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「どんな土地でも買います」は危険?騙されずに土地を売る方法

どんな土地でも買います

「どんな土地でも買います」という宣伝の裏には、実務上、優良な買取業者と悪質な詐欺業者(原野商法など)の両方が存在します。

弊社にも「本当に売れるのか?」「詐欺ではないのか?」といった不安の声がよく寄せられています。

優良な買取業者は、市街化調整区域や底地、再建築不可といった扱いにくい土地でも買い取れる実績とノウハウを持っているのが特徴です。査定の際には、価格の根拠を丁寧に説明しながら適正な評価を行い、相談時に強引な勧誘をしない点も共通しています。

一方で詐欺業者は「将来値上がりする」と虚偽の説明をして価値の低い土地を高額で売りつける事例も少なくありません。「買い取る」と称して手数料をだまし取ったり、不要な別の土地の購入を持ちかけてきたりするなど、さまざまなトラブルが見られます。

このような被害を防ぐためには、契約書の内容に不明点があるまま進めないことが重要です。査定内容や契約に不安がある場合は、国民生活センターなどの公的窓口に相談しながら慎重に判断するとよいでしょう。

本記事では、信頼できる業者の見分け方、売れない土地の具体例、売るための方法を解説します。土地を放置するリスクや、売れなかった場合の代替策まで紹介するため、ぜひ参考にしてください。

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「どんな土地でも買います」と宣伝するのはどんな業者?

「どんな土地でも買います」と宣伝するのはどんな業者?

「活用に困っている土地買います」「訳ありの土地でも高く買い取ります」といった宣伝をする業者には、主に以下の2つのタイプがあります。

  • 自社で土地を買い取り、活用・再販する不動産買取業者
  • 「買い取る」と言いながら金銭を要求する原野商法を利用した詐欺業者

不動産買取業者は宅建業の免許を持つ正規の不動産会社で、土地の状態に応じて査定し、自社が買主となります。売主と直接契約するため取引が明確で、不動産市場でも広く利用されている方法であり、基本的には信頼できる業者といえるでしょう。

一方、詐欺業者は同じような宣伝文句を使いながら、手数料名目で金銭をだまし取るなどの被害が報告されています。

同じような広告でも、業者によって目的も手口も大きく異なるため、最初に正しく見極めることが大切です。

以下では、それぞれの業者の特徴と注意点を詳しく解説します。

1.不動産買取業者

土地売却における仲介業者と買取業者の違い

土地の売却を取り扱う不動産会社は、大きく「仲介業者」と「買取業者」に分けられます。

仲介業者は、不動産を売りたい人と買いたい人をつなぐ役割を担い、その対価として仲介手数料を受け取る仕組みです。物件情報を市場に公開し、買主探しから契約成立までをサポートします。

一方、買取業者は自社の資金で土地を直接買い取るのが特徴です。査定では「自社で再販できるか」「どの程度の価格を出せるか」といった点を踏まえて金額を算出し、提示された査定額がそのまま買取価格になります。

買主を探す必要がないため、早ければ数日で土地を現金化できるというメリットがあります。

自社で再生・活用・再販するので「訳あり」や「田舎の土地」でも買い取れる

買取業者は、自社が買主となるため、市場では買い手がつきにくい土地でも取引できる点が特徴です。

企業としての資金力や再生ノウハウを活かし、土地ごとに最適な活用方法を見出すことが可能です。

造成・リフォーム・分筆・駐車場転用など、状態に応じた多様な再生手法があり、その後は自社で活用するほか、投資家や開発会社に再販されるケースもあります。

個人では売却が難しい土地でも、買取業者ならスムーズに取引できる点はメリットといえるでしょう。

仲介業者より価格は安くなりやすいのがデメリット

買取業者のデメリットは、仲介で売却する場合より買取価格が低くなりやすい点です。

仲介では土地の立地や面積に加え、市場の需要が価格に反映されるため、相場に近い金額で売却できる可能性があります。

一方で買取業者は、再生・活用にかかる費用や再販時の利益に加えて、売れ残りリスクや不動産の瑕疵リスクを自社で負担します。そのため査定額は低くなりやすく、相場より2〜5割ほど下がることが一般的です。

ただし仲介は、購入希望者が現れなければ売却が長期化することもあり、土地の条件によってはそもそも売れないケースもあります。

そのため「価格を優先するなら仲介」「早さや確実性を重視するなら買取」という選び方が現実的でしょう。

2.原野商法を利用した詐欺業者

「どんな土地でも買います」と宣伝する業者のなかには、悪質な詐欺業者もいます。

とくに、かつて流行した「原野商法」の被害者を狙い、二次勧誘を行う手口が近年増えています。

原野商法とは?
原野や山林など、価値がほとんどない土地を「必ず値上がりする」と勧誘し、不当に購入させる手口。1970〜1980年代に被害が多発した。

原野商法による被害者を対象に、再び「土地を買い取ります」と持ちかけて近づき、さらに高額な別の土地を購入させるなど、二次被害につながる巧妙な詐欺も確認されています。

具体的な被害事例は次のとおりです。

  • 「節税になる」と言われ、より高額な土地を買わされた
  • 「売却には測量が必要」と虚偽説明され、調査費を支払わされた
  • 身に覚えのない管理費用を請求された

上記のような勧誘があった場合は、安易に信用せず慎重に対応することが重要です。

参照:政府広報オンライン「「原野商法」再燃!「土地を買い取ります」などの勧誘に要注意」

詐欺にあわないためには家族や消費生活センターに相談することが大切

詐欺被害を防ぐためには、うまい話に聞こえてもその場で契約を決めず、まずは家族や消費生活センターへ相談することが大切です。

一見信用できそうな業者でも、詐欺業者は宅地建物取引業の免許を示したり、専門用語で説明したりして信用させようとするケースがあります。そのため、「有資格者だから安心」と思い込まず、第三者の視点で内容を確認してもらうことが重要です。

また、契約内容を十分に理解しないまま署名したり、費用請求に対して即答で支払ったりすると、被害が拡大するおそれがあります。少しでも不安がある場合は、その場で判断せずに一度持ち帰るようにしましょう。

なお、被害者は年配の人が多いため、高齢者の家族や知人が普段から声をかけ、状況を見守ることも被害防止には有効です。

「売れない土地」を売るための方法5つ

土地が売れにくい理由は、立地や形状、需要の低さなどさまざまです。ただし、条件が悪いように見える土地でも、工夫によって売却できる可能性があります。

売れない土地を売るための主な方法は次の5つです。

  • 一括査定で複数の不動産会社を比較してみる
  • 近隣の人に買ってもらえないか聞いてみる
  • 空き家バンクを活用する
  • 自治体に売却を打診する
  • 建物を壊して更地にする【築古や事故物件の場合】

それぞれの方法について詳しく解説します。

1.一括査定で複数の不動産会社を比較してみる

一括査定とは、複数の不動産会社へまとめて査定を依頼できるサービスです。オンラインで簡単に依頼でき、3〜6社など複数の業者の査定結果を比較できます。

不動産会社は得意とする地域や物件タイプが異なるため、同じ土地でも査定額が数百万円変わることも珍しくありません。これは、活用方法の提案力や、特殊な土地を扱う実績の差が査定額に反映されるためです。

さらに、大手の一括査定サービスなら全国の不動産会社と提携しているため、市街化調整区域・変形地・過疎地など、通常は売却が難しい土地でも対応可能な業者が見つかる可能性があります。

なお、査定額はあくまで「見込み価格」であり、実際の売却価格と一致するとは限りません。複数社を比較する際は、金額だけでなく担当者の知識や提案内容も確認するとよいでしょう。

2.近隣の人に買ってもらえないか聞いてみる

なかなか買主が見つからない土地でも、近隣の人に声をかけることで売却につながるケースがあります。地域外の人よりも、その土地の周辺に住む人のほうが購入メリットが大きいからです。

特にメリットが大きいのは「隣地所有者」です。隣地を買い増すことで敷地が広がり、次のような利点があります。

  • 駐車場や庭として活用できる
  • 建て替えの自由度が高くなる
  • 将来的な資産価値が上がりやすい

また、隣地でなくても、資材置き場・家庭菜園・子どもの住居用など、地域の人のほうが利用目的を見つけやすい傾向があります。

「買主は広く募集したほうがよい」と思われがちですが、実際には近隣で土地を探している人が見つかるケースも珍しくありません。そのため、身近な範囲で声をかけてみるだけで、予想より早く売却につながることもあります。

なお、直接声をかけにくい場合は、不動産会社が隣地所有者への打診を代行してくれることもあるため、相談してみるのもよいでしょう。

3.空き家バンクを活用する

空き家バンクとは、自治体が主体となり空き家の売買や賃貸を促進する制度です。

空き家付き物件が対象となるため、土地のみの案件は登録の対象外となります。

地方移住や古民家での暮らしを希望する人が利用するため、田舎にある築古の家でも買主が見つかる可能性があります。老朽化していても現況のまま募集できるケースが多く、解体費用をかけずに処分できる点もメリットです。

ただし、自治体によっては登録条件や事前調査があり、すべての空き家が登録できるわけではありません。また、利用者の母数が少ない地域では、成約まで時間がかかるケースもあります。

空き家バンクを導入しているかどうかは自治体によって異なるため、まずは物件所在地を管轄する役所へ問い合わせてみるとよいでしょう。

4.自治体に売却を打診する

自治体に申し込むことで、土地を買い上げてもらえる可能性があります。

自治体は学校や道路、公園、福祉施設などの「公共用地」として土地を必要とする場合があります。その取得制度は「公有地の拡大の推進に関する法律(公拡法)」によって整備されているのです。

ただし、自治体が取得できるのはあくまで「公共目的に必要とされる土地」です。需要がない土地や、利用計画が立っていない土地は対象外となります。

公拡法を適用するかどうかは自治体ごとに判断され、実際に買い取りが実現するかは申請してみなければわかりません。

まずは役所に相談し、対象となる可能性を確認してみるとよいでしょう。

5.建物を壊して更地にする【築古や事故物件の場合】

築古の家が建っていたり、火事や自殺などで事故物件となっていたりする土地は、建物を解体して更地にすることで売却しやすくなるケースがあります。

更地にすると駐車場や倉庫など用途の自由度が上がり、住居としての需要が下がっている物件でも買主が見つかりやすくなるためです。

ただし、解体費用は建物の構造・規模によって大きく異なり、100万〜300万円以上かかる場合があります。

また、建物を解体すると住宅用地の特例(固定資産税の減額措置)が外れるため、翌年度の固定資産税が最大6倍になることがあり、税負担が大幅に増える可能性があります。

さらに、更地にしても地域の需要によっては買い手が見つからないケースもあり、解体費用を回収できないおそれもあるでしょう。

そのため、解体するかどうかは費用対効果を踏まえ、不動産会社と相談しながら慎重に判断することが大切です。

土地が売れないのときの代替策

土地が売れずに長期間放置していると、固定資産税や草刈り・管理の手間など、所有し続けるだけで負担が増えてしまいます。そのため、売却にこだわらず、負担を軽減するための「代替策」を検討することも有効です。

土地が売れないときの主な代替策は次の3つです。

土地が売れないときの代替策

すべてのケースで利用できるとは限りませんが、選択肢として把握しておくことが大切です。

自治体や法人へ寄付する

自治体や法人が、不要になった土地の寄付を受け付けている場合があります。

自治体への寄付は、買い上げを申請するときと同じく役所へ届け出ますが、自治体が受け取るのは「公共用地として利用価値がある土地」に限られます。

利用計画がなかったり、維持管理に過度の負担がかかったりする土地は寄付を断られる可能性が高く、境界が未確定の土地や、草木の除去・管理に多額の費用が生じる土地は、受け入れが難しいとされることも多いです。

一方、法人への寄付では、活用目的が公益活動であれば受け付けてもらえる可能性があります。NPO法人などが土地の寄付を募集している場合があるため、活用してほしい目的が明確なときは選択肢になるでしょう。

例えば、日本児童養護施設財団では、使用されていない土地の寄付を募り、子ども支援の活動に活用しています。

※参考:全国児童養護施設 総合寄付サイト「使用していない土地や物件がございましたらお譲りください」

ただし、公益法人等以外へ寄付した場合、税制上は「時価で売却した」とみなされ、寄付者に譲渡所得税が課されます。

個人が、土地、建物、株式などの財産(事業所得の基因となるものを除きます。)を法人に寄附した場合には、これらの財産は寄附時の時価により譲渡があったものとみなされ、これらの財産の取得時から寄附時までの値上がり益に対して所得税が課税されます※(所法59①一)。

引用:国税庁「公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例のあらまし」

譲渡所得税を避けるためには、寄付先が公益法人等であることに加え、寄付が社会福祉・教育など公益目的に「著しく寄与する」と認められる必要があります。

自分で運用して収益化する

処分がむずかしいのであれば、自分で土地を活用して収益を得るのも1つの考え方です。

土地の活用方法としては、次のような例があります。

  • アパート・賃貸住宅経営
  • 駐車場・コインパーキング経営
  • 貸倉庫・トランクルーム経営
  • コインランドリー経営
  • 太陽光発電による売電収入

初期投資やランニングコストはかかりますが、経営が軌道に乗れば定期収入が発生します。安定した収益が見込めるようになれば、土地を保有したまま売るより高値で買い手が付く可能性もあるでしょう。

ただし、アパート建築・店舗経営などは、用途地域や建ぺい率・容積率といった法的な制限を受けるため、すべての土地で自由に活用できるわけではありません。

太陽光発電も、日照条件や地盤の状況によっては設置が難しい場合があります。さらに、近年は売電単価の下落に加えて地盤改良・草刈りなどの維持費も発生するため、必ずしも期待どおりの利益が得られるとは限りません。

どの活用方法が適しているかは、土地の立地・広さ・規制状況によって大きく異なるため、専門業者や不動産会社に収益シミュレーションを相談しながら検討するとよいでしょう。

放棄する【相続の場合】

土地を相続したくない場合は、家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを行えば取得を回避できます。

相続放棄は、相続開始を知ってから3ヵ月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てる必要があります。

ただし、相続放棄は「その相続に関するすべての財産」を放棄する手続きのため、取得したい財産がある場合には選択肢として適しません。

また、放棄者以外の相続人がいれば、その人に相続財産の管理責任が移ります。一方で、相続人全員が放棄した場合は「相続人不存在」となり、家庭裁判所が相続財産管理人を選任することになります。

相続土地国庫帰属制度【令和5年に施行】

2023年(令和5年)4月に、不要な土地のみを国庫に返すことができる「相続土地国庫帰属制度」が開始されました。

一定の要件を満たし、申請者が10年分の土地管理費用を納付すれば、不要な土地だけを国に引き取ってもらうことが可能です。

ただし、以下のような土地は認められないケースが多く、要件は厳しく設定されています。

  • 建物が残っている土地(原則、除去が必要)
  • 崖地など管理困難と判断される土地
  • 他人による通路・利用がある土地
  • 境界が不明確で紛争のおそれがある土地

審査には時間がかかり、不承認となるケースも少なくありません。制度の詳細は法務省の案内ページで最新情報を確認しましょう。

※参考:法務省「相続土地国庫帰属制度について」

「売れない土地」の具体例

土地がなかなか売れない理由は、立地条件だけでなく、安全性・法的制限・需要の有無など、複数の要因が複雑に関係している場合があります。

代表的な例としては、次のような状況が挙げられます。

売れない土地の具体例

このような問題は土地の種類によって解決方法が異なるため、まずは「自分の土地がなぜ売れにくいのか」を正確に把握することが重要です。課題が明確になれば、それに応じた対処法を選ぶことができ、売却の可能性も高まります。

それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。

僻地・過疎化が進んでいる土地

山のなかにある一軒家や、人がほとんど住んでいない集落は、住宅の需要が少ないため売却もむずかしくなります。

築年数の古い家が建っていたり、農地を含めて広い面積をもっていたりすることも、買主を見つけにくくなる要因です。

先に解説した空き家バンクや、自治体への寄付などを検討する方法もあります。ただし、空き家バンクは、成約まで時間がかかりやすいほか、登録数に対して実際に売買まで進む割合は高くありません。

さらに、希望価格より大幅に安い金額での成約となるケースも多く、期待どおりの売却につながらない可能性があります。

そのため、不動産会社を選ぶときは、大手よりも地元の事情や買い手の層をよく理解している地域密着型の業者のほうが、スムーズに売却できる場合があります。

災害リスクの高い土地

近年は個人の防災意識が高まっており、災害リスクのある土地は以前よりも売れにくくなっています。

特に水害リスクは、2020年の宅建業法改正により、ハザードマップを用いた説明が義務化されています。買主自身も自治体のハザードマップでリスクを確認できるため、浸水想定区域などは昔と比べて売却が難しくなっているのが実情です。

また、次のような災害リスク区域・地盤も、買い手がつきにくい傾向があります。

  • 土砂災害警戒区域(イエローゾーン)
  • 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
  • 地震で沈下・液状化の可能性がある軟弱地盤

これらの区域は建築制限や安全性への懸念があるため、一般の買主は購入を避ける傾向にあります。

さらに、売却後に災害リスクが発覚するとトラブルに発展することも少なくありません。リスクの高い土地は、契約不適合責任が免責される買取業者へ相談することで、よりスムーズに手放せる可能性があるでしょう。

形状や面積に問題がある土地

土地の形状は、一般的に正方形や長方形のような整形地が理想とされています。形が整っているほど建物が配置しやすく、無駄の少ないプランが立てられるためです。

一方、形が歪な不整形地は人気が低く、売却できても価格は下がる傾向があります。具体例としては、L字型・旗竿地・三角形の土地などがあるでしょう。

また、狭小地の場合は、建築基準法の接道義務や最低敷地面積の制限により、そもそも建物が建てられないケースがあります。反対に広すぎる土地は購入価格が高くなるうえ、造成費・維持費(固定資産税など)が大きく、個人の買主が手を出しにくいのが実情です。

このように、形状・面積に制約のある土地は一般の買主が見つかりにくく、仲介では売却までに時間を要することが少なくありません。そのため、条件が悪い土地を専門的に取り扱う買取業者へ相談すると、よりスムーズな売却が期待できるでしょう。

権利関係が不明瞭になっている土地

相続を繰り返すうちに名義が分散し、誰がどれだけの権利を持っているのか分からなくなる土地は珍しくありません。

特に、古い登記のまま所有者が亡くなり、相続人が多数に広がっているケースでは、権利関係の把握が困難になります。近年は相続登記の義務化(2024年施行)により改善が進んでいますが、過去のまま放置された土地は依然として多く存在します。

共有名義の場合、売却には共有者全員の同意が必要です。しかし、次のような理由から売却が進まないケースも少なくありません。

  • 共有者の連絡先が分からない
  • 相続人が数十人に及び話し合いがまとまらない
  • 海外在住・高齢などで意思確認が進まない

ただし、共有名義でも「自分の持分だけを売却する」ことは民法上認められています。

もっとも、持分だけを購入する一般の買主はほとんどおらず、購入後は他の共有者と共同で土地を所有する必要があるため負担が大きくなりがちです。このため、実務では訳あり不動産を扱う買取業者へ売却するケースが多く見られます。

瑕疵物件

瑕疵物件とは、なんらかの瑕疵(欠点や欠陥)を抱えている不動産全般を指す言葉です。
瑕疵は一般的に次の4種類に分類されます。

物理的瑕疵 雨漏り・シロアリ被害・地中埋設物・土壌汚染など
心理的瑕疵 自殺や他殺、孤独死で発見が遅れた場合など
環境的瑕疵 近隣に嫌悪施設(火葬場、ゴミ処理場、暴力団事務所など)がある場合
法律的瑕疵 再建築不可物件など、法令上の制限により利用に制約がある場合

これらの瑕疵については、原則として買主への告知が必要です。隠して売却した場合、あとから発覚すると代金減額・契約解除・損害賠償などを請求される可能性があります。

ただし、心理的瑕疵については死因や経過期間により告知範囲が異なることもあり、判断が難しいケースもあります。

瑕疵のある不動産を積極的に購入する一般の買主は少ないため、リスクを理解したうえで査定してくれる「訳あり物件専門の買取業者」に依頼するほうが、より現実的な選択といえるでしょう。

土地を利用せず放置するリスク

売れない土地をそのまま放置していると、思わぬ負担やトラブルを招くことがあります。土地は所有しているだけでも税金や管理の義務が生じ、場合によっては行政からの指導や家族への負担につながることもあります。

放置によって想定される主なリスクは、次の3つです。

土地を利用せず放置するリスク

ここからは、それぞれのリスクがどのような問題を引き起こすのかを詳しく見ていきましょう。

維持・管理の負担がかかる

土地は所有しているだけでも維持費が発生します。とくに固定資産税や都市計画税は毎年課税されますが、その内訳を十分に理解しないまま支払い続けているケースも少なくありません。

税金のほかにも、草刈り・除草、フェンスや境界標の補修、水道・電気の基本料金、土壌流出を防ぐための保全費用など、さまざまなコストがかかります。

1つ1つは少額でも、10年・20年と持ち続けるうちに大きな負担となっていくでしょう。

また、適切に管理していない土地は、不法投棄や不法侵入、犯罪行為の温床になるリスクもあります。不法投棄が発生した場合、その撤去費用は所有者が負担しなければなりません。

さらに、管理不十分によって土地が原因で他者に損害を与えた場合、民法717条に基づき所有者が賠償責任を負うこともあります。

そのため、利用していない土地であっても、定期的な点検と最低限の管理が必要です。

「特定空き家」に指定される

空き家を適切に管理せず放置していると、自治体から「特定空き家」に指定される恐れがあります。

特定空き家とは、空家等対策特別措置法により以下のような状態にある空き家を指します。

  • 倒壊など著しく危険な状態
  • 衛生上有害となるおそれがある状態
  • 景観を著しく損なっている状態
  • 周辺の生活環境の保全を著しく阻害している状態

特定空き家に指定されると、最大50万円の過料や、行政代執行による強制解体(費用は所有者負担)といったペナルティが科される可能性があります。

さらに、勧告を受けた時点で住宅用地の特例(固定資産税の軽減措置)が外れるため、翌年度の税額が最大6倍に増えるおそれもあるでしょう。

倒壊や衛生状態の悪化など、周辺に危険を及ぼす恐れがあると指定対象となるため、誰も住んでいない物件であっても、定期的な点検や最低限の管理が欠かせません。

相続で家族に迷惑をかける

売却できない土地を放置していると、将来の相続で家族に大きな負担を残すことになります。

相続放棄という方法もありますが、放棄をしても他の相続人に権利が移るだけで、根本的な問題が解消されるとは限りません。場合によっては、誰も相続を希望しないまま、管理義務だけが残ってしまうケースもあります。

不要な土地を相続すると、土地をどう扱うかについて相続人同士で意見が分かれ、遺産分割協議が長期化するおそれがあります。合意がまとまらないと手続きが進まず、相続人の精神的・時間的負担が大きくなりかねません。

また、相続をきっかけに所有者が複数人となると、次の相続で関係者がさらに増え、調整がいっそう複雑になる可能性があります。その結果、生前よりも処分が難しくなるケースも多いでしょう。

将来の負担を家族に残さないためにも、生前のうちから資産整理を進めておくことが重要です。

まとめ

土地がなかなか売れないからといって「どんな土地でも買います」といった甘い言葉に安易に飛びつくのは危険です。こうした広告を出す業者の多くは、訳ありや田舎の土地でも自社で再生・活用して買い取る不動産買取会社が多い一方で、原野商法の二次被害を狙う悪質業者が紛れているケースもあります。

土地の売却を考える際は、まず複数の選択肢を把握することが重要です。一括査定で不動産会社を比較する、近隣へ打診する、空き家バンクを活用する、自治体へ相談する、解体や自分での活用を検討するなど、複数の方法を候補に入れてみましょう。さらに、「自分の土地が売れにくい理由」と「現実的に取り得る方法」を整理しておくことが大切です。

勧誘内容に少しでも違和感を覚えた場合は、家族や専門家、消費生活センターなど第三者に相談し、早い段階でトラブルを防ぐ意識を持つことが重要です。

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    更新日 : 2025年11月07日
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