納税の期限は不動産売却の翌年3/15までです。

不動産の売却により生じた譲渡所得には多くの特例や控除が設けられていますが、それらは確定申告時に申請することが適用の条件となります。つまり、申請し忘れた場合は余計に税金を払うことになるのです。

また、申告そのものを忘れてしまうと延滞税や不申告加算税が課されます。

不動産を売却したときは、確定申告を忘れないように気をつけましょう。

税務署と税理士、どちらに相談すべきか

確定申告の際、報酬を支払って税理士に相談するか、無償の税務署の相談コーナーで相談するか悩む人も多いようです。

一概にはいえませんが、会社員の方など確定申告に不慣れな方は、税理士に相談したほうがよいかもしれません。

税制度には多くの控除や特例があり、個々の状況で使える制度が細かく変わります。1つ計算を間違えるだけで数十万円以上も納税額が変わるかもしれないのです。

税務署の相談窓口は無料ですが、書類の準備や記入はすべて自分で判断する必要があり、手間や時間がかかります。

日常生活とのバランスを考えながら、どちらがよいか判断しましょう。

まとめ

少し前までは、共有不動産や共有持分の売却はとても難しいものでした。いつまでも共有状態を解消できず、苦労した人もたくさんいます。

しかし、近年では共有持分専門の買取業者もいるため、共有名義の不動産に関するトラブルを抱えて困っている所有者の方に新たな選択肢ができました。

共有名義の不動産に関する悩みを抱えている方は、一度買取サービスに見積もり依頼をしてみてはいかがでしょうか。

最終更新日:
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