建物を所有する目的で土地を借りる権利「借地権」は売却することができます。
しかし、借地権は一般的な買主からの需要が少ないため、自社で直接買取している「買取業者」に売却することが多いです。
借地権の買取価格相場や、高く売るためには、買取業者の選び方のコツがあります。
まだ借地権の買取査定を受けていない人は、以下のボタンから無料査定を受けてみることをおすすめします。
建物を所有する目的で土地を借りる権利「借地権」は売却することができます。
しかし、借地権は一般的な買主からの需要が少ないため、自社で直接買取している「買取業者」に売却することが多いです。
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地主に借地権を売却する場合、売却価格は更地価格の50〜70%程度です。
しかし、買取業者に売却する場合、買取価格はどの程度なのでしょうか。
まずは借地権の買取価格相場と査定額を上げるコツを解説します。
買取業者に売却する場合、借地権の買取価格に相場はありません。
「借地権割合が目安になる」と誤解している人もいますが、大半のケースでは買取価格への影響は少ないです。
例えば、2,000万円の不動産で借地権割合が60%なら、借地権は2,000万円×60%=1,200万円という計算になります。
しかし、相続税の計算上の数字なので、借地権の買取価格相場とは異なります。
借地権の買取価格は権利をもつ人物や不動産の状況、土地価格などによって金額が大きく変わるからです。
例えば、貸主が承諾しなければ、そもそも借地権を売却できません。
また、売却できたとしても、ローン承諾の可否、譲渡承諾料の金額などによって、大きく買取価格が変わります。
つまり、同じような条件の借地でも、借地権の買取価格は異なるのです。
借地権を高額買取してもらうには、次の点を意識しましょう。
借地権の買取価格を上げるコツを、1つずつ解説します。
借地権の買取価格は、購入希望者が多いほど高くなります。
しかし、借地権の更新時期が間近の場合、借地権を購入した買主が更新料を支払う必要があるため、需要は低くなります。
借地権を高く売りたいのであれば、借地権の更新時期を避けたほうがよいでしょう。
借地権を購入するには数千万円単位の資金が必要ですが、この資金を自己資金だけで用意することは困難です。
そのため、多くの買主は金融機関のローンを利用して、借地権を購入することになります。
購入した借地権に対して金融機関が抵当権を設定する際、地主から「ローン承諾許可」という承諾を得る必要があります。
地主のローン承諾許可がないと、借地権を現金でしか購入できないので、買主の需要が少なく、借地権の買取価格も安くなってしまいます。
借地権を売却する際、地主の承諾と引換えに承諾料を求められるケースがあります。
地主に支払う承諾料は、借地権価格の10%程度が相場といわれています。
承諾料さえ支払えば、地主が売却に同意していると見なされるため、借地権の買取価格は高くなりやすいです。
ただし、承諾料の分だけ手元に残る金額が少なくなるので、買取価格の査定時には注意しておきましょう。
貸主から借地権売却の許可を得られたら、いよいよ売却先を探します。
しかし、所有している不動産を売却するわけではないので、多くは買取業者に売却することになるでしょう。
そこで、ここでは借地権の買取業者選びのポイントを見ていきましょう。
借地権の買取査定価格は、どの業者に依頼しても同じではありません。
じつは業者によって、査定額がまったく違うこともあるので、複数の不動産業者に査定を申込み、相見積もりをしてもらいましょう。
より高い金額で売却したい場合、複数の業者に査定依頼できる「一括査定」を利用することをおすすめします。
借地権の査定額は買取業者によって異なります。
なぜなら、借地権や不動産の査定額は、不動産業者の経験や取扱実績によって大きく異なるからです。
経験・実績の豊富な業者なら、買取した借地権の使い道を熟知しているので、高額買取してもらえる可能性が高いです。
借地権の取扱実績については、買取業者のホームページで確認しましょう。
信頼できる買取業者の特徴として、査定基準が明確という点が挙げられます。
査定が終わったら、なぜその金額になったのかを尋ねてみましょう。
根拠に基づいた明確な回答があれば、その業者を信用できる目安になるでしょう。
買取業者を選ぶ基準として、無料相談の有無も重要です。
なぜなら、最終的には担当者の説明・接客態度から、その買取業者に売却するか判断することになるからです。
借地権の売却を考えている場合、まず買取業者のホームページなどで、無料相談を実施しているか確認してみましょう。
買取業者を選ぶ際、借地権の買取にかかるスケジュールも重要です。
借地権を販売する目的は人それぞれですが、スケジュールが明確になることで、次の行動に移りやすくなり、無駄な時間や費用のロスを防げます。
買取業者を選ぶ際には、代金の支払いまでのスケジュールも確認しましょう。
買取業者に借地権を売却する場合、依頼から完了までのスケジュールを把握しておきましょう。
買取業者に借地権を売る場合の流れは次のとおりです。
つづいて、買取業者に依頼してから売却完了までの流れを順番に解説していきます。
借地権を売却するには、まず買取業者を決定する必要があります。
複数の業者に一括査定を依頼したり、無料相談を受けたりして、信頼できる買取業者を選びましょう。
買取業者を決定すれば、次は地主との交渉です。
まずは、地主に借地権売却の承諾を得る必要があります。
更新料の支払いが遅延している場合など、地主との間の関係が悪化している場合は、関係を修復する必要もあります。
また、承諾料の支払いについて地主と交渉することもあるので、地主との交渉は売却完了まで随時おこなわれると考えてください。
地主から借地権売却の承諾を得れば、次は買取価格を決定します。
借地権の買取価格を正確に査定するには、現地で不動産調査をおこなう必要があります。
借地権の権利関係は複雑になっていることが多く、正確な査定をするためには詳しい物件状態の確認と契約状況のヒアリングが必要となるためです。
現地調査と借地権の査定は、買取業者の経験が問われる局面でもあります。
買取業者が査定した金額に納得できれば、次は借地権買取契約の締結です。
売買契約書を作成して、署名・押印します。
契約書をしっかり読んで、重要事項の確認漏れがないかをチェックして、不明な点があれば、納得するまで質問しましょう。
借地権買取契約の締結が終われば代金を受け取り、借地権を引き渡します。
これで、借地権の買取は完了です。
多くの場合、引渡しと同時に代金を受け取りますが、そうでない場合もあるので、スケジュールをきちんと確認しておきましょう。
借地権を売却すると、売却益に対して「譲渡所得税」を支払わなければなりません。
譲渡所得税とは、借地権の売却益「譲渡所得」に課税される、住民税・所得税などの総称です。
譲渡所得税の税額がどのように決められるのか、その仕組みを見ていきましょう。
個人が借地権を売却して利益を得た場合、翌年の2月16日〜3月15日までの間に確定申告をして所得税を支払う必要があります。
ただし、個人事業主などの事業所得やサラリーマンの給料などの給与所得とは分けて考える必要があります。
借地権を売却した場合は、不動産売却と同じく「譲渡所得」に該当します。
譲渡所得は、売却代金から権利金の購入代金や諸費用などを差引した利益に、その借地権の所有期間に応じた一定の税率をかけて、税金を計算します。
借地権を売却した場合に納める税金の計算式は、次のようになります。
納める所得税の金額の計算では、取得費と譲渡費用が重要です。
取得費 | 借地権を取得するために支出した費用 |
---|---|
譲渡費用 | 借地権を売却するために支出した費用 |
次のような費用が取得費に該当します。
一方、取得費は以下のような費用を指します。
譲渡所得は事業所得や給与所得など、他の所得と税率が異なります。
所有期間に応じて、譲渡所得の税率は次のように定められています。
国税 | 地方税 | 合計 | |
所有期間5年以下 | 所得税30%、復興特別所得税0.63% | 住民税9% | 合計39.63% |
所有期間5年超 | 所得税15%、復興特別所得税0.315% | 住民税5% | 合計20.315% |
例えば、売却価額が3,000万円・取得費が2,000万円・譲渡費用が300万円・所有期間が5年超の場合、税額は次のようになります。
ここからは、買取業者以外に借地権を売却する方法を見ていきましょう。
買取業者以外に借地権を売却する場合、売却先は第三者と地主の2種類です。
借地権を第三者に売却するといっても、借地権は権利関係が複雑なため、自分ひとりで売却先を見つけることは困難です。
そこで、不動産会社や不動産仲介業者を通じて、第三者に売却をします。
買取業者以外の第三者への売却は、買取業者に売却するよりも売却価格が高くなりやすいというメリットがあります。
一方で、不動産業者を通じても買主が見つかりにくいことや、仲介手数料などの費用がかかるデメリットもあります。
地主への売却は、交渉がスムーズに進むと売却合意までの時間が短いことや、よく知った間柄であることなどから、理想的な売却ともいえます。
しかし、地主との関係が悪かったり、売却価格をめぐってトラブルになっていたりする場合は、解決までに時間がかかる可能性もあるので注意が必要です。
また、借地権とは少し異なりますが、賃貸契約期間満了時で、一定の条件に該当する場合であれば、建物買取請求権を行使することも可能です。
つまり、本来は賃借人が取り壊し更地にして返却しないといけない、借りている土地の上にある建物を、地主に買取してもらうのです。
建物買取請求権は、次の要件をすべて、満たす場合に行使できます。
借地権は複雑な権利関係になっているため、基本的には買取業者に売却するケースが多いです。
しかし、売却には地主の承諾が必要なため、さまざまなトラブルが起こることも多く、そのせいで買取価格も業者によって異なります。
借地権を売る場合、地主とのトラブル発生時に相談に乗ってくれたり、適切な買取価格を提示してくれる買取業者に依頼することをおすすめします。
買取業者の中には、地主とトラブルにならないように弁護士と連携している業者もあるので、そうした専門業者に売却するとよいでしょう。