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再建築不可物件はどこまでリフォームできる?法改正やリフォームの注意点も解説

再建築不可物件はどこまでリフォームできる?法改正やリフォームの注意点も解説

再建築不可物件は、建築基準法上の接道義務を満たしておらず、新たに建物を建て替えることができない不動産のことです。

建て替えできないという点が注目されがちですが、実際にはリフォームにも一定の制限があります。

特に、増築や大規模リフォームでは「建築確認申請」が必要になるケースがあり、再建築不可物件ではこの申請が大きなハードルになることがあります。

一方で、再建築不可物件では建築確認申請が不要な範囲内でのみ、リフォームをすることが可能です。建築確認申請が必要なリフォームは以下のとおりです。

  • 10㎡以上の増改築・移転をおこなうケース(防火・準防火地域外の場合)
  • 主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段など)の2分の1を超える修繕や模様替えをおこなうケース

反対に、上記に該当しないリフォームであれば建築確認申請が不要になるため、再建築不可物件でもおこなえます。たとえば、壁紙の張り替えや水回り設備の交換、ウッドデッキの設置、補修などの工事が該当します。

なお、これまでは「4号建築物」に該当する戸建てであれば、「4号特例」によって建築確認の審査が省略され、再建築不可物件でもリフォームが可能でした。

しかし、2025年4月の建築基準法改正によって、これまで4号特例の対象だった木造戸建ても建築確認申請が必要となるケースが増えたため、再建築不可物件では、以前より大規模リフォームのハードルが高くなっているのが実情です。

このように、再建築不可物件のリフォームには多くの制限があり、希望する工事が可能なのかどうかをしっかりと確認する必要があります。リフォームには多額の費用が発生するため、特別な事情がなければ物件を売却することも検討しましょう。

本記事では、再建築不可物件のリフォームの可否や、リフォームができるケースとできないケースについて詳しく解説します。また、リフォームが可能にする方法やリフォームの注意点もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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再建築不可物件はリフォームが一切できないわけではない

再建築不可物件は、建築基準法上の接道義務を満たしておらず、新たに建物を建て替えることができない不動産を指します。

接道義務とは、建物の敷地が「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」という建築基準法のルールのことです。消防車・救急車などの進入経路や、災害時の避難経路の確保などを目的に設けられています。

「建て替えができないのであれば、リフォームもできないのでは?」と思われがちですが、実際には工事内容によってはリフォームできるケースもあります。

建築基準法において、リフォームは以下のように定義されています。

十四 大規模の修繕 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
十五 大規模の模様替 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。
引用元 建築基準法|e-Gov 法令検索

主要構造部とは、建物を支える骨格の部分を指しており、具体的には壁や柱、床、梁、屋根、階段のことです。そして、過半とは全体の50%を超える範囲を指しています。

つまり、建物の主要構造部の1種類でも、半分以上に手を加える工事をする場合は「大規模の修繕」「大規模の模様替」に該当します。

反対に、主要構造部を伴わない部分的な修繕や内装の変更、設備の入れ替えなどは該当しません。主要構造部に手を加える場合であっても、修繕の範囲が2分の1以下に抑えられていれば、リフォームが可能です。

実際に、「古い再建築不可物件を最低限住める状態に整えたい」という理由から、水回り交換や内装リフォームを検討されるケースは少なくありません。

このように、再建築不可物件はリフォームそのものが禁止されているわけではなく、内容によって可能な範囲が存在します。

このように、再建築不可物件はリフォームそのものが禁止されているわけではなく、内容によって可能な範囲が存在します。

なお、実際にどこまで工事できるかは、建物の状態や自治体の運用、建築士の判断によって異なる場合があります。

そのため、工事を検討する際は、リフォーム会社や建築士へ事前に確認しながら進めることが大切です。

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再建築不可物件でリフォームできないのは建築確認申請が必要な場合

再建築不可物件でリフォームの制限を受けやすいのは、建築確認申請が必要になるような修繕をおこなう場合です。建築確認申請とは、計画している建築工事が建築基準法などの関係規定に適合しているかを審査・確認してもらう手続きのことです。

建築基準法では、建築確認申請について以下のように定められています。

(建築物の建築等に関する申請及び確認)
第六条 建築主は、第一号若しくは第二号に掲げる建築物を建築しようとする場合(中略)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第三号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、(中略)確認済証の交付を受けなければならない。
引用元 建築基準法|e-Gov 法令検索

上記を要約すると、「増築」や「主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)の過半を改修する大規模リフォーム」をおこなう場合には、工事前に建築確認申請が必要になるということです。

しかし、再建築不可物件は接道義務を満たしていないため、申請をしても許可はおりません。つまり、再建築不可物件の場合、建築確認申請が必要なリフォームは事実上できないとも言えるのです。

実際のリフォーム相談の現場でも、「スケルトン状態まで解体して全面改修したい」「老朽化した柱や梁を広範囲で交換したい」と考えていたものの、工事範囲が大規模修繕に該当し、確認申請が必要になることで断念せざるを得なかったケースは一定数見られます。

建築確認申請が必要になるリフォームの例は、以下のとおりです。

  • 10㎡以上の増改築をおこなうケース(防火・準防火地域外の場合)
  • 主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段など)の2分の1を超える修繕や模様替えをおこなうケース

上記に該当する工事をおこなう場合は建築確認申請が必要となりますが、再建築不可物件では承認がおりないため、リフォームができません。

特に注意したいのは、「部分的な修繕のつもりだったが、工事を進めるうちに主要構造部の改修範囲が広がり、結果的に確認申請が必要になる」というケースです。

築年数の古い再建築不可物件では、解体後にシロアリ被害や雨漏りによる腐食が見つかることも珍しくありません。

その結果、当初は内装リフォームのみを想定していたにもかかわらず、柱・梁・床下まで補修が必要となり、大規模修繕扱いになるケースがあります。

また、お住まいのエリアが「防火・準防火地域」に指定されている場合、10㎡以下のリフォームであっても建築確認申請が必要です。つまり、規模の小さいリフォームでも実施できないということになります。

一方、防火・準防火地域外であれば、内装の張り替えや水回り設備の交換、ウッドデッキの設置、屋根・床の補修、柱の修繕などのリフォームが可能です。

つまり、建物の維持管理や延命のための修繕は可能ですが、建物性能を大きく向上させるような大規模なリフォームは難しいケースが多いというのが実務上の実態です。

再建築不可物件の売却現場でも、「購入後にフルリフォームできると思っていたが、建築士から難しいと指摘された」という話は珍しくありません。

特に、再建築不可物件は築40〜50年超の木造住宅も多く、見えない部分の劣化によって工事範囲が想定以上に広がりやすい傾向があります。

なお、建築確認申請が不要なリフォームでは対処できないほど老朽化が進んでいる場合、倒壊する危険性が高まります。さらに近隣住民に被害を及ぼし、損害賠償請求を受けるリスクもあります。

かといって、建築確認申請をせずに大規模なリフォームをおこなうのは絶対にやめましょう。申請をせずリフォームをおこなうと、建築確認が取れていない「違法建築物」として扱われ、解体するよう命じられることがあるためです。

再建築不可物件は、自治体ごとの運用や建築士の判断によって対応可否が変わる場面も多いため、工事前に建築士・施工会社へ個別確認することが重要です。

また、建物の状態によっては、継続保有だけでなく、売却や土地活用を含めて検討してみてください。

2025年の建築基準法の改正により建築確認申請が必要となるケースが増加

これまで、以下に該当する住宅は「4号建築物」と呼ばれ、一部の審査が省略される「4号特例」によって建築確認申請が不要とされてきました。

  • 2階建て以下で延べ面積500㎡以下の木造住宅
  • 1階建てで延べ面積200㎡以下の木造以外の住宅

4号特例は、1980年代の住宅供給拡大に対応するため、確認審査を簡略化する目的で導入された制度です。

4号特例が導入された1983年前後は新築の着工数が急増しており、確認審査をする人手が足りず、審査が追いつかない状況でした。そこで、手続きを簡略化してスピーディーに家を建てるために導入された背景があります。

しかし近年は、住宅の省エネ性能や耐震性能への社会的な要請が高まる中で、手続きの簡略化はリスクが大きいとされ、2025年4月の法改正により4号建築物は廃止されました。

代わりに建築物の分類は1号〜3号に再編され、従来の4号建築物は「新2号建築物」と「新3号建築物」のいずれかに分類されています。

分類 概要 建築確認申請
新2号建築物 木造2階建て、または延べ面積200㎡超の木造平屋建て すべての地域で必要
新3号建築物 延べ面積200㎡以下の木造平屋建て 都市計画区域等内の場合は必要

特に影響が大きいのはリフォーム分野です。従来であれば確認申請不要だった工事でも、2025年4月以降は確認申請が必要になるケースが増加しています。

たとえば、新2号建築物に該当する場合、どの地域でも建築確認申請が必要です。一方、新3号建築物であれば、都市計画区域に該当する地域のみ建築確認申請が必要になります。

再建築不可物件では申請をしても承認がおりないため、リフォームをすること自体がさらに難しくなったのが現状です。新2号建築物、または都市計画区域等内に新3号建築物を所有している場合は、物件を売却することも視野に入れたほうが良いでしょう。

実務上、この法改正による大きなハードルは、建築確認申請にあたって建築士による現況調査や構造計算(壁量計算など)が必要になることです。

築古の再建築不可物件は、建築当時の図面が残っていないケースも少なくありません。その場合は、建築士が現地調査を行い、一から現況図面を作成したうえで、現在の基準に適合しているかを確認する必要があります。

また、建物の状況によっては耐震性や構造安全性を確認するための計算が求められることもあり、確認申請を行う前段階から多くの時間と費用が発生します。

設計・調査費用だけで数十万円〜100万円以上かかるケースもあるため、大規模リフォームのハードルは従来より大きく高まっています。

さらに、これまではリフォーム会社判断で進められていた工事について、「確認申請が必要になるため対応不可」と説明されるケースが増えています。

とくに再建築不可物件では、確認申請が通らない前提で計画そのものを断念するケースも見受けられます。

そのため、再建築不可物件を所有している場合は、どこまで工事できるかを早い段階で建築士へ確認することが、以前にも増して重要になっています。

参照:2025年4月(予定)から4号特例が変わります|国土交通省

再建築不可物件はどこまでリフォームできる?

前述したとおり、再建築不可物件でも、建築確認申請が不要な範囲内であればリフォームが可能です。

ただし、実際の現場ではどこまでならリフォーム可能なのかの判断が難しく、同じ工事内容でも、建築士や確認検査機関、自治体の運用によって見解が分かれるケースもあります。

特に実務上は、「主要構造部にどの程度手を加えるか」と「確認申請が必要になる工事に該当するか」が重要な判断ポイントになります。

リフォームができるケースとできないケースの事例は以下のとおりです。

再建築不可物件でリフォームできるケース 再建築不可物件でリフォームできないケース
・壁紙、クロス、フローリング、畳などの貼り替え
・キッチン、浴室、洗面台、トイレなど水回り設備の交換
・外壁の塗装や補修
・扉や窓の交換
・ウッドデッキや物置の設置
・断熱性の向上
・耐震補強
・10㎡未満の増改築(防火・準防火地域外の場合)
・主要構造部(屋根・壁・床・階段・柱・梁)の2分の1以上の交換
・延べ床面積を10㎡以上広げる工事
・10㎡以上のガレージ・サンルームなどを増築する工事
・10㎡以上の建築物を敷地内で移動させる工事
・建物の高さを変える(1階建てから2階建てにするなど)工事

再建築不可物件でリフォームできるケース

再建築不可物件であっても、建築確認申請が必要ない工事であればリフォームは可能です。

具体的には、建物の主要構造部の2分の1以上に該当しない範囲の修繕・模様替えであれば、建築確認申請をすることなく着工できます。

再建築不可物件でもリフォームできるケースは以下のとおりです。

  • 壁紙・クロス・フローリング・畳などの貼り替え
  • キッチン・浴室・洗面台・トイレなど水回り設備の交換
  • 外壁の塗装や補修
  • 扉や窓の交換
  • ウッドデッキや物置の設置
  • 断熱性の向上
  • 耐震補強
  • 10㎡未満の増改築(防火・準防火地域外の場合)

上記のような工事であれば、建物の用途や構造そのものを大きく変更しない工事であることが多く、再建築不可物件でも比較的実施しやすい部類に入ります。

実際に、再建築不可物件を購入した方からは、「建て替えは難しい前提で、水回りだけ更新したい」「雨漏り対策と最低限の耐震補強だけしたい」といった声も多く聞かれます。

特に近年は、取得価格を抑えられる再建築不可物件を購入し、全面改修ではなく延命目的のリフォームを前提に活用するケースも増えています。

なお、建物の基礎や構造のみを残して全面的な改修をおこなう「スケルトンリフォーム」ができるのかどうかについては、一戸建てとマンションで異なります。

戸建ての場合、これまでは4号建築物であれば建築確認申請が不要とされており、大規模な
リフォームも可能でした。しかし、2025年4月の法改正によって4号特例が廃止されたことで、建築確認申請が必要な範囲が広がったため、戸建ての大規模リフォームは厳しいものと考えておきましょう。

一方、マンションは専有部分の内装工事が中心となるため、主要構造部に直接手を加えるケースが少なく、再建築不可であってもスケルトンリフォーム可能なケースが比較的多い傾向があります。

もっとも、マンションでは管理規約による制限も強く、床材変更・配管工事・間取り変更などに制約が設けられている場合もあります。

そのため、実際には建築基準法上は可能でも、管理規約上は不可というケースもあるてんに注意が必要です。

このように、再建築不可物件でも建築確認申請が不要な範囲内であればリフォームがおこなえます。居住性や快適性を高めたい場合、リフォームを検討する価値は十分にあるでしょう。

ただし、築年数が古い物件ほど、工事途中で確認申請が必要な範囲へ発展するリスクが高い点には注意が必要です。

再建築不可物件でリフォームできないケース

再建築不可物件では、建築確認申請が必要となる工事は承認が下りないため、リフォームができません。具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 主要構造部(屋根・壁・床・階段・柱・梁)の2分の1以上の交換
  • 延べ床面積を10㎡以上広げる工事
  • 10㎡以上のガレージ・サンルームなどを増築する工事
  • 10㎡以上の建築物を敷地内で移動させる工事
  • 建物の高さを変える(1階建てから2階建てにするなど)工事

これらは建築確認申請が必要になる代表例です。

主要構造部の2分の1以上に手を加える場合や、10㎡以上の増改築・移転などは建築確認申請が必要となるため、リフォームができません。

そして、再建築不可物件では、接道義務を満たせないことから、確認申請の段階で法適合性をクリアできず、計画そのものが成立しないケースが多く見られます。

特に注意したいのは、最初から大規模工事を予定していたケースだけではありません。

実際のリフォーム現場では、工事途中で構造部分の深刻な劣化が見つかり、追加補修が必要になるケースが珍しくありません。

たとえば、床を剥がした際に土台の腐食が見つかったり、壁を解体した際に筋交い不足が発覚したりすることがあります。

その結果、当初は確認申請不要の範囲で収まる想定だったにもかかわらず、最終的に主要構造部の過半に及ぶ工事となり、計画継続が難しくなるケースもあります。

実務上、再建築不可物件は築40〜60年超の木造住宅も多いため、蓋を開けてみないと状態が分からないというリスクを前提に考える必要があります。

また、防火・準防火地域内に再建築不可物件がある場合、10㎡未満であっても建築確認申請が必要になる場合があります。

特に都市部の密集地では、防火・準防火地域に指定されているケースが多く、「小規模な増築くらいならできると思っていたが、実際は難しかった」という声も少なくありません。

なお、再建築不可物件のあるエリアが防火・準防火地域内かどうかは、各自治体の公式サイトで公開されている「都市計画図」などで確認できます。

実務では、購入前の段階で用途地域・建ぺい率・容積率とあわせて確認されることが一般的です。

再建築不可物件も再建築可能にすればリフォーム可能になる

再建築不可物件でも、接道義務の問題を解消できれば、建築確認申請が可能となり、再建築や大規模リフォームを進められるケースがあります。

もっとも、実務上は理論上は可能でも、実際には権利関係や道路種別、自治体運用などが障壁となり、解消できないケースも少なくありません。

特に再建築不可物件では、以下のような背景を抱えていることが多く見られます。

  • 昭和期以前から形成された密集市街地
  • 相続を繰り返して権利関係が複雑化している
  • 私道の所有者が複数存在する
  • 境界未確定
  • 建築基準法施行前から存在する既存不適格状態

そのため、単純に土地を少し広げれば解決するというケースばかりではなく、実際には測量・境界確認・近隣承諾・行政協議などを並行して進める必要があるケースも多いのが実態です。

再建築不可状態の解消方法としては、主に以下の4つがあります。

方法 向いているケース
隣地を借りるか購入する 隣地の所有者が土地の賃借または購入に協力的な場合
セットバックをおこなう 敷地面積が広く、土地と道路の境界線を後退させる余裕がある場合
建築審査会の許可を得る 各自治体が定める43条但し書き申請の要件を満たしている場合
位置指定道路の申請をする 接道義務を満たせる私道が隣接している場合

隣地を借りるか購入する

再建築不可解消の実務で比較的多く検討されるのが、隣地の一部取得や通行部分の賃借によって接道条件を満たす方法です。

隣地から土地を借りるか購入することで接道義務を満たせば、増築や改築ができるようになります。

再建築不可物件は接道義務を満たしていないことが問題なので、土地を拡大して接道義務さえ満たせば、通常の物件と同じようにリフォームが可能です。

たとえば、間口が2m未満に満たずに再建築不可物件となっている場合、隣地を購入して間口が2m以上になれば、接道義務をクリアできます。

隣地が空き地の場合は地主に連絡を取り、賃貸借や購入が可能かどうかを尋ねてみましょう。空き地でない場合は、所有者と交渉して土地の一部を借りられるか、購入させてもらえるかを相談してみてください。

注意点として、隣地の所有者が土地の一部売却に応じてくれるケースは多くはありません。借りるのであれば承諾してもらえる可能性は高くなるものの、契約書を結ぶ手間などが発生することから、断られるケースもあると認識しておきましょう。

なお、工事のときのみ隣地を借りる一時賃借は法律的にグレーな部分があるため、控えておきましょう。一時的に接道義務を満たしても、工事終了後に接道義務を満たさなくなると建築基準法違反に該当する可能性があるためです。

隣地を活用する際は、地主と正式に賃貸借契約を交わして借りるか、購入するかのどちらかを考えてみてください。

単なる口約束では、将来的な売却や融資時に問題となるケースもあるため、契約書・登記まで含めて整理されることが望ましいでしょう。

セットバックをおこなう

再建築不可物件をリフォーム可能にする方法の一つに、セットバックがあります。セットバックとは、土地と道路の境界線を後退させることで、接道義務を満たす方法です。

接道義務を満たすためには幅員4m以上の道路に、敷地が2m以上接してしなけれなりません。そのため、セットバックによって道路の幅員が4m以上になれば、接道義務を満たせるということになります。

実務上、再建築不可物件では「そもそも道路として認められていないケース」と「2項道路ではあるがセットバック未了のケース」が混在しています。

後者であれば、セットバックによって再建築可能となる余地があります。

セットバックによって道路として扱われるようになった部分の土地は、私有地としてそのまま所有することが可能です。道路を所有する必要がないのであれば、自治体に寄付するか買い取ってもらいましょう。

注意点として、セットバックをするためには高額な工事費用を自己負担する必要があります。費用は状況によっても異なるものの、40万円〜130万円程度が相場です。

また、敷地面積も狭くなってしまうため、再建築する建物が現在より小規模になるうえ、最低敷地面積を下回ると建物を建てられなくなります。

特に都市部の狭小地では、セットバック後に敷地利用効率が大きく低下することもあるでしょう。

最低敷地面積とは、建物を建てるために必要とされる敷地の最小限の広さをのことです。

セットバックは「土地にある程度の広さがある」「費用を用意できる」という場合に向いている方法です。

建築審査会の許可を得る(43条第2項第2号許可)

接道義務を形式上満たしていなくても、43条第2項第2号許可(旧43条但し書き)によって建築が認められ、リフォームが可能となるケースがあります。

43条但し書き申請とは、接道義務を満たしていない敷地でも、特別な条件を満たせば建築が認められる制度です。接道義務が設けられる前から存在していた建物の所有者を救済するための制度であり、全国で活用されています。

具体的な要件は自治体によって異なりますが、一例として、以下のような要件をクリアする必要があります。

  • 幅員4m以上の道に敷地が2m以上接していること
  • 建築物の用途及び規模が、国土交通省令で定める基準に適合するものであること
  • 特定行政庁が交通上・安全上・防火上・衛生上支障がないと認めるものであること
  • 第144条の4第1項各号に掲げる基準(位置指定道路の基準)に適合する道であること
  • 農道などの公共の用に供する道であること
  • 縦断勾配が自治体が定める基準値以下であること
  • 両端が他の道路と接していること

このように、43条第2項第2号許可(旧43条但し書き)が認められるためには多くの要件をクリアする必要があります。許可を得るためには、周辺の状況や土地の利用状況を詳しく調査したうえで申請することが大切です。

なお、43条第2項第2号許可(旧43条但し書き)は例外的措置であるため、認められるかどうかはケースバイケースです。そのため、事前に自治体に相談し、申請可能かどうかを確認しましょう。

43条但し書き申請の認定基準や流れについては以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

位置指定道路の申請をする

私道について位置指定道路の認定を受けることで、接道義務を満たせ、再建築不可物件をリフォーム可能にできる場合があります。

位置指定道路とは、私道であっても一定の基準を満たすことで、特定行政庁から正式に認められた道路のことです。私道を公的な道路と同じ扱いできるため、位置指定道路の申請によって接道義務を満たせる可能性があります。

位置指定道路として認められるためには、自治体が定めている要件をすべて満たす必要があります。主な要件は以下のとおりです。

  • 敷地に接している道路幅が4m以上であること
  • 通り抜けが可能な道路であること
  • 排水設備が設けられていること
  • 道路と敷地の境界が明確であること
  • 道路面が舗装されていること

上記はあくまでも一例であり、具体的な要件は各自治体に問い合わせて確認する必要があります。

位置指定道路が認められれば、再建築不可物件であってもリフォームや増改築ができる可能性があるため、まずは窓口で相談してみるとよいでしょう。

もっとも、実務上は難易度が高く、個人単独で進められるケースは多くありません。

というのも、私道共有者全員の同意や境界確定の必要性、道路幅員の確保などといった点が問題になったり、古い私道では相続未登記や持分不明といったさまざまな問題が発生する恐れがあるためです。

そのため、位置指定道路は制度上は可能でも、実際には権利関係整理に長期間を要するケースがある点に注意しましょう。

再建築不可物件をリフォームする際の注意点

再建築不可物件は、通常の中古住宅と比べて法的・構造的な制約が多く、リフォームでは特有のリスクが発生しやすい物件です。

特に実務上は、「購入前に想定していた工事内容と、実際にできる工事内容が大きく異なる」というケースが少なくありません。

具体的には、以下のような点に注意しましょう。

  • フルリフォームすると新築購入と同じくらいの費用がかかる
  • リフォーム工事できない場合もある
  • 追加費用がかかることも多い

また、再建築不可物件は築古木造住宅が多く、建築当時の法令・施工基準で建てられているケースも多いため、現在の建築基準とのギャップが問題になることがあります。

そのため、単純に古い家をリフォームするという感覚ではなく、法規制・施工性・コスト・将来売却まで含めて総合的に判断することが重要です。

ここでは、各注意点について詳しく解説します。

フルリフォームすると新築購入と同じくらいの費用がかかる

一般的に中古物件を購入してリフォームする費用の合計は、新築を購入するよりも安いものです。

しかし、再建築不可物件のフルリフォームでは、結果的に新築同等、あるいはそれ以上のコストになるケースも珍しくありません。

たとえば、耐震基準を満たすための耐震補強工事なども必要で、リフォーム費用は1,000万〜2,000万円以上かかるケースもよくあります。

特に築40〜60年超の木造住宅では、表面的な内装劣化だけでなく、構造部分まで傷んでいるケースが多く見られます。

実際のリフォーム現場では、土台や柱の腐食、シロアリ被害や雨漏りによる梁の劣化、配管・配線の老朽化といった問題が工事途中で発覚するケースも少なくありません。

結果として、内装リフォームだけの想定だったにもかかわらず、ほぼスケルトン状態まで解体するケースもあります。

とくに今まで全くメンテナンスされていない状態であれば、新築を購入するよりも多額の費用がかかってしまう可能性が高いでしょう。

このように、再建築不可物件をフルリフォームする場合は、新築購入と同程度の費用がかかるケースが多いため、リフォームすべきかどうかは慎重に判断しましょう。

また、高額なリフォーム費用をかけても、資産価値や流動性が比例して上がるとは限らない点にも注意が必要です。

リフォーム工事を断られてしまう場合もある

再建築不可物件は、接道義務を満たしていないことからもわかるように、立地や周辺環境に制約が多いケースが多いものです。

そのため、工事内容以前に施工条件そのものがネックになり、リフォーム会社に工事を依頼しても、断られてしまうことがあります。

たとえば、リフォームに必要な重機を搬入できるスペースがなかったり、足場の確保が難しかったりすると、施工を引き受けてもらえない可能性が高いです。

実際の現場では、「資材をすべて人力搬入する」「解体ガラを手運び搬出する」といったケースもあり、人件費や工期の観点でコストもかさみやすくなります。

また、再建築不可物件ではどこまでが確認申請不要工事なのかの判断が難しいケースも多くあります。

そのため、施工会社側が法的リスクを避けるために、受注を見送るケースも珍しくないのです。

リフォームを検討する際には、内容だけでなく、現場の環境が工事に適しているかどうかも含めて事前にリフォーム会社に確認しておきましょう。

その際、価格だけでリフォーム会社を選ぶのではなく、再建築不可・築古・狭小地の施工実績があるかを重視することが重要です。

追加費用がかかることも多い

再建築不可物件は築年数40年を超える物件が多く、外から見ただけでは正確な見積もりを出すことが難しいです。

そのため、実際にリフォーム工事を始めて「壁を壊してみると、想定していた状態と違った」といった事態がよく起こります。

実務上よくあるのは、以下のようなケースです。

  • 壁内部の柱腐食
  • 床下のシロアリ被害
  • 雨漏りによる梁劣化
  • 基礎クラック
  • 配管破損
  • 違法増築の発覚
  • 想定外の構造変更履歴

特に古い物件では、過去に無確認で増改築されているケースもあり、図面と現況が一致しないことも珍しくありません。

また、築古住宅では図面自体が存在しないケースも多く、解体前に正確な構造把握ができないことがあります。

この場合、追加工事や変更工事が必要になるため、見積もりの金額から追加で費用を負担しなければなりません。

追加工事・変更工事の費用は、リフォーム工事でトラブルになることが多いです。

トラブルを避けるためにも、見積もりのときに追加工事の可能性や費用などを確認しておきましょう。

なお、注意したいのは、追加費用トラブルは悪質業者だから起こるとは限らない点です。

再建築不可物件では、そもそも事前調査だけで把握しきれないケースが多く、ある程度の追加費用リスクは構造的に避けにくい面があります。

そのため、特に築古再建築不可物件では、想定外が起こる前提で資金計画を組むことが非常に重要です。

再建築不可物件をリフォームする場合にローンは利用できる?

再建築不可物件のリフォームでは、数百万円規模の部分修繕で済むケースもあれば、耐震補強や構造補修まで含めて1,000万〜2,000万円近い費用がかかるケースもあります。

特に築40〜60年以上の木造住宅では、耐震補強や配管更新、基礎補修や外壁・屋根改修などの工事も同時発生しやすく、費用が高額になる傾向があるでしょう。

1,000万〜2,000万円以上もの金額を現金一括払いするのは難しいため、実務上も「ローンを利用できるか」は、再建築不可物件の活用可否を左右する大きなポイントになります。

結論、再建築不可物件をリフォームする場合でも、建物を担保にしない「リフォームローン」であれば融資を受けられる可能性があります。

これは、物件担保よりも申込者の返済能力を重視する商品が多いため、再建築不可であることが審査に直接影響しにくいためです。

もっとも、築年数や建物状態、工事内容によっては審査へ影響するケースもあります

リフォームローンの融資条件や上限金額は金融機関によって異なりますが、数百万円規模の融資に対応しているところも多く、担保や保証人を求められない商品もあります。ただし、利用者の収入や返済能力については必ず審査がおこなわれます。

ただし、無担保のリフォームローンは住宅ローンと比較して、「借入上限額が低い」「金利が高い」「返済期間が短い」といった特徴があります。

金融機関によって異なりますが、借入上限額は500万〜1,000万円程度、返済期間は最長10〜15年程度に設定されているケースが一般的です。

そのため、1,000万円を超えるようなフルリフォームを検討している場合、ローンを利用できたとしても毎月の返済負担が大きくなり、希望額どおりの融資を受けられないことがあります。

実務上も、返済比率などの審査基準を満たせず、減額承認や審査否決となるケースは少なくありません。

再建築不可物件では「ローンを利用できるか」だけでなく、「必要な工事費用をまかなえる金額を借りられるか」という視点で資金計画を立てることが重要です。

「すでに住まいとして使っている再建築不可物件をリフォームしたい」という場合は、通常のリフォームと同じようにリフォームローンを申請すれば問題ありません。

一方で「これから中古一戸建ての再建築不可物件を購入して、同時にリフォームしたい」と考えている場合は注意が必要です。

物件の購入費用とリフォーム費用をまとめて借りる住宅ローン一体型は、再建築不可物件だと担保評価が低くなり、融資が難しくなるケースが多いためです。

購入時にリフォーム一体型の住宅ローンは難しい

中古一戸建てを購入する際、物件の購入価格とリフォーム費用をまとめて借りられる「リフォーム一体型の住宅ローン」を利用する人も多いです。

ただし、再建築不可物件の場合は住宅ローンを利用するのが非常に難しく、一般的な住宅ローンでは審査が厳しくなる傾向があります。特にメガバンクでは取り扱い対象外となるケースも少なくありません。

最大の理由は、金融機関が重視する担保評価にあります。

住宅ローンは、基本的に融資対象不動産へ抵当権を設定し、万が一返済不能になった場合に担保処分できることを前提に組まれています。

ところが、再建築不可物件は以下の理由から流動性が低く、担保評価が伸びにくい傾向があるのです。

  • 建て替え不可
  • 買主層が限定される
  • 融資利用者が少ない
  • 売却期間が長期化しやすい
  • 接道問題を抱えている
  • 狭小地・密集地が多い

その結果、金融機関によっては建物評価が付かず、土地部分のみで担保評価されるケースがあり、リフォーム一体型の住宅ローンを利用することは難しくなります。

そのため、リフォーム一体型の住宅ローンを利用することは難しくなります。

実際の売却現場でも、「物件価格自体は安かったが、融資承認が下りず購入を断念した」というケースは珍しくありません。

もっとも、再建築不可物件でも一律に融資不可というわけではありません。

都市部で土地評価が高い、自己資金割合が多い、収益物件として成立しているといった条件が揃う場合には、融資が承認されるケースも一定数存在します。

また、再建築不可物件とは他に不動産を持っていれば、それを共同担保に入れることで住宅ローンを借りられる可能性もあります。

なお、一部の地方銀行・信用金庫・ノンバンクでは、立地条件や収益性、申込者属性を踏まえて個別審査に対応しているケースもあります。

通常の住宅ローンより金利が高く、条件も厳しく設定されるケースが多いです。

もし住宅ローンを利用しようと考えている場合は、諦める前に金融機関へ相談してみてください。

まとめ

再建築不可物件でもリフォームは可能ですが、建築確認申請が必要となる工事には制限が生じやすいため、通常の物件と同じ感覚で全面改修できるとは限りません。

特に、以下のような工事は建築確認申請が必要になる代表例です。

  • 10㎡以上の増改築・移転をおこなうケース(防火・準防火地域外の場合)
  • 主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段など)の2分の1を超える修繕や模様替えをおこなうケース

一方、上記を超えない範囲内であれば建築確認申請が不要となり、再建築不可物件でもリフォームが可能な場合があります。

ただし、実務上は「当初は小規模工事の予定だったものの、解体後に構造劣化が見つかり、結果的に大規模修繕扱いになる」というケースも少なくありません。

特に築40〜50年以上の木造住宅では、シロアリ被害や雨漏りによる腐食、旧耐震基準による耐震不足などが後から発覚することがあります。

そのため、再建築不可物件では、単純にリフォームできるかだけでなく、「どこまで工事すると確認申請が必要になるか」を事前に確認しておくことが重要です。

また、再建築不可物件は、

  • 接道条件
  • 道路種別
  • 防火・準防火地域
  • 建物構造
  • 違法増築の有無
  • 自治体運用

などによって、工事可否や難易度が大きく変わります。

実際のリフォーム現場でも、建築士・施工会社・確認検査機関で見解が分かれるケースは珍しくありません。

そのため、工事を検討する際は、再建築不可物件の実務に詳しい建築士や施工会社へ早い段階で相談することが重要です。

なお、建物の老朽化が著しく、修繕費用や法的制約とのバランスが合わない場合は、無理にリフォームを進めるのではなく、売却や土地活用を含めて検討したほうがよいケースもあります。

再建築不可物件のリフォームに関するよくある質問

再建築不可物件でも耐震工事は可能ですか?

再建築不可物件でも、建築確認申請が不要な範囲内であれば耐震工事を施すことが可能です。再建築不可物件は築年数が40年以上の古い物件が大半を占めており、安全面の観点からも耐震工事は施しておいた方が良いといえます。

リフォーム後に売却することはできますか?

再建築不可物件でも売却は可能ですが、需要が限られるため難航する可能性があります。とくに一般の購入希望者にとっては、再建築ができないという点が大きなハードルになるため、買い手が付きにくい傾向があります。

そのため、無理にリフォームを行って売却するよりも、そのままの状態で訳あり不動産の専門業者に売却することをおすすめします。訳あり不動産の専門業者は再建築不可物件の取り扱いにも慣れているため、スピーディーかつ高額買取が期待できます。

再建築不可物件のリフォームに補助金や助成金は使えますか?

工事内容によっては、自治体や国の補助金・助成金を利用できる場合があります。申請条件や期限などはどの補助金を利用するのかによって異なるため、リフォーム会社と相談しながら申請をするのがおすすめです。

再建築不可物件をリフォームすると資産価値は上がりますか?

リフォームによって居住性や見た目が向上すれば一定の価値は高まりますが、再建築不可物件であることに変わりはないため、通常の物件ほど資産価値は伸びません。

快適に住むための改善や、売却時に買主を見つけやすくする効果が期待できる程度と考えるのが現実的です。

再建築不可物件をリフォームして賃貸に出すことはできますか?

再建築不可物件でも、リフォームして借主が見つかれば賃貸として貸し出すことは可能です。

ただし、老朽化が進んで安全性に問題がある場合には、耐震性や設備の改修を含めてリフォームする必要があります。万が一、災害などで建物が倒壊して被害者が出れば莫大な損害賠償を負うことになるため、事前の整備が必須です。

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    更新日 : 2025年11月07日
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