
土地売却において、いろいろな疑問や不安が生まれても「誰に相談すればよいのかわからない」という人も多いでしょう。
土地売却では、大きく分けて6種類の専門家が存在しますが、自分の悩みにあった場所へ相談しないと問題を解決できません。
基本的には「不動産業者」へ相談して、そこから各専門家に取次いでもらうとよいでしょう。
不動産業者を探すときは、複数の業者を比較することをおすすめします。
下記リンクから申し込めるオンラインの一括査定なら、売却予定の土地を高く評価してくれる不動産業者が手軽にわかるので、ぜひ活用してください。
目次
土地の売却に関する相談なら「不動産業者」
土地などの不動産を売却したい場合、まずは必ず「不動産業者」に相談しましょう。
・土地売却についてわからないことがある場合
・土地売却についてわからないことがある場合
・土地を売却する買主を探してほしい場合
・売りたい土地の価格を査定してほしい場合
土地売却にまつわる大半の業務をおこなう不動産業者は、豊富な経験から土地の売り方やトラブルの解決法を熟知しています。
親戚などに土地を直接売る「個人間売買」も含めて、基本的に土地売却時は必ず不動産業者へ相談することをおすすめします。
土地の売却先を探して売買契約をサポートしてもらえる
土地売却を不動産業者に相談することで、次のようなメリットが得られます。
- 土地を購入する買主を探してもらえる
- 土地を売れやすくするためのアドバイスがもらえる
- 土地売却時にかかる税金の金額を算出してもらえる
- 土地売却時に必要な手続きや書類を教えてもらえる
不動産業者に土地売却を相談すると、買主を探してもらえる上、売買契約の成立までサポートも受けられるのです。
不動産業者によっては、税金まで計算してくれるので、本来なら税理士へ依頼するべき手続きを任せられるケースもあります。
土地売却時の不動産業者への仲介手数料の計算方法
不動産業者に仲介を依頼する場合、仲介手数料が発生します。
売買契約を成立させた仲介業者に対して、物件案内・買主との交渉、重要事項説明・契約締結などの対価として払う報酬です。
仲介手数料は、法律で上限額が定められています。
土地の売却価格 | 仲介手数料 |
---|---|
〜200万円の部分 | 売却金額の5%(税抜) |
200万円〜400万円の部分 | 売却金額の4%(税抜) |
400万円〜の部分 | 売却金額の3%(税抜) |
例えば、仲介で4,000万円の土地を売った場合、仲介手数料は次のように計算します。
200万円×5%=10万円
【200万円〜400万円の部分】
200万円×4%=8万円
【400万円〜の部分】
3,600万円×3%=108万円
【合計】
10万円+8万円+108万円=126万円(税抜き)
成功報酬なので、売買契約が成立しない場合は請求されません。
基本的には、上限額いっぱいの仲介手数料を請求する仲介業者が多いので「上限額=費用相場」と考えておきましょう。
参照:「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(国土交通省)
「買取業者」なら仲介手数料を払わなくてOK
不動産業者の中でも「買取業者」であれば、仲介手数料を支払わずに済みます。
売主の物件を自社で直接買取する不動産業者です。買取した物件を再販売することで収益を上げています。
仲介業者と異なり、買取業者は自社で土地を買取するので、広告費や人件費をかけて買主を探す必要がありません。そのため、買取業者では売主への仲介手数料を請求していないのです。
仲介手数料が必要ないだけでなく、買主を探す手間も省けるので、仲介業者より土地が早く売れやすいという利点もあります。
ただし、買取価格は仲介で売ったときより低くなるのが一般的なので注意が必要です。値下がり幅は物件によりますが、2~5割程度安くなる可能性があります。
「すぐに現金が欲しい」「仲介でずっと売れずに困っている」など、早く土地を売りたいときに買取業者へ相談することをおすすめします。
相談する不動産業者は売りたい土地に応じて選ぼう
仲介業者・買取業者どちらの場合でも、土地売却を相談する業者は「どんな土地を売りたいか?」を基準に決めましょう。
なぜなら、不動産業者にも得意分野があるため、似たような土地の取扱実績が豊富でないと、安値で売られてしまったり、売却先を見つけられない恐れがあるからです。
例えば、次のような土地であれば、それを得意とする不動産業者に相談しましょう。
売りたい土地 | おすすめ相談先 |
---|---|
立地の良い土地 | 大手不動産業者 |
郊外にある土地 | 地元密着型の不動産業者 |
他社で売れない土地 | 訳あり物件専門の買取業者 |
都心の一等地について地元密着型の不動産業者へ相談しても、資産価値を活かしにくいですし、郊外にある土地も大手業者では扱いを断られてしまうケースが多いです。
それぞれの不動産業者について、1つずつ解説していきます。
立地の良い土地は「大手不動産業者」
都心などの立地が良い土地を売りたい場合「大手不動産業者」に相談しましょう。
テレビCMなどで、大手不動産業者の名前を目にすることがあると思います。
土地売却を大手不動産業者へ相談すると、次のようなメリットが得られます。
- サービスや制度が明確化されている
- 豊富な資力があるので、高額な土地も対応可能
- 知名度が高いので、安心できる
- 広告や宣伝による影響力が強い
大手不動産業者の強みは、豊富なネットワークや知名度による安心感にあります。
一方で、小回りが効かない面もあるので、そうした場合は遠慮なく他の不動産業者に相談した方がよいでしょう。
郊外にある土地は「地元密着型の不動産業者」
田舎にある土地などを売りたい場合「地元密着型の不動産業者」に相談しましょう。
駅前などを歩いていると、あなたの街にも地元密着型の不動産業者があるはずです。
土地売却において地元密着型の不動産業者へ相談するメリットは次のとおりです。
- 地元の土地売却に関するデータが豊富
- 地元の特性を理解した、土地の売り方を熟知している
- 地元に独自の情報網を持っている
- 担当者が親身になってくれる可能性が高い
地元密着型の不動産業者であれば、郊外などの売れにくい土地でも親身になって相談に乗ってもらえる可能性が高いでしょう。
しかし、中小の不動産業者では資力や人員が限られており、十分な売却活動ができないケースもあるため注意しましょう。
他社で売れない土地は「訳あり物件専門の買取業者」
他社で売れないような土地は「訳あり物件専門の買取業者」へ相談しましょう。
大手では扱わない「訳あり物件」を買取している不動産業者です。買取した土地を自社で資産価値を高めた後で再販売するので、売れにくい土地も買取しています。
例えば、形状の悪い土地を買取してから、隣地所有者と交渉して、2つの土地を1つに合筆した後、その土地を再販売することで収益を上げているような買取業者です。
土地売却時に訳あり物件専門の買取業者へ相談するメリットは次のとおりです。
- 条件の悪い土地でも積極的に買取してもらえる
- 他社で安く買い叩かれる土地でも高額買取してもらえる
- 売却後にトラブルが起きても、業者が対応してくれる
- 仲介手数料を負担せずに済む
大手業者が買取拒否するような土地も対応しており、地元密着型の中小業者よりも資力があるので、より高く土地を売れます。
土壌汚染のある土地はもちろん、兄弟名義で相続した土地など、物理的・法律的に問題を抱えている土地でも買取可能です。
一括査定で複数の不動産業者を比較するのがおすすめ
ここまで解説したとおり、不動産業者にも各社でさまざまな特色があります。
そのため、実際に売却の相談をする業者は選ぶときは、複数の不動産業者を比較することが大切です。
不動産業者を比較するときは、オンラインの一括査定を利用すると効率的です。大手から地元密着型の業者まで、全国の不動産業者にまとめて査定を依頼できます。
下記のリンクから一括査定を申し込めるので、売却予定の土地を高く評価してくれる不動産業者を調べてみましょう。
信頼できる不動産会社の見極め方
残念ながら、不動産会社の中には販売力の低い業者や、対応が親身ではない業者、自社の利益しか考えない悪徳業者などがいます。優良業者を見つけるためには、売主側も注意が必要です。
信頼できる不動産会社を見極めるポイントとして、次の4つを解説します。
- ①適正な査定価格を提示してくれたか
- ②土地売却の実績が豊富か
- ③売却活動の方針や見通しに具体的な提案があるか
- ④信頼できる担当者であるのか
①適正な査定価格を提示してくれたか
信頼できる不動産会社を見極めるためには、適正な査定価格を提示しているか、です。
適正な査定価格であるかを判断するには、複数の不動産会社の見解を聞くのが良いでしょう。このときにおすすめなのが、先述した一括査定サイトの利用です。
さまざまな会社の査定額を比較することで、相場より低い価格でしか売れない業者や、不自然に高すぎる価格を提示する業者の排除ができます。
②土地売却の実績が豊富か
対象地域での売却実績が豊富であれば、信頼できる不動産会社と言えます。
実績が豊富にあれば、過去の売却事例を参考に顧客へタイムリーな提案が可能となります。
周辺市場の流れを掴んでいることから、高値でスピーディーな売却が期待できるでしょう。
③売却活動の方針や見通しに具体的な提案があるか
信頼できる不動産会社は、売却活動前に具体的な方針や見通しを提示してくれます。
例えば、売却に必要な期間の見込みや、問い合わせ取得予定件数など、過去の実績からある程度の予測が可能です。
周辺での売却実績が豊富にあれば具体的な提案となり、売主は売却スケジュールを予めイメージしやすくなります。
④信頼できる担当者であるのか
会社だけでなく、担当者単位で信頼できるかも重要なポイントです。
信頼できる担当者かを見極めるには、対面で話しをするのが最も効果的な方法です。査定に関する見解や現在の市場動向、売却までの流れや税金関係など、さまざまな質問を通して適切に答えてもらえるかチェックしましょう。
担当者が信頼に値しないと思ったら、担当者替えを希望するか、不動産会社ごと変えてしまうことも検討してみましょう。
相談から土地売却完了までの流れ
土地売却の相談から売却完了までの流れは以下のとおりです(仲介の場合)。
- 不動産仲介会社に土地売却の相談をする
- 土地の測量をする
- 査定をもとに売り出し価格を決定する
- 広告宣伝を行う
- 内見対応・売買契約を締結する
- 決済・土地を引き渡す
相談から売却完了までの期間には、一般的に3か月程度になります。買取の場合、相談後すぐに契約・決済となるので、早ければ数日での売却が可能です。
実務はほぼ不動産会社に任せられますが、価格設定や誰と売買契約を結ぶかなど、最終的な決定は全て売主が行います。
空き家・空き地の売却に関する相談は「空き家バンク」
売却に関するもう一つ窓口が、自治体の空き家バンクです。
空き家バンクとは、自治体内の空き家情報や空き地の情報を閲覧できるサイトとなります。空き家・空き地を格安で売買・賃貸借し、有効活用するための制度で、サイトを見る買い手も掘り出し物目当てな人が中心です。
空き家バンクに登録するとホームページに物件がアップされ、購入希望者が現れれば自治体が指定する不動産仲介会社が引き渡しまでのサポートをしてもらえます。
ただし、空き家バンクでは集客や宣伝に関する活動は一切ありません。さらに、内見時の担当者の立ち合いはなく、全て自らで行うことが注意点です。
また、空き家バンク自体を導入しているかどうかが自治体によるので、まずは役所に問い合わせてみましょう。
土地の適正価格に関する相談は「不動産鑑定士」
土地の正確な価値を知りたい場合は「不動産鑑定士」に相談しましょう。
・裁判のために土地の資産価値を調べたい場合
・個人間売買において、土地の資産価値を証明したい場合
・相続や離婚による財産分与で揉めている場合
土地売却でトラブルが起きると、裁判の資料として、不動産鑑定士による「不動産鑑定評価書」が必要になる場合があります。
専門家である不動産鑑定士が不動産の価値を調べて、鑑定評価額・不動産の詳細・評価額を決めた理由などを記した書類です。
こうした場合、不動産鑑定評価書は法的効力をもつ書類として利用できるので、土地の資産価値を裁判所に証明できます。
ただし、不動産鑑定士による不動産鑑定評価書は、実際の土地売却における価格を保証するものではないため注意しましょう。
裁判などに用いる「不動産鑑定評価書」を作成してもらえる
依頼後、不動産鑑定士は国の定めた基準に基づいて、土地の資産価値を算出します。
不動産鑑定士へ相談した後の流れは、以下のとおりです。
- 依頼者が不動産鑑定士へ鑑定を依頼する
- 不動産鑑定士が区役所などで資料の収集をおこなう
- 不動産鑑定士が現地で実地調査をおこなう
- 不動産鑑定士から不動産鑑定評価書が交付される
不動産鑑定士が土地の資産価値を調査した後、裁判などで法的効力をもつ「不動産鑑定評価書」を作成してくれます。
ただし、不動産鑑定書の作成まで、最低でも2週間はかかるため注意が必要です。
スムーズに不動産鑑定を進めるためにも、次の書類を用意しておくとよいでしょう。
- 不動産鑑定評価業務依頼書
- 固定資産税納税通知書
- 登記事項証明書
- 住宅地図
- 公図
- 地積測量図
- 道路台帳
- 上水道配管図
- 公共下水道台帳
- ガス配管図
土地売却時の不動産鑑定士への依頼費用は30万円程度
不動産業者による査定は無料ですが、不動産鑑定士の場合は鑑定費用が必要です。
鑑定費用は依頼する不動産鑑定士によりますが、基本的に不動産評価額が高いほど、鑑定費用も高くなるケースが多いです。
不動産評価額に応じた鑑定費用の相場は、以下のようになるとされます。
不動産評価額 | 鑑定費用 |
---|---|
〜1,000万円 | 約20万円 |
1,000万円~5,000万円 | 約25万~30万円 |
5,000万円~1億円 | 約30万~40万円 |
ちなみに法的効力をもたない「簡易鑑定」の場合、上述した鑑定費用より約20〜30%ほど安くなります。
とはいえ、鑑定費用を最低20万円程度に設定している不動産鑑定士が多いようです。
相場として、不動産鑑定士の依頼費用は30万円前後と覚えておくとよいでしょう。
土地の測量に関する相談は「土地家屋調査士」
隣地との境界を確定するなど、土地の測量が必要な場合は「土地家屋調査士」または「測量士」に依頼しましょう。
・土地の売却時、隣地との境界を確定する必要がある場合
・境界杭が古くなり、境界にズレが生じている場合
・手持ちの図面が古いため、あらためて土地を測量したい場合
土地家屋調査士に依頼すると、土地の面積・境界などの物理的な状況を調べた上で「測量図」を作成してもらえます。
土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査・測量して、図面作成や不動産に関する登記をおこなう専門家です。
また「筆界特定」によって、隣地との境界を調査してもらうことも可能です。
境界が確定していないと、購入希望者から敬遠されて、土地が売れにくくなります。
加えて、売却後に境界トラブルが発生した場合、買主から損害賠償請求などを受ける恐れもあるため注意が必要です。
そのため、土地を売る前に「土地家屋調査士」へ相談して、隣地との境界を確定してもらうことをおすすめします。
土地の境界を確定して「測量図」を作成してもらえる
土地家屋調査士に相談すると「測量図」という土地の図面を作成してもらえます。
測量図には3種類あり、それぞれ次のように性質が異なります。
種類 | 説明 |
---|---|
地積測量図 | 分筆や地積更正など、登記を申請する際に提出が必要な図面 |
現況測量図 | 境界標やブロック塀などから、境界と思われる位置を調査・測量した図面 |
確定測量図 | 隣接地所有者や公道所有者と立会いのもと、境界が確定された図面 |
このうち土地売却において必要となるのは正確で信頼性の高い「確定測量図」です。
確定測量図を提示すれば、買主は境界トラブルを心配せずに土地を購入できます。
境界トラブルを抱えている場合は売却前に「確定測量図」を作成して、隣地との境界を確定しておきましょう。
土地売却時の土地家屋調査士への依頼費用は30万円程度
土地売却時の土地家屋調査士への依頼費用は、面積や調査内容によって変動します。
それぞれの調査内容における費用相場は、以下のとおりです。
種類 | 費用相場 |
---|---|
資料調査 | 約3万円 |
事前現地調査 | 約3万円 |
現況測量 | 約10万円 |
境界測量 | 約4万円 |
境界立会い | 約1万円(1ヵ所) |
確定測量 | 約5万円 |
土地売却に必要な確定測量まで依頼すると、約30万円はかかるケースが多いです。
加えて、土地の面積が広い場合や境界の確定が必要な場合、さらに依頼費用が高くなってしまうケースもあります。
場合によっては、調査費用の一部を買主や隣地所有者に負担してもらうことも視野に入れておくとよいでしょう。
参照:「測量費用の相場はどれくらい?」(アガルート土地家屋調査士法人)
土地の税金や確定申告に関する相談は「税理士」
土地売却時に必要となる確定申告や税金の種類・金額がわからない場合は「税理士」へ相談しましょう。
・土地の売却後、確定申告する必要がある場合
・土地売却時の印紙税・登録免許税を知りたい場合
土地売却では、印紙税・住民税・譲渡所得税などの税金がかかりますが「いつ・どの税金をいくら負担すればよいのか?」がわからない人も少なくありません。
そうした場合、税理士に相談すれば、土地売却での利益や、必要となる税金の種類・金額を算出してもらえるので安心です。
また土地売却で利益が出た場合、翌年に「確定申告」をする必要があります。
個人ではむずかしい確定申告も、税理士のアドバイスを受けながら手続きすれば、スムーズに確定申告を終えられます。
土地売却時の「譲渡所得税」などを計算してもらえる
土地売却時に税理士へ相談すると、次のようなメリットが得られます。
- 土地売却時にかかる税金の金額を算出してもらえる
- 土地売却時の確定申告を代行してもらえる
税理士に相談すれば、土地売却時の複雑な「譲渡所得税」も計算してもらえます。
土地売却で得た利益「譲渡所得」に対して課税される、所得税と住民税の総称です。
この「譲渡所得税」ですが、自分で計算するのは大変面倒で、計算ミスも起こりやすいため、基本的にはおすすめしません。
また、確定申告も郵送などを利用して、自分でも手続きできますが、税理士に依頼したほうが間違いもなくスムーズです。
もしも税理士へ確定申告を依頼する場合、スムーズに手続きできるように以下の必要書類を用意しておきましょう。
- 土地の登記簿謄本
- 土地売却の売買契約書
- 土地取得時の仲介手数料などの領収証
- 土地取得にかかった費用の領収証
- 土地売却時の仲介手数料などの領収証
- 土地の全部事項証明書
- 売却後の土地の全部事項証明書
土地売却時の税理士への依頼費用は15万円程度
土地売却時の確定申告における税理士への依頼費用は、土地の売却益に比例します。
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、それぞれの税理士への依頼費用は以下が目安となります。
種類 | 費用相場 |
---|---|
青色申告 | 約5〜15万円(簡単なもの) |
約10〜25万円(複雑なもの) | |
白色申告 | 約5万円(簡単なもの) |
約10万円(複雑なもの) |
ただし、土地売却時の確定申告は添付書類が異なるため、税理士への依頼費用も通常の確定申告とは異なります。
例えば、土地の売利益が1,000〜3,000万円の場合、税理士への依頼費用は平均15万円程度が相場になります。
土地の登記に関する相談は「司法書士」
土地売却で必要となる登記手続きを専門家に任せたい場合などは「司法書士」へ相談しましょう。
・土地売却の登記手続きを第三者に任せたい場合
・訴額140万円以下の裁判に出廷してもらいたい場合
土地売却では「所有権移転登記」などの登記が必要になりますが「どんな登記が必要で、どの必要書類をどこへ提出すればよいのか?」を知らない人も多いでしょう。
そうした場合、司法書士に相談すれば、指示された必要書類を提出するだけで、登記手続きをすべて代行してもらえます。
個人ではむずかしい登記手続きも、専門家である司法書士に任せれば、手間なくスムーズに終えられるのです。
土地売却時の「所有権移転登記」などを代行してもらえる
司法書士へ依頼すれば、土地売却時に必要となる「所有権移転登記」といった登記を代行してもらえます。
例えば、自分で「所有権移転登記」をおこなう場合、登記申請書を作成して法務局に提出しなければなりません。
しかし、売主自身で複雑な手続きをせずに、土地売却を済ませることができます。
ちなみに「所有権移転登記」を司法書士へ依頼する場合、以下の必要書類を用意しておくとスムーズに手続きできるでしょう。
- 運転免許証やマイナンバーカード
- 印鑑証明書および実印
- 登記済権利証または登記識別情報
- 土地の固定資産評価証明書
- 住民票の写し
- 土地の売買契約書
また、訴額が140万円以下の場合は訴訟代理権も認められているので、低額の裁判なら司法書士に依頼することもできます。
ただし、土地売却をめぐる裁判では訴額が140万円を超えるケースも多いため、そうした場合は弁護士への依頼が必要です。
土地売却時の司法書士への依頼費用は3万円程度
土地売却時における司法書士への依頼費用に具体的な相場はありません。
なぜなら、報酬金額は司法書士が自由に決定できるので、依頼費用は土地売却のケースごとに異なるからです。
とはいえ、依頼する登記の種類によって、ある程度の費用相場は決まっています。
種類 | 費用相場 |
---|---|
所有権移転登記 | 4〜6万円程度 |
抵当権抹消登記 | 1〜3万円程度 |
土地売却時の司法書士への依頼費用は、平均すると約3万円前後が相場になります。
ちなみに、日本司法書士会連合会のサイトに都道府県ごとの平均報酬金額が掲載されているので、参考にするとよいでしょう。
トラブル全般の相談は「弁護士」
土地売却について第三者と法律トラブルが起きたら「弁護士」へ相談しましょう。
・売りたい土地の境界について、隣地所有者と対立している
・売りたい土地の名義を巡って、他共有者と揉めている
・売却した土地で土壌汚染などが発覚して、買主と揉めている
法律トラブルを抱えた土地を売却すると、第三者から損害賠償請求などを受ける恐れもあるため、注意しなければなりません。
そのため、土地を売る前に「弁護士」へ相談して、法律トラブルを解決してから、安全に売却することをおすすめします。
土地の境界や共有名義のトラブルを解決してもらえる
土地売却のトラブルを弁護士に相談すると、次のようなメリットが得られます。
- 隣地所有者との境界トラブルの和解交渉を代行してもらえる
- 共有名義の土地を売る際、反対する他共有者を説得してもらえる
- 相続や離婚時の土地売却について、各自の取り分を交渉してもらえる
土地売却時によくある境界や共有名義に関する問題も、弁護士が相手方と交渉して、トラブル解決へ導いてもらえます。
司法書士なども法律の専門家ですが、トラブル内容によっては、弁護士にしか対応できない案件もあります。
トラブルを解決したい場合、司法書士ではなく、はじめから弁護士に依頼したほうが早く・確実に解決できるでしょう。
土地売却時の弁護士への依頼費用は約30万円以上
土地売却をめぐるトラブルを弁護士へ相談する場合、以下の費用がかかります。
種類 | 説明 | 費用相場 |
---|---|---|
相談料 | 法律相談をおこなう際の費用 | 5,000円~1万円 (1時間あたり) |
着手金 | 弁護士への依頼時に支払う費用 | 訴額の約2~8% (最低10万円程度) |
報酬金 | トラブル解決時に支払う費用 | 訴額の約4~16% (最低20万円程度) |
手数料 | 書類作成などの依頼時に支払う費用 | 5~20万円 |
依頼費用の金額は弁護士事務所によって異なりますが、相場として約30万円以上はかかると見込んでおきましょう。
法律相談は事務所に出向いて、弁護士と面談する方法が一般的ですが、近年メールや電話で相談できる弁護士も増えています。
また、相談料について初回無料としている弁護士も多いので、まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。
まとめ
買主との交渉・税金の計算・法律トラブルの解決なども含めると、基本的に自分1人で土地売却をおこなうことは困難です。
そのため、土地売却で困ったときは速やかに専門家へ相談するとよいでしょう。
とはいえ、専門家にも得意分野があるので、問題解決するには自分の悩みにあった専門家へ相談しなければなりません。
そこで相談先で迷ったら、まずは「不動産業者」へ相談することをおすすめします。
とくに専門家と連携した不動産業者なら、土地売却の悩みをほとんど解決できるので、遠慮せずに相談してみましょう。
土地売却時の相談先について関するよくある質問
「不動産業者」をはじめ「不動産鑑定士」や「土地家屋調査士」などへ相談できます。他にも「税理士」や「司法書士」に加えて「弁護士」にも相談可能です。
基本はケースバイケースですが、不動産業者の仲介手数料は上限が決められています。また不動産鑑定士と土地家屋調査士の依頼費用は30万円程度、税理士の依頼費用は15万円程度、司法書士の依頼費用は3万円程度、弁護士の依頼費用は約30万円以上といわれています。
土地などを売却する場合、まずは「不動産業者」へ相談しましょう。また、適正価格を知りたい場合は「不動産鑑定士」へ、測量が必要な場合は「土地家屋調査士」に相談します。税金や確定申告がわからない場合は「税理士」へ、登記を任せたい場合は「司法書士」にも相談できます。もしトラブルが発生した場合は「弁護士」に相談するとよいでしょう。
どの専門家も、査定や初回相談は無料で対応していることがほとんです。不安であれば、費用について相談前に確認しておきましょう。
複数の不動産会社を比較し、相性の良さそうな業者を見つけましょう。オンラインの一括査定なら、土地を高く評価してくれる不動産業者を手軽に調べられるのでおすすめです。→【無料で価格がわかる!】不動産のオンライン一括査定はこちら