再建築不可物件は専門の買取業者に依頼するのが得策
再建築不可物件を買取で売却する場合、専門業者に依頼するのが得策です。
そもそも再建築不可物件とは、建物の建て替えや改築、増築などが行えない土地のことです。再建築不可になる主な原因は、建築基準法で定められた接道義務を満たしていないことであり、接道義務を満たさない限りは建物の再建築などは認められません。
通常物件よりも制限が多いことから、再建築不可物件は一般の人から購入を敬遠されやすく、仲介では売却が難しいです。また、不動産全般を扱う買取業者であっても、再建築不可物件の場合は買取を断られてしまうケースも少なくありません。
一方、専門の買取業者であれば、買い手がつきづらい再建築不可物件も積極的に買い取ってもらえるのが一般的です。つまり、専門の買取業者に依頼すれば、再建築不可物件を売却できる可能性を高められるともいえます。
また、再建築不可物件を専門とする買取業者に依頼することには、ほかにも下記のようなメリットがあります。
- 残置物があってもそのままの状態でも買い取ってもらえる
- 仲介で売れないような物件も積極的に買い取ってもらえる
- 数日程度で現金化できる
- 基本的には契約不適合責任が免除される
- 仲介手数料がかからずに売却できる
ここからは、再建築不可物件を専門とする買取業者に依頼するメリットについて、それぞれ解説していきます。
残置物があってもそのままの状態でも買い取ってもらえる
物件の状態がよくなければ買い手が現れる可能性は低いため、仲介などで物件を売却する場合には、事前に遺品や家財などの残置物は撤去しておくのが無難です。
しかし、再建築不可物件専門の買取業者であれば、残置物があったとしてもそのままの状態で買い取ってもらえるのが一般的です。
そのため、「物件が遠方にあって家財などが整理できていない」「残置物をを撤去する手間や費用をかけたくない」という場合にも、再建築不可物件を専門とする買取業者に依頼するのがおすすめといえます。
仲介で売れないような物件も積極的に買い取ってもらえる
前述したように、再建築不可物件は一般の人が買い手として現れるケースは多くありません。しかし、再建築不可物件を専門とする買取業者であれば、買い手がつきづらい物件でも買取に期待できます。
前提として、買取業者の目的は、買い取った物件の資産価値を高めたうえで活用をして利益を出すことです。そのため、自社でリフォーム・リノベーションをしたり、接道義務を満たすための対策を講じたりすれば利益が出るような物件であれば、現状は再建築ができない物件であっても買い取ってもらえるのです。
「仲介では売れる見込みがない」という場合、再建築不可物件を専門とする買取業者に依頼することも検討してみてください。
数日程度で現金化できる
買取業者に依頼した場合はその業者が買い手になるため、仲介を依頼した際に行われるような売却活動は不要です。そのため、仲介よりも買取のほうが物件売却できるのが一般的です。
そして、専門の買取業者であれば、再建築不可物件の買取に対するノウハウがあるため、売却手続きをスムーズに進めてもらえます。そのため、再建築不可物件を売却できるまでの期間も比較的早くなるメリットがあります。
売却が完了するまでの期間は買取業者によって異なりますが、数日〜1週間程度で現金化できる専門業者もあります。「なるべく早く再建築不可物件を手放したい」といった場合、専門の買取業者に依頼することを検討してみてください。
基本的には契約不適合責任が免除される
契約不適合責任とは、売買した物件が契約内容に適さない場合、売主が負担しなければならない責任のことです。たとえば、再建築不可物件を売却する場合、購入希望者には再建築できない土地であることを買い手に伝えなければなりません。
しかし、再建築不可物件であることを隠して物件を売却した場合、それが売却後に発覚すれば買主から損害賠償や契約の解除を求められるリスクがあります。
しかし、再建築不可物件を専門とする買取業者なら、「契約不適合責任を一切負わない」という条件で売買契約が成立するのが一般的です。そのため、再建築不可物件を売却した後に契約不適合責任に問われるリスクを抑えて売却が可能です。
仲介手数料がかからずに売却できる
仲介で不動産を売却する場合、物件売買が成立した後には不動産会社に対して報酬として仲介手数料を支払うのが一般的です。
しかし、買取業者の場合、仲介が不要なため仲介手数料が発生しません。そのため、仲介手数料分の費用を抑えて再建築不可物件を売却できます。
なお、仲介手数料は不動産会社によって異なりますが、不動産会社が受領できる仲介手数料の上限額は下記のように定められています。
取引価格
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仲介手数料の上限
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200万円以下
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取引物件価格(税抜)×5%+消費税
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200万円超~400万円以下
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取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税
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400万円超
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取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税
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たとえば、売買価格が税抜1,000万円の再建築不可物件の場合、「1,000万円×3%+ 6万円+(1,000万円×10%)=136万円」が仲介手数料の上限となります。この場合、買取業者に依頼すれば、最大136万円の仲介手数料を抑えて再建築不可物件を売却できるともいえます。
再建築不可物件の買取業者7選!選定基準を満たすおすすめの買取業者を紹介
再建築不可物件を専門とする買取業者は数多く存在するため、「どの買取業者に依頼すればいいのか」と悩むかもしれません。
そこで、ここからは、再建築不可物件を専門とするおすすめの買取業者を紹介していきます。おすすめの業者を取り上げる際には下記の選定基準を設け、数ある買取業者のうちこれらの基準を満たしている7社を紹介します。
選定基準
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基準として設けた理由
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全国買取に対応しているか
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買取業者によって買取可能な地域が異なる。全国対応であれば日本国内の再建築不可物件の買取に対応できるため。
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相談件数が公表されているか
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買取業者のなかには、自社の利益を最優先とする業者もある。相談件数の豊富さは、優良な買取業者であるかを判断する材料となるため。
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最短数日で査定が完了するか
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買取業者によって、査定や買取までにかかる期間は異なる。複数日で完了する業者であれば、可能な限り早期で再建築不可物件を買い取ってもらえる可能性があるため。
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士業と連携しているか
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再建築不可物件によっては、権利関係などの問題から売却が難しいこともある。士業と連携している買取業者であれば、そのような問題を解決して物件売却ができるため。
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※2024年11月時点、各選定基準を満たしている買取業者を掲載しています。
※掲載企業については当サイト独自の基準で評価をしています。
※当ページは掲載企業の信頼性等について保証するものではありません。
1. 株式会社クランピーリアルエステート「訳あり不動産買取窓口」
株式会社クランピーリアルエステートが運営する「訳あり不動産買取窓口」は、「どんな不動産でも高額買取」と謳う訳あり物件を専門とする買取業者です。一般的に再建築不可物件は訳あり物件に該当するため、訳あり不動産買取窓口では再建築不可物件も買取対象になります。
訳あり不動産買取窓口は日本全国の物件買取に対応しており、相談件数が年間2,000件以上の買取業者です。そのため、「信頼できる買取業者に再建築不可物件を売りたい」という場合にもおすすめといえるでしょう。
また、全国800を超える弁護士・司法書士・税理士などの専門士業からバックアップを受けながら事業を進めているのも訳あり不動産買取窓口の特徴です。
再建築不可物件は法的な制限があることから買取を断られてしまうケースも少なくありません。訳あり不動産買取窓口は弁護士・士業専門家と連携しているため、再建築不可物件であっても売却に期待できます。
会社名
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株式会社クランピーリアルエステート
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本店所在地
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【東京本社】
〒104-0045 東京都中央区築地2-10-6 Daiwa築地駅前ビル9F
【名古屋支店】
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内2-19-32 パインツリーサービスオフィス丸の内6G
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電話番号
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【東京本社】
TEL:03-6226-2566
FAX:03-6694-4709
【名古屋支店】
TEL:052-228-3901
FAX:052-228-3902
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営業時間
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10:00~19:00(定休日:土曜・日曜・祝日)
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公式HP
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https://c-realestate.jp/
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代表者
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大江剛
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宅地建物取引業免許
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国土交通大臣(1)第10446号
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創業
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2018年2月
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2. 株式会社ネクスウィル
株式会社ネクスウィルは、「不動産早く高く買取ります」と謳う買取業者です。訳あり物件の買取に対応しており、再建築不可物件も買取対象にしています。
株式会社ネクスウィルは日本全国の物件買取に対応しており、公式サイトに訳あり物件の買取実績が多数掲載されています。各士業とも連携しており、最短即日での買取に対応しているのが特徴です。
「なるべく早く再建築不可物件を売却したい」という場合には、株式会社ネクスウィルの利用を検討してみてもよいでしょう。
会社名
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株式会社ネクスウィル
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本店所在地
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〒105-0021 東京都港区東新橋2-11-4 Mayapada Shiodome Plaza 3F
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電話番号
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03-6435-7950
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営業時間
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9:00~18:00
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公式HP
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https://wakegai.jp/sk/
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代表者
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丸岡智幸
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宅地建物取引業免許
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国土交通大臣(1)第10481号
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創業
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2019年1月
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3. 株式会社リアルエステート
「株式会社リアルエステート」は、訳あり物件全般の買取に対応している買取業者です。再建築不可物件も対象にしており、基本的にはどのような再建築不可物件も買取対象になります。
また、公式サイトでは「再建築不可物件どこよりも高額買取」と記載されているため、高値売却にも期待できるのも株式会社リアルエステートの特徴です。
最短3日で売却可能できるため、再建築不可物件の売却を検討している場合には株式会社リアルエステートへの依頼を検討してみてもよいでしょう。
会社名
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株式会社リアルエステート
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本店所在地
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〒541-0053 大阪府大阪市中央区本町2丁目6番10号 本町センタービル7階
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電話番号
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本社:06-4400-1581
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営業時間
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9:00~18:00(※店舗によって異なる場合があります)
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公式HP
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https://re-estate.co.jp/sai-kenchiku-fuka/
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代表者
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多田 茂雄
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宅地建物取引業免許
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国土交通大臣(2)第9195号
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創業
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2011年11月
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4. 株式会社フレキシブル
「株式会社フレキシブル」は、さまざまな不動産の買取に対応する業者です。訳あり物件の買取も行っており、再建築不可物件も買取対象にしています。
フレキシブルでは、500万円〜10億円までは最短翌日決済が可能です。依頼をした翌日には売却金額を得られる可能性もあるため、「再建築不可物件を急ぎで現金化したい」という場合にはおすすめの買取業者といえます。
5. 株式会社ネクサスプロパティマネジメント
「株式会社ネクサスプロパティマネジメント」は、訳あり物件を専門とする買取業者で、再建築不可物件も買取対象としています。
株式会社ネクサスプロパティマネジメントの特徴は、問い合わせなどの対応が挙げられます。公式サイトには「携帯に連絡いただければ起きている限り対応します」と記載されており、再建築不可物件の売却について相談したいことがあった場合はすぐに連絡できるのが強みの1つです。
また、株式会社ネクサスプロパティマネジメントでは最短即日で現金化が可能です。「密に連絡をとりながら売却手続きを進めたい」「なるべく早く売却したい」という場合には株式会社ネクサスプロパティマネジメントを検討してみるのもよいでしょう。
会社名
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株式会社ネクサスプロパティマネジメント
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本店所在地
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〒107-0052 東京都港区赤坂三丁目11-15 VORT赤坂見附5階
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電話番号
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03-4589-1000
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営業時間
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ー
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公式HP
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https://raku-uru.info/
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代表者
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廣兼 卓真
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宅地建物取引業免許
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国土交通大臣(1)第10311号
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創業
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平成30年2月9日
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6. イエチカドットコム株式会社
イエチカドットコム株式会社は、さまざまな不動産の買取に対応する業者です。全国の訳あり物件買取に対応しており、再建築不可物件の売却にも期待できます。
イエチカドットコム株式会社は、公式サイトにて「全国どんな家でも買取ります」と謳っています。そのため、「他社では断られてしまった」という再建築不可物件も売却できる可能性があります。
また、最短3日で現金化できるのもイエチカドットコム株式会社の特徴です。「すぐに現金化したい」「再建築不可物件を売却できる可能性が高い業者に依頼したい」といった場合、イエチカドットコム株式会社を利用することを検討してみてもよいでしょう。
会社名
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イエチカドットコム株式会社
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本店所在地
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〒616-8371 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺若宮町31番地
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電話番号
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【東日本エリア】
0120-51-0005
【西日本エリア】
0120-51-5000
【九州エリア】
0120-51-5050
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営業時間
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10:00〜21:00
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公式HP
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https://www.iechika.com/
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代表者
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奧田邸親
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宅地建物取引業免許
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京都府知事(3)13060号
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創業
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-
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7. 株式会社雅家
「株式会社雅家」はさまざまな訳あり物件を専門としている買取業者です。再建築不可物件も買取対象としています。
株式会社雅家の特徴は、自社施工のリフォームを行ったうえで、買い取った物件を再販売している点です。買い取った物件の価値を高めて再販売できる体制が整っているため、その分再建築不可物件を高値で買い取ってもらえる可能性があります。
「少しでも高値で再建築不可物件を売却したい」という場合、株式会社雅家に依頼することも検討してみるとよいでしょう。
会社名
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株式会社 雅家
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本店所在地
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〒556-0023 大阪府大阪市浪速区稲荷1丁目5-3 4F
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電話番号
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06-6567-0800
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営業時間
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9:00~18:30
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公式HP
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https://www.jikobukken.jp/
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代表者
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岩﨑 惠子
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宅地建物取引業免許
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国土交通大臣(1)第9946号
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創業
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2016年8月
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再建築不可物件の買取業者を選ぶポイント
再建築不可物件の買取業者を選ぶ際には、下記のポイントを踏まえておくとよいでしょう。
- 買取対象物件の種類が広い業者を選ぶ
- 現金化までの期間が早い業者を選ぶ
- 買取実績がある業者を選ぶ
- 再建築不可物件があるエリアの買取に対応している業者を選ぶ
ここからは、再建築不可物件の買取業者を選ぶポイントについて、それぞれ解説していきます。
買取対象物件の種類が広い業者を選ぶ
再建築不可物件を含めて訳あり物件の場合、その物件は複数の問題を抱えている可能性があります。たとえば、再建築不可物件によっては、建物が老朽化しているなどで物理的な瑕疵が複数あることも考えられます。
買取業者によっては再建築不可物件を買取対象にしていても、老朽化が進んでいる物件の買取に対応していないこともあり、その場合は買取を拒否されることもあります。
そのため、再建築不可物件の買取業者を選ぶ際には、「どのような訳あり物件も買い取ります」と謳っているような買取対象物件の種類が広い業者を探すのがよいでしょう。
現金化までの期間が早い業者を選ぶ
再建築不可物件の買取業者を選ぶ際には、現金化できるまでの期間を基準にするのもよいでしょう。
再建築不可物件を専門とする買取業者によって、現金化できるまでの期間は異なります。一般的には数日〜1か月程度が目安になりますが、買取業者によっては最短翌日に現金化ができることもあります。
なるべく急ぎで現金化したい場合には、最短数日程度で売却できる専門業者を探してみてください。
買取実績がある業者を選ぶ
再建築不可物件の買取業者を選ぶ際には、ホームページなどで買取実績や事例を確認することも大切です。
再建築不可物件のような訳あり物件は、通常物件とは違う基準で査定が行われていると考えられるため、買取業者の経験の差が顕著にあらわれます。買取の可否や価格にも影響するので、実績・事例の数を比較して、なるべく経験が豊富な買取業者を選ぶようにしましょう。
再建築不可物件があるエリアの買取に対応している業者を選ぶ
買取業者によって、買取対象としているエリアは異なります。全国対応する業者だけでなく、一部の地域の物件買取にのみ対応する専門業者もあります。
買取業者が対象としていないエリアにある物件は、基本的に買い取ってもらえません。そのため、再建築不可物件の買取業者を探す際には、売りたい物件があるエリアを買取対象としている業者を探すようにしましょう。
再建築不可物件の買取相場は市場価格の5割〜7割程度
再建築不可物件に限った話ではありませんが、不動産の売却金額は物件の条件や状態などによって変動します。そして、買取業者に依頼する場合はその業者が行う査定によって売却金額が決まるため、査定を依頼するまでは実際の売却金額は断言できません。
とはいえ、物件の売却金額は需要の高さによっても変動し、再建築不可物件は通常物件よりも買い手がつきづらいです。そのため、通常物件よりも売却金額は安くなる傾向があり、あくまで目安ですが通常物件の50%〜70%程度が再建築不可物件の買取相場といわれています。
再建築不可物件を高値で売るなら複数の買取業者に査定を依頼しておく
再建築不可物件を買取業者に売却する場合、「なるべく高値で売りたい」と考えるのが自然でしょう。再建築不可物件を高値で売りたい場合、複数の買取業者に査定を依頼しておくことを検討してみてください。
買取業者に物件を買い取ってもらう場合、まずは査定を行ってもらいます。査定の方法や基準は買取業者によって異なると考えられ、複数の業者に査定をしてもらうと査定額に差が出ると予測されます。
そのため、複数の専門業者に査定を依頼すれば、査定額が最も高い業者を見つけることができ、その業者に依頼することで高値で再建築不可物件を売却できる可能性があるのです。
買取業者には査定のみ依頼することも可能であるため、「査定を依頼したら絶対に物件を売却しないといけない」というわけではありません。売却できるまでに手間がかかってしまうデメリットはありますが、再建築不可物件を高値で売却したい場合には複数の買取業者に査定を依頼してみてください。
再建築不可物件の売却価格は査定によって決まる!専門業者の査定ポイント
再建築不可物件の売却価格は、買取業者が行う査定で決まり、物件のさまざまな情報から査定額が決定されます。あくまで一例にすぎませんが、再建築不可物件を査定する際には、買取業者から下記の項目をチェックされるのが一般的です。
- 既存建物の状態は査定に大きく関わる
- 再建築不可から建築可能にできるか否か
- 物件の運用方法と需要も査定価格に絡んでくる
ここからは、再建築不可物件を専門とする買取業者が査定時に確認するポイントについて、それぞれ解説していきます。
既存建物の状態は査定に大きく関わる
買取業者は買い取った物件を再販売するために、資産価値を高めるための対策を自社で講じています。資産価値を高めるための対策を講じれば、その分手間や費用がかかるため、そのコストを考慮したうえで物件の買取金額を決定しています。
端的にいえば、状態がよい物件であればコストをほとんどかけずに活用することも可能なため、査定額は高くなる傾向がありますが、状態が悪ければその分コストがかかり、査定額も低くなるのが一般的です。
買取業者が査定時に確認する物件状態についてをより具体的にいえば、下記が挙げられます。
- 経年劣化による老朽化の進み具合
- 接道義務を満たしていない原因
- そのまま居住が可能かどうか
- 居住ができない場合にはどの程度修繕が必要になるか
再建築不可から建築可能にできるか否か
再建築不可物件において、買取後に建築可能にできるか否かという点も、査定価格を決める上で勘案される事項です。
不動産のプロである不動産業者は、再建築不可物件でも建築可能物件に変える知識と経験を持ち合わせています。物件買取後に利益が見込めると判断できる場合、査定価格もその分上昇する可能性があります。
逆に、不動産業者がどのような手段でも建築可能にできない、扱いきれないと判断された問題物件は買取を断られることもあります。
物件の運用方法と需要も査定価格に絡んでくる
買取業者は「居住用として販売するのか」「賃借人が関わる収益物件として保有・販売するのか」など買取後の運用方法をしっかりと検討したうえで、再建築不可物件の買取金額を判断します。
買取業者からみて採算に合う運用が可能で、需要に対して十分な供給ができる物件だと判断されれば、査定価格もそれなりに付くと考えられます。
また、不動産会社が対象エリアの地域を得意とするか不得意とするかでも、査定価格は変動する可能性があります。
地域の不動産需要を正確に把握し、的確な物件運用をおこなえる買取業者なら、買取価格も高くなるのです。
再建築不可物件を買取業者に依頼してから売却完了までの流れ
再建築不可物件を専門の買取業者に依頼してから売却が完了するまでの流れは、おおまかに下記のとおりです。
- 査定依頼と問い合わせ
- 物件の現地調査
- 最終的な買取価格の提示
- 売買契約と引き渡し
ここからは、再建築不可物件を買取業者に依頼してから売却完了までの流れについて、それぞれ解説していきます。
査定依頼と問い合わせ
再建築不可物件を買取業者に売却する場合、まずは査定を依頼します。
前述したように、高値売却のためには複数の業者に査定を依頼するのが大切です。複数社からの査定額やその他条件を比較検討して、2〜3社まで候補を絞ってから、物件の現地調査を依頼するのがよいでしょう。
電話などで直接問い合わせる時には、業者の話し方や態度、対応などに不快感がないか気にかけてみましょう。
言葉遣いや話し方が丁寧だからといって絶対に安心できるわけではないですが、不快感のある業者は間違いなく避けたほうがよいといえます。
物件の現地調査
買取業者に依頼をした後は、売却したい再建築不可物件の状況調査が行われます。具体的には、物件の劣化や損傷具合、物件の周辺状況、境界や隣地者との関係性が調査対象です。
また、相続登記が正しくおこなわれているかや、抵当権の設定がないかなど、権利関係の調査もおこなわれます。
最終的な買取価格の提示
再建築不可物件の調査が終わった後は、買取業者から最終的な買取価格が提示されます。査定額と金額が変わらないケースもありますが、現地調査の結果次第で増減することも十分にあります。
買取価格に納得がいけば、そのまま売買契約を締結させます。仮に買取価格に不満があれば、この時点で契約しないことも可能で、その際に費用は発生しません。
契約を結ぶかどうかにかかわらず、買取価格の根拠を聞いておくのもおすすめです。しっかりと調査をおこなった買取業者なら、買取価格の根拠をわかりやすく説明してくれます。
説明があやふやで、買取価格の根拠が怪しい場合は、買取業者の質が悪い可能性もあるので注意しましょう。
売買契約と引き渡し
買取価格に納得した場合は、買取業者と売買契約を締結し、買取の手続きに移ります。買取業者が物件を直接買い取るため、早ければ数日程度で現金が支払われます。
なお、売買契約を締結させる際には、さまざまな必要書類を用意する必要があります。追加書類の提出が求められるケースもありますが、下記のような書類が必要になるのが一般的です。
必要書類
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概要
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登記済権利書
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法務局から所有者に登記名義人に交付される書類。再発行できないため、紛失した場合には法務局に相談をする
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固定資産税納付通知書
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固定資産税などが記載された書類。税務署から毎年4月上旬ごろに送付される。
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境界確認書
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隣地との土地の境界を証明できる書類。測量士に依頼をして作成してもらえる
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印鑑証明書
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原則3か月以内に発行したものに限られる
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本人確認書類
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運転免許証やマイナンバーカードといった身分を証明できる書類
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住民票
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役所で取得できる書類
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活用予定がない再建築不可物件は可能な限り早く手放すべき理由
再建築不可物件の売却を検討している場合、「思ったよりも買取価格が高くなかった」などの理由から売却を見送ることを考える人もいるかもしれません。
しかし、活用予定がないのであれば、再建築不可物件は可能な限り早く手放すべきといえます。その理由には下記が挙げられます。
- 資産価値が下がり続けて売却が難しくなるおそれがある
- 近隣住民に被害が及べば損害賠償を請求されるおそれがある
- 倒壊などによって更地になれば固定資産税が最大6倍になる
ここからは、活用予定がない再建築不可物件は可能な限り早く手放すべき理由について、それぞれ解説していきます。
資産価値が下がり続けて売却が難しくなるおそれがある
再建築不可物件に限りませんが、建物の築年数が経過すればするほど、基本的に建物の資産価値は下がっていきます。そのため、再建築不可物件を所有すればするほど、建物部分の資産価値は下がってしまい、その分売却がさらに難しくなるのが一般的です。
実際に、国土交通省が公表するデータからも、築年数がかさむにつれて建物の資産価値が下落するのがわかります。
出典:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」
また、建物部分の資産価値が下がれば、現状よりも買取金額が下がってしまうことも考えられます。言い変えれば、売却できるうちに手放したほうが、基本的には高値で再建築不可物件を売却できるのです。
近隣住民に被害が及べば損害賠償を請求されるおそれがある
築年数がかさんだ物件は、その分倒壊するリスクも高くなります。仮に再建築不可物件の建物が倒壊してしまえば、近隣住民に被害が及ぶことも否定できません。
万が一近隣住民に被害が及んでしまえば、重過失として責任を問われることにもなりかねず、多額の損害金の支払いが必要になるケースもあります。近隣住民に悪影響を及ぼすリスクを下げるためにも、使用用途がない再建築不可物件は早期で売却するのが無難です。
倒壊などによって更地になれば固定資産税が最大6倍になる
再建築不可物件は建て替えなどを行えないため、修繕などをせずに放置をすると倒壊してしまうリスクがあります。万が一再建築不可物件が倒壊して更地になってしまえば、その土地に建物を建てることは原則できません。
そして、建物が建っている土地には基本的に「住宅用地の特例」という固定資産税の優遇措置が適用されていますが、更地になった場合はこの特例措置が外れてしまいます。
住宅用地の特例では、その土地の面積に応じて固定資産税が1/3または1/6まで軽減されます。そのため、再建築不可物件が倒壊して更地になれば、住宅用地の特例が外れて今後は固定資産税が最大6倍になってしまうのです。
倒壊の可能性があるような再建築不可物件であれば、すぐにでも買取業者に依頼するのが得策といえるでしょう。
まとめ
再建築不可物件は一般の人から敬遠されやすい物件です。仲介では買い手がつかない可能性があるため、基本的には買取業者に売却するのが得策といえます。
買取業者のなかには、再建築不可物件のような訳あり物件を専門とする業者も多々存在します。「買取スピードが早い」「士業と連携して買い取ってもらえる」など、買取業者によって特徴があるため、売りたい物件などに合わせて業者を探してみてください。
なお、再建築不可物件を所有し続けることには、さまざまなリスクがあります。「専門の買取業者に依頼をしたけど安値だから売却を見送る」という考えもあるかもしれませんが、リスクを回避するためにも、基本的に再建築不可物件は売却できるときに手放すのが得策です。
高値で売るためのポイントもあるため、活用予定がない再建築不可物件であれば、すぐにでも売却することを検討してみてください。
再建築不可物件の売却のよくある質問
2025年から再建築不可物件に関するルールは変わるのですか?
2025年に建築基準法が改正され、それに伴い再建築不可物件に関しても変更点があります。現状は小規模なリフォームであれば再建築不可物件であっても行えましたが、法改正によって2025年以降はリフォームも制限されます。
買取業者以外に、再建築不可物件を売却できませんか?
基本的には買取業者に依頼するのが得策ですが、接道義務を満たして再建築可能にしてから通常物件として仲介に出すのも1つの手です。
土地をセットバックしたり隣地を買い取って接道義務を満たせば、通常物件として扱われるため、買主が見つかりやすくなると考えられます。
どうすれば再建築不可物件が建築基準法の接道義務を満たせますか?
土地をセットバックして、接道義務をクリアするための道路を設ければ、建築基準法を満たすことが可能です。また隣地を買取して、接道義務を満たせば、建築基準法をクリアできます。
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