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「どんな土地でも買います」の甘い罠と、騙されずに土地を手放す3つの方法

「どんな土地でも買います」の甘い罠と、騙されずに土地を手放す3つの方法

まず前提として、「どんな土地でも買います」といった表現には幅があり、実際には再生ノウハウを有する不動産会社と、説明が不十分なまま契約を急がせる事業者の双方が存在する点に留意が必要です。

まず実態をお話ししますと、優良な買取業者は、再建築不可や不整形地といった「扱いにくい土地」であっても、隣地との権利調整や独自の運用(資材置き場や用地転用など)によって収益化するルートを持っています。

一方で、すべての土地が必ずしも買取対象となるわけではなく、立地条件や造成コスト等によっては取引が難しいと判断されることもあります。

例えば、道路が全く通っていない山林や、擁壁の改修に数千万円かかるような崖地など、商品化のコストが市場価格を上回る場合は、やむを得ずお断りするのが不動産実務の現実です。そのため、適切な事業者であれば、買取の可否や条件について理由を含めて説明がなされるのが通常です。

また、取引に際しては、「将来的に不利になる可能性がある」などの説明だけを根拠に即時の判断を求められる場合には、内容を十分に確認することが重要です。

実際の相談でも、売却とは別に測量や整地等の契約を提案され、その費用負担について判断に迷うといった声が寄せられることがあります。契約の内容や範囲については、事前に整理して理解しておくことが重要です。

なお、不動産の売買契約は、一般的にクーリング・オフの対象外となるケースが多いため、契約締結前に十分な検討が求められます。

よく誤解されますが、宅地建物取引業法で定められているクーリング・オフは、あくまで「業者が売主」で「一般人が買主」の場合に、買主を守るための制度です。今回のように「一般人が売主」となって業者に土地を売る(買い取ってもらう)ケースは、基本的に対象外となります。

つまり、一度契約を交わしてしまうと「やっぱりやめたい」という理由での無条件解約はできません。
(ただし、例外として「土地の売却契約」に見せかけた「測量サービス」や「整地作業」などの請負契約を締結させられた場合は、特定商取引法の対象となりクーリング・オフができる可能性があります)

悪質な業者はこの抜け穴を悪用し、「今日決断すれば高く買う」と契約を急かしてくることもありますが、その場での署名・捺印は絶対に避け、必ず契約書を持ち帰って家族や専門家、消費生活センター等に相談してから判断することを強くおすすめします。

どうしても一般市場で売れない土地を売りたい場合、以下5つのアプローチを検討しましょう。

方法 特徴とポイント
複数の不動産会社を比較する 会社によって「再建築不可が得意」「農地が得意」など守備範囲が全く異なる。1社で断られても、別の専門業者なら値が付くケースがある。
近隣の人に買ってもらえないか聞く 隣地所有者にとっては敷地拡張などの明確なメリットがあるため、引き取ってもらえる可能性がある。
空き家・空き地バンクを活用する 自治体が運営するマッチング制度。営利目的の不動産会社が扱わないような低額物件でも登録できるが、交渉は当事者同士で行うケースもあり、トラブル対策が必要。
自治体に売却(寄付)を打診する 制度上は可能だが、実際は「道路や公園予定地」など公的な利用目的がない限り、自治体が買い取る(または寄付を受ける)ことは稀であると認識しておくべき。
建物を壊して更地にする 建物が朽廃している場合は有効だが、住宅を取り壊すと土地の固定資産税の優遇措置が外れ、税金が最大6倍になるリスクがあるため、解体時期は慎重な判断が必要。

このように、すべての土地に共通する万能な解決策はありません。焦って「なんでも買います」という甘い言葉に飛びつくのではなく、自分の土地の権利関係や立地条件を正しく把握し、適切な売却先を判断することが重要です。

本記事では、信頼できる買取業者の見分け方や、売れない土地の具体的な処分方法について解説します。

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「どんな土地でも買います」の正体|優良業者と悪徳業者の決定的な違い

街中やインターネットで「どんな土地でも買います」という広告を見かけると、「なにか裏があるのではないか?」「後から高額な請求をされるのではないか?」と警戒するのは当然です。

実態を申し上げますと、このキャッチコピーを使う業者には、「独自の再生ノウハウを持つ優良な不動産会社」と「所有者の焦りにつけ込む悪徳業者(原野商法系)」の双方が存在しており、そのビジネスモデルは根本的に異なります。

優良業者は土地を「商品」として仕入れ、再販することで利益を得ますが、悪徳業者は土地そのものではなく「所有者の不安」を商材とし、手数料を搾取することを目的とする場合があります。両者を見極めるためには、それぞれの収益構造を理解しておくことが不可欠です。

1.不動産買取業者

不動産買取業者は、自らが買主となり不動産を取得したうえで、再販や活用によって収益化を図るビジネスモデルです。

再建築不可物件や不整形地などでも取り扱いが可能な理由は、権利関係の整理や用途変更などを前提とした活用方法を想定しているためです。
なお、契約条件については個別事情によって異なりますが、実務上は契約不適合責任の範囲を調整したうえで契約が締結されるケースも見られます。

また価格については、再販コストや事業リスクを織り込む必要があるため、仲介による市場価格と比較して低くなる傾向があります。

ただし、売却までの期間や手続きの簡便さを重視する場合には、選択肢の一つとして検討されることがあります。

土地の再生・活用ノウハウがあるため「契約不適合責任免責」で買い取れる

土地売却において買取業者を選ぶメリットの一つに「契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)」が免責される場合があることです。
通常、個人間で土地を売買する場合、売却後に土壌汚染や地中埋設物(コンクリート片や古井戸など)などが見つかると、売主は契約解除や損害賠償の責任を負うケースがあります。築年数が古い実家や、境界が不明確な山林などはこのリスクが高く、個人の買主には敬遠されがちです。

なお、契約条件については個別事情によって異なりますが、実務上は契約不適合責任の範囲について当事者間で取り決めを行ったうえで契約が締結されるケースが一般的です。

仲介での売却に比べ、価格は市場相場の7割程度になるのが一般的

前述の通り、買取業者は買い取った土地に解体費用や測量費用、工事費などを投じ、さらに再販時の利益を見込んで事業を行います。

そのため、エリアや周辺環境などにもよりますが、買取価格は市場相場(仲介で売れた場合の価格)の6割〜7割程度が目安になるのが通例です。再建築不可や傾斜地など、条件が悪い土地であればさらに下がることもあります。

2.原野商法などを利用した詐欺業者

残念ながら、「どんな土地でも買います」という言葉を悪用する業者は後を絶ちません。彼らは土地の活用には関心がなく、処分に困っている所有者の「なんとかして土地を手放したい」という弱みにつけ込む場合があります。

「土地の売買契約」に見せかけて、実際には「測量」や「整地」「コンサルティング」といった高額なサービス契約を結ばせようとするケースもあります。
詳しく解説します。

「測量費」や「整地代」名目で契約前に金銭を要求するのが特徴

悪質な業者の手口としては、「あなたの土地を欲しがっている投資家がいる」などと持ちかけ、契約の直前になって「ただし、売るためには測量が必要」「雑草を処理しないと登記できない」といった名目で、数十万円から数百万円の現金を要求するものがあります。

まともな不動産取引において、売買代金を受け取る前に売主が業者へ現金を支払うことは実務上ないのが一般的です。

測量や雑草処理、残置物撤去が必要な場合でも、優良業者であれば「買取価格から費用を差し引く」形で決済するか、売買代金が支払われた後に精算する場合が多いです。「先に現金を振り込んで」といわれた時点で、詐欺であるかどうかを疑ってみることも重要です。

不動産の売却契約には原則クーリング・オフが適用されない場合がある

最も恐ろしい落とし穴は、個人が売主となる不動産売買契約には、原則としてクーリング・オフ制度が適用されないという点に注意が必要です。

「今日決断すれば高く買う」と急かされ、その場の雰囲気で契約してしまうと、後になって「やはり安すぎる」「騙されたかもしれない」と気づいても、契約を白紙に戻すことは極めて困難です。

無理に契約を解除しようとすれば、手付金の放棄や、売買代金の〇%相当額といった高額な違約金を請求される可能性が高く、売るどころかむしろ損をしてしまう可能性もあります。

では、万が一悪質業者だと気づいた場合はどうすればよいのでしょうか。

もし、土地の売買契約とは別に「測量業務」や「整地作業」などの契約を結ばされ、費用を請求されている場合は、特定商取引法のクーリング・オフ対象になる可能性があるため、消費者ホットラインや弁護士へ相談してみましょう。

また、契約は交わしていても金銭を支払う前であれば、直ちに支払いを見合わせ、契約内容を再確認することが重要です。
相手が威圧的な言動を用いている場合や、事実と異なる説明があったと考えられる場合には、消費者契約法や民法に基づき契約の取消しや無効が認められる可能性があります。

ご自身だけで対応せず、速やかに専門家や公的機関へ相談しましょう。具体的には、以下のような相談先が考えられます。

  • 弁護士(契約の有効性や取消しの可否など法的判断が必要な場合)
  • 司法書士(契約内容の確認や書面の整理に関する相談)
  • 消費生活センター(契約トラブル全般の初期相談・対応アドバイス)
  • 宅地建物取引業協会や不動産適正取引推進機構(不動産取引に関する一般的な相談)

特に、契約の有効性や取消しの可否については個別事情によって判断が分かれるため、最終的な対応は弁護士等の専門家に確認することが望ましいといえます。

「売れない」と断られた土地でも買取可能な具体例

不動産会社に査定を依頼して「この土地は売れない」と断られても、諦める必要はありません。

なぜなら、ここでいう「売れない」とは、あくまで「一般の家族がマイホームを建てるための土地としては売れない」という意味に過ぎないためです。視点を変え、事業用や投資用として土地を見る専門業者であれば、以下のような「訳あり土地」でも十分に買取対象となります。

土地の種類 専門業者が買い取れる理由・活用法
僻地・過疎化が進んでいる土地
(山林・原野)
居住用としての需要はゼロでも、キャンプ用地、資材置き場、太陽光発電用地として再生するルートを持っています。特に平坦な土地や道路付けが良い土地は、田舎であっても一定の需要があります。
再建築不可物件 家を建てられない(再建築不可)土地であっても、コンテナ倉庫、車両置き場、家庭菜園用地など、建築物を伴わない利用目的で収益化を図ります。
形状や面積に問題がある土地
(不整形地・狭小地・旗竿地)
単体では活用が難しくても、隣接地と交渉して一体化させることで整形地に変えたり、狭小住宅専門のビルダーへ卸したりする独自の販売網を持っていることがあります。
権利関係が複雑な土地
(共有持分のみ・底地・借地権)
一般の買主が敬遠しやすい権利関係については、専門家(弁護士等)への相談を前提に整理が検討されるケースがあります。実務上は、権利関係が整理された場合に土地の活用や売却の可能性が広がることがあります。
心理的瑕疵(事故物件)や
物理的瑕疵(地中埋設物など)がある土地
特殊清掃や徹底した土壌改良を行い、その事実を正直に告知したうえで、「相場より安く家を建てたい」という層に向けて販売します。価格次第で買い手は存在します。

どうしても売れない土地を処分する5つの方法

売却が難しい土地であっても、アプローチを変えれば手放せる可能性は残されています。

ここでは、有効な5つの処分方法を解説します。いきなり解体などの最終手段に出るのではなく、順に検討していくのが損をしないための鉄則です。

1.複数の買取専門業者に査定を依頼し比較する

不動産業界は、専門分野が細分化されています。そのため、一般的な仲介業者に特殊な土地を持ち込んでも解決は困難です。

重要なのは、「その土地の種類に強い専門業者」を見つけることです。例えば、「事故物件専門」「再建築不可物件専門」「共有持分専門」「農地専門」「底地専門」といった業者が存在します。

A社で「買取不可」といわれても、B社では「100万円」の査定が出ることも珍しくありません。1社だけで判断せず、少なくとも3社以上の専門業者にアプローチし、可能性を探ってください。

2.隣地の所有者に購入(または贈与)を打診する

「隣地所有者への売却」も土地売却の方法の一つです。

一般の買い手にとって魅力のない不整形地や狭小地でも、隣地所有者にとっては「敷地の拡張」「日当たりの改善」「接道条件の向上」といったメリットが見込まれる場合があります。

そのため、価格や条件を柔軟に設定することで、取得を検討してもらえる可能性があります。例えば、登記費用や測量費用の負担方法を含めて条件を調整することで、合意に至るケースも見られます。

当社へのご相談やこれまでの取引事例においても、第三者への売却が難しかった土地について、隣地所有者との間で条件調整を行った結果、譲渡に至ったケースは一定数確認されています。

ただし、固定資産税の負担増や境界確定の問題などを理由に、取得に慎重な判断がなされるケースもあるため、必ずしも合意に至るとは限らない点には留意が必要です。

3.自治体の「空き家・空き地バンク」に登録する

営利目的の不動産会社が扱わないような土地や、地方の過疎地の土地であれば、自治体が運営する「空き家・空き地バンク」への登録も検討しましょう。

これは自治体が物件情報をウェブサイト等で公開し、田舎暮らしや古民家再生を希望する移住者とマッチングさせる制度です。

ただし、自治体はあくまで情報の掲載を行うだけで、見学の対応や契約条件の交渉は所有者自身が行う必要があります(※地域の協力不動産店が仲介に入る場合もあります)。買い手が現れるまで数年かかることもあり、即時解決には向かない点は理解しておきましょう。

また実務上の注意点として、多くの自治体では「境界が確定していない土地」や「未登記の建物」の登録を受け付けていません。長年放置された土地は境界が不明確なケースが多いため、登録の前提として数十万円の測量費用が自己負担で発生する可能性がある点も理解しておく必要があります

4.自治体への寄付を打診する(※公的利用価値がある場合のみ)

「無償でもよいので自治体に引き取ってほしい(寄付したい)」という相談は一定数見られますが、実務上は受け入れに至らないケースが多いとされています。

自治体にとって土地の寄付を受けることは、固定資産税の対象外となるだけではなく、草刈りや不法投棄対策などの維持管理コストが発生するためです。そのため、行政側の審査基準は厳格であり、「道路拡張の予定地」「公園や防災用途としての活用が見込まれる土地」など、明確な公的利用目的がある場合に限り、受け入れが検討される傾向があります。

このように、条件が合致すれば選択肢の一つとなり得ますが、すべての土地で活用できる方法ではないため、事前に自治体の基準や方針を確認したうえで検討することが重要です。

5.建物を解体して更地にする(※固定資産税の増額リスクに注意)

建物が著しく老朽化している場合、解体して更地にすることで用途の幅が広がり、結果として買い手が見つかりやすくなる可能性があります。

一方で、この判断は慎重に行う必要があります。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用されており、固定資産税が軽減されていますが、更地にするとこの特例が外れるため、税負担が増加することになります。

特例の適用状況によっては、固定資産税が大きく増加する可能性があり、更地にした後も売却に時間を要した場合、維持コストの負担が重くなることもあります。

そのため、解体を検討する際は、売却の見込みや費用対効果について、不動産会社の査定や見解を参考にしながら総合的に判断することが重要です。

売却も引き取り手も見つからない場合の最終手段

あらゆる手を尽くしても買い手や貰い手が見つからない場合、あるいは「お金を払ってでも処分したい」という場合の最終手段を解説します。

ここからの方法は、単なる売買契約とは異なり、「税金が発生する」「裁判所の手続きが必要」「負担金を納める必要がある」といった、金銭的・法的なハードルが高くなるのが特徴です。

自分で運用して維持費を賄う(自己利用)

「手放す」ことを一旦諦め、土地の用途を変えて維持費(固定資産税分)だけでも稼ぐという発想です。

  • 資材置き場・駐車場:初期投資は少ないが、除雪や草刈りの手間は残る。
  • 太陽光発電:安定収入が見込めるが、設備投資の回収リスクがある。

いずれも根本的な解決にはなりませんが、一時的な措置として検討される方もいらっしゃいます。

相続発生前なら「相続放棄」を検討する

親が亡くなった際、その土地を相続したくない場合、「相続放棄」を選択することで、当初から相続人とならない扱いになります。

相続放棄は有効な手段ですが、適用には厳格な条件があります。

3ヶ月以内の申述が必要かつ、すべての財産を放棄する必要がある

相続放棄は非常に強力な手段ですが、利用できる条件は厳格です。

まず、「相続の開始を知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申し立てなければなりません。また、「不要な土地だけ放棄して、実家の建物や預貯金は相続する」といった選り好みはできません。プラスの財産も含めて、すべての相続権を失うことになります。

また、相続放棄をしても、次の管理義務者が現れるまでの間は、土地の管理責任(保存義務)が残る場合がある点にも注意が必要です(民法第940条)。

相続土地国庫帰属制度を利用する

令和5年(2023年)4月からスタートした、相続によって取得した不要な土地を国に引き渡すことができる新しい制度です。

承認には要件と「10年分の管理費」の納付が必要

画期的な制度ではありますが、「どんな土地でも国が引き取る」わけではありません。承認されるには、以下のような厳しい要件(却下事由)をクリアする必要があります。

  • 建物が解体され、更地であること
  • 境界が明らかであり、争いがないこと
  • 土壌汚染や埋設物がないこと
  • 崖地(勾配がきつい土地)ではないこと

さらに、審査手数料(1筆14,000円)に加え、国へ引き渡す際に10年分の土地管理費相当額(原則20万円〜)の「負担金」を納める必要があります。

解体費用や測量費用が必要となる場合には追加の支出が生じることもあり、結果として一定の費用負担が発生するケースも見られます。そのため、本制度は費用を負担してでも土地を整理したい場合の選択肢として検討されることが一般的です。

土地を利用せず放置し続けるリスク

「どうせ売れないし、処分にお金がかかるなら、そのまま放置しておこう」と考える方もいるかもしれません。一般的には、土地を長期間放置することは推奨されないケースが多いとされています。
なぜなら、ご存じの方も多いかもしれませんが、土地は所有しているだけでコストがかかるだけでなく時間の経過とともにリスクや負担が増大する可能性があるためです。

固定資産税や草刈り等の維持・管理コストがかかり続ける

最も直接的なデメリットは金銭的負担です。利用していなくても毎年「固定資産税」と「都市計画税」の納付書は届き続けます。
また、近隣からのクレームを防ぐためには、年数回の草刈りや庭木の剪定が必要となり、業者に委託する場合、内容や地域によっては一定の費用が継続的に発生することがあります。

「特定空き家」に指定される

2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、倒壊の危険や衛生上の問題がある空き家は「特定空き家」に指定されるようになりました。

自治体からの改善命令に従わない場合、土地の固定資産税の優遇措置(住宅用地の特例)が解除され、税額が大幅に増加する可能性があります(住宅用地の特例が適用外となるため、結果として数倍程度になるケースもあります)。さらに、最大50万円以下の過料が科されたり、最終的には行政代執行によって強制的に解体され、解体費用を請求されたりする可能性があります。

所有者責任により、近隣トラブルや賠償問題に発展する

空き家の屋根瓦が台風で飛んで隣の家を壊したり、老朽化したブロック塀が倒れて通行人に怪我をさせたりした場合、所有者はその損害を賠償する責任を負います(民法第717条 工作物責任)。

「住んでいないから知らない」という言い訳は通用しません。放置された不動産は、場合によっては高額な損害賠償責任が生じる可能性もあります。

次世代への「負動産」相続となり、権利関係がさらに複雑化する

問題を先送りにしたまま所有者が亡くなると、その土地は配偶者や子供たちへ法定相続分通りに共有相続されます。

代を重ねるごとにネズミ算式に相続人の数が増え、「顔も知らない遠い親戚と共有状態になる」ことが珍しくありません。こうなると、いざ売却や活用(建物の建築や長期の賃貸など)をしようとしても、民法の規定により「共有者全員の合意」が必要となるため、意見をまとめることが困難になるケースが見られます。結果として何も手出しができない事実上の「塩漬け土地」になってしまいます。

権利関係が明確なうちに、早めに処分に向けて動き出すことが最大の親心といえるでしょう。

まとめ

「どんな土地でも買います」という言葉には注意が必要ですが、売却方法は一つではなく、物件の状況に応じて適した手段を選択することが重要です。

一般的な仲介による売却では、広く買主を募集できる一方で、物件の条件によっては成約までに時間を要する場合があります。これに対し、買取は価格が市場相場より調整される傾向があるものの、比較的スムーズに売却できるケースも見られます。

このように、仲介と買取はいずれにも特徴があるため、どちらか一方に限定せず、複数の不動産会社へ相談しながら比較検討することが現実的といえます。

また、土地の問題は時間の経過とともに、建物の老朽化や権利関係の複雑化により対応が難しくなる可能性があります。放置せず、早い段階で情報収集や査定を行い、自身の状況に適した選択肢を把握しておくことが大切です。

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    更新日 : 2025年11月07日
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