共有持分とは「共有不動産における所有者ごとの権利割合」
「共有持分」とは、1つの不動産を複数人で共同所有している「共有不動産」における、各共有者がもつ権利のことで、所有権の割合ともいえます。
不動産の名義は単独名義になる印象が強いですが、購入にあたって誰かと一緒に出資した場合などは複数人の共有名義になるケースも存在します。
共有持分の持分割合は基本的に出資した金額に比例する仕組みで、出資額が多いほど持分割合も大きくなります。
共有持分の売却に、他の共有者の許可は不要
共有不動産で自分にも共有持分がある場合、他共有者の同意がなくても自分がもつ持分割合のみを自由に売却できます。
例えば、夫婦で共同購入した土地とマイホームにそれぞれ妻と夫に持分があり、持分割合が妻1/3・夫2/3だとする場合、妻が所有する1/3の持分は夫の許可がなくても単独で売却できます。
ただし、自由に売却できるのは自分の共有持分のみで、共有不動産のすべてを売りたい場合は共有者全員の承諾が必要になります。
例えば、夫婦で購入した土地とマイホームにそれぞれ妻と夫に持分があり、持分割合が妻1/3・夫2/3だとする場合、共有不動産である土地やマイホーム自体を売却するには夫婦双方の同意が必要になります。
ただし、共有持分を単体で売却しても使い道が少なく、一般の不動産市場では買主が見つかりにくいため、共有持分の専門買取業者に売却するのが一般的です。
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共有持分の売却相場は「市場価格よりも安め」が基本
共有持分の特性上、売却時に他共有者からの妨害や抗弁を受けやすいため、通常の不動産よりも買い手側のリスクが大きいです。
また、共有持分のみでは不動産の処分や利用、売却などにおいてさまざまな制限もあります。
こういった理由から、共有持分は不動産全体を売る場合と比べて面積あたりの単価が低くなりやすいのが一般的です。
加えて、一般のお客さんは共有持分のみを欲しがることはほぼないため、主に不動産業者が買い手となります。
不動産業者が買い手になる場合、買取にかかるコストや前述したリスクを加味した値付けをするので、結果的に共有持分は市場価格よりも安くなりやすいです。
共有持分の売却相場については、下記の点を踏まえておくと良いでしょう。
- 「共有不動産全体の買取価格×持分割合」が買取価格というわけではない
- 「市場価格×持分割合×1/2か1/3」という目安も一説にはある
- 取引条件次第では「不動産全体の市場価格×持分割合」で売れる
- 売却先によっても共有持分の売却価格相場は変わる
それぞれ詳しく解説していきます。
「共有不動産全体の買取価格×持分割合」が買取価格というわけではない
共有持分の買取価格は「共有不動産全体の買取価格×持分割合」の金額よりも安くなる傾向にあります。
例えば、買取価格3,000万円の共有不動産における持分割合1/3を売る場合、買取価格は1,000万円よりも安くなるケースが多いです。
なぜなら、共有持分のみを買取しても、共有不動産自体を売却できるわけではないので、共有持分は単体だと利益が少ないからです。
あなたの共有持分を買取した後、買取業者は他共有者を説得したり持分を買取して、共有不動産を売却して利益化しますが、その際にかかるコストが買取価格から差し引かれます。
そのため、共有持分は「利益が出ない」という理由から、一般の不動産会社では安価で買い叩かれたり、買取を断られてしまうケースも珍しくありません。
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「市場価格×持分割合×1/2か1/3」という目安も一説にはある
共有持分の価格相場は「市場価格×持分割合×1/2か1/3」で算出できるとも一説ではいわれています。
しかし実際には、上記のような単純な計算式で共有持分の価格が算定されることはありません。
1/2や1/3という数字はあくまで「半額かそれ以下にまで安くなってしまう」という事例から大まかに導かれる目安でしかなく、この数字自体に明確なエビデンスはないので注意が必要です。
共有持分は物件自体の価値、共有者の数、物件を取り巻く状況、売却先の資金力や実績など個別的要因が価格に大きく影響するため、共有持分は売却価格の相場というものが実質ないようなものといえます
共有持分割合の決まり方
共有持分は共有者ごとに所有権の割合が設定され、その割合に準じて資産としての価値が決められます。
価値が決められるといっても明確にいくらという価格が決まる訳ではなく、持分割合が多いほど所有権の割合が多くなるため売却時の価格が高まるということです。
共有持分における持分割合の基本的な決まり方は以下2通りです。
- 物件購入時の負担額に応じて決まる
- 法定相続分によって決まる
共有持分の割合の決まり方について詳しく解説された以下の記事も参考にしてみてください。
取引条件次第では「不動産全体の市場価格×持分割合」で売れる
前の項目では共有持分の価格は安くなりがちと説明しましたが、条件次第では「市場価格×持分割合」に近い価格で売れることもあります。
例えば、共有者間で争いなどがなく持分売却がスムーズにできるケースでは余計な減額がされず持分割合に沿った金額での取引になることもあります。
また、物件自体の条件が良く、共有持分がどうしても欲しいという共有者や業者が相手ならば、ある程度高い値段を提示して売却することもできます。
ただし事前に、不動産自体の価値を調べておく必要はあります。
売却先によっても共有持分の売却価格相場は変わる
共有持分は売却先によっても売却価格相場が違います。
まず、主に売却先は「専門買取業者」「自分以外の共有者」「第三者の一般人」の3つとなりますが、第三者の一般人に関しては基本的に売れないので選択肢から外してもよいでしょう。
売却先 |
特徴 |
専門買取業者 |
市場価格と持分割合を元に条件・物件状況等によって価格が決まります。買取コストが高い場合は「市場価格×持分割合」の価格よりも安くなる可能性があります。 |
自分以外の共有者 |
交渉次第で高めの価格設定でも売れることもありますが、共有者間の関係性に大きく依存します。 |
第三者の一般人 |
共有持分の売却は難しいといえます。売れたとしても市場価格よりかなり安い価格になる可能性があります。 |
共有持分を売るのであれば、専門買取業者への売却が最適です。
共有者へ売る場合は高く売れる可能性もありますが、そもそも共有持分を売るという決断をする理由が「共有関係から抜けたい」などが多いので、共有者に売る難易度は高いといえます。
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共有持分の買取事例も相場の参考にしてみよう
この項目では、株式会社クランピーリアルエステートが過去に取引した共有持分の事例を紹介し、どんな状況の共有持分がいくらの売却価格で取引が行われたのかを掲載します。
もしも似たようなエリア、状況、持分割合の取引があったなら、自身が所有する共有持分の売却価格相場を想像するための参考になるかもしれませんので、ぜひご覧ください。
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【東京都江東区豊洲】離婚済みで持分2分の1を3710万円で売却
離婚した夫との共有持分2分の1を「3710万円」でお客様が売却した事例になります。
「離婚済みで持分2分の1を売却したいが共有者である元夫と話をしたくない。」というご依頼でした。
【取引の詳細】
・東京都江東区豊洲の区分所有建物
・離婚により夫との仲は険悪
・建物には元夫が居住し、部屋の鍵も全て元夫が所有
・一度弁護士を通して売却について打診したが取り合ってもらえず
ご相談から11日で、当社が買取りいたしました。
【神奈川県横浜市青葉区】土地の共有持分を1800万円で売却
土地のみ共有持分を1800万円で売却した事例になります。
「持分5分の3を売却したいが、残りの共有者4名から嫌がらせを受けており困っている」というご依頼でした。
【取引の詳細】
・神奈川県横浜市青葉区にある土地
・共有者1名とその配偶者が物件上の家屋に居住中
・売却の話し合いに応じてもらえず、1年半程経過
・他の不動産仲介業者には売却を断られる
ご相談から12日で、一括決済にて当社が買取りいたしました。
【東京都渋谷区代官山町】共有土地を3億円で売却
相続によって取得した土地を3億円で売却した事例になります。
「相続で取得した土地を複数名で共有しているが、早急に資産整理をしたいので、自分の持分だけを売却したい」というご依頼でした。
【取引の詳細】
・東京都渋谷区代官山町の共有土地
・土地の持分が約30%
・土地は駐車場として運営しており、収益を分配している
・共有者の1人が隣接地に居住
・共有者が複数名おり全員疎遠
・共有者の属性や状況が不明
ご相談から2週間で、当社が買取りいたしました。
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共有持分の売却方法
共有持分の売却方法は下記のとおりです。
- 専門買取業者に売却する
- 自分以外の共有者に売却する
- 土地を分筆して売却する
- 共有者全員の同意を得られるなら不動産全体を売却する
それぞれの方法について詳しく解説します。
専門買取業者に売却する
共有持分の売却は他の共有者の同意を得る必要がなく、単独で行えます。通常は買い手の付きにくい共有持分であっても、共有持分を専門とする買取業者であれば売却が可能です。
不動産全体を売却する場合と比較すると売却価格は低くなりやすいですが、手間が少なく、すぐに現金化できるでしょう。
買取業者への売却がおすすめの理由については、「共有持分は専門買取業者に売却するのがおすすめ」で詳しく解説します。
自分以外の共有者に売却する
他の共有者と関係性が良く、相手に資金がある場合は、交渉によって自分の共有持分を買い取ってもらえる可能性もあります。
共有者が自分と相手の2人だけの場合は、単独名義になるため、交渉がスムーズに進むことも考えられるでしょう。
共有者が3人以上の場合は売却先としなかった共有者から「なぜ自分に売却しなかったのか」と責められ、トラブルになる場合もあります。自分の共有持分の売却によって持分割合が変動することを考慮し、売却の際は共有者全員と話し合いをしておくと良いでしょう。
また、売却価格で揉めないためにも、交渉前に不動産の相場について調査しておくと安心です。
土地を分筆して売却する
共有不動産が土地である場合は、分筆して売却するといった方法もあります。
分筆とは、1つの土地を複数に分割して登記する手続きを指します。分筆することで単独名義となるため、他の共有者の同意を得ずに自由に売却できます。
ただし、分筆によって土地が狭くなったり、使い勝手が悪くなったりすることも考えられ、その場合は資産価値が下がるおそれもあります。
土地を分筆する方法や、メリット・デメリットについては、下記記事を参考にしてみてください。
共有者全員の同意を得られるなら不動産全体を売却する
共有者全員の同意を得られるのであれば、不動産全体の売却ができます。不動産全体の売却であれば、市場価格で売り出せます。
共有者のなかに売却に反対する人がいる場合は叶わない方法ですが、共有者全員が不動産を持て余していたり、手放したいと考えたりしている場合は、不動産全体の売却を相談してみましょう。
共有持分は専門買取業者に売却するのがおすすめ
共有持分を売却するなら一般の不動産会社よりも、専門買取業者がおすすめです。
主な理由は以下です。
他の共有者との関係性など複雑な事情を抱えた共有持分は売却自体の難易度が非常に高いので、経験豊富な専門買取業者でないと対応できないことが多いです。
ちなみに、専門買取業者の選び方で「弁護士と連携して買取を行なっている不動産業者かどうか」は特に重要です。
詳しくは以下の記事で解説していますので、こちらも参考にお読みください。
共有者との交渉や取り決め等を全て請け負ってくれる
共有持分の売却の際には、他共有者から反対されることも少なくありません。
原則として持分所有者の独断で売却できますが、実情として共有者との関係性を悪化させるような強行売却はなるべく避けるべきです。
専門買取業者はなるべく共有者全員が納得の上で売却できるよう尽力してくれます。
他共有者とどういう交渉・取り決めをした方が良いのか、場合によっては他共有者の持分もまとめて買いとった方が良いのかなど総合的に判断して、全員に利益があるような取引を目指します。
どんな割合の共有持分でも買取対象
共有持分は必ずしも1/2などわかりやすい割合になっているとは限りません。
共有者の人数や、土地と建物どちらの持分をどれだけ所有しているかなどで複雑な割合になることも多いです。
こういったケースでは共有者ごとの持分割合を細かく確認する必要があり、専門的な知見を持った専門買取業者でなければ対応できないこともあります。
基本的に共有持分の専門買取業者ならば、どんな割合の共有持分でも買取が可能です。
相談から即日で売却・現金化ができる
専門買取業者なら、共有持分を相談から数日で売却・現金化が可能です。
一般の不動産業者とは違って業者が直接共有持分を買い取るので、取引完了までが非常にスピーディーです。
加えて、共有持分についてあらゆる知識を持っているので状況把握も早く、査定価格を出すまでの時間も早めといえます。
ただし、全て取引が即日売却・現金化ができるというわけではなく、共有持分を取り巻く状況や共有者全員の意思を確認することで数日かかるケースもある点はおさえておきましょう。
トラブルを抱えた共有持分でも買取してもらえる可能性が高い
共有持分を専門買取業者に買取してもらう場合、トラブルを抱えた共有持分でも買取してもらえる可能性が高いです。
共有不動産は共有者間での法的トラブルが多いため、共有持分の専門買取業者であれば、弁護士などの専門家と連携している業者も少なくありません。
弁護士と協力している買取業者であれば、他共有者が共有不動産の売却に反対した場合など、共有者同士のトラブルを抱えている共有持分でも、スムーズに買取してもらえます。
売主目線でいうと、共有者同士のトラブルを買取業者や弁護士などに任せて、トラブルから抜け出せる点も、共有持分を買取してもらうメリットといえます。
共有持分を高値で買取してもらえる可能性が高い
通常の不動産会社の場合、共有者同士のトラブルを抱えている共有持分の場合、安値で買い叩かれてしまったり、買取自体を断られてしまうケースも少なくありません。
共有持分の専門買取業者なら、共有者間のトラブルを解決して共有不動産を現金化できる可能性が高いため、通常の不動産会社よりも共有持分を高値で買取できる傾向にあります。
通常の不動産会社と異なり、共有持分の買取を断られてしまうケースも少ないので「早く共有持分を手放したい」という人は共有持分の専門買取業者に売却するとよいでしょう。
共有持分の売却価格査定ポイント
共有持分の売却価格を査定するときに、買取業者はどんなポイントを意識しているのか、重要なポイントをまとめてみました。
上記の査定ポイントについて、それぞれ重要とされる理由を解説していきます。
物件エリア
物件エリアについては、どんな不動産でも査定ポイントとして重要視される項目です。
買取業者は、共有持分を買い取った後に不動産自体を転売できなければ、買い取るメリットがありません。
需要のないエリアにある物件の共有持分は査定をおこなっても安価になるか、買取自体できないと判断されることもあります。
通常の不動産でも同じですが、買取コストのかかる共有持分は尚更エリアの条件が悪いと価格も下がります。
持分を所有する共有者の数
共有持分を所有する共有者は何人いるのかも、査定時にみられます。
物件によっては共有者が何十人もいて連絡がつかない人もいるようなケースでは、買取業者側の交渉が難航します。
そうなると買取コストがかさんだ分だけ、査定価格も安くせざるを得ません。
共有者の人数が少ないなどで交渉がスムーズに進めば買取コストも低くなるので、価格も下がりにくくなります。
また、共有者の人数応じて一人当たりの持分割合も決まるので、査定額もそれだけ変動があります。
例えば、不動産の条件や周辺の環境がほぼ一致している共有名義不動産AとBがあるとします。
共有名義不動産Aは夫婦での所有となるので共有者が2人(1人あたりの共有持分は2分の1)、共有名義不動産Bは代々相続を続けているものになるので共有者が8人(1人あたりの共有持分は8分の1)というものの場合、どちらが不動産の査定額が高いのでしょうか。
上記のようなケースの場合、不動産の条件や周辺の環境がほぼ一致していても共有名義不動産Aの方が査定額は高いという結果になります。
これは単純に、共有持分を所有している人数が少なければ少ないほど1人あたりの持ち分割合が大きくなるということや、残りの持ち分所有者への交渉や手続きの手間や時間が掛かることを考慮しているためです。
共有不動産に居住者はいるかどうか
共有不動産では持分所有者である親族などが物件に居住していることも少なくありません。
その場合、共有者全員との交渉に加えて居住者を退去させる必要があるため、共有持分の売却難易度が一層上がります。
なので共有持分の売却時には、居住者の有無も必ず確認されます。
居住者は持分売却に反対することも多く、交渉がまとまらない場合は共有物分割請求訴訟で解決を図る必要も出てきます。
ただし、共有物分割請求訴訟が権利濫用とされ認められないこともあるため、買取業者は居住者がいるケースについてはかなり慎重に判断して取引可能かどうかを決めます。
訴訟にまで発展する可能性のある取引は買取コストが特にかかる分、価格も下げられがちです。
土地と建物両方の共有持分を持っているかどうか
土地と建物両方の共有持分を持っている場合、物件を使用できる範囲が広くなるため比較的価格が高くなりやすいです。
土地建物両方の権利を持っていることになるので、使用範囲の制限が少ない物件として買取後に売却しやすいです。
一方で、土地だけor建物だけの共有持分は買い取ったとしても物件自体を自由に扱えず、持分だけを売ろうとしても需要がないため、買い手側からしたら持っているだけ損な物件となってしまいます。
その場合、他共有者から新たに土地建物どちらかの持分を買い取ってから再販する必要があり、コストがかかるので査定価格も安くなってしまいます。
両方の持分を持っていることは理想ですが、土地と建物どちらかの共有持分さえ所有していれば売却は可能です。
例えば、土地の共有持分は2分の1と建物の共有持分は未所有のAさん、土地と建物の共有持分をそれぞれ2分の1ずつ所有しているBさんがいるとします。
このようなケースの場合、前者のAさんは建物の共有持分を持っていないので土地の共有持分2分の1だけを売却できます。
しかし、既に他人名義の建物が建っており自由に使えない土地の持ち分を購入したいという人は現れません。
そのため、土地の共有持分だけを売却する場合は買取査定も相場よりも低くなっています。
住宅ローンの残債や抵当権の設定
住宅ローン残債がある物件には抵当権が設定されているため、売却時には抵当権の解除費用が売却金額から差し引かれます。
そのため、住宅ローンを完済しているかどうかは大きく価格に関わってくるため査定時には必ず確認されます。
残債があり抵当権がついている共有持分は夫婦で購入した共有不動産などでよくみられ、離婚によって売却するケースがあります。
離婚には夫婦間のトラブルが付き物なので共有持分の売却には長い時間と労力を要することがあり、価格にも影響します。
隣接する土地との境界標の有無
代々相続が続いているような古い土地の場合、隣地との境界が曖昧になっているケースがあります。
その場合は境界を確定し、隣地との境目を示す目印である境界標を設置する必要があります。
境界を確定しないまま売却することも可能ではありますが、売却後に隣地所有者と土地の境界についてトラブルに発展するリスクが買主側にあるため、査定時に価格が安く見積もられてしまうことが多いです。(隣地所有者との協議などでもコストもかかる)
境界標が見当たらない場合、地面や塀の下、構造物の下などに埋まっているケースもありますので土地家屋調査士に探索を依頼して見つけてもらうこともできます。(有料)
しかし、最初は不動産業者への査定時に相談してみるのがおすすめといえます。
そもそも境界標自体を気にしたことがない人だと、すぐ見つかる場所にあっても見つけられないこともあり、実際には軽めの探索で済む場合があります。
その程度であれば、不動産業者の担当者が無料で確認してくれることもあります。
共有持分の専門買取業者を見つけるコツ
共有持分を高く買取してくれる買取業者を探す場合、以下の点を意識するとよいでしょう。
- 共有持分の買取実績を確認する
- 相続物件の取扱実績を確認する
- 弁護士との提携の有無を確認する
共有持分は通常の物件とは異なり権利関係が複雑なので、通常物件を主に扱う一般的な不動産会社では思うような売買ができません。
しかし、共有持分の専門買取業者と通常の不動産会社の見分けがつかないということもあるでしょう。
では、どのような点に着目し専門買取業者を見極めればよいのか解説していきます。
共有持分の買取実績を確認する
まずは、基本ですが自分が売りたい物件の買取実績の多さを確認しましょう。また、買取実績だけ書いてあっても詳しい内容が語られていない業者には注意です。
買取実績の多さは、査定金額の高さにもつながってくる要素です。特に共有持分などの扱いが難しい不動産の場合、買取経験が少ない業者だと他共有者との余計なトラブルを生んだり、安すぎる金額で買い叩かれたりするおそれがあります。しっかりとホームページ等を確認し実績のある買取業者に依頼しましょう。
相続物件の取扱実績を確認する
共有持分なのになぜ相続物件なのかと疑問に思うかも知れませんが、実は相続してしまった共有持分というご依頼は意外と多いのです。
人と共有しなくてはならない不動産は夫婦や親族でない限り、手に入れたくないというのが一般的な考えです。つまり、相続した物件がよく調べたら共有物件だった、加えて一回もあったことのない親戚だったというケースが多いため、相続問題にも対応できる買取業者のほうが適切な査定をしてもらえます。
弁護士との提携の有無を確認する
不動産業者の中には当社のように、弁護士などと提携している少し珍しい買取業者も存在します。
強みとしてはやはり、トラブルの可能性のある物件や持分権利のみでも相当な価格で買取できるという点です。
トラブルを早急に解決できるスキームがある不動産買取業者だからこそ買取価格査定も強気で出せる点が、通常の大手不動産会社と大きく異なるポイントです。訳あり物件を売却するならば、このポイントをおさえておきましょう。
株式会社クランピーリアルエステートでは、共有名義不動産のような訳あり物件を積極的に買取しています。全国の弁護士事務所と連携しており、トラブルを防止しながら「高く・素早く・トラブルなく」売却が可能です。
相場以上での共有持分売却を目指すポイント
共有持分の売却でより高い価格を目指すためのポイントは主に3つあります。
これらを意識して売却活動を進めると売却価格は上がりやすくなるので、できる限り実践してみましょう。
上記ポイントを一つずつ詳しく解説していきます。
複数の買取業者に査定をしてもらい比較する
1社のみの業者に査定してもらうよりも、複数者に査定を出して最も高い価格を提示してもらった業者と取引を進めるのが安心です。
よほど信頼している買取業者であれば他の業者と査定価格の比較をしないという選択肢もアリですが、高く売りたいということであれば価格を比較した方が良いです。
また、他の業者にも査定してもらっているという事情を話すことで査定価格が上がる可能性もあります。
競合他社よりも高く買取をおこなうことを強みにしている業者の場合だと、他社と比較検討しているという話をすることで値上げ交渉がやりやすくなるメリットもあります。
査定価格を比較することは不動産売却の基本なので、覚えておくとよいでしょう。
他共有者を説得して売却する持分の割合を増やす
共有持分は持分割合が大きくなればなるほど所有権も大きくなるので、当然として売却価格は高まります。
そのための手段として考えられるのは、他の共有者から共有持分を買い取るか、共有者と協力して一緒に共有持分を売却する方法があります。
他の共有者から買い取ってから売る方法は買い取るコストはかかりますが、上手い具合に買取価格を抑える交渉ができれば、持分割合を増やした後の売却時に利益が出る可能性もあります。
ただし、転売したことが判明した後に共有者との関係性が悪くなるリスクもあります。
もう一つの「一緒に売る」方法は共有者との関係性を保ちつつ共有持分の売却価格を高められます。
事前に話し合い、共有持分を合わせて売ることで買取業者側の共有者との交渉コストも削減でき、持分割合も増えるので高く買い取ってもらえる可能性があります。
どちらの方法でも言えることとして、合わせた持分割合が全体の半分以上になる場合、該当不動産にさまざまな権利を行使できるので、より高い価格で買い取ってもらえることが多いです。
共有者や居住者との権利関係を明確にしておく
買取業者側でコストがかかる部分は、共有者や居住者などの不動産に関わる人達への交渉や権利関係の明確化です。
権利関係が事前に明らかになっているとスムーズに共有持分を買い取ることができるので、その分価格も値下げされない傾向があります。
また、権利関係をクリアにする以外にも、共有者間の関係性を良好にしておくことも売却価格を高めるために必要です。
共有者間でトラブルが起きている状態で買取依頼をすると、そのトラブル解消からコストがかかるので値下げされて安い価格になってしまいます。
共有持分の買取依頼から売却までの流れ
共有持分を買取してもらう場合、依頼から売却までの流れは以下のとおりです。
- 不動産希望金額や売買事情を伝える
- 売買契約の締結
- 決済
一般的な不動産仲介で売却する場合、買主を探す必要があるため時間や手間がかかりますが、買取であれば買主を探す必要がないので最短数日で共有持分を現金化できます。
共有持分は権利関係が複雑なため、不動産仲介で売ろうとしても一般的な不動産市場では買主が見つからずに売却できない可能性が高いです。
買取であれば、あなたが買取価格や条件に納得すれば共有持分を速やかに売却できるので、買取依頼から売却まで最短48時間ほどで済むケースも存在します。
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①不動産希望金額や売買事情を伝える
買取依頼後には買取業者側から詳細をお聞きするために、折返しの連絡があります。(メールもしくは電話)ヒアリング後、査定金額等を提示しお客様と条件をすり合わせ契約を進めていきます。
②売買契約の締結
契約についての重要事項や条件等を説明された後に売買契約を結ぶ準備に入ります。共有持分の売買に関しても売買契約は通常通りの契約です。不動産売買契約書へのサインや押印などの諸手続きをおこない契約が完了します。
③決済
不動産売買契約の締結後、契約書に記載された期日までに買取金額が振り込まれて取引が終了です。
以上が共有名義不動産の共有持分を売却するまでの流れとなります。
ただし、ここまでに平均で約1〜2ヶ月ほどの期間を必要としますので必ず余裕を持って取引をおこなうことが大切です。
共有持分を買取してもらう場合の税金と確定申告
共有持分を買取してもらった後、黒字の場合は納税義務がある上、赤字の場合も特例を用いて節税できるので、翌年に税務署で確定申告をおこないましょう。
共有持分を買取してもらうことで利益を得た場合、所得税・住民税・復興特別所得税を納める必要があります。
共有持分を買取してもらうことで利益が出ない場合でも、特例を用いて税金の軽減措置が受けられるケースも存在します。
具体的には、共有持分を買取してもらった翌年の2月16日〜3月15日までの間に確定申告をおこなう必要があるため、自分で手続きするか税理士に依頼しましょう。
共有持分を売却した後の税金は所有年数によって変化する
共有名義不動産の共有持分を売却した後の税金支払い額は所有年数により変化します。
また、所有年数によって短期譲渡所得や長期譲渡所得に分けられます。
下記にまとめましたのでご覧下さい。
種類 |
所得税率 |
住民税率 |
計 |
短期譲渡所得(所得5年以下) |
所得税率30% |
住民税率9% |
計39% |
長期譲渡所得(所得5年超) |
所得税率15% |
住民税率5% |
計20% |
そのため、共有名義不動産の共有持分は、長期譲渡所得の扱いになる5年超所有してから売却したほうが支払う税金額が少なくなり節税に繋がるということです。
共有持分を売却した後の確定申告は個人で行う必要がある
共有名義不動産に関する確定申告は基本的に個人で行うことになります。
自身の共有持分のみを売却した場合であればそのまま個人で申告を行えますが、共有者全員で共有名義不動産を売却した場合は、それぞれの収入(売却で得た金額)や、売却に掛かった費用などを計算して個別に申請する必要があることを覚えておきましょう。
共有持分を買取してもらうとどうなる?
共有持分を不動産会社に買取してもらえば、共有不動産や他共有者との関係を断つことができますが、買取してもらった共有持分はどうなるのでしょうか。
共有持分だけ所有していてもメリットはほとんどないので、不動産会社や専門買取業者はあなたの共有持分を買取した後、共有不動産そのものを売却しようとします。
あなたから買取した共有持分を不動産会社や専門買取業者が不動産投資家に再販売するケースもありますが、最終的に共有不動産そのものを売却を目指す点は同じです。
いずれにせよ、共有持分を手放せばあなたは共有不動産と関係なくなるので、共有者間のトラブルに巻き込まれる心配はないのでご安心ください。
売主は共有名義から抜け出せる
不動産会社や専門買取業者に共有持分を買取してもらえば、あなたは共有者ではなくなるため、不動産の共有名義から抜け出せます。
具体的には、共有持分の固定資産税を支払う必要がなくなり、共有不動産の扱いを巡って共有者同士で揉めている場合でもトラブルから抜け出すことが可能です。
もしも、共有持分を売却したことに対して他共有者が意見してきても、共有持分の売却は法律上問題ないので、あなたが法的に罰せられることはありません。
買取後のトラブルが心配な場合、法的トラブルの解決を得意としている弁護士・司法書士と連携した専門買取業者に共有持分を買取してもらうとよいでしょう。
買取業者は共有不動産自体の売却を目指す
あなたの共有持分を買取した後、不動産会社や専門買取業者は買取した共有持分をもとに共有不動産そのものを売却するために動きます。
具体的には、共有不動産の売却に同意してもらうために他共有者と交渉したり、他共有者の共有持分も買取して単独名義にすることで、共有不動産を売却して現金化します。
専門買取業者の場合、連携している弁護士や司法書士と連携して、法的根拠も交えて他共有者と交渉をおこなうため、他共有者から共有不動産の売却に同意を得やすいです。
他共有者が売却に反対する場合でも、不動産会社や専門買取業者が共有物分割請求をおこなえば、裁判所命令で共有不動産を分割できるので共有持分を利益化できます。
例えば、共有物分割請求をおこなう場合、共有不動産を単独名義に変えて不動産自体を売却したり、共有不動産を売却して共有者間で利益を分配するケースもあります。
弁護士・司法書士と連携した買取業者なら、極力トラブルを起こさずにスムーズに共有持分を買取してもらえるので、売却後のトラブルが心配な人は専門買取業者に売却しましょう。
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まとめ
共有持分は相場を予想するのが難しく、個別的要因によって高くも安くもなります。
価格算定の基本的な考えとして「不動産全体の市場価格×持分割合」というものがありますが、実際には不動産買取業者側のコストも価格に大きく影響してきます。
共有持分をより高い価格で売却したいのなら査定ポイントをよく理解することが大事です。
当記事で解説した専門買取業者が査定時に見るポイントを理解して、改善に努めれば価格が下げられるリスクを減らすことができるでしょう。
とはいっても、共有持分の正確な価格は専門買取業者へ査定に出すまでは分かりませんので、まずは査定に出してみるということもおすすめです。
当記事以外にも共有持分について深く解説している株式会社クランピーリアルエステートは、共有持分の査定を積極的に行なっている専門買取業者です。
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