道路に面していない土地には3つの種類がある
道路に面していない土地は「無道路地」とも呼ばれており、以下3つの種類に分けられます。
- 建築基準法上の道路ではない道に面している
- 道路に面しているが接道幅(間口)が足りない
- 他の土地に囲まれている
ここで注意したいのが「一見すると道路に接している土地」であっても、建築基準法の道路に接していなければ接道義務を満たさないという点です。
建築基準法の規定を満たしていない土地は、原則として建物の建築・建て替えができません。いわゆる「再建築不可物件」と呼ばれる物件であり、売却が困難になります。
イエコン編集部では、無道路地・再建築不可物件の売却経験者60名を対象に「所有していた土地はどのタイプの無道路地だったか」に関するアンケート調査を実施しました。
その結果、「建築基準法上の道路ではない道に面している」と回答した人が46.7%と最も多く、次いで「道路に面しているが接道幅(間口)が足りない」が31.7%、「他の土地に囲まれている(袋地・準袋地)」が21.6%という結果となりました。
一見すると道路に接しているように見える土地であっても、建築基準法上の道路に接していないために再建築不可となっているケースは少なくありません。そのため、まずは自身の土地がどの種類の無道路地に該当するのかを把握することが重要です。
1.道路ではない道に面している
建築基準法上の道路は、原則として幅員4m以上であり、建築基準法42条に定める道路種別に該当する必要があります。
そのため、土地と接している道路が幅員4m未満であれば、法的には「道路に面していない」とみなされます。ただし特例として、建築基準法42条2項道路(いわゆるみなし道路)などに該当する場合は、土地と接している道が幅員4m未満であっても建築基準法上の道路として扱われることがあります。
また、地域によっては、行政の指定により幅員6mが基準となっている区域もあります。
建築基準法上の道路を見た目だけで判断するのは難しく、現地確認だけでは正確な判断ができません。道路種別については自治体の建築指導課などで確認するのが確実です。
参照:e-Govポータル「建築基準法第42条」
2.道路に面しているが間口が足りない
道路には面していても、接している幅(間口)が不足している場合は原則として接道義務を満たさず、建築が制限される土地となります。
接道義務を満たすには「建築基準法上の道路に2m以上接している」必要があります。
そのため、上図のような縦長の土地や、道路に面した細い通路(竿)の奥にまとまった敷地がある「旗竿地(はたざおち)」など、道路と土地の間口が2m未満だった場合、道路に面していない土地となります。
3.他の土地に囲まれている
土地の周りが他人の土地に囲まれている場合も、当然ながら道路と接していない状態です。
上図のような土地は「袋地」とも呼ばれます。
また、下図のように崖や河川に接していて、道路に出られない土地は準袋地と呼ばれます。
土地が道路に面しているか確認する方法
所有している土地が道路に面しているか確認する方法は、主に以下の3通りあります。
- 管轄の自治体の役所で調べてもらう
- 管轄の自治体の公式ホームページで指定道路図を調べる
- 再建築不可物件や接道問題に詳しい不動産会社に調べてもらう
自治体の役所で調べてもらうには、以下の書類を持参する必要があります。
| 登記簿謄本(登記事項証明書) |
不動産の所在や面積、所有者、権利関係などが記載されている書類 |
| 公図 |
土地の形状や区画、地番、道路などが記されている図面 |
| 地積測量図 |
土地についての測量結果(面積や境界)を明らかにした図面 |
| 建物図面 |
建物の形状や敷地の位置関係などが記されている図面 |
上記の書類が手元になければ、法務局の窓口や公式ホームページから請求できます。なお、実務上は「道路に接しているか」だけでなく「その道路が建築基準法上の道路か」を確認することが重要です。
道路に面していない土地の売却が難しい理由
道路に面していない土地の売却が難しい理由として、以下の5つが挙げられます。
- 新築や建て替えが原則できない
- 緊急車両が進入しにくい
- リフォーム等も機器搬入しにくく難易度が高い
- 住宅ローンの利用が難しい
- 隣地や私道の所有者とトラブルになる可能性がある
ここからは、それぞれの理由について詳しく説明します。
新築や建て替えが原則できない
接道義務を満たしていない場合、建築物の建造や建て替えができません。建築確認申請をしても、接道義務を満たしていなければ、その申請が通らないからです。
すでに建っている建物が建築当時は適法だったとしても、現在の接道義務を満たしていなければ「既存不適格建築物」となり、建て替えは不可となります。地震や豪雨などの自然災害で建物が全壊したとしても、再建築できません。
ただし、建築確認申請が不要な小規模なリフォームであれば可能です。どの程度までリフォーム可能かは、リフォーム会社や工務店に相談してみてください。
参照:国土交通省ホームページ(既存不適格建築物の増築等について)
緊急車両が進入しにくい
道路に面していない土地は、消防車や救急車などの緊急車両が進入しにくく、救助・消火活動に支障が生じる可能性があります。急病人が出たときや火災が発生したときなどに緊急車両が接近できないため、救助活動や消火活動がスムーズに行えない場合があります。
救助活動や消火活動は1分1秒を争う時間との勝負なので、少しでも時間が遅れると助かる命も助からなかったり、消火が遅れて周囲の建物にも燃え広がってしまったりする恐れもあります。
こういった点も、道路に面していない土地が買い手に避けられやすく、売却が難しい理由の1つとなっています。
リフォーム等も機器搬入しにくく難易度が高い
リフォームや解体を行うとしても、工事車両が入れないため工事の難易度が上がります。
建築に必要な機材や資材を運び入れることが難しく、工事車両が近づいて作業できない場合が多々あります。
工事の難易度が上がると、かかる費用も高くなってしまうので、活用や維持のコストが負担になる可能性が高いです。
住宅ローンの利用が難しい
土地を買う場合、ほとんどの人はローンの利用を検討します。このとき、購入する土地を担保に入れて融資を受けることが一般的です。
しかし、道路に面していない土地は前述の通りさまざまなリスクが高いことから、担保価値が低く融資対象外となるケースがほとんどです。
そのため、通常の土地購入と同じように一般的な銀行でローンを組むのは難しいのが実情です。現金で購入するか、金利が高いノンバンクローンを利用する必要があります。
ただし、地方銀行や信用金庫では個別事情を考慮して審査が行われることもあるので、融資を諦める前に複数の金融機関へ相談してみるとよいでしょう。
隣地や私道の所有者とトラブルになる可能性がある
道路に面していない土地(袋地)の場合、公道に出るためには隣地や他人が所有している私道を通らなければなりません。
道路に面していない土地の所有者は、囲繞地通行権(いにょうちつうこうけん)によって他人の土地を通行する権利が認められています。
囲繞地通行権とは、他人の土地に囲まれて公道に出られない土地(袋地)の所有者が、公道へ出るために周囲の土地(囲繞地)を通行できる権利のことです。
ただし、囲繞地通行権で認められる通行の範囲は事案ごとに異なり、自動車での通行は認められない場合もあります。
また、実務上は通行そのものよりも、生活インフラの引き込みをめぐるトラブルが発生しやすいのが実情です。
他人の土地で周囲が囲まれている袋地では、水道管・下水道管・ガス管などを引き込むために、隣地や他人所有の私道の下を掘削するケースがあります。しかし実際には、土地所有者から掘削承諾を断られて建築やライフライン整備が進められず、売却が行き詰まるケースもあります。
なお、2023年4月施行の民法改正により、袋地の所有者などは他人の土地を通さなければ設備(上下水道管・ガス管など)を設置できない場合、必要な範囲で他人の土地に設備を設置したり、工事のために立ち入ったりできる権利が明文化されました。
そのため、生活インフラの引き込みを行う必要性などを事前通知することで、掘削作業を実施できます。ただし損害への配慮が必要であり、工事方法や費用負担をめぐってトラブルに発展する可能性はあります。
ほかにも、高額な通行料を請求されたり、法律を無視して通行を妨害されたりとさまざまなリスクがあるため、道路に面していない土地は買い手から避けられやすいのが実情です。
道路に面していない土地の価格相場は「通常物件の50%〜70%程」が目安
道路に面しておらず接道義務を満たしていない土地は、新しく建物を建てることも、既存の建物を建て替えることもできません。そのため、通常の土地に比べて利用価値が低く、売却時の価格も下がります。
通常の土地における価格相場に比べて、50%〜70%程度安くなるのが一般的です。
ただし、実際に土地を売却する際は「道路に面していない」という条件だけで決まるわけではありません。立地条件や面積、周辺需要、利用可能性などを総合的に評価して査定されます。
イエコン編集部では、再建築不可物件を売却した経験がある50名を対象に「再建築不可物件の査定額に最も大きく影響したと思う要因」についてアンケート調査を実施しました。
その結果、「立地・エリア」と回答した人が41.7%で最も多く、次いで「土地の面積」が23.3%、「再建築可能にできる見込みの有無」が18.3%と続きました。
この結果からも分かるように、道路に面していない土地の価格は接道条件だけで決まるものではありません。特に、都市部では再建築不可であっても一定の需要が見込める一方、人口減少が進むエリアでは売却自体が難しくなるケースもあります。
土地の査定は国が示す評価額が基準
土地の価格は、国が公表する以下4つの目安額が基準になるケースが多いです。
| 土地価格の目安額 |
概要 |
| 実勢価格 |
過去の取引で実際に売却された際の価格 |
| 公示価格 |
国土交通省が毎年公表する土地の取引をする際の目安額 |
| 固定資産税評価額 |
固定資産税の算出をする際に市区町村によって評価された価格 |
| 路線価 |
国税庁によって評価された価格で、相続税や贈与税を算出するのに使用する |
実際は上記の基準額に加え、周辺環境や住宅ローンの有無など売却したい土地の状況別に価格は変動します。
不動産情報ライブラリでおおよその取引価格を計算できる
不動産情報ライブラリを使えば、実勢価格や、公示価格を調べられます。使い方は以下の通りです。
- 実勢価格を知りたい場合は「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」を選び、公示価格を知りたい場合は「地価の情報をご覧になりたい方へ」を選択
- 住所・確認したい情報・該当する土地の区分・算出時期を選択
- 一覧表示をクリック
この不動産情報ライブラリを使ってわかる情報は、以下の通りです。
- 取引総額・坪単価・㎡単価
- 面積・形状・道路との間口
- 前面道路の幅員・種類・方位
- 最寄り駅までの距離
- 都市計画
- 建ぺい率・容積率
- 取引の事情等
- 今後の利用目的
同じエリアで、所有している土地と近い条件の土地を見つけられれば、価格の目安をつけられます。
参照:不動産情報ライブラリ (mlit.go.jp)
道路に面していない土地の価格を左右する基準
土地の価格は各種条件を加味して求めるのが一般的です。道路に面していない土地の価格を左右する基準としては、主に以下のようなものがあります。
- 駅までの距離など交通の利便性
- 買い物のしやすさ
- 周辺に学校や公園があるか
- 日当たりや風通しの良さ
- 周辺に反社会的勢力の事務所などはないか
- 騒音や振動はあるか、あるとすればどの程度か
- 土壌汚染の有無
- 土地の状態(広さや形状、傾斜など)
- 不動産の所有形態(単独所有・複数人での所有)
- 地域の人口
これらのポイントを考慮した上で需要や人気が高いと判断されれば、道路に面していない土地でもそこまで値下げせずに売却できる可能性があります。「道路に接していないから売れない」と決めつけず、まずは専門家に査定を依頼して市場価値を確認することが重要です。
道路に面していない土地を相場より高く売る3つの方法
前述の通り、道路に面しておらず接道義務を満たしていない土地は、原則として再建築が難しいことから売却が難しくなります。もし売却できても、相場は非常に低くなるのが実情です。
とはいえ「絶対に高く売却できない」わけではありません。次の3つのポイントを押さえることで、再建築不可物件の相場より高く売却できる可能性があります。
- 1.再建築可能になるよう対策して売却する
- 2.再建築不可のまま売却する
- 3.専門の不動産買取業者に売却する
イエコン編集部が再建築不可物件を売却した経験がある60名にアンケートを実施したところ、「どのような流れで売却したか」という質問に対して、以下のような結果となりました。
※編集部アンケート(再建築不可物件の売却経験者60名対象)
- 専門の買取業者へそのまま売却:43.3%
- 仲介で現状のまま売却:26.7%
- 隣地所有者へ売却:15.0%
- 再建築可能な状態にしてから売却:11.7%
- その他:3.3%
この結果からも分かるように、実際には再建築可能な状態へ改善してから売却するケースはそれほど多くありません。再建築可能にするためには、隣地取得や行政手続きなどの費用・時間が必要になるためです。
一方で、再建築可能な状態にして売却した人や、隣地の方へ売却した方の多くが「一般の買主からも問い合わせが入るようになった」「買取業者の査定額より高い金額で隣地の方が購入してくれた」と回答しており、価格面で納得感のある売却につながったという声が目立ちました。
実際の不動産取引でも、接道義務を満たしていない土地の売却方法によって価格が大きく変わるケースは珍しくありません。
ここからは、道路に面していない土地を相場より高く売却するための具体的な方法を解説します。
1.再建築可能になるよう対策して売却する
道路に面していない土地の売却価格が低い理由は、接道義務を満たしていないために、新しく建物を建てられないからです。
つまり、再建築可能な状態にしてから売却活動を始めれば、価格の下落要因が解消されるので一般的な土地と同じ価格で売却できる可能性があります。主な方法は、次の5つです。
- 隣地から土地を買い取る
- 建築工事のときのみ隣地を借りて接道義務を満たす
- セットバックをおこなう
- 但し書き道路を認定してもらう方法
- 位置指定道路に認定してもらう方法
隣地から土地を買い取る方法
隣地から土地を買い取り、接道義務を満たせば、再建築が可能となります。このとき、隣地を丸ごと買い取る必要はありません。目的はあくまで「接道義務を満たすこと」です。
そのため、隣地の一部を分筆してもらい、部分的に買い取ることで接道義務を満たせる場合があります。例えば、下図のような場合です。
隣地Aの上に建っている住居が離れているので、黄色になっている部分を売却しても、隣地Aの所有者にとって大きな問題はありません。
隣地の所有者と友好な関係を築けていれば、買取交渉もしやすいでしょう。
一方で、土地売買の条件交渉や境界確認には専門的な知識が必要になる場合もあります。実務上も、隣地との話し合いがまとまらず計画が進まないケースは少なくありません。
当事者同士での交渉が難しい場合は、不動産会社や必要に応じて弁護士などの専門家への相談も検討しましょう。
建築工事のときのみ隣地を借りて接道義務を満たす方法
隣地の買取が難しい場合は、一時的に賃貸借契約を結ぶ方法があります。買取をしなくても、建築工事の間だけ接道義務を満たしていれば、再建築は可能です。
一時的に借りるだけなら、隣地所有者も承諾しやすいでしょう。ただし、賃貸借契約は口頭だけでなく、契約書を交わして書面に残すことをおすすめします。
セットバックをおこなう方法
前面道路の道路との間口は満たしているが幅員が4m未満のために再建築ができない場合は、セットバックという対策があります。
セットバックとは、自分の敷地を後退させ、前面道路の幅員を広げる方法です。
ただし実務上の注意点として、どのような道路でもセットバックをすれば再建築できるわけではありません。セットバックによって再建築が可能になるのは、前面道路が建築基準法上の42条2項道路(みなし道路)に指定されている場合に限られます。
通路や建築基準法上の道路として認められていない私道などでは、セットバックを行っても再建築できない点に注意しましょう。
セットバックによって敷地面積は減ってしまいますが、接道義務を満たして再建築可能にすれば土地の価値も上がるので、損失となることは少ないでしょう。ただし、建ぺい率や容積率については注意が必要です。
- 建ぺい率・・・敷地面積に対して、建物がどれだけの面積を占めているか
- 容積率・・・敷地面積に対して、建物の延べ床面積はどれだけか
セットバックによって敷地面積が小さくなると、建ぺい率や容積率がオーバーし、違反建築物になってしまう恐れがあります。既存の建物がある場合は、建ぺい率や容積率の計算も事前におこないましょう。
但し書き道路の認定・許可をもらう方法
但し書き道路とは、敷地と接する道路が建築基準法上の道路に該当しないものの、一定の基準を満たしていれば例外的に再建築が認められる道路のことです。
2018年の建築基準法改正以前は「43条但し書き」と呼ばれていましたが、現在は以下の2つの制度に再編されています。
- 但し書き道路の認定(43条2項1号)
- 但し書き道路の許可(43条2項2号)
但し書き道路として認められるには、主に以下の基準があります。
- 敷地の周囲に公園・緑地・広場などの広い空地があること
- 幅員4m以上の農道や公共用の道に2m以上接していること
- 特定行政庁が交通上・安全上・防火及び衛生上支障がないと認めていること
- 建築物は地上2階以下で、かつ地階は1階以下の専用住宅・二戸長屋であること
ただし、上記の要件を満たして但し書き道路の申請をしても、必ず認定・許可が下りるとは限らないのでご注意ください。また、但し書き道路の要件は自治体によって異なる場合があるため、詳細については管轄の自治体に問い合わせて確認しましょう。
位置指定道路に認定してもらう方法
位置指定道路とは、特定行政庁から「土地の一部が道路である」と位置の指定を受けた幅員4m以上の私道のことです。
建築物を建てるには、原則として敷地が建築基準法上の道路に2m以上接していなければなりません。しかし、敷地が建築基準法上の道路と接していなくても、公道から敷地までの通路用地を確保し、その私道について位置指定道路の指定を受けられれば、建築基準法上の道路としてみなされます。
位置指定道路として認定してもらうには、建築基準法施行令第144条の4で規定されている以下の要件を満たす必要があります。
- 道路の両端が他の道路と接続されており、通り抜けが可能であること
- 道路と接する部分に隅切りがされていること
- 砂利を敷くなど、ぬかるみとならない構造であること
- 縦断勾配は12%以下であり、段差がないこと
- 側溝などの排水整備が設けられていること
行き止まりがあって通り抜けができない道路の場合は、以下の要件を満たす必要があります。
- 道路の長さが35m以下であること(35mを超える場合は、終端および35mごとに自動車転回広場を設ける)
- 幅員6m以上(4m以上の場合もある)であること
- 道路と接する部分に隅切りがされていること
なお、位置指定道路は単に敷地の一部を道路にすれば認められるものではありません。道路用地の確保や関係地権者の同意が必要になることが多く、既存の再建築不可物件で活用できるケースは限られます。
位置指定道路の指定を受けられるかどうかは、土地の形状や周辺状況や自治体の判断によって異なります。検討する際は、事前に管轄自治体の建築担当部署へ相談するのが無難です。
2.再建築不可のまま売却する
再建築可能にするには、高額な費用や複雑な手続きが必要になるためハードルが高く感じる人も多いでしょう。しかし、下記の方法であれば再建築不可のままでも売却可能です。
- 隣地の所有者に売却する
- 不動産会社に仲介してもらう
- 不動産会社に買い取りしてもらう
ここからは、それぞれの方法について解説していきます。
隣地の所有者に売却する
道路に面していない土地の売却で、もっとも高く購入してもらいやすいのは隣地所有者です。なぜなら、土地の価値は面積が広いほど高くなり、隣地を買い取っても得する場合が多いからです。
たとえば、下図のような場合、隣地の所有者が土地を手に入れることでより広い土地として活用できます。
また、下図のように隣地も接道義務を満たせていない場合も、高値で売れやすいでしょう。隣地所有者としても、土地を購入することで接道義務を満たせるメリットがあるためです。
実務上は土地の条件によって差がありますが、一般的な土地価格の60%〜80%程度が1つの目安となります。6割〜7割程度で買ってもらえる可能性があります。
イエコン編集部が行ったアンケート調査でも、「隣地所有者へ売却した」と回答した方からは、「買取業者の査定額より高い金額を提示してもらえた」「土地を広げたいと考えていたようで、想定よりスムーズに話がまとまった」といった回答が多数見られました。
道路に面していない土地を売却したいと思ったときには、最初に隣地の所有者に買取の意思がないか確認しましょう。
不動産会社に仲介してもらう
隣地の所有者に買い取ってもらうのが難しい場合は、不動産会社に仲介を依頼して買主を探すことを検討してみましょう。
不動産会社に仲介してもらう方法なら、買主との条件交渉次第では買取よりも高値で売却できる可能性があります。
ただし、仲介ではイチから購入希望者を探すことになるため、買取と比べると売却が完了するまでに時間がかかります。
特に、再建築ができない土地は買主にとってさまざまなデメリットがあり、市場での需要が低いため、通常の土地と比べると購入希望者が見つかるまで時間がかかりやすいです。
不動産会社に買い取りしてもらう
不動産会社に仲介してもらってもなかなか買主が見つからない場合や、できるだけ早く土地を手放したい場合は、不動産会社に買い取りしてもらうことを検討してみましょう。
この方法なら買主が不動産会社になるため、イチから購入希望者を探す必要がなく、スピーディーに土地を売却できるのがメリットです。
ただし、買い取りは仲介と比べると売却価格が低くなる傾向があります。その理由としては、不動産会社が買い取った不動産に付加価値を付けて再販し、利益を出す必要があるからです。
利益が出ない土地は不動産会社にとって買い取るメリットがないため、不動産会社によっては買い取りを拒否される可能性もあります。
早く売却したい場合は不動産買取業者に依頼する
道路に面していない土地のように、接道義務を満たせない再建築不可物件は、一般の不動産会社では取り扱いが難しいとして敬遠されることがあります。その結果、なかなか売却に至らないケースもあるでしょう。
そのような物件については、再建築不可物件の取り扱いに慣れた専門の買取業者への相談が選択肢のひとつです。
専門業者は再建築不可物件の活用ノウハウや再販ルートを持っていることが多く、現状のまま買い取れるケースもあります。これにより、手間を抑えつつ物件の価値を確保することが可能です。
また、物件によっては測量や境界確認、登記手続きなどが必要になる場合がありますが、専門業者によっては提携する司法書士や土地家屋調査士などを紹介できるケースもあります。
通常の仲介で売却するよりも現実的な選択肢となることがありますので、所有する物件の条件や市場状況を踏まえ、必要に応じて専門業者へ相談してみるとよいでしょう。
まとめ
道路に面していない土地は、建築基準法上の接道義務を満たしていないため、「再建築不可物件」として扱われるケースがほとんどです。通常の土地に比べて利用価値が低く、売却価格も通常の物件に比べて50%〜70%程が目安となります。
加えて「緊急車両の進入が困難」「住宅ローンが組めない」「リフォームや建替えの際に工事の難易度が高くなる」など、さまざまなリスクが伴うので買い手が見つかりにくいのが現状です。
しかし、隣地の一部を購入したりセットバックを行ったりして接道義務を満たせば、再建築可能な土地として売却できるケースもあります。また、隣地の所有者や再建築不可物件に強い専門業者に売却する方法もあり、手間や費用を抑えつつ適正な価格での売却が期待できます。
道路に面していない土地は「無道路地」とも呼ばれ、以下の3種類に分類されます。
- 道路ではない道に面している
- 道路に面しているが間口が足りない
- 他の土地に囲まれている(袋地・準袋地)
土地が道路に面しているかどうかは、自治体での確認や、専門業者への相談で把握できます。売却価格は、土地の面積や形状、立地条件、ローンの利用可否などさまざまな要素によって決まります。
道路に面していない土地を相場より高く売却するには、次の方法が有効です。
- 隣地購入やセットバックなどで再建築可能な状態にして売却する
- 再建築不可のまま、隣地所有者や不動産会社に売却する
売却先が見つからない場合は、専門の買取業者であれば再建築不可物件の現状のままでの買取や、再建築可能にしての買取など柔軟な対応が可能です。
道路に面していない土地のよくある質問
道路に面していない土地は更地にした方がよいですか?
場合によりますが、接道義務を満たさない限りは建物の建て替えが認められず、更地にすると固定資産税が上がるため、急いで更地にする必要はないでしょう。
セットバックした土地の所有者は誰ですか?
セットバックした部分の土地は私道として扱われるため、所有権はその土地の所有者が持ちます。そのため、セットバックした土地の維持管理や固定資産税・都市計画税の支払いは、土地の所有者が行わなければなりません。
ただし、セットバックした部分を自治体に寄付もしくは買い取ってもらった場合は、自治体が所有者となります。