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築60年の一戸建てを売却したい!売れる理由や流れなどを解説

築60年 一戸建て 売却 税金

築60年を超える一戸建てでも、売却することは可能です。ただし、実務上は立地条件や土地の需要、建物の状態などによって売却のしやすさや価格帯が大きく変わります。

特に築古物件は「建物として売れるのか」「土地として売るべきか」によっても適した売却方法が異なるため、物件ごとの状況に応じた判断が重要です。

築60年超の一戸建てについて、売却できる可能性があるケースと売却が難航しやすいケースを以下にまとめました。

項目 売れる可能性がある物件 売却が難航しやすい物件 売れない場合の対応策
立地 立地が良い 過疎地・需要が低い 地域密着型の不動産会社に相談する
土地条件 土地に価値がある 土地条件が悪い 価格調整や古家付き土地として売り出す
再建築の可否 再建築できる 再建築不可物件 再建築不可物件に強い業者へ相談する
建物状態 建物状態が比較的良い 雨漏り・傾き・シロアリ被害がある 必要最低限の修繕や解体を検討する
管理状況 リフォーム・修繕履歴がある 長年放置されている 清掃・残置物撤去を行う
境界 境界確定・測量済み 境界未確定 土地家屋調査士へ測量を依頼する

上記はあくまで一例ですが、築年数が古い物件でも買主ニーズに合わせて売却方法を工夫することで、成約につながるケースはあります。

たとえば、建物の老朽化が進んでいても「再建築可能な土地」であれば、更地として需要が出るケースがあります。また、古民家需要のある地域では、築60年以上の物件でもリフォーム前提で購入されることもあります。

実際に弊社へのご相談でも「古すぎて売れないと思っていたが、土地として需要があった」「仲介では難しかったが、買取業者なら対応可能だった」というケースは少なくありません。

とはいえ「どの方法が適しているのか」を個人で判断するのは難しいのが実情です。まずは現在の状態でどの程度の価格が付くのか、不動産会社へ査定を依頼することから始めるとよいでしょう。

一戸建てを売却する一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. 不動産会社に査定してもらう
  2. 不動産会社と媒介契約を締結する
  3. 売却活動を通して買主を見つける
  4. 買主と売買契約を締結する
  5. 物件を引き渡す

築60年の古い家がどうしても売却できない場合は、買取を視野に入れましょう。買取業者なら、解体やリフォームといった対策は不要でそのまま買い取ってくれる可能性があります。

ちなみに、より良い条件で売却するためには、複数の業者に査定を依頼して比較することが重要です。

当記事では、築60年の一戸建てでも売却を期待できる理由や、その対策について解説していきます。売却の流れや注意点、売却によってかかる税金の節税対策についても解説していくので、築60年の一戸建ての売却を検討している場合は参考にしてみてください。

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築60年の一戸建てでも売却できる理由

築60年の一戸建てであっても、売却できないわけではありません。実際には立地条件や土地の形状、建物の管理状態によっては、築古物件でも十分に買い手が見つかるケースがあります。

特に、築60年前後の戸建ては「建物」ではなく「土地」に価値があると判断されることもあり、売却方法を工夫することで成約につながる可能性があります。

築60年の一戸建ても売却できる理由は以下のとおりです。

  • 「古家付きの土地」として売却すれば買主候補の幅が広がる
  • 解体して土地だけを売れば土地活用しやすくなる
  • リフォームしていれば買主がそのまま住みやすい
  • 不動産会社であれば買い取ってもらえる可能性がある

築60年の一戸建ての売却を検討している方は参考にしてみてください。

「古家付きの土地」として売却すれば買主候補の幅が広がる

不動産の購入を検討している人のなかには、建物だけでなく土地そのものも探している人もいます。そのような人をターゲットとして、土地をメインに「古家付きの土地」として買い手を募ることで、築60年の一戸建ても売却できる可能性はあります。

特に、住宅用地として需要のあるエリアでは「建物は解体前提だが土地が欲しい」というニーズが一定数存在します。古民家の売買に関する実態として「建物価値は期待していないが土地を探している」という買主に成約するケースは珍しくありません。

また、比較的状態のよい一戸建てであれば、住居を探している人に売却できることも考えられます。この場合、物件の解体にかかる手間や費用を省きつつ、築60年の一戸建てを売却することも可能です。

ただし、築60年の建物は建物価値が低く評価されやすく、解体費用も考慮されるため、条件によっては売却まで時間がかかることがあります。また、古家を売却する場合、契約不適合責任(※)を負う可能性もあります。

※不動産売買における契約不適合責任とは、売却した物件に不具合や不備があった場合、その物件の売主が負わなければならない責任のことです。たとえば、売却後に雨漏りや水漏れが見つかった場合、契約内容に応じて修補費用の負担や損害賠償請求などを受ける可能性があります。

特に築古物件では、雨漏りやシロアリ被害、給排水管の不具合などが売却後に発覚するケースもあるため、把握している不具合は事前に伝えておくことが重要です。

古民家の買取における弊社へのご相談でも「古い家だから説明しなくても大丈夫だと思っていた」というケースは少なくありません。築年数が古い物件ほど、事前説明の有無が後々のトラブルに影響しやすい傾向があるので注意しましょう。

解体して土地だけを売れば土地活用しやすくなる

土地のみであればさまざまな用途に活用できるため、建物を解体して土地だけで買い手を募ることで築60年の一戸建ても売却できる可能性はあります。

一戸建ての資産価値は、築年数によって変動します。築年数が経過すればするほど資産価値が下がるのが一般的であるため、築60年の一戸建ての場合、建物自体の資産価値は低いといえます。

実際に、国土交通省が公表する「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」では、築年数が22年を超えた戸建住宅は資産価値が10%程度まで下がる傾向が示されています。

アパート 売却相場

出典:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」

資産価値が低い一戸建ての場合、需要が低く買い手がつかないことも予測されます。そのため、築60年の一戸建てを売却する場合、建物部分は解体して、土地のみで買い手を募ったほうが売却しやすくなる場合があります。

特に状態の悪い一戸建てを所有している場合には、解体したうえでの売却を検討してみてもよいでしょう。

ただし、一戸建ての解体には費用と時間がかかります。あくまで目安ですが、木造の場合は約3〜4万円、鉄骨造は約6〜7万円、鉄筋コンクリート造は約6〜8万円が1坪の解体費用の相場といわれています。

この相場を踏まえて、30坪の一戸建てを想定して解体費用の目安をまとめましたので参考にしてみてください。

  • 木造:90万円~120万円
  • 鉄骨造:180万円〜210万円
  • 鉄筋コンクリート造:180万円〜240万円

なお、アスベストの有無や立地条件、重機搬入の可否などによって費用は大きく変動します。また、更地にすると住宅用地特例が外れ、固定資産税が高くなる可能性もあります。

建物を解体する場合は「売却時期」と「維持コスト」のバランスも踏まえて判断するのが現実的です。

リフォームしていれば買主がそのまま住みやすいから

リフォームや修繕が施されている一戸建てであれば、買い手がそのまま住めるため、修繕されていない物件よりも買い手がつきやすいと考えられます。そのため、リフォームや修繕をした一戸建てであれば、築60年であっても解体不要で売却できる可能性はあります。

とはいえ、築60年の物件は資産価値が低いのが一般的であり、基本的には需要が低く買い手がつきづらいことには変わりません。弊社にも「売却前に数百万円かけてリフォームしたが、売れずに困っている」というお悩みを伺うことがあります。

築60年の一戸建てを売却する場合は、無理にリフォームを行うのではなく、まずは現状のままで査定を受けて必要性を判断するのがおすすめです。

不動産会社であれば買い取ってもらえる可能性がある

一戸建ての売却先は、個人だけでなく不動産会社もあります。築60年の一戸建てを売却する場合、不動産会社に買取を依頼することも1つの手です。

不動産会社に買い取ってもらう場合、買い手を募るための活動が不要なため、比較的早く売却が完了します。また、不動産会社のなかには築古の不動産を専門とする業者もあります。

そのような業者であれば、再建築やリフォーム、土地活用を前提に査定するため、一般の仲介会社では取り扱いが難しい物件でも買取対象になることがあります。

弊社では通常物件に関する買取相談が1万件以上ありますが、中でも築年数の古い一戸建てに関するご相談が多い傾向にあります。建物の状態が悪かったり、築年数が60年以上の古民家だと、対応してくれる不動産会社も限られるのが実情です。

なお、不動産会社に買取を依頼する場合、仲介で売却するよりも売却金額が安くなるのが一般的です。

不動産会社は買い取った物件を解体、建て替え、リフォームを行ったうえで再販売して、利益を出すことを目的としています。そのため、解体などにかかる費用を考慮したうえで、物件の買取価格を設定しています。

あくまで目安ですが、買取依頼をした場合の買取価格は市場価格の5割〜8割程度です。仲介で売却する場合よりも3割〜5割程度価格が安くなることが予測されます。

築60年の一戸建てを不動産会社に買い取ってもらう場合、早期で売却できる代わりに、仲介よりも売却金額が低くなることを踏まえて業者に依頼しましょう。

築60年の一戸建ての売却相場は土地の価値で決まる

国土交通省が公表する「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」にも記載されているように、戸建住宅の場合は築20年を超えると資産価値が大きく低下する傾向が示されています。

築60年の一戸建てだと建物部分の評価が低くなり、土地部分の資産価値で決まるケースが多いと考えられます。特に、木造住宅では築年数が相当経過している場合、建物価値がほぼゼロとして査定されることも珍しくありません。

実務上も、築60年を過ぎる一戸建てが「建物付き」で査定されていても、実際には土地価格から解体費用を差し引いて価格が算出されるケースは多くあります。

また、同じ築60年の物件でも都市部と地方では需要に大きな差があります。特に住宅需要の高いエリアでは「古家付き土地」として一定の需要が残るケースもあります。

弊社へのご相談でも「建物は古いが土地に需要があるため売却できた」というケースは少なくありません。一方で、地方エリアや再建築不可物件では、土地価格自体が伸びにくい傾向があります。

築60年の一戸建てを売却する場合は、建物の状態だけでなく、「土地としてどの程度需要があるか」を踏まえて相場を確認することが重要です。

築60年の一戸建てを売却する際の注意点

築60年の一戸建てを売却する際には、下記の注意点を把握しておきましょう。

  • 測量して境界線を明記する
  • 再建築不可物件ではないか確認する
  • 契約不適合責任への対応を整理しておく

測量して境界線を明記する

築60年の一戸建てを売却する場合、所有する土地の境界線を明確にしておくことが重要です。売却できるのは所有する土地部分のみであり、これを明確にしておかなければ、隣接する土地を所有する人とトラブルが起きる可能性があります。

所有する土地の境界線を明確にするには、土地家屋調査士に測量を依頼するのが一般的で、不動産会社から紹介を受けるケースもあります。測量を依頼して境界確認書や土地測量図を作成してもらうことで、所有する土地部分を明確にできます。

測量は現地作業だけで完了するものではなく、隣地所有者との立会いや役所調査なども必要になる場合があります。そのため、境界確定まで数週間〜数か月程度かかるケースも珍しくありません。

築60年の一戸建ての境界線を明確にする際には、時間に余裕を持って依頼をするようにしましょう。

再建築不可物件ではないか確認する

築60年の一戸建てでは「再建築不可物件」に該当していないか確認することも重要です。

再建築不可物件とは、建築基準法上の接道義務を満たしていないなどの理由により、現在の建物を解体すると新たな建物を建てられない土地のことです。

再建築不可物件の場合、家を建て替えることができないため、買い手が見つかりづらくなることが予想されます。特に、築60年を超える古い物件は、現在の法律における接道条件を満たしていないケースもあり、築古物件の売却相談で問題になることがあります。

また、再建築不可物件と知らずに一戸建てを解体してしまうと、土地部分の利用用途が限られるため、売却が難しくなる点にも注意が必要です。

所有する土地が再建築不可物件かどうかは、事前に不動産会社や土地がある役所の建築関係の部署に相談することで確認しておきましょう。

また、所有している物件が再建築不可物件だと判明した場合でも、売却を諦める必要はありません。弊社に寄せられる相談の中でも「再建築不可物件」に関する相談は累計1,100件を超えており、決して珍しいケースではありません。

一般的な不動産会社だと、こうした「訳あり物件」に対応するのは難しいケースが多いのが実情です。ただし、訳あり物件に関する買取実績が豊富な業者であれば、そのままの状態で買い取ってもらえる可能性があります。

契約不適合責任の対応をする

不動産売買において、物件の売り手は契約不適合責任を負う可能性があります。

契約不適合責任とは、売買した不動産が契約内容に合っていない場合、売り手が負わなければならない責任のことです。

たとえば、契約時には明確にされていなかったシロアリ被害や雨漏りなどが物件の引き渡し後に発覚した場合、売り手は契約不適合責任に問われる場合があります。

特に築60年クラスの一戸建てでは、建物の老朽化がかなり進んでいることも多く、売主自身も把握していない不具合や劣化が後から見つかることは、実務上決して珍しくありません。

そのため、築40年以上の古い物件になると、売主の負担が大きくなりすぎないよう、特約として契約不適合責任を免責とする条件で契約を結ぶのが基本です。

ただし、売主が知っていた不具合を故意に隠していた場合は免責されません。雨漏り歴や修繕歴、設備の故障状況などは、事前に告知書などで状態を正確に伝えることが重要です。

築60年の一戸建てを売却する流れ

築60年の一戸建てを売却する場合、大まかには下記のような流れとなります。

  1. 不動産会社に査定してもらう
  2. 不動産会社と媒介契約を締結する
  3. 売却活動を通して買主を見つける
  4. 買主と売買契約を締結する
  5. 物件を引き渡す

まずは不動産会社に査定をしてもらい、依頼したい業者と媒介契約を結びます。不動産会社に売却活動を行ってもらい、買い手が見つかれば売買契約を締結したうえで物件を引き渡す流れです。

なお、築古物件の場合は一般的な住宅よりも、再建築不可物件の確認や建物の状態、土地需要など確認事項が多くなるケースがほとんどです。売却活動も含めて、ある程度時間に余裕を持って進めることが重要です。

手続きをスムーズに行うためにも、築60年の一戸建てを売却する場合、売却までの流れを把握しておくとよいでしょう。

不動産会社に査定してもらう

築60年の一戸建てにかかわらず不動産を売却する場合、まずは不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。査定のみであれば無料で行ってもらえるのが一般的で、不動産会社によっては依頼した当日のうちに査定が完了します。

ただ、より良い条件で売却するためには、複数の業者に査定を依頼して比較することが重要です。なぜなら、業者によって専門性や、査定の精度、買取金額が異なるため、一社だけの査定を鵜呑みにするのは危険だからです。

実際に弊社へのご相談でも「仲介会社では売却困難と言われたが、別会社では買取提案を受けられた」というケースは少なくありません。

築古物件は不動産会社によって得意・不得意が分かれやすいため、築古や空き家の取り扱い実績がある会社へ相談することが重要です。

良い条件で売却するためにも、複数の業者に査定を依頼しましょう。

不動産会社と媒介契約を締結する

査定によって依頼する不動産会社を決めた後は、その業者との媒介契約の締結が必要です。

媒介契約とは、不動産業者に物件売買の仲介を依頼するための契約のことです。不動産売買において、媒介契約には3種類があります。

種類 内容
一般媒介契約 複数の不動産会社に仲介を依頼できる
専任媒介契約 不動産会社1社に仲介を依頼するが、自分で買い手を探して物件売却も可能
専属専任媒介契約 不動産会社1社のみに仲介を依頼する契約。売買契約は契約した不動産会社を通して行う必要がある。

媒介契約の種類は、仲介を依頼する不動産会社が1社に限られるか、複数社にも依頼できるかによって変わります。複数に依頼したい場合は一般媒介契約、1社のみでもよい場合は専任媒介契約または専属専任媒介契約となります。

また、1社のみに依頼する場合でも、自分で買い手を探せるか否かで媒介契約の種類が変わります。締結する媒介契約の種類は不動産の所有者が決められ、自分の希望にあった種類で媒介契約を締結することが重要です。

なお、媒介契約のメリットやデメリットなどについては、「媒介契約は3種類どれがいい?メリット・デメリットや契約内容の違いを解説」の記事で詳しく解説しています。自分に合った契約種類を見つけたい場合には、参考にしてみてください。

売却活動を通して買主を見つける

媒介契約を締結した後は、一戸建ての買い手を探す売却活動が不動産会社によって行なわれます。基本的には不動産会社が売却活動を行ないますが、売り手が対応するべきこともあります。

  • 内覧の際によい印象を持ってもらうための物件清掃
  • 物件売却までのスケジュール管理
  • 建物の状況を整理して説明できるようにする

一戸建てを売却できるまでには、購入希望者の内覧が行われます。内覧の際に悪い印象を持たれてしまうと買い手が購入に至らないことも考えられるため、事前に可能な限り物件の清掃を行っておくことが重要です。

なお、物件に雨漏りや設備故障などの不具合がある場合は、契約不適合責任に問われるリスクを避けるためにも、事前に把握している不具合を整理しておく必要があります。

また、不動産の売却までには6か月程度かかるのが一般的であるため、一戸建てを売却できるまでのスケジュール管理をしておくことも大切です。築60年の一戸建てを売却する場合、依頼した不動産会社の担当者に売却までの目安を尋ねておき、それをもとにスケジュールを立てておくとよいでしょう。

買主と売買契約を締結する

売却活動によって買い手が見つかった後は、その人との売買契約を締結します。契約の際には売買契約書が不動産会社によって作成され、書類には下記のような内容が記載されています。

  • 登記簿に基づいた売買物件の情報
  • 売買代金、手付金等の額、支払日の記載
  • 売買物件の実測面積と精算について
  • 所有権移転、引渡しや登記の時期
  • 双方の取引書類一覧
  • 特約の有無と詳細
  • 契約を媒介した不動産業者の詳細
  • 買い手・売り手の氏名と捺印

売買契約書には、物件の売買代金や支払日、引き渡し日などが記載されています。不動産売買は契約内容をもとに行われるため、トラブルを避けるためにも買い手と話し合ったうえで各事項を定めておくことが重要です。

とくに、売買代金や手付金の額、支払日などの金銭に関わる事項については、十分に買い手と話し合って定めておきましょう。

物件を引き渡す

売買契約を締結した後は、物件の引き渡しとなります。引き渡しを行なう日は、売買契約が締結する際に売り手と買い手が話し合うことで決定できます。

引き渡し日には買い手から手付金を除く売買代金の支払いが行われ、売り手は鍵と物件の引き渡しが必要です。また、売買した一戸建ては引き渡し日に買い手の所有する物件になるため、それまでに所有権移転の手続きが必要です。

所有権移転の手続きは基本的に物件の買主が行ない、一戸建てのある地域を管轄する法務局で行えます。実務上は買主側が司法書士に依頼し、代理で行うケースが多いです。

所有権移転の手続きの際にはさまざまな書類が必要になるため、築60年の一戸建てを売却する場合、手続き時に必要な書類についても不動産会社の担当者に尋ねておくとよいでしょう。

なお、築60年の一戸建てを高く売りたい場合、「【旧耐震基準の一戸建て・マンションの売却】高く売るための4つのコツ」の記事からコツを確認しておくことも検討してみてください。

築60年の一戸建ての売却にかかる税金と節税方法

不動産を売却する場合、売却によって得られた利益(譲渡所得)に応じて税金が発生します。築60年の一戸建ては建物の評価額が低いケースが多いものの、土地価格の上昇などによって譲渡所得が発生する場合もあります。

とはいえ、利益が出れば税金はかかるため、築60年の一戸建てを売却する場合は発生する税金と節税方法を把握しておくとよいでしょう。

売却益にかかる「譲渡所得税」

譲渡所得税とは、不動産の売却によって得た利益(譲渡所得)に課税される税金のことです。譲渡所得は下記の計算式で算出が可能です。

譲渡所得 = 一戸建ての売却による収入金額ー(取得費+譲渡費用)
参照:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

譲渡所得税は、上記の計算で求めた譲渡所得に税率を掛けて計算されます。譲渡所得が多ければ多いほど譲渡所得税は増えますが、収入金額が取得費や譲渡費用を下回った場合は譲渡損失となり、譲渡所得税は発生しません。

弊社へのご相談でも「親から相続した築60年以上の実家を売却したいが、どのくらい税金がかかるのかわからない」といったご質問をいただくことがあります。

特に相続した不動産では、購入当時の資料が残っておらず取得費が不明なケースも少なくありません。そのような場合には、まず売却価格から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて譲渡所得を計算し、利益がどの程度発生するのかを確認する流れになることをお伝えしています。

譲渡所得税の税率は、不動産を所有している期間によって下記のように変動する仕組みです。

5年以下(短期譲渡所得) 39.63%
5年超(長期譲渡所得) 20.32%
10年超(居住用財産の軽減税率特例適用時) 14.21%

参照元:国税庁「短期譲渡所得の税額の計算」「長期譲渡所得の税額の計算」「マイホームを売ったときの軽減税率の特例

築60年の一戸建ての場合は相続で取得しているケースも多く、所有期間が長期譲渡所得に該当することは珍しくありません。

所有期間が10年を超える物件(居住用財産)だと、一定要件を満たすことで軽減税率の特例が適用されます。その場合、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分について、税率は14.21%となります。

一戸建ての売却にかかる税金の詳細については、税務署に相談することでも調べられます。

ただし、相続物件の場合は「取得費が分からない」というケースも多くあります。その場合、売却価格の5%を概算取得費として計算する扱いになることがあり、譲渡所得税が高額になる可能性もあります。

築60年の一戸建てを売却する場合、取得費も含めて売却によってどの程度の譲渡所得税がかかるのか、事前に調べておくのもよいでしょう。

築60年の一戸建てを売却する際の節税方法

築60年の一戸建てを売却する場合、下記のような節税対策があります。

  • 3000万円の特別控除を利用する
  • 低未利用土地を譲渡した場合の特別控除を利用する

節税対策を講じることで譲渡所得税を0円にできる場合もあります。築60年の一戸建てを売却する場合、これらの節税対策を講じることも検討してみてください。

3000万円の特別控除を利用する

自宅として使用していた一戸建てを売却する際、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が適用される場合があります。この特例が適用されれば、譲渡所得が最大3,000万円まで控除されます。

譲渡所得税は譲渡所得が多ければ多いほど高額になるため、特例が適用されれば大幅な節税にも期待できます。居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例が適用された場合、譲渡所得税は下記の式で算出が可能です。

一戸建ての売却による収入金額ー(取得費+譲渡費用)− 特別控除額(3,000万円)

たとえば、3,000万円で一戸建てを購入し、譲渡費用を100万円かけて4,000万円で売却した場合を想定します。

通常は「4,000万円ー(100万円+3,000万円)=900万円」が譲渡所得となりますが、特例が適用されると以下の式になります。しかし、居住用財産の3,000万円特別控除が適用される場合は「4,000万円ー(100万円+3,000万円)− 3,000万円 = 0円」となり、課税される譲渡所得は発生しません。

このように、特別控除の適用によって譲渡所得が0円になれば、譲渡所得税もかからないことになります。

なお、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例が適用されるのは、下記の要件を満たしている場合です。

  • 「現在住んでいる」または「一定期間内に住まなくなった」自宅を売却した
  • 居住用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却した
  • 家屋を取り壊した日から1年以内にその敷地の売却に関する契約が締結されている(家屋を取り壊したとき)
  • 配偶者等が居住している家屋を売却した(転勤などで単身赴任の場合)
  • 譲渡者の配偶者や親・子など直系の血族や生計を共にする親族に売却していない

参照:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例

ここで注意すべきなのが、上記の特別控除を利用できるのは、基本的に「売主本人が住んでいた家」を売却するケースです。実務上、築60年の物件は「親から相続した実家」であるケースも多く、その場合は上記の条件に該当しません。

しかし諦める必要はありません。親が住んでいた家を相続して売る場合は「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を利用できます。この制度は、一定の要件を満たす相続空き家を売却した際に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できるのが特徴です。

特例を適用するための主な要件は以下の通りです。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • マンションなどの区分所有建物ではないこと
  • 被相続人が亡くなる直前まで一人で居住していたこと
  • 相続から売却までの間、賃貸・事業・居住用として使用していないこと
  • 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却価格が1億円以下であること

参照:国税庁「「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

また、古い建物の場合は耐震基準を満たしていないケースも多いため、「耐震リフォームをして売却する」「建物を解体して更地で売却する」などの対応が必要になることもあります。

なお、令和6年1月1日以降の譲渡については、相続人が3人以上いる場合、特別控除額が2,000万円までに制限される点にも注意が必要です。

3,000万円の特別控除の特例の適用には、さまざまな書類が必要です。築60年の一戸建てを売却する場合、依頼する不動産会社に特例の適用のために必要な書類を尋ねておくとよいでしょう。

低未利用土地を譲渡した場合の特別控除を利用する

築60年の一戸建てを売却する場合、売却価格が500万円以下(一定区域では800万円以下)であれば「低未利用土地を譲渡した場合の特別控除」が適用されるケースがあります。この特例が適用されれば、譲渡所得から100万円までの金額が控除されます。

低未利用土地とは、何の用途にも利用されていない、もしくは利用の程度が周辺地域のなかで劣っている土地のことです。築60年の一戸建てにおいては、居住や事業などに使われていない、またはほぼ使っていない空き家同等の物件が該当し得ます。

低未利用土地を譲渡した場合の特別控除を利用するには、下記の要件を満たしている必要があります。

  • 都市計画区域内にある低未利用土地等であること
  • 売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていること
  • 家族など「特別の関係がある人」に売ったものでないこと
  • 売却後に売った土地が利用されること
  • 前年または前々年にこの特例の適用を受けていないこと
  • 売った土地について、他の譲渡所得の特例を利用していないこと

参考:国税庁「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

低未利用土地を譲渡した場合の特別控除の申請先は、所有している土地を管轄する税務署です。特別控除に関する相談も可能なため、築60年の一戸建てを売却する場合、この特例を利用できるかどうかを税務署に相談してみるのもよいでしょう。

築60年の一戸建てが売却できない場合の対処法

築60年の一戸建ては新築の物件に比べて、需要が低く売れづらい物件といえます。場合によっては、売却活動をしても買い手が見つからないことも考えられるため、築60年の一戸建てが売却できない場合の対処法を講じておくことも重要です。

  • 建物を解体する
  • 建物をリフォームする

築60年の一戸建てを売却する場合、売却活動が上手くいかなかった時のためにこれらの対処法も把握しておくとよいでしょう。

建物を解体する

前述したように、築60年の一戸建ては建物価値がほぼ評価されないケースも少なくありません。一方で、エリアや条件によっては土地としての需要が見込める場合もあるため、建物を解体することも1つの手です。

建物を解体するメリットとしては、「土地として売り出しや貸し出しができる」「税金や維持管理費といった建物部分のコストを削減できる」といった点が挙げられます。

一方、解体にはある程度の費用がかかるデメリットもあります。木造の場合は約4〜5万円、鉄骨造は約6〜7万円、鉄筋コンクリート造は約6〜8万円が1坪の解体費用の相場といわれています。

また、解体をすると固定資産税の特例措置を受けられなくなるため、今以上に税金が高くなるのが一般的です。

場合によっては固定資産税が数倍になることもあるため、築60年の一戸建てを解体する場合、解体する場合のコストとしない場合のコストを比較検討しておくようにしましょう。

実務上のテクニックとして、先に更地にするのではなく「古家付き土地(解体更地渡し)」という条件で売り出す方法があります。これは、買主が見つかって売買契約を結んだあとに、売主負担で解体して更地で引き渡す手法です。

これなら、売れるまでの間の固定資産税アップを防ぎつつ、解体費用の持ち出しリスクも回避できます。

なお、解体費用は売主負担とするのが一般的ですが、中には「売買価格を調整したうえで双方が費用を按分する」「解体費用相当額を値引きして現況渡しにする」といったケースもあります。

そのため「先に解体すべきか」「古家付きで売るべきか」だけでなく、解体費用を誰がどのように負担するのかまで含めて、不動産会社と相談しながら販売方法を決めるとよいでしょう。

建物をリフォームする

前述したように、リフォームされている一戸建てであれば、買い手がそのまま住めるため買い手がつきやすいと考えられます。この場合、一戸建てを解体せずに売却できるため、解体にかかる費用や手間を省けるメリットがあります。

一方、リフォームするデメリットとして、費用がかかることが挙げられます。また、リフォームをしたからといって、その分高く売れるとは限りません。

築古物件では、耐震性や配管などの見えない部分が重視されることも多く、表面的なリフォームだけでは価格に反映されにくい場合もあります。

実務上も「売却前に数百万円かけてリフォームしたが、期待したほど価格が伸びなかった」というお話を伺うことがあります。築60年を超える一戸建てを売却する際は、まず現状のままで査定を受け、「リフォームによってどの程度の売却金額を見込めるか」を不動産会社の担当者に相談しておくこともよいでしょう。

築60年の一戸建ての売却に強い不動産会社の選び方

不動産会社によって得意としている物件は変わります。なかには築古の物件を得意とする不動産会社もあるため、築60年の一戸建てを売る場合はこのような業者に依頼するのがおすすめです。

その場合、下記のような選び方を参考にしてみてください。

  • 訳あり物件に強い会社を選ぶ
  • 地域に密着した会社を選ぶ

ここでは、築60年の一戸建ての売却に強い不動産会社の選び方について解説していきます。

訳あり物件に強い会社を選ぶ

築60年を超える一戸建ての場合「建物の老朽化」「再建築不可物件に該当する」などの事情から、一般的な住宅より条件が複雑になるケースがあります。こうした物件は通常の仲介では売却が難しい場合もあり「訳あり物件」と言われることがあります。

不動産会社のなかには、この「訳あり物件」の買取を得意としている業者もあります。訳あり物件は買い手がつきづらいのが一般的ですが、このような物件に精通している業者であれば、物件をそのままの状態でも買い取ってもらえる可能性もあります。

この場合、リフォームや修繕にかかるコストを削減しつつ、築60年の一戸建てを売却することが可能です。ただし、不動産を買い取ってもらう場合、仲介よりも売却価格が下がるのが一般的です。仲介よりも3割程度下がった金額が目安となります。

弊社でも訳あり物件の買取を行っており、再建築不可物件や空き家などについて、これまでに2,000件以上のご相談をいただいています。その中には、相続によって取得した築60年超の物件の扱いに悩まれている方からのご相談も少なくありません。

買い手がつかずに売却活動が難航した際には、訳あり物件に強い会社へ依頼するのも選択肢のひとつです。

地域に密着した会社を選ぶ

不動産会社には、それぞれ得意とするエリアがあります。地域に密着した業者であれば、エリア特有の需要を踏まえて対応してもらえる可能性はあります。

築60年の一戸建てを売却する場合、大手の不動産会社だけでなく、近所にある中小の不動産会社に相談することも検討してみてください。

まとめ

築60年の一戸建てであっても、建物付きの土地として売り出したり、不動産会社に買い取ってもらったりすることで、売却できる可能性はあります。

築60年だと建物部分の評価が低くなるケースが多いのが実情です。ただし、土地自体には価値があるため、立地や広さなどの条件次第では高値で売れる可能性もあります。

とはいえ、築浅の物件よりも買い手がつきづらいのは事実です。売却活動に難航した場合、仲介ではなく不動産会社に買取を依頼することも1つの手です。

その場合は査定額だけでなく、築古物件の売却実績や販売戦略、担当者の対応なども比較したうえで不動産会社を選ぶことが重要です。

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    更新日 : 2025年11月07日
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