売れない土地に共通する5つの原因と売却を成功させる3つのコツ!土地放置のリスクや処分法も解説

売れない土地

土地をいつか売却したいと考えている人もいれば、今すぐに売却したい、お金を払ってでも手放したい人など、土地を所有している人には、さまざまな悩みがあると思います。

すぐに、売却できるような土地であれば特に悩むこともないかもしれませんが、最近ではお金を払ってでも手放したい「売れない土地」によって苦悩している人も少なくないようです。

今回は、放置された土地におけるリスクや売れない土地の原因、売却のコツなども解説します。

土地放置時の税金リスク

固定資産税
売却や処分をせずに土地を放置していると、さまざまなトラブルの原因となる可能性があり、土地を所有しているメリットよりも、デメリットのほうが大きくなってしまうことがあります。

土地の所有では「コストがかかる」ことや「維持管理が難しい」ことなどが、デメリットになりやすいポイントです。コストや維持管理について、それぞれ詳しく説明します。

固定資産税がかかる

土地を所有していると、市区町村の自治体に固定資産税を支払わなくてはなりません。土地によっては固定資産税が高くなる可能性もあります。

そのため、利益を生まない土地を放置していると、税金だけがかかってしまうため、経済的なデメリットとなります。土地を売却するか、新たな利益を生むように活用するといった行動が必要となるでしょう。

固定資産税とはどのようなものか、よくわからない方もいるかと思います。固定資産税の概要や計算方法などを次の項目で解説します。

固定資産税額の計算

固定資産税は、土地や家屋などの固定資産を所有している人に課される、地方税のひとつです。

毎年1月1日時に固定資産を所有している人に対して課税されるようになっています。(1月2日以降に固定資産を所有した場合は、課税は翌年以降になります)

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固定資産税の計算方法は、以下のようになります。

固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)=固定資産税

固定資産税を算出するにあたって、「固定資産税評価額(課税標準額)」というものが関わってきます。

土地の固定資産税評価額は、国土交通省が年に1回定める「※地価公示価格(公示地価)」の70%が目安とされています。

※地価公示価格(公示地価)とは、「土地の特性」、「取引における諸々の個々の事情」などを含めない、一般的な土地取引の指標となる価格(正常価格)です。

専門の不動産鑑定士(複数人)が固定資産の鑑定と評価をおこない、国土交通省が価格を定めています。

土地の固定資産の評価は3年に1度見直しがおこなわれます。そのため、景気や周辺状況の変化などにより土地の価値が上がることも考えられ、評価金額も変動する可能性があります。

参照:国土交通省

次に「1.4%(標準税率)」ですが、これは市町村の地方自治体が課税するときの標準となる税率です。

基本的に定められた税率で課税することとされていますが、地域の財政事情によって税率が変わることもあります。

また、住宅などの建物がある居住地用地の場合、要件を満たした部分について以下のように税率の軽減措置が適用される場合があります。

  • 1戸につき200平方メートルまでの住居用地部分(小規模住宅用地)は6分の1軽減
  • 小規模住宅用地以外の住宅用地(一般住宅用地)は3分の1軽減

参照:東京主税局

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固定資産税の納付時期

固定資産税の支払いは、「6月、9月、12月、2月(第1期~4期)」の年4回で、届いた納税通知書にて期限内に支払います。

その他に一括支払いに加え、支払い忘れなどが起こらないように、口座振替での支払いも可能となっています。

都市計画税がかかる

固定資産税とは別に、都市計画税という税金がかかる地域もあります。

都市計画税の税率の上限は0.3%ですが、これよりも低い税率で課税している地域もあり、それぞれ異なります。都市計画税は以下のように、固定資産税と同じような計算式で求められます。

固定資産税評価額(課税標準額)×最高0.3%(制限税率)=都市計画税

都市計画税は、道路や公園整備などの都市計画事業、土地区画整理事業に必要な費用に充てる目的で徴収されるものです。

公共の都市計画において土地の利用、施設の整備、市街地などの開発と保全を図る必要があると判断された「市街化区域にある不動産」を所有している場合に徴収されます。

参照:東京主税局

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土地の維持管理に手間がかかる

放置されている土地には、不法侵入やゴミの不法投棄などがおこなわれるおそれがあります。

ゴミなどを土地に投棄した人を探すのは難しく、見つからない場合、そのゴミの処分は結果的に土地の所有者がおこなうことになり、その分の手間とコストがかかってしまいます

不法投棄などを防ぐためには、土地の維持管理を定期的におこなう必要があります。

雑草や木などが生い茂っている状態の土地は不法投棄がされやすいですし、草木がのびて近隣住民とのトラブルに発展するおそれもあります。

また、土地を売却することになった場合は更地にするだけではなく、売れる状態に整地しておいたほうがよい場合があります。

転圧作業などがおこなわれていない更地の土地を、後々整地する手間とコストをかけてまで購入する買主はなかなかいません。

基本的に家を建てて住むための土地を探している人が多いので、すぐに建物の建築ができないような土地は、よほどいい条件でないと売却は難しくなります。

土地が売れない5つの原因

不整地
購入希望者があらわれない「売れない土地」は、問題点を改善できるものもあれば、売り出し方法を変えるなどの対処が必要なものもあります。

これから紹介する売れない土地の5つの原因や特徴を知っておくと土地売買での失敗を防げるかもしれません。

1.土地の売り出し価格が高い

土地の売り出し価格が相場よりも大幅に高く設定されている場合、魅力や需要がない限り売れにくくなるので、値下げも視野に入れましょう。

相場を把握せず、不動産会社に査定してもらった金額を鵜呑みにしてはいけません。また、少しでも得をしたいという気持ちから、安易に高くしないようにしましょう。

売り出し価格が妥当な金額であれば問題はありませんが、査定額自体が高く設定されている場合もあります。

自社で契約してもらうために、査定額を大幅に高く提示する不動産仲介業者も存在するようですので注意が必要です。

適正な価格を知るために複数社で一括査定をしてもらうとよいでしょう。

他社と比べて査定額が大きく異なるような不動産会社とは契約をしないほうがよいかもしれません。

2.アクセスが不便な土地

「土地がある場所へ徒歩で移動するしかない」、「駅まで1時間以上歩く」、「バス停が遠い」など交通アクセスが悪い土地は、売れにくいといわれます。

土地を購入する理由が、住宅を建てるということであれば、当然その地域で生活をおくるということになります。通勤や通学、買い物に行くために苦労しなければならない場所に、わざわざ土地を買って住宅を建てようとは思いません。

その地域が好きだから少しくらいアクセスが不便でもよいと考える人もいるかもしれませんが、他の条件との兼ね合いもあるので、購入希望者は限られます。

立地の良さは土地売却において重要な要素のひとつといえるでしょう。

3.インフラ整備がされていない土地

田舎の土地にありがちですが、下水道や電気、ガス、インターネットなどのインフラが整備されていない土地は、生活に支障が出る可能性があるため売れにくいです。

また、インフラが整備されていない土地は、活用方法も限られるため、購入するメリットがあまり感じられないというのも売れない原因です。

4.整地されていない土地

建物を建てる上で必要となる整地作業がされていない状態で、放置されている土地の場合、買主側がコストを負担することになるので売れにくくなります。

売り出し価格にもよりますが、整地やその他、負担しなくてはいけないコストが大きくなれば、その分だけ購入意欲が削がれる可能性があります。

ただし、土地の価格や他の条件が開発コストの負担に見合うものであれば、購入してくれる人もいるでしょう。

5.地盤がもろくて弱い

住宅などの建物を建築するために土地を購入することが多いとは思いますが、しっかりとした建物を建築するためには、土地の地盤の強さは重要となります。

特に、地震などの災害が多い日本では地盤の強度を気にする人も多いです。

地盤沈下や液状化などが起こったことのある土地は安全性の面で敬遠されやすく、地盤が脆弱な場合には追加工事が必要となるため、地盤に少しでも問題がありそうな土地は売れにくい傾向となっています。

売れない土地を売却する3つのコツ

家 金
売れない土地をどうしても売却したい、手放したいと考える方はこれから紹介する3つの売却のコツをおさえておきましょう。

1.隣地所有者や近隣の方への売却を考える

土地を売ることが難しい場合、隣地所有者や近隣の方に購入してもらえないか打診してみるとよいでしょう。

隣地の方にとってのメリットは、売り出している土地を購入し現在所有している土地と合わせることで、土地自体の資産価値が上がる可能性もあることです。

また、将来的に多世帯になる予定の家庭であれば、子供や身内のために土地を活用することもできるでしょう。

今後、知らない人が近隣に来るのであれば、自分で買っておいて安心して暮らしたいと考える人もいるようですので、まずは隣地所有者や近隣の方に話をしてみるのもよいでしょう。

2.一般媒介契約で売却する

不動産仲介会社は、専任媒介契約などで1社に絞って契約するのもよいですが、複数の不動産仲介会社へ依頼することができる一般媒介契約で売却活動を進めると成約率が高くなる可能性があります。

複数社に売却依頼をすると、単純に買主を探すための手段が増えることはもちろん、物件情報が広く公開されることで、会社や業者間での販売競争が始まることもメリットとしてあげられます。

どの会社も自社で契約してもらうことを目標としているので、他社に負けないよう売却活動を積極的におこなってくれます。

一般媒介契約で複数社に依頼したとしても、最終的には買主が成約した1社となりますので、仲介手数料などを複数社に支払うということもありません。

ただし、あまりにも多数の会社や業者に依頼を出してしまうと、ライバルが多すぎて未成約となる確率も高くなるという理由で、やる気を出してくれない仲介会社もあります。

一般媒介契約での依頼は多くて3社くらいにとどめておくとよいかもしれません。

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3.損切りを考える

土地の売却価格において「価値が上がるかもしれないから値下げしない」、「この値段以下にしたら損してしまう」などの理由で価格をさげることができない人は、土地売却の考え方を変えてみるのもひとつです。

土地売却で利益を生みたい、せめて大損はしたくないというのは誰しもが考えることですが、土地を活用せずに放置しておくことで、どんどん損失が大きくなっているということが認識できていない場合があります。

毎年のように支払う固定資産税や都市計画税、土地の管理費などは、所有している期間の分だけかかります

それらを考えると、すぐに売却できる値段で手放してしまったほうがよい場合もあります。

損切りの例

例えば、現在1000万円の土地を所有して5年後に売れたとします。

5年間で支払った税金などの諸費用(損失)の合計が80万円だとすると、それらを差し引いた920万円が手元に入ったことになります。

であれば、現在の1000万円から920万円に値下げし、すぐに売却することができれば、手元に入るお金は同じ額ということに加えて「時間経過による資産価値の低下」、「売れない期間分の損失」など、今後起こりうるデメリットを払拭でき、「次の資産活用に使えるお金がすぐに手に入る」というメリットを生みます。

つまり、現段階で損失を最小限におさえるために見切りをつけ、次を見据えるための「損切り」をして、売れない土地に対処することも戦略のひとつといえます。

損切りは、売却したお金で新たな資産運用をはじめ、お金を増やすという選択も可能となります。また、売れない期間を無駄な時間と考えるのであれば早い段階での損切りは有効な手段といえるでしょう。

売れ残った土地の処分方法

空き家バンク
売れ残っている土地をどうしても手放したいという場合、いくつか紹介する土地の処分方法を参考にしてみるのもよいでしょう。

空き家バンクを活用する

「空き家バンク」は、空き家を利用したい人と、貸したい人や売却したい人をマッチングさせ、空き家の有効活用を促す自治体の制度です。もちろん空き家だけでなく、空き地なども扱っています。

空き家バンクは非営利で運営されているので、費用がかからずに土地売買などができます。

空き家バンクを利用するときの流れは、以下のようになります。

  1. 「空き家バンクに物件を登録」
  2. 「自治体の審査後にホームページに情報公開」
  3. 「利用希望者からの連絡」
  4. 「当事者同士で直接交渉と契約」

利用希望者と所有者のマッチング後、自治体は関与せずに、当事者間で契約のやりとりをおこないます。その際に不動産会社をはさむこともあります。

「不動産会社と媒介契約を結んでいること」を、空き家バンクの利用条件とする自治体もあります。

自治体や法人への寄付

どんな土地でも必要がなければ、国や自治体が引き取ってくれると思っている方は注意が必要です。

自治体などに土地を寄付するためには、まず担当窓口へ相談することが必要になります。

この後に自治体側で土地の調査をおこない、利用目的があれば引き取ってくれますが、利用価値がないと判断された場合は引き取ってくれないこともあります。

引き取りが可能となれば、自治体側で指定された「寄付申出書」や「登記簿謄本」などの必要書類を提出し、寄付するための手続きをおこないます。

お金を受け取ることはできませんが、税金がかかるためどうしても土地を手放したいという人は寄付の相談をしてみるとよいでしょう。

個人への贈与

どんなに売却活動をしても、購入希望者がみつからないときは「贈与」という選択肢もあります。

個人に対してタダで贈与することで、お金だけがかかる土地を手放すことができます。

贈与は必ず「個人」に対しておこなうことが重要です。

自治体や法人に対しておこなうと贈与ではなく「寄付」という形になってしまいます。

贈与で注意しなければならないのは、「贈与税」がかかるということです。

どのような関係であっても個人から個人へ財産が与えられた場合には、金額ごとに決められた税率で計算された税金を支払う必要があります。

年間110万円まで非課税となる暦年課税制度

贈与には暦年課税制度というものがあります。年間で110万円までなら非課税とする制度です。

非課税の枠内であれば、毎年のように税金がかからずに財産などを贈与できます。

この制度に則り、非課税の枠内で少しずつ贈与していくことを「暦年贈与」といいます。

贈与する相手ですが、まずは隣地所有者に話をしてみるとよいでしょう。

土地を活用する際のメリットが大きいことに加え、無料でもらえるとなれば、快く了承してくれるかもしれません。

年間で110万円までということですが、売れない土地でも価格をしっかりと調べてから贈与しましょう。
参照:国税庁

相続前なら「相続放棄」の処分方法もある

財産や不動産の相続をまだおこなっていない場合であれば、相続放棄をすることも土地処分の選択肢のひとつです。

ただし、相続放棄で注意しなくてはならないのは、「土地以外にも財産と呼べるものはすべて放棄しなくてはならない」、「相続人にあたる人は全員相続放棄をする必要がある」という点です。

まず、相続される財産をすべて放棄するということで、金銭などの財産を手放したくない場合は、財産所有者が生きているうちに少しずつでも贈与という形で財産を受け取っておくとよいでしょう。

少しずつ贈与するというのが節税対策のポイントで、前の項目でも説明したとおり、年間110万円までの贈与なら税金はかかりません。

早めに家族や親戚などと財産相続についての話し合いをしておくとよいでしょう。

全相続人が財産の相続放棄をする場合

相続人の全員が財産の相続放棄をするということですが、相続には優先順位があり基本的に故人の配偶者、子供、両親や祖父母、兄弟姉妹などが主な相続人にあたります。

配偶者と子供が相続放棄したのであれば「故人の両親や祖父母」に、さらに故人の両親や祖父母が相続放棄をすると「故人の兄弟姉妹」に相続権が発生していきます。

そのため、土地の処分を目標にするのであれば、トラブルにならないよう相続人にあたる人、全員で連携を取って相続放棄の手続きを進め、相続人が誰もいない土地にする必要があります。

相続人がいない土地は国が保有することになるので、実質、土地を処分したことになります。


参照:国税庁

まとめ

土地を売りたい、手放したいと思っても方法はさまざまで、どのような手段をとったらよいのか悩みますよね。売れない期間が続くとリスクだらけになってしまう恐れのある土地は放置せずに早めに売却か処分の方法を見つける必要があります。

自分の状況にあった方法を選ぶために、まず必要なことは「土地が売れない原因を探る」ことです。

冷静に売れない原因を探ることで、売るためのコツや戦略が見えてきますし、販売活動の方向性も定まりやすくなります。

どうしても土地が売れない場合は、最終的に処分の方法を考えることになります。利益は望めませんが、不必要な損失をおさえるためには必要な手段となります。

寄付や贈与をして活用してもらう、相続を放棄して国や自治体に引き取ってもらうなど、処分の方法もさまざまなので、自分にとって最善と思える方法を選択するとよいでしょう。

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