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再建築不可物件の売却相場は?売却方法・状況別の相場や高く売るコツを解説

再建築不可物件の売却相場は、同じ立地・広さ・築年数の通常物件と比べて、50%〜70%程度が目安と言われています。

しかし、これはあくまで仲介で売却する場合の目安であるうえ、再建築不可物件の売却価格は物件の状態によっても大きく変わります。

概要
売却方法ごとの相場 隣地所有者への売却:通常物件の60%〜80%程度

仲介(主に投資家)での売却:通常物件の50%〜70%程度

買取業者への売却:通常物件の30%〜50%程度
価格を左右するポイント ・再建築不可になっている理由を解消できる可能性があるか
・既存の建物を活用できる状態か
・活用するためにどれくらいのリフォーム費用がかかるか
・賃貸・再販需要が見込める立地か
・道路・私道・隣地関係に問題がないか

※相場はあくまで実務上の目安です。接道状況、建物状態、立地、私道・隣地関係によっては、この範囲を上回ることも下回ることもあります。

再建築不可物件の相場は、まず誰に売るかで変わります。隣地所有者であれば通常物件の60%〜80%程度、仲介で投資家などに売却する場合は通常物件の50%〜70%程度、買取業者であれば通常物件の30%〜50%程度が相場の目安になります。

また、物件の状態も再建築不可物件の相場を変動させる要素です。たとえば、駅近で既存建物を活用しやすい物件であれば70%前後で評価されることもありますが、建物の劣化が大きい、無接道に近い、私道や隣地関係に問題がある物件では50%を下回るケースもあります。

当記事では、再建築不可物件の相場目安、状況別の価格感、売却方法ごとの違い、査定で見られるポイント、高く売るために売主ができる準備を解説します。

酒井 康博(株式会社SA 代表取締役 不動産鑑定士 / 雇用クリーンプランナー)
監修
株式会社SA 代表取締役
酒井 康博(不動産鑑定士 / 雇用クリーンプランナー)

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再建築不可物件の相場は売却方法によって変わる

再建築不可物件の相場は同じエリア・同程度の広さ・築年数の通常物件と比べて、50%〜70%程度がひとつの目安と一般的に言われています。

しかし、これはあくまで「仲介で売却する場合」を想定した目安であり、再建築不可物件の相場は売却方法によって大きく異なるのが実務上の基本です。

再建築不可物件には、「金融機関の住宅ローンを利用しづらい」「建築ができない」などの理由から買主の幅が狭まりやすい特殊な事情があります。そのため、「誰に・どの方法で売却するか」によって評価基準が変わりやすく、主に以下の3つの売却方法で相場が変動します。

売却方法 相場目安 概要
隣地所有者に売却する 通常物件の60%〜80%程度 隣地と一体化することで再建築可能になるなど、購入者にもメリットがあるため最も高く売れやすい。ただし、必ず購入してもらえるとは限らないうえ、境界確定や価格交渉などトラブルのリスクが伴う。
仲介で売却する 通常物件の50%〜70%程度 買取よりも高く売れる可能性があるが、「再建築不可という制限がある」「買主が住宅ローンを組みづらい」といった理由から買主が見つかりにくく時間がかかりやすい
買取業者に売却する 通常物件の30%〜50%程度 現状のままでも買取可能だが、諸経費などを差し引いた金額が買取価格になるため仲介よりも安値になりやすい

実際に、イエコン編集部でアンケートを実施したところ、いずれの方法の相場は妥当であると判断できる結果が出ています。ここからは、アンケート結果を踏まえて、再建築不可物件の売却方法ごとの相場について解説していきます。

隣地所有者に売却する:通常物件の60%〜80%程度が目安

隣地所有者に売却する場合の再建築不可物件の相場は、通常物件の60%〜80%程度が1つの目安とされています。

そして、再建築不可物件を隣地所有者に売却したことがある人にイエコン編集部でアンケートをしたところ、売却価格帯は「通常物件の50%〜60%未満」が最も多い結果となりました。

通常物件と比べた売却価格 人数
通常物件の30%未満 2人
通常物件の30%〜40%未満 7人
通常物件の40%〜50%未満 13人
通常物件の50%〜60%未満 21人
通常物件の60%〜70%未満 31人
通常物件の70%以上 17人
合計 91人
※アンケート実施日:2026年2月8日〜4月12日
※実施方法:インターネットアンケート
※実施元:イエコン編集部
※アンケート対象者:再建築不可物件を売却したことがある人(389人)のうち、隣地所有者に売却したことがある91人
※通常物件だった場合の想定価格の算出方法:アンケート対象者から得られた情報をもとに、立地・土地面積・築年数・建物状態・接道状況・周辺の類似物件相場などを踏まえて編集部で算出

たとえば、周辺で同じような条件の通常物件が3,000万円前後で取引されている場合、再建築不可物件の売却相場は1,800万円〜2,400万円前後が売却価格の参考値になります。

なお、隣地所有者に売却する場合の相場が高くなる理由として、他の買主よりも購入するメリットが明確にあるためです。

再建築不可物件は、現在の接道条件などを満たしていないため、現状のままでは原則として新築や建て替えができない物件です。しかし、隣地所有者が購入することで、「隣地と一体利用でき接道条件を満たせる可能性がある」「土地全体の形状が整って資産価値が向上する」といったメリットがあります。

購入後も再建築不可物件として活用が強いられる場合よりもメリットがあることから、価格が下がりにくくその分相場も高くなるのが隣地所有者に売却することの特徴です。

ワンポイント解説

◻︎実務上の補足
隣地所有者は、再建築不可物件の有力な売却先になりやすい一方で、購入する意思がなければ当然売買は成立しません。また、売主側が「隣地にしか売れない」と見られてしまうと、相手から大幅な値下げを求められることもあります。

そのため、隣地所有者へ売却を打診する場合でも、事前に不動産業者へ査定を依頼し、売却価格の目安や接道状況、境界・越境の有無などを整理しておくことが重要です。価格の基準がないまま個人間で交渉を進めると、安値での売却につながるだけでなく、境界確認や土地の利用範囲をめぐって、隣地所有者との関係が悪化するおそれもあります。

仲介で売却する:通常物件の50%〜70%程度が目安

再建築不可物件を仲介で売る場合、売却相場は通常物件の50%〜70%程度が1つの目安です。

実際に、再建築不可物件を仲介で売却したことがある人にイエコン編集部でアンケートをしたところ、50%〜70%程度で売却できたとの回答が6割以上を占める結果になりました。

通常物件と比べた売却価格 人数
通常物件の30%未満 2人
通常物件の30%〜40%未満 5人
通常物件の40%〜50%未満 13人
通常物件の50%〜60%未満 25人
通常物件の60%〜70%未満 24人
通常物件の70%以上 9人
合計 78人
※アンケート実施日:2026年2月8日〜4月12日
※実施方法:インターネットアンケート
※実施元:イエコン編集部
※アンケート対象者:再建築不可物件を売却したことがある人(389人)のうち、隣地所有者に売却したことがある78人
※通常物件だった場合の想定価格の算出方法:アンケート対象者から得られた情報をもとに、立地・土地面積・築年数・建物状態・接道状況・周辺の類似物件相場などを踏まえて編集部で算出

仲介では、市場に物件を出して買主を探すため、特に不動産投資家などの買主が見つかれば買取より高値で売れる可能性があります。とくに、立地がよく、既存建物を活用できる物件は、仲介でも価格が残りやすい傾向があります。

ワンポイント解説

◻︎実務上の補足
「駅から近い」「賃貸需要が見込める」などの物件は買主が購入後の活用方法をイメージしやすく、仲介でも成約を目指しやすい傾向があります。

ただし、仲介では売主が希望価格で売り出すことはできますが、その価格で必ず成約するとは限りません。再建築不可物件は住宅ローンを利用しにくく、建て替えもできないため、一般の買主からは購入後の使い道や将来の売却しやすさを慎重に見られます。

そのため、仲介で売却する場合は、最初の売出価格だけでなく、問い合わせ状況や内見後の反応を見ながら価格を調整していくことが重要です。販売開始直後の反応が弱い場合や、買主から融資・リフォーム費用・境界確認などを理由に価格交渉が入った場合は、売却条件を見直しながら成約可能な価格帯を探る必要があります。

買取業者に売却する:通常物件の30%〜50%程度が目安

再建築不可物件を買取で売る場合、買取相場は通常物件の30%〜50%程度が1つの目安とされています。

実際に、再建築不可物件を買取で売却したことがある人にイエコン編集部でアンケートをしたところ、約半数が50%程度の価格帯である結果になりました。

通常物件に対する買取価格帯 人数
通常物件の50%以上 32人
通常物件の40%〜50% 64人
通常物件の30%〜40% 48人
通常物件の20%〜30% 24人
通常物件の20%未満 17人
合計 185人
※アンケート実施日:2026年2月8日〜4月12日
※実施方法:インターネットアンケート
※実施元:イエコン編集部
※アンケート対象者:再建築不可物件を売却したことがある人(389人)のうち、隣地所有者に売却したことがある78人
※通常物件だった場合の想定価格の算出方法:アンケート対象者から得られた情報をもとに、立地・土地面積・築年数・建物状態・接道状況・周辺の類似物件相場などを踏まえて編集部で算出

仲介や隣地所有者への売却と比べて買取相場が低くなるのは、不動産業者が物件を「事業目的」で購入するためです。

買取後に発生するリフォーム費用や解体費、各種税金などの諸経費にくわえ、再販や運用による業者の事業利益を差し引いて査定額が提示されるため、買取相場はどうしても安くなってしまいます。

一方で、実務面では仲介とは異なる特徴があります。「不用品を残したまま買い取ってもらえる」「売却後に建物の欠陥が発覚しても売主が責任を負わない(契約不適合責任の免責)よう売買契約ができる」などのメリットもあります。

ワンポイント解説

◻︎実務上の補足
再建築不可物件の買取価格は、すべて一律に通常物件の30%〜50%程度へ収まるわけではありません。再建築不可であることは減額要因になりやすいですが、実際の査定では、立地、建物状態、接道状況、私道・隣地関係、リフォーム後の活用可能性などを総合的に見て価格が決まります。

たとえば、建物の状態が比較的良く、内装や水回りの軽微な修繕で賃貸物件として活用できるようなケースでは、再建築不可であっても価格が残りやすくなります。

一方で、建物の老朽化が進んでいる、解体費用が高額になる、擁壁の補修や境界・越境の整理が必要になるなど、買い取った後に大きなコストが見込まれる物件では、その分が査定価格に反映されます。

【状況別】再建築不可物件の相場の目安

ここでは、代表的な状況別に「売却方法ごとの相場がどれくらい変動するのか」の参考値をまとめました。実際の査定額とは異なる場合がありますので、あくまでシミュレーションとして確認してみてください。

物件の状況 売却方法ごとの相場目安
(※通常物件と比較して)
その相場になる理由
立地がよく、建物をリフォームして使える 隣地:70%〜80%程度

仲介:60%〜70%程度

買取:40%〜50%程度
駅近など利便性が高いエリアは、投資家からの賃貸需要が強いため仲介でも高値がつきやすく、買取業者も再販の出口戦略を描きやすいためです。
接道改善や43条2項許可の可能性がある 隣地:70%〜90%程度

仲介:60%〜80%程度

買取:40%〜60%程度
将来的に再建築可能になるポテンシャルがあるため全体的に評価が高くなります。ただし行政判断や隣地協力が必要なため、確定要素ではなく「可能性」としての評価額になります。
築古だが、最低限の修繕で賃貸化できる 隣地:60%〜80%程度

仲介:50%〜60%程度

買取:30%〜40%程度
築年数が古くても、雨漏りや傾きなどがなく修繕範囲が限定的であれば、通常相場のベースラインに近い水準での取引が期待できます。
築古で大規模リフォームが必要 隣地:50%〜70%程度

仲介:30%〜50%程度

買取:20%〜30%程度
構造や給排水管の修繕費が重くのしかかるため、投資家(仲介)や買取業者はその工事費用を差し引いて査定します。土地だけが欲しい隣地所有者への売却が最も価格を残しやすいケースです。
無接道・私道トラブル・境界問題がある 隣地:50%〜70%程度

仲介:20%〜40%程度

買取:10%〜30%程度
権利の調整が必要な物件は一般の買主(仲介)には敬遠されます。買取業者も弁護士等を入れる解決コストを見込むため相場は下がりますが、隣地所有者であれば一体化で問題解決できる余地があります。
地方・郊外で賃貸需要が弱い 隣地:40%〜60%程度

仲介:20%〜40%程度

買取:10%〜30%程度
再建築不可物件は「収益物件」としての需要がメインになるため、賃貸や再販需要が弱いエリアでは買い手が極端に限られ、全体の相場が大きく下がります。
建物の劣化が激しく、活用の見込みが立てにくい 隣地:40%〜60%程度

仲介:10%〜30%程度

買取:20%未満(買取不可のケースも)
解体して新築できないにもかかわらず、建物の修繕費や解体費が土地の価値を上回る(経費倒れする)リスクがあるため、仲介や買取では非常に厳しい価格設定になります。
※同じ築年数・同じ再建築不可物件でも、立地、建物状態、接道状況、私道・隣地関係、賃貸需要によって最終的な価格は変動します。

このように、築古でも駅から近く、最低限の修繕で活用できる物件であれば、どの売却方法を選んでも一定の価格がつく見込みがあります。

一方で、建物の傷みが大きく、道路や隣地関係の整理も必要な物件では、買主側(投資家や買取業者)が取得後に負担する費用や調整リスクを見込むため、相場は大きく下落しやすいです。

再建築不可物件の売却相場が安くなりやすい理由

再建築不可物件の売却相場が安くなりやすい理由には、主に下記が挙げられます。

  • 建て替えできず、活用方法が限られやすいため
  • 築年数が古い物件が多いため
  • 購入時に住宅ローンを組みづらいため
  • 2025年4月の法改正により大規模リフォームを前提とする物件は査定が慎重になりやすいため

再建築不可物件の相場が通常物件より安くなりやすい大きな理由は、買主が建て替えという出口を選べず、取得後に取れる活用方法が限られるためです。

通常の物件であれば、建物をそのまま使うだけでなく、解体して新築する、建売用地として売る、将来的に建て替えるといった選択肢があります。一方で、再建築不可物件は新たに建物を建てられないため、既存建物の状態やリフォーム費用、賃貸・再販のしやすさが価格に大きく影響します。

その結果、一般の居住用物件と比べて買主が限られやすく、取得後にかかる費用やリスクも売却価格に反映されやすくなります。

ここからは、再建築不可物件の相場が安くなりやすい主な理由を、建て替え・リフォームの制限、建物の古さ、住宅ローンの利用しにくさ、2025年4月の建築基準法改正の影響に分けて解説します。

建て替えできず、活用方法が限られやすいため

再建築不可物件の価格が安くなりやすい最大の理由は、現在の建物を解体すると新しい建物を建てられない点にあります。

そもそも再建築不可物件とは、建築基準法第43条で定められた「接道義務」を満たしていない土地、またはその土地に建つ建物のことです。

接道義務とは、建物を建てる土地が幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないという義務です。

接道義務

災害時の避難経路や緊急車両の進入経路を確保する目的で定められています。

再建築不可物件は、この接道義務を満たしていないため、建物を解体してしまうと、原則として新しい建物を建てることができません。

通常の物件であれば、建物が古くなっても「解体して新築する」「将来的に建て替えて住み続ける」といった選択肢があります。しかし、再建築不可物件では「建て替え」という出口を取りにくく、買主は現在の建物を前提に活用方法を考える必要があります。

再建築不可物件は通常物件に比べて購入後の選択肢が少ないため、購入を検討する人も限られやすくなります。とくに、古い建物を解体して新築したい人や、住宅ローンを使って一般的な戸建てとして購入したい人にとっては、検討しにくい物件になりやすいです。

買主が限られると、売主側は価格交渉で不利になりやすくなります。買主は、建て替えできない制約だけでなく、リフォーム費用、賃貸化できるか、将来売却できるかといったリスクも見込んで価格を判断するため、通常物件より相場が低くなりやすいのです。

築年数が古い物件が多いため

再建築不可物件は、現在の建築基準法の接道義務を満たしていない古い住宅地や市街地に残っているケースが多く、築年数が古い建物も少なくありません。

建築基準法は1950年に制定されており、現在の接道基準に合わない土地の中には、古くから建物が建っているものもあります。そのため、再建築不可物件では、築40年、築50年を超える木造戸建や、長期間空き家になっていることも珍しくありません。

築年数が古くなるほど、建物の劣化や修繕費が価格に影響しやすくなります。とくに木造戸建住宅では、築年数の経過とともに建物評価が下がりやすく、国土交通省の資料でも、築後20年〜25年程度で建物評価が大きく低下する傾向が示されています。

アパート 売却相場

出典:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」

再建築不可物件では、築年数や劣化状況によって建物そのものの評価がつきにくくなることがあります。その場合、土地としての価値をベースにしつつ、既存建物を活用できるか、修繕費や撤去費がどれくらいかかるかを差し引いて査定されるのが実務上の基本です。

購入時に住宅ローンが組みづらいため

不動産を購入する際、多くの人は住宅ローンを利用して資金を用意します。再建築不可物件は金融機関の担保評価が低く見られやすく、住宅ローンを利用しにくい場合があります。

住宅ローンの審査では、購入する人の年収や勤務先だけでなく、購入予定の不動産に十分な担保価値があるかも確認されます。万が一ローンの返済が滞った場合、金融機関は担保物件を売却して貸付金を回収する必要があるためです。

再建築不可物件は、接道義務を満たしていないなどの理由で、現在の建物を解体すると新しい建物を建てられません。将来的な建て替えや土地活用に制限があるため、金融機関から担保価値を低く見られやすく、融資審査で不利になることがあるのです。

また、再建築不可物件のなかには、現行の建築基準に適合していない既存不適格建築物や、過去の増改築によって建ぺい率・容積率などに問題が生じている建物もあります。

既存不適格建築物とは、建築当時は適法だったものの、その後の法改正などによって現在の基準に合わなくなった建物を指します。直ちに違法建築というわけではありませんが、増改築や大規模な修繕を行う際に制限を受けることがあり、金融機関が慎重に審査する要因になります。

一方で、無断増築などによって建ぺい率や容積率を超過している場合は、違反建築物として扱われる可能性があります。このような物件では、住宅ローンの利用がさらに難しくなることがあります。

そのため、再建築不可物件は、住宅ローンを使って購入したい一般の買主よりも、現金購入できる投資家や、訳あり物件の扱いに慣れた不動産会社などが主な買主になりやすい傾向があります。

買主の選択肢が限られると需要が伸びにくくなり、結果として通常物件より売却価格も安くなりやすいのです。

2025年4月の法改正により大規模リフォームを前提とする物件は査定が慎重になりやすいため

2025年4月の建築基準法改正により、2階建て木造戸建などで主要構造部に関わる大規模な修繕・模様替えを行う場合、建築確認手続きが必要になるケースが増えました。

国土交通省の資料でも、2階建ての木造一戸建てなどで大規模なリフォームを行う場合、2025年4月以降に工事に着手するものは、建築確認手続きの対象になるとされています。

二階建ての木造戸建等で行われる大規模リフォームで、2025年4月以降に工事に着手するものは、事前に建築確認手続きが必要となります。
出典:国土交通省「木造戸建の大規模なリフォームに関する建築確認手続について」

再建築不可物件では、建築確認が必要になる工事を行う際に、接道条件が問題になることがあります。

そのため、築古で大規模リフォームを前提にしなければ活用しにくい再建築不可物件では、買主や買取業者が工事可否・確認申請・工期・採算性をより慎重に見る可能性があります。

具体的に下記のような物件では、買主が「購入後にどこまで工事できるか」「工事費をかけても採算が合うか」を慎重に見るため、査定が厳しくなりやすいです。

  • 屋根や外壁の劣化が大きく、大規模な補修が必要な物件
  • 柱・梁・床などの構造部分に傷みがあり、主要構造部の修繕が必要な物件
  • 雨漏りやシロアリ被害があり、表面的なリフォームだけでは活用しにくい物件
  • 築古の木造2階建てで、再販や賃貸化の前に大きな改修費がかかる物件

つまり、法改正後は「再建築不可かどうか」だけでなく、建物を使える状態にするまでに、どの程度の工事が必要になるかが査定でより重視されやすくなっています。

再建築不可物件の価格が決まる査定ポイント

再建築不可物件の査定では、単に「再建築できないから安い」と見るのではなく、さまざまな視点から総合的に価格を判断します。筆者の実務経験をもとにすると、再建築不可物件の価格が決まる査定ポイントには下記が挙げられます。

  • 再建築不可になっている理由を解消できる可能性があるか
  • 既存の建物を活用できる状態か
  • 活用するためにどれくらいのリフォーム費用がかかるか
  • 賃貸・再販需要が見込める立地か
  • 道路・私道・隣地関係に問題がないか

再建築不可物件の価格は、土地や建物の表面的な条件だけでなく、買主が取得後にどのような使い道を描けるかによって変わります。査定額を正確に把握するには、物件ごとの条件を分解し、どの点が評価され、どの点が減額要因になるのかを確認することが重要です。

再建築不可になっている理由を解消できる可能性があるか

再建築不可物件の査定では、なぜ再建築不可になっているのかを確認します。

同じ再建築不可物件でも、接道幅がわずかに足りない物件と、建築基準法上の道路にまったく接していない物件では、評価が大きく変わります。

再建築不可になっている理由を解消できる余地があるほど、将来的に活用できる可能性があるため、再建築不可物件でも査定でプラスに評価されやすいです。

再建築不可になる理由には、以下のようなものがあります。

  • 道路に接している間口が2m未満になっている
  • 接している通路が建築基準法上の道路ではない
  • 私道や通路の権利関係が整理されていない
  • 旗竿地や路地状敷地で、接道条件を満たしているか確認が必要
  • 建築基準法43条2項許可を検討できる可能性がある

とくに、接道幅がわずかに足りないケースや、隣地所有者との協議によって通路部分を整理できる可能性があるケースでは、再建築可能になる余地が査定で評価されることがあります。

このように、再建築不可物件の査定では、再建築不可になっている原因を改善できるのかが重視されます。接道条件の改善や43条2項許可を検討できる余地がある物件は、将来的な活用方法を見込みやすいため、価格が残りやすくなります。

既存の建物を活用できる状態か

再建築不可物件の査定では、既存の建物をそのまま活用できる状態かどうかも重要です。

再建築不可物件の査定では、建物を活用できるかどうかを、修繕の規模や取得後の使い道とあわせて確認します。少ない修繕で使える物件であれば、賃貸用・投資用・自己利用として活用しやすく、査定でも評価が残りやすくなります。

一方で、雨漏りや傾き、シロアリ被害などがある物件では、買主が購入後に大きな修繕費を負担する必要があります。修繕しても活用しにくい状態であれば、価格は下がりやすくなります。

少ない修繕で使える物件は評価が残りやすく、反対に大規模補修が必要な物件は、修繕費や活用リスクを見込まれて査定価格が下がりやすくなります。

活用するためにどれくらいのリフォーム費用がかかるか

再建築不可物件の査定では、買主が購入後にどれくらいの費用をかければ活用できるかも確認されます。

同じ築古物件でも、内装や水回り交換程度で使える物件と、屋根・外壁・床下・給排水管まで大きく直す必要がある物件では、査定での評価が変わります。

リフォーム費用を抑えて賃貸化・再販・自己利用が見込める物件は、買主が取得後の採算を立てやすいため、価格が残りやすくなります。

一方で、購入後に高額な工事費がかかる物件では、買主がその費用を見込んで価格を判断します。とくに、工事費をかけても賃貸収入や再販価格で回収しにくい物件では、リフォーム費用が大きな減額要因になりやすいです。

少ない工事費で使える物件は、取得後の活用方法を描きやすくなります。反対に、工事費が大きくなりすぎる物件は、買主が採算を取りにくくなるため、査定価格が下がりやすくなります。

道路・私道・隣地関係に問題がないか

再建築不可物件の査定では、道路・私道・隣地関係に問題がないかも重要な確認ポイントです。

再建築不可物件では、建物や土地そのものに大きな問題がなくても、通行、掘削、境界、越境などの関係が整理されていないことで、査定価格が下がることがあります。

買主が取得後に近隣所有者や私道所有者との調整を行う必要がある物件は、その手間やリスクが査定に反映されやすくなります。

とくに、私道に接している物件や、隣地との境界が不明確な物件では、購入後に水道管・ガス管の工事ができるか、通行をめぐるトラブルが起きないか、隣地との越境をどう扱うかまで実務では確認しています。

道路・私道・隣地関係が整理されている物件は、買主が取得後のリスクを見込みやすく、査定でも評価しやすくなります。

一方で、通行・掘削承諾がない、境界が不明確、越境の可能性があるといった物件では、買主が調整費用やトラブルリスクを見込むため、査定価格が下がりやすくなります。

査定額が残りやすい・下がりやすい再建築不可物件の例

ここまで解説したように、再建築不可物件の価格は、接道状況、建物状態、リフォーム費用、道路・私道・隣地関係などによって大きく変わります。

実際に当サイトで実施したインタビューでも、「高く売却できた」「予想よりも安かった」といった意見が多々みられました。

ここからはインタビューの回答をもとに、どのような再建築不可物件が査定額が高くなりやすい・下がりやすいのかを実務現場を知る筆者が解説していきます。

再建築不可物件でも高値で売却できたと感じた人の事例

当サイトでは、再建築不可物件を売却した人のうち、「想定よりも高値で売却できた」と感じている方にインタビューを行いました。

今回話を聞いたのは、都心近郊にある築古戸建を売却した方です。物件は駅から徒歩圏内にあり、周辺には単身者や少人数世帯向けの賃貸需要が見込めるエリアでした。


一方で、前面道路との接道幅が2m未満だったため、建築基準法上は再建築不可の物件でした。売主自身も、当初は「建て替えができないなら、かなり安く買い叩かれるのではないか」と不安を感じていたといいます。


しかし、実際には建物に大きな傾きや雨漏りはなく、水回り交換や内装工事を行えば、そのまま賃貸物件として活用できる可能性がある状態でした。そのため、買主側からは「建て替え前提ではなく、既存建物を活かして収益化できる物件」として評価されたそうです。

この事例では、建物の状態が比較的良く、取得後のリフォーム費用を抑えながら賃貸運用を見込めたことが、高値売却につながった要因と考えられます。

また、接道幅は不足していたものの、隣地との境界や私道関係に大きな問題はありませんでした。さらに、将来的に隣地所有者との協議によって接道条件を改善できる余地もあり、買主にとって活用の選択肢が残されていた点も評価されたと考えられます。

◻︎この事例で高値売却につながったと考えられるポイント

  • 駅徒歩圏で、賃貸需要を見込みやすい立地だった
  • 建物に大きな傾きや雨漏りがなく、既存建物を活用できる状態だった
  • 水回り交換や内装工事など、比較的限定的な修繕で活用を検討できた
  • 隣地との境界や私道関係に大きな問題がなかった
  • 将来的に接道条件を改善できる余地があった

売主の方は、「再建築不可というだけでほとんど値段がつかないと思っていたが、立地や建物の状態を評価してもらえたことで、想定よりも納得できる価格で売却できた」と話していました。

このように、再建築不可物件であっても、立地が良く、既存建物を活用しやすい状態であれば、通常物件の50%を上回る価格帯で売却できるケースもあります。ただし、同じ再建築不可物件でも、建物状態や接道状況、私道・隣地関係、賃貸需要の有無によって価格は大きく変わります。

※上記は、当サイトが再建築不可物件の売却経験者に実施したインタビュー内容をもとに、個人や物件が特定されないよう所在地・築年数・物件状況の一部を加工した事例です。実際の売却価格は、立地、接道状況、建物状態、リフォーム費用、私道・隣地関係、賃貸・再販需要などによって異なります。

再建築不可物件の売却価格が下がったと感じた人の事例

当サイトでは、再建築不可物件を売却した人のうち、「想定よりも売却価格が低くなった」と感じている方にもインタビューを行いました。

今回話を聞いたのは、地方都市にある長期間空き家になっていた築古戸建を売却した方です。物件は前面通路に接していたものの、その通路が建築基準法上の道路に該当せず、現状では再建築不可の状態でした。


売主の方は、当初「古い家ではあるものの、土地として一定の価格はつくのではないか」と考えていたそうです。しかし、実際に売却活動を進めると、建て替えができないことに加えて、建物の老朽化や残置物の多さ、前面通路の権利関係が価格に大きく影響したといいます。

この物件で特に売却価格に影響したのは、買主が購入後に負担する可能性のある費用でした。

建物には雨漏りや床の傷みがあり、残置物の撤去費用にくわえて、屋根・床・水回り・設備交換などの修繕費が大きくなる可能性がありました。また、周辺エリアの賃貸需要も強いとはいえず、リフォーム費用をかけても賃貸収入や再販価格で回収しにくいと見られたことが、売却価格を押し下げる要因になったと考えられます。

さらに、前面通路の権利関係が明確ではなく、将来的に通行や配管工事を行う際に、近隣所有者や私道所有者の承諾が必要になる可能性もありました。

◻︎この事例で売却価格が下がったと考えられるポイント

  • 前面通路が建築基準法上の道路に該当せず、再建築が難しい状態だった
  • 長期間空き家で、雨漏りや床の傷みが見られた
  • 残置物撤去、屋根・床・水回り・設備交換などの費用が大きくなる可能性があった
  • 周辺エリアの賃貸需要が強くなく、リフォーム費用を回収しにくいと見られた
  • 通行・掘削承諾や前面通路の権利関係を確認する必要があった

売主の方は、「再建築不可でも土地として売れると思っていたが、建物の状態や前面通路の問題まで価格に影響するとは思っていなかった」と話していました。

その結果、この物件は再建築不可物件のなかでも評価が伸びにくく、通常物件の20%〜30%程度の価格帯で売却した事例です。

※上記は、当サイトが再建築不可物件の売却経験者に実施したインタビュー内容をもとに、個人や物件が特定されないよう所在地・築年数・物件状況の一部を加工した事例です。実際の売却価格は、立地、接道状況、建物状態、残置物の有無、リフォーム費用、私道・隣地関係、賃貸・再販需要などによって異なります。

再建築不可物件の買取価格を調べる方法

「通常の物件よりも安くなるのはわかったけど、実際いくらで売れるの?」と気になる人も多いでしょう。

再建築不可物件の最終的な売却価格は契約時に確定しますが、事前に業者へ査定を依頼すれば、おおよその目安を把握することは可能です。

以下の方法を試すことで、所有している再建築不可物件の買取価格の目安をつかむことができます。

  • 複数の買取業者に査定を依頼して売却相場をつかむ
  • 条件が似ている物件の買取実績を調べる

複数の買取業者に査定を依頼して売却相場をつかむ

再建築不可物件の買取価格を調べるには、複数の買取業者へ査定を依頼するのが有効です。

ほとんどの買取業者は無料で査定を行っており、物件の立地や状態などをもとに「この条件ならこのくらいの価格で買い取る」という目安を提示してくれます。

ただし、査定金額は業者ごとに基準が異なるため、1社だけの査定では正確な相場がつかみにくいのが実情です。

場合によっては「ほかの買取業者に依頼したほうが高く買い取ってもらえた」ということにもなりかねません。

そのため、可能であれば3〜5社程度に査定を依頼し目安を把握しておくとよいでしょう。なお、再建築不可物件は特殊性があるため、対応実績のある買取業者を選ぶことも重要です。

条件が似ている物件の買取実績を調べる

条件が近い物件の買取実績を調べるのも、買取価格の目安を調べる有効な方法です。立地・築年数・面積などが似た物件の買取価格を参考にすれば、所有物件の相場をある程度見積もることができます。

調べ方としては、以下のような手段があります。

買取業者のサイトには、実際に買い取った物件の事例が紹介されていることが多く、同じエリアや似た条件の情報が見つかれば、相場の参考になります。

REINSは本来不動産業者専用の情報網ですが、一般向けに公開されている「REINS Market Information」では、過去の成約事例を地域ごとに確認できます。

ただし、閲覧できるのはおおまかな所在地や成約価格などに限られ、詳細な間取りや接道状況などは確認できません。

また、再建築不可かどうかの情報も掲載されていないため、あくまで条件が近い物件の参考価格として見る必要があります。

土地総合情報システムでは、国土交通省が集計した過去の不動産取引事例を無料で閲覧可能です。住所や物件種別を指定して検索できるため、客観的な価格感をつかむには便利です。なお、こちらも接道や再建築の可否などの詳細情報は掲載されていないため、あくまで価格相場の参考として利用しましょう。

自分の物件に近い条件の情報が見つからない場合は、これらの公的なデータベースを活用すると、より多くの参考情報が得られます。

再建築不可物件をできるだけ高く売るためのコツ

再建築不可物件でも、売却前の確認や準備によって、査定で評価されやすくなる可能性があります。とくに、買主や不動産会社が判断に迷いやすい部分を整理しておくことが重要です。

再建築不可物件をできるだけ高く売るために、売主が確認しておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 接道条件を改善して再建築可能にできる余地があるか
  • 再建築不可物件の扱いに慣れた不動産業者に相談する
  • 建物・土地・道路関係の資料を事前に整理しておく

ここからは、再建築不可物件をできるだけ高く売るためのコツについて、それぞれ解説していきます。

接道条件を改善して再建築可能にできる余地があるか確認する

再建築不可物件をできるだけ高く売りたい場合、まず接道条件を改善できる余地があるかを確認しましょう。

接道条件を改善できれば、買主が将来的な活用方法を見込みやすくなり、査定で評価される可能性があります。接道条件を改善する方法には、主に以下のようなものがあります。

とはいえ、これらは売主だけで簡単に進められるものではありません。隣地所有者や私道所有者の協力が必要になる場合があり、43条2項許可についても行政の判断が必要です。

重要なのは、売却前に「再建築可能にできるか」を断定することではなく、あくまで接道条件を改善できる余地があるかを確認しておくことです。

接道改善の可能性がある物件は、買主や不動産会社が将来の活用方法を検討しやすくなります。結果として、単に「再建築不可だから安い」と見られるよりも、査定で評価されやすくなる場合があります。

一方で、接道条件を改善するために費用や時間をかけても、その分が必ず売却価格に反映されるとは限りません。隣地取得、承諾取得、申請手続きなどには手間がかかるため、売却前に不動産会社へ相談したうえで進めることが大切です。

再建築不可物件の扱いに慣れた不動産業者に相談する

再建築不可物件をできるだけ高く売るには、接道・道路・建物状態まで見て査定できる不動産業者に相談することが重要です。

再建築不可物件に慣れていない業者の場合、「建て替えできない」という点だけを重く見て、低めに査定されることがあります。

一方で、取扱経験のある業者であれば、接道条件の改善余地、既存建物の活用方法、リフォーム後の出口など、さまざまな要因から総合的に踏まえて価格を判断してもらえるのが基本です。

相談先を選ぶときは、査定額の高さだけでなく、どの条件を見て価格を出しているかを確認しましょう。

確認したいポイントは以下のとおりです。

  • 再建築不可物件の取扱実績があるか
  • 接道状況や道路種別を確認してくれるか
  • 私道・隣地関係まで見たうえで査定してくれるか
  • 既存建物の活用方法を検討してくれるか
  • 買取だけでなく、仲介や隣地売却など複数の選択肢を説明してくれるか

なお、大切なのは、査定額の根拠を確認することです。どの点が評価され、どの点が減額要因になったのかを説明してもらうことで、価格と売却条件を比較しやすくなります。

売却相場が安くても再建築不可物件を放置しない方がよい理由

「売却相場が安いなら、無理に売らずにそのまま持っておけばよい」と考える人もいるかもしれません。

しかし、再建築不可物件は、放置するほど建物の老朽化や管理負担が進み、後から「管理できない」「修繕費をかけたくない」「売りたくても売れない」といった問題が表面化しやすくなります。

  • 放置が続けば続くほど資産価値が下がり売却がしづらくなる
  • 将来的には建物が倒壊するリスクがある
  • 近隣住民から損害賠償を請求される可能性がある
  • 空き家として放置すると固定資産税が最大6倍になる可能性がある

ここからは、再建築不可物件を放置するリスクについて、それぞれ解説していきます。

老朽化が進むほど資産価値が下がり売却しづらくなる

不動産の資産価値は築年数に比例して下がる傾向があります。放置を続けることで老朽化が進行し、物件の需要も減少します。

老朽化の進行具合によっては「状態が悪すぎて買取を断られる」といった事態にもつながりかねません。

再建築不可物件の売却を検討している場合は、早めに動くことが重要です。

倒壊・外壁落下・屋根材の飛散などの危険が高まる

再建築不可物件を長期間放置すると、倒壊や外壁落下、屋根材の飛散などの危険が高まりやすくなります。

とくに築年数が古い木造戸建や、長期間空き家になっている建物では、雨漏り、柱や梁の腐食、外壁のひび割れ、屋根材の劣化などが進んでいることがあります。

このような状態を放置すると、台風や大雨、地震などをきっかけに、建物の一部が崩れたり、屋根材や外壁材が飛散したりするおそれがあります。

再建築不可物件は、建物を解体して新築する選択肢を取りにくいため、既存建物の劣化が進むほど、売却時の評価も厳しくなりやすいです。

また、倒壊の危険がある状態まで老朽化が進むと、買主が購入後に負担する補修費や撤去費を見込む必要があります。その結果、売却価格が下がるだけでなく、買主自体が見つかりにくくなることもあります。

建物の傷みが目立ち始めている場合は、放置を続けるよりも、現況のまま売却できるかを早めに確認することが大切です。

倒壊や飛散の危険が大きくなる前に売却方法を検討すれば、建物を活用できる可能性や、現況のまま引き受けられる買主を探しやすくなります。

近隣住民から損害賠償を請求される可能性がある

放置物件の倒壊や屋根材の飛散などで周囲に被害が及んだ場合、所有者が損害賠償を求められるケースがあります。

民法第717条では、建物等の設置や保存に瑕疵があった結果、他人に損害を与えた場合、所有者が責任を負うと規定されています。

被害の内容によっては、修理費や損害賠償の負担が発生する可能性があります。倒壊や飛散の危険がある状態を放置すると、売却価格の低下だけでなく、所有者責任の問題にもつながりかねません。

万が一に備えて、再建築不可物件はなるべく早く処分してしまうことを検討することも大切です。

管理不全空家・特定空家に指定されると固定資産税の負担が増える可能性がある

再建築不可物件を空き家のまま放置していると、自治体から管理不全空家や特定空家として扱われる可能性があります。

管理不全空家や特定空家として勧告を受けると、住宅用地特例の対象外となり、固定資産税の負担が増える可能性があります。

住宅用地特例とは、住宅が建っている土地について、固定資産税の課税標準が軽減される制度です。しかし、管理状態が悪く、周辺に悪影響を及ぼすおそれがある空き家については、勧告を受けることでこの特例が適用されなくなる場合があります。

たとえば、以下のような状態では、自治体から管理状況を問題視される可能性があります。

  • 建物の倒壊や外壁落下のおそれがある
  • 屋根材や外壁材が飛散するおそれがある
  • ごみの放置や害虫・悪臭などで衛生上の問題がある
  • 草木が繁茂し、近隣の生活環境に影響している
  • 長期間管理されず、景観や防犯面で問題がある

固定資産税が必ず6倍になるわけではありませんが、住宅用地特例が外れると、基本的には税負担が大きく増えてしまいます。

再建築不可物件は、建て替えによる活用が難しいため、空き家のまま保有し続けてしまうケースもあります。しかし、管理状態が悪化すると、売却価格だけでなく、毎年の維持費や税負担にも影響します。

活用予定がない再建築不可物件は、固定資産税の負担が増える前に、売却や管理方法を検討しておくことが大切です。

まとめ

再建築不可物件の売却相場は、同じ立地・広さ・築年数の通常物件と比べて50%〜70%程度がひとつの目安です。

ただし、これは主に仲介で売却する場合の目安であり、実際の価格は売却方法や物件の状態によって大きく変わります。隣地所有者に売却できる場合は比較的価格が残りやすい一方、買取業者へ売却する場合は、リフォーム費用や再販・運用リスクなどが査定額に反映されるため、通常物件の30%〜50%程度が目安になります。

再建築不可物件の価格は、「建て替えできない」という事実だけで決まるわけではありません。既存建物を活用できるか、接道条件を改善できる余地があるか、リフォーム費用がどれくらいかかるか、道路・私道・隣地関係に問題がないかなどを総合的に見て判断されます。

実際に、既存建物を軽微な修繕で活用できる物件や、賃貸・再販需要が見込める立地の物件では、再建築不可であっても価格が残りやすいケースがあります。一方で、建物の老朽化が進んでいる、権利関係の整理が必要、リフォーム費用を回収しにくいといった物件では、査定額が大きく下がることもあります。

また、売却相場が安いからといって再建築不可物件を放置するのは得策ではありません。放置を続けると、建物の老朽化や管理負担が進み、将来的に売却しづらくなるだけでなく、倒壊・飛散、近隣トラブル、固定資産税負担の増加などにつながる可能性もあります。

再建築不可物件の売却を検討している場合は、相場だけで判断するのではなく、接道状況、建物状態、私道・隣地関係、活用可能性まで確認したうえで、再建築不可物件の扱いに慣れた不動産業者へ査定を依頼することが大切です。

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    更新日 : 2025年11月07日
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