私道持分がない不動産を売却する3つの方法を解説します!

私道持分 不動産 売却

敷地に面している道路が他人の私道だけであり、その私道の持分(複数人で私道を共有するときに各自がもつ所有権)もないという不動産があります。

私道は、原則として所有者が許可した人しか使用・通行ができません。私道持分のない不動産は、私道所有者とトラブルになると出入りができなくなるリスクがあります。

私道持分のない不動産を売却するときは、私道所有者に通行や掘削の許可を取っておかなければ、なかなか売れずに売却価格の値下げが必要になってしまいます。

私道所有者との交渉に不安がある場合は、弁護士に相談するか、交渉はせずに現状のまま「訳あり物件専門の買取業者」に買い取ってもらうのがよいでしょう。

訳あり物件専門の買取業者であれば、私道持分のない不動産であっても高額かつ最短数日のスピード買取が可能です。無料査定を利用して、売却に向けたアドバイスを聞いてみましょう。

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私道持分がないと不動産の売却が難しくなる

不動産が私道に接していると、売却にあたって支障があるかもしれません。

なぜなら、私道持分をもっていないと、通行や工事ができない可能性があるからです。

では、そもそも私道持分とはどういったものなのでしょうか?

私道持分の概要や、もっていない場合にどんな問題があるのか見ていきましょう。

私道持分とは「共有私道における各共有者の所有権」

私道とは、国や自治体ではなく、個人もしくは法人が所有する道路のことです。

また、持分とは、複数人でなにかしらの資産を共有するとき、各共有者がどれくらいの割合で権利を有しているかを表すものです。

つまり、私道持分は「複数人で共有している私道において、各共有者がもっている所有権の割合」を表します。

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私道持分がないと通行や工事ができない恐れがある

私道が共有名義ではなく、自分1人の名義であれば、どのように使おうが自由です。

しかし、共有名義の場合は話が変わります。共有私道の使用や管理には、各共有者の意思を確認する必要があります。

ましてや、私道持分をもっていない人は、すべての持分権者から利用許可をもらわなければならないケースもあります。

とくに、建物の建て替え工事などがあると、許可を取るのが難しくなります。インフラ工事に必要な私道の掘削や、工事車両搬入に対して許可をもらえないかもしれません。

このようなデメリットがあるため、私道持分のない不動産は買主がつきにくく、なかなか売却できないのです。

袋地に関しては「最低限の通行」は可能

袋地(周囲が敷地に囲まれ、道路との接続がない土地)に関しては、民法で最低限の通行権が保証されています。

ただし、あくまで最低限の通行なので、自由に使えるわけではありません。

具体的には、通路幅に一定の制限があるケースや、自動車での通行が認められないといったケースがあります。

民法第210条
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

民法第211条
前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。出典:e-Govポータル「民法第210条、第211条」

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私道持分の有無は登記簿で確認できる

不動産売却にあたって私道持分の有無を確認したいときは、登記簿で確認できます。

登記簿は、法務局の窓口やオンラインで閲覧できます。また、写し(登記簿謄本や登記事項証明書)の取得も可能です。

ただし、登記簿の閲覧や写しの取得には地番が必要です。私道の地番は公図を使って確認可能で、こちらも法務局で取得できます。

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参照:一般財団法人民事法務協会「登記情報提供サービス」(登記簿のオンライン閲覧)

参照:法務省「登記・供託オンライン申請システム」(登記事項証明書のオンライン申請)

私道持分がない不動産を売るための「3つの売却方法」

測量

私道持分がない不動産の売却方法は、下記の3つがあげられます。

1つ目は、私道持分を取得したあとで売却する方法です。私道持分と一緒に不動産を売却することで、買主も安心して購入できます。

2つ目が、通行や掘削の許可を得たうえで売却する方法です。持分がなくても、通行や工事の許可を取得しておけば実質的な支障はありません。

3つ目は、現状のまま訳あり物件専門の買取業者に売却する方法です。専門買取業者なら、私道持分や通行・工事の許可を取得しなくも買い取ってもらえます。

方法1.私道持分を取得したあとで売却する

私道持分を取得し、共有者としての権利を取得すれば、私道の通行や工事がしやすくなります。

共有者であっても他共有者との相談は必要ですが、共有者同士であれば「お互い様」という意識が働き、交渉もスムーズに進みやすくなるのです。

なぜなら「自分が承諾しなければ、逆の立場になったときに承諾してもらえない」というリスクがあるからです。

しかし、私道持分のない相手にはそのようなリスクがありません。そのため、承諾を拒否されたり、法外な承諾料を要求されたりする恐れがあります。

私道持分はどうやって取得する?

共有私道には2種類あり、それぞれ私道持分の取得方法も異なります。

共同所有型 私道全体を複数人で所有している状態
相互持合型 分筆した私道をそれぞれが単独所有している状態

 

共同所有型私道
相互持合型私道

私道全体が共有名義となっている「共同所有型」は、持分一部移転登記によって私道持分の一部を譲渡してもらいます。

私道を分筆して持ち合っている「相互持合型」は、単独所有している部分をさらに分筆して譲渡してもらいます。

ちなみに、分筆による譲渡は土地家屋調査士に依頼し、私道を分筆してくれる売主と、対象部分に隣接する所有者に立ち会ってもらう「境界確定測量」が必要になります。

方法2.通行や掘削の許可を得たうえで売却する

私道持分がなくても、私道の通行や掘削に関する許可があれば、不動産の使用において大きな支障はありません。

そのため、売却前にこれら2つの許可を得ておくことで、スムーズに不動産を売却できます。許可は口約束だけでなく、承諾書など書面に起こしておきましょう。

「買主が購入後に承諾を取ればよいのでは?」と思うかもしれませんが、私道持分がなく、通行・掘削の許可もない不動産は、ほとんど売れないのが実情です。

逆にいえば、事前に許可を得ておけば普通の不動産と同じように売却できます。手間はかかりますが、私道持分のない不動産を売却するには必要なことだと考えましょう。

すぐに許可が取れるのであれば問題ありませんが、交渉が難航する場合は、不動産問題に詳しい弁護士へ相談するとよいでしょう。

通行地役権を設定すれば半永久的な通行が可能

通行権を半永久的に保証する方法として、通行地役権の設定があります。

具体的な利用方法や使用できる私道の範囲などを取り決め、その内容を法務局で登記することで、第三者にも主張が可能になるのです。

一度でも通行地役権を設定すれば、売買や相続があっても継承されていきます。私道の持ち主が変わっても、新しい持ち主はその取り決めを守らなければいけません。

方法3.現状のまま訳あり物件専門の買取業者に売却する

上記2つの方法は、私道の持分権者と交渉をしなければいけません。しかし、そのような手間や時間をかけずに不動産を売却したい人も多いでしょう。

そもそも、交渉したからといって、私道の持分権者がこちらの希望を承諾するとは限りません。

そこで、私道持分がない不動産でも買取が可能な「訳あり物件専門の買取業者」に相談してみましょう。

訳あり物件専門の買取業者なら、私道持分のない不動産でも相場に近い価格で買い取れます。直接買取をおこなうため、最短数日での現金化も可能です。

当サイトを運営するクランピーリアルエステートも、訳あり物件専門の買取業者です。無料査定も承っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

弁護士とも連携しているので、権利トラブルのある不動産でも積極的に買取できます!

まとめ

私道持分がない不動産の売却は、通行・掘削の承諾を得られているかが大きなポイントです。

これらの承諾がない場合、不動産の利用に大きな制限が発生するため、買主はつきくくなります。

そのため、私道の通行・掘削承諾はセットで取り付けるようにするか、あらかじめ私道持分を取得して不動産と一緒に売却するとよいでしょう。

また、訳あり物件専門の買取業者に依頼すれば、私道持分や通行・掘削承諾のない不動産でも、そのまま売却できます。手間なく不動産を売却したいのであれば、ぜひ相談してみましょう。

私道持分に関するよくある質問

私道と私道持分の違いは何ですか?

「私道」とは、国や自治体ではなく、個人もしくは法人が所有する道路のことです。私道のなかでも共有名義のものを共有私道といい、共有私道における各共有者の所有権を「私道持分」と呼びます。

どうすれば公道と私道を見分けられますか?

法務局や登記所などで公図を取得することで、その道路が公道か私道かを見分けることができます。また自治体に問い合わせれば、私道であるかどうか教えてもらえます。

どうすれば私道持分を調べられますか?

法務局の登記簿を閲覧することで、私道の所有者や持分割合を確認できます。

私道持分のない不動産は売却できますか?

法律上の制限はないので、私道持分のない不動産でも売却可能です。ただし、買主が見つかりにくく、売却価格も安くなってしまうことが多いです。

どうすれば私道持分のない不動産を売却できますか?

私道持分を取得したり、通行地役権を設定すれば私道持分のない不動産でも売却可能です。また、訳あり物件専門の買取業者であれば、私道持分のない不動産でもそのまま買取してもらえます。→ 【最短12時間の無料査定!】訳あり物件の専門買取業者はこちら

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