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43条但し書き道路とは?認定・許可基準や再建築の方法、住宅ローンについても徹底解説

43条但し書き道路とは?認定・許可基準や再建築の方法、住宅ローンについても徹底解説

前提として、建物を建てるためにはその土地が「幅員4メートル以上の道路に、敷地が2メートル以上接していること」が原則です。

この条件を満たさない土地は「再建築不可物件」とされ、新たに建物を建てたり、建て替えたりすることができません。

再建築不可物件は建て替えができないぶん、周辺相場の3〜5割程度まで評価が下がるケースが少なくありません。しかし、弊社が提携する建築士によると、43条但し書きの許可を得て再建築が可能になるケースは意外と多く、「制度を知らないまま安値で売却してしまう方がもったいない」とのことです。

ただし、敷地に面する道路が「43条但し書き道路」として認められれば、例外的に建築が許可されることがあります。

43条但し書き道路とは、建築基準法上の道路ではないものの、安全性や周辺環境など一定の基準を満たすことで、建築や建て替えを特例的に認めてもらえる道路のことです。

この認定を受けるには自治体や建築審査会の判断が必要となります。もっとも、その基準は自治体によって異なりますが、この記事では、建築基準法で定められている最低限の基準にて、一般的な判断の目安を解説します。

なお、43条但し書き道路には、いくつかの注意点があります。
まず、これは「道路」ではなく建築を認めるための「通路」として扱われるため、担保評価が低くなったり、住宅ローンの審査が通りにくかったりするというデメリットがあります。

また、43条但し書き道路の許可は、建て替えのたびに取得が必要となる場合があります。さらに、基準を満たしていても必ず許可が下りるわけではなく、専門家による調査・設計をもとに行政へ正式な申請を行い、建築審査会の判断を経てはじめて建築が認められます。

43条但し書き道路についてさらに詳しく知りたい方はこの記事の続きをぜひ参考にしてください。

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43条但し書き道路とは

43条但し書き道路とは一定の基準を満たし 建築審査会の合意があれば建て替えられる道のこと

43条但し書き道路とは、建築基準法の道路に該当しないものの、例外的に建物の建築が認められる道を指します。

本来、建物を建てる際は「建物を建て替える敷地が、建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない」という接道義務を満たさなければなりません。

しかし、一定の基準を満たして建築審査会の同意を得られれば、建築基準法上における道路ではなくても43条但し書き道路として扱われ、建物の建て替えが可能になります。

なお、43条但し書き道路には、但し書き道路の認定(43条2項1号)、但し書き道路の許可(43条2項2号)の2種類があります。

2018年の法改正により従来の43条但し書き道路は但し書き道路の許可(43条2項2号)へと引き継がれ、建築審査会の同意を不要とする但し書き道路の認定(43条2項1号)が新設されました。

「43条但し書き道路」という名称から建築基準法上の「道路」の一種だと思われがちですが、実際にはこれは「道路」の制度ではありません。あくまで、道路に接していない敷地に対して例外的に建築を認める救済措置です。弊社の実感としても、この基本的な位置づけを正確に理解しているオーナー様は少ない印象です。

43条但し書き道路とは、建築できない土地を救済する道路

43条但し書き道路とは、接道義務を満たせず、建物の建て替えができない土地を救済するために設けられた道路です。

建築基準法第43条(接道義務)では、建物を建てる敷地は、同法第42条で定義される道路に2m以上接していなければならないと定められています。建築基準法上の道路以外の道に接する土地は原則、建物の建て替えができません。

接道義務は1950年(昭和25年)の建築基準法の制定時に設けられたルールですが、実際に接道義務が適用されるのは、その土地が「都市計画区域」に指定された時点からです。日本全国で一律に適用が始まったわけではなく、昭和40年〜50年代になってから都市計画区域に編入された地域も多く、その時点で既存の建物が「既存不適格(=再建築不可)」となったケースが非常に多いのが実情です。

そこで救済措置として設けられたのが、43条但し書き道路という例外規定です。

一定の基準を満たし、建築審査会からの同意を得られれば、43条但し書き道路(43条2項2号)として扱われ、建物の建て替えが可能となります。

建築基準法上の道路とは

敷地内に建物を建て替えるには、建築基準法上の道路と敷地が接道している必要があります。建築基準法上の道路とは、建築基準法の第42条で定められている下記の道路(幅員4m以上)を指します。

法令 内容
第42条1項1号 道路法で規定されている道路(国道・県道・市道などの公道)
第42条1項2号 都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法などの法律によって作られた道路(開発道路)
第42条1項3号 建築基準法施行時、都市計画区域編入時にすでに存在していた道路(既存道路)
第42条1項4号 都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法などの法律によって、2年以内に事業計画の執行が予定されている道路(計画道路)
第42条1項5号 土地を建築敷地として利用するために新設された道で、特定行政庁からの指定を受けた道路(位置指定道路)
第42条2項 建築基準法施行時に建物が立ち並んでいた幅員1.8m以上4m未満の道で、特定行政庁が指定した道路(みなし道路・2項道路)

参考:建築基準法の道路について:新宿区

敷地が第42条1項1~5号の幅員4m以上の道路との接道義務を果たしている場合は建て替えが可能です。一方で、建築基準法上の道路に該当しない道にしか接していない場合は、原則として建て替えができません。なお、幅員4m未満でも42条2項道路(みなし道路)に指定されている道であれば、セットバックを条件に建て替えが可能です。

しかし、43条但し書き道路の基準をクリアし、建築審査会の同意を得れば、建築基準法上の道路に接していなくても例外的に建て替えが可能になります。

接道義務とは

接道義務とは建築物の敷地と道路の接続について 定められた最低限の基準のこと

建築基準法43条では、敷地と接する道路について「接道義務」というルールが規定されています。接道義務とは、建物を建て替える敷地が建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないというルールのことです。

接道義務を満たしていない場合は、自治体で43条但し書き道路の申請をして建築審査会からの同意を得る必要があります。接道義務が課されている理由は、消防車・救急車などの緊急車両の進入経路や災害発生時の避難経路を確保するのに必要なためです。

緊急車両の横幅は救急車だと1.89m、消防車(小型ポンプ車)だと1.90mあるため、接道幅が2m未満だと緊急車両が建物に接近できません。消火活動や救急活動に支障をきたすことになります。

また、日本は地震や台風などの災害が多い国です。大規模な災害が発生したときには避難が必要になる場合があるため、スムーズかつ安全に避難できるように接道義務が課されています。

接道義務については、下記の記事も参考にしてみてください。

43条但し書きの種類

「43条但し書き」には、以下の2種類があります。

  • 43条2項1号に基づく認定制度
  • 43条2項2号に基づく許可制度

元々は、建築基準法43条1項に但し書きの要件が定められていましたが、平成30年9月25日の法改正によって、建築審査会の同意が不要になる認定制度が新設されました。

弊社の実感として、認定制度(43条2項1号)が新設されたのは制度上大きな前進でしたが、実際に認定を受けられる物件はかなり限られます。弊社が提携する建築士も「ほとんどの物件は従来通り許可制度(43条2項2号)での申請になる」と話しており、まずは自分の物件がどちらに該当するかを確認するのが第一歩です。

従来の43条但し書きは、43条2項2号に基づく許可制度として運用されています。

但し書き道路の認定(43条2項1号)

但し書き道路の認定(43条2項1号)とは、建築基準法の道路ではない幅員4m以上の道と2m以上接しており、かつ国土交通省や自治体が定める一定の基準に適合していれば、建築審査会の同意を得なくても建て替えができる制度のことです。

従来の43条但し書きだと、接道義務を満たしていない敷地で建て替えを行うには、必ず建築審査会の同意を得る必要がありました。

しかし手続きに手間がかかることから、手続きを合理化するために平成30年9月25日の建築基準法の改正によって新たに認定制度が創設されました。但し書き道路の認定基準は自治体によって少々異なる部分があるので注意しましょう。

但し書き道路の許可(43条2項2号)

但し書き道路の許可(43条2項2号)とは、敷地が建築基準法の道路に2m以上接していなくても、建築審査会の同意を得れば建て替えができる制度のことです。こちらは、従来の43条但し書きの内容を引き続き定めたものになります。

但し書き道路の認定を受けられない場合は、建築審査会の審査を経て建築許可を受ける必要があります。但し書き道路の許可を得るには、各自治体が定めている「包括同意基準」や「個別同意基準」を満たさなければなりません。

「許可制度」と聞くと比較的すぐに結果が出ると思われがちですが、実際はかなりの時間を要します。弊社の提携建築士によると、事前相談から建築審査会の同意を得るまでに2〜6カ月程度かかるのが一般的で、審査会の開催頻度が少ない自治体では半年近く待つこともあるとのことです。

なお、43条但し書きの運用は自治体によって大きく異なり、都心部と地方では建築審査会の開催頻度や審査の厳格さにかなりの差があります。筆者の現場感覚に過ぎませんが、東京23区のような都心部では審査が比較的厳格に運用される一方、地方では独自の緩和措置が設けられているケースもあるため、必ず現地の自治体窓口で確認することをおすすめします。

43条但し書き道路の申請から許可の流れ

43条但し書き道路の申請から許可の流れ

43条但し書き道路の許可を得て建て替えを行うには、所定の手続きが必要になります。43条但し書き道路の申請から許可を得るまでの流れは下記の通りです。

  1. 自治体への相談
  2. 必要書類の提出
  3. 建築審査会での審査

ここからは、上記の各ステップについてそれぞれ詳しく解説していきます。

自治体への相談

実際にご相談いただくケースでも、「自分の土地が接している道路が建築基準法上の道路かどうかわからない」という方は非常に多いです。まずは自治体の窓口で確認するところから始めましょう。
「建築主事」が設置されている自治体の担当窓口に相談して、該当する物件と接地している道が建築基準法上の道路にあたるか確認してもらいましょう。

建築主事とは建築物の審査確認・検査などを行うための公務員のことであり、都道府県と政令指定の人口25万人以上の市では、建築主事の設置が義務付けられています。

人口25万人未満の自治体(政令指定ではない人口25万人以上の市も含む)では、都道府県知事と市町村長の同意を得ることで建築主事の設置が可能です。

なお、建築主事が設置されている自治体は、全国建築審査会協議会の公式ホームページ内にある「特定行政庁一覧」で確認可能です。特定行政庁一覧に掲載されている自治体に住んでいる場合は都道府県庁だけでなく、市区町村の役所でも相談に乗ってもらえます。

必要書類の提出

自治体の現地確認によって、該当する物件と接地している道が建築基準法上の道路ではないと判断された場合は、自治体で43条但し書き道路の申請を行う必要があります。申請に必要な主な書類は下記の通りです。

  • 43条許可申請書
  • 現況図
  • 配置図
  • 近況見取図
  • 公図の写し
  • 土地利用計画書
  • 登記事項証明書
  • 隣地の同意書

必要な書類や様式は自治体によって異なります。詳細については自治体の担当窓口に問い合わせるか、自治体の公式ホームページを確認してください。

また、43条但し書き道路の申請には手数料の支払いが必要になります。手数料の金額は自治体によって異なりますが、3~4万円程度です。別途、登記事項証明書や公図の写しなど申請に必要な書類の発行にも手数料が発生します。

なお、土地家屋調査士などの専門家に申請代行を依頼する場合、20~30万円程度の費用が必要となります。

その後、43条但し書き道路として申請許可を出せる見込みがあるか、提出された書類をもとに担当職員が現地調査を行います。

実際に申請する前に確認があり、調査には2週間~1ヶ月かかるケースもあります。書類を提出してもすぐに申請できる訳ではないので注意しましょう。実務上、書類の不備や隣地所有者からの同意取得に時間がかかり、想定よりもスケジュールが後ろ倒しになるケースは珍しくありません。再建築を検討し始めた段階で早めに自治体の窓口に相談しておくことが、スムーズな手続きにつながります。

建築審査会での審査

調査で43条但し書き道路の許可が出せる見込みがあると判断された場合、建築審査会が開かれます。建築審査会の開催頻度は自治体によって異なり、月1回程度の自治体もあれば、年に数回しか開催しない自治体もあります。

申請のタイミングによっては数ヶ月かかる場合があるため注意しましょう。実際に、建て替えを急いでいるにもかかわらず審査会の開催時期と合わず、半年近く待つことになったというケースもあります。建て替えの計画がある場合は、審査会のスケジュールを自治体に事前確認し、逆算して準備を進めることが重要です。

建築審査会の審査に通過すれば許可通知書が交付され、該当物件での再建築の許可が得られます。

ただし、実際に再建築を行う際は43条但し書き道路の申請とは別に「建築確認申請」を行う必要があります。

建築確認申請をせずに再建築を行うと、建築基準法第99条によって1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があるのでご注意ください。

43条但し書き道路として認められる基準

43条但し書きの認定や許可を得るためには、特定行政庁が定めた一定の基準を満たす必要があり、これは自治体によって大きく異なります。

43条但し書きの基準をクリアするには、測量や書類作成で数万〜数十万円程度の費用がかかります。「法律の基準を満たしていれば許可が出る」と思っている方が多いですが、43条但し書きの基準には「法令上の最低基準」と「自治体独自の運用基準」の2つがあります。法令上の基準だけ調べて安心していると自治体の基準でつまずくことがあるため、必ず管轄の自治体にも確認してください。

ここでは、建築基準法で定められている最低限の基準についてそれぞれ解説します。

但し書き道路の認定基準

但し書きの道路の認定については、原則として下記の要件を満たしていれば、建築審査会の同意を得なくても建て替えが可能です。

  • 避難および通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合する幅員4m以上の道に敷地が2m以上接していること
  • 建築物の用途及び規模が、国土交通省令で定める基準に適合するものであること
  • 特定行政庁が交通上・安全上・防火上および衛生上支障がないと認めるものであること

避難及び通行の安全上必要な道とは、管理者の使用合意が得られていて、かつ一定の舗装がなされている下記のいずれかの道を指します。

  • 農道などの公共の用に供する道
  • 建築基準法施行令の第144条の4第1項各号に掲げる基準(位置指定道路の基準)に適合する道

利用者が少数である建築物の用途及び規模の基準とは、具体的に下記のいずれかに該当するものを指します。

  • 用途:一戸建ての住宅
  • 規模:延べ面積200㎡以内であること

弊社が提携する建築士によると、認定基準の中で最も解釈に幅があるのが「舗装の程度」で、アスファルト舗装を求める自治体もあれば砂利敷きでも認める自治体もあるとのことです。弊社にも「前の道は砂利道だが認定は受けられるか」というご相談が寄せられることがありますが、これは自治体に直接確認しないとわかりません。

詳細については管轄の自治体に直接問い合わせるか、公式サイトをご確認ください。

但し書き道路の許可基準(包括同意基準)

43条但し書き道路の認定基準を満たしていない場合は、原則として建築審査会の同意を得る必要があります。

ただ、43条但し書き道路に対応する不動産は数多く存在しており、個別に審査していると手続きに時間がかかるので、手続きを迅速化させるために「包括同意基準」というものが自治体ごとに定められています。

包括同意基準は事前に建築審査会の同意が得られているため、包括同意基準に適合している不動産であれば、基本的に建築許可が下ります。実際のご相談でも、包括同意基準に該当するかどうかで手続きのスピードが大きく変わるため、まず自分の物件が包括同意基準に該当するかを確認するのが最初のステップになることが多いです。

包括同意基準に適合していない場合は、個別で建築審査会の審査を受ける必要があります。なお、包括同意基準は自治体によって大きく異なります。たとえば、都心部の自治体では包括同意基準の適用範囲が比較的狭く設定されている傾向がある一方、地方の自治体では柔軟な基準を設けているケースも見られます。弊社に寄せられる相談でも、「A市では包括同意基準に該当しなかったが、隣のB市なら該当していた」といった事例は珍しくありません。自身の不動産が包括同意基準に適合しているかは、管轄の自治体に直接問い合わせるか、公式サイトをご確認ください。

43条但し書きの許可以外の再建築可能にする方法

43条但し書きの申請をして建築審査会の許可を受ければ、43条但し書き物件で再建築を行えます。

しかし、基準を満たしていなければ43条但し書きの申請ができないほか、申請ができたとしても必ず建築審査会からの同意を得られるとは限りません。

実は、43条但し書きの許可を受ける方法以外にも、再建築を可能にする方法はいくつかあります。

  • 隣地を買う、借りる
  • 通路部分の土地を位置指定道路として申請する
  • セットバックする

ここからは、上記の方法についてそれぞれ詳しく解説していきます。

隣地を買う、借りる

敷地の幅が2m以上になるように隣地の一部を購入し、 接道義務の問題を解消することができる

所有する土地に隣接する土地が接道義務を満たしている場合、隣地の一部またはすべてを購入したり借りたりして接道義務を満たせば、再建築が可能になります。

隣地を購入した場合はそれだけ敷地面積が広くなるので、資産価値も大きく引き上げられる点もメリットです。しかし、この方法が使えるのは隣地の所有者が売却・貸借に応じてくれる場合に限ります。

隣地の所有者との直接交渉は、境界の認識違いや過去の経緯から感情的なトラブルに発展するケースも少なくありません。そのため、不動産業者に間に入ってもらい、必要に応じて提携する土地家屋調査士などの専門家と連携しながら、客観的なデータに基づいて交渉を進めるのが確実です。

通路部分の土地を位置指定道路として申請する

位置指定道路とは基準を満たすことで 自分の土地を私道として認めてもらった道路のこと

敷地と接する道路の幅員が4m以上あるものの、建築基準法の道路として認められていない場合は、建築基準法第42条1項5号の「位置指定道路」として申請する方法があります。

位置指定道路とは、特定行政庁から自分の土地を私道として認めてもらった道路のことです。位置指定道路の指定を受けるには、原則として下記の基準を満たす必要があります。

・道路の幅員が4m以上あること
・両端が他の道路に接していて通り抜けができること

ただし、先が行き止まりになっていている道路の場合は、道路の長さが35m以下であれば位置指定道路の指定を受けられます。

長さが35m超あって、かつ先が行き止まりになっている場合は、自動車を転回させるための広場を35mにつき1ヶ所設けないと指定が受けられません。

位置指定道路を申請する場合は、まず自治体の建築指導課の窓口で個別に相談してください。

セットバックする

セットバックとは道路と土地の境界線を後退させる ことで前面道路の幅員を広げる方法

セットバックとは、敷地の境界線を後退させ、敷地と接している道路の幅を広げる方法のことです。

敷地と接している道が幅員4m未満で接道義務を満たしていない場合は、幅員が4m以上になるようにセットバックを行えば再建築が可能になります。

セットバックの工事費用は30~80万円が相場ですが、セットバックをすると敷地の面積が狭くなる点に注意が必要です。

セットバックでみなし道路にした場所は自分の土地ではなくなるため、塀や門、車、ガレージなどは置けません。

しかし、接道義務を満たすことで買い手が付きやすくなり、資産価値が上がるというメリットもあります。

また、自治体に申請をすればセットバックした部分の固定資産税を非課税にできる場合もあります。

セットバックや再建築不可物件の活用方法については、下記の記事でも詳しく紹介しています。

43条但し書き道路に関するトラブルや注意点

43条但し書き道路の物件を再建築・購入・売却する際、下記のようなトラブルが起こるリスクがあります。

43条但し書き道路に関するトラブルや注意点
  • 基準を満たしても必ず再建築できるわけではない
  • 購入の際に住宅ローンを組めない可能性がある
  • 売却時に相場より安くなる傾向がある

43条但し書きの物件で起こるトラブルの多くは、制度を正しく理解していなかったことに起因しています。弊社にも「43条但し書きの許可があるから安心して買ったのに、再度の建て替え時に許可が下りなかった」というご相談が寄せられたことがあります。

ここからは、上記のトラブルや注意点についてそれぞれ詳しく解説していきます。

基準を満たしても必ず再建築できるわけではない

43条但し書き道路と接している土地で建て替えを行いたい場合は、43条但し書き申請(43条2項2号申請)をして建築審査会からの同意を得る必要があります。

しかし、基準を満たして申請をしたとしても建築審査会からの同意が必ず得られるとは限りません。

建築審査会の同意が得られないまま物件を売却してしまうと、買主との間でトラブルが発生する可能性が高いです。

買主に建築審査会の同意を得ていないことを伝えていなかった場合は、損害賠償を請求されたり契約を解除されたりする恐れがあります。

そのため、必ず建築審査会の審査が通った後に売却しましょう。また再建築の可否は、あくまで審査時点での物件の状態で判断されます。

審査基準が厳しくなったり廃止されたりすると、購入時点では再建築可能であった物件でも将来的には再建築できない可能性があることも頭に入れておきましょう。

実務上最も重要な注意点は、「許可は個別の建築行為に対するもの」であり、土地に恒久的に付与される権利ではないということです。弊社が提携する建築士も「前回許可が通ったから次も通るとは限らない」と指摘しています。

購入の際に住宅ローンを組めない可能性がある

住宅ローンを組むときは、購入する土地や建物などの不動産を担保に入れるのが一般的です。住宅ローンの審査では、申請者の属性(年齢や職業、年収、勤続年数、健康状態など)に加えて担保に入れた不動産の価値が重視されます。

そのため、不動産の価値が高いほど住宅ローンの審査に通りやすい傾向です。しかし、43条但し書き申請(43条2項2号申請)が必要な物件は、ローン申請時点では審査に通っていても将来的に再建築できなくなる可能性があります。

そのため、通常の物件と比べて買主に避けられやすく、評価額も相場よりも大幅に安くなることがあります。

価値が低い不動産を担保に入れた場合、希望の融資額まで借りられなかったり担保として認めてもらえず住宅ローンを断られたりする可能性が高いので注意が必要です。

弊社の実感として、43条但し書き物件の購入でつまずく原因の第一位はローンの問題です。「物件は気に入ったがローンが通らなかった」「買い手のローンが否決されて売却が白紙に戻った」というケースは、体感で43条但し書き物件の売買相談の6割以上を占めます。メガバンクや都市銀行では、再建築不可物件は原則として融資対象外ですが、ノンバンクの不動産担保ローンや地域密着型の信用金庫であれば、柔軟に対応してもらえる場合があります。ただし、通常の住宅ローンよりも金利が高くなる傾向があるため、資金計画には注意が必要です。

再建築不可物件の住宅ローンについては、下記の記事も参考にしてみてください。

売却時に相場より安くなる傾向がある

前述の通り、43条但し書き道路と接道している物件は「再建築ができない可能性がある」「住宅ローンが組めない可能性がある」など通常の物件よりもリスクが高いことから不動産市場での需要は低い傾向にあります。

そのため売却時に買い手が付きにくく、相場通りに売却するのが難しいのがデメリットです。

通常の不動産仲介では買い手が見つかりにくく、売却価格が相場を大きく下回る可能性があります。まずは複数の不動産業者に査定を依頼し、仲介での売却が難しい場合は、再建築不可物件を専門に扱う買取業者への相談も選択肢のひとつです。

43条但し書き道路の物件を持つメリット

43条但し書き道路に接する物件を持つメリットとして、以下の2つが挙げられます。

  • 物件が相場よりも安く手に入りやすい
  • 交通量が少ない

前述の通り、43条但し書き道路の物件はさまざまなリスクにより買い手が付きにくいことから、相場よりも安く販売されていることが多いです。

立地条件が良いのに物件の価格が高くて手が出せないといった場合でも、43条但し書き道路の物件であればお得に購入できる可能性があります。

また、43条但し書き道路の物件は公道と離れているケースが多いです。公道と離れている場所は比較的交通量が少ないため、排気ガスや騒音問題に悩まされにくいほか、子供を安心して遊ばせやすいといったメリットがあります。

弊社の相談実績の中で、43条但し書き物件を前向きに捉えている方は体感で2〜3割程度いらっしゃいます。「建て替えの予定はないので安く購入してリフォームして住みたい」「賃貸に出して投資利回りを重視したい」という方からの相談もあり、立地の良い物件では賃貸需要が見込めるケースも実際にあります。

売主にとってはデメリットの多い43条但し書き道路ですが、建て替えの予定がない買主にとってはメリットが多い物件であるといえるでしょう。

建て替えできない場合の対応

43条但し書き道路と認められず、どうしても建て替えができない場合は、下記の方法で再建築不可物件を活用できます。

43条但し書き道路と認められず 建て替えできない場合の対応
  • リフォームやリノベーションして使う
  • 更地にして住居以外の用途に使う
  • 専門の買い取り業者に売却する

ここからは、上記の対応方法についてそれぞれ詳しく解説していきます。

リフォームやリノベーションして使う

建て替えができない物件でも、リフォームやリノベーションをして住んだり、貸し出したりして活用可能です。建て替えができない物件は購入物件としてだと避けられやすい傾向にありますが、賃貸物件としてなら比較的容易に契約を結べます。

特に東京23区のような家賃相場が高い地域だと、相場よりも安ければ築年数が古くても気にしない方が多いので入居者も見つかりやすいです。

また、建て替えができない物件は通常の物件よりも固定資産税が安いため、自分で住む場合でも貸す場合でも出費が抑えられる点がメリットです。

ただし、建て替えができない物件のリフォーム・リノベーションは、建築確認申請が不要な下記の範囲に限ります。

  • 10㎡未満の増改築(防火・準防火地域に指定されている場合は除く)
  • 主要構造部の1/2未満の修繕

再建築不可物件では建築確認申請をしても建築許可が下りません。建築確認申請が必要な大規模な増改築・修繕はできないため注意が必要です。

なお、2025年4月の建築基準法改正により、従来の「4号建築物」の区分は廃止され、「新2号建築物」と「新3号建築物」に再編されています。特に木造2階建て以上や延べ面積200㎡超の建物(新2号建築物)は、これまで省略されていた構造や省エネ基準の審査が必要となり、再建築不可物件における大規模リフォームのハードルは以前よりも高くなっています。

それぞれの区分と建築確認申請の要否は以下の通りです。

区分 条件 建築確認申請
新2号建築物 木造で階数2以上、または延べ面積200㎡超の建築物 必要(構造・省エネの審査も必要)
新3号建築物 木造で平屋かつ延べ面積200㎡以下の建築物 都市計画区域内では必要(ただし一部審査は省略)。都市計画区域外では不要

再建築不可物件でリフォーム・リノベーションを検討する場合は、所有する建物がどの区分に該当するかによって建築確認申請の要否が変わります。具体的な適用範囲は自治体によって運用が異なる場合があるため、事前に自治体の窓口や建築士に確認することをおすすめします。

もし、建築確認申請が必要になる工事を無断で行った場合は違法建築物件となり、発覚すると最悪自治体から取り壊しを命令される恐れがあります。

再建築不可物件のリフォームやリノベーションについては、下記の記事も参考にしてみてください。

更地にして住居以外の用途に使う

リフォーム・リノベーションができず貸し出せる状態ではなかったり、建物が倒壊する危険があったりする場合は、更地にして住居以外の用途に使う方法もあります。

駐車場やコインパーキング、トランクルーム、家庭菜園、自動販売機設置、資材置き場などさまざまな用途で活用できます。ただし、住居を取り壊してしまうと固定資産税が6分の1で計算される優遇制度が受けられなくなります。

固定資産税が6倍程度まで値上がりする恐れがあることも頭に入れておきましょう。また、一度更地にしてしまうとそのままでは再建築ができません。

不動産市場での需要も少ないため、売却するときに相場よりも安値で取引される可能性が高いです。

更地にするとやり直しがきかなくなるため、更地にして活用した方が良いのか、それとも更地にせず別の方法で活用した方が良いのか慎重に検討しましょう。

弊社にも「老朽化した建物を解体して駐車場にしたい」というご相談がありますが、ここで多くの方が見落とすのが固定資産税の変化です。住宅が建っている土地は住宅用地特例により最大6分の1に軽減されていますが、更地にするとこの特例がなくなり、年間の税額が数倍に跳ね上がることがあります。解体前に、収益と税額の増加分を必ず比較試算してください。

再建築不可物件を更地にするメリット・デメリットは下記の記事も参考にしてみてください。

専門の買い取り業者に売却する

再建築不可物件を活用しないまま所有し続けていると、固定資産税を支払い続ける必要があるため負担が大きくなります。

また、建物の倒壊・破損によって人をケガさせてしまった場合は損害賠償を請求されるリスクがあるのもデメリットです。

再建築不可物件の上手な活用方法が見つからなければ、売却を検討するのも選択肢のひとつです。
再建築不可物件は通常の不動産仲介では買い手がつきにくい傾向がありますが、再建築不可物件を専門に扱う買取業者であれば対応できるケースもあります。仲介と買取ではそれぞれ特徴が異なるため、複数の業者に査定を依頼し、比較したうえで判断するのがよいでしょう。

まとめ

今回は、43条但し書き道路の概要や生じうるトラブル・注意点、申請の流れについてご紹介しました。建物を建て替えるには接道義務を満たさなければなりませんが、43条但し書き道路の申請をして建築審査会からの同意を得れば、接道義務を満たしていなくても建て替えが可能になります。

しかし、43条但し書き道路は将来的に建て替えできない可能性があるので、接道義務を満たしている物件と比べて買主から敬遠されやすく、評価額も安くなる傾向があります。

43条但し書き道路の物件は通常の売却が難しいケースも多いため、まずは不動産仲介会社や訳あり物件専門の買取業者など、複数の業者に相談して比較検討することをおすすめします。また、物件の法的な状況の整理や申請手続きに不安がある場合は、不動産問題に詳しい弁護士や土地家屋調査士などの専門家に相談するとよいでしょう。

43条但し書き物件で注意すべきなのは、「時間が経つほど選択肢が狭まる可能性がある」という点です。許可基準は自治体によって改定されることがあり、現時点で許可が取れる物件でも将来的に基準が厳しくなる可能性は否定できません。弊社としても、43条但し書きの物件を所有されている方には「動けるうちに動く」ことをお勧めしています。

再建築不可物件に関するコラムはこちら

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    更新日 : 2025年11月07日
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