不動産売却を高くスムーズに!
空き家・訳あり不動産も対応

土地売却はどこに相談するべき?状況別の相談先や相談にかかる費用を解説

土地売却を考えている場合、「どのような手続きをすればいいのか」「どこに相談するべきか」といった悩みもあることでしょう。

結論からいえば、土地売却について相談したい場合、まずは不動産会社にするのが基本です。売りたい土地の査定や仲介など、土地売却においてさまざまなサポートを行なってもらえます。

ただし、相談内容によっては、不動産会社以外の専門家に土地売却について相談する必要もあります。

たとえば、土地売却による登記については司法書士、売却で発生する税金については税理士、測量や境界の確定であれば土地家屋調査士のように、相談内容に応じて相談するべき専門家は変わるのです。

当記事では、土地売却の状況に応じた相談先を10選紹介します。相談にかかる費用や依頼先の選び方も同時に解説していくので参考にしてみてください。

訳あり不動産の売却でお悩みなら
今すぐご連絡ください

イエコンで訳あり不動産に強い
買取業者を探す

土地売却の状況に応じた相談先一覧

土地売却の相談先は、状況に応じて変わります。土地売却の相談先を一覧でまとめましたので、自身の状況に応じた相談先を確認してみてください。

なお、相談先をタップ・クリックすることで、それぞれの詳しい解説を確認できます。

状況 相談先 費用相場
土地売却を検討しており、売却についての相談がしたい 不動産会社 仲介手数料として売却金額の3%〜5%
再建築不可や共有持分などの特殊な土地の売却に関して相談したい 専門の買取業者 基本的に費用はかからない
空き家が建っている土地売却の相談がしたい 空き家バンク 相談費用はかからない
土地の適正な売却価格に関する相談がしたい 不動産鑑定士 30分あたり5,000円程度が一般的
土地売却のための測量や境界確定の相談がしたい 土地家屋調査士 相談は無料でも依頼には30万円程度の費用がかかる
土地の税金や確定申告に関する相談がしたい 税理士 30分あたり5,000円程度が一般的
売却したい土地の登記に関する相談がしたい 司法書士 30分あたり5,000円程度が一般的
土地売却にかかわるトラブル全般の相談がしたい 弁護士 30分あたり5,000円程度が一般的
売却したい土地の住宅ローンに関する相談がしたい 利用している金融機関 相談費用はかからない
売却したい土地の税金控除についての相談がしたい 税務署 相談費用はかからない

土地の売却に関する相談なら「不動産会社」

不動産会社は、土地や建物といった不動産を売買・仲介・管理などを行う業者です。「土地を売却するか悩んでいる」「土地の買い手を探している」など、土地売却を検討している場合、基本的に不動産会社が相談先となります。

土地売却において不動産会社が行ってくれることの例には、下記が挙げられます。

  • 売りたい土地の査定
  • 土地売却における全般的な相談
  • 土地の仲介
  • 土地売却で発生する税金の相談
  • 土地の買取

不動産業者は土地売却にまつわる大半の業務を行っており、土地の売り方やトラブルの解決法を熟知しています。

親戚などに土地を直接売る「個人間売買」も含めて、基本的に土地売却時は必ず不動産業者へ相談するようにしましょう。

【不動産会社のメリット】土地の売却先を探して売買契約をサポートしてもらえる

土地売却を不動産会社に相談することで、売買契約をサポートしてもらえます。そのため、土地を仲介で売却したい場合には、不動産会社が主な相談先となります。

土地売却を不動産会社に相談した場合、主なサポート内容は下記のとおりです。

  • 土地を購入する買主を探してもらえる
  • 土地を売れやすくするためのアドバイスがもらえる
  • 土地売却時にかかる税金の金額を算出してもらえる
  • 土地売却時に必要な手続きや書類を教えてもらえる

不動産会社は仲介も行っており、土地売却を相談すれば買主を探してもらえるうえに、売買契約の成立までサポートも受けられます。

不動産業者によっては売却によって発生する税金計算をしてくれるので、本来なら税理士へ依頼するべき手続きを任せられるケースもあります。

【不動産会社の相談費用】相談自体は無料でも仲介手数料がかかるのが一般的

土地売却の相談を不動産会社にする場合、相談自体は無料で行ってもらえます。ただし、仲介を依頼して土地売却が成立した際には、不動産会社に仲介手数料を支払うのが一般的です。

仲介手数料とは、売買契約を成立させた仲介業者に対して、物件案内・買主との交渉、重要事項説明・契約締結などの対価として払う報酬のことです。仲介手数料は、法律で上限額が定められています。

土地の売却価格 仲介手数料
〜200万円の部分 売却金額の5%(税抜)
200万円〜400万円の部分 売却金額の4%(税抜)
400万円〜の部分 売却金額の3%(税抜)

たとえば、仲介で4,000万円の土地を売った場合、仲介手数料は次のように計算します。

【〜200万円の部分】
200万円×5%=10万円
【200万円〜400万円の部分】
200万円×4%=8万円
【400万円〜の部分】
3,600万円×3%=108万円
【合計】
10万円+8万円+108万円=126万円(税抜き)

基本的には、上限額いっぱいの仲介手数料を請求する業者が多いので「上限額=費用相場」と考えておきましょう。

【相談する不動産会社の探し方】複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめ

不動産会社には、それぞれ得意としている物件種類やエリアがあります。売却したい土地の種類やエリアが合致した不動産会社に仲介を依頼すれば、他社よりも早く高値で売却できることに期待できます。

そのため、実際に売却の相談をする業者を選ぶ際には、複数の不動産会社を比較することが大切です。

たとえば、土地の売却金額の目安は不動産会社が行う査定で判断できますが、その査定額は不動産会社によって変わります。複数の不動産会社に査定を依頼することで、最も査定額が高い業者を見つけることが可能です。

査定のみであれば無料で行ってもらえるのが一般的であるため、仲介での土地売却を検討している場合、複数の不動産会社に依頼することを検討してみてください。

不動産会社に相談してから土地売却が完了するまでの流れ

不動産会社に土地売却の相談をしてから仲介で売却が完了するまでの流れは、おおまかに以下のとおりです。

  1. 不動産仲介会社に土地売却の相談をする
  2. 土地の測量をする
  3. 査定をもとに売り出し価格を決定する
  4. 広告宣伝を行う
  5. 内見対応・売買契約を締結する
  6. 決済・土地を引き渡す

不動産会社に仲介を依頼してから売却が完了するまでの期間は、一般的に3か月〜6か月程度といわれています。実務はほぼ不動産会社に任せられますが、価格設定や誰と売買契約を結ぶかなど、最終的な決定はすべて売主が行います。

わからないことがあれば不動産会社の担当者に都度相談ができるため、不明点があれば相談をしながら土地の売却活動を行うとよいでしょう。

【不動産会社に相談する注意点】信頼できる不動産会社を探す

残念ながら、不動産会社の中には販売力の低い業者や、対応が親身ではない業者、自社の利益しか考えない悪徳業者なども潜んでいる可能性は否定できません。優良業者を見つけるためには、売主側も注意が必要です。

信頼できる不動産会社を見極めるポイントとして、次の4つを解説します。

  • 適正な査定価格を提示してくれたか
  • 土地売却の実績が豊富か
  • 売却活動の方針や見通しに具体的な提案があるか
  • 信頼できる担当者であるのか

①適正な査定価格を提示してくれたか

信頼できる不動産会社を見極めるためには、適正な査定価格を提示しているかが判断材料の一つになります。

適正な査定価格であるかを判断するには、複数の不動産会社の見解を聞くのが良いでしょう。さまざまな会社の査定額を比較することで、相場より低い価格でしか売れない業者や、不自然に高すぎる価格を提示する業者の排除ができます。

②土地売却の実績が豊富か

対象地域での売却実績が豊富であれば、信頼できる不動産会社と言えます。実績が豊富にあれば、過去の売却事例やノウハウをもとに土地売却の仲介を行ってもらえます。

周辺市場の流れを掴んでいることから、高値でスピーディーな売却が期待できるでしょう。

③売却活動の方針や見通しに具体的な提案があるか

信頼できる不動産会社は、売却活動前に具体的な方針や見通しを提示してくれます。

たとえば、売却に必要な期間の見込みや、問い合わせ取得予定件数など、過去の実績からある程度の予測が可能です。周辺での売却実績が豊富にあれば具体的な提案となり、売主は売却スケジュールを予めイメージしやすくなります。

④信頼できる担当者であるのか

不動産会社だけでなく、担当者単位で信頼できるかも重要なポイントです。

信頼できる担当者かを見極めるには、対面で話しをするのが最も効果的な方法です。査定に関する見解や現在の市場動向、売却までの流れや税金関係など、さまざまな質問を通して適切に答えてもらえるかチェックしましょう。

担当者が信頼に値しないと思ったら、担当者替えを希望するか、不動産会社ごと変えてしまうことも検討してみましょう。

再建築不可や共有持分などの特殊な土地の売却相談なら「専門の買取業者」

売却したい土地によっては、仲介では買い手が現れづらい特殊な土地のケースもあることでしょう。たとえば、建物を新たに建てられない「再建築不可物件」、ほかの人と共有している不動産のうち自分の持分である「共有持分」などが挙げられます。

このような特殊な土地の売却を検討しているのであれば、専門の買取業者に相談することを検討してみてください。買取業者のなかには、特殊な土地の買取を専門としている業者があるためです。

買取業者に相談できる内容としては、下記が挙げられます。

  • 売りたい土地の査定
  • 土地買取における全般的な相談
  • 土地の買取
  • 土地売却で発生する税金の相談

買取業者は買取に特化しているため、基本的には仲介業務を行っていません。依頼した業者自体が買い手になり売却活動が不要なため、仲介よりも早く土地を売却できるのが一般的です。

あくまで目安ですが、買取業者であれば数日〜1か月程度で土地売却できるのが一般的です。

【専門の買取業者のメリット】仲介で売れないような土地の買取も期待できる

専門の買取業者に相談するメリットには、仲介で売れないような土地の買取も期待できることが挙げられます。

仲介で土地を売却するには、不動産会社が行う売却活動によって買い手を探す必要があります。買い手が現れなければ売却はできないため、需要が低いような土地の場合は仲介で売却できない可能性があります。

一方、買取業者であれば仲介のような売却活動は不要です。その業者の経験やノウハウから需要が低い特殊な土地であっても買取に期待できます。

「所有している土地が仲介で売れると思えない」「仲介では売却できなかった」といった場合には、専門の買取業者に相談することを検討してみてください。

【専門の買取業者の相談費用】売却において費用は基本的にかからない

専門の買取業者に相談する場合、基本的に費用はかかりません。

また、仲介で売却するときのように仲介手数料がかかることもないため、土地売却においての費用を抑えたい場合にも買取業者の利用は向いています。

【相談する買取業者の探し方】売りたい土地の買取を得意としている業者を選ぶ

買取業者によって、買取を得意としている土地の種類が違います。たとえば、再建築不可物件や共有持分、事故物件の土地などは、訳あり物件を得意とする専門業者に相談するのが得策です。

そのため、まずは「〇〇(売却したい土地の種類) 買取業者」のようにインターネットで検索をして、買取業者を探してみるのがよいでしょう。

なお、買取業者の売却金額は、その業者による査定によって決定されます。査定の基準などは業者によって異なると考えられるため、複数の買取業者に査定を依頼することで査定結果にばらつきが出ると予測されます。

最も高い査定額の業者に依頼すれば高い価格で土地売却できるため、買取業者に土地を買い取ってもらう場合には、複数の業者に査定を依頼するとよいでしょう。

買取業者に相談してから土地売却が完了するまでの流れ

専門の買取業者に相談してから土地売却が完了するまでは、大まかに下記のような流れとなります。

  1. 依頼する買取業者を探す
  2. 買取に関して不明点などを業者に相談する
  3. 売却に必要な書類を用意する
  4. 売買契約・引き渡しを行う

基本的には依頼したい買取業者を見つけて、その業者と売買契約を結べば土地売却が完了します。売却の際には、「登記済権利書」「土地測量図」といった書類が必要なため、どのような書類が必要なのかも買取業者に相談しておくとよいでしょう。

空き家が建っている土地売却に関する相談は「空き家バンク」

売却したい土地に空き家が建っている場合、自治体が運営する空き家バンクに相談してみるとよいでしょう。

空き家バンクとは、自治体内の空き家情報や空き地の情報を閲覧できるサイトのことです。空き家の売買・譲渡が可能で、空き家バンクを経由して買い手が現れれば、空き家を含めて土地を売却できます。

空き家バンクに登録するとホームページに物件がアップされ、購入希望者が現れた際には自治体が指定する不動産会社が引き渡しまでのサポートをしてもらえます。

ただし、空き家バンクでは集客や宣伝に関する活動は一切ありません。さらに、内見時の担当者の立ち合いはなく、すべて買い手と売り手で行う必要があります。

また、空き家バンク自体を導入しているかどうかが自治体によるので、まずは役所に問い合わせてみましょう。

【空き家バンクのメリット】売却が難しい空き家も手放せる可能性がある

空き家バンクを利用するメリットには、売却が難しい空き家も手放せる可能性があることが挙げられます。

立地や築年数、老朽化の進み具合などによっては仲介での売却が難しい空き家もあります。空き家バンクであれば、空き家の情報を掲載しておくだけで購入希望者が現れる可能性もあるため、「仲介では空き家を売却できなかった」という場合には利用を検討してみるのもよいでしょう。

空き家バンクで土地を手放すまでの流れ

空き家バンクで土地を手放すまでは、大まかに下記のような流れとなります。

  1. 空き家がある自治体の窓口で登録手続きをする
  2. 空き家の情報が空き家バンクに掲載され、ホームページなどで確認できるようになる
  3. 購入希望者が現れれば不動産会社を通して協議を行う
  4. 必要であれば内見を行い、問題がなければ売買契約を結ぶ
  5. 空き家の引き渡しを行う

空き家バンクを利用するには、まず自治体の窓口にて登録手続きが必要です。所有している空き家などによって書類提出が必要ですが、いずれの場合でも申請書が必要になります。

申請書は所有する空き家がある自治体の担当部署で用意してもらえるため、空き家バンクを利用する場合、まずは自治体に出向いてみるとよいでしょう。

土地の適正な売却価格に関する相談は「不動産鑑定士」

土地の適正な売却価格を知りたい場合、不動産鑑定士に相談することを検討してみてください。

不動産鑑定士とは、名前の通り土地などの不動産の適正な価値を算出する専門家のことです。不動産鑑定士に相談するべきケースには下記が挙げられます。

  • 裁判のために土地の資産価値を調べたい場合
  • 個人間売買において、土地の資産価値を証明したい場合
  • 相続や生前贈与、離婚による財産分与で土地を分配する場合

不動産鑑定士に依頼することで、所有する土地の適正価格を鑑定してもらえます。不動産会社などの査定とは異なり、法的根拠に基づいて価値を算出してもらえるため、「土地の価値を正確に知っておきたい」という場合には不動産鑑定士に相談してみるとよいでしょう。

【不動産鑑定士のメリット】不動産鑑定評価書を作成してもらえる

不動産鑑定士に依頼するメリットには、不動産鑑定評価書を作成してもらえることが挙げられます。

不動産鑑定評価書とは、不動産鑑定士が不動産の価値を調べて、鑑定評価額・不動産の詳細・評価額を決めた理由などを記した書類のことです。不動産鑑定評価書は法的効力をもつ書類として利用できます。

不動産会社の査定額はあくまで実際の土地売却における価格の目安にすぎません。不動産鑑定評価書を作成してもらうことで、裁判などで土地の資産価値を証明できる証拠として利用できます。

不動産鑑定士に相談してから不動産鑑定評価書を受け取れるまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 依頼者が不動産鑑定士へ鑑定を依頼する
  2. 不動産鑑定士が区役所などで資料の収集を行う
  3. 不動産鑑定士が現地で実地調査を行う
  4. 不動産鑑定士から不動産鑑定評価書が交付される

場合にもよりますが、不動産鑑定評価書が交付されるまでは2週間程度の期間がかかるのが一般的です。不動産鑑定評価書が必要な場合、期間に余裕を持って不動産鑑定士に相談するようにしましょう。

【不動産鑑定士の相談費用】30分あたり5,000円程度が一般的

不動産鑑定士に相談する場合、基本的には相談費用がかかります。鑑定事務所にもよりますが、30分あたり5,000円程度が不動産鑑定士の相談費用の目安です。

また、不動産業者による査定は無料ですが、不動産鑑定士の場合は鑑定費用が必要です。鑑定費用は依頼する不動産鑑定士によりますが、基本的に不動産評価額が高いほど鑑定費用も高くなります。

あくまで目安ですが、不動産評価額に応じた鑑定費用の相場は以下のとおりです。



不動産評価額 鑑定費用
〜1,000万円 約20万円
1,000万円~5,000万円 約25万~30万円
5,000万円~1億円 約30万~40万円

参考:「基本鑑定報酬額表」(よつば鑑定)

ちなみに、法的効力をもたない「簡易鑑定」の場合、上述した鑑定費用より約20%〜30%ほど安くなります。

とはいえ、鑑定費用を最低20万円程度に設定している不動産鑑定士が多いようです。相場として、不動産鑑定士の依頼費用は30万円前後と覚えておくとよいでしょう。

【相談する不動産鑑定士の探し方】複数の鑑定士に費用を見積もってもらい比較検討しておく

不動産鑑定士の相談費用や鑑定料は、事務所や鑑定士によって変わります。可能な限り土地鑑定にかかる費用を抑えたい場合、複数の不動産鑑定士に費用を見積もってもらいましょう。

不動産鑑定にかかる費用は、基本的に鑑定事務所の公式サイトから確認できます。また、不動産鑑定にかかる費用の見積もりのみであれば、無料で対応してもらえるのが一般的です。

相談する不動産鑑定士を探す際には、まず複数の鑑定事務所の公式サイトを見たうえで、各事務所に見積もりを依頼してみるとよいでしょう。

土地売却のための測量や境界確定の相談は「土地家屋調査士」

土地売却の際には、事前に測量や隣地との境界の確定が必要なケースがあります。その場合には、土地家屋調査士に相談してみるとよいでしょう。

土地家屋調査士とは、土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査・測量して、図面作成や不動産に関する登記を行う専門家のことです。土地家屋調査士への相談が向いているケースには、下記が挙げられます。

  • 土地の売却時、隣地との境界を確定する必要がある場合
  • 境界杭が古くなり、境界にズレが生じている場合
  • 手持ちの図面が古いため、あらためて土地を測量したい場合

土地家屋調査士に依頼すると、土地の面積・境界などの物理的な状況を調べたうえで「測量図」を作成してもらえます。土地売却の際には測量図の提出が必要なケースが多いため、この場合には土地家屋調査士に測量を依頼するのが得策です。

また、土地家屋調査士に相談することで、隣地との境界を調査してもらえます。

土地の売主には原則境界を明示する義務があるため、境界が確定していない場合は売却が難しくなります。そもそも売却に必要な事項でもあるため、境界が確定していない土地を売却するのであれば土地家屋調査士に相談するようにしましょう。

【土地家屋調査士のメリット】隣地所有者とのトラブルを予防できる

当然ですが、売却できる土地は自身が所有している部分のみです。仮に隣地との境界が確定していないにもかかわらず土地を売却した場合、隣地の一部を勝手に売却してしまう可能性もあります。

極端な例ではありますが、境界を確定させずに土地売却をするとこのように隣地所有者とのトラブルが起きるリスクがあるのです。

そこで、事前に土地家屋調査士に相談しておくことで、自身が所有する土地の測量だけでなく隣地との境界を確定させられます。境界の不確定は土地売却においてトラブルになりやすいですが、隣地所有者とのトラブルを予防できるのも土地家屋調査士に相談するメリットです。

【土地家屋調査士の相談費用】基本的に相談は無料でも依頼には30万円ほどかかる

土地家屋調査士に相談するだけであれば、基本的に費用はかかりません。実際に土地家屋調査士に依頼した場合に費用が発生し、その費用は土地の面積や調査内容によって変動します。

それぞれの調査内容における費用相場は、以下のとおりです。



種類 費用相場
資料調査 約3万円
事前現地調査 約3万円
現況測量 約10万円
境界測量 約4万円
境界立会い 約1万円(1ヵ所)
確定測量 約5万円

土地売却に必要な確定測量まで依頼すると、目安として約30万円はかかるケースが多いです。加えて、土地の面積が広い場合や境界の確定が必要な場合は他にも調査が必要なため、さらに依頼費用が高くなってしまうのが一般的です。

【相談する土地家屋調査士の探し方】日本土地家屋調査士会連合会のホームページを活用する

相談する土地家屋調査士を探す際には、日本土地家屋調査士会連合会のホームページを活用するとよいでしょう。

日本土地家屋調査士会連合会のホームページでは、土地家屋調査士を検索することが可能です。氏名まで絞り込むこともできますが、事務所所在地などを指定して検索できるため、最寄りの事務所を探せます。

最寄りの土地家屋調査士を探す場合、日本土地家屋調査士会連合会の「土地家屋調査士に相談する」を活用してみてください。

土地の税金や確定申告に関する相談は「税理士」

土地を売却すると、印紙税・住民税・譲渡所得税などの税金が発生するケースがあります。そして、譲渡所得税が発生した場合は確定申告が必要です。

土地売却で発生する税金や確定申告についてわからないことがある場合、税理士に相談するとよいでしょう。税理士に相談できる内容には、下記が挙げられます。

  • 土地売却で発生する譲渡所得税の算出
  • 確定申告が必要かどうかの相談
  • 確定申告の手続き全般についての相談
  • 土地売却を含めた節税対策

税理士に相談すれば、土地売却での利益や、必要となる税金の種類・金額を算出してもらえます。また、個人では難しい確定申告も、税理士のアドバイスを受けながら手続きすれば、スムーズに確定申告を終えられます。

【税理士のメリット】土地売却時にかかる譲渡所得税などを計算や確定申告の代行をしてもらえる

土地売却時に税理士へ相談することには、下記のようなメリットがあります。

  • 土地売却時にかかる税金の金額を算出してもらえる
  • 土地売却時の確定申告を代行してもらえる

土地のような不動産を売却する場合、譲渡所得税が発生するケースがあり、金額を算出するには複雑な計算が必要です。専門的な知識も必要なため、自分で計算すると計算ミスも起こりやすいため、基本的にはおすすめできません。

また、譲渡所得税が発生した場合は原則確定申告が必要となり、初めて手続きする人にとってはわからないことも多々あるでしょう。

税理士に相談することで、土地売却で発生する税金を算出して貰えるうえに、確定申告を代行してもらうことも可能です。その際には下記のような書類の提出が必要になるため、スムーズに手続きできるように事前に用意しておくとよいでしょう。

  • 土地の登記簿謄本
  • 土地売却の売買契約書
  • 土地取得時の仲介手数料などの領収証
  • 土地取得にかかった費用の領収証
  • 土地売却時の仲介手数料などの領収証
  • 土地の全部事項証明書
  • 売却後の土地の全部事項証明書

【税理士の相談費用】30分あたり5,000円程度が一般的

税理士に相談する場合、基本的には相談費用がかかります。事務所にもよりますが、30分で5,000円程度、1時間であれば1万円程度が税理士の相談費用の目安です。

また、税理士に土地売却における確定申告を依頼する場合には別途費用がかかります。土地売却時の確定申告における税理士への依頼費用は、土地の売却益に比例するのが一般的です。

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、それぞれの税理士への依頼費用は以下が目安となります。



種類 費用相場
青色申告 約5万円〜15万円(簡単なもの)
約10万円〜25万円(複雑なもの)
白色申告 約5万円(簡単なもの)
約10万円(複雑なもの)

たとえば、土地売却による利益が1,000万円〜3,000万円の場合、税理士への依頼費用は平均15万円程度が相場になります。

税理士への相談時には、依頼した場合にどの程度の費用がかかるのかを教えてもらえます。土地売却による確定申告を税理士に依頼する場合、相談時に費用についても尋ねておくとよいでしょう。

【税理士の探し方】土地売却を得意とする事務所を探す

税理士や事務所によって、得意としている分野が変わります。土地などの不動産売却を得意としている税理士に依頼することで、税金計算や確定申告などをスムーズに対応してもらえると考えられます。

また、税理士によって相談や依頼の費用も変わるため、まずは土地売却を得意としている税理士を複数リストアップしたうえで、かかる費用を比較検討して依頼先を決めるのも一つの手です。

売却したい土地の登記に関する相談は「司法書士」

土地売却をする場合、所有権移転登記などの登記が必要になります。「どんな登記が必要なのか」「どのような手続きをすればよいのか」といった疑問がある人もいることでしょう。

土地売却で必要となる登記手続きを専門家に任せたい場合は、司法書士へ相談してみてください。

  • 売却する土地の所有権移転のための登記に関する相談
  • 住宅ローンが残っている土地の売却で抵当権抹消するための登記相談
  • 売却する土地の住所変更登記の相談

土地売却の場合、その土地の売主から買主に所有権を移転するために所有権移転登記が必須です。また、売却する土地に住宅ローンが残っている場合、抵当権を抹消するための登記も必要です。

抵当権とは、住宅ローンなどで購入した不動産を債権者が担保にできる権利のことです。抵当権が残っている場合はその不動産を自由に売却できないため、土地売却をするには事前に抵当権を抹消しなければなりません。

司法書士に依頼すれば、所有権移転登記や抵当権を抹消するための登記も代行してもらえます。また、そもそもどのような登記が必要なのかも相談できるため、売却したい土地の登記についてわからないことがあれば、司法書士に相談するのがよいでしょう。

【司法書士のメリット】所有権移転登記などの土地売却時の登記手続きを代行してもらえる

司法書士に相談するメリットには、土地売却時に必要となる所有権移転登記などの登記を代行してもらえることが挙げられます。

種類
説明

所有権移転登記
土地の所有権を売主から買主へ移す

抵当権抹消登記
土地に設定されている抵当権を外す

たとえば、自分で所有権移転登記を行う場合、登記申請書を作成して法務局に提出しなければなりません。一方、司法書士に依頼した場合には、指示された必要書類を提出するだけで、登記手続きをすべて代行してもらえます。

なお、司法書士へ依頼する場合、以下の必要書類を用意しておくとスムーズに手続きできるでしょう。

  • 運転免許証やマイナンバーカード
  • 印鑑証明書および実印
  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 土地の固定資産評価証明書
  • 住民票の写し
  • 土地の売買契約書

【司法書士の相談費用】30分あたり5,000円程度が一般的

司法書士に相談する場合、時間に応じて相談費用がかかるのが一般的です。事務所にもよりますが、30分で5,000円程度、1時間であれば1万円程度が司法書士の相談費用の目安と言われています。

また、実際に司法書士に依頼する場合には、依頼内容に応じた費用もかかりますが、土地売却時における司法書士への依頼費用に具体的な相場はありません。報酬金額は司法書士が自由に決定できるので、依頼費用は土地売却のケースごとに異なるからです。

とはいえ、依頼する登記の種類によって、ある程度の費用相場は決まっています。



種類 費用相場
所有権移転登記 4万円〜6万円程度
抵当権抹消登記 1万円〜3万円程度

土地売却時の司法書士への依頼費用は、平均すると約3万円前後が相場になります。

ちなみに、日本司法書士会連合会のサイトでは、都道府県ごとの平均報酬金額が掲載されています。司法書士の依頼費用の目安を知りたい場合には参考にしてみてください。

【司法書士の探し方】日本司法書士会連合会のホームページを活用する

司法書士を探す際には、日本司法書士会連合会のホームページを活用するのもよいでしょう。

日本司法書士会連合会のホームページでは、司法書士と事務所の検索が可能です。氏名・事務所の住所などを指定して検索することで、条件に合った検索結果を一覧で確認できます。

依頼する司法書士を探す場合、日本司法書士会連合会の「司法書士検索」を活用してみてください。

土地売却にかかわるトラブル全般の相談は「弁護士」

「共有名義の土地の売却に関して話し合いでは解決できない」のように、土地売却ではトラブルが起きる場合もあります。土地売却にかかわるトラブルが起きている場合、弁護士に相談することを検討してみてください。

弁護士へ相談するべきケースとしては、下記が挙げられます。

  • 売りたい土地の境界について、隣地所有者と対立している
  • 売りたい土地の名義を巡って、他共有者と揉めている
  • 売却した土地で土壌汚染などが発覚して、買主と揉めている

法律トラブルを抱えた土地を売却すると、第三者から損害賠償請求などを受けるおそれもあります。そのため、土地売却でトラブルが起きている場合、事前に弁護士トラブルを解決してから、安全に売却することをおすすめします。

【弁護士のメリット】土地売却でのトラブルが起きた際の代理人になってもらえる

弁護士に相談するメリットには、土地売却でのトラブルが起きた際に代理人としてサポートをしてもらえることが挙げられます。相手との仲介に入ってもらえるため、当事者だけでは解決しそうにない問題でも解決につながります。

また、当事者だけで話し合いを進めると、相手との関係性が悪化するおそれもあります。弁護士に依頼すれば代理人として交渉してくれるため、これ以上の関係性の悪化を防げる可能性があるのもメリットの一つです。

【弁護士の相談費用】30分あたり5,000円程度が一般的

弁護士に相談する場合、司法書士と同様に時間に応じて相談費用がかかるのが一般的です。事務所にもよりますが、30分で5,000円程度、1時間であれば1万円程度が弁護士の相談費用の目安です。

また、実際に弁護士へ依頼する場合、他にも下記のような費用もかかります。



種類 説明 費用相場
着手金 弁護士への依頼時に支払う費用 訴額の約2%~8%
(最低10万円程度)
報酬金 トラブル解決時に支払う費用 訴額の約4%~16%
(最低20万円程度)
手数料 書類作成などの依頼時に支払う費用 5万円~20万円

依頼費用の金額は弁護士事務所によって異なりますが、相場として約30万円以上はかかるといわれています。法律相談は事務所に出向いて、弁護士と面談する方法が一般的ですが、近年メールや電話で相談できる弁護士も増えています。

また、相談料について初回無料としている弁護士も多いので、まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。

【弁護士の探し方】相談したい内容を得意とする事務所を選ぶ

弁護士によって、得意としている分野があります。そのため、相談したい内容を得意としている法律事務所や弁護士を選ぶのが得策です。

なお、弁護士への依頼で発生する費用は、事務所や弁護士によって異なります。基本的に初回相談であれば無料であるため、まずは無料相談を活用して複数の弁護士事務所の費用を比較検討してみるのもおすすめです。

売却したい土地の住宅ローンに関する相談は「利用している金融機関」

売却したい土地に住宅ローンが残っている場合、利用している金融機関も相談先となります。

住宅ローンが残っている土地には、債権者となる金融機関から抵当権が設定されているのが一般的です。抵当権が設定されているままでは土地の売却が認められないため、「任意売却」という形で売却することを認めてもらうための了承を金融機関から得る必要があるのです。

任意売却とは、住宅ローンが残っている不動産を、債権者の承諾を得たうえで売却する方法のことです。任意売却することの了承が得られれば、抵当権が設定されている土地であっても売却が可能になります。

つまり、住宅ローンの残っている土地を売却したい場合には、事前に金融機関に連絡をして了承を得なければならないということです。

連絡方法は金融機関によって異なりますが、契約者専用の問い合わせ窓口に電話をすれば担当窓口への連絡方法を教えてもらえるのが一般的です。住宅ローンの残っている土地を売却する場合、まずは契約者専用の窓口に問い合わせてみてください。

売却したい土地の税金控除についての相談は「税務署」

土地の売却で税金が発生した場合、特例控除が適用されるケースがあります。特例控除が適用されれば土地売却による税金負担を軽減できるため、活用できる控除制度があるのかを確かめておくことも大切です。

売却したい土地の税金控除があるのかを確かめる場合、税務署に相談するのが得策です。税務署に相談することで、自身の状況で適用される控除制度を教えてもらえます。

相談先は売却する土地があるエリアを管轄する税務署となります。国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」では、税務署を一覧で確認できるため、住所や電話番号を調べる際には活用してみてください。

まとめ

土地の売却については、まず不動産会社に相談するのがおすすめです。不動産会社に相談すれば、土地を売却するための査定や仲介、売却に必要な手続きのサポートなど幅広く対応してもらえます。

そのうえで、土地売却において相談したいことが他にもある場合、その道の専門家に依頼するのが得策です。正確に土地の価値を調べたい場合は不動産鑑定士、仲介で売れないような土地を売却したい場合は専門の買取業者のように、相談内容に応じて依頼先を選ぶとよいでしょう。

土地売却時の相談先について関するよくある質問

土地売却に関してわからないことばかりです。どこに相談すればいいでしょうか?

わからないことが多い場合も、まずは不動産会社に相談するのがよいでしょう。相談だけであれば無料で対応してもらえるのが一般的であるため、不明点を担当者に相談してみてください。

土地売却の相談にかかる費用は、どの程度ですか?

基本はケースバイケースですが、不動産業者の仲介手数料は上限が決められています。また不動産鑑定士と土地家屋調査士の依頼費用は30万円程度、税理士の依頼費用は15万円程度、司法書士の依頼費用は3万円程度、弁護士の依頼費用は約30万円以上といわれています。

それぞれの専門家には、どのような悩みを相談するべきですか?

土地などを売却する場合、まずは「不動産業者」へ相談しましょう。また、適正価格を知りたい場合は「不動産鑑定士」へ、測量が必要な場合は「土地家屋調査士」に相談します。税金や確定申告がわからない場合は「税理士」へ、登記を任せたい場合は「司法書士」にも相談できます。もしトラブルが発生した場合は「弁護士」に相談するとよいでしょう。

土地売却について、無料で相談できる専門家はいますか?

どの専門家も、査定や初回相談は無料で対応していることがほとんです。不安であれば、費用について相談前に確認しておきましょう。

訳あり不動産の売却でお悩みなら
今すぐご連絡ください

イエコンで訳あり不動産に強い
買取業者を探す

土地売却に関するコラムはこちら

訳あり不動産に強い買取業者を探す

掲載業者
543
更新日 : 2024年05月23日
買取業者を探す
不動産売却のお悩みなら
今すぐご連絡ください