市街化調整区域は家の売却が難しい原因
市街化調整区域の家の売却が難しい原因としては、主に下記の5つが挙げられます。
- 住宅ローンが通りにくい
- 生活インフラが整っていない
- 周辺環境の利便性が悪い
- 家の建て替えや新築ができない可能性がある
- 農地の場合は転用許可が必要
ここからは、上記の原因についてそれぞれ詳しく解説していきます。
住宅ローンが通りにくい
市街化調整区域は、都市計画法に適合する建築物を除き、原則として建築や増改築が認められていない地域です。
市街化調整区域の土地を購入しても、住宅を建築したり既存住宅を増改築したりなど自由にできないため、不動産としての資産価値が低く、買主にとって購入するメリットが少ないといえます。
住宅ローンを組む際は購入する不動産を担保として入れるため、担保としての価値が低く、返済が滞った際の売却も難しい市街化調整区域の不動産だと、住宅ローンの審査が通らない可能性が高いです。
住宅ローンが組めない場合、買主は現金一括で購入するしかありません。しかし、一般的な家庭だと現金一括で購入するのはまず不可能なので、買い手が見つかっても結局売買が成立しないケースも多いです。
生活インフラが整っていない
市街化調整区域は住宅や商業施設などの建築が制限されており、一般の人が住むことを想定していない地域です。そのため市街化調整区域では、電気やガス、水道などのインフラが十分に整っていない場合があります。
インフラは生活に欠かせないものなので、インフラが整っていない場合は自ら整備する必要がありますが、整備にかかる費用は基本的に全額自己負担となります。
日本はインフラが当たり前のように整備されているので、インフラが十分に整っていない市街化調整区域の不動産は買主から避けられやすく、売却が難しいのです。
周辺環境の利便性が悪い
市街化調整区域はスーパーやコンビニ、学校、駅、病院、ドラッグストアなどの生活に欠かせない店舗・施設が遠く離れているケースが多いため、市街化調整区域の不動産は、周辺環境の利便性も悪い傾向があります。
「駅が離れていて電車通勤・通学が大変」「食料品や日用品などの買い出しに時間がかかる」「急病のときに病院が近くにない」など、日常生活の中で大きな不便を強いられることになるため、利便性が悪い点も市街化調整区域の不動産の売却が難しい要因の1つです。
家の建て替えや新築ができない可能性がある
市街化調整区域で住宅を新築したり、既存住宅を建て替えたりするには、都市計画法第34条で定められている基準を満たした上で、自治体の開発許可を得る必要があります。
しかし開発許可の要件は非常に厳しいため、家の新築や建て替えの許可が下りないケースも珍しくありません。
自由に新築や建て替えができないリスクがある不動産は、買主にとって大きなデメリットとなることから、市街化調整区域の不動産は思うように売れないことが多いです。
農地の場合は転用許可が必要
農地は農地法という法律によって、農業従事者もしくは農業委員会の許可を受けた農家にしか売却できないルールになっています。そのため、市街化調整区域の不動産の中でも、特に売却が難しいです。
農地を転用すれば農地以外の地目で売却が可能になりますが、市街化調整区域の場合は市街化区域とは違い、自治体の転用許可を得る必要があります。
市街化区域の農地なら届出のみで簡単に転用できますが、市街化調整区域は自然環境や農業を守るための地域であるため、農地転用も厳しく制限されており、許可が下りないケースも少なくありません。
農地は需要が低く限られた人しか購入できないため、転用許可が下りなければさらに売却は困難になります。
市街化調整区域でも売れやすい家の特徴
市街化調整区域のエリアにある不動産でも、次の5つのケースに該当すれば売れやすいといえます。
- 1.市街化区域に隣接している
- 2.市街化調整区域になる前から家が建てられている
- 3.事業のために開発された地域
- 4.低層住居専用地域(用途地域)内にある
- 5.都市計画法第60条証明に当てはまっている
ただし、建築許可が下りる基準は、それぞれの自治体ごとで異なる場合があるため注意しましょう。
1.市街化区域に隣接している場合
市街化調整区域の土地でも、市街化区域との境界付近にある場合は、建築の許可が下りる可能性が高まります。
すぐ近くまで市街化が進んでいるのであれば、家を新築したり建て替えても「市街化の抑制」という都市計画の邪魔にはなりませんし、インフラ整備が非効率になることもないからです。
都市計画法34条でも、次の条件を満たしている場合には、自治体の条例などに基づいて市街化調整区域における開発行為を許可できると定められています。
・市街化区域に隣接、近接していて、市街化区域と一体的な生活圏を構成している地域
・市街化区域部分も含めた周辺地域におおむね50以上の建築物が建築されている
参照:e-Govポータル「都市計画法34条11号」
建て替えや新築ができる可能性が高いうえ、周辺環境も市街化区域と変わらないぐらい便利な位置にあるため、売却しやすいでしょう。
2.市街化調整区域になる前から家が建てられている場合
市街化調整区域にある不動産でも、市街化調整区域に指定される前から建っていた家は、建て替えられるケースがあります。
かつては「既存宅地確認制度」という仕組みがあり、市街化調整区域の指定前から家が建てられている土地では、建築に際する許可が不要とされていました。
既存宅地確認制度は平成13年に廃止されましたが、現在でも自治体が独自に基準を定め「既存宅地確認制度」にならった許可をおこなっているケースが少なくありません。
また、国土交通省は近年、観光振興や地域集落を維持する目的で、既存建築物の用途変更基準を緩和する方針を打ち出しています。
そのため、いわゆる「古民家カフェ」のように、住宅から店舗への用途変更も容易になっています。
参照:国土交通省「開発許可制度運用指針の一部改正」
3.事業のために開発された地域の場合
市街化調整区域の不動産であっても、すでに他の事業のために開発された土地であれば、家の新築・再建築の許可が取得しやすい傾向にあります。
前例があると、自治体としても許可を出しやすくなります。
事業のために開発の許可が下りているのであれば、その地域は今後も発展する可能性があります。場合によっては、不動産を高額で売却することも可能でしょう。
4.低層住居専用地域(用途地域)内にある場合
用途地域とは、用途が決められた地域のことです。低層住居専用地域の場合、高さ10~12mの戸建てや低層住宅や、150㎡以下の2階建てまでの飲食店や店舗での使用に限定されています。
基本的に市街化調整区域での用途地域は認められていません。しかし、市街化調整区域と指定されたエリアであっても、例外的に用途地域として認められているケースがあります。
たとえば住宅の供給不足を防ぐため、1970~1980年代に街の中心部から離れたエリアで造成された公営団地やニュータウンは、市街化調整区域内でも低層住居専用の用途地域として認められている可能性が高いです。
低層住居専用地域では土地の利用が住宅などの用途に限定されているため、市街化調整区域であっても市街化地域と同様の扱いをうけるのが可能です。
5.都市計画法第60条証明に当てはまっている
都市計画法第60条証明とは、建築物が都市計画法に基づく開発許可や建築許可を必要としないことを証明する書類です。都市計画法施行規則第60条に基づく証明のことで、略して「60条証明」と言われることもあります。都市計画法施行規則第60条証明に該当する不動産としては、主に下記のものが挙げられます。
- 農家住宅
- 農林漁業の用に供する建築物
- 公益上必要な建築物
- 日常生活用品の販売・加工等の業務用の建築物
都市計画法第60条証明があれば再建築可能になるため資産価値が高まり、市街化調整区域の不動産であっても売却しやすくなります。
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家の所在地が市街化調整区域に入っているか確認する方法
家の所在地が市街化調整区域に入っているか分からない場合は、主に下記の2つの方法で確認できます。
ここからは、上記の方法についてそれぞれ詳しく解説していきます。
役所で確認する
市街化調整区域について何か質問したいことがあれば、市区町村の役所の管轄窓口を直接訪ねて確認するのが確実です。
多くの自治体では「都市計画課」が管轄していますが、自治体によっては部署名が異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。役所を訪ねるのが難しければ、電話やメールでも問い合わせることが可能です。
インターネットで確認する
地域によっては、市街化調整区域に関する情報がインターネットで公開されている場合もあります。GoogleやYahooなどで「地域名 市街化調整区域」と検索すれば、ネット上からでも簡単に調べられます。
たとえば、横浜市の場合は「iマッピー(横浜市行政地図情報提供システム)」から確認できます。
市街化調整区域の家を売るポイント
市街化調整区域の家は工夫次第で売却が可能です。
具体的なポイントとして、次の7つを押さえておきましょう。
- 自治体に申請して「開発許可」を取得する
- 市街化調整区域のメリットを買主へ伝える
- 購入する可能性が高いターゲットを絞る
- 市街化調整区域の「区域指定」を確認する
- 売りたい不動産の「地目」を確認する
- 市街化調整区域の「建築年月日」を確認する
- 訳あり物件専門の買取業者に買取してもらう
それぞれ詳しく解説していきます。
自治体に申請して「開発許可」を取得する
あらかじめ売主側で「開発許可」を取得してから、建物を建てられる不動産として売却する方法です。
市街化調整区域のある自治体へ申請すると、下記の流れで開発許可を取得できます。
- 市区町村役場で事前相談をおこなう
- 申請書と説明資料を提出する
- 自治体が現地調査や審議をおこなう
- 問題なければ自治体から開発許可が下りる
市区町村役場で事前相談する際、以下のような書類も必要です。
- 不動産の案内図
- 公図の写し
- 土地・建物の登記事項証明書など
ただし、開発許可を取得するための申請方法は自治体によって異なるため、売りたい不動産のある地域の市区町村役場で確認してから申請しましょう。
なお、市街化調整区域の不動産を売却したい場合、開発許可を申請してもすぐに認可が下りる訳ではありません。
自治体による現地調査や審議がおこなわれるため、開発許可の申請から認可までは約1〜2ヶ月程度の期間が必要なことも頭に入れておきましょう。
市街化調整区域のメリットを買主へ伝える
市街化調整区域にはデメリットだけでなくメリットもあるので、それを買主へ伝えることで売却できる可能性が高まります。
以下のような市街化調整区域のメリットを買主へ伝えるとよいでしょう。
- 宅地以外にも利用用途がある
- 建物が少ないので、静かで環境がよい
- 都市計画税がかからないので、税金が安い
それぞれのメリットを1つずつ解説していきます。
【メリット1】宅地以外にも利用用途がある
市街化調整区域の不動産でも、住居を建築せずに他の用途で利用するのであれば、通常の土地のように資産運用できます。
- 更地にして駐車場を経営する
- 農地を耕して農業を営む
すべての買主が居住目的で不動産を購入している訳ではなく、資産運用を目的に不動産を購入しているケースもあります。
こうした資産運用を目的としている買主へ宅地以外の利用用途を提案すれば、売却価格を下げずに市街化調整区域を売却できるでしょう。
【メリット2】建物が少なく静かで環境がよい
市街化調整区域は建物が少ないので、自然豊かで静かな環境が多いです。
建物の建築が制限されているおかげで大型商業施設などはありませんし、将来的にも大型開発が許可される可能性は低いので、今後も静かな環境が続くものと考えられます。
こうした都会ではなく田舎の静かな雰囲気を求める買主であれば、市街化調整区域の不動産を購入してくれる可能性は高いでしょう。
【メリット3】都市計画税がかからないので税金が安い
そもそも市街化調整区域には都市計画がないので、不動産を所有しても都市計画税がかかりません。
また固定資産税は払わなければなりませんが、市街化調整区域は公示地価が安いため、税額も安くなりやすい傾向にあります。
市街化調整区域は都市計画税がかからない上に固定資産税も安いので、購入する買主にとって節税面でのメリットは大きいでしょう。
購入する可能性が高いターゲットを絞る
市街化調整区域の不動産のターゲット層としては、下記のような人が挙げられます。
- 隣地の所有者
- 農業従事者
- 近隣で事業を行っている個人・法人
隣地の所有者からすれば、隣地を購入することで自身の所有地が広がり、土地の活用方法が広がるというメリットがあるため、交渉を持ち掛ければ購入してもらえる可能性があります。
また、農業従事者なら開発許可を得ずに住宅や農業用の倉庫などを建築できるため、農家の人や新たに農業を始めようとしている人にも需要があるでしょう。
近隣で事業を行っている個人・法人であれば、「従業員やお客様用の駐車場が欲しい」「社宅を建てたい」「資材置き場が欲しい」などのニーズがあるため、市街化調整区域の不動産でも購入してくれる可能性があります。
市街化調整区域の「区域指定」を確認する
区域指定とは、開発許可が認められている市街化調整区域のことで、住宅などの建物を自由に建てられるため、買主からの需要も高い傾向にあります。
つまり、同じ市街化調整区域でも「区域指定」されている不動産であれば、スムーズに売却できる可能性が高いのです。
区域指定される地域には、以下のような条件があります。
- 近隣に50戸以上の集落がある
- 上下水道が整備されている
- 公道に接している
ただし、これらの条件は自治体によって異なるため「売りたい不動産が区域指定されているか?」について、市区町村役場へ確認する必要があります。
売りたい不動産の「地目」を確認する
地目とは、不動産登記法における土地の種類のことで、宅地や農地をはじめとする23種類に区分されています。売りたい不動産の地目は、以下の方法で確認可能です。
- 毎年届く「課税明細書」や「評価明細書」を確認する
- 法務局で申請して登記記録を入手する
- 法務省のホームページから登記記録を入手する
同じ市街化調整区域にある不動産でも、地目によって売却しやすさが異なります。
参照:「登記・供託オンライン申請システム」(法務省)
市街化調整区域の「建築年月日」を確認する
最後に、市街化調整区域にある建物の「建築年月日」を確認しましょう。
市街化調整区域が線引きされたのは1968年なので「建築年月日が1968年より前か?後か?」によって売却しやすさが変わります。
建築年月日 |
難易度 |
1968年より前の建物 |
売却しやすい |
1968年より後の建物 |
売却しにくい |
建物の建築年月日については「固定資産税課税台帳」で、市街化調整区域が線引きされた時期については「市区町村役場」で、それぞれ確認できます。
「1968年より前の建物」は売却しやすい
1968年より前に建築された建物は、市街化調整区域が線引きされる前に建てられた可能性が高いです。
行政の都合で後から市街化調整区域にされた不動産であるため、行政の都合よりも居住者の権利が優先されます。そのため、買主が建替え・増改築する場合も、以下の条件を満たせば開発許可は必要ありません。
- 用途が同じ
- 敷地面積が同じ
- 延べ床面積が1.5倍まで
ただし、線引き前に建築された建物でも、線引き後に一度でも建替えをおこなうと、線引き後の建物と扱われます。2度目の建て替えは許可が必要となり、売却しにくくなるため注意しましょう。
「1968年より後の建物」は売却しにくい
1968年より後に建築された建物は、市街化調整区域が線引きされた後に建てられた可能性が高いです。
線引き後に建てられた建物は市街化調整区域であることを前提に、開発許可を受けてから建設されています。
こうした場合、第三者へ売る場合は開発許可がないと買主が見つかりにくく売却がむずかしいです。
開発許可がない限り、買主にとっては購入するリスクが高いので、線引き後の建物は売却がむずかしい傾向にあります。
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訳あり物件専門の買取業者に買取してもらう
市街化調整区域の不動産は開発許可がないと建物を建てられない大きなリスクを抱えているため、普通の買取業者では市街化調整区域を買取してもらえない恐れがあります。
さらに、市街化調整区域の不動産は通常よりも需要が少ないため、仲介業者だと売却まで数ヶ月〜数年かかってしまうケースも少なくありません。
しかし買取業者の中でも「訳あり物件の専門業者」であれば、市街化調整区域の活用方法を熟知しているので、開発許可がなくても問題なくスムーズに買取してもらえる可能性が高いです。
買取までの期間も、「訳あり物件の専門業者」なら自社で不動産を買取しているので、買主を探す手間がかかりません。そのため、最短2日ほどで市街化調整区域の不動産を手放して現金化もできる点も大きな魅力です。
なかなか買主が見つからない場合や開発許可を取るのが面倒な場合、市街化調整区域の不動産を「訳あり物件の専門業者」へ売却するとよいでしょう。
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市街化調整区域にある不動産の売却先
住宅の建築許可を得られない場合でも不動産売却をあきらめる必要はありません。市街化調整区域にある不動産が「絶対に売却できない」わけではないからです。
「市街化調整区域の土地が欲しい」と考えている買主も多くいるので、需要があるところにしっかりアピールすれば、高額での売却も可能です。
市街化調整区域の売却先としてあげられる候補は以下の通りです。
- 農業・林業・漁業を営んでいる人
- 農産物・水産物の加工業者
- 市街化調整区域で事業をしようと考えている業者
- 隣地の所有者
- 中古住宅を探している人
- 訳あり物件の専門買取業者
売却先1.農業・林業・漁業を営んでいる人
農地は、農地法によって農地取得できる人が厳しく制限されているため一般の人に向けての売却は難しいです。
しかし、農地のまま近隣の農家へ売れば、市街化調整区域の不動産でも開発許可を取らずにそのまま売却できます。
したがって、物件の地目が農地や山林である場合には、農業・林業などを営んでいる人に売却するとよいでしょう。
売却先2.農産物・水産物の加工業者
農地の多い市街化調整区域では、その地域で生産された農作物・水産物を加工する工場用地の需要もあります。
農産物加工業者や水産物加工業者は、市街化調整区域でも開発許可を容易に取得できるため、とても有力な買主候補といえます。
地産地消を推奨する動きも強まっているため、地元の農産物・水産物加工業者が直営のレストランを営業するケースも増えています。
農産物・水産物の加工業者とうまくマッチングすれば、高額で不動産を買い取ってもらえるかもしれません。
売却先3.市街化調整区域で事業をしようと考えている業者
市街化地域では事業を営もうとしている事業者も、有力な買主候補となります。近年での具体例としては、老人ホームといった介護事業者が挙げられます。
また、主要道路に面した土地であればコンビニエンスストアやレストラン、ガソリンスタンドなどに利用できるため、住宅を建てられない土地でも需要が高いです。
主要道路に面していない土地であっても、「レジャー施設周辺の駐車場」「危険物を取り扱う工場」のように事業用地としての需要があれば、市街化調整区域での開発申請のハードルが低くなるでしょう。
売却先4.隣地の所有者
隣地の所有者も有力な買主候補です。土地を1つにできれば、買主にとっても資産価値を高められる大きなチャンスとなるからです。
隣地所有者が「子共が結婚した後も自分の近所に住まわせたい」と考えている場合も、買主・売主の双方にメリットがあるでしょう。
また、街の中心部から離れたエリアの市街化調整区域では、世帯人数分の自動車がないと生活に不便ということも珍しくありません。
そのため、駐車場として隣地の購入を検討する人も多くいます。
売却先5.中古住宅を探している人
初期費用を抑えたいという理由などで、中古物件を探している人も有力な買主候補となります。
近年では「広い古民家に住みたい」と考える人も増えているうえに、リフォーム費用に補助金を支給する自治体も増えているため、中古住宅は以前よりも売却しやすくなっています。
ただし、増改築を伴う大規模なリフォームには自治体の許可が必要です。
住宅を残したまま物件を売却する際には、再建築の条件をしっかり確認し、売買契約前に十分な説明をしておきましょう。
売却先6.訳あり物件の専門買取業者
「市街化調整区域であっても売却できる」と解説しましたが、それでも一般的な不動産と比べて、売却しにくいことは確かです。
とくに、建築許可の申請手続きは複雑です。そのため、一般の人はもちろん、不動産業者であっても取り扱いを避けるケースがあります。
「すぐに不動産を手放したい」「急いで現金化したい」ということであれば、訳あり物件専門の買取業者に相談するのがよいでしょう。
訳あり物件専門の買取業者なら、一般的な不動産会社が取り扱えないような物件でも、高額かつスピード買取が可能です。
市街化調整区域の家を売却できない場合は更地にして活用する
市街化調整区域の家を売却できなければ、更地にして土地を活用するのも1つの方法です。更地にした土地の具体的な活用例は下記の通りです。
- 駐車場経営(コインパーキング・月極駐車場)
- 太陽光発電用地
- 資材置き場
- 霊園・墓地
この中でも特におすすめなのが駐車場経営です。アスファルト舗装せずに枠線を引くだけでも駐車場として活用できるため、初期費用を大幅に節約できます。
月極駐車場として長期的に利用する人が見つかれば、毎月安定した収入を得られるでしょう。ただ、家を解体して更地にすると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税の負担が大きくなるのでご注意ください。
まとめ
市街化調整区域が売りづらいのは、土地の利用方法に制限がかかってしまうためです。しかし、完全に用途がない市街化調整区域はありません。
どのような物件であっても販売方法を工夫したり、良い売却先を見つけることで、高額で売却できるケースは少なくありません。
とくに、訳あり物件専門の買取業者なら、条件の悪い物件でも高額買取を期待できます。市街化調整区域の処分に困っている方は、訳あり物件専門の買取業者へ査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
市街化調整区域についてよくある質問
市街化調整区域だと、家は建てられないのでしょうか?
条件次第で、家の新築や建て替えも可能です。市街化区域に隣接している土地や、市街化調整区域になる前から家が建てられている土地は、新築や建て替えの許可が下りやすくなります。
市街化調整区域にある不動産の売却価格はどのくらいですか?
市街化調整区域にある不動産の売却価格は、通常の約50%〜70%まで安くなってしまうケースが多いです。
どうすれば市街化調整区域にある不動産を高く売れますか?
「開発許可」を取得して建物を建築できる状態にしたり、節税面などのメリットを買主へ伝えれば高額売却できる可能性が高いです。
市街化調整区域で家の貸し出しはできますか?
結論からいうと、原則として市街化調整区域では、既存の建物を賃貸したり賃貸用の住宅を建築したりはできません。
ただし、市街化調整区域に指定される前に建てられた建物で、かつ建築時の使用目的に反しない場合であれば例外的に賃貸が認められています。たとえば、市街化調整区域に指定される前に建てられた居住用の建物を、居住用の賃貸物件として貸し出すことなら可能です。
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