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土地は「売る」と「貸す」どっちが得?それぞれの収益性とコストを比較

「相続によって取得したものの、特に使い道がない。」「売却したほうがよいのか、それとも貸したほうがよいのか判断できない」

弊社が日々現場でご相談をお受けするなかで、このようなケースは決して珍しいものではありません。土地は立地や広さ、周辺環境によって向いている活用方法が異なります。「売却と賃貸のどちらが得か」という問いに対して、一律の正解はありません。

土地の活用方法について検討する際は「お金を得るタイミング」や「売却・賃貸のメリット・デメリット」という観点で検討するのが有効です。

売却と賃貸の比較表
比較項目 売却 賃貸
お金を得るタイミング 転居・進学・結婚・相続整理などで、早めにまとまった現金が必要な場合に向いている 今すぐ大金は不要で、将来に備えて安定収入を確保したい場合に向いている
メリット ・一度にまとまった資金を得られる
・固定資産税や維持管理の負担がなくなる
・土地の管理や活用方法を考える必要がなくなる
・土地を手放さずに収入を得られる
・長期的な収益を期待できる
・将来的に売却や自己利用を検討できる
デメリット ・売却後は土地を活用できなくなる
・市場状況によっては希望価格で売れない場合がある
・譲渡所得税などの税負担が発生することがある
・固定資産税などの維持費が継続する
・借り手が見つからない可能性がある
・契約内容によっては土地活用の自由度が制限される

たとえば、使っていない土地の管理負担や税負担から解放されたい場合は、売却する方法が適しています。一方、土地を活用して継続的な収入を得たい場合は賃貸が有力な選択肢となるでしょう。

ただし、ここで注意すべきなのが「全ての土地が売却・賃貸できるわけではない」ということです。土地によって形状やサイズ、立地、状態などが異なります。中には「貸し出して地代を得たいけれど、なかなか借り手が見つからない」という土地もあるでしょう。

重要なのは「自分の土地はどちらの方法が向いているのか」という視点で考えることです。

まずは不動産会社に相談し、自分の土地が「売却向きなのか」「賃貸向きなのか」、またどの程度の需要や収益が見込めるのかを確認するのが現実的な手段です。

本記事では、こうした現場での実務経験を踏まえ、使っていない土地を放置することによるリスクを整理したうえで、売却・賃貸それぞれのメリットと注意点、さらに目的別の判断基準について分かりやすく解説していきます。

「現在のご自身の状況にとって、どの選択がより合理的なのか」を検討するための一つの判断材料として、ぜひ最後までご覧ください。

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使わない土地は「売る」か「貸す」かしたほうが良い理由

親族から相続した土地を取得したものの、所在地が遠方であることなどを理由に、十分な管理や活用ができないまま放置しているケースは少なくありません。

利用していない土地については、売却して早期に現金化する、あるいは賃貸に出して継続的な収入を得る方法があります。土地を資産として活かすという観点では、いずれも有効な選択肢です。

一方で、所有しているにもかかわらず、特段の対策を講じないまま土地を放置していると、実務上は次のようなリスクが生じるおそれがあります。

リスク 概要 さらに放置した場合
固定資産税の負担 土地を所有している限り、毎年固定資産税の支払いが発生する 収益を生まない土地が、継続的に家計を圧迫する「負の財産」になる
管理不足によるトラブル 雑草や不法投棄が発生し、近隣住民とのトラブルにつながりやすい 苦情・火災リスク・管理責任を問われ、損害賠償請求を受ける可能性がある
売却・賃貸が困難に 時間が経つほど境界問題や老朽化が進み、手放しにくくなる 解体・伐採費用の増加や売却価格の下落につながる

弊社にも「住む予定がないのに固定資産税や管理費だけがかかり続けており、活用方法に困っている」といったお悩みのご相談は少なくありません。利用予定のない土地ほど、早い段階で売却や賃貸などの活用方針を検討することが重要です。

土地を所有していると税金がかかる

土地を所有している以上、利用の有無にかかわらず、毎年固定資産税が課税される点は避けられません。固定資産税の税額は、原則として「固定資産税評価額 × 1.4%」を基準に算定されます。

たとえば、固定資産税評価額が1,000万円の土地であれば、年間でおおよそ14万円の固定資産税が発生する計算になります。

さらに、その土地が市街化区域内に所在している場合には、固定資産税に加えて都市計画税も課税されます。都市計画税の税率は条例により定められ、上限は0.3%とされています。

仮に税率が上限まで適用されるケースでは、同じく評価額1,000万円の土地で、年間約3万円の都市計画税が追加で生じることになります。

このように、土地を活用していなくても、保有しているだけで一定の税負担が継続的に発生する点は、あらかじめ理解しておく必要があります。

税金の種類 課税対象 税率 計算方法 年間負担額の目安
(評価額1,000万円の場合)
固定資産税 土地の所有 1.4% 固定資産税評価額 × 1.4% 約14万円/年
都市計画税 市街化区域内の土地 最大0.3% 固定資産税評価額 × 0.3% 約3万円/年

何も使っていないのに維持費だけが発生する状況では、その土地は負の財産になってしまいます。

固定資産税に明確な相場はありませんが、毎年の支払いとなれば、家計の負担になってしまいます。

管理を怠ると近隣トラブルに発展するおそれがある

空き地における実態として、遠方に所在しているなどの理由から管理が行き届かず、放置されてしまうケースが少なくありません。その結果、不法投棄や雑草の繁茂といった問題に発展するケースが増えています。

こうした状態が続くと、景観や衛生面への悪影響から周辺住民より苦情が寄せられ、近隣トラブルへと発展する可能性があります。

また、不法投棄されたゴミや放置された草木は、火災発生のリスクを高める要因にもなります。万が一、管理不十分な状態が原因で火災などが発生した場合、土地所有者としての管理責任を問われ、損害賠償請求を受ける可能性があるため注意が必要です。

放置期間が長引くと「売る・貸す」こと自体が難しくなる場合がある

土地は、一定期間放置していても直ちに大きな損失が発生するわけではないため、対応が後回しにされがちです。しかし実務上は、放置期間が長くなるほど活用や処分のハードルが高くなる傾向があります。

たとえば、境界が不明確な土地をそのまま長期間経過すると、隣地所有者との協議が難航しやすくなります。また、古家や樹木が放置されることで、解体費用や伐採費用が増大し、その結果、売却時の条件が悪化したり、想定より低い価格での取引を余儀なくされることもあります。

このように、土地の放置は短期的には問題がないように見えても、中長期的には活用や処分のハードルを高める要因となり得る点を踏まえておくことが重要です。

土地は放置せず、売却や賃貸による活用を検討することが重要

これまで述べてきたとおり、土地を放置し続けることで管理負担や税負担、将来的なトラブルといったリスクが積み重なっていく可能性があります。

そのため、売却か賃貸のいずれかを選択し、少なくとも「何もせずに保有し続ける状態」は避けることが望ましいといえるでしょう。

売却を選択した場合は、土地を現金化することでまとまった資金を確保できます。得られた資金を預貯金として確保するほか、他の資産へ組み替えて運用するといった柔軟な選択肢も考えられます。

一方、賃貸による活用であれば、定期的な収入を得られる可能性があります。「日常の生活費に充てる」「将来に備えた資金として積み立てる」など、収入の使い道は所有者の状況や目的に応じて検討することができます。

売却・賃貸はいずれも、土地を保有することに伴うリスクを抑えつつ、資産価値を活かすための有効な手段です。ご自身のライフプランや土地の条件を踏まえたうえで、早めに具体的な活用方針を検討していくことが重要です。

「売却」と「賃貸」どちらを選ぶべきか

土地の活用方法として代表的な「売却」と「賃貸」には、それぞれ異なるメリットがある一方で、一定のリスクやコストも伴います。そのため、どちらが適しているかは一概にはいえず、土地の立地や需要、所有者の状況や目的に応じた判断が必要となります。

実務上も「固定資産税の負担から解放されたいので売却したい」という方がいる一方で、「将来的な収入源として活用したいので賃貸を検討したい」という方もおり、選択理由はさまざまです。

本章では、「資金を得るタイミング」や「想定されるリスク・コスト」といった観点から、売却と賃貸の特徴を比較し、どのようなケースでどちらが選択肢となりやすいのかを整理していきます。

ご自身の土地やライフプランに照らし合わせながら、判断の参考として読み進めてみてください。

比較項目 売却 賃貸
お金を得るタイミングで決める 転居・進学・結婚・相続整理などで、早めにまとまった現金が必要な場合 今すぐ大金は不要で、将来に備えて安定収入を確保したい場合
リスクやコストを考えて決める 仲介手数料・税金・解体費用などの初期コストがかかる場合がある。

コストを差し引いた結果、想定より手元資金が少なくなる可能性がある。

早期の現金化や管理負担をなくしたい人に向いている。
固定資産税や所得税などの税負担が継続的に発生する。

借り手がつかず、計画通りの収益にならないリスクがある。

長期運用ができ、収益性を見極められる人に向いている。

どのタイミングでお金を得たいのか

売却か賃貸かを決めるには「どれほどのお金がいつ必要になるのか」が目安として重要です。

所有している土地を使う予定がなく、転居や改築、子どもの進学や結婚など、まとまったお金が必要になる予定がある場合は、売却が選択肢になりやすいでしょう。

売却であれば一度にまとまった資金を確保できるため、その後の資金計画を立てやすくなります。

一方で、今すぐ大きな資金が必要ではなく、将来に備えて安定した収入を確保したいなら、賃貸を検討するのも選択肢のひとつです。ただし、賃貸収入は借り手がいて初めて発生するので、周辺に賃貸需要があるのか事前に確認することが実務においても大切なことです。

仲介と買取の違い(どちらが向くか)

土地の売り方は大きく「仲介」と「買取」に分かれます。仲介は不動産会社が買主を探して売却する方法で、市場価格に近い金額で売却できる可能性があります。一方で、買主が見つかるまで数カ月以上かかるケースもあります。

対して買取は、不動産会社が直接購入する方法です。仲介に比べて売却価格は低くなる傾向がありますが、買主が決まっているので比較的短期間で売却できるのが特徴です。

どちらが向いているかは、スピード・手取り・手間のどれを優先するかによって変わります。

項目 仲介 買取
現金化までのスピード 買主が見つかるまで時間がかかることがある 短期間で現金化しやすい
手間・負担 内覧対応や条件調整などの手間がかかる 手続きがシンプルで手間が少ない
売却価格 市場価格に近い 市場価格より低くなる傾向がある

「いつまでに現金化したいか」「遠方で手間をかけられないか」を基準に考えると、自分に合った売却方法を選びやすくなります。

土地の形状や場所から決める

所有している土地の状況から、売却と賃貸のどちらが適しているのか見当をつけられることもあります。

たとえば、マンションやテナントを建てられないような狭い土地なら、人通りや立地条件によっては自動販売機設置用地として貸し出せる場合があります。

市街地から離れたロードサイドにテナントを建てられるほどの土地を所有しているなら、コンビニエンスストアや資材置場、事業用地として貸し出せる可能性があります。

なお、人口減少が進んでいる地域や利用ニーズが少ない地域では、賃貸需要そのものが見込めないケースもあります。その場合は賃貸にこだわるよりも、売却を優先したほうが結果的に負担を減らせることもあります。

土地活用を検討する際は「貸せるかどうか」だけでなく「継続的に借り手が見込めるか」という視点で判断することが重要です。

リスクやコストを考えて決める

売却と賃貸にはそれぞれ異なるコストやリスクがあるため、総合的に比較したうえで判断することが大切です。

土地を売却すると不動産会社などへの手数料が必要だったり、売却して利益(譲渡所得)が生じた場合には、譲渡所得税等が課税されることがあります。

また、所有していた土地に誰も住んでいない老朽化した古家が建っていると、買主の意向や土地の状況によっては、解体して更地化を求められる場合があります。売却代金を受け取れても、手数料や税金、解体費用など売却にかかったコストを差し引くと、あまり手もとに現金が残らないというケースも珍しくありません。

売却を進める際は売却価格だけではなく、最終的にいくら手元に残るのか信頼のできる不動産会社と相談しながら進めるのが成功のカギになるでしょう。

一方、賃貸には不動産所得に税金がかかったり、貸した土地を自由にできなくなったりするのがデメリットです。中でも注意したいのが「収益シミュレーションどおりに運用できないリスク」です。

土地の条件によっては数年間借り手が見つからず、固定資産税だけを負担し続ける可能性もあります。賃貸活用を検討する場合は、事前に周辺エリアの需要や賃料相場を調査し、現実的な収支計画を立てることが重要です。

土地売却の基礎知識

土地を売るか貸すか、どちらがよいのか判断するためには、それぞれのメリットやリスク・コストを押さえておく必要があります。

この項目では、基礎知識として以下の項目について解説します。

  • 土地売却の流れ
  • 土地売却のメリット
  • 土地売却のコストとリスク

土地の売却は単に査定を依頼して終わるものではなく、境界や権利関係の確認など事前準備が売却価格や売却期間に影響することも少なくありません。

特に相続した土地の場合は、所有者自身が土地の状況を十分に把握していないケースもあるため、まずは現状を整理したうえで売却を進めることが重要です。

売却の流れ

土地の売却の流れを簡単に説明すると、以下のようになります。

  1. 土地情報の確認
  2. 査定
  3. 媒介契約
  4. 売り出し
  5. 売買契約
  6. 引き渡し

売却する土地の不動産登記簿(または登記事項証明書)をもとに、土地の住所(地番)や面積などを確認しておきます。

また、土地の境界線が確定していない場合は、必要に応じて土地家屋調査士(または提携する測量会社)に依頼し、境界線を確定させておきましょう。境界が不明確なままでは、売却活動が長引いたり、買主との契約条件に影響したりすることがあります。

その後、不動産会社へ査定を依頼し、売却価格の目安を出します。

査定結果や担当者の対応を比較したうえで、信頼できると思える業者と媒介契約を結び、売り出しを開始します。

不動産会社は広告を作って宣伝したり、土地の購入希望者への見学対応をしたりと、売主に代わってさまざまな販売活動をします。

購入希望者が現れると、売主との間で交渉を行い、合意が得られれば売買契約を結んで取引が成立します。

後日、決済をし売却した土地を買主に引き渡して取引は終了です。

売却前に最低限チェックしておきたい4項目

売却をスムーズに進めるために、査定を依頼する前後で次の点は押さえておくと安心です。

チェック項目 確認内容 注意点・影響
境界の状況 境界標の有無、測量図の有無を確認する 境界が不明確な場合、測量が必要となり売却まで時間や費用がかかる
接道・道路種別 建築基準法上の道路に接しているかを確認する 再建築不可となる場合、土地の評価や売却価格に大きく影響する
権利関係 共有名義・抵当権・借地権などの有無を確認する 権利関係が複雑だと、買主が見つかりにくく手続きも煩雑になる
土地の状態 古家・残置物・樹木・擁壁などの有無を確認する 撤去や補修が必要な場合、売却前に追加費用が発生する可能性がある

これらは「売れる・売れない」以前に、売却条件や費用負担を左右するポイントです。

土地売却のメリット

土地の売却には以下のようなメリットがあります。

  • 一度にまとまったお金が手に入る
  • 固定資産税の支払いがなくなる
  • 管理の手間がなくなる

以下の項目から、それぞれのメリットを具体的に見ていきましょう。

一度にまとまったお金が手に入る

土地を売却することで得られる一番のメリットは、一度にまとまったお金を確保できることです。

所有する土地の場所や面積によりますが、売却代金が数百万、数千万になることもあります。

特に現在使っていない土地を所有しているなら、売却して得たお金を使い、今の住まいの改築や子どもの教育資金などに充てられます。

弊社にも「相続した土地を使う予定がないにもかかわらず、固定資産税だけを払い続けているため売却を検討している」という経緯で相談に訪れる方は少なくありません。

固定資産税の支払いがなくなる

使っていない土地でも、所有している限り固定資産税や都市計画税などの負担が発生します。土地を売却すれば継続的な税負担から解放されます。

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。なお、不動産売買では実務上、引渡日を基準として売主・買主間で日割り精算するのが一般的です。

土地の立地や評価額によっては、年間数万円から数十万円の税負担になるケースもあります。土地を売却することで今後の処置について悩むこともなくなり、継続的な固定費も削減できるのが魅力です。

管理の手間がなくなる

先ほど述べたように、使っていない土地を放置しておくと、その土地の近隣住民とトラブルになるリスクがあります。そのため、利用していない土地だったとしても、定期的に足を運んで清掃・管理をする必要があります。

特に土地が遠方にある場合、草刈りや現地確認のために交通費や時間がかかります。実務上、土地の管理を怠る理由として「現地まで行くのが大変」というケースは珍しくありません。

実際、弊社には「管理のためだけに年数回帰省している」「高齢になり管理が難しくなった」という経緯で売却のご相談に訪れる方もいらっしゃいます。

土地そのものを売却すれば、そうしたわずらわしい手間からも解放されます。

土地売却のコストとリスク

土地を売却するとまとまったお金が手に入ります。一方で「なかなか売却できない」「売却にかかる費用・税金を支払う必要がある」などのリスクも存在します。

土地売却のコストとリスクについて、以下の観点で詳しく解説します。

  • 売却相場と売るタイミングに注意が必要
  • 土地を売ると手数料・税金が発生する

売却相場と売るタイミングに注意が必要

価格査定をしてもらうことで、おおよその相場はわかりますが、相場はあくまでも相場です。その価格で確実に売れるわけではありません。

査定して出してもらった価格で売り出しても、買い手がつかなければ売れ残ってしまいます。土地の需要は一定しておらず、売る時期によって価格に大きな開きがあることも珍しくありません。

また、価格交渉の過程で、買い手から値引きを要求されることもあります。値引きについて必ず応じる必要はありませんが、売却を急いでいる場合や長期間売れ残っている場合は、価格を下げて成約を目指すことも選択肢のひとつとなります。

土地を所有している間は、固定資産税や都市計画税などの税金や、除草・管理にかかる費用が継続的に発生します。そのため、売却価格だけでなく維持費や管理負担も踏まえながら、適切なタイミングで売却を検討することが大切です。

土地を売ると手数料・税金が発生する

土地を売却する際には、売買が成立したことによって発生する費用や、手続きを進めるうえで必要となる税金があります。

あらかじめどのようなコストが、どのタイミングでかかるのかを把握しておかないと、「思ったより手元にお金が残らなかった」という事態になりかねません。

費用・税金の種類 内容 金額の目安 発生タイミング
仲介手数料 不動産会社に売却を仲介してもらった際に支払う報酬 (売買価格 × 3% + 6万円)+ 消費税

※400万円超の場合
売買契約時および引渡時
抵当権抹消費用 住宅ローンなどの抵当権を外すための登記手続き費用 登録免許税:不動産1件につき1,000円

司法書士報酬:1〜3万円程度
決済・引き渡し前後
印紙税 売買契約書に貼付する印紙代 契約金額に応じて1万円〜数万円程度 売買契約締結時
譲渡所得税・住民税 売却によって利益(譲渡所得)が出た場合に課税される 長期譲渡(5年超):約20%

短期譲渡(5年以下):約39%
売却した翌年の確定申告

このように、土地の売却価格だけでなく仲介手数料や各種税金を差し引いた「実際の手取り額」を意識することが重要です。実務上「査定額だけを見ていたが、解体費や測量費、税金などを考慮すると想定より手元に残る金額が少なかった」というケースは少なくありません。

特に譲渡所得税は金額が大きくなりやすいため、事前にシミュレーションを行い、信頼できる不動産会社や税理士に相談しながら進めることが、失敗を防ぐポイントといえるでしょう。

土地を貸す際の基礎知識

前の項目では、土地を売却する際の基礎知識を説明しました。

この項目からは、土地を貸す際の基礎知識を紹介します。

  • 土地を賃貸に出す方法
  • 土地を貸すことで得られるメリット
  • 土地を貸すコストとリスク

土地の賃貸は、売却と異なり土地を手放さずに収益化を目指せる方法です。ただし、立地や需要によって収益性が大きく左右されるため、事前に特徴を理解しておくことが重要です。

以下の項目から、詳しく見てみましょう。

賃貸の方法は2つ

ひとくちに「賃貸」と言っても、2つのパターンに大きく分かれます。

「土地だけを貸す方法」と「土地の上に建物を建てて貸す方法」です。

以下の項目から、それぞれの方法を見ていきましょう。

土地だけを貸す

土地を更地の状態で第三者に貸し出す方法です。

借主が土地を借りる目的としては、一戸建て住宅やマンション、テナントなどを建てて活用するケースが一般的です。

この場合、土地の上に建っている建造物は借主の持ち物であり、土地所有者は地代収入を得ます。

また、土地の状態に少し手を加え、駐車場として車の所有者に貸すケースもあります。駐車場経営は比較的少ない初期投資で始めやすく、狭小地でも活用できるケースがあります。

ただし、実務上は「貸せば必ず借主が見つかる」というわけではありません。周辺に需要がなければ収益化が難しいため、事前に市場調査を行うことが重要です。

土地の上に建物を建てて貸す

土地の所有者自身がマンションやビルなどを建てて貸す方法です。

この場合、土地だけでなく建物ともに土地の所有者の持ち物になります。

賃貸住宅経営として一般的な活用方法ですが、建築費や修繕費などの初期投資・維持費が必要になります。一方で、入居者が安定して確保できれば、長期的な家賃収入を得られる可能性があります。

土地を貸すメリット

土地を貸すメリットとして、以下のような点が挙げられます。

  • 継続的な収入を得られる可能性がある
  • 税金が安くなることがある

次の項目からメリットを順番に見ていきましょう。

継続的な収入を得られる可能性がある

賃貸のメリットは、定期的に借地料を得られることです。

とくに、土地だけを貸す場合は、土地の所有者側に建物建築費などの大きな初期投資は通常不要です。土地を手放さずに収益化できるのは大きなメリットといえるでしょう。

ただし、借主が見つからなければ収入は発生しません。弊社にも「土地の貸し出しを検討していたが、借り手が見つからず売却しようか迷っている」という相談を伺うことがあります。

賃貸活用を検討する際は、周辺エリアの需要や賃料相場を事前に確認することが重要です。

また、土地を所有している限り固定資産税や都市計画税、管理費などの負担は継続します。借地料からこれらの費用を差し引くと、想定していたほど収益が残らないケースもあるため、事前に収支を確認しておきましょう。

税金が安くなることがある

所有する土地を貸し出すと、節税につながることがあります。

まず、住宅用として貸した土地(土地の上に自身で住宅を建てて貸す場合も含む)は「小規模住宅用地の特例」によって固定資産税・都市計画税が減額されます。

住宅用の土地のうち、1戸あたり200㎡までの部分は「小規模住宅用地」とよばれ、この部分に相当する土地の固定資産税は課税標準額の約1/6、都市計画税は課税標準額の約1/3になります。

マンションやアパートなら、その戸数×200㎡に当たる面積にこの特例が適用されます。

さらに、相続したときに課せられる相続税についても、住宅はもちろん、駐車場などとして賃貸していた土地も「貸付事業用宅地等の特例」が適用される可能性があります。

ただし、特例の適用には細かな要件が定められているため、実際に適用できるかどうかは税理士などの専門家へ確認することが大切です。

土地を貸すときのコストとリスク

土地を貸すことで「継続的な収入を得られる」「税金が安くなる」などのメリットがあります。一方、賃貸には初期費用や税負担、契約上の制約などのリスクもあります。

収入面だけを見るのではなく、発生するコストや将来的な制約も踏まえて検討することが重要です。

貸す前に発生しやすい初期費用にも注意

賃貸は「貸せばすぐに家賃収入が入る」と思われがちですが、実務上は貸し出し前に一定の初期費用が発生するケースが少なくありません。

土地の状態や貸し方によっては、想定外の出費がかさむこともあります。

費用項目 内容 金額の目安 発生タイミング
整地・造成費用 土地を平らにし、利用しやすい状態に整える工事 数万円〜数十万円 貸し出し前
砂利敷き・舗装費用 駐車場や簡易利用向けに地面を整備する 10万円〜50万円程度 貸し出し前
フェンス・囲い設置 境界明示や安全確保のための設置工事 10万円〜30万円程度 貸し出し前
残置物・樹木撤去 古家、不要物、樹木などの撤去 数万円〜100万円超 貸し出し前
募集・広告費用 看板設置や募集広告の掲載費用 数万円程度 募集開始時
管理委託費(任意) 管理会社に業務を委託する場合の費用 賃料の5〜10%程度 運用開始後

このように、賃貸では初期費用が先行して発生するため、想定収入だけで判断すると「思ったほど利益が残らない」ケースもあります。

土地を月極駐車場として貸し出すケースについて考えてみましょう。

仮に10台分の月極駐車場を整備し、1台あたり月額1万5,000円で貸し出すとします。すると、満車時の年間収入は180万円です。しかし、整地や舗装などの初期費用として50万円、固定資産税や管理費などで年間30万円がかかるとします。

また、駐車場が常時満車になるわけではありません。空車率を10%と仮定すると、実際の年間収入は約162万円となり、初年度の手残りは約82万円になります。

上記はあくまで一例ですが、貸し出しを検討する際は初期費用と運用時の手間・管理負担をセットで見積もり、自分に合った運用方法かどうかを見極めることが重要です。

弊社が土地の売却や活用に関するご相談をいただく際も「想定していたより整地費用が高額だった」「貸し出し前の準備費用が予想以上にかかった」といったケースは少なくありません。

地代収入にも税金がかかる可能性がある

土地を貸すことで地代収入を得られますが、地代収入はそのまま全額が手元に残るわけではありません。地代収入から必要経費を差し引いた金額は、不動産所得として所得税や住民税の課税対象になります。

税金の種類 課税対象 税率・金額の目安 発生タイミング
所得税 地代収入 − 必要経費
(固定資産税・管理費など)
課税所得に応じて5%〜45%

※他の所得と合算される
翌年の確定申告時
住民税 不動産所得 一律10%程度 翌年6月以降
固定資産税 土地の所有 原則として固定資産税評価額 × 1.4%

※利用の有無に関係なく発生
毎年

このように、地代収入には所得税・住民税が課税されるほか、土地を所有している限り固定資産税の負担も続きます。

賃貸を検討する際は、「地代収入 − 税金 − 維持費」で実際にいくら残るのかを事前に把握しておくことが重要です。

賃貸借契約を結ぶと土地を自由にできなくなる

土地を貸して賃貸借契約を結ぶと、所有者であっても自由に土地を利用できなくなります。なぜなら、借主には「借地権」があるからです。借地権には「普通借地権」と「定期借地権」があり、それぞれ契約期間や更新の有無が異なります。

普通借地権は、建物を所有する目的で他人の土地を借りる権利を指します。更新が前提となるケースが多く、長期間にわたって土地を返還してもらえない可能性があります。

一方、定期借地権は土地を一定期間だけ貸し、契約期間が満了したら原則として土地を返してもらうことを前提とした借地権です。定期借地権はさらに「一般定期借地権」「建物譲渡特約付借地権」「事業用定期借地権」の3つに分かれています。中でも、住宅や商業施設など幅広い用途に利用できる「一般定期借地権」が代表的な借地権といえます。

普通借地権と定期借地権には契約期間、更新の有無などに違いがあります。普通借地権の契約期間は、初回契約だと30年以上(期間の合意がある場合は30年)、一般定期借地権は契約期間50年以上となっていて、一度契約を結ぶと長期にわたります。

まとめ

土地を使わずに所有しているだけの状態では、税金の支払いや管理負担が継続的に発生します。

一方で、売却や賃貸によって土地を活用できれば、資産価値を活かしながら収益化や現金化を図ることが可能です。売却と賃貸にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、土地の立地や需要、将来のライフプランなどを踏まえて選択しましょう。

実際には、土地によって「売却に向いているケース」と「賃貸に向いているケース」があります。まずは土地の相場や賃貸需要を把握し、それぞれの選択肢を比較したうえで、自分に合った活用方法を検討するとよいでしょう。

土地売却に関するコラムはこちら

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    更新日 : 2025年11月07日
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