袋地や囲繞地は通常の土地と何が違う?まずは特殊な土地であることを把握しておこう
そもそもですが、袋地や囲繞地は下記の通り、通常の土地とは異なる特徴があります。
| 土地の種類 |
特徴 |
売却時の難しさ |
| 袋地 |
・他の土地に囲まれており、直接公道に接していない
・他人の土地を通らなければ公道に出られない
・接道義務を満たせないため再建築不可物件 |
売却が難しく、価格が低くなりがち。 |
| 囲繞地 |
・袋地を取り囲む土地
・公道に接していれば再建築が可能
・袋地所有者の通行権の負担が生じる |
・袋地よりも比較的売却はしやすいが、通行権が発生するため通常の土地よりも売却しづらい傾向 |
上記の通り袋地や囲繞地は、特殊性から通常の土地よりも売却が難しく、売却金額も安くなる傾向があります。
袋地や囲繞地の売却を検討している場合、自身が所有する土地の特徴をまず把握しておくとよいでしょう。
袋地は囲繞地に周囲を囲まれて公道に接していない土地のこと
袋地とは、他人の土地(囲繞地)に四方を囲まれており、公道に接していない土地を指します。なお、他人の土地ではなく、河川・水路・海などに四方を遮られている土地は準袋地と呼ばれます。
建築基準法第43条では、建築物の敷地は道路に2m以上接しなければならないという「接道義務」を定めています。この道路とは原則として幅員4m以上のもの(建築基準法第42条)を指し、接道義務を満たさない土地は建築確認が下りないため、結果として「再建築不可物件」となります。
第四十三条
建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
引用元 建築基準法 | e-Gov 法令検索
四方を囲繞地に囲まれている袋地は、公道に直接接することはありません。つまり、再建築不可物件にあたるため、更地に新しく家屋を立てたり、古い家屋を壊して再建築したりすることはできません。
さらに、建物の主要構造部の過半に及ぶような大規模な修繕・模様替えには建築確認が必要となり、接道義務を満たさない袋地では確認が下りないため、こうした工事は原則行えません。
特に2025年4月施行の建築基準法改正で、木造2階建てなどでも大規模な修繕・模様替えに建築確認が必要となったため、袋地で実施できる工事の範囲はさらに限られるようになりました。
行えるのは、防火・準防火地域以外で建築確認が不要となる10㎡以内の増築や、建築確認を要しない範囲の内装リフォームなど、小規模な工事が中心です。どこまでの工事が可能かは個別の判断になるため、改正後の制度に詳しい建築士などに確認することをおすすめします。
このように、袋地は周囲を他人の土地に囲まれているだけでなく、新しい建物の建築が認められないという点で特殊といえます。なお、もともと袋地であっても、周囲の囲繞地が道路になるなどして接道義務を満たした場合は、再建築が認められます。
袋地の所有者には公道に出るための権利が認められている
袋地の所有者が公道に出るには、囲繞地を通る必要があります。いくら仕方ないとはいえ「勝手に他人の所有地を通ってもよいのか」と、疑問に思う人もいるでしょう。
しかし法律上、袋地の所有者には、公道に出るための最低限の権利として「囲繞地通行権」が当然に認められています。契約などの手続きをしなくても、袋地を所有していれば自動的に発生する権利です。
また、これとは別に、袋地と囲繞地の所有者同士の合意(契約)によって、通行範囲などを自由に設定できる「通行地役権」という権利もあります。袋地から公道に出る根拠としては、主にこの2つが挙げられます。
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袋地所有者の権利
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概要
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囲繞地通行権
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袋地を所有する人に法律上当然に認められる権利。通行の場所や方法は、袋地のために必要で、かつ囲繞地にとって損害が最も少ない範囲で定められる(民法211条)。
権利を行使する場合、原則として償金(通行料)を支払う必要がある。
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通行地役権
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自分が所有する土地の利便性を高めるため、他の土地を利用できる権利のこと。袋地と囲繞地の所有者両名の同意があれば、通行範囲を自由に決められる。
土地の相続や売却によって囲繞地の所有者が変わっても、通行地役権は継続して効果を持つ。
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通常の土地であれば行動に出るために他人の土地を通行する必要はありません。通行のための権利が認められている点も、袋地の特殊性といえます。
囲繞地は袋地を囲む土地のこと
囲繞地とは、袋地の周りを囲む土地のことです。袋地と異なるのは、囲繞地は道路に接しているため接道義務を満たせる点にあります。
そのため、接道義務を満たしているのであれば、建物の建て替えや増築などを行えます。
ただし、袋地の所有者は囲繞地を通らなければ公道に出られません。自身が所有する土地を袋地の所有者が通行することになるため、この点は通常の土地と異なる特殊性といえるでしょう。
袋地や囲繞地が通常の土地よりも売却が難しい理由
袋地や囲繞地は土地の特殊性から、通常の土地よりも売却が難しいです。具体的には、下記の理由が挙げられます。
- 再建築不可物件に該当するため建物を建てられない
- 日当たりや風通しがよくない
- 住宅ローンが組みづらく現金一括での購入を強いられることがある
- 災害などの非常時に対応が遅くなりやすい
- 他人の敷地の出入りが必要になる
- 袋地の場合は囲繞地の所有者に通行料の支払いを求められる可能性がある(※土地の分割によって袋地になった場合を除く)
- 空き巣などの被害に遭いやすい
- 給排水管を補修・修繕する際には隣地所有者の許可が必要になる
- 建物がある場合はリフォームや解体費用が高額になりやすい
ここからは、袋地や囲繞地が通常の土地よりも売却が難しい理由をそれぞれ解説していきます。
再建築不可物件に該当するため建物を建てられない
前述の通り、袋地は道路に接していないことから接道義務を満たせず、再建築不可物件としてみなされます。再建築不可物件は通常の物件よりも制限されることが多いため、買主から購入を敬遠されやすいです。
たとえば、マイホームの購入を検討している人にとって、長期間住めることが前提条件となります。袋地に建つ物件は老朽化が進んでも大規模修繕が制限されるため、長期間の居住を考えている人からは購入を敬遠されがちです。
また、袋地が更地の場合、建物を新たに建てることはできないため、住居の購入を検討している人から購入されることはありません。袋地に限らず、再建築不可物件は基本的には需要が低いのが実情です。実際に、袋地ではないものの再建築不可物件であるため売却先が見つからず、イエコンに買取相談に来るケースも多く見受けられます。
日当たりや風通しがよくない
袋地は四方を囲まれているため、囲繞地すべてに建物があると、日当たりも風通しも悪くなります。
日当たりや風通しの悪い土地は人気が低く、買主もほとんどつきません。また、工事に必要な機材や車両の搬入が難しく、工事費が割高となるケースもあります。
法令上の制限だけではなく、住宅としての実用性の低さも袋地が売却しにくい理由の1つです。
住宅ローンが組みづらく現金一括での購入を強いられることがある
不動産を購入する場合、基本的には住宅ローンを利用します。しかし、袋地の場合は住宅ローンの審査に通りにくいです。
住宅ローンを利用する場合、購入する不動産を担保に入れるのが一般的です。担保は利用者からの返済が万が一滞った場合に損害を補うためのものであるため、融資額ほどの価値がある不動産でなければ担保に設定できません。
袋地は通常の土地よりも制限が多く、住宅としての実用性が低いことから、資産価値が低くなる傾向があり、住宅ローンの担保として認められないケースがあるのです。
住宅ローンが利用できなければ、買主は現金一括での購入を強いられます。現金で不動産を購入できる人は少ないため、買主が袋地の購入を断念してしまうケースも考えられます。
買取業者は通常ローンを利用せずに自己資金などで購入します。ただし、その後の転売時に買主が住宅ローンを利用できない物件は需要が限られるため、売却先が見つかりにくくなります。こうしたリスクを考慮し、袋地などローンが通りにくい土地は査定額が低めに設定される傾向があります。
災害などの非常時に対応が遅くなりやすい
袋地は道路と接していないため、緊急車両の出入りができません。そのため、災害などの非常時があった時の対応が遅れやすくなるのも袋地が売れづらい理由の1つです。
たとえば、急病人が出たとしても救急車が袋地に入れず、処置が遅れてしまう可能性があります。また、火災が起きた場合も消防車が入れないため、消火活動や救助が遅れてしまうリスクがあるのです。
このようなアクセスの制約は、住宅購入者にとって大きな不安材料です。特に、家族を守るために安全な立地を重視する人々にとって、非常時に対応が遅れるリスクは購入の大きな障害となるでしょう。
他人の敷地の出入りが必要になる
先に説明した通り、袋地の所有者には囲繞地通行権が認められています。
囲繞地通行権は拒否できないため、囲繞地の所有者からすると「袋地所有者の通行を強制的に認めさせられる」のと同じです。
法律とはいえ、敷地内を通行されることを快く思わない人も多くいます。実際に、防犯の観点から「隣人であっても敷地内を通行されたくない」と考える人は多いため、囲繞地の需要は少なくなります。
袋地の場合は囲繞地の所有者に通行料の支払いを求められる可能性がある
前述したように、袋地の所有者には囲繞地通行権があるため、公道に出る際には囲繞地の通行が可能です。
単純に「出入りのたびに他人の所有地を通行するのに抵抗がある」と感じられてしまうことも袋地が売れづらい理由にもなりますが、土地の分割や一部譲渡によって生じた袋地を除き、原則として通行料の支払いが必要になることも買い手がつきづらい原因の1つです。
第二百十二条 第二百十条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。
引用元 e-Gov「民法」
通常の土地では通行料の支払いがないため、袋地の売却においては年間コストがかさむ点が買主にとって大きなデメリットとなります。特に、袋地の買主は「通行料が将来的に増加する可能性」を懸念することが多いため、長期的な維持費用としてコストが積み重なるリスクを嫌う傾向にあります。
実際に、囲繞地所有者が通行料を引き上げたり、通行の際に追加的な条件を課されたりしてトラブルになり、買取依頼されるケースも少なくないのです。
空き巣などの被害に遭いやすい
袋地は囲繞地に囲まれているため、通常の土地よりも死角が発生しやすいです。
特に住宅に囲まれた袋地は、背の高い木や塀などの物理的な障壁によって外部からの視線を遮られてしまい、防犯カメラや照明が届きにくくなります。そのため、空き巣のターゲットになりやすい傾向です。
こうした点も、袋地が一般的な土地より売れづらくなる理由の一つです。安全性の確保や防犯対策が必要となるため、購入後に追加の費用や手間がかかることが懸念され、買い手が敬遠する要因となります。その結果、袋地の売却が難しくなることが多いです。
給排水管を補修・修繕する際には隣地所有者の許可が必要になる場合がある
袋地に建物が建っている場合、給排水管は隣地に埋設されている可能性があります。
2023年4月施行の改正民法により、他人の土地に設置された給排水管等の使用・修繕に関する権利が明文化され、事前に隣地所有者へ通知すれば、一定の要件下で工事が可能となりました。
ただし、ここには法律と実務のギャップがあります。民法上は通知だけで工事ができるようになったものの、工事を管轄する自治体や水道局の多くは、依然として隣地所有者の承諾書の提出を求めてくるのが実情です。
つまり、「法的な権利があること」と「実際に工事を進められること」は別問題であり、行政の手続き段階でストップがかかってしまうケースが少なくありません。結局のところ、現場を動かすためには隣地所有者との丁寧な対話と、書面による合意の取りつけが必要となります。
また、大掛かりな工事になれば、騒音や振動によって隣地所有者に精神的なストレスを与えてしまう可能性もあります。これによって隣人トラブルに発展してしまうリスクもあることから、袋地は通常の土地よりも売れづらいのです。
建物がある場合はリフォームや解体費用が高額になりやすい
通常の土地であれば、リフォームや解体の際には重機やトラックなどが用いられます。土地の広さなど条件によって前後しますが、相場はおおむね下記が目安となります。
| 建築物の種類 |
1坪当たりの解体費用相場 |
| 木造住宅 |
3~4万円 |
| 軽量鉄骨造 |
3.8万円前後 |
| 鉄骨造 |
4~5万円 |
| 鉄筋コンクリート |
5~7万円 |
しかし、袋地の場合、重機やトラックが入れないため、資材の搬入などに手間がかかりやすいです。そのため、工事にかかる時間や費用は上記の相場よりも高くなる傾向にあります。
実際に、イエコンに寄せられる相談でも、袋地やその周辺の土地は買取後のリフォームや解体費用が高額になりやすいという声が多く聞かれます。
不動産を購入する人のなかには、購入後にリフォームや解体を検討している人もいることでしょう。そのような人からすれば、費用や時間がかかりやすい袋地は売れづらいといえます。
袋地や囲繞地の売却価格はどうなる?
前述したように、袋地や囲繞地は特殊な土地であり再活用がしにくいため、一般的な土地に比べると売却価格が安い傾向があります。ただし、査定結果は不動産会社によって異なります。
ここでは、袋地や囲繞地の売却価格について次の観点から解説します。
- 売却相場は接道義務を果たす土地の7割程度になる
- 不動産会社が見る査定のポイント
それぞれの内容をみていきましょう。
売却相場は接道義務を果たす土地の7割程度になる
前述したように、袋地は下記の理由により、一般の買主からの需要が低くなります。
- 再建築不可物件に該当するため、新たに建物を建てることができない
- 日当たりや風通しが悪く、居住性が低い
- 住宅ローンが組みづらく、現金一括での購入を強いられることがある
- 災害や非常時の対応が遅れやすい
- 他人の敷地を通行しなければならず、出入りに制約がある
- 袋地の場合、囲繞地の所有者に通行料の支払いを求められる可能性がある
- セキュリティ面で、空き巣などの被害に遭いやすい
- 給排水管の修繕や補修を行う際には隣地所有者の許可が必要
- 建物がある場合、リフォームや解体費用が高額になることがある
このような理由から、袋地は通常の土地に比べて購入希望者が見つかりにくいため、売却価格を下げて販売するのが基本です。あくまでも目安ですが、袋地の売却価格は接道義務を満たした土地の相場の約7割程度に落ち着くケースが多いでしょう。
買取業者にとっても、袋地にはさまざまな制約があるため、リスクを見越して買取価格は低くなる傾向にあります。
なお、袋地の評価額の算定は、不整形地補正による計算や土地の形状やアクセス条件などを踏まえて調整を加える必要があるなど非常に複雑です。このため、自己判断での価格設定は難しく、専門家に査定を依頼する方が確実といえます。
不動産会社が見る査定のポイント
一般的に、売却を依頼したときに不動産会社は次のようなポイントを押さえて査定します。
| 再建築の可否 |
新築・立て直しができるか |
| 接道状況・通路確保 |
公道にスムーズに出られるか |
| インフラ状況 |
他人の土地経由でなければ上下水道・ガス・電気を使用できないか |
| 隣地所有者との関係性 |
四方を囲む土地の所有者との関係は良好か |
| 建物の解体費用 |
既存の建物の解体費用はどれくらいか |
| 周辺環境 |
騒音・振動・悪臭などがないか |
| 立地 |
公共機関や病院・学校が近いか |
袋地の場合、再建築と接道状況・通路の確保については、良い評価は見込めません。また、公道へスムーズに出られない場合は、解体に必要な機器の運び入れが難しいため、解体費用も高額化する恐れがあります。
つまり、上記7つの査定ポイントのうち、再建築の可否・接道状況・解体費用の3つで低評価を受けやすく、結果として査定額も安くなりやすいのです。
一方で、周辺環境や立地が抜群にいい場合は、査定にプラスに働くケースもあります。活用しにくいとされる袋地であっても、市場相場と大差ない価格で売れる可能性もあるというわけです。
なお、具体的な査定ポイントは不動産会社によって異なるため、詳しい売却相場を知りたい場合は実際に査定を依頼してみるのもおすすめです。
袋地や囲繞地の売却は仲介と買取から状況に応じて選ぶ
買い手が付きにくい袋地や囲繞地は、仲介で買い手を探す方法と、不動産会社に直接買い取ってもらう方法のどちらで売却するかを、状況に応じて選ぶことになります。
仲介は時間をかけて買い手を探す分、買取より高く売れる可能性がありますが、袋地や囲繞地は需要が限られるため、買い手が見つかるまで時間がかかったり、売れ残ったりすることもあります。
一方、訳あり物件の取扱実績がある不動産会社による買取であれば、買い手を探す必要がない分、早期に手放せます。
こうした会社は活用ノウハウを持っており、隣地の所有者から土地を買い取ったり、旗竿地や位置指定道路にしたりして、袋地を再建築可能な物件にして再販するといった手法を用いるため、一般の不動産会社では持て余すような土地でも買い取りに応じてもらえる可能性があります。
ただし、買取価格は再販にかかるコストやリスクを見込む分、仲介で売れた場合より低くなる傾向があります。
まずは仲介で買い手を探し、難しければ買取を検討するという進め方も含め、価格を優先するか・早さや確実性を優先するかを踏まえて選ぶとよいでしょう。
袋地や囲繞地を仲介・買取以外で売却するための手段
袋地や囲繞地は、仲介・買取以外の方法でも売却できる可能性があります。
ここでご紹介するのは、大きく分けて下記の2つの手段です。
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売却のための手段
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注意点
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隣地の所有者に売却・買取の交渉をする
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隣地所有者との関係性が良好でなければ相談自体が難しい。また、隣地所有者が必ず了承してくれるとは限らない。
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接道義務を満たして袋地を再建築可能にする
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隣地を借りたり、等価交換したりすることで接道義務を満たすことは可能。しかし、費用や手間がかかるため、すべての場合におすすめできるとはいえない。
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ただし、いずれも隣地所有者との交渉や手続きの手間が伴い、物件の状況や近隣との関係によっては実行のハードルが高い場合もあります。あくまで「条件が整えば有効な選択肢」と捉え、自分のケースで現実的かどうかを見極めることが大切です。
ここからは、それぞれの方法について解説していきます。
隣地の所有者に売却・買取の交渉をする
一般で購入希望者を探すのではなく、まず隣地の所有者に相談してみる方法もあります。具体的には、下記の2つの選択肢があります。
- 隣人に袋地を買い取ってもらう
- 自身で隣の囲繞地を買い取る
いずれにしろ、袋地と囲繞地を合体させることで土地面積が広がります。さらに、囲繞地が公道に接していれば、1つの土地に合体させることで袋地状態が解消されるため、土地活用がしやすくなります。つまり、一般の中から購入希望者があらわれる確率が高くなるというわけです。
自身・隣人のどちらが土地を買い取っても、互いに利益のある売買取引となるでしょう。しかし、必ずしも隣地所有者が土地の売買に興味を示すとは限りません。特に近隣関係が悪化する可能性があり、強引な取引の提案が逆に売却を難しくしてしまうリスクもあります。
隣地との売買交渉に不安がある場合は、不動産会社に仲介を依頼して間に立ってもらう方法もあります。価格や境界をめぐって法的なトラブルに発展しそうな場合は、弁護士に相談するとよいでしょう。
実務上も、隣地との土地のやり取りは当事者だけで進めると感情的にこじれやすいため、第三者を介すると話がまとまりやすくなる傾向があります。
隣地の一部を買い取って(または承諾を得て)位置指定道路にする
袋地を位置指定道路にすることで、袋地そのままの状態よりも買い手がつきやすくなる可能性があります。位置指定道路とは、特定行政庁から「土地のこの部分が道路である」という指定を受けた幅員4m以上の私道のことです。
建築基準法第42条1項5号道路において、位置指定道路は以下のように定められています。
土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
引用元 建築基準法 | e-Gov 法令検索
建築基準法上の道路に該当しない私道にのみ接している土地は、接道義務を満たせません。したがって、建築基準法上の道路と認められない私道にしか面していない袋地は再建築不可物件ということになります。
しかし、この私道を行政から位置指定道路として認めてもらうと、その私道にしか接していない土地でも建物の建築が認められます。
つまり、新築の家を建てたり、古い建物を壊して立て直したりといった通常の土地と同様に活用できるため、購入希望者が現れる可能性があるのです。
袋地だけで幅員4mを確保するのが難しければ、隣地の土地の所有者から承諾を得て申請するのも選択肢の1つです。とはいえ、この方法も隣地所有者との交渉が必須なほか、位置指定道路の申請自体も煩雑です。
非常に高い難易度の方法であり、現実的には難しい方法であるため、スムーズに売却したい場合には専門の買取業者に依頼する方が圧倒的に効率的です。
隣地の一部を分筆・買取して旗竿地にする
旗竿地とは、見た目が旗竿に似ている土地です。具体的には、道路に接する細長い土地の先に、広くなった敷地がある土地を指します。
幅員4m以上の道路に竿部分の入り口が2m以上接している場合は、接道義務を満たせるため、再建築が可能になります。つまり、一般的な土地と同じように活用できるため、売却できる可能性が高まるのです。
この方法では隣地の入り口部分を買い取ることになるため、所有者との交渉が必要となります。しかし、土地の一部を切り売りすることになるため、自身の土地の使い勝手が悪くなることを懸念して売却に難色を示す隣地の所有者が多いのが実情です。
また、旗竿地自体も通常の不動産に比べれば需要は低いため、交渉が成立しても売却できる保証はありません。
袋地や囲繞地を高値で売却するためのコツ
袋地や囲繞地を売却するのであれば、なるべく高値で売りたいと考えることでしょう。袋地や囲繞地を高値で売却したい場合、下記のコツを実践してみてください。
- 複数の不動産会社に査定をしてもらう
- 袋地や囲繞地の取扱実績が豊富な不動産会社に依頼する
ここからは、袋地や囲繞地を高値で売却するためのコツをそれぞれ解説していきます。
複数の不動産会社に査定をしてもらう
袋地や囲繞地を売却する場合、仲介・買取のいずれであっても、まず査定を受けるのが第一歩です。
不動産業界における査定とは、土地や建物がいくらで売れそうかの目安を調べることです。査定額は会社ごとに評価のポイントや得意分野が異なるため、金額にばらつきが出ることは珍しくありません。
そのため、1社だけの査定では、相場を知らないまま話を進めてしまい、結果的に「本来の価値」を見逃してしまうことがあります。
複数の不動産会社に査定を依頼すれば、相場感を把握できるうえに、各社の査定額や提案を比較できます。その際、「仲介ならいくらで売り出せそうか」「買取ならいくらで買い取ってもらえるか」の両方を聞いておくと、価格と売却までのスピードを天秤にかけて判断しやすくなります。
仲介と買取では価格も売却までの期間も変わってくるため、複数社・複数の方法で査定を取って比較することが、納得のいく売却につながります。
袋地や囲繞地の取扱実績が豊富な不動産会社に依頼する
不動産会社には、それぞれ得意とする物件の種類があります。袋地や囲繞地のような特殊な土地は、扱いに慣れた会社かどうかで、売却のしやすさや提示される価格が変わってきます。
仲介の場合は、こうした土地の魅力や活用法を理解し、買い手に適切に説明できる会社ほど、買い手を見つけやすくなります。買取の場合も、袋地や囲繞地の活用ノウハウがある会社ほど、再販の見通しを立てやすく、買い取りに応じてもらいやすくなります。いずれにせよ、特殊な土地の取扱実績は重要な判断材料です。
その会社がどんな物件を得意としているかは、公式サイトに掲載された売却・買取の実績から判断できます。袋地や囲繞地に関する実績が豊富であれば、それだけノウハウを蓄積していると考えられます。
依頼先を選ぶ際は、複数の不動産会社の実績を見比べたうえで、仲介・買取の両面で相談できる会社を選ぶとよいでしょう。
まとめ
袋地や囲繞地の売却を検討している場合は、まず仲介・買取の両方で査定を取り、価格を優先するか・早さや確実性を優先するかを踏まえて選ぶとよいでしょう。
あわせて「再建築可能にして売却する」「隣地所有者に買い取ってもらう」といった方法も、条件が整えば選択肢になります。
なお、袋地や囲繞地を売却せずに活用する方法もあります。「希望金額よりも査定額が安かった」「そもそも売却できなかった」といった場合、袋地や囲繞地を売却せずに活用することも視野に入れてみてください。
囲繞地・袋地のよくある質問
袋地や囲繞地の売却相場はどれくらいですか?
実際の金額は土地の条件によってことなりますが、一般的には通常の土地の3割程度と言われています。
どうすれば囲繞地・袋地を高く売却できますか?
囲繞地・袋地を高値で売却するには「再建築不可物件専門の買取業者への売却する」ことを検討しましょう。場合によっては数日での現金化も可能です。
袋地から公道に出るには、どうすればよいですか?
囲繞地通行権を行使したり、通行地役権を設定することで袋地から公道へ出ることが可能です。
袋地を売却せずに有効活用する方法はありますか
袋地を売却せずに収益化したい場合には、次の2つのような方法があります。
- トランクルームとして活用
- オートバイの専用駐輪場として貸し出す
いずれも土地の形状に左右されずに運用できるため、袋地に向いているといえます。なお、自動車の駐車場としての運用は向いていません。袋地には通行地役権があるとはいえ、囲繞地から転用できる通路の幅はせいぜい2m程度であり、自動車がスムーズに通行するのは難しいためです。