夫婦の争いが拡大する新築離婚
「新築離婚」とはマイホームを新築で購入した直後(もしくは建築中)に、夫婦の仲が悪化して離婚に至ってしまうことをいいます。
夫婦にとってマイホームは憧れの存在ですが、いざ家づくりが始まると「夫と妻の家に対する価値観が合わずに意見が対立」したり「互いの収入が低く生活が厳しい状況に陥ってしまう」といったケースは珍しくありません。
また「結婚と同時に家を建てて同居生活をスタートしたけれど、今まで以上にお互いの悪い面が目についてしまい新婚生活が破綻してしまう」こともあります。
新築離婚の場合は、建てた家や住宅ローンをどう扱うか問題になり、夫と妻の仲がより悪化してしまうケースがあります。
離婚時の不動産売却方法
新築離婚で残った家をどうするのかと考えたとき「新築を売却する」手段が頭に浮かぶかもしれません。
離婚後に残る家を売却するときは「新築で売る場合は入居せず1年以内に売却」「住宅ローンの問題を解消して売却」という2つのポイントをおさえておくとよいでしょう。
このポイントを守るのと守らないのでは、売却価格に大きく差が出てしまいます。
新築物件は入居せず1年以内に売却する
新築の家は価値が高く、買主も多いため売却がしやすい物件といえます。
新築の家を元値近くで売却できれば、住宅ローン残債の一括返済ができるため、なるべく新築物件として売却したいところです。
ただし「新築物件」には以下のような条件があります。
- 建築工事が完了してから1年以内の物件
- 新築で入居履歴がないこと(自分含め)
建てた家を新築物件として売る場合は「一度も入居せず1年以内に売却する」条件を満たす必要があります。
新築した家に一回でも入居してしまうと、その時点で中古物件扱いとなってしまうので注意が必要です。
住宅ローン残債がある家の売却
住宅ローンを組んで新築を建てた場合、売却する前に住宅ローンを完済しなくてはなりません。
売却時には原則的に、金融機関が設定している抵当権をローンの完済によって抹消する必要があるからです。
新築離婚の場合では、住宅ローンの返済が始まっていないケースもあり得るので、夫婦でローンを解消するのが最優先となります。
※抵当権・・・住宅ローンの融資者(金融機関)が設定するもので、債務者の返済が滞ったときに家を強制的に回収し競売にかける権利のこと。
家の売却金額とローン残債を把握する
住宅ローン残債のある家を売却する際は「家を売却したときのお金で住宅ローンの残債を返済できるか」に注意しましょう。
売却金額が住宅ローンの残債を上回れば問題なく売却できます。
ただし、売却しても住宅ローン残債を完済できない場合はオーバーローンとなります。
オーバーローンの場合は、手元のお金を足しにするか、任意売却という方法でしか売却できません。
任意売却についてはこちらを読んでみてください。
住宅ローンの残債がない家の売却
住宅ローンを組まずに現金で家を購入した場合は、問題なく売却可能です。
また、家の売却額が住宅ローン残債を上回る場合はアンダーローンといい、アンダーローンの場合も問題なく売却できます。
家を売却したお金で住宅ローンを完済したうえで、お金が余るようであれば「財産分与」で離婚時に妻と夫がお金を分け合うことになります。
財産分与とは離婚時に財産を1/2に分ける制度
離婚時には「財産分与」がおこなわれることを覚えておきましょう。
財産分与とは、夫婦の婚姻期間中に取得した財産を離婚時に1/2ずつ分配する制度です。
財産分与には主に「現物をそのまま分ける方法」と「換金したお金を分ける方法」の2つがあります。
- 現物で分与する場合
きっちり分配できる資産であればそのまま分割、家などの分割できない財産は夫婦どちらかが所有権を取得し、同じ価値分となる財産を差額として現金で相手に払います。
- 換金処分して分与する場合
財産を売却して得たお金を夫婦が分け合います。
現物で分与する場合、家を取得した側は相手に取得した家と同価値分の差額を支払わなければならないので物件価値を明確にする必要があります。
一方、換金処分して分与する場合は単純で、売却して得たお金を半分ずつ分けるだけです。目に見える形で分けるため、離婚後の財産トラブルが起きにくい方法といえます。
個人取得の家は財産分与できない
財産分与の対象となるものは、原則として「夫婦で築き上げた財産」だけです。婚姻前に個々が所有していた単独名義の家は財産分与の対象にはなりません。
例:交際していた頃、すでに夫が単独名義で家を持っていた
→婚姻前の財産とみなされるので、財産分与は不可
例:単独名義で親から相続した家
→夫婦で築き上げた財産ではないので、財産分与は不可
ただし、単独名義の財産が財産分与の対象となるケースもあります。
例:婚姻後に夫が働いて購入した単独名義の財産や貯蓄金
→夫が収入を得るための生活基盤において妻が関わっているため、夫婦で築き上げた財産とみなせます。そのため、財産分与の対象となることがあります。
財産分与の対象となるものは、以下2点に該当するものと覚えておくとよいです。
オーバーローンの家を売るには「任意売却」が必要
前の項目でも説明しましたが、オーバーローンの家を売却するには「任意売却」が必要です。
任意売却とは、オーバーローンのまま抵当権を解除してもらい家を売却する方法です。
通常、オーバーローンの状態では未完済のため抵当権を抹消できず、売却自体が不可とされます。
しかし、任意売却の場合は金融機関と相談し承諾を受けることで、オーバーローン状態であっても不動産の売却と抵当権の解除が認められます。
任意売却のメリット・デメリット
任意売却で売却する物件は、市場価格に近い金額で取引されます。
そのため、住宅ローンの返済に充てる資金を十分に用意できることがメリットです。
金融機関としても「家を差し押さえて競売物件にするより、任意売却してもらうほうがローンの回収率がよい」という事情があります。
一方で、融資者と任意売却の交渉をしている間は、住宅ローンの返済を止めることになるので「個人信用情報に住宅ローン返済の遅延・延滞記録が登録される」といったデメリットがあります。
個人信用情報に登録されると、数年間は新たにローンを借り入れられません。
任意売却を利用することで、オーバーローンの家を売却できますがデメリットもあるため、任意売却はよく考えた上でおこなうべきです。
離婚時の不動産売却お悩みケース
夫婦の新築離婚において、残た家をどう扱うのか悩むことが多いでしょう。
家を売却して権利関係をクリーンな状態にするのか、売却せず妻か夫のどちらかが住み続けるのかなど、さまざまな選択肢があります。
考えられるケースを複数紹介し、どのようなことに注意すればよいのか解説していきます。
【ケース1】夫名義の家に妻が住み続けたい
「生活の環境を変えたくない」「子どもを転校させたくない」など思いがあり、住宅ローンが残っていたとしても妻が夫名義の家に住み続けるというケースがあります。
しかし、不動産が夫名義の場合、家が夫の手によって売却されるリスクがあります。家自体は夫名義のため妻の承諾なしに売却ができます。
また、法律で正当に認められた売却方法ですので妻側の主張は認められない恐れもあります。
一括返済請求と住宅差し押さえのリスク
住宅ローンはローンの契約者(名義人)がその家に居住していることが融資の条件になります。不動産の名義が夫であれば、住宅ローンの名義も夫になっていることが多いです。
もしも、名義人の夫が家から出ていった後にローンの滞納などが発覚した場合、「家を差し押さえられる」「夫にローンの一括返済が求められる」ことが予想されます。
このようなケースに至った場合、妻や子どもは突然住む家を無くす恐れがあります。
離婚後に妻が家に住み続けるためにはどうする?
では、離婚後の妻が家に住み続けることはできないのかというと、いくつか方法はあります。
まずは、以下の方法で住宅ローン問題の解決を図りましょう。
1.住宅ローンの名義を妻に変える
2.住宅ローンを妻が借り替える
上記の方法を達成するための共通ポイントは妻が夫相応の収入や支払能力があるか」です。夫名義で住宅ローンを組んだわけですから、借り換えや名義変更をする場合は当然、妻の支払能力が審査されます。
専業主婦やパートの場合は収入が低いので難しい手段となりますが、正規雇用で働いている妻の場合は可能となる方法かもしれません。
住宅ローンの問題を解決し名義を妻に変更できれば、そのまま妻の所有となるので家に住み続けられます。
【ケース2】家を妻名義に変更して妻が住み続けたい
離婚後に家の名義を夫から妻に変更することで、家を手放さなくて済むケースがあります。夫が勝手に家を売却することを防ぐ意味でも家の名義変更は重要でしょう。
住宅ローンが残っている場合は、妻が新たに住宅ローンを借り換える必要があります。
住宅ローンは夫に返済してもらい、妻は家の所有権のみ取得するといったことは原則認められません。妻に家の所有権のみを変更することは不可能ではないですが、融資者や金融機関はこの行為を正式には認めていません。
夫が住宅ローンの返済を延滞した場合など、離婚の事実がローン融資者に発覚すると、住宅ローンの一括返済が求められたり、家が差し押さえられるリスクがあります。
そのため、妻が家の名義人になるためには、住宅ローンを借り換えるだけの収入や支払能力が必要になります。
家の名義を妻に変更できるタイミング
夫の不動産名義を妻に変更できるタイミングは、夫が住宅ローンを完済した時です。
住宅ローンがなければすぐに名義変更できますが、住宅ローンの残債がある場合はローンを完済した後でなければ名義変更ができません。
そのため、夫から妻の名義に変える場合「夫が住宅ローンを支払い続けているのであれば妻は完済まで待つ」もしくは妻が実費で住宅ローンを完済する」方法しかないといえます。
どちらかといえば「夫が住宅ローンを完済することを待つ」というのが現実的ではあります。夫から養育費や慰謝料をもらっていたとしても、新築離婚でほぼ満額残っている住宅ローンを妻が実費で一括返済するのは困難だといえるからです。
夫が住宅ローンを完済するのを待つ場合、離婚後の不動産(家)名義の所在を確実なものとするため、離婚協議書など法的効力のある書類上でしっかりと取り決めておくことが大切です。
【ケース3】出ていく夫に養育費として住宅ローンを返済してもらいたい
子どもがいる状態での離婚では、家はそのまま残して、出ていく夫に養育費代わりとして住宅ローンを返済してもらうというケースがあります。
しかし、この手段は「リスクが高い手段」であることを認識しておく必要があります。
基本的に住宅ローンは対象となる家に入居している人が名義人になるのが原則です。夫婦間で合意したとしても金融機関等の融資者側はそれを認めていません。
夫が返済を怠ると妻に一括請求がされる
夫がローンの滞納や延滞をしてしまうと、妻に一括請求されます。
そして、妻が返済不可能である場合は、家が差し押さえられ裁判所から強制退去が命じられる恐れがあります。
そのため、離婚後のローン返済に関して離婚協議書・公正証書などでしっかりと約束を交わしておくことが大事です。
ただし、夫が行方をくらました場合「夫の給料から強制的にローン返済金を徴収する」といったことも不可能になるケースもあります。
離婚の事実が発覚し、住宅ローン融資の原則(入居者が名義人になる)を破っていることになるため、妻の主張が認められず一括請求される可能性が高いことを覚えておきましょう。
【ケース4】離婚後に自分の持分だけ売却したい
離婚後に家そのものを売却するのではなく、自分の持分だけ売却したいというケースも少なくありません。
不動産の持分割合は、一般的にその不動産を取得するときに負担したお金で割合が決まります。
なお、共有名義の不動産における割合なので単独名義の不動産には適用されません。
例えば、1000万円の家を購入するために「夫700万円」「妻300万円」でお金を出し合った場合「家の所有権は夫が7割、妻が3割」という割合になります。
この場合、妻が持つ3割の所有権は夫の許可や同意なく自由に売却できます。
しかし、持分のみを売却する場合は、価格が大幅に下がってしまうのが難点です。
持分のみを売却する際は財産分与に注意!
夫婦共有名義の家において、離婚時に夫か妻どちらかが自信の持分を売却することは可能です。
ただし「離婚後の財産分与がすでに完了しているか」という点に留意しなくてはいけません。
前の項目でも説明したとおり、夫婦で共有する家などは財産分与の対象となります。財産分与では夫婦や共有者の持分割合に関係なく、権利が1/2ずつに分けられます。
たとえ夫が7割の持分を持っていたとしても、財産分与によって最終的に夫婦で半分ずつにされます。
すでに財産分与が完了している場合であれば、元夫と元妻の間には扶助義務が存在しませんので、持分を勝手に売却しても問題ありません。
しかし、財産分与前に売却すると思わぬトラブルに発展するおそれがあります。
財産分与前の売却は権利侵害?
「離婚が決定し、財産分与がおこなわれる前に持分を売却してしまった」など、後々のトラブルになるケースもあります。
例えば、持分(夫7:妻3)の不動産を財産分与する前に、夫が自分の持分を売却してしまったとします。
登記上の持分が夫70%、妻30%だとしても、離婚時の財産分与では両者1/2ずつ(50%)の権利として分けられます。
そこで、夫が勝手に持分70%を売却してしまうと、妻に渡る持分が少なくなります。
妻からすれば、夫に権利を侵害されているため、夫に侵害分の賠償金を請求することも可能です。
また、持分売却後に購入者に対して妻が1/2の持分権利を主張しても、主張が認められない可能性が高いです。この場合、夫婦と第三者を交えたトラブルに発展してしまうおそれがあります。
【ケース5】ペアローンや連帯保証を解消したい
住宅ローンでは、夫と妻の二人で収入合算しローンを組むケースもあります。収入合算して組む住宅ローンには、ペアローンや連帯債務・連帯保証などがあります。
ペアローン・・・妻と夫がそれぞれ住宅ローンを組む方法。契約の数は2つになり妻と夫それぞれに返済義務がある。(妻と夫が互いに連帯保証人になる)
連帯債務・・・1つの住宅ローン契約において夫と妻(世帯単位で見る)が共に住宅ローンの契約をする方法で、両者それぞれに返済義務がある。
連帯保証・・・1つの住宅ローン契約において債務者(夫か妻のどちらか)が返済不能となったときに、連帯保証人となった夫か妻に住宅ローンの返済義務が発生する方法。(夫婦の収入合算で借り入れる商品もある)
これらの収入合算で組む住宅ローンは「2人の収入を合わせることで借入額を増やせる」ことが最大のメリットで、購入希望物件の条件を上げることも可能となります。
しかし、離婚時には夫婦の負担を大きくするデメリットに変わる恐れがあります。
離婚後も契約から外れることは原則不可
夫婦で収入を合算し、多額の住宅ローンを借り入れたケースは少なくありません。離婚してしまった場合、住宅ローン返済において両者が多大な負担を抱えることとなります。
そして、離婚したからといって住宅ローンの契約から外れることは原則的にできません。
金融機関によっては相談することで借り換えができる可能性があります。
しかし、収入が低い妻などは借り換えの審査自体に通らないことも考えられます。
そのため、夫か妻どちらかが住宅ローンの借り換えをおこなうか、家を売却して住宅ローンを完済するといった方法で問題を解消する必要があります。
新築離婚の家を売却する流れ
新築離婚において「住宅ローンがほぼ満額で残っている家をどうするのか」が最も夫婦間で議論されます。財産が残ることで思わぬ争いに発展してしまうことも少なくありません。
家を売却して後腐れなく関係を解消したい場合、あらかじめ夫婦間で新築離婚時に家を売却する流れを把握・共有しておくとよいでしょう。
※家を売却せずに住み続けたい場合はこちらをお読みください。
1.住宅ローンの名義と残債を把握
離婚後の夫婦が家を売却する主な目的として「住宅ローンを完済し白紙にする目的」と「離婚後の財産分与をわかりやすくする」の2つがあります。
まず、家を売却したお金で住宅ローンを完済できなければ売却自体ができません。
買取業者からしても住宅ローンの残債が残っていて、抵当権が付いている状態では物件を買い取ることはできません。
買取業者によっては住宅ローンが残っていても買い取り可能な場合がありますが、必ず「売却完了時までに残債を完済し抵当権を外す」ことを条件とするケースがほとんどです。
誰の名義で、住宅ローンがいくら残っているのかを把握することが離婚後の家を売却するはじめの一歩といえます。
2.不動産会社に物件を査定してもらう
住宅ローンの残債が確認できたら、実際に家がいくらで売れるのか査定をしてもらいましょう。査定をすると住宅ローンの残債を売却金で完済できるかが明白になります。
- 売却金で完済できない場合
オーバーローンといい、ローン残債が住宅売却金額よりも高い状態のことをいいます。この場合、足りない部分に自己資金を充当しない限り家の売却自体が困難です。
- 売却金で完済可能な場合
アンダーローンといい、ローン残債が住宅売却金額よりも低い状態のことをいいます。ローンを完済できるので家の売却が可能、残った売却金は夫婦の財産分与に充てられます。
査定の結果、オーバーローンになってしまう場合は「任意売却」を検討する必要があります。
オーバーローンでも売却したい人は「任意売却」
任意売却とは、オーバーローンの状態で家を売却する方法です。
通常、不動産の住宅ローンを完済し抵当権を抹消できなければ売却自体ができません。
しかし、任意売却の場合は金融機関と債務者が相談し承諾を受ければ、住宅ローン未完済のオーバーローン状態であっても不動産の売却が認められます。
また、任意売却で売却する物件は、一般の不動産と同じく市場価格に近い金額で取引されます。
なるべく高く売りたいときは一括査定を利用する
オーバーローンでもアンダーローンでも、家を売るときはなるべく高く売りたものです。
また、自分たちの悩みを真摯に聞いてくれたり、新築離婚という事情を汲み取ってくれる不動産会社を見つけるには、いくつかの不動産会社に相談するのが一番でしょう。
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家を売却した後はどうする?
新築離婚で家を売却したあともやるべきことは残っています。
- 売却金を住宅ローン返済に充てる
- 手元に残った売却金を財産分与
上記2つを終えることで、新築離婚にまつわる手続きを終えられます。
1.売却金を住宅ローン返済に充てる
家の売却金を住宅ローン返済に充てる場合は、住宅ローンを完済して抵当権を抹消しましょう。
前の項目でも説明しましたが、物件の引き渡しまでに抵当権を抹消できなければ売却ができません。
つまり、「売却金そのものを住宅ローン返済に充当するのではなく、先に手持ちの資金で住宅ローンを完済し、後に売却金を受け取る」というのが基本的な流れとなります。
「決済時に受け取る売却費用を、住宅ローンに充てて抵当権を抹消する」ことも可能ですが、住宅ローンの借り入れ先へ事前連絡しなければなりません。
また、引き渡しと同時に抵当権の抹消手続きをおこなうため、司法書士への報酬金も発生します。
ちなみに、住宅ローンを先に完済した場合の抵当権抹消手続きは自身で手続き可能なので余計な費用がかかりません。
繰り上げ返済を利用すれば利息をカットし完済できる
家を売却できることが確実であれば、住宅ローンを繰り上げ返済で完済するという手段もよいでしょう。
繰り上げ返済・・・あらかじめ決められた毎月の返済額とは別にローンの一部を返済する方法。
繰り上げ返済では、返済した金額すべてを元金に充てることができ、支払わなければならない利息をカットできます。
また、家を引き渡す前に、自分で抵当権を抹消できるので売却手続きもスムーズです。司法書士へ抵当権の抹消手続きを依頼する手間や報酬金なども一切かかりません。
2.手元に残った売却金を財産分与
新築離婚後、家の住宅ローンを完済し売却できたときに、売却金が余るケースがあります。円満離婚の場合「お互いに面倒事になりたくないから、余ったお金を分割して終わりにしたい」と考える夫婦は多いです。
この場合「財産分与」で売却金を分けることができます。財産分与の割合は、1/2なので夫と妻が平等に財産を分けられます。
ただし、住宅ローン返済の充当金や家の売却諸費用を差し引いたものを分与するので、それぞれが手元に入るお金はそこまで多くならないことをあらかじめ認識しておきましょう。
妻側の財産分与額が少なくなるケース
財産分与は「財産を形成するためにどれだけの貢献をしたか、どれだけの影響があったのか」という点を考慮するため、例外的に財産分与の割合が1/2にならないケースもあります。
例えば「家などの財産購入はほとんど婚姻前の夫の貯金からお金を出し、手続きにも一切関わっていない」という専業主婦の場合、妻の貢献度が低いため1/2よりも少ない割合になります。
財産形成の貢献度や影響度については、ケースごとに個々で判断されるものです。
あらかじめ財産分与の前に夫婦間でよく話し合ってお互い納得できる割合を取り決めておくことが大切でしょう。
まとめ
新築離婚で家を売却する場合、はじめに住宅ローンの残債を確認しましょう。
また、家を売却しても住宅ローンの完済ができないオーバーローン状態のときには任意売却も検討する必要があります。
離婚時の財産分与は夫婦の不動産持分関係なく1/2ずつとなります。そのため、持分のみを売るのであれば権利侵害などの争いを生まないためにも財産分与後に売却することを考えましょう。
家を売却せずに夫婦どちらかが住み続ける場合は審査によって名義変更ができない可能性があります。
なお、居住を続ける側にも突然家を失うなどのリスクがあります。
新築離婚となってしまったときは家を早めに売却してお互いの繋がりを清算した後、新しい生活をスタートさせるほうが将来的によいでしょう。
新築離婚のよくある質問
新築離婚で手放す家は「新築物件」として売却できますか?
新築物件として売るには「入居せず1年以内に売却する」必要があります。この条件が満たせなかった場合は、中古物件とみなされるので注意しましょう。
財産分与とは、どのような手続きですか?
財産分与とは、夫婦の婚姻期間中に取得した財産を離婚時に1/2ずつ分配する制度です。離婚時には必ずおこなわれることを覚えておきましょう。
任意売却とは、どのような手続きですか?
オーバーローンの家を売却するために必要な方法です。任意売却であれば、オーバーローン状態であっても不動産の売却と抵当権の解除が認められます。
新築離婚する場合、購入した家はどうするべきですか?
離婚後のトラブルを解消するために、売却すべきです。もしも、新築離婚で夫婦どちらかが居住を続けると、住宅が差し押さえられたり、一括請求を求められる恐れがあります。
新築離婚で手放す家を高く売るには、どうすれば良いですか?
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