共有持分の固定資産税について、だれがどれくらい支払うべきか悩んでいる人も多いでしょう。
共有持分の固定資産税は、各共有者の持分割合に応じて負担するのが原則です。つまり、不動産全体の固定資産税額に持分割合をかけた金額が、各共有者の支払うべき税額となります。
ただし、共有不動産の固定資産税は「連帯納付」というルールがあり、共有者のだれかが支払わないときは、他の共有者で立て替えなければいけません。
また、納付書は基本的に代表者1名にしか送られてこないので、各共有者の負担分を代表者が取りまとめる必要があります。
この記事では、連帯納付の仕組みや、他共有者の負担分を立て替えたときにどうやって清算するかについて詳しく解説していきます。
共有持分の固定資産税は持分割合に応じて負担するのが原則
民法では、共有不動産に関する費用は持分割合に応じて負担すると定められています。
各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。出典:e-Govポータル「民法第253条第1項」
つまり、共有持分の固定資産税は、共有不動産全体の固定資産税を持分割合で割って計算するということです。
例えば、共有不動産全体の固定資産税が10万円であれば、共有持分1/2を持っている人は5万円を負担します。
ただし、共有不動産の固定資産税は「連帯納付」という前提があるため、各自が持分割合に応じて納付するという単純な話ではなくなります。
法律上は「共有不動産全体の納税義務」がすべての共有者にある
連帯納付とは、共有者全員が連帯して不動産全体の固定資産税を納めるという義務のことです。
共有者一人ひとりに不動産全体の固定資産を納める義務があり、だれかが全額を納めれば、他の共有者の納税義務はなくなります。
課税者である自治体は「共有者の間でいかに固定資産税を分担するか」については関知せず、共有者のだれにでも全額請求することが可能です。
他の共有者が納税を拒否したら立て替えなければならない
共有者全員が等しく全額納付の義務を負うため、自分以外の共有者が固定資産税を支払わない場合、立て替える必要があります。
ただし、立て替えた分は後から請求できますし、法的措置によって取り立てることも可能なので、支払い拒否をした共有者が一方的に得するわけではありません。
だれも立て替えず、納税しないまま放置していると、納付期限の20日以内に自治体から督促状が送られてきます。
督促状の到着から10日後までに納税しないと、自治体は強制執行に移行し、不動産全体を差し押さえられてしまいます。
立て替え分を他共有者に請求する方法
立て替え分を他共有者へ請求するときは、まず本人に直接請求をおこない、それでも支払ってもらえない場合は訴訟に進むことになります。
直接請求するときは、内容証明郵便を利用して請求した事実を証明できるようにしましょう。
内容証明郵便を利用すれば郵便局に郵便物の内容を証明してもらえるため、訴訟時に他共有者が「請求を受けていない」と言い逃れることを防げます。
実際に請求や訴訟をおこなうときは、不動産問題に詳しい弁護士へ依頼することでスムーズに手続きをおこなえます。
立て替え分の清算を拒否されたら「強制的な持分買取」もできる
他共有者が立て替え分の清算を拒否する場合、その共有者がもつ共有持分を強制的に買い取ることもできます。
共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。出典:e-Govポータル「民法第253条第2項」
他共有者への請求から1年経過後、持分買取の通知をおこなうことで強制買取が可能です。
立て替え分に関しては、買取価格から相当額を差し引くことで清算する形になります。
共有持分の固定資産税は代表者がまとめて納める
実際に共有持分の固定資産税を納めるときは、各共有者が個別に納めるのではなく、代表者がまとめて納めることになります。
4月から6月頃に自治体から納付書が送られてくるので、代表者は各共有者からそれぞれの負担分を集め、4回の分割、もしくは一括払いで納税します。
支払い方法は自治体によって異なりますが、口座振替や銀行窓口・ATM、コンビニ支払いが一般的です。なかには、クレジットカードに対応している自治体もあります。
代表者は自治体側で選定される
固定資産税の代表者となる人は、自治体側の基準で選ばれます。
どの自治体も選定基準はおおよそ同じで、例えば愛知県知多市では下記の基準で選定しています。
知多市では、納税通知書を送付する代表者の選定について、特に指定が無い場合は、おおむね次の優先順により代表者を決定しています。
1.所有権異動前の代表者が引き続き所有する場合はその方
2.物件地の在住の方
3.知多市に住民登録をしている方
4.持分が多い方(市内同士・市外同士)
5.登録順位が早い方出典:知多市「共有資産に係る固定資産税の代表者選定基準について」
代表者を指定したい場合は、事前に役所へ届け出る必要があります。固定資産税は毎年1月1日時点の状況を基準に課税されるため、届け出は前年のうちに済ませましょう。
代表者を変更する方法
代表者の変更手続きも、おおむねどの自治体も共通しています。
具体的には、
- 共有者全員の同意を得る
- 役所に変更届を提出する
- 変更届には旧代表者と新代表者が署名・捺印をする
の3点です。
その他詳しい方法は、管轄の役所に問い合わせてみましょう。
代表者が死亡したり持分売却したときはどうなる?
代表者が死亡した場合、新しい代表者をだれにするか自治体に届け出る必要があります。
代表者の相続人(共有持分を相続する人)が代表者の立場も引き継ぐのであれば「相続人代表者指定届」を、他共有者が新しく相続人になる場合は「共有者代表指定届」を役所で提出します。
代表者が自分の共有持分を売却するケースでは、代表者が変わるのは翌年度の課税からです。この場合の新しい代表者は、事前の申し出がなければ自治体が選定します。
売却した当年の納税については、売主である旧代表者がおこないます。ただし、自分の負担分については買主との間で日割り清算をおこなうケースが一般的です。
「各共有者が個別に納付」はできない自治体がほとんど
「共有者それぞれで持分に応じた納付をしたい」と考える人もいますが、先に解説した連帯納付の規定により、個別の納付はできないとしている自治体がほとんどです。
ただし、一部の自治体では持分に応じた納付が可能です。例えば鳥取県日南町では、各共有者の持分に応じて個別に納付書を送付してもらうことができます。
個別の納付を受け付けるかどうかは自治体の判断によるため、詳しくは役所に問い合わせてみましょう。
共有持分の固定資産税を節税する方法
共有持分の固定資産税を節税する方法としては、次の3つがあげられます。
- 税法上の軽減措置を使う
- 不動産の評価額が正確か調査する
- 共有持分を処分する
それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。
税法上の軽減措置を使う
固定資産税には税法上の軽減措置があり、条件を満たせば減額や免除が可能です。
小規模住宅用地の特例 | 住宅用の土地の場合、建物が建っていれば土地の固定資産税が200㎡までは1/6、それを超える部分は1/3になる制度。 |
---|---|
「公共の用に供する道路」の非課税措置 | 公道に通じている私道で、道路幅が1.8m以上かつ不特定多数の人が利用している場合は非課税となる制度。 |
新築住宅に係る固定資産税の減額措置 | 新築住宅にかかる固定資産税を4年間(マンション等の場合は5年間)、1/2に減額する制度。 |
例えば、共有している不動産が空き地の場合、住居用の建物を建てることで大幅な節税が可能です。
また、土地の一部を私道にし、その部分だけ非課税にするという方法もあります。
参照:e-Govポータル「地方税法第348条第2項5号、地方税法第349条の3の2」
不動産の評価額が正確か調査する
固定資産税は「固定資産の評価額×標準税率1.4%」で計算しますが、土地によっては評価額が間違っている場合もあります。
例えば、先祖代々引き継いできた土地などは、実際の面積と登記簿上の面積が異なっており、余分に課税されているケースがあるのです。
正確な測量をして実際の面積が登記簿上の面積より小さければ、固定資産税を下げられる可能性があります。
共有持分を処分する
共有不動産を現在利用しておらず、今後も利用する予定がないのであれば、処分してしまうこともおすすめします。
処分すれば固定資産税を払う義務がなくなるので、将来的なコスト削減になります。
ただし、共有不動産全体の処分は共有者全員の同意が必要になるため簡単ではありません。話し合いをしても処分に反対されたり、話し合い自体を拒否される場合があるでしょう。
そこでおすすめなのが、自分の共有持分だけ売却する方法です。自分の共有持分だけなら他の共有者に同意をもらわなくても売却できるので、いつでも好きなときに実行できます。
売却なら「共有持分専門の買取業者」がスピーディーでおすすめ
共有持分の売却で問題になるのが、需要が少なく売れにくい点です。
共有持分だけを欲しがる人は一部の投資家などごく少数なので、一般的な不動産会社では取り扱いを断られるケースもあります。
しかし、共有持分専門の買取業者に相談すれば、スピーディーな売却が可能です。買取業者は自社で直接買取をおこなうので、買主を探す必要がなく最短2日で現金化ができます。
共有持分を専門に取り扱うこと効率的に収益化する方法を確立しているので、買取価格も高値で設定できます。
当サイトを運営するクランピーリアルエステートも、共有持分を専門とする買取業者です。無料相談も受け付けているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
不動産を現金化
売却したいなら
共有持分買取専門の
当社にお任せください!
まとめ
共有持分をもっている限り、固定資産税の負担はかならずかかります。
原則として代表者1名が納付をおこなうため、どのように清算をおこなうか事前に共有者の間で話し合っておきましょう。
また、共有不動産を利用する予定がないのであれば、共有持分を売却してしまうのも1つの方法です。
利用価値のない共有持分をもっていても税金の負担がかさむだけなので、早めに売却してコストを減らしていきましょう。